説明

下水汚泥の処理

【課題】下水汚泥の病原体含有量を減少させるための該汚泥の処理方法を提供する。
【解決手段】大腸菌を含む病原体を含有する下水汚泥の病原体含有量を減少させるための処理方法であって、(a)下水汚泥に有効量のリン含有化合物を添加する工程と;(ここで、該リン含有化合物は、硫酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、塩化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、臭化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、リン酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、酢酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム又はシュウ酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムである。)(b)該汚泥に存在する病原体の量を2以上の対数減少値に相当する量減少させ、処理された下水汚泥中の大腸菌レベルが乾燥汚泥1グラム当たり105cfu/gds以下となるのに充分な時間前記リン含有化合物と該汚泥の接触を維持する工程と;を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下水汚泥の処理方法及び該方法によって処理された汚泥に関する。
【背景技術】
【0002】
生下水の処理では一般に(大きな固形物及び粗粒を除去する)濾過工程の後に水性相が好気細菌作用を受けて生分解性物質を除去する工程が行われる。この後者の工程では本質的に濃縮された細菌集団である“活性化汚泥”が関与する。生分解性物質は水性相を河川のような水流に排出する前に除去する必要があり、さもないと河川中で該物質の細菌分解が行われると溶存酸素を消費して魚を死に至らし、悪臭を発生させ、そして一般的な環境悪化を生じさせる。生分解物質の分解中は、細菌の成長及び増殖が起こり、処理を要する細菌汚泥が蓄積する。
【0003】
随意的に、過剰の汚泥は嫌気性条件下で“消化”することができる。この条件下では本質的に細菌は新しい条件で再平衡してメタンを生成してバイオマスが減少するが、最終的には削減できない過剰汚泥が残り、処理を要する。処理方法には、埋立てや海上処理のような多くの処理があるが、何れも環境上の理由により好ましくない。代替的には、過剰汚泥は焼却(コスト高)や農地に散布することができる。後者の場合は汚泥を肥料/土壌改良剤として使用することができるので利点がある。
【0004】
残念なことに、上記汚泥は高濃度の病原体を含有し得るので、そのときは、汚泥を消毒して存在する病原性生物を許容し得る環境及び衛生レベルまで減少させてから、殺菌された汚泥を土地に散布することが必要となる。病原リスクを定量化するのに用いられる指標生物は大腸菌である。英国の衛生条項を遵守するために、慣例型の処理汚泥では汚泥中の大腸菌レベルを99%(すなわち、対数減少値が2)削減しなければならず、処理された下水汚泥中の大腸菌の最大許容レベルは乾燥汚泥1グラム(gds)当たり105である。英国における強化型の処理汚泥ではサルモネラ菌が存在してはならず、大腸菌のレベルは99.9999%(すなわち、対数減少値が6)以上削減しなければならない。強化型の処理下水汚泥中の大腸菌の最大許容レベルは乾燥汚泥1グラム当たり103である。同様の法規制が欧州全体及び米国において将来的に採用されることが予測される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
細菌の減少は石灰処理(煩雑で、かなりの資本投資を必要とし、取り扱い上の問題が生じる。)、熱処理(コストが非常に高い)、又は細菌レベルが所要の制限値に下がるまで汚泥を貯蔵室内に単に放置しておく等の種々の方法で達成することができる。後者については、貯蔵室の容量不足のために殆どの下水処理事業に伴う非常に多量の汚泥を必要時間貯蔵することが通常はできない。十分な容量を設置することはスペースを考慮すると非現実的であるか、又は大きな資本支出を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
理論的には、汚泥の細菌含有量を減少する代替的な方法は殺菌剤を適用することであろう。しかしながら、これまで評価されてきた殺菌剤では細菌含有量を許容レベルにまで減少させるのに比較的長時間がかかり、殆どの下水処理事業の資源を超える貯蔵需要を生むことが分かった。
【0007】
本発明者は下水汚泥へのリン含有化合物(特にホスホニウム塩)の使用が汚泥の病原体含有量に対して2以上の対数減少値に相当する減少をもたらし得ることを見出した。
【0008】
従って、本発明は下水汚泥の病原体含有量を減少させるための該汚泥の処理方法を提供する。該方法は:
(a)前記汚泥に有効量のリン含有化合物を添加する工程;及び
(b)前記汚泥に存在する病原体の量を2以上の対数減少値に相当する量減少させるのに充分な時間前記リン含有化合物と前記汚泥の接触を維持する工程と;
を含む。
【0009】
一実施形態においては、2以上の対数減少値が24時間で達成される。
【0010】
好ましくは、前記汚泥に存在する病原体の量を対数減少値で3以上、より好ましく4以上させるのに充分な時間リン含有化合物と前記汚泥の接触を維持する。
【0011】
病原体は細菌であってもよい。
【0012】
好ましくは、汚泥は嫌気性消化(当業者に知られた方法である。)を工程(a)の前に受ける。
【0013】
好ましくは、リン含有化合物はホスホニウム化合物であり、特にテトラキス(ヒドロキシオルガノ)ホスホニウム塩又は式(I)の化合物である。
[R’R”(CH2OH)2+n- 式(I)
(式中、
nはXの原子価であり;
R’及びR”は同一の又は異なるものでよく、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル又はアリール基から選択され;
Xはアニオンである。)
【0014】
R’及びR”は好ましくは長さが炭素原子数で1〜20個である。
【0015】
Xは好ましくは塩素イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン及び臭素イオンよりなる群から選択される。
【0016】
最も好ましくは、ホスホニウム化合物は硫酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムである。
【0017】
代替的に、ホスホニウム化合物は、例えば塩化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、臭化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、リン酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、酢酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム又はシュウ酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムとすることができる。
【0018】
代替的に、リン含有化合物は式(II)に示すようなアルキル置換ホスフィン、例えばトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィンとすることができる。
(CH2OH R2)P 式(II)
(式中、各Rは同一の又は異なるもので良く、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル又はアリール基から選択される。)
【0019】
本発明の方法の工程(a)にて汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量は好適には最大で10,000mg/Lであり、好ましくは100〜2,500mg/Lであり、特には200〜1,000mg/Lである。
【0020】
代替的に、汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量は乾燥固体重量に対して表現することができる。好適には、添加すべき量は乾燥固体の最大約30重量%である。好ましくは、添加すべきリン含有化合物の量は乾燥固体の0.1〜20重量%とすることができ、例えば0.1〜10重量%(例えば0.2〜5重量%又は0.4〜2重量%)とすることができる。
【0021】
本発明の方法の工程(b)は1秒〜14日の期間に亘って実施することができる。例えば、6〜24時間、1〜6時間、1〜60分、1〜60秒又は1〜15秒である。
【0022】
リン含有化合物の添加速度及び混合速度は本方法の有効性を最大化するに当たり重要である。有効性を最大化するために、両者は実際上できる限り短くすべきであり、接触時間を最大化すべきである。自然重力による下水汚泥の沈殿を伴う方法では、工程(b)は好ましくは6〜24時間である。処理された汚泥が“汚泥ケーキ”を製造するために例えば遠心分離器又はフィルタープレスによって随意的に脱水される場合は、工程(b)は好ましくは15秒〜24時間実施される。“汚泥ケーキ”は液状汚泥よりもかなり高い固体含有量を有する。ポリ塩化ジアリル−ジメチルアンモニウム、ポリアミン、カチオン性ポリアクリルアミド及びアニオン性ポリアクリルアミドのような脱水助剤を“汚泥ケーキ”の製造に利用することができる。
【0023】
汚泥中に存在する病原体は好適には:
・細菌(例えば、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ菌(Salmonella spp.)、シゲラ菌(Shigella spp.)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、セレウス菌(Bacillus cereus)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、カンピロバクター(Campylobacter spp)及びペスト菌(Yersinia pestis));
・ウイルス(例えば、ロタウイルス、カルシウイルス、F群アデノウイルス及びアストロウイルス);
・原生動物(例えば、エントアメーバ(Entamoeba spp.)、ジアルジア(Giardia spp.)、大腸バランチジウム(Balantidium coli)及びクリプトスポリジウム(Cryptosporidium spp.));並びに
・寄生虫及びその卵(例えば、回虫(Ascaris lumbricoides)、鞭虫(Trichuris trichiura)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、糞線虫(Strongyloides stercoralis)のような線虫;例えば、住血吸虫(Schistosoma spp.)のような吸虫;及び、例えば、無鉤条虫(Taenia saginata)及び有鉤条虫(Taenia solum)のような条虫);
よりなる群から選択される。
【0024】
好ましくは、本発明に係る方法は汚泥中に存在する病原体を対数減少値で2〜6減少させる。
【0025】
対数減少値が2であるということは汚泥中に存在する病原体の99%が排除されるということである。このようにして処理された汚泥は“慣例型の処理汚泥”と呼ぶ。対数減少値が6であるということは汚泥中に存在する病原体の99.9999%が排除されるということである。このようにして処理された汚泥は“強化型の処理汚泥”と呼ぶ。
【0026】
本発明は更に、上述した方法に従って処理された下水汚泥を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】250〜1,000mg/Lの濃度範囲での本発明に係るホスホニウム塩の殺菌性能を表す図である。
【図2】大腸菌を自然減少させたときのtime/kill応答を表す図である。
【図3】DBNPAと比較した本発明に係るホスホニウム塩の殺菌性能を表す図である。
【実施例】
【0028】
本発明は以下の実施例によって例証される。
【0029】
実施例では下水汚泥を処理するのに用いたリン含有化合物はロディア・コンシューマー・スペシャリティズ社(Rhodia Consumer Specialties Limited)から入手可能な75%w/w硫酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムとした。本明細書では、該製品を以降“ホスホニウム塩”と呼ぶ。
【0030】
比較として、下水汚泥を慣例の殺菌化合物であるジブロモ−ニトリロ−プロピオンアミド(DBNPA)で処理した。各実施例にて、観察された細菌は大腸菌であった。
【0031】
1.1 方法論
殺生剤の性能を評価するのに採用した方法論は定量的縣濁試験(Quantitative Suspension Test (QST))によった。ここではQST培地として無菌嫌気性消化汚泥を用い、事前に汚泥から分離した大腸菌培養物で戻し接種する。このようにして、所定の細菌チャレンジについて一貫の化学的環境(減菌汚泥)を使用することができ、試験間に整合性を与えることが可能となる。
【0032】
1.2 微細物学的評価
121℃で20分間オートクレーブで処理することによって生汚泥サンプルから無菌汚泥を調製した。QSTにて使用する大腸菌株は生汚泥サンプルから隔離していた。
【0033】
QSTは以下のようにして実施した。
・無菌汚泥(19mL)を公称容量30mLのプラスチック製のスクリューキャップ型無菌ユニバーサルボトルへ計量分配した。
・トリプトースソイブロス中44℃で培養した16時間培養物を遠心分離(14,500rpmで10分間)して無菌リン酸緩衝液(0.2M、pH7.2)中で再縣濁させて調製した大腸菌の洗浄細胞縣濁液0.5mLを各サンプルへ添加し、20mLのQST培地中で最終的な細胞濃度である約108個/mLを与えるのに接種材料は0.5mLで充分だった。
・0.5mLをQST培地に添加すると(最終的な体積20mL)殺生剤の所望の最終濃度が達成されるような濃度に、候補となる処理薬品の新鮮な保存溶液を無菌リン酸緩衝液(0.2M、pH7.2)中で調製した。
・QST培地を充分に混合し、試験中22℃に保持した。
・試験の合間には、汚泥を良く混合し、サンプル(1.0mL)をQST培地から採取して、マッコンキーブロスを含有する希釈シリーズの第一チューブに接種した。この際、希釈シリーズへ運ばれた残留殺生剤を不活性化させるためにチオ硫酸ナトリウム(5.0g/L)を足した。上記操作は二回行った。
・連続希釈(10倍ずつの希釈)の残りをマッコンキーブロス中のみで実施し、44℃で16時間培養した。終点はパープルからイエローへの色彩変化を示し、濁度が上昇したシリーズ中の最大希釈の時点とした。
【0034】
マッコンキーブロスを選択したのは、該培地は培地が酸性になるとパープルからイエローへと変化するpH指示薬であるブロモクレゾールパープルを含有するからである。これは微生物生育(有機酸の生成)の有用な間接的指示薬であり、これは当初清澄な媒体の濁度が上昇しても影響を受け得ない。汚泥は浮遊物質を含有するので、希釈シリーズの最初の二つのチューブは汚泥を加えると即座に濁度が上昇する。こうして微生物生育の指標として濁度のみを使用することを阻止した。
【0035】
評価に用いた殺生剤を下表に示す。
【表1】

【0036】
実施例1〜3
250〜1,000mg/Lの濃度範囲でのホスホニウム塩の性能を添付図面の図1に示す。250と500mg/Lの濃度は最初の6時間の接触時間においてはかなり平坦なtime/kill(時間/殺菌)応答をもつ類似の結果を与え、その後、数が減少して48時間以内に死滅した。
【0037】
対照的に、1,000mg/Lでのtime/kill応答はずっと早かった。6時間の接触時間におけるtime/kill応答はより進展しており、24時間以内に死滅した。
【0038】
比較のため、図2に示すように未処理の汚泥中の大腸菌レベルをゆっくりと自然に所定時間減少させた。104cfu/gdsの低レベルの大腸菌で出発したのに死滅するのに6日間かかった。より高レベルの108.5cfu/gdsで出発すると、8日後も104cfu/gdsまでしか減少しなかった。こうしてホスホニウム塩による処理の利点(図1)が効果的に示される。
【0039】
実施例4
DBNPAと比較したホスホニウム塩の性能を添付図面の図3に示す。両方の殺生剤を500mg/Lの等しい活性成分濃度で試験した。DBNPAは驚くほど弱い殺菌性能しか示さず、48時間後にも対数減少値で2.5の数しか減少しなかった。
【0040】
上述した実施例は本発明の以下の特性を実証する。
(a)処理に使用するホスホニウム塩の濃度を500mg/Lから1,000mg/Lへ増加させると性能が顕著に向上すること。
(b)評価したすべての処理において死滅を達成したこと。
(c)DBNPAの性能と比較すると、ホスホニウム塩の性能が優れていたこと。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腸菌を含む病原体を含有する下水汚泥の病原体含有量を減少させるための処理方法であって、
(a)下水汚泥に有効量のリン含有化合物を添加する工程と;
(ここで、該リン含有化合物は、硫酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、塩化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、臭化テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、リン酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、酢酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム又はシュウ酸テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムである。)
(b)該汚泥に存在する病原体の量を2以上の対数減少値に相当する量減少させ、処理された下水汚泥中の大腸菌レベルが乾燥汚泥1グラム当たり105cfu/gds以下となるのに充分な時間前記リン含有化合物と該汚泥の接触を維持する工程と;
を含む方法。
【請求項2】
2以上の対数減少値が24時間で達成される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記汚泥に存在する病原体の量を対数減少値で3以上減少させるのに充分な時間前記リン含有化合物と前記汚泥の接触を維持する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記汚泥に存在する病原体の量を対数減少値で4以上減少させるのに充分な時間前記リン含有化合物と前記汚泥の接触を維持する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記汚泥は工程(a)の前に嫌気性消化を受ける請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程(a)にて前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量が最大で10,000mg/Lである請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(a)にて前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量が100〜2,500mg/Lである請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程(a)にて前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量が200〜1,000mg/Lである請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量を乾燥固体重量に対して表現すると、添加すべき量は最大で乾燥固体の30重量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量を乾燥固体重量に対して表現すると、添加されるべきリン含有化合物の量は乾燥固体の0.1〜20重量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量を乾燥固体重量に対して表現すると、添加されるべきリン含有化合物の量は乾燥固体の0.1〜10重量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量を乾燥固体重量に対して表現すると、添加されるべきリン含有化合物の量は乾燥固体の0.2〜5重量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記汚泥に添加されるべきリン含有化合物の量を乾燥固体重量に対して表現すると、添加されるべきリン含有化合物の量は乾燥固体の0.4〜2重量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)は1秒〜14日の期間に亘って実施される請求項1〜13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
工程(b)は6〜24時間の期間に亘って実施される請求項1〜13の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
工程(b)は15秒〜24時間の期間に亘って実施される請求項1〜13の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記汚泥中には大腸菌以外の細菌、ウイルス、原生動物及び寄生虫よりなる群から選択される病原体が更に存在する請求項1〜16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記細菌が、サルモネラ菌(Salmonella spp.)、シゲラ菌(Shigella spp.)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、セレウス菌(Bacillus cereus)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、カンピロバクター(Campylobacter spp)及びペスト菌(Yersinia pestis)よりなる群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ウイルスが、ロタウイルス、カルシウイルス、F群アデノウイルス及びアストロウイルスよりなる群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記原生動物が、エントアメーバ(Entamoeba spp.)、ジアルジア(Giardia spp.), 大腸バランチジウム(Balantidium coli)及びクリプトスポリジウム(Cryptosporidium spp.)よりなる群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記寄生虫が、回虫(Ascaris lumbricoides)、鞭虫(Trichuris trichiura)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、糞線虫(Strongyloides stercoralis)、住血吸虫(Schistosoma spp.)、無鉤条虫(Taenia saginata)、有鉤条虫(Taenia solum)及びこれらの卵よりなる群から選択される請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−5491(P2011−5491A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176306(P2010−176306)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【分割の表示】特願2006−516461(P2006−516461)の分割
【原出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(306001161)ロディア ユーケイ リミテッド (9)
【Fターム(参考)】