説明

下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強構造と補強方法

【課題】下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強を容易に行うことができ、かつ箱形断面斜材の内部からの腐食を防止することができる補強構造を提供する。
【解決手段】下路鋼トラス橋の箱形断面斜材11の外面に発生した腐食部を覆う補強板31を腐食部よりも上方部位と下方部位については高力ボルト43とナット44で箱形断面斜材11の外面に固定し、前記上方部位と前記下方部位間については普通ボルト45とナット46で箱形断面斜材11の外面に固定し、補強板31を取り付けた部分の箱形断面斜材11の内部には発泡ウレタン51を充填して箱形断面斜材11の内面と発泡ウレタン51を密着させることにより箱形断面斜材11内部の腐食防止を行った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下路鋼トラス橋における箱形断面斜材の腐食部の補強構造と補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図15に示すように、下路鋼トラス橋10は、二本の交差する斜材11,110がコンクリート床版81を貫通して下弦材(図示せず)と連結されている。前記斜材11,110は、圧縮斜材である箱形断面斜材11と引張斜材であるH形断面斜材110とからなる。前記箱形断面斜材11は、四角形の断面形状を有し、内部が中空の角柱状のものであって、工場での製造時に密閉されて内面の腐食が防止されると共に、外面については塗装などによって腐食の防止が図られている。
【0003】
しかし、下路鋼トラス橋10は、経年変化による塗装の劣化や、コンクリート床板81上に溜まる雨水や積雪地域で路面に散布される融雪剤等によって箱形断面斜材11の外面に錆が発生して腐食が進行する。特に、図16に示すように、箱形断面斜材11のコンクリート床板81との境界部外面に腐食部71を生じ易い。前記箱形断面斜材11の外面に生じた腐食部71を放置すると、前記箱形断面斜材11は腐食部71の肉厚が減少して強度低下を生じる。そこで、前記腐食部71を補強して強度低下を防ぐことが必要となる。
【0004】
鋼橋の補強方法として、腐食によって減肉が発生し補強が必要となった場合、錆をグラインダで取り除き、この補強箇所に添接部材(補強板)を掛け渡して溶接すること、および高力ボルトにより添接部材を補強することが行われている。
【0005】
そこで、上記方法を下路鋼トラス橋の箱形断面斜材に適用する場合、全周に発生した錆を取り除いた後、添接部材を掛け渡し、溶接することも行われている。そして、溶接することにより箱形断面斜材の内面を密閉できるが、溶接による接合では母材である斜材が減耗により不陸であるため、均一な厚みを確保した接合が難しく、均一な強度で接合できない問題がある。また、ピンホールがあってもわからない問題がある。一方、高力ボルトによる補強方法では、密閉が困難で、水や酸素などの腐食因子が箱形断面斜材内に侵入しやすくなる。特に箱形断面斜材は工場での製造時に密閉されることにより内面の防錆が行われており、箱形断面斜材の内面については特に防錆処理が行われていないため、前記腐食因子が箱形断面斜材の内部に侵入することで、箱形断面斜材の内面から錆が発生し、箱形断面斜材が内部から腐食が進行する問題がある。
【0006】
なお、鋼製トラス構造物の補強については、以下の特許文献1に示すように、トラス構造物を構成している鋼管において、補強部位に半割り円筒部とフランジからなる補強部材を装着して補強部位を被覆するとともに、補強部材の内面を鋼管の外面に接着する構造が提案されている。しかし、この補強構造を下路鋼トラス橋の箱形断面斜材に適用した場合、補強に使用する材料が多いため、重量が増加することによって橋の全体構造へ悪影響を及ぼすことが懸念される。また、補強部材の内面と鋼管の外面間に空隙ができた場合、補強部材の内面と鋼管の外面に腐食が発生するおそれがあり、しかも補強部材で覆われた部分は、補強部材の存在によって補強部材の内面状態と鋼管の外面状態を外部から確認ができないため、補強部材の内面と鋼管の外面で知らない間に腐食が進行するおそれがある。
【0007】
さらに、鋼製トラス構造物の補強について、以下の特許文献2に示すように、補修箇所の表面に発生している錆をブラスト処理で除去した後、補正箇所に高周波アーク溶射を行って溶射材料による被覆層を形成し、補修箇所を原形状に復元する技術が提案されている。しかし、この技術を下路鋼トラス橋の箱形断面斜材に適用した場合、高周波アーク溶射の設備を現場まで搬入しなければならず、作業に手間取る問題がある。さらには、交通を妨げないようにするため、橋梁上の道路を開放しながら高周波アーク溶射を行うと、溶射時の一時的な部材耐力の低下による部材の破断や、振動による部材の欠損の可能性が高くなる問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開2001−207532号公報
【特許文献2】特開2008−24957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強を容易に行うことができ、かつ箱形断面斜材の内部からの腐食を防止することができる補強構造と補強方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の外面に発生した腐食部を補強板で覆う補強構造において、前記腐食部を覆う補強板を締結部材で前記箱形断面斜材の外面に取り付け、前記補強板を取り付けた部分の前記箱形断面斜材内部に発泡ウレタンを充填して前記箱形断面斜材の内面と前記発泡ウレタンを密着させたことを特徴とする下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強構造に係る。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記補強板は前記箱形断面斜材の腐食部よりも上方部位と下方部位を高力ボルトとナットからなる締結部材で前記箱形断面斜材に固定し、前記上方部位と前記下方部位間を普通ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定したことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の外面に発生した腐食部を覆う補強板を前記箱形断面斜材の外面に取り付けて補強する方法において、前記箱形断面斜材の少なくとも一面は前記補強板を取り付けない補強板非取付面とし、前記補強板が取り付けられる部分の中央位置と対応する前記補強板非取付面の位置には補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を形成すると共に、前記補強板非取付面の前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔の上方位置に上部ウレタン充填用孔を形成し、前記腐食部を覆う前記補強板を前記箱形断面斜材の外面に配置し、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から前記箱形断面斜材内に挿入した締結部材の一方の部材と前記補強板の外面側に配置した締結部材の他方の部材とで前記補強板を前記箱形断面斜材の外面に取り付け、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から前記箱形断面斜材内に発泡ウレタン注入ノズルを挿入し、前記発泡ウレタン注入ノズルより前記箱形断面斜材内に発泡ウレタンの液状原料を吐出して前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔の下側まで下側発泡ウレタンを充填し、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を覆う蓋部材を前記箱形断面斜材の外面に溶接で取り付け、前記上部ウレタン充填用孔から挿入した発泡ウレタン注入ノズルより発泡ウレタンの液状原料を吐出して前記下側発泡ウレタン上に前記上部ウレタン充填用孔の下側まで上側発泡ウレタンを充填し、その後、前記上部ウレタン充填用孔よりも上方の前記箱形断面斜材の内面に発泡ウレタンの液状原料を吐出して、該吐出した発泡ウレタンの液状原料を前記上部ウレタン充填用孔へ流下させると共に、前記上部ウレタン充填用孔に封止用ボルトを前記箱形断面斜材の外側から装着し、前記流下した発泡ウレタンの液状原料から形成された発泡ウレタンで前記箱形断面斜材内の前記封止用ボルトの周縁を封止することを特徴とする下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強方法に係る。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3において、前記補強板は前記箱形断面斜材の腐食部よりも上方部位と下方部位を高力ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定し、前記上方部位の高力ボルトと前記下方部位の高力ボルト間を普通ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項3または4において、前記下側発泡ウレタンの充填時に、前記締結部材が位置する前記箱形断面斜材の内面に前記発泡ウレタンの液状原料を吹き付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
工場での製造時に密閉された箱形断面斜材は、補強板を箱形断面斜材の外面に締結部材で取り付ける際に箱形断面斜材に形成される締結部材用孔等によって密閉が損なわれ、水分や酸素などの腐食因子が締結部材用孔等を介して外部から箱形断面斜材内に侵入することになる。しかし、本発明の補強構造によれば、補強板を取り付けた部分の箱形断面斜材の内部に発泡ウレタンを充填して箱形断面斜材の内面と発泡ウレタンを密着させているため、腐食因子が箱形断面斜材の内面に接触するのを発泡ウレタンによって阻止することができ、箱形断面斜材が腐食因子によって内部から腐食するのを防ぐことができる。さらに、箱形断面斜材内部に充填した発泡ウレタンによって箱形断面斜材の締結部材用孔等が封止されるため、その後に締結部材用孔等から腐食因子が箱形断面斜材内に侵入するのを防ぐことができ、箱形断面斜材が腐食因子によって内部から腐食するのを防止することができる。
【0016】
また、本発明の補強構造において、補強板を箱形断面斜材の腐食部よりも上方部位と下方部位については高力ボルトとナットで前記箱形断面斜材に固定し、前記上方部位の高力ボルトと前記下方部位の高力ボルト間については普通ボルトとナットで箱形断面斜材に固定することにより、箱形断面斜材において腐食による強度低下の可能性が無い部分、すなわち腐食部より上方部位と下方部位については補強板を高力ボルトで強固に取り付けて高い補強効果を実現することができると共に、腐食によって強度が低下している可能性のある部分、すなわち前記上方部位と前記下方部位間については高力ボルトよりも締め付け力が弱い普通ボルトで補強板を取り付けることにより、ボルトの強い締め付け力で箱形断面斜材が局所的に強度低下するのを防ぐことができ、かつ、上下の高力ボルト間の部分で補強板が箱形断面斜材の外面から浮き上がるのを防いで、前記浮き上がり部分の補強板内面と箱形断面斜材の外面に腐食因子が侵入して腐食を生じるのを阻止することができる。
【0017】
一方、本発明の補強方法によれば、箱形断面斜材の補強板非取付面に形成した補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を利用して締結部材による補強板の取付作業を容易に行うことができる。また、補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から箱形断面斜材内に挿入した発泡ウレタン注入ノズルから発泡ウレタンの液状原料を吐出して補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔の下側まで下側発泡ウレタンを充填し、補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を覆う蓋部材を箱形断面斜材の外面に溶接で取り付けた後に、上部ウレタン充填用孔から挿入した発泡ウレタン注入ノズルより発泡ウレタンの液状原料を吐出して、下側発泡ウレタン上に上部ウレタン充填用孔の下側まで上側発泡ウレタンを充填しているため、補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から発泡ウレタンを漏出させることなく発泡ウレタンを箱形断面斜材内に充填することができると共に、補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を発泡ウレタンと蓋部材で封止するため、補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から腐食因子が断面箱形斜材内に侵入するのを防止することができる。さらに、その後に、上部ウレタン充填用孔よりも上方の箱形断面斜材の内面に発泡ウレタンの液状原料を吐出して該吐出した発泡ウレタンの液状原料を上部ウレタン充填用孔へ流下させると共に、上部ウレタン充填用孔に封止用ボルトを箱形断面斜材の外側から装着し、前記流下した発泡ウレタンの液状原料から形成した発泡ウレタンで箱形断面斜材内の前記封止用ボルトの周縁を封止しているため、上部ウレタン充填用孔から腐食因子が箱形断面斜材内に侵入するのを阻止することができる。また、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を覆う蓋部材を溶接する場合では、溶接箇所で完全に密閉されないことがあっても、発泡ウレタンを充填することで、封止することができる。
【0018】
このように、本発明の補強方法によれば、アーク溶射等の面倒な作業が不要であるため、橋上の道路を閉鎖することなく容易に腐食部を補強することが可能であり、しかも、箱形断面斜材の内面には発泡ウレタンが密着しているため、箱形断面斜材の内面に対する腐食防止効果を得ることができ、箱形断面斜材の内部からの腐食を防止することができる。
【0019】
さらに、本発明の補強方法における補強板の取付に際し、補強板を箱形断面斜材の腐食部よりも上方部位と下方部位については高力ボルトとナットで前記箱形断面斜材に固定し、前記上方部位の高力ボルトと前記下方部位の高力ボルト間については補強板を普通ボルトとナットで箱形断面斜材に固定することにより、箱形断面斜材において腐食による強度低下の可能性が無い部分については補強板を高力ボルトで強固に取り付けて高い補強効果を実現することができると共に、上下の高力ボルト間において腐食による強度低下の可能性がある箱形断面斜材の部分については、高力ボルトよりも締め付け力の弱い普通ボルトで補強板を固定することにより、ボルトの締め付け力で箱形断面斜材が局所的に強度低下するのを防ぐことができ、かつ、上下の高力ボルト間の部分で補強板が箱形断面斜材の外面から浮き上がるのを防いで、浮き上がり部分の補強板内面と箱形断面斜材の外面に腐食因子が侵入して腐食を生じるのを阻止することができる。
【0020】
さらに、本発明の補強方法において、下側発泡ウレタンの充填時に、締結部材が位置する箱形断面斜材の内面に発泡ウレタンの液状原料を吹き付けることにより、前記締結部材が位置する箱形断面斜材の内面上で発泡ウレタンを直接発泡させることができ、発泡ウレタンの発泡時に生じる接着性によって発泡ウレタンを、締結部材が位置する箱形断面斜材内面に確実に接着して密着させることができるため、発泡ウレタンにより締結部材用孔等の封止性を確実にして締結部材が位置する箱形断面斜材内面の腐食防止効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、図面を用いて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の補強構造で補強された下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の一部を示す斜視図、図2は図1の2−2断面図、図3は図1の3−3断面図、図4は図1の4−4断面図、図5は図1の5−5断面図である。一方、図6は本発明の補強方法の一実施例において箱形断面斜材周囲のコンクリート床版を掘り起こした状態を示す斜視図、図7は同実施例において箱形断面斜材に補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔等を形成した状態を示す斜視図、図8は同実施例において箱形断面斜材に補強板を固定した状態を示す斜視図、図9は図8の9−9断面図、図10は同実施例において発泡ウレタンの液状原料吹き付けを示す断面図、図11は同実施例において下側発泡ウレタンの充填を示す断面図、図12は同実施例において下側発泡ウレタンの充填後を示す断面図、図13は同実施例において上側発泡ウレタンの充填を示す断面図、図14は同実施例において上部ウレタン充填用孔よりも上方の箱形断面斜材の内面に発泡ウレタンの液状原料を吐出する際を示す断面図である。
【0022】
図1〜図5に示す下路鋼トラス橋の箱形断面斜材11の補強構造は、図15及び図16に示した下路綱トラス橋10における箱形断面斜材11において、コンクリート床板81との境界に発生した腐食部71(図16及び図6に示す)を補強板31で補強する構造である。
【0023】
前記箱形断面斜材11は、四角形の断面形状を有し、内部が中空の角柱状のものであり、前記コンクリート床板81を貫通した下方部分では、対向する一組の側面がV字形状に閉じて他の組の側面とによって断面略H字形になっている。また、本実施例において、前記箱形断面斜材11は、前記下路鋼トラス橋10における下弦材(図示せず)との連結が道路側の側面と欄干側の側面のみで行われており、下弦材と連結されている側面に応力が主に働くため、道路側の側面と欄干側の側面を補強板取付面12,13とし、前記補強板取付面12,13における腐食部を覆って補強板31が締結部材41で取り付けられている。前記箱形断面斜材11において、補強板取付面12,13以外の他の面は、補強板を取り付けない補強板非取付面14,15となっている。本実施例において前記補強板取付面12,13に補強板31を取り付ける締結部材41は後述のように高力ボルト43とナット44、及び普通ボルト45とナット46で構成されている。なお、図2及び図5等における符号14a,15aは、前記補強板非取付面14,15の下方位置においてV字状に先細となっている面である。
【0024】
補強を行う際は、前記補強板を取り付ける付近のコンクリート床板81を掘削して、前記箱形断面斜材11を補強する作業場所を確保する。前記箱形断面斜材11の外面の腐食部71(図6に示す)は、前記補強板31の取付に先立って、腐食による錆等をブラスト処理等によって落とし、錆止め塗料の塗布等の錆止め処理が行われる。前記錆止め処理された腐食部を覆って前記補強板取付面12,13に取り付けられる補強板31は、前記腐食部71を覆うことができ、かつ前記腐食部71よりも大の上下寸法、例えば短辺340mm×長辺650mmの平行四辺形の綱板からなる。前記補強板31は、前記腐食部71の上方位置と下方位置が高力ボルト43とナット44で前記補強板取付面12,13に固定され、上下の高力ボルト43間の位置が普通ボルト45とナット46で前記補強板取付面12,13に固定される。図3の符号33は締結部材用孔として前記補強板31に形成された高力ボルト用ボルト孔、符号17は締結部材用孔として前記箱形断面斜材11の補強板取付面12,13に形成された高力ボルト用ボルト孔、図4の符号34は締結部材用孔として前記補強板31に形成された普通ボルト用ボルト孔、符号18は締結部材用孔として前記箱形断面斜材11の補強板取付面12,13に形成された普通ボルト用ボルト孔である。本実施例では、前記箱形断面斜材11における腐食部の上下に位置する高力ボルト用ボルト孔17は、上下各2行×3列で形成され、一方、上下の前記高力ボルト用ボルト孔17間に位置する普通ボルト用ボルト孔18は、3行×2列で形成されており、前記箱形断面斜材11の高力ボルト用ボルト孔17及び普通ボルト用ボルト孔18に合わせて、前記補強板31には締結部材用孔として高力ボルト用ボルト孔33及び普通ボルト用ボルト孔34が形成されている。
【0025】
前記補強板31を前記箱形断面斜材11の補強板取付面12,13へ取り付ける作業は、前記箱形断面斜材11において前記補強板非取付面14,15のうち一つの補強板非取付面15に形成された補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19から、前記箱形断面斜材11内に挿入した締結部材41の一方の部材(本実施例ではボルトあるいはナット)と、前記補強板31の外面側に配置した締結部材の他方の部材との結合によって行われる。前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19は、前記箱形断面斜材11において補強板31が取り付けられる部分の中央位置と対応する前記補強板非取付面15の位置に、作業者の手が挿入可能な大きさ、例えば直径150mmで形成されている。
【0026】
前記補強板31を取り付けた部分の前記箱形断面斜材11の内部には、発泡ウレタン51が充填されて前記箱形断面斜材11の内面に前記発泡ウレタン51が密着し、前記箱形断面斜材11内に存在する補強板取付用締結部材41の周囲が発泡ウレタン51で封止されると共に、前記発泡ウレタン51と密着している前記箱形断面斜材11の内面が腐食因子と接触するのが防止されている。前記発泡ウレタン51は、公知の発泡ポリウレタンの液状原料から発泡したものであり、独立気泡を主体とする硬質ポリウレタンフォームからなる。前記発泡ポリウレタンの液状原料は、主にポリオール成分からなり、整泡剤、その他の添加剤を加えたA液とポリイソシアネート成分からなるB液の二液を混合したものである。
【0027】
前記発泡ウレタン51は、吹きつけ発泡ウレタン層52と下側発泡ウレタン53と上側発泡ウレタン55と最上部発泡ウレタン57の積層体からなる。前記発泡ウレタン51の充填は、後述する補強方法の説明において詳述に述べることとし、ここでは簡単に示す。
【0028】
前記吹きつけ発泡ウレタン層52は、図10に示すように、前記箱形断面斜材11の補強板非取付面15に形成された補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19から挿入した発泡ウレタン注入ノズルN1より、前記締結部材41が位置する箱形断面斜材11の内面に発泡ウレタンの液状原料Pを吹き付ける、いわゆる現場施工可能な吹きつけタイプの硬質ウレタン施工を行うことにより形成されたものであり、前記箱形断面斜材11の内面に締結部材41を覆って形成されている。前記吹きつけ発泡ウレタン層52は、発泡ウレタンの発泡時に生じる接着性によって締結部材41が位置する箱形断面斜材11の内面に確実に接着して密着するため、締結部材用孔等の封止性を確実にして締結部材41が位置する箱形断面斜材11内面の腐食防止効果を高めることができる。
【0029】
前記下側発泡ウレタン53の充填は、図11に示すように、前記箱形断面斜材11の補強板非取付面15に形成された補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19から挿入した発泡ウレタン注入ノズルN1より発泡ウレタンの液状原料Pを吐出して、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19の下側まで前記下側発泡ウレタン53を充填することにより行われる。前記下側発泡ウレタンの充填後、図12に示すように、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19を覆う蓋部材61を補強板非取付面15の外面に溶着することにより、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19は塞がれる。
【0030】
一方、前記上側発泡ウレタン55の充填は、図13に示すように、前記補強板非取付面15における前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19の上方に形成されている上部ウレタン充填用孔21から挿入した発泡ウレタン注入ノズルN2より発泡ウレタンの液状原料Pを吐出して、前記下側発泡ウレタン53上に前記上部ウレタン充填用孔21の下側まで前記上側発泡ウレタン55を充填することにより行われる。前記上部ウレタン充填用孔21は、発泡ウレタン注入ノズルN2が挿入可能な大きさとされ、本実施例では直径27mmのタップ孔で形成されている。
【0031】
前記最上部発泡ウレタン57の充填は、前記上側発泡ウレタン充填後、図14に示すように、U字状に屈曲した発泡ウレタン注入ノズルN3を前記上部ウレタン充填用孔21から前記箱形断面斜材11内に挿入して、前記上部ウレタン充填用孔21よりも上方の前記箱形断面斜材11の内面11aに発泡ウレタンの液状原料Pを吐出し、該吐出した発泡ウレタンの液状原料Pを前記上部ウレタン充填用孔21へ流下させると共に、前記上部ウレタン充填用孔21に封止用ボルト63(図1及び図2に示す)を前記箱形断面斜材11の外側から装着し、前記流下した発泡ウレタンの液状原料から前記最上部発泡ウレタン57を発泡することにより行われる。その際、前記箱形断面斜材11内の前記封止用ボルト63の周縁は前記最上部発泡ウレタン57によって封止される。
【0032】
次に、下路鋼トラス橋の箱形断面斜材11を前記補強構造で補強する方法の実施例について図6〜図14を用いて説明する。本実施例の補強方法では、図6に示すように、前記箱形断面斜材11は、下弦材(図示せず)と連結されている道路側の側面と欄干側の側面を補強板取付面12,13とし、前記補強板取付面12,13における腐食部71を図1に示した前記補強板31で以下のように覆って補強する。前記箱形断面斜材11において、補強板取付面12,13以外の他の面は、補強板を取り付けない補強板非取付面14,15となっている。
【0033】
前記補強方法においては、その後の作業を容易にするため、まず、図6に示すように、前記補強板を取り付ける付近のコンクリート床板81を掘削して、前記箱形断面斜材11を補強する作業場所を確保する。次に、前記腐食部71に対する錆落とし処理と錆止め処理を行う。その後、補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔及び上部ウレタン充填用孔の形成工程と、補強板取付工程と、下側発泡ウレタン充填工程と、上側発泡ウレタン充填工程と、最上部発泡ウレタン充填工程とを行う。
【0034】
補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔及び上部ウレタン充填用孔の形成工程では、図7に示すように、一つの前記補強板非取付面15に前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19を形成すると共に、前記補強板非取付面15の前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19の上方位置に前記上部ウレタン充填用孔21を形成する。前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19の位置は、前記箱形断面斜材11において補強板31が取り付けられる部分の中央位置と対応する前記補強板非取付面15の位置、すなわち、前記補強板取付面12,13における腐食部を覆う補強板31(図1、図8等に示す)の中央位置と対応する前記補強板非取付面15の位置とされる。また、前記上部ウレタン充填用孔21の位置は、前記補強板の上端より所定量(例えば数cm)上方位置が好ましい。前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19及び上部ウレタン充填用孔21のサイズは、前記補強構造で説明した通りである。なお図7の符号71aは腐食部を含む部分に対して行った錆落とし処理と錆止め処理後の部分を示す。
【0035】
補強板取付工程では、図7に示すように、前記箱形断面斜材11の補強板取付面12,13に締結部材用孔16を形成し、図8及び図9に示すように、前記腐食部を覆う補強板31を補強板取付面12,13に締結部材41で取り付ける。本実施例では、前記締結部材41は高力ボルト43とナット44及び普通ボルト45及びナット46からなり、前記締結部材用孔16は高力ボルト用ボルト孔17と普通ボルト用ボルト孔18よりなる。前記のように、高力ボルト用ボルト孔17は前記腐食部71の上下に各2行×3列で形成され、一方、普通ボルト用ボルト孔18は、上下の前記高力ボルト用ボルト孔17間に3行×2列で形成される。なお、前記補強板31には予め前記補強板取付面12,13の高力ボルト用ボルト孔17及び普通ボルト用ボルト孔18と合致する位置に、締結部材用孔として高力ボルト用ボルト孔33と普通ボルト用ボルト孔34が形成されている。前記補強板31の取付は、腐食部を覆う前記補強板31を前記箱形断面斜材11の補強板取付面12,13の外面に配置し、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19から前記箱形断面斜材11内に挿入した締結部材41の一方の部材を、本実施例では高力ボルト43及び普通ボルト45を前記補強板取付面12,13及び前記補強板31の対応する締結部材用孔(ボルト孔)に挿入し、前記補強板31の外面側に配置した締結部材41の他方の部材、本実施ではナット44,46と結合することにより行う。
【0036】
下側発泡ウレタン充填工程では、まず、図10のように、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19から前記箱形断面斜材11内に発泡ウレタン注入ノズルN1を挿入して前記発泡ウレタン注入ノズルN1より、前記発泡ウレタンの液状原料Pを、前記締結部材(本実施例では高力ボルト43及び普通ボルト45)が位置する前記箱形断面斜材11の内面(補強板取付面12,13の内面)に吹き付け、図11に示すように前記箱形断面斜材11の内面に締結部材41を覆う吹きつけ発泡ウレタン層52を形成する。前記吹きつけ発泡ウレタン層52は、発泡時に発揮する接着性によって、前記締結部材の位置する前記箱形断面斜材11の内面に接着して前記箱形断面斜材11の内面に確実に密着するため、締結部材用孔(高力ボルト用ボルト孔17、普通ボルト用ボルト孔18)に対する封止性を確実にすると共に箱形断面斜材11の内面に腐食因子が接触するのを防ぎ、前記箱形断面斜材11内の腐食防止効果を高めることができる。
【0037】
次に図11に示すように、前記発泡ウレタン注入ノズルN1より前記箱形断面斜材11内の下方へ向けて発泡ウレタンの液状原料Pを吐出して、図12に示すように前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔12の下側まで下側発泡ウレタン53を充填する。前記下側発泡ウレタン53の充填後、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔19を覆う綱板からなる蓋部材61を前記箱形断面斜材11の補強板非取付面15の外面に溶接で取り付ける。
【0038】
上側発泡ウレタン充填工程では、図13に示すように、前記上部ウレタン充填用孔21から挿入した発泡ウレタン注入ノズルN2より発泡ウレタンの液状原料Pを吐出して、図14に示すように前記下側発泡ウレタン53上に前記上部ウレタン充填用孔21の下側まで上側発泡ウレタン55を充填する。
【0039】
最上部発泡ウレタン充填工程では、図14に示すように、前記上部ウレタン充填用孔21から箱形断面斜材11内にU字状に屈曲した発泡ウレタン注入ノズルN3を挿入して、前記上部ウレタン充填用孔21よりも上方の前記箱形断面斜材11の補強板非取付面15の内面11aに発泡ウレタンの液状原料Pを吐出し、該吐出した発泡ウレタンの液状原料Pを前記上部ウレタン充填用孔21へ流下させると共に、前記上部ウレタン充填用孔21に封止用ボルト63(図1及び図2に示す)を前記箱形断面斜材11の外側から装着し、前記流下した発泡ウレタンの液状原料から形成された最上部発泡ウレタン57で前記箱形断面斜材11内の前記封止用ボルト63の周縁を封止する。前記補強板非取付面15の内面11aを流下する発泡ウレタンの液状原料から形成される最上部発泡ウレタン57は、発泡時の接着性により、前記上部ウレタン充填用孔21周辺の補強板非取付面15の内面11a及び前記封止用ボルト63に接着して前記上部ウレタン充填用孔21周辺の補強板非取付面15の内面11a及び前記封止用ボルト63に確実に密着する。これにより、前記上部ウレタン充填用孔21周辺の封止性を確実なものにし、前記上部ウレタン充填用孔21から前記箱形断面斜材11内への腐食因子の侵入を防止し、前記箱形断面斜材内11の腐食防止効果を高めることができる。なお、前記補強方法による補強終了後、前記コンクリート床板81の掘削部分は元の状態に戻される。
【0040】
このように、本発明の補強構造及び補強方法は、アーク溶射等の面倒な作業が不要であるため、橋上の道路を閉鎖することなく容易に腐食部を補強することが可能である。しかも、本発明の補強方法によって補強された下路鋼トラス橋の箱形断面斜材は、腐食部が補強板で補強されていると共に、補強板が取り付けられた部分の箱形断面斜材内に充填された発泡ウレタンによって箱形断面斜材の内面が腐食因子と接触するのが防止されるため、補強板取付の際に生じる箱形断面斜材の密閉解除による腐食を防止することができる。なお、前記実施例では、締結部材をボルトとナットで構成したが、他の構成からなるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の補強構造で補強された下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の一部を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図1の3−3断面図である。
【図4】図1の4−4断面図である。
【図5】図1の5−5断面図である。
【図6】本発明の補強方法の一実施例において箱形断面斜材周囲のコンクリート床版を掘り起こした状態を示す斜視図である。
【図7】同実施例において箱形断面斜材に補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔等を形成した状態を示す斜視図である。
【図8】同実施例において箱形断面斜材に補強板を固定した状態を示す斜視図である。
【図9】図8の9−9断面図である。
【図10】同実施例において発泡ウレタンの液状原料吹き付けを示す断面図である。
【図11】同実施例において下側発泡ウレタンの充填を示す断面図である。
【図12】同実施例において下側発泡ウレタンの充填後を示す断面図である。
【図13】同実施例において上側発泡ウレタンの充填を示す断面図である。
【図14】同実施例において上部ウレタン充填用孔よりも上方の箱形断面斜材の内面に発泡ウレタンの液状原料を吐出する際を示す断面図である。
【図15】下路鋼トラス橋の一例を示す斜視図である。
【図16】下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の腐食部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 下路鋼トラス橋
11 箱形断面斜材
12,13 補強板取付面
14,15 補強板非取付面
19 補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔
21 上部ウレタン充填用孔
31 補強板
41 締結部材
43 高力ボルト
44 高力ボルト用ナット
45 普通ボルト
46 普通ボルト用ナット
51 発泡ウレタン
52 吹きつけ発泡ウレタン層
53 下側発泡ウレタン
55 上側発泡ウレタン
57 最上部発泡ウレタン
61 蓋部材
63 封止用ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の外面に発生した腐食部を補強板で覆う補強構造において、
前記腐食部を覆う補強板を締結部材で前記箱形断面斜材の外面に取り付け、
前記補強板を取り付けた部分の前記箱形断面斜材内部に発泡ウレタンを充填して前記箱形断面斜材の内面と前記発泡ウレタンを密着させたことを特徴とする下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強構造。
【請求項2】
前記補強板は前記箱形断面斜材の腐食部よりも上方部位と下方部位を高力ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定し、前記上方部位と前記下方部位間を普通ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定したことを特徴とする請求項1に記載の下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強構造。
【請求項3】
下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の外面に発生した腐食部を覆う補強板を前記箱形断面斜材の外面に取り付けて補強する方法において、
前記箱形断面斜材の少なくとも一面は前記補強板を取り付けない補強板非取付面とし、
前記補強板が取り付けられる部分の中央位置と対応する前記補強板非取付面の位置には補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を形成すると共に、前記補強板非取付面の前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔の上方位置に上部ウレタン充填用孔を形成し、
前記腐食部を覆う前記補強板を前記箱形断面斜材の外面に配置し、前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から前記箱形断面斜材内に挿入した締結部材の一方の部材と前記補強板の外面側に配置した締結部材の他方の部材とで前記補強板を前記箱形断面斜材の外面に取り付け、
前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔から前記箱形断面斜材内に発泡ウレタン注入ノズルを挿入し、前記発泡ウレタン注入ノズルより前記箱形断面斜材内に発泡ウレタンの液状原料を吐出して前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔の下側まで下側発泡ウレタンを充填し、
前記補強板取付時作業用兼ウレタン充填用孔を覆う蓋部材を前記箱形断面斜材の外面に溶接で取り付け、
前記上部ウレタン充填用孔から挿入した発泡ウレタン注入ノズルより発泡ウレタンの液状原料を吐出して前記下側発泡ウレタン上に前記上部ウレタン充填用孔の下側まで上側発泡ウレタンを充填し、
その後、前記上部ウレタン充填用孔よりも上方の前記箱形断面斜材の内面に発泡ウレタンの液状原料を吐出して、該吐出した発泡ウレタンの液状原料を前記上部ウレタン充填用孔へ流下させると共に、前記上部ウレタン充填用孔に封止用ボルトを前記箱形断面斜材の外側から装着し、前記流下した発泡ウレタンの液状原料から形成された発泡ウレタンで前記箱形断面斜材内の前記封止用ボルトの周縁を封止することを特徴とする下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強方法。
【請求項4】
前記補強板は前記箱形断面斜材の腐食部よりも上方部位と下方部位を高力ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定し、前記上方部位の高力ボルトと前記下方部位の高力ボルト間を普通ボルトとナットからなる前記締結部材で前記箱形断面斜材に固定することを特徴とする請求項3に記載の下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強方法。
【請求項5】
前記下側発泡ウレタンの充填時に、前記締結部材が位置する前記箱形断面斜材の内面に前記発泡ウレタンの液状原料を吹き付けることを特徴とする請求項3または4に記載の下路鋼トラス橋の箱形断面斜材の補強方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−48000(P2010−48000A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213861(P2008−213861)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(598055862)イノアック特材株式会社 (17)
【Fターム(参考)】