説明

下肢牽引装置

【課題】下肢牽引装置で支持した脚部について明瞭なX線透過像を得る。
【解決手段】手術台が設置された床面に置かれる支脚アーム支持ロッドと、手術台と支脚アーム支持ロッドとの間に梁状に掛け渡される支脚アーム20とを有し、この支脚アームの上側に沿うように手術台上の患者の脚部aを保持する。支脚アームが、X線透過材で形成された中空の多角形断面梁であり、この支脚アームの隣り合う稜e,e間の平面fが鉛直方向gと斜めに交差するように、支脚アーム20が手術台と支脚アーム支持ロッドとの間に掛け渡される。Cアーム23で患者の脚部を支脚アームごと挟んでX線撮影しても明瞭なX線透過像を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術台に乗せられた患者の脚部を支持し牽引するための下肢牽引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の腰、脚等を手術、検査、診断等する場合、手術台にベッケン(骨盤)板や下肢牽引装置を取り付けて患者の腰から下を固定している。
【0003】
下肢牽引装置は、手術台が設置された床面に置かれる支脚アーム支持ロッドと、手術台と支脚アーム支持ロッドとの間に梁状に掛け渡される支脚アームとを有する。手術台に乗せられた患者の脚部は、この支脚アームの上側に沿うように置かれ、支脚アームに取り付けられた足受け等所定の保持手段により固定される。
【0004】
例えば、大腿骨等が骨折した患者を治療する場合、ベッケン板で患者の腰部を支持し、下肢牽引装置で脚部を固定して牽引し、X線で骨折部を透過撮影しながら骨折部を合致させ、しかる後骨折部をインプラント等により固定する。その後、所定の処置が施されることにより、治療が完了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7(B)に示すように、下肢牽引装置で固定した患者の脚部aをC字型のX線撮影装置23(以下、Cアームと呼ぶ。)で撮像する際、支脚アーム24がX線の透過を妨害するので、骨折部の映像が不明瞭になりやすく、手術、治療に支障を来たす場合がある。
【0006】
すなわち、従来の支脚アーム24は正方形断面の中空梁が用いられ、正方形断面の上下二辺が手術台の置かれた床面に平行になり、他の二辺が床面に垂直になるように、手術台と支脚アーム支持ロッドとの間に掛け渡される。このため、図7(B)に示すように、支脚アーム24の左右両側壁24a,24aがX線の照射方向に厚い障壁となって介在することとなり、骨cを透過したX線xが支脚アーム24の左右両側壁24a,24aの肉厚に阻まれる。その結果、骨折部の画像が不明瞭になり、手術等に支障を来たすことになる。
【0007】
これを防止するため、従来、支脚アーム24をCFRP等のX線の透過しやすい材料で形成しているが、なお鮮明なX線画像を得るまでに至っていない。患部が支脚アーム24の左右両側壁24a,24aからずれるよう患者の体位を変えることにより、適正な画像を得ることができるが、この方法は患者に苦痛をもたらしたり、手術に支障を来たしたりするという問題がある。
【0008】
また、従来の支脚アーム24は、手術台に対し垂直な枢軸を介して回動可能に連結されている。この枢軸を支点にして支脚アーム24を水平方向に回動させることで患者の脚部aの位置および姿勢を手術等に都合がよいように変えている。しかし、支脚アーム24を単に回動させるのみでは患者の体型、体格等の相違に十分対応することができない。
【0009】
したがって、本発明は上記不具合を解消することができる下肢牽引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、手術台が設置された床面(F)に置かれる支脚アーム支持ロッド(19)と、手術台と支脚アーム支持ロッド(19)との間に梁状に掛け渡される支脚アーム(20)とを有し、この支脚アーム(20)の上側に沿うように手術台上の患者(A)の脚部(a)を保持する下肢牽引装置において、上記支脚アーム(20)が、X線透過材で形成された中空の多角形断面梁であり、この支脚アーム(20)の隣り合う稜(e,e)間の平面(f)が鉛直方向(g)と斜めに交差するように、支脚アーム(20)が手術台と支脚アーム支持ロッド(19)との間に掛け渡されたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の下肢牽引装置において、支脚アーム(20)の多角形断面は正方形とすることができる。
【0013】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の下肢牽引装置において、手術台に対し連結された支脚アーム(20)の付け根を手術台の左右方向に移動調節可能にすることができる。
【0014】
請求項4に記載されるように、請求項3に記載の下肢牽引装置において、支脚アーム(20)の付け根がブラケット(6)を介して手術台に連結され、このブラケット(6)にベッケン板(4)が取り付けられたものとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、手術台が設置された床面(F)に置かれる支脚アーム支持ロッド(19)と、手術台と支脚アーム支持ロッド(19)との間に梁状に掛け渡される支脚アーム(20)とを有し、この支脚アーム(20)の上側に沿うように手術台上の患者(A)の脚部(a)を保持する下肢牽引装置において、上記支脚アーム(20)が、X線透過材で形成された中空の多角形断面梁であり、この支脚アーム(20)の隣り合う稜(e,e)間の平面(f)が鉛直方向(g)と斜めに交差するように、支脚アーム(20)が手術台と支脚アーム支持ロッド(19)との間に掛け渡されたことから、支脚アーム(20)の左右両側でもX線の透過量が増大し、したがって患部全体にわたり鮮明な画像を得ることができる。また、このことから患者(A)の体位を頻繁に変える必要もないので、患者(A)に苦痛を与えることもない。
【0016】
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の下肢牽引装置において、支脚アーム(20)の多角形断面を正方形にすれば、支脚アーム(20)をJIS規格の形鋼等で形成することができ、したがって廉価にて製造可能である。
【0017】
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の下肢牽引装置において、手術台に対し連結された支脚アーム(20)の付け根を手術台の左右方向に移動調節可能にすれば、患者の体型、体格に応じて支脚アームの位置および姿勢を変更することができ、したがってより適正なX線画像を得ることができる。
【0018】
請求項4に記載されるように、請求項3に記載の下肢牽引装置において、支脚アーム(20)の付け根がブラケット(6)を介して手術台に連結され、このブラケット(6)にベッケン板(4)が取り付けられたものとすることにより、手術台の周りの構造を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0020】
図1ないし図3に示すように、手術台が床上に設置される。手術台は、床面Fに置かれる基台1、基台1から起立するコラム2、コラム2上に連結されるテーブル3等を備える。手術台は、テーブル3として頭板3a及び背板3bを備え、更に図示しない腰板、脚板等を備える。図示例では腰板及び脚板は手術台から取り外されている。
【0021】
手術台には、上記図示しない腰板等に代えて患者支持装置が取り付けられている。
【0022】
この患者支持装置は、ベッケン板4と、下肢牽引装置7とを具備する。ベッケン板4と下肢牽引装置7は共に手術台に連結される。
【0023】
図1ないし図3に示すように、ベッケン板4は、概ね長方形に形成され、X線透過材で形成される。X線透過材としては、例えば樹脂を炭素繊維で補強したCFRPである複合材料が用いられる。ベッケン板4の両長辺はその途中から一短辺側に向かうにつれて板幅が狭くなるように除去される。ベッケン板4の裏面には、この一短辺に沿うようにスペーサ8が図示しない止めネジにより固定される。スペーサ8の裏面からは後述するブラケット6に接続するための結合部材であるピン状の突起10が複数本下向きに突出している。この突起10や図示しない止めネジもX線透過材である樹脂等で形成される。図1および図2に示すように、このベッケン板4の上に患者Aの腰部dが乗せられる。
【0024】
図2に示すように、ベッケン板4の上記一短辺に沿った箇所には、股間支柱11を取り付けるための嵌入穴12が複数個穿設される。股間支柱11は所望の嵌入穴12に挿入され固定される。股間支柱11は、図示しないが心棒と、心棒に巻き付けられた円柱形のクッションとを備える。心棒はCFRP等のX線透過材で作られ、クッションはウレタンゴム等のX線透過材で作られる。患者Aはその股間で股間支柱11を挟むようにベッケン板4上に乗せられる。
【0025】
図1、図3および図4に示すように、ベッケン板4は、ブラケット6を介して手術台に連結される。
【0026】
このブラケット6は、手術台のコラム2への接続部17と、ベッケン板4をその下側から保持する保持板13と、保持板13の基端に固定され、保持板13を接続部17に連結する支柱14と、支柱14の下部と保持板13の中間部との間に掛け渡されるアーム15とを有する。
【0027】
保持板13は、ベッケン板4より小面積の板状フレームであり、ベッケン板4下でベッケン板4に平行に設けられる。保持板13の基端が手術台のコラム2側で支柱14の上端に連結される。保持板13の先端には、ベッケン板4のスペーサ8下から突出する突起10が嵌合し、また、股間支柱11の心棒が嵌合する。
【0028】
支柱14は、保持板13の基端から下方に伸びる。支柱14の下端は接続部17に連結される。接続部17が手術台のコラム2側に連結されることで、支柱14からベッケン板4に至る部分がコラム2に連結される。支柱14から保持板13に至る箇所は、強度を要求されるので望ましくはステンレス鋼等の金属材料で形成されるが、樹脂等で形成することも可能である。保持板13は支柱14に対し金属製又は樹脂製の図示しないボルト等で固定される。
【0029】
アーム15は、支柱14に片持ち状に支持される保持板13を適正に支えるために、支柱14の下端から保持板13の中間部に向かって伸びる。アーム15の両端は支柱14と保持板13にそれぞれ形成されたボス部14a,13aに接合される。
【0030】
ブラケット6がコラム2に固定されると、ブラケット6上のベッケン板4は手術台におけるテーブル3の背板3bに連なるように水平に保持される。この手術台に固定されたベッケン板4上に患者Aの腰部dが乗せられる。
【0031】
保持板13とアーム15はCFRP等のX線透過材で形成される。このため、Cアーム等のX線撮影装置を用いて例えば患者Aの腰部dや脚部aを関心領域として患者AをX線透過撮影しながら手術を行う場合、明瞭な画像を得て手術、治療等を行うことができる。もちろん、支柱14等他の部分もCFRP等のX線透過材で形成してもよい。
【0032】
このようにブラケット6の保持板13とアーム15を樹脂等の金属よりも比較的強度の低いX線透過材で形成しても、上述したようにベッケン板4と平行に延びるベッケン板4の保持板13と、保持板13を手術台に連結する保持板13の末端に固定された支柱14と、支柱14の下部と保持板13の中間部との間に掛け渡されるアーム15とをベッケン板4の保持フレームとして備えるので、ベッケン板4が手術台上に適正に支えられる。
【0033】
図1ないし図4に示すように、ベッケン板4上からはみ出る患者Aの脚部aや足bを支えて牽引するために下肢牽引装置7が手術台に連結される。
【0034】
下肢牽引装置7は足受け5を備える。足受け5は患者Aの足bが嵌まり込む枠体のほか、足bを枠体に固定するための図示しないクッション、ベルト等を有する。足受け5は患者Aの両足について夫々設けられる。
【0035】
また、下肢牽引装置7は、両足に対応してそれぞれ床面Fに置かれる二本の支脚アーム支持ロッド19と、手術台と支脚アーム支持ロッド19との間に梁状に掛け渡される二本の支脚アーム20,20とを具備する。両支脚アーム20,20はブラケット6の左右両側からベッケン板4の下方を各支脚アーム支持ロッド19へと水平に伸びる。
【0036】
両支脚アーム20の付け根は、図5および図6(A)(B)に示すような連結装置25,25を介して図1、図3および図4に示す如く上記ブラケット6の支柱14の左右両側にそれぞれ連結される。
【0037】
連結装置25は、ガイドレール部26と、ガイドレール部26にスライド自在に取り付けられたスライダ27と、ガイドレール部26に回転可能に保持されスライダ27に螺合するネジ棒28と、ネジ棒28に対し垂直方向に伸びスライダ27に枢支された枢軸29と、ガイドレール部26から突出する複数本の連結ピン30とを具備する。左右の連結装置25,25は、左右対称形に形成される。
【0038】
ガイドレール部26の片側には端壁31が設けられ、この端壁31にネジ棒28が回転自在に片持ち状に保持される。端壁31の外側にはネジ棒28を回転させるためのハンドル28aが設けられる。また、ガイドレール部26の片側からは端壁31と反対方向にアーム32が突出し、このアーム32からガイドレール部26と平行に連結ピン30が突出する。枢軸29の側面には、上記支脚アーム20の付け根が連結される。また、枢軸29の軸端には、枢軸29を固定したり、その回動を許容したりするためのロックレバー33が設けられる。
【0039】
左右の連結装置25,25は、上記支柱14の左右の図示しないピン孔に連結ピン30が挿入され、また図示しないボルトが螺入されることにより、ブラケット6に固定される。ブラケット6上において、ガイドレール部26,26は手術台の左右方向に伸び、ハンドル28aの操作によりネジ棒28が回されるとスライダ27が手術台の左右方向にスライドする。スライド量は例えば10cm程度である。スライダ27のスライドに伴い、枢軸29を介して支脚アーム20の付け根も同様に移動する。支脚アーム20は枢軸29と共に手術台の左右方向に移動するが、ロックレバー33を回して枢軸29のロックを解除すると枢軸29を支点にして水平面内で回動することも可能である。これにより、図2に示すように、各支脚アーム20,20は実線で示す位置と二点鎖線20aで示す位置との角度範囲内で所望位置に停止することが可能であり、また、二点鎖線20aで示す位置と破線20bで示す位置との間でも自在に移動可能である。
【0040】
両支脚アーム20,20の付け根は、上記連結装置25を介することなくブラケット6又はコラム2に直に連結することも可能である。
【0041】
両支脚アーム20,20の先端はそれぞれ支脚アーム支持ロッド19,19に連結される。支脚アーム20は支脚アーム支持ロッド19に対してクランプ21を介して固定される。クランプ21を緩めることにより各支脚アーム20の高さは自在に調節可能である。
【0042】
各支脚アーム20の中間位置に各足受け5が同様なクランプ22により固定される。クランプ22を緩めることにより各足受け5の支脚アーム20上での位置、高さ等を自在に調節可能である。
【0043】
支脚アーム20は、ブラケット6において使用されるX線透過材と同様なX線透過材で形成される。これにより、支脚アーム20の存在に影響されることなく、患者の脚部aの関心領域において明瞭なX線透過撮影を行うことができる。
【0044】
また、図1ないし図5に示すように、支脚アーム20は中空の四角形断面梁であり、この支脚アーム20の隣り合う稜e,e間の平面fが鉛直方向と斜めに交差するように、支脚アーム20が手術台と支脚アーム支持ロッド19との間に掛け渡される。
【0045】
これにより、図7(A)に示すように、支脚アーム20の左右両側における鉛直方向gでの肉厚が格段に小さくなり、Cアーム23で患者Aの脚部aをX線透視撮影した場合、支脚アーム20の左右両側でもX線xの透過量が増大し、したがって患部全体にわたり鮮明な画像を得ることができる。
【0046】
次に、上記構成の患者支持装置の作用について説明する。
【0047】
患者Aの脚部aに生じた骨折を整復するための手術を行う場合を例にとって説明する。
【0048】
図1に示すように、ブラケット6の接続部17を手術台のコラム2の図示しない挿入穴に嵌め込み、かつボルト締めすることにより、ブラケット6をコラム2に取り付け固定する。
【0049】
ベッケン板4の突起10をブラケット6の保持板13の嵌合穴に挿入し、ベッケン板4をブラケット6上に水平に固定する。
【0050】
ベッケン板4と保持板13の嵌入穴12に、股間支柱11の心棒を挿入することにより、股間支柱11をベッケン板4上に垂直に固定する。
【0051】
下肢牽引装置7における連結装置25をブラケット6の左右に取り付け固定する。また、各支脚アーム支持ロッド19,19を床面F上に立てて、連結装置25から伸びる各支脚アーム20,20の後端を各支脚アーム支持ロッド19,19に連結する。これにより、各支脚アーム20,20が手術台のコラム2と各支脚アーム支持ロッド19,19との間に掛け渡される。
【0052】
連結装置25,25のハンドル28a,28aを操作し、各支脚アーム20,20の付け根の位置を手術台の左右方向に移動させ、同時に枢軸29,29を支点にして各支脚アーム20,20を水平方向で回動させ、患者Aの体型、体格等に応じて支脚アーム20,20の位置および姿勢を変更する。これにより、患部Aのより適正なX線画像を得ることができ、また、適正な手術を行うことができる。
【0053】
また、足受け5、5を各支脚アーム20,20上にセットし、クランプ22,22を緩めて足受け5、5の位置を患者Aに合わせて調節する。
【0054】
患者Aの股間に股間支柱11が入り込むようにして患者Aの腰部dをベッケン板4上に乗せる。また、患者Aの骨折側の脚部aを支脚アーム20に沿わせ、足bを足受け5に固定し、図示しない正常な他の片足を図示しない他の足受けに固定する。これにより患者Aは手術台上の定位置に保持される。
【0055】
足受け5が具備する図示しない公知の牽引機構により患者Aの骨折した脚部aを牽引する。
【0056】
図7(A)に示すように、関心領域をX線撮影装置であるCアーム23で挟み、患部をX線撮影し、図示しないモニタ上に映し出す。
【0057】
支脚アーム20はX線透過材で形成された中空の四角形断面梁であり、この支脚アーム20の隣り合う稜e,e間の平面が鉛直方向gと斜めに交差するように、支脚アーム20が手術台と支脚アーム支持ロッド19との間に掛け渡されたことから、支脚アーム20の左右両側でもX線の透過量が増大し、患者Aの体位を頻繁に変えることなく患部全体にわたり鮮明な画像を得ることができる。
【0058】
術者がモニタ上の画像または写真を見ながら骨折部を整える手術を行い、インプラントにより骨折部を固定する。
【0059】
その他の処置の後、手術が完了する。
【0060】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記実施の形態では患者の大腿骨の骨折の治療について説明したが他の部位の施術についても適用可能である。また、支脚アームは四角形断面としたが、三角形、六角形等各種の多角形断面とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る下肢牽引装置を手術台に装着して示す正面図である。
【図2】下肢牽引装置を装着した手術台の平面図である。
【図3】下肢牽引装置を装着した手術台の右側面図である。
【図4】図3中、IV部拡大図である。
【図5】下肢牽引装置における連結装置の斜視図である。
【図6】(A)は連結装置の平面図、(B)は正面図である。
【図7】(A)は本発明によるX線撮影の説明図、(B)は従来のX線撮影の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
4…ベッケン板
6…ブラケット
7…下肢牽引装置
19…支脚アーム支持ロッド
20…支脚アーム
A…患者
F…床面
a…脚部
e…稜
f…平面
g…鉛直方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術台が設置された床面に置かれる支脚アーム支持ロッドと、手術台と支脚アーム支持ロッドとの間に梁状に掛け渡される支脚アームとを有し、この支脚アームの上側に沿うように手術台上の患者の脚部を保持する下肢牽引装置において、上記支脚アームがX線透過材で形成された中空の多角形断面梁であり、この支脚アームの隣り合う稜間の平面が鉛直方向と斜めに交差するように、支脚アームが手術台と支脚アーム支持ロッドとの間に掛け渡されたことを特徴とする下肢牽引装置。
【請求項2】
請求項1に記載の下肢牽引装置において、支脚アームの多角形断面が正方形であることを特徴とする下肢牽引装置。
【請求項3】
請求項1に記載の下肢牽引装置において、手術台に対し連結された支脚アームの付け根が手術台の左右方向に移動調節可能であることを特徴とする下肢牽引装置。
【請求項4】
請求項3に記載の下肢牽引装置において、支脚アームの付け根がブラケットを介して手術台に連結され、このブラケットにベッケン板が取り付けられたことを特徴とする下肢牽引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−5907(P2009−5907A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170247(P2007−170247)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000193612)瑞穂医科工業株式会社 (53)
【Fターム(参考)】