説明

下地センサおよび下地検出機構ならびに内装工事用ロボット

【課題】内装工事に際して内装材の表面側からの走査により下地の位置を精度良く検出する。
【解決手段】
本発明の下地センサ30は、中間部がピン31を支点として揺動自在に軸支されたアーム32と、アームの先端に装着された磁石33と、アームの基端部を臨む位置に配置されたロードセル34からなる。本発明の下地検出機構20は2組の下地センサ30を基台としてのベースプレート21に旋回可能に並設し、それぞれの旋回角度を角度センサにより検出する。本発明の内装工事用ロボットは、上記の下地検出機構20により下地の位置と方向を検出しつつ下地に倣うように制御して内装工事を自律的に実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、その内装材の表面側からの走査により下地を検知するための下地センサ、およびその下地センサにより下地の位置と方向を検出するための下地検出機構、ならびにその下地検出機構を搭載して内装材に係わる各種工事を自律的に行うための内装工事用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には建築工事における各種の内装作業、たとえば天井ボード張付け作業、壁面ボード張付け作業、天井面開口切断作業、システム天井の施工、各種器具の据え付け作業等を機械的かつ自動的に行うための施工用ロボットとして、床面上を走行自在な移動式マニピュレータに各種作業を行うためのアタッチメントを着脱自在に取り付ける構成の内装工事装置が提案されている。
【0003】
ところで、上記のような各種内装工事を行うに当たっては、内装材の下地としての軽量鉄骨の有無やその位置を内装材の表面側から精度良く検出する必要が生じる場合がある。
たとえば、既存天井の改修に際して野縁としての軽量鉄骨下地を残しつつ天井ボードのみを切断して撤去するような場合には、切断位置を設定しかつ残置するべき下地に対して不用意に損傷を与えてしまうことのないように、予め下地の位置や方向を把握しておく必要がある。
そのため、特許文献1に示されている内装工事装置にも軽量鉄骨センサが搭載されていて、たとえば天井ボード張付け作業に際してはそのセンサにより軽量鉄骨の位置を検知確認しながら天井ボードのネジ留めを行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−321454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、内装材の裏面側にある下地としての軽量鉄骨を内装材の表面側から精度良く検知することは必ずしも容易ではないし、特許文献1に示されているロボット(内装工事装置)においても「軽量鉄骨の直下位置でセンサ出力信号が変化することでその位置を検知する」という機能についての開示があるのみで、軽量鉄骨を精度良く検知するためのセンサの具体的な構成については言及されていない。
そのため、真に有効な内装工事用のロボットを実現するためには、内装材の下地としての軽量鉄骨の有無や位置を確実かつ精度良く検知し得る手段の開発が不可欠とされ、そのような有効適切な手段の提供が望まれているのが実状である。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明の目的は各種の内装工事に際して内装材の表面側から下地を精度良く検知可能な下地センサを実現し、併せてその下地センサを用いて下地の位置と方向を精度良く検出可能な下地検出機構と、その下地検出機構を搭載して各種内装作業を自律的に行い得る内装工事用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の下地センサは、軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、該内装材の表面側からの走査により前記下地を検知するためのものであって、中間部がピンを支点として揺動自在に軸支されて両端側がそれぞれ内装材に対して離接する方向に揺動可能なアームと、前記アームの先端に装着されて前記仕上材を通して前記下地に作用する磁力により該下地に対して吸引される磁石と、前記アームの基端部を臨む位置に配置されて前記磁石が前記下地に吸引されて前記アームの先端側が前記内装材側に揺動した際に該アームの基端部の逆方向への揺動により押圧されて前記磁石による吸引力を検知するロードセルからなることを特徴とする。
本発明の下地センサにおいては、前記アームを揺動自在に軸支しているピンと前記アームの先端部における前記磁石の装着点までの距離が、前記ピンと前記アームの基端部における前記ロードセルへの押圧点までの距離よりも大きく設定されていて、前記磁石による吸引力がてこの原理により拡大されて前記ロードセルにより検知される構成とすると良い。
また、前記アームの基端部にバネが装着されて該アームの基端部が下方に付勢され、その付勢力が前記アームの先端側の自重および前記磁石の重量に釣り合うように調整されていることが好ましい。
【0008】
本発明の下地検出機構は、軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、上記の下地センサによる前記内装材の表面側からの走査により前記下地の位置と方向を検出するためのものであって、前記下地センサを基台に2組並設して、各下地センサをそれぞれ前記内装材の表面に沿って旋回自在にベアリングにより支持するとともに、各下地センサの各アームの基台に対する旋回角度を検出するための角度センサを具備してなり、各アームの先端にそれぞれ装着されている磁石が前記下地に吸引されて該下地の直下の位置となるように前記アームが旋回した際に、各アームの前記基台に対する旋回角度を前記角度センサによりそれぞれ検出し、双方のアームの旋回角度に基づいて前記基台に対する下地の相対位置と相対角度とを検出する構成とされていることを特徴とする。
本発明の下地検出機構においては、前記ベアリングには前記アームを制動しつつその旋回を許容するロータリーダンパを設けると良い。
【0009】
本発明の内装工事用ロボットは、軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、上記の下地検出機構により前記内装材の表面側から前記下地の位置と方向を検出しつつ該内装材に対して内装工事を行うものであって、前記内装工事を行うための工具を搭載して床面上を自走可能な移動式マニピュレータに前記下地検出機構を搭載し、該下地検出機構により前記下地の位置と方向を検出しつつ該下地に倣うように前記移動式マニピュレータおよび前記工具を制御して内装工事を行う構成とされていることを特徴とする。
本発明の内装工事用ロボットは既存天井を解体するための解体工事を行うものとし、該解体工事を行うための前記工具としてウォータージェットにより天井仕上材としての天井ボードを切断するとともに天井下地としての軽量鉄骨を切断せずに残すウォータージェット切断機を搭載することが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の下地センサによれば、下地としての磁性材料(一般的には軽量鉄骨)に磁石が吸引される際の吸引力を利用してアームを揺動させ、その吸引力をアームを介してロードセルにより検知することにより、下地の有無やその位置を精度良く検知することが可能である。
【0011】
本発明の下地検出機構によれば、基台に並設した2組の下地センサが下地の位置に応じて旋回するので、それらの旋回位置に基づいて下地の位置のみならずその方向も直ちに精度良く検出可能である。
【0012】
本発明の内装工事用ロボットによれば、上記の下地検出機構により下地の位置と方向を検出しつつその下地に倣って移動式マニピュレータを自律的に走行させることが可能であり、各種内装工事の完全自動化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、内装工事用ロボットの概略構成を示す外観図である。
【図2】同、下地検出機構の概略構成図である。
【図3】同、下地センサの基本構成と検知原理を説明するための図である。
【図4】同、下地検出機構の基本構成と検出原理を説明するための図である。
【図5】同、解体対象の既存天井の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の下地センサ、下地検出機構、内装工事用ロボットの実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態は図5に示すような内装材としての既存天井1を対象としてそれを解体撤去する場合への適用例である。本実施形態において解体対象としている既存天井1は、上階のスラブから吊りボルト2および野縁受3を介して吊り支持された軽量鉄骨からなる下地4に対して仕上材としての天井ボード5を取り付けた構造のものである。
下地4としての軽量鉄骨は軽溝形鋼(いわゆるCチャンネルであって当然に磁性材料である)からなるものであって、野縁受3に対して直交しかつ互いに平行に等間隔で取り付けられて天井構成要素としての野縁として機能するものである。
天井ボード5は石膏ボード6と化粧ボード7(当然にいずれも非磁性材料である)からなる二重構造とされ、(b)に示すように石膏ボード6が下地4に対してネジ8により固定され、その石膏ボード6に対して化粧ボード7が重ねられて接着されているものである。
【0015】
本実施形態では上記の既存天井1をリニューアルするに際し、下地4を吊りボルト2および野縁受3とともにそのまま残して天井ボード5のみを解体撤去するべく、ウォータージェット切断機によって下地4に対しては何ら損傷を与えることなく天井ボード5のみを効率的に切断して下地4から切り離して撤去するようにしている。
周知のようにウォータージェット切断機はノズルから噴射させる高圧ないし超高圧の水流の作用により各種材料の切断やコンクリート表面の斫りが可能なものであって、水圧やノズル口径、切断速度、スタンドオフ(ノズルと切断対象物との距離)等の仕様を適正に設定することにより目的とする切断対象物のみを選択的に切断することが可能であることから、本実施形態ではそれらの仕様を天井ボード5を切断可能かつ下地4を切断不能な範囲に設定することにより、下地4には損傷を与えることなく天井ボード5のみをネジ8の周囲で切断して下地4から切り離すようにしたものである。
【0016】
そして、本実施形態では、ウォータージェット切断機による天井ボード5の切断作業を図1に示すような内装工事用ロボット10により行うことを主眼としている。そのロボット10は、床面上を任意方向に自走可能な走行台車11に、任意方向に旋回かつ俯仰可能なロボットアーム12を搭載した移動式マニピュレータであって、ロボットアーム12の先端部に上記のウォータージェット切断機(図示せず)を装着してそれにより天井ボード5の切断作業を自律的に行うものである。
特に上記のロボット10はそれ自体で下地4の位置と方向を検出可能しつつ、検出した下地4に倣って自律的に移動していきつつ切断を自律的に行うことが可能に構成されており、そのための下地検出機構20と制御装置を搭載しているものである。
【0017】
下地検出機構20は、ロボットアーム12の先端部に旋回かつ昇降可能なブラケット機構13を介して装着されて既存天井1に沿って走査されるものであって、図2に示すように基台である横長帯板状のベースプレート21上に、2組の下地センサ30をそれぞれ旋回可能に並設して対称配置した構成とされたものである。
まず、その下地センサ30の構成およびそれによる検知原理について図3に示す模式図を参照して説明する。
【0018】
下地センサ30は、基端側の中間部がピン31を支点として揺動自在に軸支されているアーム32と、アーム32の先端に装着された磁石33と、アーム32の基端部を臨む位置に配置されたロードセル34から構成されている。
アーム32はピン31により揺動自在に軸支されていることからその両端側がそれぞれ既存天井1に対して離接する方向(つまり上下方向)に揺動可能となっており、下地検出機構20の走査によって磁石33が下地4の位置に接近すると、天井ボード5を通して下地4に作用する磁力によって磁石33が下地4側に吸引されてアーム32の先端側が天井面側(つまり上方)に揺動し、それに伴いアーム32の基端側は逆方向(つまり下方)に揺動してロードセル34を押圧し、それにより磁石33の近傍位置に下地4があることがロードセル34により検知されるようになっている。
この場合、磁石33と下地4との距離が近いほど吸引力は大きく、当然に磁石33が下地4の直下に位置した場合に吸引力は最大になるから、走査によるロードセル34の出力が最大となったときに磁石33の直上位置に下地4があることを精度良く検知できることになる。
【0019】
なお、本実施形態では、図3(a)に示しているように、ピン31と磁石33までの距離l1が、ピン31とロードセル34の押圧点までの距離l2よりも大きく設定されていて、磁石33による吸引力fmがてこの原理により拡大されてロードセル34へ伝達されるようになっており、したがって吸引力fmが小さい場合でもロードセル34への押圧力fLが拡大されることで安定かつ高精度の検知が可能となっている。
【0020】
また、図3(b)に示しているように、アーム32の基端部はバネ35によって下方に付勢されているとともに、そのバネ35による下方への付勢力がネジ36により調整されるようになっていて、その付勢力がアーム32の先端側の自重および磁石33の重量に釣り合うように調整されることによって、通常時においてはアーム32は自ずと水平を保持し、これによりアーム32の先端側の重量が補償されて高精度の検知が可能となっている。
【0021】
上記構成の下地センサ30は上記の原理により単独でも下地4の位置を検知可能ではあるが、本実施形態の下地検出機構20はその下地センサ30を2組並設することによって下地4の位置のみならずその方向をも直ちに検出可能なものであり、次にその構成と検出原理を図4に示す模式図を参照して説明する。
本実施形態の下地検出機構20は、上記構成の各下地センサ30をそれぞれ既存天井1の表面に沿って(つまり水平面内において)旋回自在にベアリング22により支持するとともに、上記のベースプレート21に対する各アーム32の旋回角度α、βを角度センサとしてのロータリーエンコーダ23によりそれぞれ検出する構成とされている。
なお、各アーム32は通常時は復帰バネ24によってベースプレート21と平行な位置に自ずと復帰するようになっている。
また、ベアリング22にはアーム32を制動しつつその旋回を許容するロータリーダンパ25を設けることが好ましく、それによりアーム32の不用意かつ微小な旋回を抑制して検出ノイズを軽減し検出精度を向上させることが可能である。
【0022】
上記構成の下地検出機構20は、図4(a)に示すように下地4の位置に接近すると各アーム32の先端にそれぞれ装着されている磁石33が下地4に吸引されてその直下の位置となるようにアーム32が自ずと旋回し、各アーム32のベースプレート21に対する旋回角度α、β(図中のx軸に対する傾斜角度)がロータリーエンコーダ23によりそれぞれ検出され、それらの旋回角度α、βに基づいてベースプレート21に対する下地4の相対位置と相対角度とが検出可能である。
具体的には、ベースプレート21の中心を原点とするx軸とy軸とによる直交座標系における双方の磁石の位置P(x、y)、P(x、y)は、旋回中心であるベアリング22の位置と、アーム32の長さと、旋回角度α、βから求めることができ、それらの値から、ベースプレート21と下地4との相対傾斜角度(下地4に直交する方向とy軸との傾斜角度)θEと、ベースプレート21の中心(原点)から下地4の中心までの距離
ΔyEとを、幾何学的に次式により容易に求めることができる。
【0023】
【数1】

【0024】
本実施形態の内装工事用ロボット10は、上記のように下地検出機構20によって下地4の位置と方向を精度良く検出しつつそのロボット10自身によって切断位置や切断手順を設定し、それに基づいてロボットアーム12やブラケット機構13およびウォータジェット切断機を操作するとともに、走行台車11を操作してロボット10自身が下地4に倣って移動していきつつ切断作業を行うように構成されており、それにより既存天井1の解体作業の完全自動化を実現することも可能である。勿論、そのためには各要素の位置や作動状況を刻々と検知しつつ走行駆動源や操舵機構などの全ての要素を総合的に制御可能な制御装置を搭載して、一連の作業を自律的に行うように構成しておけば良い。
なお、本実施形態の下地検出機構20による下地4の検出精度や倣い精度は磁石33と下地4との離間距離に影響されるが、離間距離が充分に小さければ(つまり磁石33が下地4に充分に接近していれば)充分な高精度が得られる。離間距離を40mmとした場合の試験例によれば検出精度±2mm、倣い精度±10mmを実現できることが実証されており、したがって天井ボード5の厚さがたとえば20mmの場合には磁石33と天井面との離隔距離を20mm程度とすれば良く、それによりウオータジェットによる天井ボード5の切断作業を支障なく実施できる程度の高精度の位置検出と倣い制御が可能である。
【0025】
以上で本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば適宜の設計的変更や応用が可能であることは当然である。
特に上記実施形態は既存天井1の改修に際して天井ボード5をウォータージェットにより切断する場合への適用例としたが、本発明の下地センサ、下地検出機構、内装工事用ロボットはそのような場合のみならず、天井はもとより壁さらには床も含めた各種の非磁性材料からなる仕上材を対象とする各種の内装工事を行うに際して、軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地(天井下地、壁下地、床下地)を検出する必要のある場合全般に広く適用可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0026】
1 既存天井(内装材)
2 吊りボルト
3 野縁受
4 下地(軽量鉄骨、磁性材料)
5 天井ボード(仕上材、非磁性材料)
6 石膏ボード
7 化粧ボード
8 ネジ
10 内装工事用ロボット(移動式マニピュレータ)
11 走行台車
12 ロボットアーム
13 ブラケット機構
20 下地検出機構
21 ベースプレート(基台)
22 ベアリング
23 ロータリーエンコーダ(角度センサ)
24 復帰バネ
25 ロータリーダンパ
30 下地センサ
31 ピン
32 アーム
33 磁石
34 ロードセル
35 バネ
36 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、該内装材の表面側からの走査により前記下地を検知するためのセンサであって、
中間部がピンを支点として揺動自在に軸支され、両端側がそれぞれ内装材に対して離接する方向に揺動可能なアームと、
前記アームの先端に装着され、前記仕上材を通して前記下地に作用する磁力により該下地に対して吸引される磁石と、
前記アームの基端部を臨む位置に配置され、前記磁石が前記下地に吸引されて前記アームの先端側が前記内装材側に揺動した際に、該アームの基端部の逆方向への揺動により押圧されて前記磁石による吸引力を検知するロードセルからなることを特徴とする下地センサ。
【請求項2】
請求項1記載の下地センサであって、
前記アームを揺動自在に軸支しているピンと前記アームの先端部における前記磁石の装着点までの距離が、前記ピンと前記アームの基端部における前記ロードセルへの押圧点までの距離よりも大きく設定されていて、前記磁石による吸引力がてこの原理により拡大されて前記ロードセルにより検知される構成とされていることを特徴とする下地センサ。
【請求項3】
請求項1または2記載の下地センサであって、
前記アームの基端部にバネが装着されて該アームの基端部が下方に付勢され、その付勢力が前記アームの先端側の自重および前記磁石の重量に釣り合うように調整されていることを特徴とする下地センサ。
【請求項4】
軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、請求項1,2または3記載の下地センサによる前記内装材の表面側からの走査により前記下地の位置と方向を検出するための検出装置であって、
前記下地センサを基台に2組並設して、各下地センサをそれぞれ前記内装材の表面に沿って旋回自在にベアリングにより支持するとともに、各下地センサの各アームの基台に対する旋回角度を検出するための角度センサを具備してなり、
各アームの先端にそれぞれ装着されている磁石が前記下地に吸引されて該下地の直下の位置となるように前記アームが旋回した際に、各アームの前記基台に対する旋回角度を前記角度センサによりそれぞれ検出し、双方のアームの旋回角度に基づいて前記基台に対する下地の相対位置と相対角度とを検出する構成とされていることを特徴とする下地検出機構。
【請求項5】
請求項4記載の下地検出機構であって、
前記ベアリングには前記アームを制動しつつその旋回を許容するロータリーダンパを設けてなることを特徴とする下地検出機構。
【請求項6】
軽量鉄骨等の磁性材料からなる下地に非磁性材料からなる仕上材が取り付けられている内装材を対象として、請求項4または5記載の下地検出機構により前記内装材の表面側から前記下地の位置と方向を検出しつつ該内装材に対して内装工事を行うための内装工事用ロボットであって、
前記内装工事を行うための工具を搭載して床面上を自走可能な移動式マニピュレータに前記下地検出機構を搭載し、該下地検出機構により前記下地の位置と方向を検出しつつ該下地に倣うように前記移動式マニピュレータおよび前記工具を制御して内装工事を行う構成とされていることを特徴とする内装工事用ロボット。
【請求項7】
請求項6記載の内装工事用ロボットであって、
前記内装工事は既存天井を解体するための解体工事であり、該解体工事を行うための前記工具は、により天井仕上材としての天井ボードを切断するとともに天井下地としての軽量鉄骨を切断せずに残すウォータージェット切断機であることを特徴とする内装工事用ロボット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−203055(P2010−203055A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46551(P2009−46551)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト、建設系産業廃棄物処理RTシステム(特殊環境用ロボット分野)、廃材分別を考慮した環境対応型解体作業支援ロボットの研究開発 」委託研究、 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(599002043)学校法人 名城大学 (142)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】