説明

丁合装置

【課題】他の丁合装置と接続して多くの用紙を重ね合わせることが可能な丁合装置の省スペース化または低コスト化を実現する。
【解決手段】第1丁合装置10において、複数の給紙機構16の各々は、対応する給紙トレイ14から用紙を一枚ずつサブ搬送路に送り出す。メイン搬送機構20は、サブ搬送路の各々から送り出される用紙を重ね合わせる。特定の第1被装着部12aは、第2丁合装置160から用紙束を搬送する中継搬送機構170が、装着可能に設けられる。中継搬送機構170は、第1被装着部12aに装着されると、特定の第1被装着部12aに対応するサブ搬送路に用紙束を送り出し可能となる。特定の第1被装着部12aは、中継搬送機構170と給紙機構16とが択一的に装着可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丁合装置に関し、特に、複数の用紙を重ね合わせる丁合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給紙トレイを上下方向に複数並設した丁合装置が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、より多くの用紙を重ね合わせるために上下方向に並設する給紙トレイの数を増やすと、上方の給紙トレイの位置は非常に高くなり、給紙作業がしにくくなる虞がある。このため、このように給紙トレイを上下方向に複数並設した丁合装置を水平方向に複数配置して互いに接続し、各々の丁合装置で作成した用紙束を互いに重ね合わせる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−70087号公報
【特許文献1】特開2006−206256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献2に記載される丁合装置では、他の丁合装置から送り込まれた用紙束を搬送するための経路が、自身が作成した用紙束を搬送する経路とは別に必要となる。このため、例えば丁合装置を他の丁合装置と接続せずに単独で用いたい場合に不要な経路が内部に存在することになり、装置の省スペース化や低コスト化が困難となる。
【0005】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、他の丁合装置と接続して多くの用紙を重ね合わせることが可能な丁合装置の省スペース化または低コスト化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の丁合装置は、第1の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第1の搬送路に送り出す第1給紙機構と、第2の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第2の搬送路に送り出す第2給紙機構と、第1の搬送路から送り出される用紙と第2の搬送路から送り出される用紙とを重ね合わせる用紙重ね機構と、用紙を重ね合わせて用紙束を作成する用紙束作成機構から用紙束を搬送する中継搬送機構が装着可能に設けられる被装着部と、を備える。中継搬送機構が被装着部に装着されているとき、用紙束作成機構から中継搬送機構を介して搬送された用紙束が第2の搬送路に送り出される。
【0007】
この態様によれば、第2の給紙機構によって用いられる第2の搬送路を利用して、用紙束作成機構から送り込まれた用紙束を搬送することができる。このため、用紙束作成機構から送り込まれた用紙束を搬送するための搬送路を第2の搬送路と別に設ける場合に比べ、搬送路に要するスペースおよびコストを抑制することができる。
【0008】
被装着部は、第2給紙機構と中継搬送機構とが択一的に装着可能に設けられてもよい。この態様によれば、簡易な構成で第2の搬送路を第2給紙機構と中継搬送機構とで共有することができる。このため、中継搬送機構との接続のために搬送路を別途設ける場合に比べてコストを抑制することができる。
【0009】
被装着部は、第2給紙機構が取り付けられたまま中継搬送機構が装着可能となるよう設けられ、第2給紙機構は、中継搬送機構が被装着部に装着されることにより第2の搬送路への用紙の送り出しが不能とされてもよい。
【0010】
この態様によれば、中継搬送機構を装着するときに、第2給紙機構を取り外す手間を省くことができる。また、第2給紙機構からの用紙の搬送を回避でき、誤作動を抑制することができる。
【0011】
第2の用紙収容部は、用紙が積載される給紙トレイを有してもよい。給紙トレイは、中継搬送機構が被装着部に装着されるときに、中継搬送機構が装着されるスペースから退避するよう設けられてもよい。
【0012】
給紙トレイはさまざまな用紙が積載されるため、そのサイズを抑制することは一般的に難しい。この態様によれば、給紙トレイを退避することにより、このようにサイズの抑制が困難な給紙トレイと、中継搬送機構との干渉を回避することができる。
【0013】
本態様に係る丁合装置は、中継搬送機構に用紙束を送り出すべく中継搬送機構が装着可能に設けられた第2の被装着部をさらに備えてもよい。
【0014】
この態様によれば、丁合装置をいわゆる数珠繋ぎにすることができる。このため、より多くの用紙を重ね合わせた用紙束を作成することができる。
【0015】
第2の搬送路は、第1の搬送路よりも大きな幅を有していてもよい。
【0016】
第2の搬送路は、用紙束が搬送される可能性がある。この態様によれば、第2の搬送路において用紙束を適切に搬送することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、丁合装置である。この丁合装置は、用紙を重ね合わせて用紙束を作成する用紙束作成機構と、作成された用紙束を送り出す中継搬送機構と、を備える。中継搬送機構は、第1の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第1の搬送路に送り出す第1給紙機構と、第2の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第2の搬送路に送り出す第2給紙機構と、第1の搬送路から送り出される用紙と第2の搬送路から送り出される用紙とを重ね合わせる用紙重ね機構と、を備える第2の丁合装置に装着可能に設けられ、中継搬送機構は、第2の丁合装置に装着されているとき、用紙束作成機構から搬送された用紙束を第2の搬送路に送り出す。
【0018】
この態様によれば、第2の給紙機構によって用いられる第2の搬送路を利用して、用紙束作成機構から送り込まれた用紙束を搬送することができる。このため、用紙束作成機構から送り込まれた用紙束を搬送するための搬送路を第2の搬送路と別に設ける場合に比べ、搬送路に要するスペースおよびコストを抑制することができる。また、中継搬送路を取り外すことによって、例えばスタッカを取り付ける、または他の後処理装置に接続するなどして、別の丁合装置に接続しない場合においても丁合装置を有効に利用することが可能となる。
【0019】
中継搬送機構と、用紙束を包装する包装機構に用紙束作成機構によって作成された用紙束を送り出す包装用搬送機構と、が択一的に装着可能に設けられる被装着部をさらに備えてもよい。
【0020】
この態様によれば、中継搬送機構を取り外して包装用搬送機構を取り付けることにより、包装機構に簡易に接続することができる。このため、丁合装置を、用紙束を包装するためのシステムの一部としても利用可能となる。
【0021】
用紙収容部は、複数の給紙トレイを含んでもよい。用紙束作成機構は、複数の給紙トレイから一枚ずつ送り出された用紙が順次重ね合わされ搬送される第1搬送路と、複数の給紙トレイのうち一以上の所定の給紙トレイから送り出された用紙を搬送できるよう第1搬送路の中途の所定位置から分岐する第2搬送路と、のいずれかに切り替える搬送路切り替え機構を有してもよい。中継搬送機構は、第1搬送路から送り出された用紙を搬送する第1の形態と、第2搬送路から送り出された用紙を搬送する第2の形態と、に択一的に変換可能に設けられてもよい。
【0022】
この態様によれば、別の丁合装置に接続する場合には中継搬送機構を第1の形態とし、例えば包装機構など丁合装置とは別の装置に接続する場合には中継搬送機構を第2の形態とすることができる。このため、中継搬送機構を取り外すことなく他の装置に接続することができ、例えば接続する装置に応じた複数種類の搬送機構を設ける場合に比べ、搬送機構に要するコストを抑制することができる。
【0023】
中継搬送機構が取り外し可能に装着される被装着部と、中継搬送機構が取り外されているときに、用紙束作成機構から送り出された用紙束を蓄積するスタッカを着脱可能に支持するスタッカ支持部と、をさらに備えてもよい。
【0024】
この態様によれば、中継搬送機構を取り外してスタッカを取り付けることにより、丁合装置を単独で使用することができる。このため、丁合装置の用途を拡大することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、他の丁合装置と接続して多くの用紙を重ね合わせることが可能な丁合装置の省スペース化または低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態に係る第1丁合装置の正面図である。
【図2】給紙トレイ、給紙機構、サブ搬送機構、およびメイン搬送機構の構成を示す図である。
【図3】給紙機構の構成を示す斜視図である。
【図4】筐体に取り付けられた状態の給紙機構の上面図である。
【図5】第1丁合装置を用いた一例である丁合システムの正面図である。
【図6】第2丁合装置を用いた一例である丁合システムの正面図である。
【図7】第2丁合装置を用いた別の一例である丁合システムの正面図である。
【図8】第1丁合装置を用いた別の一例である丁合システムの正面図である。
【図9】第1丁合装置を用いた別の一例である丁合システムの正面図である。
【図10】第2の実施形態に係る第2丁合装置を用いた一例である丁合システムの正面図である。
【図11】(a)は、中継搬送機構が装着されていないときの給紙装置を示す図であり、(b)は、中継搬送機構が装着されたときの給紙装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る第1丁合装置10の正面図である。図1では、第1丁合装置10の内部構造を示している。第1丁合装置10は、筐体12、給紙トレイ14、給紙機構16、サブ搬送機構18、およびメイン搬送機構20を有する。
【0029】
この第1丁合装置10では、給紙トレイ14は20個設けられている。給紙トレイ14の各々は、用紙を収容する用紙収容部として機能する。具体的には、10個の給紙トレイ14が、上下方向に並ぶよう筐体12の右側面に取り付けられている。また、別の10個の給紙トレイ14が、上下方向に並ぶよう筐体12の左側面に取り付けられている。給紙機構16も20個設けられており、各々が給紙トレイ14に対応して配置されている。複数の給紙機構16の各々は、給紙トレイ14から用紙を一枚ずつサブ搬送機構18の搬送路に送り出す。
【0030】
サブ搬送機構18は、給紙機構16の各々に対応して設けられており、対応する給紙機構16から送り出された用紙をメイン搬送機構20に送り込む。メイン搬送機構20は、上下方向に延在するよう筐体12の内部に配置される。メイン搬送機構20は、サブ搬送機構18の各々から送り込まれた用紙を、単独で、または重ね合わせながら下方へ搬送する。メイン搬送機構20は、複数のサブ搬送機構18の各々から送り出される用紙を、単独で、または重ね合わせながら下方へ搬送する。したがってメイン搬送機構20は、用紙重ね機構として機能する。
【0031】
給紙トレイ14および給紙機構16は、筐体12に取り外し可能に装着されている。具体的には、給紙トレイ14は、ユーザによって少し持ち上げられると、筐体12との係合が解除され、筐体12から取り外すことができるよう構成されている。このような係合方法は公知であるため説明は省略する。
【0032】
筐体12には、給紙機構16が装着される第1被装着部12aが、給紙機構16を装着すべき個所の各々に設けられている。このように第1被装着部12aを給紙機構16の各々に対応して設けることにより、例えば給紙機構16に何かしらの不具合が生じた場合においても、給紙機構16を迅速に交換することができ、良好な保守性を実現できる。なお、後述するように別の丁合装置と連結するための中継搬送機構を装着すべき個所のみ、第1被装着部12aが設けられていてもよい。
【0033】
第1丁合装置10は、折り用給紙トレイ30、用紙搬送プレート32、用紙載置プレート34、ストッパ36、折りナイフ38、および一対のローラ40をさらに有する。折り用給紙トレイ30には、メイン搬送機構20から送られてくる用紙束を包むように折りたたまれるべき用紙が積載される。折り用給紙トレイ30に対応して給紙機構16が設けられており、給紙機構16は、折り用給紙トレイ30に積載された用紙を用紙搬送プレート32に送り出す。
【0034】
用紙搬送プレート32は、用紙搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という)端部がメイン搬送機構20の下端よりわずかに左に位置するよう配置される。用紙載置プレート34は、2枚のプレートが間隔を開けて重ね合わさるように設けられている。用紙載置プレート34は、用紙搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という)端部が、メイン搬送機構20の下端よりわずかに右に位置するよう配置される。ストッパ36は、用紙載置プレート34の間隔内に搬送された用紙の先端が当接するよう、用紙載置プレート34の間隔内に配置される。ストッパ36は、モータなどのアクチュエータを作動させることにより、用紙載置プレート34に沿って上流側および下流側に移動可能に構成されている。
【0035】
第1丁合装置10には、電子制御部48が設けられている。電子制御部48は、各種の演算を実行するCPU、各種の制御プログラムを格納するROM、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有し、第1丁合装置10の内部に設けられたアクチュエータの作動などを制御する。第1丁合装置10には、コントロールパネル(図示せず)も設けられており、ユーザは、このコントロールパネルにて各種の設定入力を行うことが可能となっている。電子制御部48は、こうしてユーザに入力された情報を取得し、取得した情報に応じて第1丁合装置10の作動を制御する。例えば電子制御部48は、ユーザに入力された、折り用給紙トレイ30に積載された用紙のサイズを利用して、用紙の中央が折りナイフ38によって押し込まれるよう、ストッパ36を移動させる。
【0036】
第1丁合装置10は、さらにベルト搬送機構42、排出ローラ44、およびスタッカ46を有する。折り用給紙トレイ30に積載された用紙によって用紙束を包んで折りたたまない場合、用紙載置プレート34には用紙は搬送されず、メイン搬送機構20によって下方に搬送されながら形成された用紙束は、そのまま一対のローラ40によって挟持されてベルト搬送機構42に搬送される。ベルト搬送機構42は、さらに下流に用紙束を搬送し、排出ローラ44は、搬送された用紙束をスタッカ46に排出する。スタッカ46は、筐体12に設けられたスタッカ装着部12cに着脱可能に取り付けられている。スタッカ46には、作成された用紙束が積載され蓄積される。
【0037】
折り用給紙トレイ30に積載された用紙によって用紙束を包んで折りたたむ場合、用紙載置プレート34に用紙がまず搬送される。メイン搬送機構20によって下方に搬送されながら形成された用紙束は、用紙載置プレート34に搬送された用紙に先端が突き当たる。折りナイフ38は、モータ(図示せず)によって回転可能とされている。電子制御部48は、このタイミングで折りナイフ38を回転させて、折りナイフ38の先端を用紙載置プレート34に載置された用紙に突き当てて、一対のローラ40に向けて押し付ける。こうして用紙束は、用紙載置プレート34に配置されていた用紙とともにローラ40によって挟持され、用紙載置プレート34に配置されていた用紙が用紙束を包むように折りたたまれ、ベルト搬送機構42に搬送される。
【0038】
第1丁合装置10は、リジェクト機構50をさらに備える。リジェクト機構50は、リジェクトトレイ52、経路切り替え機構54、ローラ56、ソレノイド58、および経路切り替えプレート60を有する。経路切り替えプレート60は、先端がベルト搬送機構42の下流側端部よりも上方に退避した退避位置と、先端がベルト搬送機構42の下流側端部近傍に下降したリジェクト位置との間で回動可能に構成されている。ソレノイド58は、オンにされたときに経路切り替えプレート60をリジェクト位置に進出させ、オフにされたときに経路切り替えプレート60を退避位置に退避させる。
【0039】
給紙機構16の各々には、用紙が重なったまま送り出される重送、または送り出されるべき用紙が送り出されない空送りを検出するための用紙センサ(図示せず)が設けられている。ある用紙束の作成工程において重送または空送りが検知された場合、電子制御部48は、その用紙束を回収すべく、その用紙束がベルト搬送機構42に搬送されたときに、経路切り替えプレート60をリジェクト位置に進出させる。これにより、重送や空送りなどのエラーが生じた用紙束は経路切り替えプレート60上で搬送され、一対のローラ56によってリジェクトトレイ52に排出される。
【0040】
図2は、給紙トレイ14、給紙機構16、サブ搬送機構18、およびメイン搬送機構20の構成を示す図である。給紙機構16は、給紙ローラ61、分離ローラ62、ベースプレート64、ブラケット66、分離ローラ軸68、給紙ローラ軸70、第1ガイドブロック90、および第2ガイドブロック92を有する。
【0041】
分離ローラ62は、分離ローラ軸68によってブラケット66に回転可能に支持されている。分離ローラ62は、分離パッド72に押し付けられており、用紙を送り出すときに分離パッド72と共に送り出すべき用紙を他の用紙から分離させる。給紙ローラ61は、給紙ローラ軸70によってブラケット66に回転可能に支持されている。分離ローラ軸68の両端部は、後述する第1ガイドブロック90および第2ガイドブロック92にそれぞれ回転可能に支持されている。分離ローラ軸68と給紙ローラ軸70とは共に回転するよう構成されている。分離ローラ軸68は、モータ(図示せず)により駆動され、これによって給紙ローラ61および分離ローラ62の双方が回転して給紙トレイ14に積載された用紙のうち最上位の用紙を一枚ずつ送り出す。
【0042】
サブ搬送機構18は、一対のサブ搬送ローラ80、および一対の合流ガイドプレート82を有する。一対の合流ガイドプレート82は、一対のサブ搬送ローラ80によって搬送される用紙を下方に湾曲させるよう用紙を案内すべく、傾斜して配置されている。このサブ搬送ローラ80および合流ガイドプレート82によって用紙が搬送される経路が、サブ搬送路96となる。給紙機構16によって送り出された用紙は、サブ搬送機構18によってサブ搬送路96上を搬送され、メイン搬送機構20に送り込まれる。
【0043】
この一対の合流ガイドプレート82の間隔が、サブ搬送路96の幅Wとなる、後述するように、複数のサブ搬送路96のうち、右側の最下位のサブ搬送路96(以下、「特定のサブ搬送路96」という)は、用紙束が搬送される可能性がある。このため、特定サブ搬送路96は、他のサブ搬送路96よりも大きいの幅Wを有する。
【0044】
メイン搬送機構20は、複数対のメイン搬送ローラ84、および複数対のメインガイドプレート86を有する。一対のメイン搬送ローラ84および一対のメインガイドプレート86は、左右2つの給紙トレイ14に対応して配置される。一対のメイン搬送ローラ84は、サブ搬送路96を通じて送り込まれた用紙を下方に搬送する。このとき、別のサブ搬送路96から送り出され下方へと搬送される用紙とサブ搬送路96から送られる用紙とを重ね合わせながら搬送する。一対のメインガイドプレート86は、鉛直下方に搬送されるよう用紙を案内する。したがってメイン搬送機構20は、用紙重ね機構として機能する。このメイン搬送ローラ84およびメインガイドプレート86によって用紙が搬送される経路が、メイン搬送路98となる。
【0045】
図3は、給紙機構16の構成を示す斜視図である。第1ガイドブロック90および第2ガイドブロック92は、ベースプレート64および分離ローラ軸68を挟むように配置される。第1ガイドブロック90および第2ガイドブロック92の各々の互いに背向する側面には、用紙搬送方向と略平行に伸びるガイド溝90aおよびガイド溝92aがそれぞれ設けられている。ガイド溝90aとガイド溝92aは、互いに平行に延在するよう設けられる。ガイド溝90aには、球の一部を形成するようにさらに凹む凹部90bが2個所設けられている。第2ガイドブロック92には、開口部92bが設けられており、この開口部92bからロックレバー94が外部に突出するよう配置されている。
【0046】
図4は、筐体12に取り付けられた状態の給紙機構16の上面図である。筐体12の第1被装着部12aには、第1ガイド部材100および第2ガイド部材102が、互いに平行に且つ給紙機構16が挿入されるスペースを互いに隔てて設けられている。給紙機構16を筐体12に取り付けるときには、まずこの第1ガイド部材100に第1ガイドブロック90のガイド溝90aが嵌め込まれ、第2ガイド部材102に第2ガイドブロック92のガイド溝92aが嵌め込まれるよう給紙機構16を第1被装着部12aに挿入する。第1ガイド部材100には孔100aが2個所設けられており、孔100aの各々にボール106が挿入されている。ボール106の各々は、コイルスプリング104によって、孔100aのうちガイド溝90aに接する側の各々の開口部から一部が突出するよう付勢力が与えられている。このボール106が凹部90bに入り込み、給紙機構16が位置決めされる。
【0047】
第2ガイド部材102には、ロック孔102aが設けられている。ロックレバー94の一端はロックピン110の一端に連結ピン112によって互いに回動可能に連結されている。ロックレバー94は、支点軸114によって第2ガイドブロック92に回動可能に取り付けられている。ボール106と凹部90bとによって位置決めされた位置でロックレバー94をユーザが回動することによりロックピン110がロック孔102aに挿入され、給紙機構16がロックされる。
【0048】
図5は、第1丁合装置10を用いた一例である丁合システム150の正面図である。丁合システム150は、第1丁合装置10、第2丁合装置160、および中継搬送機構170を備える。この丁合システム150では、中継搬送機構170を介して第1丁合装置10と第2丁合装置160とが連結されている。第1丁合装置10は単独でも使用することができるが、このように第2丁合装置160と接続することにより、第1丁合装置10で作成された用紙束と第2丁合装置160で作成された用紙束をさらに重ね合わせて、より枚数の多い用紙束を作成することができる。
【0049】
第2丁合装置160は、筐体162、給紙トレイ14、給紙機構16、サブ搬送機構18、およびメイン搬送機構20を有する。第2丁合装置160では、給紙トレイ14、給紙機構16、およびサブ搬送機構18は、それぞれ6個設けられている。6個の給紙トレイ14は、上下方向に並ぶよう筐体162の右側面に取り付けられている。給紙機構16およびサブ搬送機構18は、各々が給紙トレイ14に対応して設けられている。このように給紙トレイ14、給紙機構16、サブ搬送機構18の個数以外は、これらの構成は上述と同様である。第2丁合装置160は、複数の給紙トレイ14から用紙を一枚ずつ送り出して重ね合わせることにより用紙束を作成するため、用紙束作成機構として機能する。
【0050】
筐体162には、給紙機構16が装着される第1被装着部162aが、給紙機構16を装着すべき個所の各々に設けられている。なお、別の丁合装置と連結するための中継搬送機構を装着すべき個所、すなわち最も下方に位置する給紙機構を装着するための個所のみ、第1被装着部162aが設けられていてもよい。以下、この個所の第1被装着部162aを「特定の第1被装着部162a」という。また、筐体162には、中継搬送機構170の上流側の第1装着部170aが取り外し可能に装着される第2被装着部162bが設けられている。
【0051】
中継搬送機構170は、上流側に設けられた第1ベルト搬送機構172および下流側に設けられた第2ベルト搬送機構174を有している。第1ベルト搬送機構172および第2ベルト搬送機構174は、用紙を直線的に搬送できるよう一直線状に並設されている。
【0052】
第1丁合装置10では、20個所の第1被装着部12aのうち、装置右側の最も下方の第1被装着部12a(以下、「特定の第1被装着部12a」という)に、中継搬送機構170の下流側の第2装着部170bが取り外し可能に装着される。したがって、特定の第1被装着部12aは、給紙機構16と中継搬送機構170とが択一的に装着可能に設けられている。このため、中継搬送機構170が特定の第1被装着部12aに装着されている場合、特定の第1被装着部12aにおける給紙機構16による用紙を送り出しは不能となる。
【0053】
なお、特定の第1被装着部12aのサブ搬送路96は、1枚の用紙よりも厚い用紙束が搬送可能となるよう、他の第1被装着部12aのサブ搬送路96よりも間隔が大きく設けられている。また、他の第1被装着部12aには、第2装着部170bが誤って装着されないよう、特定の第1被装着部12aに設けられていない突起が形成されるなどのフールプルーフが設けられている。なお、このようなフールプルーフが設けられていなくてもよい。
【0054】
第1丁合装置10の特定の第1被装着部12aは、第2丁合装置160の第2被装着部162bと同じ高さに設けられている。このため、特定の第1被装着部12aに第2装着部170bが装着され、第2被装着部162bに第1装着部170aが装着されたときに、水平な状態で中継搬送機構170を支持することができる。
【0055】
なお、中継搬送機構170は、第1丁合装置10とは別の丁合装置に特定の第1被装着部12aと同一の別の被装着部が設けられている場合、第2装着部170bが当該別の被装着部に装着可能に設けられている。また、中継搬送機構170は、第2丁合装置160とは別の丁合装置に、第2被装着部162bと同一の別の被装着部が設けられている場合、第1装着部170aが当該別の被装着部に装着可能に設けられている。このため、様々な構成に丁合システムを変化させることが可能となっている。
【0056】
中継搬送機構170は、第1ベルト搬送機構172および第2ベルト搬送機構174によって、第2丁合装置160から、第1丁合装置10における特定の第1被装着部12aに対応するサブ搬送路96に用紙束を送り出す。なお、第2被装着部162bには、後述するように中継搬送機構170以外の機構が装着可能となっている。第2被装着部162bには、どの機構が装着されたかを検知する機構検知センサ166が設けられている。機構検知センサ166は、例えば装着される機構によって異なるスイッチが押されるスイッチ郡を有していてもよい。
【0057】
第2丁合装置160には、電子制御部168が設けられている。電子制御部168は、各種の演算を実行するCPU、各種の制御プログラムを格納するROM、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有し、第2丁合装置160の内部に設けられたアクチュエータの作動などを制御する。電子制御部168は、機構検知センサ166の検知結果を利用して、第2被装着部162bに装着された機構を判別する。
【0058】
また、特定の第1被装着部12aにも、どのような機構が装着されたかを検知する機構検知センサ176が設けられている。機構検知センサ176は、機構検知センサ166と同様に構成されていてもよい。機構検知センサ176は、特定の第1被装着部12aに給紙機構16と中継搬送機構170のどちらが装着されたかを検知する。機構検知センサ176は電子制御部48に接続されている。
【0059】
電子制御部168は、中継搬送機構170によって第1丁合装置10と第2丁合装置160とが連結されたときに、中継搬送機構170を介して、機構検知センサ164の検知結果を電子制御部48に送信する。電子制御部48は、機構検知センサ166および機構検知センサ176の検知結果を利用して、丁合システムがどのような構成になっているかを把握し、用紙束の作成動作を制御する。
【0060】
なお、第1の実施形態では、特定の第1被装着部162aもまた、中継搬送機構170の第2装着部170bが装着可能とされている。したがって、特定の第1被装着部162aは、給紙機構16と、中継搬送機構170とが択一的に装着可能に設けられている。他の第1被装着部162aには中継搬送機構170の第2装着部170bの装着を回避するためのフールプルーフが設けられている。この特定の第1被装着部162aは、第2被装着部162bと同一の高さに配置されている。したがって、第2丁合装置160と中継搬送機構170との組み合わせを1つ以上追加することによって、第2丁合装置160をいわゆる数珠繋ぎに接続することができ、さらに多くの用紙を重ね合わせた用紙束を作成することが可能となる。
【0061】
この特定の第1被装着部162aにもまた、機構検知センサ166と同様の機構検知センサ164が設けられている。電子制御部168は、機構検知センサ164の検出結果を利用して、特定の第1被装着部162aに装着されている機構を判別し、判別結果に基づいて丁合動作を制御する。
【0062】
図6は、第2丁合装置160を用いた一例である丁合システム180の正面図である。丁合システム180は、第2丁合装置160、搬出機構182、およびスタッカ188を有する。筐体162には、中継搬送機構170が取り外されているときにスタッカ188を着脱可能に支持するスタッカ支持部162cが設けられている。スタッカ188には、第2丁合装置160から送り出された用紙束が蓄積される。搬出機構182は、ベルト搬送機構184および一対の排出ローラ186を有する。第2丁合装置160によって作成された用紙束は、ベルト搬送機構184によって搬送され、一対の排出ローラ186によってスタッカ188に排出される。
【0063】
電子制御部168は、特定の第1被装着部162aに給紙機構16の装着が検知され、第2被装着部162bに搬出機構182の装着が検知された場合、第2丁合装置160にスタッカ188が取り付けられていると判定し、スタッカ188に用紙束を蓄積すべく第2丁合装置160による丁合動作を制御する。このように、第2丁合装置160は、単独でも利用することができる。このため、丁合システム150を購入したユーザは、必要に応じて第1丁合装置10とは別の場所で第2丁合装置160を使用することも可能なり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0064】
なお、特定の第1被装着部12aには中継搬送機構170が装着可能となっている。したがって、第2丁合装置160と中継搬送機構170との組み合わせを1つ以上追加することによって、第2丁合装置160を数珠繋ぎに接続することが可能となる。この場合、いずれかの第2丁合装置160の電子制御部168が、機構検知センサ164や機構検知センサ166の検知結果を利用して丁合システムの構成を把握し、丁合動作を制御する。
【0065】
図7は、第2丁合装置160を用いた別の一例である丁合システム190の正面図である。丁合システム190は、第2丁合装置160、包装用搬送機構192、および包装装置200を備える。
【0066】
第2被装着部162bは、中継搬送機構170と、包装用搬送機構192と、が択一的に装着可能に設けられている。包装用搬送機構192は、ベルト搬送機構194を有しており、第2被装着部162bに包装用搬送機構192が装着されているときは、ベルト搬送機構194を用いて第2丁合装置160によって作成された用紙束を包装装置200に送り出す。
【0067】
包装装置200は、包装機構202、載置台204、およびスタッカ206を有する。載置台204は、包装機構202の用紙搬入口の高さと包装用搬送機構192からの搬出高さとが合う位置で包装機構202を支持する。包装機構202は、送り込まれた用紙束を包装する。具体的には、包装機構202は、用紙束を2枚の樹脂フィルムシートで挟み、用紙束の周囲でフィルムを溶着することにより、用紙束を包装する。このような包装機構の構成は公知であるため説明を省略する。スタッカ206は、包装機構202によって包装された用紙束を蓄積する。
【0068】
機構検知センサ166によって第2被装着部162bへの包装用搬送機構192の装着が検知された場合、電子制御部168は、包装装置200による包装処理間隔に合わせるよう、用紙束の搬出間隔を調整する。
【0069】
図8は、第1丁合装置10を用いた別の一例である丁合システム220の正面図である。包装装置200は、スタッカ46およびリジェクトトレイ52に代えて包装装置210が設けられた以外は、丁合システム150と同様に構成される。包装装置210は、載置台204に代えて、一対の排出ローラ44による排出高さに包装機構202の搬入口の高さを合わせるべく載置台212が設けられた以外は、包装装置200と同様に構成される。このように、第1丁合装置10にも包装装置が接続可能となっている。
【0070】
図9は、第1丁合装置10を用いた別の一例である丁合システム230の正面図である。丁合システム230は、2つの第1丁合装置10、中継搬送機構232、および包装装置210を備える。中継搬送機構232は、第1ベルト搬送機構234および第2ベルト搬送機構236を有する。第1ベルト搬送機構234は、搬入された用紙束を上昇させながら搬送すべく、中途で斜めに傾斜した搬送路が形成されるよう構成されている。
【0071】
経路切り替え機構54、ローラ56、および排出ローラ44は、一体的な搬出・リジェクトユニット240として構成されており、筐体12から一体的に着脱可能とされている。筐体12には、この搬出・リジェクトユニット240を取り外し可能に装着するための第2被装着部12bが設けられている。
【0072】
また、第2被装着部12bは、中継搬送機構232に用紙束を送り出すべく中継搬送機構232の上流側の第2装着部232bも装着可能に設けられている。したがって、第2被装着部12bは、搬出・リジェクトユニット240と中継搬送機構232とが択一的に装着可能に設けられている。中継搬送機構232の下流側の第2装着部232bは、特定の第1被装着部12aに装着可能となっている。したがって、特定の第2被装着部12bは、給紙機構16と中継搬送機構232とが択一的に装着可能となっている。2つの第1丁合装置10は、一方の第1丁合装置10の第2被装着部12bに第1装着部232aが装着され、他方の第1丁合装置10の特定の第1被装着部12aに第2装着部232bが装着されることにより、中継搬送機構232を介して互いに連結される。
【0073】
第2被装着部12bにも、どの機構が装着されたかを検知する機構検知センサ238が設けられている。機構検知センサ238は、上述の機構検知センサ166と同様に構成されてもよい。2つの第1丁合装置10の各々の電子制御部48は、機構検知センサ238の検出結果を利用して、第2被装着部12bに搬出・リジェクトユニット240および中継搬送機構232のどちらが装着されているかを判定する。各々の第1丁合装置10の電子制御部48は、この判定結果を利用して丁合動作を制御する。
【0074】
なお、中継搬送機構232は、別の丁合装置に特定の第1被装着部12aと同一の別の第1被装着部12aが設けられている場合、当該別の第1被装着部12aに装着可能に設けられる。したがって、例えば第1丁合装置10と中継搬送機構232との組み合わせをさらに1以上設けることにより、第1丁合装置10を数珠繋ぎに連結させることも可能である。これにより、より多くの用紙を重ね合わせた用紙束を作成することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る第2丁合装置260を用いた一例である丁合システム250の正面図である。なお、特に言及しない限り、第2丁合装置260の構成は上述の第2丁合装置160と同様である。以下、第1の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
丁合システム250は、第2丁合装置260、包装装置270、および中継搬送機構280を備える。第2丁合装置260は、筐体262、給紙トレイ14、給紙機構16、サブ搬送機構18、およびメイン搬送機構20を有する。給紙機構16、サブ搬送機構18、およびメイン搬送機構20の数や配置は、上述の第2丁合装置160と同様である。第1被装着部262aは、第2丁合装置160の第1被装着部162aと同様である。
【0077】
第2丁合装置260は、メイン搬送路98の中途部から分岐する分岐搬送路266が設けられている。分岐搬送路266は、6つの給紙トレイ14のうち上方の2つの給紙トレイ14から送り出された用紙を搬送できるよう、上から2番目の給紙トレイ14のサブ搬送機構18との合流地点と上から3番目の給紙トレイ14のサブ搬送機構18との合流地点との間において、メイン搬送路98から分岐する。さらに、第2丁合装置260は、メイン搬送路98と分岐搬送路266とのいずれかに用紙の搬送経路を切り替える搬送路切り替え機構264を有する。
【0078】
中継搬送機構280は、第1ベルト搬送機構282、第2ベルト搬送機構284、第1支持部材286、および第2支持部材288を有する。第1支持部材286は、第1ベルト搬送機構282を支持する。第2支持部材288は、第2ベルト搬送機構284を支持する。第1支持部材286と第2支持部材288とは、第1回動軸290を中心に回動加納とされている。
【0079】
筐体262には、中継搬送機構280を取り外し可能に装着するための第2被装着部262bが設けられている。第2被装着部262bは、第1ベルト搬送機構282を上下方向に延在する状態で収容できるよう、上下方向に長い凹部として筐体262の左側面に設けられている。中継搬送機構280は、第1ベルト搬送機構282の先端近傍において、第2回動軸292によって回動可能に第2被装着部262bに支持される。
【0080】
中継搬送機構280は、水平方向に用紙が搬送されるよう第1ベルト搬送機構282と第2ベルト搬送機構284とが一直線状に並ぶ第1の形態と、第1ベルト搬送機構282を上下方向に立てるとともに、第2ベルト搬送機構284を第1ベルト搬送機構282に対して90度の角度で回動させて水平方向に延在させる第2の形態とに択一的に変換可能に設けられている。
【0081】
ユーザは、第1回動軸290および第2回動軸292の各々を中心に第1支持部材286および第2支持部材288の各々を回動させることにより、中継搬送機構280を、第1の形態と第2の形態とに択一的に変換することができる。中継搬送機構280が第1の形態とされて第1丁合装置10に装着される場合、中継搬送機構280は、図5に示す中継搬送機構170と同様に直線状且つ水平な状態で第2丁合装置160を第1丁合装置10に連結する。
【0082】
中継搬送機構280は、第1の形態とされているときは、メイン搬送路98の終端部から送り込まれた用紙束を、中継搬送機構280の下流側に装着された装置、例えば上述の第1丁合装置10などに向けて搬送する。一方、中継搬送機構280は、第2の形態とされているときは、分岐搬送路266から送り込まれた用紙束を、中継搬送機構280の下流側端部に接続された包装装置270に向けて搬送する。
【0083】
包装装置270は、載置台204に代えて、第2の形態のときの中継搬送機構280の搬送高さに包装機構202の搬入口を合わせるよう載置台272が設けられた以外は、上述の包装装置200と同様に構成される。
【0084】
このように中継搬送機構280は、メイン搬送路98から送り出された用紙を搬送する第1の形態と、分岐搬送路266から送り出された用紙を搬送する第2の形態と、に択一的に変換可能に設けられる。これにより、中継搬送機構280を交換することなく、装着される装置に応じた搬送態様を実現することができる。
【0085】
(第3の実施形態)
図11(a)は、中継搬送機構350が装着されていないときの給紙装置300を示す図であり、図11(b)は、中継搬送機構350が装着されたときの給紙装置300を示す図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
第3の実施形態に係る第1丁合装置は、給紙トレイ14およびサブ搬送機構18に代えて、給紙装置300が設けられた以外は、上述の第1丁合装置10と同様に構成される。給紙装置300は、給紙トレイ302、ブラケット304、コイルスプリング306を有する。給紙トレイ302は、上流側端部が筐体(図示せず)に回動可能に支持されている。ブラケット304は、給紙トレイ302に積載される用紙の下流側端部が突き当てられるよう上下方向に延在する突き当て面304aと、突き当て面304aの下端から略水平に折り曲げられた支持面304bとを有する。ブラケット304と、給紙トレイ302の下面との間にコイルスプリング306が配置される。コイルスプリング306は、給紙トレイ302に上方に向かう付勢力を与える。
【0087】
給紙装置300は、給紙トレイ302に積載された用紙から最上位の用紙を一枚ずつ送り出すための給紙機構308をさらに有する。給紙機構308は、分離パッド310、分離ローラ312、および一対のサブ搬送ローラ80を有する。ブラケット304は、突き当て面304aの上端から略水平に折り曲げられた用紙搬送面304cをさらに有する。分離パッド310は、この用紙搬送面304c上に設けられている。分離ローラ312は、分離パッド310に押し付けられるよう、筐体に対し回転可能に支持されている。分離ローラ312はモータ(図示せず)に接続されており、モータによって駆動されることにより、分離パッド310との間で用紙を分離しながら、給紙トレイ302に積載された用紙のうち最上位の用紙を一枚ずつ送り出す。一対のサブ搬送ローラ80は分離ローラ312の下流側に設けられ、送り込まれた用紙をさらにサブ搬送路96に送り出す。サブ搬送路96に送り出された用紙は、メイン搬送路98に合流しながら、他の用紙と重ね合わされる。
【0088】
給紙装置300は、さらにニップ解除機構314およびスイッチ320を有する。ニップ解除機構314は、レバー316およびモータ318を有する。レバー316の一端は、分離ローラ312の回転軸に回転可能に接続されている。レバー316の他端は、例えばギヤヘッドなどの伝達機構を介してモータ318に接続されている。このモータ318が作動することにより、分離ローラ312を分離パッド310から離間させることができる。
【0089】
図11(a)に示すように給紙装置300に何も装着されない通常の状態では、スイッチ320はオフとされる。スイッチ320がオフにされたときは、モータ318は、分離ローラ312を分離パッド310に当て付けるよう回転し、所定の圧力が分離パッド310に与えられたときにレバー316の回転を停止させる。このとき、モータ318との間に伝達機構が設けられているため、スイッチ320がオフにされている間、分離ローラ312と分離パッド310との間に用紙を分離するための適度の分離圧が与えられた状態が維持される。
【0090】
給紙装置300には、図11(b)に示すように中継搬送機構350を装着可能となっている。中継搬送機構350は、筐体352およびベルト搬送機構354を有する。筐体352は、先端に突部352aが設けられている。突き当て面304aには、開口部304dが設けられており、この内部にスイッチ320が配置されている。図11(b)に示すように給紙装置300に中継搬送機構350が装着されると、中継搬送機構350の先端に設けられた突部352aが開口部304dに挿入され、スイッチ320をオンにする。スイッチ320がオンにされたときに、モータ318は、分離ローラ312を分離パッド310から離間させるよう回転し、所定角度までレバー316が回転したときに回転が停止するよう構成されている。
【0091】
このように、第3の実施形態では、給紙装置300が、中継搬送機構350の被装着部として機能する。なお、上述の実施形態と同様に、最も下方の給紙装置300のみが中継搬送機構350の被装着部として機能してもよい。給紙装置300は、給紙機構308が取り付けられたまま中継搬送機構350が装着可能となるよう設けられる。また、給紙機構308は、給紙装置300に中継搬送機構350が装着されることにより、分離ローラ312が分離パッド310から離間してサブ搬送路96への用紙の送り出しが不能となるよう設けられている。これにより、中継搬送機構350が装着されているにもかかわらず給紙装置300からの給紙が行われることを回避することができる。
【0092】
なお、給紙トレイ302は、中継搬送機構350が特定の給紙装置300に装着されるときに、コイルスプリング306の付勢力に抗して下方向に回動し、中継搬送機構350が装着されるスペースから退避するよう設けられている。これにより、給紙トレイ302と中継搬送機構350との干渉を回避することができる。
【0093】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0094】
第1丁合装置10に代えて、給紙トレイ14、給紙機構16、およびサブ搬送路96がそれぞれ一つずつ設けられた給紙装置が設けられてもよい。この給紙装置に、中継搬送機構170などが装着可能な被装着部が設けられてもよい。中継搬送機構170が被装着部に装着されているとき、中継搬送機構170の上流側が装着されている第2丁合装置160などから中継搬送機構170を介して搬送された用紙束がサブ搬送路96に送り出されてもよい。これにより、第2丁合装置160を給紙装置にも接続可能とすることができる。このとき、用紙束を搬送するための搬送路をサブ搬送路96とは別に設ける場合に比べ、搬送路に要するスペースやコストを抑制することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 第1丁合装置、 12 筐体、 12a 第1被装着部、 12b 第2被装着部、 12c スタッカ装着部、 14 給紙トレイ、 16 給紙機構、 18 サブ搬送機構、 20 メイン搬送機構、 46 スタッカ、 48 電子制御部、 80 サブ搬送ローラ、 82 合流ガイドプレート、 84 メイン搬送ローラ、 86 メインガイドプレート、 90 第1ガイドブロック、 90a ガイド溝、 90b 凹部、 92 第2ガイドブロック、 92a ガイド溝、 92b 開口部、 94 ロックレバー、 96 サブ搬送路、 98 メイン搬送路、 100 第1ガイド部材、 100a 孔、 102 第2ガイド部材、 102a ロック孔、 162c スタッカ支持部、 170 中継搬送機構、 188 スタッカ、 192 包装用搬送機構、 202 包装機構、 206 スタッカ、 232 中継搬送機構、 264 搬送路切り替え機構、 280 中継搬送機構、 302 給紙トレイ、 308 給紙機構、 350 中継搬送機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第1の搬送路に送り出す第1給紙機構と、
第2の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第2の搬送路に送り出す第2給紙機構と、
第1の搬送路から送り出される用紙と第2の搬送路から送り出される用紙とを重ね合わせる用紙重ね機構と、
用紙を重ね合わせて用紙束を作成する用紙束作成機構から用紙束を搬送する中継搬送機構が装着可能に設けられる被装着部と、
を備え、
前記中継搬送機構が前記被装着部に装着されているとき、前記用紙束作成機構から前記中継搬送機構を介して搬送された用紙束が第2の搬送路に送り出されることを特徴とする丁合装置。
【請求項2】
前記被装着部は、第2給紙機構と前記中継搬送機構とが択一的に装着可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の丁合装置。
【請求項3】
前記被装着部は、第2給紙機構が取り付けられたまま前記中継搬送機構が装着可能となるよう設けられ、
第2給紙機構は、前記中継搬送機構が前記被装着部に装着されることにより第2の搬送路への用紙の送り出しが不能とされることを特徴とする請求項1に記載の丁合装置。
【請求項4】
第2の用紙収容部は、用紙が積載される給紙トレイを有し、
前記給紙トレイは、前記中継搬送機構が前記被装着部に装着されるときに、前記中継搬送機構が装着されるスペースから退避するよう設けられることを特徴とする請求項3に記載の丁合装置。
【請求項5】
前記中継搬送機構に用紙束を送り出すべく前記中継搬送機構が装着可能に設けられた第2の被装着部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の丁合装置。
【請求項6】
第2の搬送路は、第1の搬送路よりも大きな幅を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の丁合装置。
【請求項7】
用紙を重ね合わせて用紙束を作成する用紙束作成機構と、
作成された用紙束を送り出す中継搬送機構と、
を備え、
前記中継搬送機構は、第1の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第1の搬送路に送り出す第1給紙機構と、第2の用紙収容部から用紙を一枚ずつ第2の搬送路に送り出す第2給紙機構と、第1の搬送路から送り出される用紙と第2の搬送路から送り出される用紙とを重ね合わせる用紙重ね機構と、を備える第2の丁合装置に装着可能に設けられ、
前記中継搬送機構は、前記第2の丁合装置に装着されているとき、前記用紙束作成機構から搬送された用紙束を第2の搬送路に送り出すことを特徴とする丁合装置。
【請求項8】
前記中継搬送機構と、用紙束を包装する包装機構に前記用紙束作成機構によって作成された用紙束を送り出す包装用搬送機構と、が択一的に装着可能に設けられる被装着部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の丁合装置。
【請求項9】
前記用紙収容部は、複数の給紙トレイを含み、
前記用紙束作成機構は、前記複数の給紙トレイから一枚ずつ送り出された用紙が順次重ね合わされ搬送される第1搬送路と、前記複数の給紙トレイのうち一以上の所定の給紙トレイから送り出された用紙を搬送できるよう前記第1搬送路の中途の所定位置から分岐する第2搬送路と、のいずれかに切り替える搬送路切り替え機構を有し、
前記中継搬送機構は、第1搬送路から送り出された用紙を搬送する第1の形態と、第2搬送路から送り出された用紙を搬送する第2の形態と、に択一的に変換可能に設けられることを特徴とする請求項7に記載の丁合装置。
【請求項10】
前記中継搬送機構が取り外し可能に装着される被装着部と、
前記中継搬送機構が取り外されているときに、前記用紙束作成機構から送り出された用紙束を蓄積するスタッカを着脱可能に支持するスタッカ支持部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の丁合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−195238(P2011−195238A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62280(P2010−62280)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000109727)株式会社デュプロ (195)
【Fターム(参考)】