説明

不揮発性メモリへのデータ格納方法および音声記録再生装置

【課題】不揮発性メモリの使用効率を向上するデータ格納方法および、その方法を採用した音声記録再生装置を提供する。
【解決手段】音声記録再生装置に音声を録音する場合、音声データの圧縮率が所定の値以下の場合には、図2(B)に示すように不揮発性メモリ102の各ブロック内1ページ目とnページ目以外の2ページ目からn−1ページ目までは、冗長部領域のa+1バイト目からa+bバイト目についても音声データを格納する領域として使用し、図2(A)に示す従来のデータ格納方法よりもb×(n−2)バイト分データ格納領域を拡大することにより、不揮発性メモリ102を効率的に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリへのデータ格納方法および、その方法を採用した音声記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、音声記録再生装置の記録素子として不揮発性メモリが広く使用されており、中でもNAND型フラッシュメモリが注目を集めている。NAND型フラッシュメモリは、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一形態であるフラッシュメモリの一種である。
【0003】
256MバイトのNAND型フラッシュメモリを例にとって、その構成を説明する。図4に示すように、NAND型フラッシュメモリは、データを一時的に格納するデータレジスタ401と、2048個の物理的なメモリブロック402とで構成されている。1ブロックはさらに64ページから構成されている。ブロック402はデータ消去時の最小単位であり、ページ403はデータ書き込みおよび読み出しの際の基本的な単位となっている。また1ページは2112バイトから構成されており、そのうち2048バイトはデータを格納するデータ部領域として使用され、64バイトはエラー訂正符号やファイルリンク情報等の管理情報を格納する冗長部領域として使用される。
【0004】
このような構造のNAND型フラッシュメモリに対して、効率的なデータ格納を行うための従来の方法として、製造出荷段階で使用不可とされる不良ブロックの欠損ビットのビット代替領域を同一ブロック内の別ページに設けて、使用可能ブロックとして管理してデータ格納領域を拡大する方法がある(特許文献1参照)。
【0005】
図5に、特許文献1の図4に記載された従来の不揮発性メモリへのデータ格納方法を示す。以下、図5を参照して従来のデータ格納方法について説明する。
【0006】
図5(A)は、製造出荷段階での不良ブロックをそのまま管理した代替処理前のNAND型フラッシュメモリ構造の一例を示しており、図示するようにa番目のブロックの2ページ目に1ビットの欠損ビットを含んでおり、a+2番目のブロックの3ページ目に3ビットの欠損ビットを含んでいる場合、a番目とa+2番目のブロックは不良ブロックとなり、使用不可とされている。
【0007】
一方、図5(B)は、ビット単位の代替処理を実行したNAND型フラッシュメモリの構造を示す。図示するようにa番目のブロックの2ページ目に1ビットの欠損ビットを含んでいる場合は、冗長部領域に書き込まれているECC(Error Correcting Code)により、エラー訂正可能であるため、使用可能ブロックとなる。また、a+2番目のブロックの3ページ目に3ビットの欠損ビットを含んでいる場合は、エラー訂正可能なビット数が1ビットまでのため、3ビットの欠損ビットはECCでのエラー訂正は不可となる。そのため、特許文献1に記載の方法では、同じa+2番目のブロック内のn−1ページ目に欠損ビットの代替ビット領域を割り当てて格納している。
【0008】
これにより、3ページ目の欠損ビットにデータを書き込む際には、代替ビットに書き込む制御がなされており、結果として、a+2番目のブロックについても使用可能ブロックとなる。さらに、ビット単位の代替に用いる代替ビットアドレス情報は、同一ブロック内(本例では、a+2番目のブロック)の最終ページであるnページ目に書き込まれている。
【0009】
以上説明したように、従来のデータ格納方法では、製造出荷段階で欠損ビットを有する使用不可の不良ブロックに対して、ECCによる訂正可能ビット数を超えた欠損ビットであっても、同一ブロック内に代替ビット格納領域を設けて、代替ビットを欠損ビットに割り当てることにより使用可能なブロックとして扱い、NAND型フラッシュメモリ内のデータ領域を効率的に利用して、データ格納を行うことが可能となっている。
【特許文献1】特開2005−196658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような従来の不揮発性メモリへのデータ格納方法は、あくまでもデータ部領域に対してデータ格納を効率的に行うものであり、冗長部領域は、データの管理情報やエラー訂正情報を格納する領域として扱われ、メモリ内の全領域に対しての効率的なデータ格納方法ではない。
【0011】
本発明は、音声記録再生装置特有の性質、すなわち、メモリに音声データを格納する際に1ビット程度のエラーが発生したとしても、聴感上1ビットの欠損を聴き取ることは非常に困難であり、実用上ユーザに不具合を与えることはないという性質を利用して、音声データを格納する領域の拡大を図ったデータ格納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の不揮発性メモリへのデータ格納方法は、
データ消去の最小単位である複数のブロックで構成され、かつ前記各ブロックが、データを格納するデータ部領域ならびに、ファイル管理情報およびエラー訂正符号の少なくとも一方を格納する冗長部領域に分割された不揮発性メモリへ、デジタル化された音声データをファイル単位で格納する不揮発性メモリへのデータ格納方法であって、
前記複数のブロックのうち特定の一部のブロックのデータ部領域および冗長部領域にファイル管理情報を複数回書き込み、他のブロックのデータ部領域および冗長部領域に音声データを書き込むことを特徴とする。
【0013】
本発明の不揮発性メモリへのデータ格納方法において、前記複数のブロックのうち音声データを書き込むブロックについて、ブロックの先頭ページおよび最終ページの冗長部領域にファイルリンク情報を書き込むことが好ましい。
【0014】
また本発明の不揮発性メモリへのデータ格納方法において、音声データの圧縮率が所定の値以下の場合に、前記データ部領域および冗長部領域への音声データの書き込みを行い、前記音声データの圧縮率が所定の値を超える場合には、前記データ部領域にのみ音声データの書き込みを行うことが好ましい。
【0015】
更に、前記特定の一部のブロックへのファイル管理情報の書き込みを奇数回行い、書き込まれたファイル管理情報のうち同じ値が最も多いファイル管理情報の値を正しいファイル管理情報とすることが好ましい。
【0016】
次に、本発明の音声記録再生装置は、
デジタル化された音声データの圧縮および、圧縮された音声データの伸張を行う音声圧縮・伸張手段と、
データ消去の最小単位である複数のブロックで構成され、かつ前記各ブロックが、データを格納するデータ部領域ならびに、ファイル管理情報およびエラー訂正符号の少なくとも一方を格納する冗長部領域に分割され、前記音声圧縮・伸張手段で圧縮された音声データを格納する不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリへの音声データの書き込みおよび前記不揮発性メモリからの音声データの読み出しを制御する制御手段とを少なくとも備え、
前記制御手段は、前記複数のブロックのうち特定の一部のブロックのデータ部領域および冗長部領域にファイル管理情報を複数回書き込み、他のブロックのデータ部領域および冗長部領域に音声データを書き込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のデータ格納方法は、音声データに対しては、必ずしもECCによるエラー訂正を行う必要がないという性質を活用し、不揮発性メモリ内のデータ部領域に加えて冗長部領域にも音声データを格納することにより、データ格納領域を拡大したものであり、不揮発性メモリのデータ格納領域を効率的に利用することが可能になる。その一方で、音声ファイル毎のファイル管理情報については、不揮発性メモリ内の先頭の複数ブロックに複数回書き込みを行い、多数決による誤り訂正を行うことによってデータの信頼性を確保している。
【0018】
更に本発明では、音声データ記録時の圧縮率の違いにより、音声データ格納領域として不揮発性メモリ内のデータ部領域のみを使用するのか、データ部領域に加えて冗長部領域も使用するのかの判定を行い、圧縮率が所定の値以下の音声データについてのみ本発明のデータ格納方法を採用することにより、音声を再生する際の不具合の発生を防止している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における音声記録再生装置の構成を示すブロック図、また図2は不揮発性メモリへのデータ格納方法を示すメモリ構造図である。
【0020】
図1において、101は装置全体の入出力、記録、操作などの指令や制御を行うマイクロコンピュータである。102は音声データを格納するためのフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。103はキー入力操作などにより音声記録再生装置へ情報を入力する操作手段である。104は音声記録再生装置の記録状況、操作状況などの動作状況を表示する表示手段である。
【0021】
105は中央演算装置、制御プログラムを格納したROM、および作業用のRAMを備えた制御手段である。制御手段105は、不揮発性メモリ102への音声データの書き込み動作および、不揮発性メモリ102からの音声データの読み出し動作、更には、操作手段103を用いた各種の動作、表示手段104に装置の動作状況や操作状況を表示させるための動作等を制御する。
【0022】
106は音声圧縮・伸張手段であり、マイク107から入力されたアナログの音声データをA/D変換してデジタル化した後、不揮発性メモリ102に記録するため音声データの圧縮を行い、また不揮発性メモリ102から読み出された音声データを伸張した後、D/A変換し、スピーカ108に出力する。
【0023】
以下、まず、以上のように構成された音声記録再生装置について、動作の概要を説明する。
【0024】
録音を行う際には、ユーザがキー入力等により音声録音の指示を操作手段103に行い、マイク107よりアナログ音声データが入力される。入力されたアナログ音声データは、音声圧縮・伸張手段106により音声圧縮したデジタルデータに変換され、マイクロコンピュータ101内の制御手段105により不揮発メモリ102へ書き込まれる。このとき、表示手段104を用いて音声データが不揮発性メモリ102に記録されている状況を確認することができる。なお、音声データの記録時には、操作手段103で設定された音声圧縮率の違いにより、ソフトウェアを使い分けて不揮発性メモリ102へのデータ書き込みを行っている。
【0025】
一方、不揮発性メモリ102に格納された音声データを再生する際には、ユーザがキー入力等により音声再生の指示を操作手段103に行い、制御手段105は指定されたファイルの音声データを不揮発性メモリ102から読み出し、音声圧縮・伸張手段106により圧縮されたデータを伸張した後アナログデータに変換し、スピーカ108に出力する。
【0026】
次に、本実施の形態におけるデータ格納方法の詳細について、図2を参照して説明する。図2は、本発明のデータ格納方法および従来のデータ格納方法について、メモリ構造図を用いて説明した図である。説明の都合上、1ブロックはnページから構成され、さらに1ページはデータ部領域のaバイトと冗長部領域のbバイトの計a+bバイトから構成されているとする。
【0027】
まず従来のデータ格納方法について説明する。図2(A)は従来のデータ格納方法を示しており、音声記録再生装置は、不揮発性メモリ102への音声データ書き込みをブロック内の先頭ページである1ページ目のデータ部領域1バイト目から行っている。音声データを格納する領域はaバイト目までであり、1ページ目への書き込みが終了すれば、2ページ目へと連続的に書き込む。以下ページを順次進めていき、最終nページのaバイト目までデータを書き込む。1ブロック分のデータ書き込みが終了すれば、引き続き、次ブロックの1ページ目のデータ部領域1バイト目へデータを書き込んでいく。
【0028】
結果的に、従来のデータ格納方法では、1ブロック内にはa×nバイトのデータを格納することができる。冗長部領域としては、各ページのa+1バイト目からa+bバイト目までが割り当てられており、1ブロック内にはb×nバイトのファイル管理情報などを格納することができる。
【0029】
一方、図2(B)は本発明によるデータ格納方法を示している。後述するように、音声データの圧縮率により、冗長部領域もデータ部領域として使用する設定音質であると判断された場合は、1ページ目とnページ目以外の2ページ目からn−1ページ目までは、冗長部領域のa+1バイト目からa+bバイト目についても音声データを格納する領域として使用する処理が施される。
【0030】
このとき、1ページ目とnページ目の冗長部領域は、該当ブロック内に書き込まれている音声データの前後に繋がっているデータエリアのメモリ上のアドレス情報を示す音声ファイルのリンク情報を格納するための領域として使用されている。
【0031】
本発明では、音声ファイルのファイル管理情報などは、不揮発性メモリ102内の先頭複数ブロックをTOC領域として割り当てて格納している。そのため、冗長部領域には、上記ファイルリンク情報だけを格納しても何ら問題は生じない。結果的に、本発明のデータ格納方法では、1ブロック内にはa×n+b×(n−2)バイトのデータを格納することができる。
【0032】
このように本発明のデータ格納方法により、従来のデータ格納方法に比べて、b×(n−2)バイト分をデータ領域として拡大して不揮発性メモリに格納することができる。256MバイトのNAND型フラッシュメモリの場合を例に取ると、a=2048、b=64、n=64であるから、本発明のデータ格納方法により3968バイト分のデータを拡大して書き込めることができ、これは、1ブロック内の全データ領域に対して、約3%データ領域を拡大することを意味しており、音声記録再生装置としては、従来に比べて約3%録音可能時間が増加することになる。
【0033】
次に、図2(A)に示した従来のデータ格納方法と、図2(B)に示した本発明のデータ格納方法の使い分けについて説明する。
【0034】
前述したように、音声記録再生装置において、メモリに音声データを格納する際に1ビット程度のエラーが発生したとしても、聴感上1ビットの欠損を聴き取ることは非常に困難であり、実用上ユーザに不具合を与えることはない。従って、音声データに対しては、必ずしもECCによるエラー訂正を行う必要がないため、不揮発性メモリの冗長部領域を音声データの記録領域として使用することができる。
【0035】
ただし、ファイル管理情報を含むTOC情報については、エラーが発生した場合、ファイルの検索ができなくなるため、エラー訂正を行う必要がある。しかし、本発明では冗長部領域にもデータを格納するため、ECCによるエラー訂正を行うことができない。そこで、TOC情報については、特定の複数のブロック、例えば不揮発性メモリ内の先頭の複数ブロックに同じデータを奇数回書き込み、それらのデータのうち同じ値が最も多いデータを正しい値とする、多数決によるエラー訂正を行っている。
【0036】
一方、音声記録再生装置に音声を格納する場合、通常、データの圧縮を行っている。データの圧縮率が低い場合には、音声データに1ビット程度のエラーが発生しても、聴感上、欠損はほとんど問題とならないが、データの圧縮率が高まるに従って音声データは、より高音質になり、聴感上、音声データのエラーの影響が大きくなる。このため、データの圧縮率が所定の値を超える場合、図2(A)に示す従来のデータ格納方法を用いて不揮発性メモリに音声データを格納する必要がある。
【0037】
本実施の形態の音声記録再生装置の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のフローチャートでは、音声データの圧縮率の違いにより図2(A)に示した従来のデータ格納方法と、図2(B)に示した本発明のデータ格納方法を使い分けている。
【0038】
録音動作を開始すると、ステップS301では、操作手段103における録音キーの入力判定処理が行われる。判定がYesの場合にはステップS302に進み、Noの場合には、判定がYesとなるまで繰り返しキー入力の判定処理を行う。
【0039】
次にステップS302では、録音動作前の各種処理を行う。具体的には、不揮発性メモリ102内の空きエリアをチェックし、録音音質の設定を行い、マイクロコンピュータ101内の制御手段105による処理が施される。これにより、不揮発性メモリ102への音声データ書き込み時の音声データ圧縮率が決定され、マイク107より入力されるアナログ音声データを音声圧縮・伸張手段106により定められた圧縮率で音声圧縮したデジタル化データに変換する準備が完了する。
【0040】
続いて、ステップS303で音声の録音がスタートする。録音スタート後のステップS304では、録音時に必要な各種設定状況の確認を行う。具体的には、操作手段103からの入力でマイクロコンピュータ101に指令を出した設定状態を確認する。
【0041】
次にステップS305では、ステップS302の録音音質設定で決定された音声データ圧縮率が、不揮発性メモリ102内のデータ部領域のみを使用して音声記録する圧縮率なのか、あるいは冗長部領域までデータ格納領域を拡大して音声記録する圧縮率なのかのいずれかの判定を行う。
【0042】
ステップS305の判定がYesの場合は、ステップS306に進み、不揮発性メモリ102内の最小データ書き込み単位であるページ毎に冗長部領域までデータを格納する領域として使用するために、音声記録エリアのバイト数(またはカラム数)を設定する。ステップS305の判定がNoの場合は、音声データをデータ部領域にのみ格納するためカラム数の設定を行わず、ステップS307へと進む。
【0043】
ステップS307では、マイクロコンピュータ101内の制御手段105により、不揮発性メモリ102へのデジタルデータの書き込み処理を行う。
【0044】
ステップS308では、操作手段103による録音停止キーの入力判定処理が行われる。判定がYesの場合はステップS309に進むが、Noの場合は、再びステップS307を継続する処理へと遷移する。
【0045】
ステップS309では、不揮発性メモリ102に書き込まれた音声データに関するファイル管理情報を含むTOC情報を更新する処理を行う。具体的には、不揮発性メモリ102内の先頭複数ブロックにTOC情報を複数回書き込んで、TOC情報の更新を行う。
【0046】
ステップS310では、音声データ書き込みに使用した録音設定音質が不揮発性メモリ102内のデータ部領域のみを使用して音声記録する圧縮率なのか、あるいは冗長部領域までデータ格納領域を拡大して音声記録する圧縮率なのかの判定を行う。判定がYesの場合は、ステップS311に進み、冗長部領域までデータ部領域として使用した際の録音時間を算出する処理を行う。判定がNoの場合は、ステップS312に進み、データ部領域のみ使用した際の録音時間算出処理を行う。
【0047】
続いてステップS313では、録音された音声データの開始ブロックアドレス、終了ブロックアドレス、開始ページアドレス、終了ページアドレス、開始カラムアドレス、終了カラムアドレス、前述のステップS311あるいはS312で算出した録音時間、そして音声データが録音された日付(西暦・月・日)、録音総ページ数を含むTOC情報の最終更新処理を行い、一連の録音動作処理を終了する。
【0048】
以上のように本実施の形態によるデータ格納方法は、不揮発性メモリにデジタル化された音声データを圧縮記録する音声記録再生装置において、不揮発性メモリ内のデータ部領域に加えて、冗長部領域にも音声データを格納することにより、不揮発性メモリ内部のデータ格納領域の効率的な利用を図っている。更に、不揮発性メモリへの音声データ記録時の圧縮率の違いにより、音声データを格納する領域として不揮発性メモリ内のデータ部領域のみを使用するのか、データ部領域に加えて冗長部領域も使用するのかを使い分けることによって、音声再生における信頼性の確保も図っている。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のデータ格納方法は、デジタル化された音声データを圧縮記録する音声記録再生装置において、冗長部領域をも含めた不揮発性メモリ内部のデータ格納領域を効率的に利用することが可能になるものであり、不揮発性メモリを搭載した音声記録再生装置等のデータ格納方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態における音声記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】不揮発性メモリへのデータ格納方法を示す構造図
【図3】本発明の実施の形態における音声記録再生装置の録音動作を示すフローチャート
【図4】NAND型フラッシュメモリの構造図
【図5】従来の不揮発性メモリへのデータ格納方法を示す構造図
【符号の説明】
【0051】
101 マイクロコンピュータ
102 不揮発性メモリ
103 操作手段
104 表示手段
105 制御手段
106 音声圧縮・伸張手段
107 マイク
108 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ消去の最小単位である複数のブロックで構成され、かつ前記各ブロックが、データを格納するデータ部領域ならびに、ファイル管理情報およびエラー訂正符号の少なくとも一方を格納する冗長部領域に分割された不揮発性メモリへ、デジタル化された音声データをファイル単位で格納する不揮発性メモリへのデータ格納方法であって、
前記複数のブロックのうち特定の一部のブロックのデータ部領域および冗長部領域にファイル管理情報を複数回書き込み、他のブロックのデータ部領域および冗長部領域に音声データを書き込むことを特徴とする不揮発性メモリへのデータ格納方法。
【請求項2】
前記複数のブロックのうち音声データを書き込むブロックについて、ブロックの先頭ページおよび最終ページの冗長部領域にファイルリンク情報を書き込むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリへのデータ格納方法。
【請求項3】
音声データの圧縮率が所定の値以下の場合に、前記データ部領域および冗長部領域への音声データの書き込みを行い、前記音声データの圧縮率が所定の値を超える場合には、前記データ部領域にのみ音声データの書き込みを行うことを特徴とする請求項1または2に記載の不揮発性メモリへのデータ格納方法。
【請求項4】
前記特定の一部のブロックへのファイル管理情報の書き込みを奇数回行い、書き込まれたファイル管理情報のうち同じ値が最も多いファイル管理情報の値を正しいファイル管理情報とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不揮発性メモリへのデータ格納方法。
【請求項5】
前記不揮発性メモリとしてNAND型フラッシュメモリを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不揮発性メモリへのデータ格納方法。
【請求項6】
デジタル化された音声データの圧縮および、圧縮された音声データの伸張を行う音声圧縮・伸張手段と、
データ消去の最小単位である複数のブロックで構成され、かつ前記各ブロックが、データを格納するデータ部領域ならびに、ファイル管理情報およびエラー訂正符号の少なくとも一方を格納する冗長部領域に分割され、前記音声圧縮・伸張手段で圧縮された音声データを格納する不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリへの音声データの書き込みおよび前記不揮発性メモリからの音声データの読み出しを制御する制御手段とを少なくとも備え、
前記制御手段は、前記複数のブロックのうち特定の一部のブロックのデータ部領域および冗長部領域にファイル管理情報を複数回書き込み、他のブロックのデータ部領域および冗長部領域に音声データを書き込むことを特徴とする音声記録再生装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記複数のブロックのうち音声データを書き込むブロックについて、ブロックの先頭ページおよび最終ページの冗長部領域にファイルリンク情報を書き込むことを特徴とする請求項6に記載の音声記録再生装置。
【請求項8】
前記制御手段は、音声データの圧縮率が所定の値以下の場合に、前記データ部領域および冗長部領域への音声データの書き込みを行い、前記音声データの圧縮率が所定の値を超える場合には、前記データ部領域にのみ音声データの書き込みを行うことを特徴とする請求項6または7に記載の音声記録再生装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記特定の一部のブロックへのファイル管理情報の書き込みを奇数回行い、書き込まれたファイル管理情報のうち同じ値が最も多いファイル管理情報を正しいファイル管理情報とすることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の音声記録再生装置。
【請求項10】
前記不揮発性メモリとしてNAND型フラッシュメモリを用いることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の音声記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−279402(P2007−279402A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105839(P2006−105839)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】