説明

上皮成長因子受容体(EGFR)に対するヒトモノクローナル抗体

【課題】ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体、及び関連する抗体ベースの組成物及び分子を提供する。
【解決手段】V-D-J組換え及びアイソタイプ・スイッチングを起こすことにより作製した、またトランスフェクトーマ又はトランスジェニックマウスなどの非ヒトトランスジェニック動物により作製した、複数のアイソタイプの抗EGFRヒトモノクローナル抗体。さらに、該抗体を含む医薬組成物や、該抗体を産生する非ヒトトランスジェニック動物及びハイブリドーマ、並びに該抗体を用いるEGFR発現癌細胞の成長阻害方法及び診断方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトEGFRに結合する単離されたヒトモノクローナル抗体であって、IgG1、IgA、IgE、IgM、IgG4、及びIgD 抗体から成る群より選択される、ヒトモノクローナル抗体。
【請求項2】
前記抗体がIgG1抗体である、請求項1に記載の単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項3】
前記抗体がEGFRリガンドのヒトEGFRへの結合を阻害する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項4】
前記EGFRリガンドがEGF又はTGF-αである、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項5】
前記抗体が、少なくとも約108M-1の平衡結合定数(KA)でヒトEGFRに結合する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項6】
前記抗体が、少なくとも約109M-1の平衡結合定数(KA)でヒトEGFRに結合する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項7】
前記抗体が、EGFRリガンドのヒトEGFRへの結合を少なくとも約50%、遮断する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項8】
IgG1重鎖由来の可変領域と、カッパ軽鎖由来の可変領域とを含む、請求項2に記載のヒト抗体。
【請求項9】
それぞれSEQ ID NO:1 及びSEQ ID NO:3に記載されたヌクレオチド配列及びその保存的配列改変をそれらの可変領域に含む、ヒト重鎖及びヒトカッパ軽鎖核酸にコードされた請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項10】
それぞれSEQ ID NO:2及びSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列及びその保存的配列改変を含む重鎖及びカッパ軽鎖可変領域を有する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項11】
抗体2F8により規定されるEGFRのエピトープに結合する、単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項12】
抗体2F8の結合特性を有する、単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項13】
補体を活性化しない、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項14】
少なくとも約108M-1の親和結合定数(KA)でEGFRに結合する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項15】
EGFRに結合して、EGFRのEGFもしくはTGF-α誘導性自己リン酸化を阻害する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項16】
EGFR発現細胞に結合して成長を阻害する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項17】
前記細胞が、膀胱細胞、乳房細胞、結腸細胞、腎細胞、卵巣細胞、前立腺細胞、腎細胞、扁平細胞、及び非小肺細胞から成る群より選択される腫瘍細胞である、請求項16に記載のヒト抗体。
【請求項18】
前記細胞が滑膜線維芽細胞及びケラチノサイトから成る群より選択される、請求項16に記載のヒト抗体。
【請求項19】
EGFR発現細胞に結合して、ヒトエフェクタ細胞の存在下で前記細胞の溶解(ADCC)を誘導する、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項20】
EGFR発現細胞に結合はするが、前記細胞の補体媒介性溶解は誘導しない、請求項1に記載のヒト抗体。
【請求項21】
前記抗体がFabフラグメント又は一本鎖抗体である、請求項1に記載の単離されたヒト抗体。
【請求項22】
ヒト重鎖導入遺伝子及びヒト軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する非ヒトトランスジェニック動物から得たB細胞を不死化細胞に融合させて含むハイブリドーマにより産生される、請求項1に記載の単離されたヒト抗体。
【請求項23】
ヒト重鎖及びヒト軽鎖をコードする核酸を含むトランスフェクトーマにより産生される、請求項1に記載の単離されたヒト抗体。
【請求項24】
ヒト重鎖導入遺伝子及び軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する非ヒトトランスジェニック動物から得たB細胞を不死化細胞に融合させて含むハイブリドーマであって、請求項1に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合部分を検出可能な量、産生する、ハイブリドーマ。
【請求項25】
ヒト重鎖及びヒト軽鎖をコードする核酸を含むトランスフェクトーマであって、請求項1に記載のモノクローナル抗体又はその抗原結合部分を検出可能な量、産生する、トランスフェクトーマ。
【請求項26】
それぞれSEQ ID NO:1 及びSEQ ID NO:3に記載されたヌクレオチド配列又はその保存的改変をそれらの可変領域に含む、ヒト重鎖及びヒト軽鎖をコードする核酸を含む、請求項25に記載のトランスフェクトーマ。
【請求項27】
請求項1に記載の抗体を発現する非ヒトトランスジェニック動物であって、ヒト重鎖導入遺伝子及びヒト軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する、非ヒトトランスジェニック動物。
【請求項28】
ヒト重鎖導入遺伝子及びヒト軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有する非ヒトトランスジェニック動物を、EGFR又はEGFR発現細胞で、前記動物のB細胞により抗体が産生されるように免疫するステップと;
前記動物のB細胞を単離するステップと;
前記B細胞を骨髄腫細胞に融合させて、前記抗体を分泌する不死のハイブリドーマ細胞を形成するステップと;
を含む、請求項1に記載の抗体を作製する方法。
【請求項29】
請求項1に記載のヒト抗体と、ヒト抗原提示細胞(APC)に対する結合特異性部分とを含む二重特異的分子。
【請求項30】
請求項1に記載のヒト抗体と、ヒトFc受容体に対する結合特異性部分とを含む二重特異的分子。
【請求項31】
前記Fc受容体がヒトFcγRI又はヒトFcα受容体である、請求項30に記載の二重特異的分子。
【請求項32】
Fc受容体に、前記受容体の免疫グロブリン結合部位とは異なる部位で結合する、請求項30に記載の二重特異的分子。
【請求項33】
請求項1に記載のヒト抗体と、薬学的に許容可能な担体とを含む組成物。
【請求項34】
請求項1に記載の2種以上のヒト抗体又はその抗原結合部分の組合せを含む組成物であって、前記抗体又はその抗原結合部分のそれぞれが、EGFRの異なるエピトープに結合する、組成物。
【請求項35】
請求項1に記載のヒト抗体及び化学療法薬を含む組成物。
【請求項36】
請求項1に記載のヒト抗体を細胞毒に連結して含むイムノトキシン。
【請求項37】
EGFR発現細胞の成長が阻害されるように、該細胞を、有効量の請求項1に記載の抗体に接触させるステップを含む、EGFR発現細胞の成長を阻害する方法であって、但し前記抗体がEGFRリガンドのヒトEGFRへの結合を阻害する、方法。
【請求項38】
前記細胞が、膀胱細胞、乳房細胞、結腸細胞、腎細胞、卵巣細胞、前立腺細胞、腎細胞、扁平細胞、非小肺細胞、滑膜線維芽細胞、及びケラチノサイトから成る群より選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
EGFR発現細胞の細胞溶解を誘導する方法であって、EGFR発現細胞の細胞溶解が起きるように、エフェクタ細胞の存在下で、請求項1に記載の抗体にEGFR発現細胞を接触させるステップを含む、方法。
【請求項40】
前記細胞が、膀胱細胞、乳房細胞、結腸細胞、腎細胞、卵巣細胞、前立腺細胞、腎細胞、扁平細胞、非小肺細胞、滑膜線維芽細胞、及びケラチノサイトから成る群より選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
EGFRの発現が媒介する疾患を治療又は予防する方法であって、請求項1に記載のヒト抗体を、EGFR媒介疾患を治療又は予防するのに有効量、対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項42】
前記疾患が癌である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記疾患が自己免疫疾患である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ヒト抗体が、Fc受容体に対する結合特異性部分に結合されている、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記ヒト抗体が細胞毒に結合されている、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
治療薬の同時投与をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記治療薬がドキソルビシン(アドリアマイシン)、シスプラチンブレオマイシンスルフェート、カルムスチン、クロラムブシル、及びシクロホスファミドヒドロキシウレア、から成る群より選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記癌が膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌、並びに頭部及び頸部の癌からなる群より選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記疾患が上皮の過増殖を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記疾患が炎症性関節炎である、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
試料中のEGFR抗原又はEGFR発現細胞の存在を検出する方法であって、
前記試料を、請求項1に記載の抗体に、前記抗体又はその部分とEGFRとの間で複合体形成が可能な条件下で、接触させるステップと、
複合体の形成を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項52】
EGFRに結合するヒト抗体の軽鎖、重鎖、又は軽鎖及び重鎖の両方、の可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクタ。
【請求項53】
EGFRに結合するヒト抗体の軽鎖、重鎖、又は軽鎖及び重鎖の両方、の定常領域をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項52に記載の発現ベクタ。
【請求項54】
それぞれSEQ ID NO:2 及びSEQ ID NO:4に示すアミノ酸配列及びその保存的配列改変を含む重鎖及び軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクタ。
【請求項55】
請求項52の発現ベクタを含むトランスフェクトーマ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2009−148282(P2009−148282A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35895(P2009−35895)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【分割の表示】特願2003−503174(P2003−503174)の分割
【原出願日】平成14年6月13日(2002.6.13)
【出願人】(503458261)ゲンマブ エー/エス (3)
【氏名又は名称原語表記】GENMAB A/S
【Fターム(参考)】