説明

下げ振りの位置検出装置

【課題】 従来、建築作業などにおいて分銅と糸や紐を利用した下げ振りにおいては、下げ振りの糸の位置を測定する際に、下げ振りの振幅が収まるまで待つ必要があり、手動で停止させるのも煩雑であった。またスケールを使用して下げ振りに触れないように目視で測定する為に、測定された数値は正確なものではなかった。
【解決手段】 光電的位置検出装置により、下げ振りの糸の位置を非接触で高速に測定する装置と、測定範囲内にある下げ振りの糸の位置を、下げ振りが振幅している場合であっても、位置を算出するソフトウェアにより求めた下げ振り糸の鉛直位置から、鉛直線からの測定箇所の変位を短時間に精度良く検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として建築工事、内装工事において、下げ振りを使用する場合に、壁などの測定対象面から下げ振りの糸までの距離を、下げ振りの振幅を妨げることなく、非接触で測定するものであり、測定対象面の1箇所、又は2箇所以上の任意の点において、壁面などの対象面から下げ振り糸までの距離を測定することにより、測定対象面の鉛直状態、歪みを調べる下げ振り糸の位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築業界などにおいて柱や壁の垂直度は、建築物を構成する上において極めて重要であり、正しく垂直に設置されていない柱や壁では建築の信頼性が左右されることになる。この垂直度を確認する為に糸の先端に分銅を付けた下げ振りが頻繁に使用される。
近年、レーザー墨出し器と呼ばれるレーザービームを水平垂直に照射する装置も一般化しつつあるが、振動、衝撃で調整が狂う可能性があり絶対的な信頼性を確保するには至っていない。
【0003】
下げ振りは、糸または紐と分銅だけの極めて簡単な構成であり、簡便に垂直度を測定する上において古くから信頼される使用器具となっている。
【0004】
下げ振りは重力に対して、糸、紐などの先端に分銅を付けて垂下させるが、簡便な反面、振幅の停止までに時間がかかり、また振動、風などで振幅を励起されると減衰機能を持たないので、再度停止するまで作業時間に障害をきたす場合があった。
【0005】
また測定も下げ振りの状態における任意の測定位置で、通常のスケールで糸や分銅に接触しないように細心の注意を払って振幅を予測しながら、定規で対象物からの距離を目視で読み取って計測値としているのが現状であり、作業者や作業の難易度、目視する位置と角度により測定数値にばらつきがあるのは常識的事項であった。
【0006】
1例として、下げ振りの測定において地震後の壁の鉛直度や歪みを測定する際に、室内であっても測定箇所ごとに2人の作業者が上下の2箇所の壁からの距離を同時にスケールで測定、読み上げ後、筆記用具で記録するという煩雑なことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許文献1.特開平11−287656号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このために下げ振りをカバーで覆った風防下げ振りなども発表されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているような風防下げ振りでは、上下の二点間の距離の差しか測定できず任意の点での測定が出来ないこと、また風防の外装部品が大きく重くなること、分銅或いは下げ振り糸を目視していることには変わりがないことなどの理由により、測定精度また迅速な記録という点では問題があった。さらに風防下げ振りであっても制動は、十分とは言えない場合が多く静止までに時間を要する。また、電子的に壁面の角度を測定する装置も販売されているが、測定点の鉛直に対する角度を求めるものであり、高さが異なる測定における実際のズレや壁面の上下における差を求めることはできない。
【0009】
本発明は、このような従来の下げ振りが有していた問題を解決しようとするものであり、下げ振りの分銅が静止しなくても下げ振りの鉛直位置が計測でき、測定時間の大幅な短縮、作業状態に影響されない精密な測定が可能な下げ振り糸の位置測定装置を実現することを目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0010】
第1の課題解決手段は、下げ振り糸の位置を光電的に高速かつ非接触な測定で検出し基準面からの正確な位置測定を可能にしたことである。下げ振り糸の位置を高速で検出きれば、下げ振り糸が振幅していてもその振幅の位置情報を誤差の少ない状態で求めることができる。
【0011】
第2の解決手段は、下げ振り糸の振幅が鉛直線に対して対称であることを利用して、下げ振り糸が振幅していても鉛直の位置を測定できるようにしたことである。第1の課題解決手段により、揺れている下げ振り糸の位置を正確に知ることが可能となるので、これにより下げ振り糸の振幅の影響を殆ど受けずに、下げ振りの長さに対応した測定時間で、測定範囲内では振幅の最大位値と最小位値から振幅の中心位置を得ることができ、この中心位置と鉛直線は等しいから鉛直線を求めることができる。
【0012】
第一の課題解決手段による作用は次の通りである。
本発明に係わる測定装置は、壁面の測定対象面から下げ振り糸の鉛直線までの距離を測定する場合であって、下げ振りが設置された壁面の測定箇所に本測定装置の基準面を当接し、本測定装置から当接面に垂直な位置情報を得ることが可能な照射光線と受光装置により、静止或いは振幅している下げ振り糸の壁面からの距離を非接触かつ高速で検出するから、下げ振り糸の振幅に関わらず、これらの距離をデータとして記憶することが可能となり、これらのデータの演算により測定対象面から下げ振り糸までの距離を求めることで、壁面の測定箇所の鉛直線に対する差分を算出し正確な測定を提供する。
【0013】
第1の課題解決手段を図1a、図1b、図1c、図1d、図1e、図1fと図2に従って説明する。本発明は、壁面の測定対象面から下げ振り糸の鉛直線までの距離を測定する場合であって、測定対象面WHに当接させる当接面19を具備した検出用筐体11に、当接面19に垂直な軸SC方向に対して位置情報を得ることができる照射手段30と位置検出手段40と信号処理手段50とを具備させ、検出用筐体11の当接面19を測定対象面WHの第1計測箇所E1に当接し、前記照射手段30から測定範囲Mに向かって、照射光源310とコリメート光学系312で生成した、筐体面118に垂直で当接面に平行な照射光Lを、測定走査始点PSから測定走査終点PEの間を、当接面118に対して平行な走査方向に略点状の光ビームとして走査するか、または平行光束として、下げ振り糸C1に照射し、下げ振り糸C1からの応答光Rを前記位置検出手段40によって光電変換し、前記照射光Lの当接面からの測定範囲Mにおける面118と平行方向の測定範囲MHにおいて、PSから前記下げ振り糸C1の現在位置を表す糸の位置PCまでの糸距離QCの数値を前記処理手段50に蓄積記憶し、蓄積記録した糸距離QCの数値から演算して、前記当接面19から前記下げ振り糸C1の鉛直線CHと前期照射光Lが照射される照射平面HL内の交点までの、測定箇所E1における距離QE1を求める機能を具備したことを特徴とする下げ振り位置検出装置を提供し、さらには、下げ振り位置検出装置を使用して測定対象面における下げ振りの鉛直方向との傾斜を測定する場合であって、第1計測箇所E1において第1距離QE1を求め、続いて第2計測箇所E2において第2距離QE2を求め、前記第1距離QE1と前記第2距離QE2の差を演算して、前記測定対象面WHの傾斜を求めることを特徴とする測定面傾斜計測方法を提供することにより上記問題を解決したものである。測定範囲Mの当接面WHからの測定走査始点PSまでの距離は決定されているので、位置検出の演算の基準は、測定端PSに限らず位置情報が得られる測定範囲内のどこにとっても良い。またE1が規定の位置にある場合には、E2のみを一回測定することで鉛直線からの差を求めることができる。さらに下げ振り糸C1が、測定範囲M内における面118と垂直な測定方向MDにも振幅する図1fに示されるような二次元の振幅をしていても、照射光の照射平面HLが、当接面WHと垂直であり、且つ面118と平行な位置方向を検出するものとしてあるため、当接面WHと垂直な方向の位置であるQC1とQC2の検出が可能である。
【0014】
第2の課題解決手段は、下げ振りの振幅が鉛直線に対して対称であることを利用して、鉛直線に対する振幅の最大位置と最小位置を検出し、鉛直位置を演算検出することである。この処理により下げ振り糸が静止している場合だけでなく、測定可能範囲内で振幅している場合にも静止を待たずに正確な鉛直位置の測定が可能となる。
【0015】
第2の課題解決手段を図1eに従って説明する。図1eにおいて、鉛直線CHに対し下げ振り糸Cの振幅は、測定範囲Mにおいて当接面との最小距離の位置QC1から当接面との最大距離の位置QC2までを取るものとする。下げ振り糸Cの振幅における当接面からの最小距離は、当接面WHからの最短測定端までの距離QSと前記QC1の和であり、当接面からの最大距離はQSと前記QC2の和である。鉛直線に対して分銅付きの下げ振り糸は単振り子として動作するから、真の鉛直線CHに対して点QC1と点QC2の振幅の値は等しい。従って、当接面から鉛直線のまでの距離は、次の式で求めることが出来る。前記下げ振り糸の振幅において、当接面WHからの最短位置の距離は、
QS+QC1
同様に、当接面からの最長位置の距離は、
QS+QC2
前記のように鉛直線CHからの振幅QC1とQC2に対して等しいから、当接面から鉛直線までの距離CHは、これらの加算平均であり
{(QS+QC2)+(QS+QC1)}÷2 (計算式A)
で求めることができ、QSは既知であるから測定範囲MH内でQC1とQC2を検出すれば、下げ振りの静止を待たずに鉛直線の位置の測定が可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の下げ振り位置検出装置を使用して壁面の傾斜を測定すると、従来から使用されている下げ振りを変更することなく使用することができるとともに、従来のスケールを用いた測定手順に準じて、任意の計測箇所に下げ振り位置検出装置の当接面を測定対象面に密着させて測定することが出来るので、特別の技能や熟練を必要としないという効果が期待できる。
【0017】
さらに下げ振り糸及び分銅に対する測定面から鉛直線までの距離が、光電変換による非接触測定で検出されることから、下げ振りの振幅の停止を待つことなく、容易に壁面の傾斜の状態を迅速且つ高精度で計測することができ、感度が高い電気信号を得ることが可能な為に誤差が少なく、位置情報を記憶し演算することからデジタル化、保存と記録が容易で作業性と管理性を著しく向上できるという利点がある。
また、任意の点で測定が可能な為に、従来は難しかった長尺の下げ振りにおける多点測定が容易になり、また上下の二点間の測定だけでなく、任意の中間点における測定も容易となり、垂直方向において壁面の歪みの測定も可能となる。
【0018】
加えて、壁面の鉛直方向の測定以外に、本発明の下げ振り位置検出装置2台を柱の互いに直角な2面に当接させて傾斜を測定することによって鉛直方向に対する二次元の傾斜を1回で測定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1a】使用状態を表した概略正面図
【図1b】第1計測箇所における正面図
【図1c】図1bのA−A線断面図
【図1d】定義した各平面の斜視図
【図1e】測定面内での振幅の位置からの鉛直線の位置
【図1f】測定時の上面図:二次元の振幅時の位置検出
【図2】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の構成と動作のブロック図
【図3a】本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の前面斜視図
【図3b】本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の後面斜視図
【図4】本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の構成概略図
【図5】本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の内部構造の概略側面図
【図6】本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の内部構造の概略平面図
【図7】本発明に係わる下げ振り位置検出装置実施例1の信号処理手段50の構成と信号の流れを概略的に示したブロック図
【図8】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例1の受光素子41の信号を表したタイムチャート
【図9】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2の概略正面図
【図10】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2の構成と動作を概略的に表したブロック図
【図11】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2の概略右側面図
【図12】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2の概略平面図
【図13a】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2の照射光の状態
【図13b】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2のフォトダイオードアレイの概要機能図
【図13c】本発明に係わる下げ振り位置検出装置の実施例2の下げ振り糸が存在する時の信号概要パターン図
【発明を実施する為の形態】
【0020】
本発明の下げ振り位置検出装置の大略は、図1a、図1b、図1c、及び図2に示されるように、検出装置用筐体11と、検出装置用筐体11に内蔵される光線照射手段30、位置検出手段40、信号処理手段50及び電源部80とから構成されている。
本発明の下げ振り位置検出装置及び下げ振りCの使用によって、図1aから図1fに示されるように振幅している下げ振り糸C1を停止させることなく、壁W上の測定対象面WHと振幅している下げ振り糸C1間の距離を第1計測箇所E1及び第2計測箇所E2において計測演算し、下げ振りCの鉛直線CH方向に対する測定対象面WHの傾斜を演算するのであるが、上記の場合において、図1に示されるように、種々の平面、点、距離に符号を付して明確にし、それらの相互関係について説明する。
【0021】
下げ振り糸C1と分銅C3を持つ下げ振りCは、固定具C2によって壁Wに固定された下げ振りCの回転中心C0を中心として照射光Lを照射する検出用筐体11の側面118側にある測定可能範囲M内で、その下げ振り糸C1が振幅あるいは静止していて、下げ振り糸C1が検出用筐体11に触れることがないよう壁面WLに検出用筐体11の当接面19を押圧、設置する。検出用筐体11の内部に設置されている照射手段30によって側面118側から照射光Lが測定面可能範囲Mに照射される。
【0022】
この状態において、下げ振りCの鉛直線をCHとし、当接面19を含み当接面HTに直角に交わり、面118に平行な平面を鉛直平面HHとすると、照射光Lを含む照射平面HLは、当接平面HTに直交していることになる。ここで図1dに示されるように、当接平面HTと鉛直平面HHの交線を直線SH,当接平面HTと照射平面HLとの交線を直線SL,鉛直平面HHと照射平面HLとの交線を直線SCとする。直線SCと鉛直線CHとの交点を鉛直点PH、直線SCと下げ振り糸C1の交点を糸点PC、直線SLと検出用筐体11の側面118との交点を基準点PK、照射光Lにおける当接面19側の測定範囲端と検出装置用筐体11の側面118との交点を始点PS、直線SLと直線SCとの交点を糸基準点PKC、照射光Lにおける当接面19側の測定範囲端と直線SCとの交点を糸始点PSC、側面118において当接面から最も遠い測定範囲端をPEとする。以下の説明は、上記の符号に基づく。
【0023】
本発明の下げ振り位置検出装置の動作を説明する。
初めに、第1計測箇所E1において検出装置用筐体11の当接面19を測定対象とする壁面WLに押圧、接触させ、照射手段30によって発生させた照射光Lを下げ振り糸C1に向かって照射し、位置検出手段40によって、始点PSを照射した照射光Lは始点検出素子406によって光電変換され、下げ振り糸C1からの応答光Rは検出素子407によって光電変換され、信号処理手段50に入力される。ここで応答光Rは、本装置の構成により反射光または透過光として得られる。
【0024】
信号処理手段50においては、静止或いは振幅している下げ振り糸C1の糸点PCの情報が、検出装置用筐体11の側面118の始点PSに対応する糸始点PSCからの糸距離QCに対応する数値として、下げ振りの長さに対応するように設定された測定時間TSの間、位置計測ごとに記憶蓄積されて、この設定された測定時間内での計測回数をnとする。一方、検出装置用筐体11の寸法によって決定される基準点PK及びPSの位置から始点距離QSが計算される。さらに、上記のように計測をn回行ったときの糸距離QCの記憶数値より、記憶蓄積した位置情報から前述の第2の解決手段により鉛直線CHまでの鉛直距離QHが1個の情報として求められ、第1計測箇所E1においては始点距離QSと鉛直距離QHから第1距離QE1が求められる。続いて、第2計測箇所E2に検出用筐体11を移動させて当接面19を壁面WLに押圧して、第1計測箇所E1で行ったのと同様に第2距離QE2を求め、第1距離QE1と第2距離QE2の差分から壁面WL上の測定対象箇所2点間の間の位置の差分、傾斜を求めることが可能となる。
【0025】
ここで、下げ振りの長さにより設定される測定時間TSについて説明する。
下げ振りは、振幅が小さい時には単振り子と同じ動作をするから、質量mが長さlの糸で吊り下げられて振幅が小さい時には、一般的に周期Tは、T=2π×√(1/g)(秒)として表される。ここでπは円周率、gは重力加速度である。すなわち本発明の下げ振り糸検出装置の機能は、下げ振り糸C1の鉛直点PHと測定対象面WHとの距離である距離QE1、QE2を求めることであるが、このためには下げ振り糸C1の位置である糸点PCが、設定された測定時間TS内に、糸C1の振幅状態において、当接面19からの最短距離である点(QS+QC1)及び最長距離である(QS+QC2)に有るときに、その位置情報が記憶蓄積されている必要がある。従って、設定された測定時間TSは、下げ振りの長さで決定される周期Tの0.5倍以上であれば測定開始の振幅の条件によって測定が可能であり、測定時間TSが前述の1周期以上の時間幅であれば、完全な測定が可能である。一般的には、測定時間TSは、下げ振りの長さにより決定される振幅の周期Tより長いことが望ましい。
【実施例1】
【0026】
本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の構成は、図3、図4に示されるように、検出用筐体11に内蔵される照射手段30、位置検出手段40、信号処理手段50及び電源部80である。実施例は、1例でありこれにより本特許が拘束されるものではない。
検出用筐体11は、図3a、図3b、図5、図6に示されるように、剛性を持った直方体の箱状であって、当接面19を一面に有し、他の側面118には照射兼受光窓15が、他の側面117には、表示窓18中に表示部663,664と、操作スイッチである電源スイッチSW1、長さ選択スイッチSW2,測定開始スイッチSW3が設置されている。検出用筐体11内部には、図5に示されるように、隔壁14によって上下に分割されており、上部にレーザー照射部12が、下部に信号制御部13が構成され、隔壁14には取り付け穴141が穿孔されている。
【0027】
照射手段30は、図5、図6に示されるように、レーザー照射部12に設置され、主にレーザーダイオード311とコリメート光学系312からなる下げ振り糸の直径程度のレーザービームを照射するレーザー光源部31と、光の回転動作を平行動作に変更するレンズ系32と、反射鏡33及びモーター334とで構成され、測定走査の始点PSから終点PEまでの照射幅MHに渡って設置面WHに平行なレーザービームによる、設置面WHに垂直な走査を行う。位置検出手段40は、図4、図6で示されるように、フォトトランジスタの始点受光素子411及び終点受光素子412と、フォトトランジスタの糸応答受光素子413、414,415とからなる5個の受光素子41で構成されている。信号処理手段50は、図7に示されるように、主に信号補正回路52と、カウンタ回路54と、クロック発生回路56と、記憶回路61と、演算回路63と、バッファ回路64と、データ出力回路65と、表示回路66と、制御回路71とで構成されている。
【0028】
実施例1に係わる構成要素は、検出用筐体11に以下のように設置されている。
照射手段30は、図5、図6に示されるように、レーザー照射部12に配置され、レーザー光源部31が検出装置用筐体11の裏面195に配置され、モーター334の回転軸335が信号制御室13側より隔壁14の取り付け穴141に挿入され、モーター334が隔壁14に固定され、反射鏡33が回転軸335の上部に固定され、光学系32が照射窓15に固定されている。ここで、レーザー光源部31を形成しているレーザーダイオード311及びコリメート光学系312の光学的中心線315と反射鏡33を含む回転軸335の中心軸336が交点337で直行し、光学系32の光学的中心線325が交点337を通るようにレーザーダイオード311、コリメート光学系312、回転軸335、反射鏡33、及び光学系32を設置してある。上述の中心線315、中心線325及び交点337を通る平面が照射平面HLとなっている。
【0029】
位置検出手段40は、図4、図6に示されるように、レーザー照射部12に配置され、始点受光素子411が照射平面HL上で照射受光窓15の当接面19の側の測定端部である始点PSに設置され、終点受光素子412が照射平面HL上で照射受光窓15の当接面19の裏面195の側の測定端部であるPEに設置され、糸応答受光素子413が始点受光素子411直下の隔壁14上に設置され、糸応答素子415が終点受光素子412直下の隔壁14上に設置され、糸応答受光素子414が糸応答受光素子413と415の中間の隔壁14上に設置されている。これらの糸応答受光素子は、受光感度の角度指向性が広く、互いにその受光域が重なり合っていて、測定幅MH方向で受光信号が欠落することはない。
【0030】
信号処理手段50は、図5に示されるように、信号制御部13に設置され、第1表示部663及び第2表示部664が側面117に設置されるとともに、電源部80は信号制御部13内部に設置され、電池電源として交換可能になっている。
【0031】
本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置の計測動作について、図4、図5、図6、図8を参照して説明する。
検出装置用筐体11の壁Wへの設置は、図6に示されるように、検出装置用筐体11の当接面19を壁面WLに押圧させることによって行われる。壁面WLには、測定対象面WH及び当接平面HTが設定されることになる。
【0032】
本機の電源スイッチSW1にて電源投入後、長さ選択信号スイッチSW2により下げ振りの長さを入力し、下げ振りの長さに応じた測定時間TSを設定する。本機では、長さ選択スイッチを押すごとに1m、2m、4m、8mと内蔵された下げ振りの長さの設定に応じて選択し、測定時間TSを設定する。第1測定箇所E1に本器を当接して、測定開始スイッチSW3を押して測定開始信号530を出力し測定を開始する。
【0033】
測定は、設定された時間TSの間行われ、測定時間TSが終了すると、測定箇所WHと鉛直線CHの距離QE1が、表示部663に数値表示される。この数値QE1は後述する設定の更新まで保持される。
測定箇所を第2測定箇所E2に移動して本器をWHに当接し、測定開始スイッチSW3を押すと、時間TSの間測定が開始され、測定時間TSが終了すると、前述の数値表示QE1と今回の測定数値QE2の差の数値が表示部664に数値表示される。以下、SW3により測定開始をするごとに、距離QE1と各測定点での距離QEとの差が、表示部664に表示される。
新たな第1測定点E1を設定して測定を開始する時には、下げ振り長さ選択スイッチSW2を押して長さを選択し、前述のようにSW3により測定を開始すれば、第1測定点E1が更新され、更新されたE1の数値を基準とした測定を任意の測定点Enにおいてすることができる。
【0034】
照射手段30は、図4、図5及び図6に示されるように、レーザーダイオード311とコリメート光学系312とからなるレーザー光源部31によって、前述のコリメート光L1が、レーザー光源部31の中心線315に沿って反射鏡33の交点337に向かって照射される。反射鏡33は、図5、図6に示されるようにモーター334によって高速に回転しており、反射鏡33で反射された前述の略点状の照射光L1は、検出用筐体11の当接面19側から、側面195側の方向に平面HL上を回転走査しながら照射する。さらに、照射光L1は、中心線325を含む平面HL上を進み、光学系32によって当接面19と平行な光線に処理されて、当接面19に垂直な走査方向で平面HLの平面上に照射される。
【0035】
照射平面HL上に照射された照射光L1は、図6に示されているように、静止或いは振幅している下げ振り糸C1で反射されて応答光R1となって照射受光窓15に向かって戻り、検出装置用筐体のレーザー照射部15の下部に設置された受光素子413、414、415に入射する。
【0036】
位置検出手段40では、図4乃至図6で示されるように、始点受光素子411は、走査された照射光L1の通過を感知して測定走査の開始信号531とし、続いて走査中に測定範囲内に下げ振り糸があれば、並列に接続されている受光素子413、414、415のいずれか、或いは全ての受光素子に下げ振り糸からの反射信号光として応答光R1が入射し信号532を出力し、走査の終わりに照射光L1は、終点受光素子412を通過して信号533を出力して1回の測定走査の計測の終了信号とする。
【0037】
位置検出手段40で受光し光電変換された信号は、図7に示されるように、信号処理手段50の信号補正回路52に入力される。信号補正回路52では、図7及び図8に示されるように、測定走査開始の入力信号531を波形処理部521とパルス出力部524とでパルス信号535を出力し、下げ振り糸からの反射入力信号532は、微分回路522を経由した後にパルス出力部525からパルス信号536を出力し、測定走査終了信号533は、波形処理部523とパルス出力部526とでパルス信号537を出力する。
【0038】
クロック発生回路56では、図7及び図8に示されるように、一定周波数のパルスをクロック信号562として出力している。
【0039】
カウンタ回路54のカウンタ部541では、図6、図7および図8に示されるように、測定走査開始パルス信号535が出力された後、測定走査中に下げ振り糸からの応答光R1があれば、応答光R1は532、522、525の処理を経てパルス信号536を発生して、測定走査開始信号535と下げ振り糸からの反射パルス信号536とクロック信号562から、照射光L1が糸距離QCを走査する時間にカウントしたクロックパルス数612であるカウント1信号543を出力する。カウンタ部542では、図6、図7及び図8に示されるように、計数開始信号535と測定走査終了信号537とクロック信号562から照射光L1が、測定走査範囲の始まりである始点PSから終了点PEまでの距離を走査する時簡にカウントしたパルス数622であるカウント信号544を出力する。
【0040】
メモリ回路61では、図6乃至図8に示されるように、反射鏡33の回転によって照射光L1が始点受光素子411を通過する回数の積算値を繰り返し数611とし、それぞれの測定走査に対する糸から応答光R1による計数値612の値は、照射光L1が始点受光素子411から下げ振り糸C1までを照射する時間までにカウントした信号543に含まれるクロック信号562のパルス数612である。測定走査範囲長のMHを測定操作する時間内にカウントされるパルス数は622であるから、計数値612の値は、糸距離QCの情報を表していて、クロックの数に応じてPSからPEまでの測定範囲MH内において任意の単位の長さに演算できる。
この計測は、図8に示されるように測定時間TSの間繰り返し行われ、測定されたデータを演算、処理して、測定時間TS中に測定走査した全ての計数値612を記憶回路61に記憶する。
【0041】
記憶回路61では、設定された測定時間TSの間に取り込まれた繰り返し数611及び各走査の各計数値612の値をメモリの番地613にデータの組613としてメモリの番地613である場所に記憶させる。
【0042】
演算回路63では図1、図6及び図7に示されるように、多数個の記憶データである記憶の番地613の中の記憶番地616に記憶された全計数データ612から、測定時間TS内での計数値612が最少パルス数であるデータを下げ振り糸C1の振幅の当接面19からの最短糸位置QC1とし、計数値612が最大であるデータを当接面19からの最長糸位置QC2とし、さらに検出用筐体11の寸法によって決定される基準点PK及びPSの位置から始点距離QSから、前述の計算式Aにより演算して、測定面WHから鉛直CH線までの距離QE1を求める。第2計測点における距離QE2も同様な操作で求める。
【0043】
データ出力回路65の出力切換部652は、記憶回路61の内容及び演算回路63の結果を出力端子653に出力すること、演算回路63の結果を表示回路66に出力することを切換える。
【0044】
表示回路66は、図7に示されるように、表示駆動部661により表示部663に距離QE1を表示し、表示部664にQE1とQE2の差分を正負の極性を付けて表示するので、測定点E2におけるWHが鉛直線に対して正負どちらの変位であるかを知ることができる。またQE1が既知の値であれば測定点E2を1回目に測定するだけで測定点E2の鉛直線に対する変位を知ることができる。
【0045】
制御回路71の計数開始信号751は、図4、図6及び図7に示されるように、モーター334と同期し、位置検出手段40の5個の受光素子41からの光電出力を断続させる信号である。照射光L1が始点受光素子411に到達して離れると同時にカウントを開始し、照射光L1が終点受光素子412に到達したときにカウントを停止する。
【0046】
リセット信号754は、照射光L1がPE通過後に始点開始受光素子411に到達すると同時にカウンタ回路54を初期化する。計数終了信号761は、設定された測定時間TSが終了した時記憶回路61への書き込みを終了させ、以降の書き込みを禁止する。
出力切換信号765は、データ出力回路65に作用し、記憶回路61の記憶内容、演算回路63の演算結果を出力端子653に出力させるか、表示回路66で表示させるかを切換える信号である。
【0047】
モーター334の回転数が一定でない場合には、カウント回路54のカウント信号544の計数パルス数である622の値を利用する。単位時間当たりに発生するクロック数は一定であるから、始点受光素子411から終点受光素子412を照射光L1が走査する時間内のクロック数622により、計数値612を補正して演算記憶する。また、反射鏡33による回転走査を光学系32で直線平行走査に加工する際に生じる非線形要素もあらかじめ記憶された関数によって修正することができる。
【0048】
本発明に係わる実施例1の下げ振り位置検出装置によって、図1に示されるように、第1計測箇所E1で第1距離QE1を求め、第2測定箇所E2にて第2距離QE2を求め、第1距離QE1と第2距離QE2の差の数値から壁面WL上の測定対象面WHの傾斜を求めることができて、変位があれば、その数値だけ修正すればよいから工事も容易となる。
実施例1は、上記手法によって壁面WL上にある測定対象面WHの傾斜と偏移を測定する傾斜の計測法を提案している。
【実施例2】
【0049】
本発明に係わる実施例2の下げ振り位置検出装置の構成は、図10に示されるように、検出装置用筐体112と、検出装置用筐体112に内蔵される照射手段302、位置検出手段402、信号処理手段502及び電源部802である。
実施例は、1例でありこれにより本特許が拘束されるものではない。
検出装置用筐体112は、図9、図11及び図12に示されるように、剛性を持った、全体として断面凹型の中空筒状であって、当接面192を一面に有し、凹型部分に照射窓152と受光窓162が対向して設置され、他の側面119には表示窓182が開口されている。検出用筐体112内部には、図11に示されるように、照射窓152を持つレーザー照射部122が受光窓162を持つ信号制御部132が構成されている。
【0050】
照射手段302は、図11に示されるように、レーザー照射部122に設置され、レーザーダイオード311及びコリメート光学系312からなるレーザー光源部と31とコントロール部313及び反射鏡332で構成されている。
位置検出手段402は、図10乃至図13で示されるように、幅が狭く等間隔で多数のフォトダイオードをアレイとした受光素子42であり、測定始点フォトダイオード421、測定終点フォトダイオード422と糸応答フォトダイオード423とで構成されている。フォトダイオード421と422は、フォトダイオード423の素子で代用することもできる。すなわちフォトダイオードアレイ423の両端をそれぞれ計測の始点と終点とすればよい。信号処理手段502は、図10に示されるように、信号補正回路55と、記憶回路627と、演算回路637と、データ出力回路657と、表示回路667と、制御回路717とで構成されている。
【0051】
実施例2に係わる構成要素は、検出用筐体112に以下のように設置されている。
照射手段302は、図11に示されるように、レーザー照射部122内に配置され、レーザー光源部31を形成しているレーザーダイオード311及び光学系312の光学的な中心線315が一致するように配置される。光学系312ではコリメーターレンズとロッドレンズとFθレンズにより、レーザーダイオード311から照射されたレーザー光を平面状の平行光に加工して出力する。光学系311から出力された平面状で平行な光束のレーザー光は、レーザー照射部122に中心線315と45度傾斜した状態で配置されている反射鏡332に入力され、照射方向を90度偏向されて、照射窓152より照射光L2として照射され、対向する入射窓162に入射する。ここで反射鏡332は、本機の水平方向の大きさを縮小する為に設置されている。
【0052】
位置検出手段402の受光素子42は、図11と図13に示されるように、制御部132内部に配置されている。当接面192の基準点PKから最も近いところにある受光素子42の始点フォトダイオード421の位置は、始点PSであり、始点PSと当接面192との距離は始点距離QSである。信号処理手段502は、図11及び図12に示されるように、信号制御部132の内部に設置され、コントロール部313はレーザー照射部122内部に設置されレーザーダイオード311を制御する。
【0053】
実施例2の計測動作について、図1d、図10乃至図13を参照して説明する。
検出用筐体112の壁Wへの設置は、図9及び図12に示されるように、検出用筐体112の当接面192を壁面WLに押圧させることによって行われる。壁面WLには、測定対象面WH及び当接平面HTが設定されることになる。
【0054】
照射手段302は、図11及び図12に示されるように、レーザーダイオード311と光学系312とからなるレーザー光源部31によって、平面状で平行な光束の照射光L2がレーザー光源31の中心線315上を反射鏡332に向かって照射される。反射鏡332は、図11に示されるように、照射光L2の角度を90度曲げて照射窓152から照射する。照射光L2の照射平面HLは、図11乃至図12に示されるように側面119と直角に交わるように設置される。
【0055】
照射平面HLの平面上に照射された照射光L2は、図11及び図12に示されるように、静止或いは振幅している下げ振り糸C1に照射されて応答光R2となって受光部162に向かって進み制御部132に入射する。
【0056】
位置検出手段402の受光素子42では、図10、図12及び図13に示されるように、始点PSの位置には始点フォトダイオード421があり、常時照射光L2を受光している。図13bに示されるように制御回路によりフォトダイオードアレイ上において、各フォトダイオードは421から422に向かって安定したクロック信号563により順番に高速で切り替えられていく。下げ振り糸C1からの応答光R2が糸の影の状態で受光素子42の糸影応答フォトダイオード423に到達すると、糸影応答フォトダイオード423の位置はフォトダイオードアレイ42上での位置が決定される糸点PCとなり、始点PSからの距離QCが求まる。さらに始点PSと当接面192上の基準点PKとの距離である距離QSは検出用筐体112の寸法によって決定されているので、始点PSからの糸点距離QCに当接面192からの距離QSを加算して当接面から糸点までの距離QEを求めることができる。
【0057】
位置検出手段402で受光し光電変換された信号は図10に示されるように、信号処理手段502の信号補正回路555に入力される。信号補正回路55では、増幅器551により信号を増幅しデジタル化するか、または糸の位置を精細に検出する為にS/H部552、A/Dコンバーター553の順に通過させてデジタル信号に変換し、記憶回路627と演算回路637において、糸距離QCに関する多数個のデータより、始点PSから鉛直点PHまでの距離である鉛直距離QHを演算し、検出用筐体112の寸法によって決定される基準点PK及び始点PSの位置から始点距離QSを演算し、始点距離QSと鉛直距離QHから距離QE1が求められる。
【0058】
実施例2において、前述のように糸の位置を検出することができれば、データの演算、数値処理、測定時間TSにおける測定の処理、データ出力回路657、表示回路667及び制御回路717、各操作スイッチ、測定手順は、実施例1と同様であるので省略する。
【0059】
実施例2の下げ振り位置検出装置を、図1aに示されるように、下げ振り糸C1の位置を計測箇所Eで距離QE1と求め、続いて同様に計測箇所E2で距離QE2を求め、距離QE1と距離QE2の値から壁面WL上の測定対象面WHの傾斜を求めることができる。実施例2の下げ振り位置検出装置は、受光素子42を構成するフォトダイオードの個数と設置間隔によって精度が決定されることからフォトダイオードアレイのダイオード数の増加、精細化やCCD素子への変更などでさらに高精度の計測が可能となる。
【符号の説明】
【0060】
C 下げ振り
C0 下げ振りの上端固定点
C1 下げ振り糸
C2 下げ振り取り付け具
C3 分銅
CH 鉛直線
E1 第1計測箇所
E2 第2計測箇所
En 任意の測定箇所
HH 鉛直平面
HL PSとPEを含むWHに垂直な走査平面
HT 当接平面
L 照射光
L1 第1照射光
L2 第2照射光
【0061】
M 測定領域
MH 測定領域の走査方向の全幅。この方向で糸の位置を検出する。
MD 測定領域の深度方向の奥行き
PC 糸点
PE 面118上の測定走査終点
PH 鉛直点
PK 当接面19と平面118が交差する基準点
PKC 測定走査平面との当接面19上の糸基準点
PS 面118上の測定速差始点*
PSC 測定域M上における測定方向MHの糸始点
QC 測定範囲始点から糸までの距離
QC1 下げ振り糸が振幅している状態で、当接面から最も近い糸距離
QC2 下げ振り糸が振幅している状態で、当接面から最も遠い糸距離
QH 鉛直距離
QS 始点距離
QE 当接面から糸までの距離
QE1 第1測定点の当接面から鉛直線までの距離
QE2 第2測定点の当接面から鉛直線までの距離
QEn 任意の測定点の当接面から鉛直線までの距離
R 応答光
R1 応答光
R2 応答光
SC 直線
SH 直線
SL 直線
T 下げ振りの周期
TS 測定時間
W 壁
WH 壁の測定対象面
WL 壁面
【0062】
SW1 電源スイッチ
SW2 下げ振り長さ選択スイッチ:測定時間を設定する
SW3 測定開始スイッチ
11 検出装置筐体
112 検出装置第2筐体
118 レーザー照射面及び受光面
119 側面
12 レーザー照射部
122 レーザー照射部
13 信号制御部
132 信号第2制御部
14 隔壁
141 取り付け穴
15 照射兼受光部
152 照射窓
162 受光窓
18 表示窓
182 表示窓
19 筐体の測定箇所への当接面
192 当接面
195 11Xと反対側の筐体側面
【0063】
30 照射手段
302 照射第2手段
310 照射光源
311 レーザーダイオード
312 コリメート光学系
313 コントロール部
315 コリメート光の中心線
32 コリメートレンズ
325 測定走査の鉛直方向に対する中心線
33 平面反射鏡
332 反射鏡
334 モーター
335 回転軸
336 モーター回転軸の中心線
337 325と336の交点
【0064】
40 位置検出手段
402 位置第2検出手段
406 測定走査始点受光素子
407 下げ振り糸検出素子
41 受光素子
411 測定走査始点受光素子
412 測定走査終点受光素子
413 糸応答第1受光素子
414 糸応答第2受光素子
415 糸応答第3受光素子
42 第2受光素子**
421 測定始点フォトダイオード
422 測定終点フォトダイオード
423 糸影応答フォトダイオード
424 直近糸応答フォトダイオード
425 フィルタ
【0065】
50 信号処理手段
502 信号第2処理手段
52 信号補正回路
521 第1波形部
522 第2微分部
524 第1パルス部
525 第2パルス部
530 SW3よりの測定開始信号
531 入力1信号
532 入力2信号
533 入力3信号
535 補正1信号
536 補正2信号
537 補正3信号
54 カウンタ回路
541 カウンタ第1部
542 カウンタ第2部
543 カウント1信号
544 カウント2信号
545 測定時間TS
55 信号第2補正回路
551 増幅器
552 S/H部
553 A/D変換部
555 信号補正回路
56 クロック発生回路
562 クロック信号
563 クロック信号
【0066】
61 記憶回路
611 繰り返し数
612 計数値
613 記憶番地
616 記憶番地
622 計数値
627 記憶回路
63 演算回路
637 演算回路
64 バッファ回路
65 データ出力回路
652 出力切り替え部
653 出力端子
657 データ第2出力回路
66 表示回路
661 表示ドライブ回路
663 第1表示部
664 第2表示部
667 表示回路
71 制御回路
717 制御回路
751 計数開始信号
754 リセット第1信号
761 計数終了信号
765 出力切り替え信号
80 電源部
802 電源第2部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築作業などにおいて、下げ振りの糸の位置を基準として、壁などの測定面の鉛直からの変位を測定する場合であって、測定面に当接した測定器本体の基準面からの下げ振り糸の位置を、下げ振りが振幅している状態であっても、その当接面と下げ振り糸との近接する方向、又は離れる方向の位置情報を得る光電的位置検出装置により下げ振り糸の位置を非接触に高速で計測し、その位置情報から下げ振り糸の振幅の位置が、測定面に最も近い振幅の位置と最も離れた振幅の位置を検出して、測定面に最も近い振幅の位置と最も離れた振幅の位置の中間点を下げ振り糸の鉛直位置として計測し、その鉛直線からの測定面までの距離を検出し、測定面の鉛直線に対する変位を測定する装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【公開番号】特開2011−247862(P2011−247862A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132427(P2010−132427)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(591179019)
【出願人】(592116899)エス・ティ・エス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】