下地上のインクの平滑化方法と印刷に有用な装置
【課題】下地上にインクを平滑化する方法と、印刷に有用な装置とを提供する。
【解決手段】本方法の例示実施形態は、少なくとも1つの照射エネルギ源が照射する照射線を用いて多孔質の下地140の表面に配置されたインク144を照射する工程を含む。照射線がインクを少なくともインクの粘性閾値温度に加熱し、インクを表面の側方に流動させてインクの平滑化を生み出す。インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分に小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインクの浸透を阻止する。
【解決手段】本方法の例示実施形態は、少なくとも1つの照射エネルギ源が照射する照射線を用いて多孔質の下地140の表面に配置されたインク144を照射する工程を含む。照射線がインクを少なくともインクの粘性閾値温度に加熱し、インクを表面の側方に流動させてインクの平滑化を生み出す。インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分に小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインクの浸透を阻止する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
印刷処理では、下地にマーキング材料を塗布して画像を形成する。一部の処理では、印刷画像は下地上でマイクロバンディングやプリントスルーを呈することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
下地上でインクを平滑化する方法や、種類の異なる下地上に高品質の印刷画像が生成できる印刷に有用な装置を提供することが望ましい筈である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
下地上のインクを平滑化する方法と印刷に有用な装置が提供される。下地上のインクを平滑化させる方法の例示実施形態は、多孔質下地の第1の面上に付着させたインクを少なくとも1つの第1の照射線源が照射する第1の照射線を用いて照射する工程を含む。第1の照射線がインクを少なくともインクの粘性閾値温度に加熱し、第1の面の側方にインクを流動させてインクの平滑化をもたらす。インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインクの浸透を阻止する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】マーキング材料粘度と例示マーキング材料用温度との間の関係を示す曲線を表わす。
【図2】マーキング装置と平滑化装置と随意選択的な硬化装置とを含む印刷に有用な装置の例示実施形態を示す。
【図3】平滑化装置の照射線エネルギ源の例示実施形態を示す。
【図4】複合されたマーキング/平滑化装置の例示実施形態を示す。
【図5】照射百分率対照射波長の曲線を示すものであり、約2500Kと3000Kの色温度でのタングステン電灯の照射スペクトルとイエロー(Y)とマゼンタ(M)とシアン(C)と赤外線(IR)吸収染料の概括的吸収スペクトルとの重複を示す。
【図6】図6Aから図6Fは、0.5インチの幅をそれぞれ有する600×600dpiパッチ(7番目の線ごとに空白をもって修正)と600×300dpiの上面を左側から右側に見たパッチの図を示し、パッチは、4200番用紙に対し7.5重量%のゲルと5重量%のワックスを含む標準的なブラック紫外線硬化ゲルインクを用いて印刷されている。図6Aは印刷されたばかりのパッチを示す。図6Bから図6Fはそれぞれ用紙移送速度1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sごとのタングステン電灯(定格電灯電圧144Vで1200Wの定格電力、実効電灯電圧208Vで実効電力2114W)を用いた平滑化に続くパッチを示すものであり、図は上面を左側から右側に見たもの(図6Aから図6Fの左半分)と下面を右側から左側に見たもの(図6Aから図6Fの右半分)である。
【図7】図6Bから図6Fに示された平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルー対用紙移送速度と、図6Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度およびプリントスルーとを示す曲線を表わす。
【図8】図8Aから図8Fは、それぞれ0.5インチの幅を有する600×600dpiパッチと、7番目の線ごとに空白をもって修正した600×600dpiパッチと、600×150dpiパッチと、150×150dpiパッチの上面右側から左側に見た図を示す。パッチは、4200番用紙に対し7.5重量%のゲルと5重量%のワックスを含む標準的なシアン紫外線硬化ゲルインク配合物を用いて印刷されている。図8Aは印刷されたばかりのパッチを示す。図8Bから図8Fはそれぞれ用紙移送速度1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sごとのタングステン電灯(定格電灯電圧120Vで500Wの定格電力、実効電灯電圧208Vで実効電力1166W)を用いた平滑化に続くパッチを示す。図は用紙の上面を右側から左側に見たもの(図8Aから図8Fの左半分)と下面を左側から右側に見たもの(図8Aから図8Fの右半分)である。
【図9】図8Bから図8Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルー対用紙移送速度と、図8Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度およびプリントスルーとを示す曲線を表わす。
【図10】図10Aから図10Fは、それぞれ0.5インチの幅を有する600×600dpiパッチと、7本の線ごとに空白で修正した600×600dpiパッチと、600×150dpiパッチと、150×150dpiパッチの上面右側から左側に見た図を示す。パッチは、4200番用紙に対し10重量%のゲルと10重量%のワックスを含むシアン紫外線硬化ゲルインクを用いて印刷されている。図10Aは印刷されたばかりのパッチを示す。図10Bから図10Fは、それぞれ用紙移送速度1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sごとのタングステン電灯(定格電灯電圧120Vで500Wの定格電力、実効電灯電圧208Vで実効電力1166W)を用いた平滑化に続くパッチを示す。図は用紙の上面を右側から左側に見たもの(図10Aから図10Fの左半分)と下面を左側から右側に見たもの(図10Aから図10Fの右半分)である。
【図11】図10Bから図10Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルー対用紙移送速度と、図10Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度およびプリントスルーとを示す曲線を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、基板上でインクを平滑化する開示方法の例示実施形態に適合する特性を有する典型的なゲルインクについての温度の関数としての粘度を示す曲線を表わす。図示の如く、ゲルインク用の粘度特性は鋭い閾値を有しており、インクは比較的狭い温度範囲に亙って比較的粘性があって(例えば、約106cPの桁以上の粘度を有する)簡単に流動できない状態から、比較的粘性がなく(例えば、101cPの桁未満の粘度を有する)簡単に流動できる状態へ遷移する。この種のゲルインクは、例えば約40℃未満、約30℃未満、約20℃未満、あるいは約10℃未満の小さな温度範囲に亙り粘度に大きな変化を呈することができる。この種のゲルインクは、十分剛性のある状態に熱的に急冷し、下地上でインクを平滑化する開示方法の例示実施形態に適合させるべく、下地温度に対して上昇した温度にて十分急峻な融解遷移を持たせる。
【0006】
図1に示す曲線は粘性閾値温度T0を示すものであり、それはインクの粘度がその最小値と最大値との中間にある温度として定義される。T0では、インクの粘度は十分に低く、それは簡単に流動することができる。T0は通常、例示ゲルインクでは約55℃から約65℃の範囲とすることができる。例示実施形態では、下地面に対する表面/界面張力と界面毛管力の影響下でインクを十分に流動させるべく、少なくとも粘性閾値温度までインクを加熱する。
【0007】
本方法と装置の実施形態は、下地上に形成された画像を平滑化し、平滑化期間中に画像との物理的な接触を伴うことなく画像のマイクロバンディングを緩和することができる。本方法と装置の実施形態は、インクの最小のプリントスルーをもって多孔質下地上でインクを平滑化することができる。この種の多孔質下地は、インクを付着させる前面から同様にインクを付着させることのできる反対側の裏面に向かって延在する開気孔を有する。開気孔は、前面と裏面により定義される下地の厚さ寸法を介して部分的にあるいは完全に延在することがある。気孔は、インクが浸透可能である。ショースルー(ST)は、背面光学濃度として定義される。OD(CP)を紙下地からなる白紙により覆われた下地の前面の光学濃度(OD)として定義すると、そのときプリントスルー(PT)は下式の如く定義され、すなわち、PT=ST−OD(CP)である。実施形態では、PT値は約0.035未満、約0.03未満、あるいは約0.025未満のように約0.04未満となる。
【0008】
本方法と装置は、ゲルインク等のインクを、塗被紙、プラスチック、および金属フィルムや積層体等の普通紙以外の下地上で平滑化するのに用いることもできる。これらの下地には、インクに対し非浸透性であるインク付着面が含まれることがある。下地は、感熱プラスチック等の感熱材料で構成することができる。装置の実施形態は、乾式複写や平番印刷やフレキソ印刷に使用することができる。
【0009】
装置の実施形態は、下地上のインクを加熱する照射線を照射する少なくとも1つの照射エネルギ源を含む。照射された照射線は、下地の小距離に亙る短時間の露光をもたらす。照射線露光は、インクに十分な熱エネルギを供給し、それらを十分に高い温度に加熱し、それらの粘度を低減し、下地面上の表面張力により駆動される側方リフローによりインクを平滑化する。側方リフローは、インクが形成する画像のマイクロバンディングを緩和する。
【0010】
実施形態では、照射線露光は望ましくは十分強力かつ十分短くし、インクから下地へ最小の熱伝達しかもたらさないようにする。この熱伝達は、望ましくはインクに接する下地をインク融点を上回る温度まで加熱するには不十分とする。照射線露光は、普通紙等の多孔質下地上のゲルインクのプリントスルー等を最小化するのに効果を発揮させることができる。
【0011】
下地上のインクの加熱時間について、照射エネルギ源が固定出力レベルで照射線を照射するときは、より短いパルスほどより少ないエネルギを投入し、インクの加熱はより少ないものとなる。投入される照射エネルギ量は、出力レベルを高めることで一定に保つこともできる。この種の実施形態では、より高い出力レベルでのより短いパルスがインクのより高速の温度上昇を招く。インクにおける照射エネルギの吸収を最適化し、所望の強力な照射エネルギ源を用いることで、望ましき短い時間tRAD内でインクを加熱することができる。
【0012】
多孔質下地の表面のインクを特定の温度とすると、インク粘度と表面張力による表面の側方リフローによりインクの表面積を減らすことができる。このインクの側方リフローを達成する時間量が、tL−Rである。同様に、下地の気孔内の毛管力は、下地内への浸透に通ずる。この種の気孔内を所与の距離に亙ってインクが浸透する時間量が、tPERMである。また、インクが吸収した熱は熱伝導によってより低温の下地に伝達され、下地の表面近傍領域を最も加熱し、結果的に下地の反対側の面へ伝わる。下地内でこの種の放熱を起こさせるべく、特性時間tDIFFが存在する。tDIFFの値は、下地の熱容量と熱拡散率と加えて温度勾配もまた含む要因に依存する。
【0013】
平滑化処理の実施形態では、これらの時間値間には下記の関係が望ましく、すなわちtRADはtL−RおよびtPERMと同等か短く、tPERMはtL−Rよりも長くし、tL−RはtDIFFよりもずっと短くする。これらの関係は、下記の如く書き表すことができる。すなわち、tRAD≦tL−R<tPERM≪tDIFFである。tDIFFが十分に長いときは、たとえtPERMが短い場合でも、下地内の熱勾配は十分大きく、インクは下地の上面近傍で急冷され、その表面に沿って主に側方にリフローすることになる。
【0014】
図2は、印刷に有用な装置100の例示実施形態を表わす。装置100は、下地上にインクを付着させるマーキング装置110と、付着させたばかりのインクを選択されたスペクトルの照射線を用いて照射し、インクを平滑化する平滑化装置120とを含んでいる。例示した装置100は、平滑化されたばかりの紫外線硬化インクを、この種のインクを下地上に随意選択的に画像を形成するのに用いたときに、照射紫外線をもって照射し、インクを架橋結合させて耐久性をもたらす随意選択的な紫外線硬化装置130もまた含んでいる。
【0015】
図2は、移送装置150上に支持した下地140を示すものである。移送装置150は、ベルト等とすることができる。ローラ等の他種の装置を、下地140の移送に用いることもできる。塗布したばかりのインク層144が、下地140の上面142の上に示してある。移送装置150は、処理方向Aにマーキング装置110と平滑化装置120と光学的硬化装置130とを通過させて下地140を移送し、下地140上に画像を生成する。平滑化装置120は通常、処理方向Aに沿って約10cmから約50cmの距離だけマーキング装置110から離間させることができる。連続ウェブの形をした下地140では、移送装置150に代えて静止支持装置を用いることができ、マーキング装置110と平滑化装置120と随意選択的な硬化装置130とから固定距離においてウェブを保持するよう構成された支持装置上でウェブを引っ張ることができる。
【0016】
マーキング装置110には、1以上の印刷ヘッド(図示せず)を含めることができる。例えば、印刷ヘッドは被加熱圧電印刷ヘッドとすることができる。通常、マーキング装置110は一連の印刷ヘッドを含む。印刷ヘッドは通常、マーキング装置110内に複数の互い違いの行として配置することができる。印刷ヘッドは、ステンレス鋼等で構成することができる。印刷ヘッドには、異なる寸法の下地を用いて印刷用のモジュラー型規模可変配列を設けることができる。印刷ヘッドは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを用いて、異なる色のインクが互いの上に印刷できるようにすることができる。
【0017】
印刷ヘッドは、インクを十分に高い温度まで加熱し、ノズルからの噴射に向けインク粘度を所望粘度に低減することができる。例えば、ゲルインクは粘性閾値温度を上回る温度まで加熱することができる。マーキング装置110を通過して移送される下地上に、印刷ヘッドのノズルから液滴として高温インクが噴霧される。印刷ヘッドは所望の液滴寸法を生成し、高速生産を可能にする。
【0018】
マーキング装置110の印刷ヘッドに、紫外線硬化ゲルインク等のゲルインクを用いることができる。他の実施形態では、ワックスインク等の適当な特性を有する他のインク種をマーキング装置110内に使用して画像を形成することができる。この種のインクは、冷却あるいは加熱期間中に温度の小さな変化に対し粘度の大きな変化を呈することができる。紫外線硬化ゲルインクは通常、印刷ヘッド内で少なくとも約80℃の温度まで加熱し、噴射用に所望の粘度を発現させることができる。紫外線硬化インクは通常、例えば約80℃から約70℃の如く、噴射温度から約10℃だけ冷却したときに粘度の大幅な増大を呈することがある。インクが普通紙等の下地に衝突すると、インクからより温度の低い下地へ熱が伝わる。付着させたばかりのインクは急速に冷却され、下地上にゲル稠度を発現させる。急速冷却のために、下地上で側方へのリフローあるいは平滑化するのにインクは十分な時間を持たない。その結果、インクでもって下地上に形成された画像はマイクロバンディングを呈することがある。
【0019】
インクを噴射するのに、フロリダ州オーランド市のnScrypt,Inc.社から入手可能なSmart Pump(商標)20等のコンピュータ制御されたニードル弁を有する正圧ポンプを用いることができる。これらポンプは、ピコリットルまでの極めて少量の体積を、106cPを超える粘度のような極めて高い粘度で噴射することができる。この種のポンプは、ゲルインクを室温で下地上に付着させるのに用いることができる。付着させたゲルインクはそこで、本願明細書で説明する装置と方法の実施形態により平滑化することができる。
【0020】
平滑化装置120は、インク144上に照射エネルギを照射する少なくとも1つの照射エネルギ源を含む。照射エネルギには、電磁スペクトルの可視光−赤外線部分に含まれる照射スペクトルを持たせることができる。実施形態では、照射エネルギ源は例えば可視光域(約400nmから700nm)を包含し、赤外線域(700nm超)に亙る照射スペクトルを有する広帯域IR−VIS(赤外線−可視光照射線)照射エネルギ源とすることができる。
【0021】
図3は、平滑化装置の例示照射エネルギ源224の下側に配置した下地240を示す。下地240は、移送装置250上の照射エネルギ源224に対し動かす。移送装置250は処理方向Aに可動としてあり、マーキング装置(図示せず)と平滑化装置とを介して下地240を移送する。一部実施形態では、随意選択的な硬化装置(図示せず)を用いることもできる。下地240は通常、下地の長さ寸法が処理方向Aに沿って延在する状態で平滑化装置に対し配向される。照射エネルギ源224は通常、処理方向Aに沿って下地面から約2cmから約5cm、印刷ヘッドからは約10cmから約50cm離間させることができる。実施形態では、下地240は連続ウェブとすることができる。連続ウェブでは、移送装置250に代えて静止支持装置を用いることができ、ウェブは支持装置上で引っ張り、ウェブをマーキング装置から固定距離に保つことができる。
【0022】
下地240は、上面242を含んでいる。インク層244が、上面242に示してある。例示実施形態では、照射エネルギ源224は電灯である。湾曲する反射器226は、電灯が照射する照射エネルギをインク244上に集束させ、下地240の長さ寸法に沿って小さな焦点幅を有する露光域を生成するよう構成する。電灯は、選択されたインク組成物を照射するのに適した照射スペクトルを生成する。例えば、電灯はタングステン・ハロゲン電灯等とすることができる。この種の電灯では、色温度(すなわち、照射スペクトルのピークの波長)が電灯照射スペクトルとインクの吸収スペクトルとの間の重複量を増大させるよう調整することができる。平滑化装置には、照射エネルギ源が照射するIR−VISスペクトルの選択された部分だけを伝送するフィルタを含めることができる。
【0023】
他の実施形態では、平滑化装置には水銀放電灯等の幾つかの異なる波長の照射ピークを有する照射線を照射する少なくとも1つの照射エネルギ源を含めることができる。
【0024】
他の実施形態では、平滑化装置には単一波長の照射エネルギを照射する少なくとも1つのモノクロ照射エネルギ源を含めることができる。例えば、照射エネルギ源は半導体ダイオードレーザやレーザアレイ等のレーザとすることができる。発光ダイオード配列等を用いることもできる。
【0025】
平滑化装置に使用することのできる異なる照射エネルギ源は、例えば約0.5mmから約10mmの範囲の露光域焦点幅を達成することができる。平滑化装置には照射エネルギガイド等を含め、照射エネルギ源が照射する照射エネルギを下地の小領域に導き、照射するインク面を低減することができる。
【0026】
実施形態では、照射エネルギ源は静止状態とし、照射エネルギ源を通過させて下地を動かし、下地を照射する。平滑化装置に対する下地の所与の移送速度において、照射エネルギ源の焦点幅の低減が下地上のインクの露光時間を低減する。処理方向に垂直な下地の幅寸法を横断して延在するタングステンフィラメント等の単一の照射エネルギ源については、照射エネルギ源を平滑化処理中ずっとオンとし、照射エネルギ源を通過させて下地を移動させる際に下地面全体が照射できるようにすることができる。
【0027】
他の実施形態では、照射エネルギ源を可動とし、照射線が下地上を走査できるようにすることができる。例えば、照射エネルギ源は下地の幅を横断して連続的に延在するレーザ、あるいは下地の幅寸法に沿ってセグメント内に配列されたレーザバーを含むレーザとすることができる。レーザを集束させ、下地上を処理方向に例えば約1mm未満の焦点幅を有する幅狭の線を走査することができる。この種の照射エネルギ源にとっては、照射線はインクが存在する下地面の照射領域だけに照射し、下地の発熱を制限するとともに不要な電力消費を制限することができる。
【0028】
下地を支持する基部は冷却された吸熱源とし、平滑化装置におけるインクの照射期間中に下地から放熱させ、平滑化処理期間中にインクと下地の温度を制御し、プリントスルーを最小化することができる。
【0029】
他の実施形態では、インクの照射期間中に下地が十分高い温度に達し、多孔質下地内のインクの垂直方向の最小移送量を上回る結果となる懸念を伴わずに下地上のインクの十分な側方リフローが達成できるときは、下地を吸熱源上に支持させなくともよい。実施形態では、多孔質下地にインクの充分な定着をもたらすのに若干量のインクの垂直移送が望まれる。非多孔質プラスチックや金属等の非多孔質下地では、下地面に対するインクの化学結合や下地面での微細孔が下地に対するインクの十分な定着をもたらすことができる。
【0030】
図2に示す装置100では、下地140は静止平滑化装置120に対し選択された速度で処理方向Aに移動する。下地140が照射エネルギ源に対し移動する際、平滑化装置120の照射エネルギ源がインク144を照射する。照射エネルギ源は、使用する具体的な線源に応じて約0.5から約10mmのみの処理方向Aにおける一定距離に亙って照射線を照射することができる。下地140は通常、照射エネルギ源に対し最大約1m/sの速度で移動させることができる。下地140上のインク144は、下地140が照射エネルギ源に対し移動するのに合わせ短時間量だけ照射される。例えば、約10mmの距離に亙り集束照射線を照射する照射エネルギ源は、約1m/sの下地速度で約10msのインク露光時間を提供することができる。より厳密に集束させた線源を用い、インクのより短い露光時間と熱伝達時間とを可能にすることができる。下地の移送速度の増速は、下地140上のインク144の露光時間の低減に用いることができる。
【0031】
装置100では、照射エネルギ源によりインク144に対し照射された照射線はインクを加熱するのに有効であり、インク粘度を十分に低下させて側方リフロー、すなわち下地140の上面142に対するインクの熱によるリフロー平滑化を可能にする。インクは、照射エネルギによって部分的に融解させるかあるいは完全に融解させることができ、完全融解ではより大きなリフロー被覆面積とより望ましい平滑化とが生み出される。インクは照射エネルギ源により十分素早く加熱し、これによりインクから下地140への熱伝達を平滑化期間中は十分小さなものとし、したがって下地界面でのインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地140への相当量のインクの浸透を阻止することができる。「下地界面」はインクが下地と接触するところとして定義され、それは上面142あるいは上面142の下側とすることができる。加熱から生ずる下地140内へのインク144の浸透は、例えば約20μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約4μm未満、約3μm未満、あるいは約2μm未満の最大深度に限定することができる。その結果、垂直インク流による普通紙等の多孔質下地のプリントスルーは実質除去することができる。インク144の側方リフローは、下地140上のインク144のマイクロバンディングを緩和することによって光学濃度を改善する。
【0032】
本方法と装置の実施形態に使用することのできる異なるインクに、平滑化目標温度で異なる粘度と表面張力を持たせることができる。一時停止時間と照射出力と照射エネルギ源の照射スペクトルとを含む平滑化処理パラメータは、本方法と装置に使用するインクの特性に適合させ、表面張力と毛細力とにより駆動されるインクの所望のリフローと平滑化とをもたらすことができる。
【0033】
図4は、マーキング機能と平滑化機能の両方を備える装置360の例示実施形態を表わす。図示の如く、装置360は、マーキング部310と、処理方向Aに沿ってマーキング部310から約0.5cmから約5cm下流に配置した平滑化部320とを含んでいる。下地340は、処理方向Aに沿って下地340上を移動するよう移送装置350上に支持して図示してある。マーキング部310には、例えば単一の印刷ヘッド(図示せず)を含めることができる。平滑化装置320は、少なくとも1つの照射エネルギ源(図示せず)を含む。照射エネルギ源は、タングステン電灯や1以上の波長で照射することのできる照射エネルギ源、あるいはモノクロ照射エネルギ源等の広帯域IR−VIS照射エネルギ源とすることができる。処理期間中、高温のインク液滴312が印刷ヘッドから噴霧され、周囲温度のインク液滴が正圧ポンプから下地340上に噴射され、続いて照射エネルギ源から照射線322で即照射され、高温の噴射インクを十分な時間量に亙り平滑化温度に維持/移行させ、所望のリフローを達成する。実施形態では、下地340は連続ウェブとすることができる。連続するウェブでは、移送装置350に代えて静止支持装置を用いることができ、ウェブはマーキング装置310と平滑化装置320と随意選択的な硬化装置とから固定距離にウェブを保持する構成とした支持装置上で引っ張ることができる。
【0034】
下地340上に付着させたばかりのインクの即照射により、完全に液状のインクの熱によるリフロー平滑化を得るべく、下地340上で固化インクを(追加の熱エネルギ量を用いて)融解させる必要性を少なくとも実質取り除くことができる。マーキング/平滑化装置360を用いて付着後に即インクに照射することで、平滑化温度まで再加熱される前により小さな温度降下を有するか、あるいは平滑化にとって十分な実質一定の温度に維持されるかのいずれかで付着されたばかりのインクであるが故に、低粘度遷移を上回る温度にインクが留まる総時間量を増大させることができる。複合されたマーキング/平滑化装置360は、所望の平滑化、総所要時間、およびマーキングと平滑化に必要な総合的処理の最前線を達成するのに十分な総エネルギ量を低減することができる。
【0035】
照射エネルギ源の加熱出力が制限されている場合、複合されたマーキング/平滑化装置はより高速の処理速度が使用できるようにし、何故なら付着させたばかりのインクの熱エネルギが平滑化に用いられるために、所望の平滑化を達成する上で照射エネルギ源からのより少量の熱エネルギ量で十分とすることができるからである。照射エネルギ源が照射する同一量の出力は、固定処理速度においてインクをより高温に加熱することができる。インクを所望の平滑化温度に保ったまま、より高速の処理速度を用いることができる。
【0036】
複合されたマーキング/平滑化装置を含む装置の実施形態は、複数の印刷ヘッドを含むマーキング装置の全ての印刷ヘッドから下地上にインクを付着させた後で平滑化を行なうのとは対照的に、各印刷ヘッドとマーキングの各段階に照射エネルギ源を使用することができる。複合されたマーキング/平滑化装置を含む装置では、各照射エネルギ源から照射された照射量は各関連する印刷ヘッドに付着させたインク量に基づき設定することができ、そのことで各露光の量ならびに持続時間の密接な制御が可能となる。
【0037】
ブラックインクは、IR−VIS電灯の照射スペクトルの実質部分全体に延在する広い吸収帯域を有する。ブラックインクよりも幅狭の吸収帯域を有するシアン等の他のインク色については、多孔質下地上のプリントスルーの阻止に関し有意な効果をもたらすべく、IR−VISの色温度をブラックインクの平滑化に用いられる温度に対し上昇させることができ、インクの配合を変えてより高濃度のゲルおよびワックス含有量を含めることができる。
【0038】
ゲルインク配合物は、1以上の赤外線吸収剤を追加することで調整し、電灯照射スペクトルとインクの吸収スペクトルとの間の重複量を増大させることができる。
【0039】
図5は、照射百分率対照射波長の曲線を示すものであり、約2500Kと3000Kの色温度でのタングステン電灯の照射スペクトルとイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および赤外線(IR)吸収顔料あるいは染料の概括的吸収スペクトルとの重複を示すものである。
【0040】
カーボンブラックインクは、可視光および近赤外線領域全体に高い吸収率を有する。図5に示す如く、一般にシアンインクの吸収は大部分が可視スペクトルの赤色領域内にある。この種のシアンインクのより高い吸収率を達成するため、照射エネルギ源(例えば、タングステン・ハロゲン電灯)の色温度を増大させ、および/または赤外線吸収剤をシアンインクに追加することができる。図5は、シアン顔料あるいは赤外線吸収染料を用いて2500Kの温度で作動するタングステン電灯の照射スペクトルの貧弱な重複を示すものである。この重複は、タングステン電灯がより高い3000Kの温度で作動するときは相当により優れたものとなる。
【0041】
他の実施形態では、平滑化装置の1(または複数)の照射エネルギ源は、処理交差方向に下地を横断する幅狭の線を走査するよう集束させる走査レーザ等のモノクロ線源とすることができる。赤外線吸収顔料や染料を含むシアンやマゼンタやイエローインクを平滑化するため、レーザは赤外線吸収顔料あるいは染料の吸収スペクトルに応じて例えば1.06μmあるいは0.9μmの波長(ガリウム・ヒ素)の照射線を照射するよう選択することができる。照射エネルギ源は重水素電灯等の放電灯とすることもでき、それは可視光領域のスペクトル(400から700nm)における平滑化照射の出力に加え、紫外線領域のスペクトル(200から400nm)の硬化用照射の相当量の出力もまた有する。
【0042】
用紙の上面側と下面側から撮った印刷パッチの写真が、図6Aから図6Fに示してある。図6Aは印刷されたばかりのパッチを示し、図6Bから図6Fはそれぞれ1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250m/s、125mm/sの用紙移送速度ごとの平滑化に続くパッチを示す。
【0043】
図7は、図6Bから図6Fに示された平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルーを示す曲線を示すものである。図6Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度とプリントスルーもまた、比較用に示してある。
【0044】
図示の如く、1m/sの移送速度(処理速度)で平滑化された600×600dpiパッチの光学濃度は、インクの側方拡散が故に印刷されたばかりの下地の光学濃度を上回って増大している。所望の平滑化が達成されている。750mm/sの移送速度で平滑化された下地の光学濃度もまた、1m/sで平滑化された下地について若干増大している。所望の平滑化が達成されている。移送速度500mm/sの移送速度で平滑化された下地の光学濃度は、プリントスルーが生じ始めることが原因で印刷されたばかりの下地の光学濃度を減少させている。移送速度のさらなる減速/250mm/sと125mm/sでの露光の増大は、より高濃度のプリントスルーと印刷されたばかりの下地を下回るまで減少する光学濃度とに帰結する。
【0045】
図7にプロットされ、図6Aから図6Fに見てとれるテスト結果は、約2800Kの色温度で集束させたIR−VIS電灯が、少なくとも約750mm/sから1000mm/sの領域における処理窓に対し許容不能のプリントスルーPT≦0.025を伴うことなくブラックインクの良好な平滑化を達成することを示すものである。これは、図6Bと図6Cの歪を含む事例の600×600dpi画像の裏面の視覚的な外観に一致し、それらは好ましくないと判断されることはなく、許容される。図6Dから図6Fに見られる500mm/s以下の処理速度では、プリントスルーは許容不能のPT≧0.025であり、それは電灯露光域内での速度低減あるいは一時停止時間の増大に合わせ増大する。
【0046】
上面と下面からの印刷パッチの図が、図8Aから8Eに示してある。図8Aは、印刷されたばかりのパッチを示す。図8Bから図8Fは、それぞれ1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sの用紙移送速度ごとの平滑化に続くパッチを示す。
【0047】
図9は、図8Bから図8Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiパッチについての光学濃度と対応するプリントスルーとを示す曲線を表わすものである。図8Aに示したパッチに関する印刷されたばかりの光学濃度とプリントスルーもまた、比較用に示してある。
【0048】
一般に、図8の裏面画像の視覚的な外観により判る如く、全ての試料が望ましくない高濃度のプリントスルーを呈している。全ての処理条件について、600×600dpi領域の裏面の外観は視覚的に好ましくなく、許容できない。これは、全ての画像についてPT≧0.025である図9における被計測プリントスルーに一致するものである。プリントスルーはまた、処理速度が減速し、一時停止時間が増大するのにつれ増大する。標準的なシアンインクはより高い色温度の露光時により多量のエネルギを吸収するが、シアンインクが許容可能なプリントスルーをもって平滑化される場合に用いられる下地移送速度での処理窓は皆無である。
【実施例】
【0049】
実施例3
【0050】
実施例2は同じ電灯照明条件を用いて反復したものであるが、高濃度ゲル(10重量%)と高濃度ワックス(10重量%)のシアンインク配合物(JBJF30554−15)を用い、インクの平滑化と許容可能なプリントスルーに対しより大きな処理許容範囲を提供するものである。
【0051】
一連の画像は、高濃度ゲル状かつ高濃度ワックス状のシアンインクを用い、4200番用紙上に印刷したものである。図10Aから図10Fは、600×600dpiパッチと、7番目の線ごとに空白でもって修正した600×600dpiパッチと、600×150dpiパッチと、150×150dpiパッチの上面を右側から左側に見た図と、下面を同様に右側から左側に見た図を示すものである。印刷済みのシアンパッチを、3073Kの色温度で作動する電灯の下側を1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sの速度で移送した。無修正600×600dpiパッチの光学濃度を側方のインク拡散の測度として用い、プリントスルーを用紙を浸透するインクの測度として用いた。
【0052】
図11は、図10Bから図10Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiパッチについての光学濃度と対応するプリントスルーとを示す曲線を表わすものである。図10Aに示したパッチに関する印刷されたばかりの光学濃度とプリントスルーもまた、比較用に示してある。このテスト結果は、高濃度ゲル状かつ高濃度ワックス状のシアンインク配合物の使用が、ある程度の平滑化を依然として行なえるようにしたまま紙面内へのインクの浸透を阻止する効果を有することを示すものである。処理窓内で約500mm/sから1000mm/sの処理速度を有する被照射試料について、印刷されたばかりの試料を上回る光学濃度の増大により判断されるある程度の平滑化が行われる。図10Fを除き、全ての試料が600×600dpi領域の裏面画像の視覚的な外観により判断される許容可能なプリントスルーを呈している。このことは図11のプロットに一致するものであり、ここでプリントスルーは125mm/sの最低速処理速度について許容レベルPT≧0.025を超えて上昇している。
【0053】
下地上でインクを平滑化する方法の実施形態では、インクの同時硬化を実質一切伴うことなく下地面上でのインクの平滑化を生み出すことが望ましい。硬化は、下地衝突時にインク液滴凝固により形成される波形構造の平滑化を妨げないことになる。
平滑化が妨げられた場合、マイクロバンディングは事実上緩和されず、完全に欠落した線は事実上隠されないことになる。インクの硬化は、インク内に架橋結合あるいは重合反応が行われる際に生ずる。実施形態では、インクの平滑化に用いる照射線源は平滑化期間中に硬化を実質生じないインクへ照射線エネルギを照射するよう選択される。
【0054】
下地上でインクを平滑化する方法の他の実施形態では、照射線源の照射スペクトルの一部分が平滑化対象であるインク組成物の硬化を引き起こすことがある場合、インクの平滑化期間中に少量の硬化もまた生じ、濾波等ではこの部分は除去されない。例えば、このことは平滑化電灯が水晶電球(全ての紫外線出力を通過させる)か、あるいは短波長紫外線(200から290nm)と中波長紫外線(290から320nm)を濾波するが長波長紫外線(320から400nm)は通過させるセリウムドープガラス電球を有する重水素放電灯である場合に生ずることがある。しかしながら、これらの実施形態では、照射線源は、インクの架橋結合または重合がインク粘度を増大させることができるよりも高速でおよび/またはより大きな程度でインク粘度を低減させつつ、平滑化を生み出すのに十分な温度までインクを加熱するのに有効な照射エネルギを照射することができる。温度変化によりこうした態様にてインク粘度が低減される結果、平滑化期間中にインクに生ずることのあるどのような硬化も実質的に平滑化を妨げず、インクに対する平滑化の所望の結果を依然として達成することができる。
【0055】
下地上の画像の耐久性を達成するのにインクの硬化が望まれる実施形態では、インクの平滑化に続くインク組成物の所望の硬化を生み出すのに有効な照射エネルギにインクを曝すことができる。
【背景技術】
【0001】
印刷処理では、下地にマーキング材料を塗布して画像を形成する。一部の処理では、印刷画像は下地上でマイクロバンディングやプリントスルーを呈することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
下地上でインクを平滑化する方法や、種類の異なる下地上に高品質の印刷画像が生成できる印刷に有用な装置を提供することが望ましい筈である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
下地上のインクを平滑化する方法と印刷に有用な装置が提供される。下地上のインクを平滑化させる方法の例示実施形態は、多孔質下地の第1の面上に付着させたインクを少なくとも1つの第1の照射線源が照射する第1の照射線を用いて照射する工程を含む。第1の照射線がインクを少なくともインクの粘性閾値温度に加熱し、第1の面の側方にインクを流動させてインクの平滑化をもたらす。インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインクの浸透を阻止する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】マーキング材料粘度と例示マーキング材料用温度との間の関係を示す曲線を表わす。
【図2】マーキング装置と平滑化装置と随意選択的な硬化装置とを含む印刷に有用な装置の例示実施形態を示す。
【図3】平滑化装置の照射線エネルギ源の例示実施形態を示す。
【図4】複合されたマーキング/平滑化装置の例示実施形態を示す。
【図5】照射百分率対照射波長の曲線を示すものであり、約2500Kと3000Kの色温度でのタングステン電灯の照射スペクトルとイエロー(Y)とマゼンタ(M)とシアン(C)と赤外線(IR)吸収染料の概括的吸収スペクトルとの重複を示す。
【図6】図6Aから図6Fは、0.5インチの幅をそれぞれ有する600×600dpiパッチ(7番目の線ごとに空白をもって修正)と600×300dpiの上面を左側から右側に見たパッチの図を示し、パッチは、4200番用紙に対し7.5重量%のゲルと5重量%のワックスを含む標準的なブラック紫外線硬化ゲルインクを用いて印刷されている。図6Aは印刷されたばかりのパッチを示す。図6Bから図6Fはそれぞれ用紙移送速度1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sごとのタングステン電灯(定格電灯電圧144Vで1200Wの定格電力、実効電灯電圧208Vで実効電力2114W)を用いた平滑化に続くパッチを示すものであり、図は上面を左側から右側に見たもの(図6Aから図6Fの左半分)と下面を右側から左側に見たもの(図6Aから図6Fの右半分)である。
【図7】図6Bから図6Fに示された平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルー対用紙移送速度と、図6Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度およびプリントスルーとを示す曲線を表わす。
【図8】図8Aから図8Fは、それぞれ0.5インチの幅を有する600×600dpiパッチと、7番目の線ごとに空白をもって修正した600×600dpiパッチと、600×150dpiパッチと、150×150dpiパッチの上面右側から左側に見た図を示す。パッチは、4200番用紙に対し7.5重量%のゲルと5重量%のワックスを含む標準的なシアン紫外線硬化ゲルインク配合物を用いて印刷されている。図8Aは印刷されたばかりのパッチを示す。図8Bから図8Fはそれぞれ用紙移送速度1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sごとのタングステン電灯(定格電灯電圧120Vで500Wの定格電力、実効電灯電圧208Vで実効電力1166W)を用いた平滑化に続くパッチを示す。図は用紙の上面を右側から左側に見たもの(図8Aから図8Fの左半分)と下面を左側から右側に見たもの(図8Aから図8Fの右半分)である。
【図9】図8Bから図8Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルー対用紙移送速度と、図8Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度およびプリントスルーとを示す曲線を表わす。
【図10】図10Aから図10Fは、それぞれ0.5インチの幅を有する600×600dpiパッチと、7本の線ごとに空白で修正した600×600dpiパッチと、600×150dpiパッチと、150×150dpiパッチの上面右側から左側に見た図を示す。パッチは、4200番用紙に対し10重量%のゲルと10重量%のワックスを含むシアン紫外線硬化ゲルインクを用いて印刷されている。図10Aは印刷されたばかりのパッチを示す。図10Bから図10Fは、それぞれ用紙移送速度1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sごとのタングステン電灯(定格電灯電圧120Vで500Wの定格電力、実効電灯電圧208Vで実効電力1166W)を用いた平滑化に続くパッチを示す。図は用紙の上面を右側から左側に見たもの(図10Aから図10Fの左半分)と下面を左側から右側に見たもの(図10Aから図10Fの右半分)である。
【図11】図10Bから図10Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルー対用紙移送速度と、図10Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度およびプリントスルーとを示す曲線を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、基板上でインクを平滑化する開示方法の例示実施形態に適合する特性を有する典型的なゲルインクについての温度の関数としての粘度を示す曲線を表わす。図示の如く、ゲルインク用の粘度特性は鋭い閾値を有しており、インクは比較的狭い温度範囲に亙って比較的粘性があって(例えば、約106cPの桁以上の粘度を有する)簡単に流動できない状態から、比較的粘性がなく(例えば、101cPの桁未満の粘度を有する)簡単に流動できる状態へ遷移する。この種のゲルインクは、例えば約40℃未満、約30℃未満、約20℃未満、あるいは約10℃未満の小さな温度範囲に亙り粘度に大きな変化を呈することができる。この種のゲルインクは、十分剛性のある状態に熱的に急冷し、下地上でインクを平滑化する開示方法の例示実施形態に適合させるべく、下地温度に対して上昇した温度にて十分急峻な融解遷移を持たせる。
【0006】
図1に示す曲線は粘性閾値温度T0を示すものであり、それはインクの粘度がその最小値と最大値との中間にある温度として定義される。T0では、インクの粘度は十分に低く、それは簡単に流動することができる。T0は通常、例示ゲルインクでは約55℃から約65℃の範囲とすることができる。例示実施形態では、下地面に対する表面/界面張力と界面毛管力の影響下でインクを十分に流動させるべく、少なくとも粘性閾値温度までインクを加熱する。
【0007】
本方法と装置の実施形態は、下地上に形成された画像を平滑化し、平滑化期間中に画像との物理的な接触を伴うことなく画像のマイクロバンディングを緩和することができる。本方法と装置の実施形態は、インクの最小のプリントスルーをもって多孔質下地上でインクを平滑化することができる。この種の多孔質下地は、インクを付着させる前面から同様にインクを付着させることのできる反対側の裏面に向かって延在する開気孔を有する。開気孔は、前面と裏面により定義される下地の厚さ寸法を介して部分的にあるいは完全に延在することがある。気孔は、インクが浸透可能である。ショースルー(ST)は、背面光学濃度として定義される。OD(CP)を紙下地からなる白紙により覆われた下地の前面の光学濃度(OD)として定義すると、そのときプリントスルー(PT)は下式の如く定義され、すなわち、PT=ST−OD(CP)である。実施形態では、PT値は約0.035未満、約0.03未満、あるいは約0.025未満のように約0.04未満となる。
【0008】
本方法と装置は、ゲルインク等のインクを、塗被紙、プラスチック、および金属フィルムや積層体等の普通紙以外の下地上で平滑化するのに用いることもできる。これらの下地には、インクに対し非浸透性であるインク付着面が含まれることがある。下地は、感熱プラスチック等の感熱材料で構成することができる。装置の実施形態は、乾式複写や平番印刷やフレキソ印刷に使用することができる。
【0009】
装置の実施形態は、下地上のインクを加熱する照射線を照射する少なくとも1つの照射エネルギ源を含む。照射された照射線は、下地の小距離に亙る短時間の露光をもたらす。照射線露光は、インクに十分な熱エネルギを供給し、それらを十分に高い温度に加熱し、それらの粘度を低減し、下地面上の表面張力により駆動される側方リフローによりインクを平滑化する。側方リフローは、インクが形成する画像のマイクロバンディングを緩和する。
【0010】
実施形態では、照射線露光は望ましくは十分強力かつ十分短くし、インクから下地へ最小の熱伝達しかもたらさないようにする。この熱伝達は、望ましくはインクに接する下地をインク融点を上回る温度まで加熱するには不十分とする。照射線露光は、普通紙等の多孔質下地上のゲルインクのプリントスルー等を最小化するのに効果を発揮させることができる。
【0011】
下地上のインクの加熱時間について、照射エネルギ源が固定出力レベルで照射線を照射するときは、より短いパルスほどより少ないエネルギを投入し、インクの加熱はより少ないものとなる。投入される照射エネルギ量は、出力レベルを高めることで一定に保つこともできる。この種の実施形態では、より高い出力レベルでのより短いパルスがインクのより高速の温度上昇を招く。インクにおける照射エネルギの吸収を最適化し、所望の強力な照射エネルギ源を用いることで、望ましき短い時間tRAD内でインクを加熱することができる。
【0012】
多孔質下地の表面のインクを特定の温度とすると、インク粘度と表面張力による表面の側方リフローによりインクの表面積を減らすことができる。このインクの側方リフローを達成する時間量が、tL−Rである。同様に、下地の気孔内の毛管力は、下地内への浸透に通ずる。この種の気孔内を所与の距離に亙ってインクが浸透する時間量が、tPERMである。また、インクが吸収した熱は熱伝導によってより低温の下地に伝達され、下地の表面近傍領域を最も加熱し、結果的に下地の反対側の面へ伝わる。下地内でこの種の放熱を起こさせるべく、特性時間tDIFFが存在する。tDIFFの値は、下地の熱容量と熱拡散率と加えて温度勾配もまた含む要因に依存する。
【0013】
平滑化処理の実施形態では、これらの時間値間には下記の関係が望ましく、すなわちtRADはtL−RおよびtPERMと同等か短く、tPERMはtL−Rよりも長くし、tL−RはtDIFFよりもずっと短くする。これらの関係は、下記の如く書き表すことができる。すなわち、tRAD≦tL−R<tPERM≪tDIFFである。tDIFFが十分に長いときは、たとえtPERMが短い場合でも、下地内の熱勾配は十分大きく、インクは下地の上面近傍で急冷され、その表面に沿って主に側方にリフローすることになる。
【0014】
図2は、印刷に有用な装置100の例示実施形態を表わす。装置100は、下地上にインクを付着させるマーキング装置110と、付着させたばかりのインクを選択されたスペクトルの照射線を用いて照射し、インクを平滑化する平滑化装置120とを含んでいる。例示した装置100は、平滑化されたばかりの紫外線硬化インクを、この種のインクを下地上に随意選択的に画像を形成するのに用いたときに、照射紫外線をもって照射し、インクを架橋結合させて耐久性をもたらす随意選択的な紫外線硬化装置130もまた含んでいる。
【0015】
図2は、移送装置150上に支持した下地140を示すものである。移送装置150は、ベルト等とすることができる。ローラ等の他種の装置を、下地140の移送に用いることもできる。塗布したばかりのインク層144が、下地140の上面142の上に示してある。移送装置150は、処理方向Aにマーキング装置110と平滑化装置120と光学的硬化装置130とを通過させて下地140を移送し、下地140上に画像を生成する。平滑化装置120は通常、処理方向Aに沿って約10cmから約50cmの距離だけマーキング装置110から離間させることができる。連続ウェブの形をした下地140では、移送装置150に代えて静止支持装置を用いることができ、マーキング装置110と平滑化装置120と随意選択的な硬化装置130とから固定距離においてウェブを保持するよう構成された支持装置上でウェブを引っ張ることができる。
【0016】
マーキング装置110には、1以上の印刷ヘッド(図示せず)を含めることができる。例えば、印刷ヘッドは被加熱圧電印刷ヘッドとすることができる。通常、マーキング装置110は一連の印刷ヘッドを含む。印刷ヘッドは通常、マーキング装置110内に複数の互い違いの行として配置することができる。印刷ヘッドは、ステンレス鋼等で構成することができる。印刷ヘッドには、異なる寸法の下地を用いて印刷用のモジュラー型規模可変配列を設けることができる。印刷ヘッドは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを用いて、異なる色のインクが互いの上に印刷できるようにすることができる。
【0017】
印刷ヘッドは、インクを十分に高い温度まで加熱し、ノズルからの噴射に向けインク粘度を所望粘度に低減することができる。例えば、ゲルインクは粘性閾値温度を上回る温度まで加熱することができる。マーキング装置110を通過して移送される下地上に、印刷ヘッドのノズルから液滴として高温インクが噴霧される。印刷ヘッドは所望の液滴寸法を生成し、高速生産を可能にする。
【0018】
マーキング装置110の印刷ヘッドに、紫外線硬化ゲルインク等のゲルインクを用いることができる。他の実施形態では、ワックスインク等の適当な特性を有する他のインク種をマーキング装置110内に使用して画像を形成することができる。この種のインクは、冷却あるいは加熱期間中に温度の小さな変化に対し粘度の大きな変化を呈することができる。紫外線硬化ゲルインクは通常、印刷ヘッド内で少なくとも約80℃の温度まで加熱し、噴射用に所望の粘度を発現させることができる。紫外線硬化インクは通常、例えば約80℃から約70℃の如く、噴射温度から約10℃だけ冷却したときに粘度の大幅な増大を呈することがある。インクが普通紙等の下地に衝突すると、インクからより温度の低い下地へ熱が伝わる。付着させたばかりのインクは急速に冷却され、下地上にゲル稠度を発現させる。急速冷却のために、下地上で側方へのリフローあるいは平滑化するのにインクは十分な時間を持たない。その結果、インクでもって下地上に形成された画像はマイクロバンディングを呈することがある。
【0019】
インクを噴射するのに、フロリダ州オーランド市のnScrypt,Inc.社から入手可能なSmart Pump(商標)20等のコンピュータ制御されたニードル弁を有する正圧ポンプを用いることができる。これらポンプは、ピコリットルまでの極めて少量の体積を、106cPを超える粘度のような極めて高い粘度で噴射することができる。この種のポンプは、ゲルインクを室温で下地上に付着させるのに用いることができる。付着させたゲルインクはそこで、本願明細書で説明する装置と方法の実施形態により平滑化することができる。
【0020】
平滑化装置120は、インク144上に照射エネルギを照射する少なくとも1つの照射エネルギ源を含む。照射エネルギには、電磁スペクトルの可視光−赤外線部分に含まれる照射スペクトルを持たせることができる。実施形態では、照射エネルギ源は例えば可視光域(約400nmから700nm)を包含し、赤外線域(700nm超)に亙る照射スペクトルを有する広帯域IR−VIS(赤外線−可視光照射線)照射エネルギ源とすることができる。
【0021】
図3は、平滑化装置の例示照射エネルギ源224の下側に配置した下地240を示す。下地240は、移送装置250上の照射エネルギ源224に対し動かす。移送装置250は処理方向Aに可動としてあり、マーキング装置(図示せず)と平滑化装置とを介して下地240を移送する。一部実施形態では、随意選択的な硬化装置(図示せず)を用いることもできる。下地240は通常、下地の長さ寸法が処理方向Aに沿って延在する状態で平滑化装置に対し配向される。照射エネルギ源224は通常、処理方向Aに沿って下地面から約2cmから約5cm、印刷ヘッドからは約10cmから約50cm離間させることができる。実施形態では、下地240は連続ウェブとすることができる。連続ウェブでは、移送装置250に代えて静止支持装置を用いることができ、ウェブは支持装置上で引っ張り、ウェブをマーキング装置から固定距離に保つことができる。
【0022】
下地240は、上面242を含んでいる。インク層244が、上面242に示してある。例示実施形態では、照射エネルギ源224は電灯である。湾曲する反射器226は、電灯が照射する照射エネルギをインク244上に集束させ、下地240の長さ寸法に沿って小さな焦点幅を有する露光域を生成するよう構成する。電灯は、選択されたインク組成物を照射するのに適した照射スペクトルを生成する。例えば、電灯はタングステン・ハロゲン電灯等とすることができる。この種の電灯では、色温度(すなわち、照射スペクトルのピークの波長)が電灯照射スペクトルとインクの吸収スペクトルとの間の重複量を増大させるよう調整することができる。平滑化装置には、照射エネルギ源が照射するIR−VISスペクトルの選択された部分だけを伝送するフィルタを含めることができる。
【0023】
他の実施形態では、平滑化装置には水銀放電灯等の幾つかの異なる波長の照射ピークを有する照射線を照射する少なくとも1つの照射エネルギ源を含めることができる。
【0024】
他の実施形態では、平滑化装置には単一波長の照射エネルギを照射する少なくとも1つのモノクロ照射エネルギ源を含めることができる。例えば、照射エネルギ源は半導体ダイオードレーザやレーザアレイ等のレーザとすることができる。発光ダイオード配列等を用いることもできる。
【0025】
平滑化装置に使用することのできる異なる照射エネルギ源は、例えば約0.5mmから約10mmの範囲の露光域焦点幅を達成することができる。平滑化装置には照射エネルギガイド等を含め、照射エネルギ源が照射する照射エネルギを下地の小領域に導き、照射するインク面を低減することができる。
【0026】
実施形態では、照射エネルギ源は静止状態とし、照射エネルギ源を通過させて下地を動かし、下地を照射する。平滑化装置に対する下地の所与の移送速度において、照射エネルギ源の焦点幅の低減が下地上のインクの露光時間を低減する。処理方向に垂直な下地の幅寸法を横断して延在するタングステンフィラメント等の単一の照射エネルギ源については、照射エネルギ源を平滑化処理中ずっとオンとし、照射エネルギ源を通過させて下地を移動させる際に下地面全体が照射できるようにすることができる。
【0027】
他の実施形態では、照射エネルギ源を可動とし、照射線が下地上を走査できるようにすることができる。例えば、照射エネルギ源は下地の幅を横断して連続的に延在するレーザ、あるいは下地の幅寸法に沿ってセグメント内に配列されたレーザバーを含むレーザとすることができる。レーザを集束させ、下地上を処理方向に例えば約1mm未満の焦点幅を有する幅狭の線を走査することができる。この種の照射エネルギ源にとっては、照射線はインクが存在する下地面の照射領域だけに照射し、下地の発熱を制限するとともに不要な電力消費を制限することができる。
【0028】
下地を支持する基部は冷却された吸熱源とし、平滑化装置におけるインクの照射期間中に下地から放熱させ、平滑化処理期間中にインクと下地の温度を制御し、プリントスルーを最小化することができる。
【0029】
他の実施形態では、インクの照射期間中に下地が十分高い温度に達し、多孔質下地内のインクの垂直方向の最小移送量を上回る結果となる懸念を伴わずに下地上のインクの十分な側方リフローが達成できるときは、下地を吸熱源上に支持させなくともよい。実施形態では、多孔質下地にインクの充分な定着をもたらすのに若干量のインクの垂直移送が望まれる。非多孔質プラスチックや金属等の非多孔質下地では、下地面に対するインクの化学結合や下地面での微細孔が下地に対するインクの十分な定着をもたらすことができる。
【0030】
図2に示す装置100では、下地140は静止平滑化装置120に対し選択された速度で処理方向Aに移動する。下地140が照射エネルギ源に対し移動する際、平滑化装置120の照射エネルギ源がインク144を照射する。照射エネルギ源は、使用する具体的な線源に応じて約0.5から約10mmのみの処理方向Aにおける一定距離に亙って照射線を照射することができる。下地140は通常、照射エネルギ源に対し最大約1m/sの速度で移動させることができる。下地140上のインク144は、下地140が照射エネルギ源に対し移動するのに合わせ短時間量だけ照射される。例えば、約10mmの距離に亙り集束照射線を照射する照射エネルギ源は、約1m/sの下地速度で約10msのインク露光時間を提供することができる。より厳密に集束させた線源を用い、インクのより短い露光時間と熱伝達時間とを可能にすることができる。下地の移送速度の増速は、下地140上のインク144の露光時間の低減に用いることができる。
【0031】
装置100では、照射エネルギ源によりインク144に対し照射された照射線はインクを加熱するのに有効であり、インク粘度を十分に低下させて側方リフロー、すなわち下地140の上面142に対するインクの熱によるリフロー平滑化を可能にする。インクは、照射エネルギによって部分的に融解させるかあるいは完全に融解させることができ、完全融解ではより大きなリフロー被覆面積とより望ましい平滑化とが生み出される。インクは照射エネルギ源により十分素早く加熱し、これによりインクから下地140への熱伝達を平滑化期間中は十分小さなものとし、したがって下地界面でのインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地140への相当量のインクの浸透を阻止することができる。「下地界面」はインクが下地と接触するところとして定義され、それは上面142あるいは上面142の下側とすることができる。加熱から生ずる下地140内へのインク144の浸透は、例えば約20μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約4μm未満、約3μm未満、あるいは約2μm未満の最大深度に限定することができる。その結果、垂直インク流による普通紙等の多孔質下地のプリントスルーは実質除去することができる。インク144の側方リフローは、下地140上のインク144のマイクロバンディングを緩和することによって光学濃度を改善する。
【0032】
本方法と装置の実施形態に使用することのできる異なるインクに、平滑化目標温度で異なる粘度と表面張力を持たせることができる。一時停止時間と照射出力と照射エネルギ源の照射スペクトルとを含む平滑化処理パラメータは、本方法と装置に使用するインクの特性に適合させ、表面張力と毛細力とにより駆動されるインクの所望のリフローと平滑化とをもたらすことができる。
【0033】
図4は、マーキング機能と平滑化機能の両方を備える装置360の例示実施形態を表わす。図示の如く、装置360は、マーキング部310と、処理方向Aに沿ってマーキング部310から約0.5cmから約5cm下流に配置した平滑化部320とを含んでいる。下地340は、処理方向Aに沿って下地340上を移動するよう移送装置350上に支持して図示してある。マーキング部310には、例えば単一の印刷ヘッド(図示せず)を含めることができる。平滑化装置320は、少なくとも1つの照射エネルギ源(図示せず)を含む。照射エネルギ源は、タングステン電灯や1以上の波長で照射することのできる照射エネルギ源、あるいはモノクロ照射エネルギ源等の広帯域IR−VIS照射エネルギ源とすることができる。処理期間中、高温のインク液滴312が印刷ヘッドから噴霧され、周囲温度のインク液滴が正圧ポンプから下地340上に噴射され、続いて照射エネルギ源から照射線322で即照射され、高温の噴射インクを十分な時間量に亙り平滑化温度に維持/移行させ、所望のリフローを達成する。実施形態では、下地340は連続ウェブとすることができる。連続するウェブでは、移送装置350に代えて静止支持装置を用いることができ、ウェブはマーキング装置310と平滑化装置320と随意選択的な硬化装置とから固定距離にウェブを保持する構成とした支持装置上で引っ張ることができる。
【0034】
下地340上に付着させたばかりのインクの即照射により、完全に液状のインクの熱によるリフロー平滑化を得るべく、下地340上で固化インクを(追加の熱エネルギ量を用いて)融解させる必要性を少なくとも実質取り除くことができる。マーキング/平滑化装置360を用いて付着後に即インクに照射することで、平滑化温度まで再加熱される前により小さな温度降下を有するか、あるいは平滑化にとって十分な実質一定の温度に維持されるかのいずれかで付着されたばかりのインクであるが故に、低粘度遷移を上回る温度にインクが留まる総時間量を増大させることができる。複合されたマーキング/平滑化装置360は、所望の平滑化、総所要時間、およびマーキングと平滑化に必要な総合的処理の最前線を達成するのに十分な総エネルギ量を低減することができる。
【0035】
照射エネルギ源の加熱出力が制限されている場合、複合されたマーキング/平滑化装置はより高速の処理速度が使用できるようにし、何故なら付着させたばかりのインクの熱エネルギが平滑化に用いられるために、所望の平滑化を達成する上で照射エネルギ源からのより少量の熱エネルギ量で十分とすることができるからである。照射エネルギ源が照射する同一量の出力は、固定処理速度においてインクをより高温に加熱することができる。インクを所望の平滑化温度に保ったまま、より高速の処理速度を用いることができる。
【0036】
複合されたマーキング/平滑化装置を含む装置の実施形態は、複数の印刷ヘッドを含むマーキング装置の全ての印刷ヘッドから下地上にインクを付着させた後で平滑化を行なうのとは対照的に、各印刷ヘッドとマーキングの各段階に照射エネルギ源を使用することができる。複合されたマーキング/平滑化装置を含む装置では、各照射エネルギ源から照射された照射量は各関連する印刷ヘッドに付着させたインク量に基づき設定することができ、そのことで各露光の量ならびに持続時間の密接な制御が可能となる。
【0037】
ブラックインクは、IR−VIS電灯の照射スペクトルの実質部分全体に延在する広い吸収帯域を有する。ブラックインクよりも幅狭の吸収帯域を有するシアン等の他のインク色については、多孔質下地上のプリントスルーの阻止に関し有意な効果をもたらすべく、IR−VISの色温度をブラックインクの平滑化に用いられる温度に対し上昇させることができ、インクの配合を変えてより高濃度のゲルおよびワックス含有量を含めることができる。
【0038】
ゲルインク配合物は、1以上の赤外線吸収剤を追加することで調整し、電灯照射スペクトルとインクの吸収スペクトルとの間の重複量を増大させることができる。
【0039】
図5は、照射百分率対照射波長の曲線を示すものであり、約2500Kと3000Kの色温度でのタングステン電灯の照射スペクトルとイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および赤外線(IR)吸収顔料あるいは染料の概括的吸収スペクトルとの重複を示すものである。
【0040】
カーボンブラックインクは、可視光および近赤外線領域全体に高い吸収率を有する。図5に示す如く、一般にシアンインクの吸収は大部分が可視スペクトルの赤色領域内にある。この種のシアンインクのより高い吸収率を達成するため、照射エネルギ源(例えば、タングステン・ハロゲン電灯)の色温度を増大させ、および/または赤外線吸収剤をシアンインクに追加することができる。図5は、シアン顔料あるいは赤外線吸収染料を用いて2500Kの温度で作動するタングステン電灯の照射スペクトルの貧弱な重複を示すものである。この重複は、タングステン電灯がより高い3000Kの温度で作動するときは相当により優れたものとなる。
【0041】
他の実施形態では、平滑化装置の1(または複数)の照射エネルギ源は、処理交差方向に下地を横断する幅狭の線を走査するよう集束させる走査レーザ等のモノクロ線源とすることができる。赤外線吸収顔料や染料を含むシアンやマゼンタやイエローインクを平滑化するため、レーザは赤外線吸収顔料あるいは染料の吸収スペクトルに応じて例えば1.06μmあるいは0.9μmの波長(ガリウム・ヒ素)の照射線を照射するよう選択することができる。照射エネルギ源は重水素電灯等の放電灯とすることもでき、それは可視光領域のスペクトル(400から700nm)における平滑化照射の出力に加え、紫外線領域のスペクトル(200から400nm)の硬化用照射の相当量の出力もまた有する。
【0042】
用紙の上面側と下面側から撮った印刷パッチの写真が、図6Aから図6Fに示してある。図6Aは印刷されたばかりのパッチを示し、図6Bから図6Fはそれぞれ1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250m/s、125mm/sの用紙移送速度ごとの平滑化に続くパッチを示す。
【0043】
図7は、図6Bから図6Fに示された平滑化されたばかりの600×600dpiのパッチについての光学濃度および対応するプリントスルーを示す曲線を示すものである。図6Aに示したパッチについての印刷されたばかりの光学濃度とプリントスルーもまた、比較用に示してある。
【0044】
図示の如く、1m/sの移送速度(処理速度)で平滑化された600×600dpiパッチの光学濃度は、インクの側方拡散が故に印刷されたばかりの下地の光学濃度を上回って増大している。所望の平滑化が達成されている。750mm/sの移送速度で平滑化された下地の光学濃度もまた、1m/sで平滑化された下地について若干増大している。所望の平滑化が達成されている。移送速度500mm/sの移送速度で平滑化された下地の光学濃度は、プリントスルーが生じ始めることが原因で印刷されたばかりの下地の光学濃度を減少させている。移送速度のさらなる減速/250mm/sと125mm/sでの露光の増大は、より高濃度のプリントスルーと印刷されたばかりの下地を下回るまで減少する光学濃度とに帰結する。
【0045】
図7にプロットされ、図6Aから図6Fに見てとれるテスト結果は、約2800Kの色温度で集束させたIR−VIS電灯が、少なくとも約750mm/sから1000mm/sの領域における処理窓に対し許容不能のプリントスルーPT≦0.025を伴うことなくブラックインクの良好な平滑化を達成することを示すものである。これは、図6Bと図6Cの歪を含む事例の600×600dpi画像の裏面の視覚的な外観に一致し、それらは好ましくないと判断されることはなく、許容される。図6Dから図6Fに見られる500mm/s以下の処理速度では、プリントスルーは許容不能のPT≧0.025であり、それは電灯露光域内での速度低減あるいは一時停止時間の増大に合わせ増大する。
【0046】
上面と下面からの印刷パッチの図が、図8Aから8Eに示してある。図8Aは、印刷されたばかりのパッチを示す。図8Bから図8Fは、それぞれ1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sの用紙移送速度ごとの平滑化に続くパッチを示す。
【0047】
図9は、図8Bから図8Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiパッチについての光学濃度と対応するプリントスルーとを示す曲線を表わすものである。図8Aに示したパッチに関する印刷されたばかりの光学濃度とプリントスルーもまた、比較用に示してある。
【0048】
一般に、図8の裏面画像の視覚的な外観により判る如く、全ての試料が望ましくない高濃度のプリントスルーを呈している。全ての処理条件について、600×600dpi領域の裏面の外観は視覚的に好ましくなく、許容できない。これは、全ての画像についてPT≧0.025である図9における被計測プリントスルーに一致するものである。プリントスルーはまた、処理速度が減速し、一時停止時間が増大するのにつれ増大する。標準的なシアンインクはより高い色温度の露光時により多量のエネルギを吸収するが、シアンインクが許容可能なプリントスルーをもって平滑化される場合に用いられる下地移送速度での処理窓は皆無である。
【実施例】
【0049】
実施例3
【0050】
実施例2は同じ電灯照明条件を用いて反復したものであるが、高濃度ゲル(10重量%)と高濃度ワックス(10重量%)のシアンインク配合物(JBJF30554−15)を用い、インクの平滑化と許容可能なプリントスルーに対しより大きな処理許容範囲を提供するものである。
【0051】
一連の画像は、高濃度ゲル状かつ高濃度ワックス状のシアンインクを用い、4200番用紙上に印刷したものである。図10Aから図10Fは、600×600dpiパッチと、7番目の線ごとに空白でもって修正した600×600dpiパッチと、600×150dpiパッチと、150×150dpiパッチの上面を右側から左側に見た図と、下面を同様に右側から左側に見た図を示すものである。印刷済みのシアンパッチを、3073Kの色温度で作動する電灯の下側を1000mm/s、750mm/s、500mm/s、250mm/s、125mm/sの速度で移送した。無修正600×600dpiパッチの光学濃度を側方のインク拡散の測度として用い、プリントスルーを用紙を浸透するインクの測度として用いた。
【0052】
図11は、図10Bから図10Fに示した平滑化されたばかりの600×600dpiパッチについての光学濃度と対応するプリントスルーとを示す曲線を表わすものである。図10Aに示したパッチに関する印刷されたばかりの光学濃度とプリントスルーもまた、比較用に示してある。このテスト結果は、高濃度ゲル状かつ高濃度ワックス状のシアンインク配合物の使用が、ある程度の平滑化を依然として行なえるようにしたまま紙面内へのインクの浸透を阻止する効果を有することを示すものである。処理窓内で約500mm/sから1000mm/sの処理速度を有する被照射試料について、印刷されたばかりの試料を上回る光学濃度の増大により判断されるある程度の平滑化が行われる。図10Fを除き、全ての試料が600×600dpi領域の裏面画像の視覚的な外観により判断される許容可能なプリントスルーを呈している。このことは図11のプロットに一致するものであり、ここでプリントスルーは125mm/sの最低速処理速度について許容レベルPT≧0.025を超えて上昇している。
【0053】
下地上でインクを平滑化する方法の実施形態では、インクの同時硬化を実質一切伴うことなく下地面上でのインクの平滑化を生み出すことが望ましい。硬化は、下地衝突時にインク液滴凝固により形成される波形構造の平滑化を妨げないことになる。
平滑化が妨げられた場合、マイクロバンディングは事実上緩和されず、完全に欠落した線は事実上隠されないことになる。インクの硬化は、インク内に架橋結合あるいは重合反応が行われる際に生ずる。実施形態では、インクの平滑化に用いる照射線源は平滑化期間中に硬化を実質生じないインクへ照射線エネルギを照射するよう選択される。
【0054】
下地上でインクを平滑化する方法の他の実施形態では、照射線源の照射スペクトルの一部分が平滑化対象であるインク組成物の硬化を引き起こすことがある場合、インクの平滑化期間中に少量の硬化もまた生じ、濾波等ではこの部分は除去されない。例えば、このことは平滑化電灯が水晶電球(全ての紫外線出力を通過させる)か、あるいは短波長紫外線(200から290nm)と中波長紫外線(290から320nm)を濾波するが長波長紫外線(320から400nm)は通過させるセリウムドープガラス電球を有する重水素放電灯である場合に生ずることがある。しかしながら、これらの実施形態では、照射線源は、インクの架橋結合または重合がインク粘度を増大させることができるよりも高速でおよび/またはより大きな程度でインク粘度を低減させつつ、平滑化を生み出すのに十分な温度までインクを加熱するのに有効な照射エネルギを照射することができる。温度変化によりこうした態様にてインク粘度が低減される結果、平滑化期間中にインクに生ずることのあるどのような硬化も実質的に平滑化を妨げず、インクに対する平滑化の所望の結果を依然として達成することができる。
【0055】
下地上の画像の耐久性を達成するのにインクの硬化が望まれる実施形態では、インクの平滑化に続くインク組成物の所望の硬化を生み出すのに有効な照射エネルギにインクを曝すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地上でインクを平滑化する方法であって、少なくとも1つの第1の照射エネルギ源が発する第1の照射線を用いて多孔質下地の第1の面に付着するインクを照射する工程を含み、第1の照射がインクを少なくともインクの粘性閾値温度まで加熱し、インクを第1の面上で側方に流動させてインクの平滑化をもたらし、インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインク浸透を阻止する方法。
【請求項2】
インクは所定の温度範囲に亙り、約101から約106cPの粘度範囲を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
印刷に有用な装置であって、
多孔質下地の第1の面にインクを塗布するマーキング装置で、インクの最小値と最大値との間の中途の粘度をインクが有する粘性閾値温度をインクが有するマーキング装置と、
多孔質下地の第1の面に塗布されたインクに対し第1の照射線を照射する少なくとも1つの第1の照射エネルギ源を含む平滑化装置で、第1の照射線がインクを少なくともインクの粘性閾値温度に加熱し、インクが第1の面上で側方に流動できるようにし、インクの平滑化をもたらし、インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分に小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインクの浸透を阻止する平滑化装置とを備える装置。
【請求項4】
少なくとも1つの第1の照射エネルギ源が照射する第1の照射線は、電磁スペクトルの可視光−赤外線部分に含まれる照射スペクトルを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項1】
下地上でインクを平滑化する方法であって、少なくとも1つの第1の照射エネルギ源が発する第1の照射線を用いて多孔質下地の第1の面に付着するインクを照射する工程を含み、第1の照射がインクを少なくともインクの粘性閾値温度まで加熱し、インクを第1の面上で側方に流動させてインクの平滑化をもたらし、インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインク浸透を阻止する方法。
【請求項2】
インクは所定の温度範囲に亙り、約101から約106cPの粘度範囲を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
印刷に有用な装置であって、
多孔質下地の第1の面にインクを塗布するマーキング装置で、インクの最小値と最大値との間の中途の粘度をインクが有する粘性閾値温度をインクが有するマーキング装置と、
多孔質下地の第1の面に塗布されたインクに対し第1の照射線を照射する少なくとも1つの第1の照射エネルギ源を含む平滑化装置で、第1の照射線がインクを少なくともインクの粘性閾値温度に加熱し、インクが第1の面上で側方に流動できるようにし、インクの平滑化をもたらし、インクを十分素早く加熱し、したがってインクから下地への熱伝達を平滑化期間中は十分に小さくし、これにより下地界面のインクを粘性閾値温度未満の温度に冷却し、それによって下地への相当量のインクの浸透を阻止する平滑化装置とを備える装置。
【請求項4】
少なくとも1つの第1の照射エネルギ源が照射する第1の照射線は、電磁スペクトルの可視光−赤外線部分に含まれる照射スペクトルを有する、請求項3に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−224994(P2011−224994A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93326(P2011−93326)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【出願人】(502096543)パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド (393)
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【出願人】(502096543)パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド (393)
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
【Fターム(参考)】
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