説明

不飽和化合物の水素化用触媒

本発明は、(RCp)(RCp)Ti(PhORタイプのチタン化合物に基づく均一系触媒である。ここで、Cpがシクロペンタジエニルであり、RとRが、同一または異なるアルキル基(C−C10)であり、Phがフェニル基であり、ORがアルコキシル基である。さらに、本発明は、穏やかな反応条件下での、不飽和化合物(好ましくは共役ジエンのポリマーおよび/またはコポリマー)の二重結合の水素化方法における上記触媒の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、(RCp)(RCp)Ti(PhORタイプのチタン化合物に基づく均一系触媒である。ここで、Cpがシクロペンタジエニルであり、RとRが、同一または異なるアルキル基(C−C10)であり、Phがフェニル基であり、ORがアルコキシル基である。また、この触媒の分解産物は除去しやすい。さらに、本発明は、穏やかな反応条件下での、不飽和化合物(好ましくは共役ジエンのポリマーおよび/またはコポリマー)の二重結合の水素化方法における上記触媒の使用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
不飽和二重結合を含有する化合物の水素化の触媒として多くのものが知られており、これらは、2つのグループに分類できる。
(1) 一般に、担体(シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなど)上に堆積された金属(Ni、Pd、Ruなど)からなる不均一系触媒。
(2) (a)Ni、Co、Fe、Crなどの有機塩と、有機アルミニウム化合物やその類似物などの還元剤との組み合わせからなるZiegler触媒や、(b)Ru、Rh、Ti、Laなどの有機金属化合物などのような、均一系触媒。
【0003】
不均一系水素化触媒は産業で広く使われているが、均一系触媒と比べて活性が低く、大量に必要とされる。さらに、不均一系水素化触媒は、相対的に高圧と高温の条件を必要とする。一般に、均一系触媒は、穏やかな圧力・温度条件で、活性がより高く、少量しか必要としない。しかしながら、均一系触媒の最も重要な欠点は、安定性が低いことである。さらに、触媒や触媒の分解産物を、水素化産物から分離するのは困難で、コストが高い。
【0004】
1,3−ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンのポリマーや、これらのジエンと例えばスチレンなどのビニル芳香族モノマーとのコポリマーは、エラストマーとして産業で広く使われている。これらのポリマーは、その側鎖に、硫化が可能な二重結合を含有している。しかし、それが存在する結果、ない場合と比べて、経年変化への抵抗性が低く、ポリマーが非常に酸化しやすい。硫化させずに、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのブロックコポリマーのいくつかが、熱可塑性エラストマー、透過性耐衝撃性樹脂、ポリスチレン・ポリオレフィンの重合調整剤や適合剤として使用されている。これらのコポリマーは、コポリマー側鎖の二重結合が存在するために、大気に対する経年変化や酸素またはオゾンによる酸化に対する抵抗性が限られている。したがって、環境への曝露が必要な適用に対してこれらのコポリマーの使用は限られている。酸素やオゾンによる酸化への抵抗性と、一般に、経年変化への抵抗性とは、これらのコポリマーを水素化して全体または一部の二重結合を飽和させることによって著しく増加する。これらのオレフィン性二重結合を含有するポリマーの水素化のために多くの処理が提案されている。一般に、2つのタイプの処理が用いられる。(a)上述したもののように、保持された不均一系触媒を用いるもの。(b)Zieglerタイプの均一系触媒やロジウムやチタンの有機金属化合物を用いるもの。
【0005】
保持された不均一系触媒処理の場合には、水素化されるポリマーは、まず、適切な溶媒に溶解され、不均一系触媒の存在下、水素と接触するように配置される。ポリマー溶液の粘度が相対的に高いため、また、ポリマー側鎖の立体障害により、また、ポリマーの吸着性が高いため、試薬と触媒との接触は困難であり、ポリマーは、一旦水素化されると、触媒の表面にとどまる傾向があり、それにより、水素化されるべき他のポリマーが活性中心へ向かうのを妨げる。したがって、二重結合の完全な水素化を達成するためには、大量の触媒と、厳しい反応条件とが必要であり、通常、ポリマーの分解とゲル化を引き起こす。さらに、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのコポリマーを水素化するとき、芳香単位も水素化され、ポリジエン単位の不飽和部の選択的な水素化を行うのが困難である。同様に、水素化されたポリマー溶液から触媒を物理的に分離するのも非常に困難であり、いくつかの場合には、不均一系触媒へのポリマーの吸着性が高いために、完全な除去は不可能である。
【0006】
Zieglerタイプの触媒システムを用いるこれらの処理では、反応は、実質的に、均一系媒体中で起こる。それゆえ、水素化は、穏やかな圧力・温度条件で実行される。さらに、反応条件を適切に選択することによって、ポリジエン単位の二重結合を選択的に水素化して、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とのコポリマーの芳香環は水素化しないようにすることが可能である。しかしながら、反応産物から触媒残渣を除去するのは、困難で、コストのかかる工程である。なお、この除去は、絶対的に必要である。なぜなら、これらの残渣は、水素化されたポリマーの安定性に負の影響を及ぼすからである。例えば米国特許3,898,208号や日本特許01,289,805号に記載のロジウム化合物などの均一系触媒を用いる他の処理は、触媒自身のコストが高いという欠点を有している。
【0007】
成分の一つが、(必ず有機リチウム化合物の存在下で)共役ジエンポリマーのオレフィン性二重結合の水素化のために用いられるチタンシクロペンタジエニル誘導体である水素化触媒がよく知られている(米国特許4,501,857号)。米国特許5,039,755号は、有機リチウム化合物によって調製されて水素の付加で完了されるポリマーの水素化を開示している。最後の反応で形成される水素化リチウムの存在が必要であり、還元剤として働く。両特許は、CpTiClを用いる。これは、有機溶媒にはほとんど溶けず、塩化物の存在下で反応装置の腐食を引き起こす。さらに、記載の処理は、高濃度の触媒の使用を必要とし、それゆえ、経済的に好ましくない。
【0008】
同様に、米国特許4,673,714号は、有機リチウム化合物がない状態で、共役ジエンのポリマーおよびコポリマーの二重結合を選択的に水素化できる触媒としてCp2TiR(Rはアルキルアリール基)の使用を開示している。
【0009】
一方、欧州特許0,434,469号は、非常に複雑な触媒システムの使用を開示している。これは、アルカリ金属アルコキシドとエーテル、ケトン、スルホキシドなどの極性化合物との存在下で、チタン ビス(シクロペンタジエニル)化合物とアルミニウムまたはマグネシウムの有機金属化合物とアルカリ金属との組み合わせを有する。この触媒システムは、共役ジエンのポリマーおよびコポリマーの二重結合を水素化することができる。
【0010】
欧州特許0,601,953号は、チタン ビス(シクロペンタジエニル)化合物を開示している。これは式CpTi(PhOR)(ここで、ORはアルコキシド基)や式CpTiR(ここで、Rは−CHPPH基)であり、安定性が高く、かつ、穏やかな反応条件で、低濃度の触媒で、還元剤を必要とせずに、共役ジエンのポリマーおよびコポリマーのジエン性二重結合を選択的に水素化することができる。
【0011】
しかし、チタン ビス(シクロペンタジエニル)タイプの触媒の使用は、触媒の分解に追随する、シクロペンタジエンなどの化合物の存在を必要とするが、これは溶媒から分離するのが困難でり、それゆえ、処理の他の工程に悪影響を及ぼす。
【0012】
米国特許5,814,709号は、置換されたまたは置換されないシクロペンタジエニルである、一般式(RCp)(RCp)TiRを有する触媒の使用を開示している。しかし、その活性もまた、金属水素化物やホウ素化合物などの還元剤の使用を必要とする。同様に、スペイン特許公開2,185,467号は、チタン化合物と、少なくとも一つのシランと、少なくとも一つのアルミニウム、リチウム、マグネシウムまたは銅の有機金属化合物とを含む複雑な触媒組成物を開示している。(CpTiRのタイプである。ここで、Cpはシクロペンタジエニル基または式Cである。Rは、H原子、アルキル基、アリールアルキル基またはアリール基である。
【0013】
さらに、中国特許1,373,008号は、一般式(RCp)(RCp)TiRの触媒の使用を開示している。ここで、Rおよび/またはRは、アルキル基(C−C)、シクロアルキル基、またはアリール基である。Rおよび/またはRは、アルキル基(C−C12)、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシル基である。Mは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる遷移金属である。活性ポリマー上で水素化が起こり、水素との反応によって不活性化される。欠点は、水素との反応を完了させるのに必要な時間と、水素化リチウムとチタンとのモル比が4ないし20になるようにLiHの生成量を調整する必要があることである。この量は、高分子量のポリマーに対しては小さすぎ、低分子量のポリマーに対しては大きすぎる。
【0014】
水素化されたポリマーの製造に産業で広く使われている処理は、通常、
(a) アルキル化リチウムの存在下で、モノマーを溶液重合し、共役ジエンのポリマーまたはコポリマーを生成する工程と、
(b) 反応混合物に、アルコール、フェノール、クロロシランの不活性化化合物を加える工程と、
(c) 水素の存在下で、(b)の不活性化ポリマー溶液に、水素化触媒を加える工程と、
(d) 水素化されたポリマー溶液(c)に水と蒸気を加え、蒸留により溶液を除去し、水を分離してポリマーを乾燥させる工程と、
(e) 新しい重合・水素化サイクルにて再使用するための溶媒を回収して精製する工程とを有する。
【0015】
工程(d)において、用いられる触媒は、一般に、チタンシクロペンタジエニル由来であり、容易に加水分解され、溶媒によって広範囲に引きずられるシクロペンタジエンとなる。溶媒の精製工程において、シクロペンタジエンの大半は溶媒から分離されず、溶媒中の不純物となり、そのため、新しい重合・水素化サイクルにて溶媒を再使用するときの問題となる。
【0016】
溶媒に含有されるシクロペンタジエンは、通常、重合開始剤のアルキル化リチウム(n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム)と反応し、これは、重合の活性開始剤の量を不明にする。その結果、必要な仕様外の粘度を持ったポリマーになる。さらに、リチウム開始剤とシクロペンタジエンとの反応の結果、高濃度のリチウム塩が生じ、これにより、ポリマー溶液の塩基性が増大する。ここで、最終製品を保護するために、酸化防止化合物が加えられる。フェノールタイプの酸化防止化合物の安定性が、塩基性媒体の存在により減少することはよく知られており、酸化防止化合物が分解している間に、該酸化防止化合物はキノンタイプの化合物を精製し、強く着色する。これはポリマーの最終的な色に悪影響を及ぼす。
【0017】
より有利で好ましく経済的な水素化処理を行うために、今日の産業は、安定で、簡素で、活性がある、より効果的な均一系触媒であって、水素化されたポリマーから触媒残渣を除去する工程を回避できるよう、その使用が十分低濃度である均一系触媒を必要とするとともに、重合および水素化反応で再利用が可能な処理工程を必要としている。
【0018】
〔発明の概要〕
本発明は、
Cpがシクロペンタジエニル基であり、
とRが、同一または異なるアルキル基(C−C10)であり、
Phがフェニル基であり、
ORがアルコキシル基であるとするとき、
(RCp)(RCp)Ti(PhORタイプのチタン化合物に基づく、
水素化するための均一系触媒に関する。さらに、本発明は、穏やかな反応条件で、化合物の二重結合、より好ましくは共役ジエンのポリマーおよびコポリマーの二重結合を水素化する方法における上記触媒の使用に関する。
【0019】
従来技術に見いだされた触媒に関する上述のすべての欠点を避けるため、また、産業で広く使われている水素化されたポリマーの製造工程から発生する欠点を避けるために、本発明の発明者は、一般式(RCp)(RCp)Ti(PhORを有する均一系チタン触媒が、有機溶媒によく溶け、還元剤無しで高い活性を有すること、および、水素化されたポリマー間の製造工程中に生成した分解産物を除去するのが容易であるという、驚くべき発見をした。基本的に、これらの触媒はポリマーの水素化において非常に活性が高く、さらに、その加水分解産物、これらはポリマーの単離工程において生じる、RCpH、RCpH、HPhORであるが、これらが高い沸点を有し、シクロペンタジエンの沸点および溶媒(通常、シクロヘキサン(沸点80℃))の融点よりもはるかに高い(RCpH、RCpH、5−iPrCpHの沸点(cal.)は123℃であり、5−nBuCpHの沸点(cal.)は146℃であり、などである。HPhORとしては、アニソールの沸点は154℃であり、エトキシベンゼンの沸点は170℃である)。これにより、蒸留によって容易に分離でき、新しい重合・水素化サイクルで用いることができる純粋な溶媒を得ることができる。
【0020】
本発明の新しい系統の触媒は、他のうちで、従来用いられる上述の処理と比較して、以下のような改良点や利点を導入する。
【0021】
1. 重合開始剤の消費を節約できるので、より経済的な処理である。本発明の新しい系統の触媒を用いることによって、水素化されたラバーの製造工程で用いられる溶媒は、アルキル化リチウム(重合開始剤)を消費する不純物としてのシクロペンタジエンを含有しない純粋な溶媒である。
【0022】
2. 溶媒中の不純物レベルの制御をよりよく行うことにより、重合・水素化処理の安定性が増大する。これにより、生産性を上げることができる。チタン ビス(シクロペンタジエニル)タイプの触媒の使用による、溶媒中に含有されるシクロペンタジエンの量は、溶媒が再利用される回数とともに増加し、それにより、不純物のレベルを制御することが困難になる。本発明の新しい系統の触媒を使用するときには、溶媒中にシクロペンタジエンが存在しないので、溶媒再利用サイクルの数にかかわらず、不純物のレベルを制御するのが容易である。
【0023】
3. 溶媒中の触媒の分解により生じる副産物がないので、品質要件(仕様の条件)を満たす製品の数が増加する。
【0024】
4. 色が改善するので、最終製品の品質が向上する。
【0025】
さらに、本発明の触媒は、作成された後数ヶ月間非常に安定で活性を維持するという、さらなる利点を有する。
【0026】
本発明での意味に関し、用いられる用語の定義のいくつかを以下に述べる。
【0027】
「アルキル」とは、脂肪族の直線状または分岐状の側鎖であって、3ないし10個の炭素原子を有するものである。例えば、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチルなどである。好ましくは、アルキル基は、3ないし6個の炭素原子を有する。
【0028】
「アルコキシル」とは、Rをアルキル(C−C)とするとき、式−ORを有する基であり、例えば、メトキシル、エトキシル、プロポキシルなどである。好ましくは、アルコキシルは、メトキシルまたはエトキシルである。
【0029】
「アルキルスチレン」とは、上述のように4位においてアルキル基(C−C10)で置換されたスチレン基である。
【0030】
それゆえ、本発明の第1の特徴は、
不飽和化合物を水素化するための均一系水素化触媒(以下、本発明の触媒)であって、
Cpがシクロペンタジエニルであり、
とRが、同一または異なるアルキル基(C−C10)であり、
Phがフェニル基であり、
ORがアルコキシル基(C−C)であるとするとき、
一般式
(RCp)(RCp)Ti(PhOR
を有する触媒に関する。
【0031】
好ましい実施形態では、RとRとは、同一または異なるアルキル基(C−C)である。他の好ましい実施形態では、ORはメトキシル基またはエトキシル基である。
【0032】
本発明の触媒の具体例は、以下の化合物:
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン (n−プロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン (n−ブチルシクロペンタジエニル)(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン (イソプロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン (n−プロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン (n−ブチルシクロペンタジエニル)(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン (イソプロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
を含んでいるが、これらに限定されない。
【0033】
さらに好ましい実施形態では、本発明の触媒は、チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)の式を有する。
【0034】
本発明の第2の特徴は、不飽和化合物の水素化のための本発明の触媒の使用に関する。好ましくは、これらの化合物は、二重結合を含有するポリマーまたはコポリマーであり、より好ましくは、ジエンポリマーまたはコポリマーである。
【0035】
本発明に係る、水素化されるジエンポリマーまたはコポリマーは、溶解、乳化、または集合工程において、n陰イオン重合、陽イオン重合、配位重合、ラジカル重合などの従来公知の重合方法によって得ることができる。本発明に係る、水素化されるポリマーまたはコポリマーを生成するのには、陰イオン重合が特に有益である。用いられる好ましい開始剤は、アルキル化リチウムであり、これは、当業者には自明であり、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどである。
【0036】
本発明の第3の特徴は、不飽和結合を含有するポリマー(またはコポリマー)の水素化方法(以下、本発明の方法)に関し、
(a) 不活性溶媒中で、アルキル化リチウムの存在下で、モノマーを溶液重合し、不飽和結合を含有するポリマーまたはコポリマーを生成する工程と、
(b) 水素化されるポリマーに、アルコール、フェノール、クロロシランを含むリストから選ばれる不活性化化合物を加える工程と、
(c) 水素(H)の存在下で、ステップ(b)の溶液に、触媒を加える工程とを有する。
【0037】
触媒の分解産物は、123℃と等しいかまたはそれより高い沸点を有する。本発明の触媒は、水素の存在下で活性であり、還元化合物の存在を要しない。
【0038】
本発明の方法の好ましい実施形態では、上記不活性溶媒は、脂肪族または環式脂肪族の炭化水素、エーテル、または芳香族炭化水素である。さらに好ましくは、この溶媒は、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンまたはこれらの任意の組み合わせを含むリストから選ばれる。
【0039】
本発明の方法の他の好ましい実施形態では、水素化を、50℃ないし140℃の温度で、4barないし25barの水素圧力で行う。
【0040】
使用される触媒の量は重要ではなく、広範囲に変更することができるが、水素化されるポリマー100gにつき、0.001ないし10ミリモルであることが必要である。水素化されるポリマー100gにつき、10ミリモルより多いと、水素化は行えるが、非経済的であり、触媒残渣を分離する工程が必要になる。本発明の方法のさらに他の好ましい実施形態では、使用される触媒の量は、水素化されるポリマー100gにつき、0.01ないし2ミリモルである。
【0041】
好ましくは、本発明の水素化方法で用いられる、不飽和結合を含有するポリマーまたはコポリマーは、ジエンポリマーまたはジエンコポリマーであり、さらに好ましくは、ビニル芳香族炭化水素を含有する。これらのポリマーは、平均分子量(Mw)が、500g/モルないし1,000,000g/モルである。
【0042】
本発明の方法の他の好ましい実施形態では、水素化されるポリマーは、
(a) 1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンを含む基からの少なくとも一つのモノマー、および
(b) スチレン、α−メチルスチレン、4−アルキルスチレンまたはこれらの任意の組み合わせを含む基からの少なくとも一つのモノマー
からなるコポリマーである。
【0043】
本発明の方法の他の好ましい実施形態では、上記コポリマーは、共モノマーがポリマー側鎖に沿ってランダムに分布した統計的コポリマー、または、純粋なまたは逐次型ブロックコポリマーである。さらに好ましくは、これらのコポリマーは、(a)少なくともスチレンおよび/または4−アルキルスチレンと、(b)少なくともブタジエンおよび/または、イソプレンとによって形成される。
【0044】
本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、上記コポリマーは、直線状、分岐状、放射状ブロックコポリマーまたはそれらの任意の組み合わせ、または星型ブロックコポリマーである。星型ブロックコポリマーは、直線状のブロックコポリマーをカップリング剤で結合することによって得られる。ブロックコポリマーは、そのいくつかが、産業上の観点から有益な熱可塑性エラストマーであるため、特に興味深い。
【0045】
本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、上記コポリマーは、
スチレン、4−アルキルスチレンまたはこれらの混合物からなる少なくとも一つのポリマーブロックAと、
1,3−ブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物からなる少なくとも一つのポリマーブロックBと、
を含有するブロックコポリマーである。
【0046】
本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、上記コポリマーのブロックAの重量割合が、最終的なコポリマーの10%ないし90%であり、上記ブロックBにおける1,2−ビニル単位の重量割合が8%ないし90%である。
【0047】
このような特徴を有するブロックコポリマーが水素化されると、ポリジエンブロックがポリオレフィンブロックに変換され、コポリマーが熱可塑性エラストマーとして振る舞い、酸化および経年変化に対してより安定になる。
【0048】
水素化反応は、撹拌タンクタイプの反応器や、ループタイプの反応器でも行える。ループタイプの反応器では、水素化される液体混合物が反応器から抽出されて、ポンプによって、熱交換機を介して循環させられ、反応器に再導入され、水素と接触して配置される。本発明の方法の他の好ましい実施形態では、水素化反応は、バッチ、連続、または準連続反応として行われる。
【0049】
本発明の方法のさらに他の好ましい実施形態では、1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の95%以上が水素化され、本発明の触媒の高い選択性により、芳香核は感知できるほどには水素化されない(スチレンまたはアルキルスチレン単位の1%以下)。ある場合には、1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の50%以上で、二重結合を部分的に水素化することが好ましい。これは、触媒のタイプ、濃度、温度、水素圧力、反応時間などの反応条件を適切に選択することによって、本発明の枠組み内で容易に実現できる。
【0050】
さらに、本発明は、本発明の処理に係る、不飽和結合の水素化の程度を選択的に制御することに関する。水素化の程度の制御は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)や赤外スペクトル(IR)など、よく知られた分析技術によって実行できる。好ましくは、水素化程度の選択的制御は、NMRによって実行される。
【0051】
それゆえ、本発明の方法の他の好ましい実施形態では、水素化は、少なくとも、
(i) 1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の不飽和結合の50%以上、好ましくは95%以上と、
(ii) スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の不飽和結合の1%以下と、
に対して選択的に行われる。
【0052】
本発明の方法の他の好ましい実施形態では、水素化は、
(i) 1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の不飽和結合の50%ないし99.9%、好ましくは95%ないし99.9%と、
(ii) スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の不飽和結合の0.01%ないし1%と、
に対して選択的に行われる。
【0053】
部分的に水素化されたジエンポリマーは、ポリマー混合物における混和剤として、また、ラバーの加工性を改善する添加剤として、また、潤滑油の凝固点を改善する添加剤として、興味深い適用である。
【0054】
本発明の方法によって得られる水素化製品は、例えば蒸留、沈殿などの当業者に知られた処理によって溶媒から分離することができる。特に、水素化されるポリマーおよび/またはコポリマーは、例えば、以下のような当業者に知られたいくつかの方法によって溶媒から分離できるが、これに限定されない。
1. 水素化された溶液と、アセトンやメタノールなどの極性溶媒とを接触させることによる。これは、これらの溶媒がポリマーをあまり溶解しないので、沈殿が生じ、物理的分離が可能になるからである。
2. 水素化された溶液と、水と蒸気とを接触させることによる。そして、蒸発により溶媒を除去し、水を分離してポリマーを乾燥させる。
3. 溶媒を直接蒸発させる。
【0055】
明細書と請求項において、「含む」という単語やその変種は、他の技術的特徴、添加剤、成分、工程を排除することを意図しない。当業者にとっては、本発明の他の目的、利点、特徴は、部分的には本発明の明細書から、また部分的には本発明の実施から生まれる。目的を説明するために以下の例を示すが、これは本発明を限定することを意図しない。
【0056】
〔実施例〕
本発明は、発明者によって実行される分析によって以下のように説明される。これは、本発明の触媒の特異性と有効性とを立証している。
【0057】
〔A. 本発明の触媒〕
〔実施例1 触媒の調製〕
すべての操作は、以下の従来のSchlenk技術によって、窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気中で行った。ナトリウムとベンゾフェノンでの蒸留によってTHFを乾燥させ、金属ナトリウムでの蒸留によってヘキサンとトルエンとを乾燥させた。すべての溶媒は、使用前に脱気した。
【0058】
(a) 触媒前駆体(RCp)(RCp)TiClの調製
(a.1.) Sigma−Aldrich触媒前駆体(iPrCp)TiClを得て、一般に認められたものとして用いた。
【0059】
H NMR(CDCl,298K,500MHz):δ6.42(m,4H),6.35(m,4H),3.25(sept,2H),1.58(m,4H),1.23(d,12H)であった。
【0060】
(a.2.) 触媒前駆体(nBuCp)TiClの調製。
【0061】
〔nBuCpHの調製〕
窒素と真空サイクルとによって前もって制御された1リットルフラスコに、2.4MのCpNaを575ミリリットル(1.38モル)と、NaIを1.03g(6.87ミリモル)とを加えた。混合物を10分間撹拌した後、温度を8℃に下げ、1−臭化ブタンの148.5ミリリットル(1.38モル)をゆっくりと加え、内部の反応温度が15℃を超えない状態を確保した。反応混合物を室温で6時間維持し、25℃で真空下、一定重量になるまでTHFを除去した。続いて、懸濁液を、ヘキサン300ミリリットルで抽出した。25℃で真空下、残渣の重量が168g(理論重量)または一定重量になるまで、濾液からヘキサンを除去した。
【0062】
まず40℃で、次いで温度を110℃に上げて、真空下、Vigreuxカラムで残渣を蒸留した。生成物は、NMRの結果によれば、異性体の混合物である。
【0063】
収率は、77.3g、46%であった。
【0064】
〔nBuCpNaと(nBuCp)TiClの調製〕
窒素と真空サイクルとによって前もって制御された250ミリリットルフラスコに、鉱物油中におけるHNaの60%分散液3.62グラム(89.87ミリモル)を加え、ヘキサン40ミリリットルで洗浄し、乾燥THFを35ミリリットル加えた。乾燥THFの35ミリリットル中のBuCpHの11.55グラム(94.6ミリモル)の溶液をこの懸濁液に25℃でゆっくりと加えた。温度を50℃に上げ、さらに3時間、反応のために放置した。その後、すべてのHNaが消費され、泡立て器にはHの放出は見られなかった。この後、反応混合物を−15℃に冷却し、TiClの4.70ミリリットル(42.57ミリモル)をゆっくりと加えた。添加が終わったら、懸濁液を、反応のために12時間放置し、深い赤い色の懸濁液を生成した。この後、溶媒を除去して乾燥させた。反応混合物に乾燥トルエンの150ミリリットルを加え、35℃で15分間撹拌し、同じ温度で濾過した。溶媒は乾燥に付され、得られた真っ赤の固形物を、−15℃で、ヘキサン40ミリリットルで洗浄し、少なくとも8時間真空下で乾燥させた。
【0065】
収率は、10.3g、67%であった。
【0066】
H NMR(CDCl,298K,500MHz):δ6.41(m,4H),6.34(m,4H),2.72(t,4H),1.58(m,4H),1.38(m,4H),0.94(t,6H)であった。
【0067】
(b) 触媒(RCp)(RCp)Ti(Ph−4−OMe)の調製
窒素と真空サイクルとによって制御された50ミリリットルのSchlenkフラスコに、4−メトキシフェニル臭化マグネシウムの0.5M溶液の22.5ミリリットルを加えた。溶液を10℃に冷却し、項aで調製した前駆体(RCp)(RCp)TiClの5.1ミリモルを部分的にゆっくりと加え、内部の温度が25℃を超えないようにした。添加が終わったら、20℃ないし22℃で、懸濁液を1時間撹拌し続けた。溶媒を除去して乾燥させ、得られた残渣に、エチルベンゼン19ミリリットルとTHF1ミリリットルとの混合物を加えた。15分間撹拌し、濾過し、得られた深い赤い溶液を水素化反応に用いた。
【0068】
(nBuCp)Ti(Ph−4−OMe)H NMR:(C,298K,500MHz):δ7.04(d,4H),6.77(d,4H),6.06(m,4H),5.91(m,4H),3.52(s,6H),1.98(t,4H),1.34(m,4H),1.23(m,4H),0.84(t,6H)であった。
【0069】
(iPrCp)Ti(Ph−4−OMe)H NMR(C,298K,500MHz):δ7.05(d,4H),6.78(d,4H),6.05(m,4H),6.00(m,4H),3.50(s,6H),2.21(sept,2H),0.96(d,12H)であった。
【0070】
〔B. ポリマーの水素化〕
開始剤としてn−ブチルリチウムを用い、極性修飾剤としてテトラヒドロフランまたはジエトキシプロパンを用いて、シクロヘキサン中で陰イオン重合によって、水素化されるポリマーを調製した。用いたモノマーは、スチレンと1,3−ブタジエンである。ポリマーの一部を、分析のために溶液から単離した。H−NMRによってポリマーの微細構造を決定した。また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって分子量と多分散性インデックスとを測定した。
【0071】
内部容積2リットルの、温度制御システム、撹拌器および水素流量計を有するとともに窒素と水素の入り口および出口、ポリマー溶液の入り口を有するオートクレーブ反応器中でポリマーの水素化を行った。H−NMRによってポリマーの水素化割合を分析した。
【0072】
〔実施例2 (nBuCp)Ti(Ph−4−OMe)を用いた、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーの水素化〕
モノマーを順次追加し、極性修飾剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、また、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)の1.13ミリモルで活性ポリマーを仕上げることによって、2リットル容積の反応器でシクロヘキサン中の5重量%濃度のスチレン−ブタジエン(SB)コポリマーを調製した。ポリマーの一部を単離し、その重量組成を分析した。結果は、スチレン(30%)、ブタジエン(70%)(ポリブタジエン内のビニル含有量:35%)、Mw=60,000g/モル、多分散性インデックス=1.1であった。
【0073】
ポリマー溶液を90℃に加熱し、次いで、ポリマー100グラムあたり0.25ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒を加えた。触媒の合成は実施例1bに記載されている。オートクレーブを水素で10barに加圧し、その著しい消費が観察された。さらに、溶液の温度は125℃に上がった。50分後、反応媒体は水素の消費をやめ、水素化反応が完了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.7%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0074】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0075】
〔実施例3 (iPrCp)Ti(Ph−4−OMe)を用いた、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーの水素化〕
実施例2と同じ重合処理を用いて、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーを調製し、次いで、ポリマー100gあたり1.19ミリモルのチタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)触媒を用いて水素化した。触媒の合成は実施例1bに記載されている。水素化反応の方法と操作条件は実施例2と同じである。
【0076】
反応の30分後、反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの95.8%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0077】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0078】
〔実施例4 低濃度の(nBuCp)Ti(Ph−4−OMe)を用いた、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーの水素化〕
実施例2と同じ重合処理を用いて、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーを調製し、次いで、ポリマー100gあたり0.17ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)触媒を用いて水素化した。水素化反応の方法と操作条件は実施例2と同じである。
【0079】
反応の55分後、水素化反応が終了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.0%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0080】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0081】
〔実施例5 スチレン−ブタジエン 放射状コポリマーの水素化〕
実施例2と同じ重合処理を用いて、モノマーを順次加え、極性修飾剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、テトラクロロシラン(SiCl)で活性ポリマーを結合させることによって、四分岐状のスチレン−ブタジエン コポリマー(SB)を合成した。ポリマーの重量組成は、スチレン(30%)、ブタジエン(70%)(ポリブタジエン内のビニル含有量:21%)、Mw=160,000g/モル、多分散性インデックス=1.39、結合度=87%であった。
【0082】
得られたポリマー溶液について、ポリマー100グラムあたり0.25ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒のみで、水素化反応を行った。水素化反応の方法と操作条件は実施例2と同じである。
【0083】
反応の55分後、水素化反応が終了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.9%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0084】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0085】
〔実施例6 高ビニル スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーの水素化〕
実施例2と同じ重合処理を用いて、モノマーを順次加え、極性修飾剤としてジエトキシプロパンを用いることによって、高ビニルスチレン−ブタジエン直線状ジブロックコポリマー(SB)を合成した。ポリマーの重量組成は、スチレン(30%)、ブタジエン(70%)(ポリブタジエン内のビニル含有量:62%)、Mw=150,500g/モル、多分散性インデックス=1.15であった。
【0086】
得られたポリマー溶液について、ポリマー100グラムあたり0.56ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒で、水素化反応を行った。水素化反応の方法と操作条件は実施例2と同じである。
【0087】
反応の25分後、水素化反応が終了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの97.4%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0088】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0089】
〔実施例7 スチレン−イソプレン ジブロックコポリマーの水素化〕
実施例2と同じ重合処理を用いて、スチレン−イソプレン直線状ジブロックコポリマーコポリマー(SI)を調製した。重量組成は、スチレン(30%)、イソプレン(70%)(1,4−ポリイソプレン内の含有量:90%)、Mw=70,154g/モル、多分散性インデックス=1.36であった。
【0090】
ポリマー溶液を100℃に加熱し、次いで、ポリマー100グラムあたり1.77ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒を加えた。オートクレーブを水素で15barに加圧し、その著しい消費が観察された。さらに、溶液の温度は110℃に上がった。150分後、水素化反応が完了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のイソプレンの82.5%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0091】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0092】
〔実施例8 高分子量スチレン−ブタジエン−スチレン ブロックコポリマーの水素化〕
モノマーを順次追加し、極性修飾剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、また、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)の0.75ミリモルで活性ポリマーを仕上げることによって、2リットル容積の反応器でシクロヘキサン中の12重量%濃度の、ビニル媒体におけるスチレン−ブタジエン−スチレン トリコポリマー(SBS)を調製した。ポリマーの重量組成は、スチレン(25%)、ブタジエン(75%)(ポリブタジエン内のビニル含有量:33.5%)、Mw=248,000g/モル、多分散性インデックス=1.56であった。
【0093】
ポリマー溶液を含有するオートクレーブ反応器は脱気され、繰り返し水素で洗浄された。ポリマー溶液を90℃に加熱し、次いで、ポリマー100グラムあたり0.61ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒を加えた。オートクレーブを水素で10barに加圧し、その著しい消費が観察された。さらに、溶液の温度は125℃に上がった。50分後、反応媒体は水素の消費をやめ、水素化反応が完了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.3%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0094】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0095】
〔実施例9 触媒の安定性:時間〕
実施例2と同じ重合処理を用いて、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーを調製し、次いで、ポリマー100gあたり0.25ミリモルのチタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)触媒を用いて水素化した。用いる触媒は、使用前に75日間5℃で保管した。水素化反応の方法と操作条件は実施例2と同じである。
【0096】
反応の50分後、反応が終了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.5%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0097】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、沸点が123℃より低い触媒分解産物は検出されなかった。
【0098】
〔比較例1 (Cp)Ti(Ph−4−OMe)を用いた、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーの水素化〕
この場合、ポリマー100グラムあたり0.25ミリモルのチタン ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒を用いて、実施例2のポリマー水素化反応を繰り返した。オートクレーブを水素で10barに加圧し、その著しい消費が観察された。さらに、溶液の温度は125℃に上がった。50分後、反応媒体は水素の消費をやめ、水素化反応が完了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.4%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0099】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、267ppmのシクロペンタジエンが検出された。これは、沸点が低いために、精製処理のときに溶媒から分離されなかった。
【0100】
〔比較例2 低濃度の(Cp)Ti(Ph−4−OMe)を用いた、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーの水素化〕
実施例4と同じ重合処理を用いて、スチレン−ブタジエン ジブロックコポリマーを調製し、次いで、ポリマー100gあたり0.17ミリモルのチタン ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)触媒のみを用いて水素化した。水素化反応の方法と操作条件は実施例4と同じである。
【0101】
反応の55分後、反応が終了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.1%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0102】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、175ppmのシクロペンタジエンが検出された。これは、沸点が低いために、精製処理のときに溶媒から分離されなかった。
【0103】
〔比較例3 高分子量スチレン−ブタジエン−スチレン ブロックコポリマーの水素化〕
実施例8と同じ重合処理を用いて、ビニル媒体におけるスチレン−ブタジエン−スチレン トリブロックコポリマーコポリマー(SBS)を調製した。重量組成は、スチレン(23%)、イソプレン(77%)(ポリブタジエン内のビニル含有量:31%)、Mw=245,000g/モル、多分散性インデックス=1.9であった。
【0104】
ポリマー溶液を含有するオートクレーブ反応器は脱気され、繰り返し水素で洗浄された。ポリマー溶液を90℃に加熱し、次いで、ポリマー100グラムあたり0.61ミリモルのチタン ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシフェニル)触媒を加えた。オートクレーブを水素で10barに加圧し、その著しい消費が観察された。さらに、溶液の温度は125℃に上がった。50分後、反応媒体は水素の消費をやめ、水素化反応が完了したと考えられた。反応器を冷却して減圧し、得られたポリマーを、水−蒸気混合物における沈殿によって溶媒から分離し、また、溶媒を回収した。沈殿したポリマーをオーブンで乾燥させ、その微細構造をH−NMRによって分析した。NMRは、元の不飽和のブタジエンの99.7%が水素化され、また、不飽和のスチレンがそのまま残っていることを示した。分子量は、GPCによって決定され、ポリマーの分解が起こっていないことを示した。
【0105】
回収した溶媒をガスクロマトグラフィーFID検出技術によって分析したところ、270ppmのシクロペンタジエンが検出された。これは、沸点が低いために、精製処理のときに溶媒から分離されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和化合物を水素化するための均一系触媒であって、
Cpがシクロペンタジエニルであり、
とRが、同一または異なるアルキル基(C−C10)であり、
Phがフェニル基であり、
ORがアルコキシル基であるとするとき、
一般式
(RCp)(RCp)Ti(PhOR
を有することを特徴とする触媒。
【請求項2】
とRが、同一または異なるアルキル基(C−C)であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
ORがメトキシル基またはエトキシル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒。
【請求項4】
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン ビス(n−ヘキシルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
チタン (n−プロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン (n−ブチルシクロペンタジエニル)(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン (イソプロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)、
チタン (n−プロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−エトキシルフェニル)、
チタン (n−ブチルシクロペンタジエニル)(n−ペンチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−メトキシルフェニル)、
チタン (イソプロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(3−エトキシルフェニル)、
を含むリストから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項5】
チタン ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)−ビス(4−メトキシルフェニル)であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の触媒の使用であって、
不飽和化合物を含有するポリマーを水素化するための触媒の使用。
【請求項7】
不飽和結合を含有するポリマーの水素化方法であって、
水素化反応は、バッチ、連続、または準連続反応であり、
(a) 不活性溶媒中で、アルキル化リチウムの存在下で、モノマーを溶液重合し、不飽和結合を含有するポリマーまたはコポリマーを生成する工程と、
(b) 水素化されるポリマーに、アルコール、フェノール、クロロシランを含むリストから選ばれる不活性化化合物を加える工程と、
(c) 水素(H)の存在下で、ステップ(b)の溶液に、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の触媒を加える工程とを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
上記不活性溶媒が、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンまたはこれらの任意の混合物を含むリストから選ばれることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
水素化を、50℃ないし140℃の温度で、4barないし25barの水素圧力で行うことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
使用される触媒の量が、水素化されるポリマー100gにつき、0.01ないし2ミリモルであることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
水素化されるポリマーが、
(a) 1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンから選ばれる少なくとも一つのモノマー、および
(b) スチレン、α−メチルスチレン、4−アルキルスチレンまたはこれらの任意の組み合わせから選ばれる少なくとも一つのモノマー
からなるコポリマーであることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
上記コポリマーが、ランダムコポリマーまたは純粋なまたは逐次型ブロックコポリマーであり、
コポリマーが、直線状、分岐状、放射状またはこれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記ブロックコポリマーが、
スチレン、4−アルキルスチレンまたはこれらの混合物からなる少なくとも一つのポリマーブロックAと、
1,3−ブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物からなる少なくとも一つのポリマーブロックBと、
を含有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記コポリマーのブロックAの重量割合が、最終的なコポリマーの10%ないし90%であり、
上記ブロックBにおける1,2−ビニル単位の重量割合が8%ないし90%であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の50%以上と、
スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の1%以下とが水素化されることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の95%以上と、
スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の1%以下とが水素化されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
水素化は、少なくとも、
(i) 1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の不飽和結合の50%以上と、
(ii) スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の不飽和結合の1%以下と、
に対して選択的に行われることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
水素化は、少なくとも、
(i) 1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の不飽和結合の95%以上と、
(ii) スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の不飽和結合の1%以下と、
に対して選択的に行われることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
水素化は、
(i) 1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の不飽和結合の50%ないし99.9%と、
(ii) スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の不飽和結合の0.01%ないし1%と、
に対して選択的に行われることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
水素化は、
(i) 1,3−ブタジエンまたはイソプレン単位の不飽和結合の95%ないし99.9%と、
(ii) スチレンまたは4−アルキルスチレン単位の不飽和結合の0.01%ないし1%と、
に対して選択的に行われることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2012−530590(P2012−530590A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515524(P2012−515524)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【国際出願番号】PCT/ES2010/070411
【国際公開番号】WO2010/149812
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511309621)
【氏名又は名称原語表記】DYNASOL ELASTOMEROS,S.A.
【住所又は居所原語表記】P de la Castellana,278−280,E−28046 Madrid,Spain
【Fターム(参考)】