説明

三竦みゲーム装置

【目的】ジャンケン遊戯をより深みのあるゲームとすべく、同じ遊戯者であっても、遊戯を継続することで、次に出すジャンケンの手を戦略的に変えるゲーム装置を提供することにある。
【構成】遊戯者三竦み情報取得手段と、前記遊戯者三竦み情報取得手段により選択された前記情報と対戦ゲームを実施するためにゲーム制御手段に設定された対戦手段と、を備えたゲーム装置であって、
前記対戦手段には、過去の勝負の結果を記憶する勝敗結果記憶手段と、前記勝敗結果を参照して次の手を決める複数の思考手段と、複数の思考手段のうち、一つの思考手段を切り替える思考切替手段と、プイレヤの継続プレイを判定する継続判定手段と、を有し、前記継続判定手段が遊戯者の継続プレイと判定した際には、前記思考切替手段により思考手段を切替えて、次の手を決定する、ゲーム装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンケン等の三竦み関係による勝負を行なうゲーム装置において、ゲーム装置側が次にどの手を出すかを戦略的に決める思考アルゴリズムを有する三竦みゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータゲーム上で、ジャンケンを行なうゲーム装置が知られている。このようなジャンケンゲームにおいては、コンピュータ側であるCPUは遊戯者が入力したキー操作から、グー、チョキ、パーのジャンケン種別を判定し、対戦者同士の勝敗を決めるようにプログラムされている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、勝負結果が図柄で表示される画像表示装置と、遊技進行を制御する制御装置とを備え、遊技者が負けないと所定回数まで遊技が継続されるジャンケン遊技機において、上記制御装置は、過去の所定回数分の勝負結果を記憶する記憶手段を有し、遊技者がグー、チョキ、パーのいずれかを選択する前に、当該記憶手段が記憶する過去の所定回数分の勝負結果を上記画像表示装置に表示させるジャンケン遊技機が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−245949号公報
【特許文献2】特開2000−254350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のジャンケンゲームでは、単にグー、チョキ、パーの優越関係に応じて勝敗を決していたため、ゲームをより面白くする工夫がなされていなかった。
【0005】
特許文献2のジャンケン遊技機では、各の所定回数分の勝負結果を記憶し、遊技者が次に出す手を決める前に過去の結果を表示するだけであり、遊技者が次の手を考える際の参考に過ぎなかった。
そこで、本願では上記観点に鑑み、ジャンケン遊戯をより深みのあるゲームとすべく、同じ遊技者であっても、継続することで、次に出すジャンケンの手を戦略的に変えるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、遊戯者が選択可能な3竦みの関係を有する入力手段のうちいずれか一つを選択した該入力情報に係る情報を取得する遊戯者三竦み情報取得手段と、
前記遊戯者三竦み情報取得手段により選択された前記情報と対戦ゲームを実施するためにゲーム制御手段に設定された対戦手段と、を備えたゲーム装置であって、
前記対戦手段には、
過去の勝負の結果を記憶する勝敗結果記憶手段と、
前記勝敗結果を参照して次の手を決める複数の思考手段と、
複数の思考手段のうち、一つの思考手段を切り替える思考切替手段と、
プイレヤの継続プレイを判定する継続判定手段と、
を有し、
前記継続判定手段が遊戯者の継続プレイと判定した際には、前記思考切替手段により思考手段を切替て、次の手を決定するゲーム装置としてある。
【0007】
上記発明によれば、遊戯者が3竦みの関係になる選択情報のいずれか一つを選択して、ゲーム装置に設定された対戦手段と勝負するにあたり、対戦手段は、過去の勝敗結果を参照して次の手を決める複数の思考手段を有しており、いずれの思考手段を用いて次の手を決めるかは、遊戯者の継続プレイを判定して決めるのである。
【0008】
さらに上記課題を解決するために、本願発明では 上記発明において、遊戯者の継続プレイを判定する継続判定手段は、遊戯者がゲームを終了後、所定時間内に継続プレイをする入力を検出することで、思考切替手段では複数の思考手段のうち、過去の勝敗結果記憶手段の勝率の高い思考手段に切替るゲーム装置としてある。
【0009】
上記発明によれば、継続判定手段により遊戯者がゲーム終了後、所定時間内に継続プレイ情報を入力することで、複数ある思考手段のうちより勝率の高い思考手段に切替えて次の手を決めるので、遊戯者にとり継続プレイでは、手ごわくなるのである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ジャンケンのグー、チョキ、パー等の三竦みの強弱関係を有する対戦ゲームにおいて、遊戯者の相手となるゲーム装置の対戦手段は、過去の勝敗結果を参照して次の手を決める複数の思考アルゴリズムであり、遊戯者が継続プレイをすることにより、次の手を決める思考アルゴリズムが切り替わるので、奥の深い3竦みゲーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0012】
図1は、遊戯カードを用いた遊戯装置である。遊戯装置は、高さ130cmの縦型の筐体を有し、遊戯装置10の手前中央には操作卓12が張出している。操作卓12中央には、カードリーダ13がカードを縦方向にスキャンできるように取り付けられている。
【0013】
カードリーダ13の左右両側の操作卓12上には、それぞれ3つの入力ボタン14a,14b,14c、15a、15b、15cが設けられている。左側の操作ボタン14a,14b,14cは1人の遊戯者が遊戯装置とジャンケンするための入力ボタンである。右側の入力ボタン15a,15b,15cは2人の遊戯者がお互いに戦う際に使う。
操作卓12の上部にはディスプレイモニター16が正面向きで筐体に取り付けられている。
【0014】
操作卓12の下部にはカード取り出し口17が設けられ、筐体内部の図示しないカードベンダーから遊戯カードが排出される。操作卓12の下部には、コインセレクタ19が設けられている。操作卓12の右下部にはスピーカ18が設けられている。このスピーカ18からゲーム中の様々な効果音が出力される。遊戯者は、ゲーム代金となる硬貨をコインセレクタ19に投入し、投入された硬貨が受け入れられることでゲームが開始される。
【0015】
図2は、本ゲームを実行する情報処理装置の機能ブロック図を示す。上記ゲーム装置はRAM20、カードリーダであるカードインターフェイス(読取手段)13、継続入力手段13a、入力ボタンである入力手段14,15、CPU30、ディスプレイ16、及びを備えて構成されている。継続入力手段13aは、入力ボタン14、15、の同時押しや、独立したボタンでもよい。
【0016】
RAM20は本ゲームを実行する上で必要なオペレーションシステム21、コンピュータプログラム22などを記憶する記憶手段として機能し、所定のメモリアドレスには各種のゲームパラメータを一時保存したり、或いは遊戯者の入力データをバッファリングするためのワーク領域27が設定される。当該ワーク領域27には、各種の入力キーが備えられたコントローラ14,15を手動操作することで、遊戯者の入力データとして、攻撃オプション設定情報23、及びジャンケン種別選択情報24が書き込まれる他、遊戯者のダメージ量を表す変数パラメータの値(ダメージ値)25と、キャラクタの特定ジャンケン種別を表すキャラクタ設定情報26が書き込まれる。さらに勝敗の履歴が勝敗履歴情報27に蓄積される。ここで、コンピュータプログラム22はシステム起動時において、図示しないROMから読み出され、RAM20にロードされるものである。
【0017】
攻撃オプション設定情報23とは、遊戯者の選択によって設定された攻撃オプションに関する情報であり、どの遊戯者がどのジャンケン種別にどの攻撃オプションを設定したかを示すものである。ジャンケン種別選択情報24とは、ジャンケン対戦の際に、遊戯者がどのジャンケン種別を選択したかを入力手段14,15からの操作信号に基づいてRAM20にバッファリングされる情報であり、具体的には、‘グー’、‘チョキ’、‘パー’の何れかに対応するデータが書き込まれる。キャラクタ設定情報26にはキャラクタ毎に特定ジャンケン種別の設定情報がテーブル形式で登録されている。
【0018】
また、CPU30の外部インターフェースとして、カードリーダ13が設けられており、キャラクタ設定情報26が記録された遊戯カード61から当該キャラクタ設定情報を読み取り、ワーク領域27の所定アドレスに書き込むほか、攻撃オプション設定情報23が記録された遊戯カード62から攻撃オプション設定情報を読み取り、ワーク領域27の所定アドレスに書き込む読取手段として機能する。これらの遊戯カード61,62はコイン投入毎にゲーム装置から払い出される。あるいはゲームセンタなどで購入してもよい。遊戯者はこれら遊戯カード61,62を複数種類集めることで、対戦相手に応じて攻撃オプションの設定等を適宜設定することができる。
【0019】
ここで、キャラクタ設定情報26、攻撃オプション設定情報23を記録する媒体としては、磁気カードに限らず、光記録媒体(CD−RAM、CD−ROM、DVD−RAM、DVD−ROM、DVD−R、PDディスク、MDディスク、MOディスク等の光学的にデータの読み取りが可能な記録媒体)や、メモリ素子(DRAM等の半導体メモリ素子など)を備えた記録媒体であってもよい。
【0020】
CPU30は、オペレーションシステム21上で動作するゲーム処理手段であり、より詳細には、ワーク領域27に書き込まれた攻撃オプション設定情報23、ジャンケン種別選択情報24、ダメージ値25、キャラクタ設定情報26、勝負履歴情報等を適宜読み取り、コンピュータプログラム22に記述された各種コマンド等に従ってジャンケンの優劣判定処理を行う優劣判定手段31、ダメージ値を演算するダメージ演算手段32、及びゲーム画面を生成する画像生成手段33、機械側の手を決める戦略手段34として機能する。これらの各手段は必ずしも単一のCPUによって実現されている必要はなく、例えば、画像生成手段33は画像処理専用のビデオプロセッサによってその機能が実現されるものであってもよい。
【0021】
機械側の手は、継続入力手段13a及び勝負履歴情報28を参照して決定され、勝敗判定手段31によ遊戯者の出した手との勝敗を判定する。
優劣判定手段31はジャンケン種別選択情報24を読み取り、予め定められた相対的な優劣関係に従って、勝敗を決する。この優劣関係は、公知のように、‘グー’は‘チョキ’よりも相対的に上位の関係にあり、‘チョキ’は‘パー’よりも相対的に上位の関係にあり、‘パー’は‘グー’よりも相対的に上位の関係にある。
勝敗判定手段31により判定された結果は勝負履歴情報28に蓄積され、次回の機械側の手を決める戦略手段34により参照される。
【0022】
ダメージ演算手段32は、攻撃オプション設定情報23に登録された攻撃オプション設定と、キャラクタ設定情報26に登録された特定ジャンケン種別とから、ジャンケンで負けた側の遊戯者が受けるダメージ量を演算し、ワーク領域27内のダメージ値25の値を更新する。ダメージ値25の値が所定値を超えると、ゲームオーバーとなる。画像生成手段33はキャラクタ設定情報26に登録された情報から特定ジャンケン種別に対応するアイコンを他のアイコンと区別して表示するための画像を生成するとともに、ゲームの勝敗、ダメージ量の変化等を反映させたゲーム画面の画像データを生成する。
【0023】
以下の説明では、1人の遊戯者がゲーム装置と対戦する場合について説明する。この場合、遊戯者の対戦相手となるのは機械側である制御装置であり、遊戯者は入力ボタン14a、14b、14cのいずれかを選択して、ゲーム装置と対戦する。
【0024】
図3に本実施形態のゲーム画面の一例を示す。ゲーム画面80においては、遊戯者は、コンピュータプログラムに予め登録されている複数のキャラクタの中から任意のキャラクタを選択し、当該キャラクタを通じてジャンケン対戦を行う。51は遊戯者Aが選択したキャラクタ、52は遊戯者Bが選択したキャラクタ、61〜63は遊戯者Aの選択するジャンケン種別を表示するアイコン、64〜66は遊戯者Bの選択するジャンケン種別を表示するアイコン、71は遊戯者Aがジャンケンで負けたときに受けるダメージを表示するメータ、72は遊戯者Bがジャンケンで負けたときに受けるダメージを表示するメータである。
【0025】
それぞれのキャラクタにはその個性に応じて、対戦相手に勝利したときにより多くのダメージを与えることのできるジャンケン種別が予め設定されている。本明細書では説明の便宜上、このようなジャンケン種別を‘特定ジャンケン種別’と称する。例えば、キャラクタ51の特定ジャンケン種別は‘パー’に設定されており、キャラクタ52の特定ジャンケン種別は‘グー’に設定されている。これに伴い、アイコン61〜66は単にジャンケンの種別を表示するだけでなく、キャラクタ51,52の個性を反映させてその表示態様を変えている。同図に示す例では、キャラクタ51の特定ジャンケン種別は‘パー’であるため、アイコン63をアイコン61,62よりも大きく表示している。また、キャラクタ52の特定ジャンケン種別は‘グー’であるため、アイコン64をアイコン65,66よりも大きく表示している。
【0026】
このように、特定ジャンケン種別に応じてアイコンの表示態様を変えることで、遊戯者は互いに対戦相手の特定ジャンケン種別を把握することができ、駆け引きを通じてジャンケンゲームをより楽しむことができる。例えば、遊戯者Bはキャラクタ51の特定ジャンケン種別が‘パー’であることから、遊戯者Aは‘パー’を他のジャンケン種別に対してより多く出すであろうと予想して‘チョキ’をより多く出そうと考え、遊戯者Aもまた、遊戯者Bがそのような予想をして‘チョキ’をより多く出すであろうから、その裏をかいて‘グー’を出そうと考える。このように特定ジャンケン種別を互いに認識できるように工夫することで、駆け引きを通じてジャンケンをより楽しむことができる。
【0027】
図4は、遊戯者がゲーム装置と対戦する際のゲーム装置側の手を決めるフローチャートである。
本ゲーム装置の電源を入れることで、ディスプレイモニター16上にアドバタイズ画面が現われ(ステップ1)、ゲーム代金投入を促し、ゲーム機にゲーム代金が投入されるまでアドバタイズを繰り返す(ステップ2)。
ゲーム代金が投入されると、以前の勝敗結果等のデータが初期値にリセットされ(ステップ3)、次に継続ゲームであるコンティニュープレイかどうかを継続入力手段13aからの入力信号が有効であるか否かを調べ(ステップ4)、コンティニュープレイでなければ、第1思考戦略(ステップA)をとる。もし、ステップ4でコンティニュープレイであると判定されたなら第2思考戦略をとる(ステップB)。
【0028】
上記の第1思考戦略(ステップA)又は第2思考戦略(ステップB)のいずれかで機械側が出す手が決まり、プレイヤが入力手段14a、14b,14cのいずれかのボタンを押して出した手を読む(ステップ5)。
そして、遊戯者の出した手とゲーム装置側の手とを優劣判定手段31により比較して勝敗を判定する(ステップ6)。そしてステップ6の判定でゲーム装置側の手が遊戯者の入力した手に勝ったなら、過去の勝敗結果記憶手段に勝ち数を1つ増加させる(ステップ7)。そして勝った手を記憶する(ステップ8)し、次に過去の勝敗結果記憶手段のテーブルにゲーム装置側の前回と今回の手の組合せの回数を1つ増加させて記憶する(ステップ9)。
【0029】
ステップ6で引き分けとなったら、過去の勝負履歴情報28に引分数を1つ増加させ記憶する(ステップ10)。
ステップ6でゲーム装置側の手が遊戯者の入力した手に負けたなら、過去の勝負履歴情報28に負数を1つ増加させ記憶する(ステップ11)。
一連のゲームが終了したかどうかを調べ(ステップ12)、ゲームが継続する場合ではステップ4に戻り、ゲームが終了する場合では、ゲーム継続を促すコンティニュー受付情報をディスプレイモニター16に出し(ステップ13)、ゲーム代金投入が投入されたかどうかを調べる(ステップ14)。ゲーム代金が投入された場合は、ステップ4に戻り、ゲーム代金が投入されなければ、カウントダウンし(ステップ15)、制限時間内ならステップ13に戻り、制限時間になったら、ゲーム終了となる。
【0030】
図5はゲーム装置が次の手を出す際の第1思考戦略の詳細を示すフローチャートである。
第1思考戦略では、ゲーム装置側が前回の勝負で勝ったかどうかを過去の勝負の結果を記憶する勝負履歴情報28から前回出した手を読み出し(ステップ20)、前回勝ったか否かを判定し(ステップ21)、前回勝っていれば、今回の手として前回と同じ手とするのである(ステップ22)。
前回勝っていなければつまり負けたかあいこの場合では、乱数で今回の手を決めるのである(ステップ23)。ここでは0から2までの数字の均等な発生率の乱数を発生させ、発生した乱数が0なら機械側の今回の手はグー(ステップ24)とする。発生した乱数が1なら機械側の今回の手はチョキ(ステップ25)とする。発生した 乱数が2なら機械側の今回の手はパー(ステップ26)とするのである。
【0031】
図6には過去2回の機械側の手の勝ち数の表を示す。
第2思考戦略では、次の手は常に乱数で決めるが、過去2回の手の勝ち数の履歴を用いて、それぞれの手を出す確率を変える戦略を取る。
前回、機械側がグーを出したとする。そのときに今回、機械側が何を出すかは、過去2回の機械側の手の勝ち数を用いて、確率で計算する。
例えば過去2回でグー、グーと出したときの過去の勝ち数x、グー、チョキと出したときの過去の勝ち数y、グー、パーと出したときの過去の勝ち数zとする。図6ではグー、グーで勝ち数はn1、グー、チョキで勝ち数はn2、グー、パーで勝ち数はn3となっている。
ここでは前回、機械側がグーを出しているので、上記のx、y、zを足して合計SUM値を求め、ゼロからSUM値までの乱数を生成して、それを元に最も勝率のよい手を今回出す手として決めるのである。
【0032】
図7に第2思考戦略のフローチャートを示し詳細に説明する。
ゲーム装置側が出した前回の手を過去の勝敗結果を記憶する勝敗結果記憶手段から読み出す(ステップ30)。次に勝敗結果記憶手段の勝敗テーブルから過去2回の手の勝ち数の情報から、前回の手を前々回とした際のグー、チョキ、パーのそれぞれの勝ち数を見る(ステップ31)。それぞれグー、チョキ、パー毎に前回の手をHとすると、勝敗結果記憶手段の勝敗テーブルから、前々回の手をHとして、前回の手をグーとした場合の勝数x、前回の手をチョキとした場合の勝数y、前回の手をパーとした場合の勝数zを求める(ステップ32)。
次にグー、チョキ、パーの勝数の合計SUMを求め(ステップ33)、次に0からSUM未満の間で整数の乱数を発生させる(ステップ34)。
【0033】
0からZ未満の間で発生させた乱数の数値によりグー、チョキ、パーを決める(ステップ35)。
つまり、発生した乱数が0からx未満ならグー(ステップ36)、xから(x+y)未満ならチョキ(ステップ37)、(x+y)からz未満ならパー(ステップ38)とするのである。
上記した第1思考戦略又は第2思考戦略でのゲーム装置側の次の手が決まるのである。
【0034】
また、本実施形態では、上記の構成に加えて、ジャンケンに攻撃オプションを設定することができる。‘攻撃オプション’とは、より大きなダメージを対戦相手に与えるための任意的なパラメータであり、例えば、遊戯者Aが‘チョキ’に攻撃オプションを設定した場合に、遊戯者Aが遊戯者Bに‘チョキ’で勝利すると、攻撃パラメータが設定されていない条件下で勝利した場合に比べてより大きなダメージを遊戯者Bに与えたり、或いはその他の追加効果を与えたりすることができる。追加効果として、例えば、メータ71,72の増減量を多くしたり、或いは、メータ71,72とは異なる他のゲームパラメータを一時的又は恒久的に変化させたり、若しくは、体力が回復するなど自分や味方のパラメータに変化を与える、などの効果がある。
【0035】
この場合、上記の説明では、遊戯者が相互に特定ジャンケン種別を認識できるようにアイコン表示のサイズを変える構成としたが、特定ジャンケン種別が相互認識できる態様で視覚的な表示区別がデザインされていれば、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、特定ジャンケン種別を表示するアイコンを他のアイコンと異なる色に着色して表示したり、或いは、特定ジャンケン種別を表示するアイコン(例えば、‘パー’の形状を表示するアイコン)をキャラクタ51,52に対応させて表示させてもよく、さらには、特定ジャンケン種別を認識できるような記号、文字、絵などを表示するように画像データを生成してもよい。このようにして生成された画像データは画像表示手段としてのディスプレイ40に転送され、ゲーム画面として画像表示される。
【0036】
なお、上記の説明はジャンケンを例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、相対的な優劣関係が予め定められた複数の選択対象の中から遊戯者が選択した選択対象同士の優劣関係に従って優劣判定を行う各種のゲームに適用できる。例えば、格闘ゲームにおいて、「打撃技>投げ技>防御(>打撃技)」という具合に3種類の技の優劣関係が予め定められているゲームや、ロールプレイングゲームなどに使われる4つの魔法の優劣関係が「魔法1>魔法2>魔法3>魔法4(>魔法1)」のように巡回的に定められているゲームに利用できる。つまり、本発明は、N個の選択要素S1,S2,…,SNの優劣関係が「S1>S2>…>SN(>S1)」のように巡回的に定められており、遊戯者がこれらの選択要素を選択することで、選択要素同士の優劣関係でゲームを進めるタイプのあらゆるゲームに対して適用できる(上記Nは3以上の自然数とする。)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】遊戯カードを用いた遊戯装置である。
【図2】本ゲームを実行する情報処理装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施形態のゲーム画面の一例である。
【図4】遊戯者がゲーム装置と対戦する際のゲーム装置側の手を決めるフローチャートである。
【図5】本ゲームを実行する情報処理装置の機能ブロック図である。
【図6】過去2回の機械側の手の勝ち数の表である。第2思考戦略のフローチャートを示し詳細に説明する。
【図7】第2思考戦略のフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
20…RAM
21…OS
22…コンピュータプログラム
23…攻撃オプション設定情報
24…ジャンケン種別選択情報
25…ダメージ値
26…テーブル
27…ワーク領域
28…勝負履歴情報
13…カード読み取り手段
13a…継続入力手段
14,15…コントローラ
30…CPU
31…優劣判定手段
32…ダメージ演算手段
20…RAM
21…OS
22…コンピュータプログラム
23…攻撃オプション設定情報
24…ジャンケン種別選択情報
25…ダメージ値
26…テーブル
27…ワーク領域
14,15…コントローラ
30…CPU
31…優劣判定手段
32…ダメージ演算手段
33…画像生成手段
34…戦略手段
16…ディスプレイモニター
13…カードリーダ
51,52…キャラクタ
61〜66…アイコン
71,72…メータ
80…ゲーム画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯者が選択可能な3竦みの関係を有する入力手段のうちいずれか一つを選択した該入力情報に係る情報を取得する遊戯者三竦み情報取得手段と、
前記遊戯者三竦み情報取得手段により選択された前記情報と対戦ゲームを実施するためにゲーム制御手段に設定された対戦手段と、を備えたゲーム装置であって、
前記対戦手段には、
過去の勝負の結果を記憶する勝敗結果記憶手段と、
前記勝敗結果を参照して次の手を決める複数の思考手段と、
複数の思考手段のうち、一つの思考手段を切り替える思考切替手段と、
プイレヤの継続プレイを判定する継続判定手段と、
を有し、
前記継続判定手段が遊戯者の継続プレイと判定した際には、前記思考切替手段により思考手段を切替えて、次の手を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置
【請求項2】
請求項1において、遊戯者の継続プレイを判定する継続判定手段は、遊戯者がゲームを終了後、所定時間内に継続プレイをする入力を検出することで、思考切替手段では複数の思考手段のうち、過去の勝敗結果記憶手段の勝率の高い思考手段に切替ることを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−268558(P2009−268558A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119436(P2008−119436)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】