説明

両面印刷システム

【課題】両面印刷システムの提供。
【解決手段】流体排出システムは、レシーバを第一の方向に搬送するように構成されたレシーバ搬送システムと、該レシーバの第一の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第一のセットを備える第一のインクジェツトヘッドアセンブリ20と、該レシーバの第二の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第二のセットを備える第二のインクジェットヘッドアセンブリ30とを含む。該流体排出ノズルの第一のセットは、該第一の方向に実質的に平行である該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本出願は、流体滴排出の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
インクジェット印刷は、衝撃を与えずに、電子デジタル信号に応答して、紙または透明フィルムのような基板上に堆積されるインクの小滴を生成する方法である。様々な業務用または消費者用の応用において、インクレシーバの両面に、エッジからエッジまで印刷されるインクジェット画像を提供する一般的なニーズがある。
【0003】
インクジェット印刷システムは、一般的に、連続ストリームおよびドロップオンデマンドの2つのタイプがある。連続ストリームインクジェットシステムにおいて、インクは、少なくとも1つのオリフィスまたはノズルを介して、圧力下の連続ストリームで吐出される。複数のオリフィスまたはノズルはまた、イメージングスピードとスループットとを増加させるために、使用され得る。インクは、オリフィスから排出され、撹乱され、その結果、オリフィスから定距離で、小滴に分解される。分解点において、帯電インク小滴は、デジタルデータ信号に従って、制御され、オン・オフ切り替えされて印加された電場を通る。帯電インク小滴は、制御可能な電場を通る。この電場は、インク削除(ink deletion)および再循環用の側溝に、あるいは画像を生成するための記録媒体上の特定の位置に、帯電インク小滴を導くために、各小滴の軌道を調整する。画像生成は、電子信号によって制御される。
【0004】
ドロップオンデマンドシステムにおいて、小滴は、例えば、デジタルデータ信号に従って制御された圧電デバイス、音響デバイス、または熱デバイスによって生成された圧力によって、記録媒体上の位置に直接、オリフィスから排出される。インク小滴が記録媒体に置かれない限り、インク小滴は、生成されず、イメージングデバイスのノズルから排出されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
一局面において、本発明は、流体排出システムに関する。該システムは、
レシーバを第一の方向に搬送するように構成されたレシーバ搬送システムと、
該レシーバの第一の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第一のセットを備える第一の流体排出ヘッドであって、該流体排出ノズルの第一のセットは、該第一の方向に実質的に平行である該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される、第一の流体排出ヘッドと、
該レシーバの第二の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第二のセットを備える第二の流体排出ヘッドと
を備える。
【0006】
別の局面において、本発明は、両面インクジェット印刷システムに関する。該システムは、
レシーバを第一の方向に搬送するように構成されたレシーバ搬送システムと、
該レシーバの第一の表面上に、インク滴を堆積するように構成されたインクノズルの第一のセットを備える第一のインクジェットプリントヘッドであって、該インクノズルの第一のセットは、該レシーバの該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される、第一のインクジェットプリントヘッドと、
該レシーバの第二の表面上にインク滴を堆積するように構成されたインクノズルの第二のセットを備える第二のインクジェットプリントヘッドと
を備える。
【0007】
さらに別の局面において、本発明は、流体配送の方法に関する。該方法は、
レシーバを第一の方向に搬送するステップと、
第一の流体排出ヘッドの第一の領域に分布された流体排出ノズルの第一のセットによって、該レシーバの第一の表面上に流体滴を堆積するステップであって、該第一の領域は、該第一の方向と実質的に平行である該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる、ステップと、
第二の流体排出ヘッドの流体排出ノズルの第二のセットによって、該レシーバの第二の表面上に、流体滴を同時に堆積するステップと
を包含する。
【0008】
本システムのインプリメンテーションは、以下の1つ以上を含み得る。流体排出システムは、レシーバを第一の方向に搬送するように構成されたレシーバ搬送システムと、該レシーバの第一の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第一のセットを備える第一の流体排出ヘッドと、該レシーバの第二の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第二のセットを備える第二の流体排出ヘッドとを含む。該流体排出ノズルの第一のセットは、該第一の方向と実質的に平行である該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される。前記ノズルの第一のセットは、前記レシーバの前記第一の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積するように構成され得る。前記第一の流体排出ヘッドは、第一のノズルプレートを含み得、前記流体排出ノズルの第一のセットは、該第一のノズルプレートの中に形成される。前記第二の流体排出ヘッドは、該第一のノズルプレートに実質的に面する第二のノズルプレートを含み得、前記流体排出ノズルの第二のセットは、該第二のノズルプレートの中に形成される。前記第一の流体排出ヘッドの中の前記流体排出ノズルの第一のセットは、前記第二の流体排出ヘッドの中の前記流体排出ノズルの第二のセットと直接対向しない。前記流体排出ノズルの第二のセットは、前記第一の方向と実質的に平行である前記第二の表面のエッジまで少なくとも延びる第二のスワス幅にわたる1つ以上の行に分布され得る。前記第一の方向は、前記第一のノズルプレートまたは前記第二のノズルプレートと実質的に平行であり得る。前記流体排出ノズルの第一のセットは、前記第一の方向と実質的に平行である前記第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一のスワス幅にわたる1つ以上の行に分布され得る。前記ノズルの第二のセットは、前記レシーバの第二の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積するように構成され得る。前記第一の流体排出ヘッドは、第一の流体パターンを前記レシーバの前記第一の表面上に生成し得る。前記第二の流体排出ヘッドは、該第一の流体パターンの鏡像である第二の流体パターンを該レシーバの前記第二の表面上に生成し得る。前記第一の表面と前記第二の表面とは、前記レシーバの対面上にあり得る。
【0009】
実施形態は、以下の利点の1つ以上を含み得る。開示されたインクジェットシステムは、インクレシーバ上に、エッジからエッジまで、両面印刷することが可能である。このシステムは、特に、狭いインクレシーバを扱うのに有益である。開示されるインクジェットシステムは、速乾性インクと互換性を有し、この速乾性インクとともに、両面モードは、高い印刷スループットを提供する。このシステムは、効率的なノズルメンテナンスおよびインク再循環能力を提供し、これらは、インクの無駄を削減し、動作サイクルおよびシステムスループットをさらに改善する。
【0010】
1つ以上の実施形態の詳細は、以下の添付図面および説明に示される。本発明の他の特徴、対象、および利点は、以下の説明および図面から、ならびに請求項から明らかになる。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
レシーバを第一の方向に搬送するように構成されたレシーバ搬送システムと、
該レシーバの第一の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第一のセットを備える第一の流体排出ヘッドであって、該流体排出ノズルの第一のセットは、該第一の方向に実質的に平行である該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される、第一の流体排出ヘッドと、
該レシーバの第二の表面上に流体滴を堆積する流体排出ノズルの第二のセットを備える第二の流体排出ヘッドと
を備える、流体排出システム。
(項目2)
前記ノズルの第一のセットは、前記レシーバの前記第一の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積するように構成される、項目1に記載の流体排出システム。
(項目3)
前記第一の流体排出ヘッドは、第一のノズルプレートを備え、前記流体排出ノズルの第一のセットは、該第一のノズルプレートの中に形成される、項目1に記載の流体排出システム。
(項目4)
前記第二の流体排出ヘッドは、該第一のノズルプレートに実質的に面する第二のノズルプレートを備え、前記流体排出ノズルの第二のセットは、該第二のノズルプレートの中に形成される、項目3に記載の流体排出システム。
(項目5)
前記第一の流体排出ヘッドの中の前記流体排出ノズルの第一のセットは、前記第二の流体排出ヘッドの中の前記流体排出ノズルの第二のセットと直接対向しない、項目4に記載の流体排出システム。
(項目6)
前記流体排出ノズルの第二のセットは、前記第一の方向と実質的に平行である前記第二の表面のエッジまで少なくとも延びる第二のスワス幅にわたる1つ以上の行に分布される、項目4に記載の流体排出システム。
(項目7)
前記第一の方向は、前記第一のノズルプレートまたは前記第二のノズルプレートと実質的に平行である、項目4に記載の流体排出システム。
(項目8)
前記流体排出ノズルの第一のセットは、前記第一の方向と実質的に平行である前記第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一のスワス幅にわたる1つ以上の行に分布される、項目1に記載の流体排出システム。
(項目9)
前記ノズルの第二のセットは、前記レシーバの第二の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積するように構成される、項目1に記載の流体排出システム。
(項目10)
前記第一の流体排出ヘッドは、第一の流体パターンを前記レシーバの前記第一の表面上に生成し、前記第二の流体排出ヘッドは、該第一の流体パターンの鏡像である第二の流体パターンを該レシーバの前記第二の表面上に生成する、項目1に記載の流体排出システム。
(項目11)
前記第一の表面と前記第二の表面とは、前記レシーバの対面上にある、項目1に記載の流体排出システム。
(項目12)
レシーバを第一の方向に搬送するように構成されたレシーバ搬送システムと、
該レシーバの第一の表面上にインク滴を堆積するように構成されたインクノズルの第一のセットを備える第一のインクジェットプリントヘッドであって、該インクノズルの第一のセットは、該レシーバの該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される、第一のインクジェットプリントヘッドと、
該レシーバの第二の表面上にインク滴を堆積するように構成されたインクノズルの第二のセットを備える第二のインクジェットプリントヘッドと
を備える、両面インクジェット印刷システム。
(項目13)
レシーバを第一の方向に搬送するステップと、
第一の流体排出ヘッドの第一の領域に分布された流体排出ノズルの第一のセットによって、該レシーバの第一の表面上に流体滴を堆積するステップであって、該第一の領域は、該第一の方向と実質的に平行である該第一の表面のエッジまで少なくとも延びる、ステップと、
第二の流体排出ヘッドの流体排出ノズルの第二のセットによって、該レシーバの第二の表面上に、流体滴を同時に堆積するステップと
を包含する、流体配送の方法。
(項目14)
前記ノズルの第一のセットによって、前記レシーバの前記第一の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積するステップをさらに包含する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記流体排出ノズルの第一のセットは、第一のスワス幅にわたって、1つ以上の行に分布され、該第一のスワス幅は、前記第一の方向と実質的に平行である前記第一の表面のエッジまで少なくとも延びる、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記ノズルの第二のセットは、第二のスワス幅にわたって、1つ以上の行に分布され、該第二のスワス幅は、前記第一の方向と実質的に平行である前記第二の表面のエッジまで少なくとも延びる、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記ノズルの第二のセットによって、前記レシーバの前記第二の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積するステップをさらに包含する、項目13に記載の方法。
(項目18)
前記流体排出ノズルの第一のセットは、第一のノズルプレートの中に形成され、前記流体排出ノズルの第二のセットは、第二のノズルプレートの中に形成される、項目13に記載の方法。
(項目19)
前記第二のノズルプレートは、前記第一のノズルプレートと実質的に平行である、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第一の表面と前記第二の表面とは、前記レシーバの対面上にある、項目13に記載の方法。
(項目21)
前記第一の流体排出ヘッドは、インクジェットプリントヘッドである、項目13に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、マウントプレートの正面から見たときの両面インクジェット印刷システムの部分図を示す。
【図2】図2は、マウントプレートの背面から見たときの図1の両面インクジェット印刷システムの部分図である。
【図3】図3は、図1の両面インクジェット印刷システムの側面図である。
【図4】図4は、第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリのインクノズルおよびノズルプレートの上面図である。
【図5】図5は、第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリのインクノズルおよびノズルプレートの上面図である。
【図6】図6は、第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリからのインクジェットプリントヘッドのインクノズルの位置に対する第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリからのインクジェットプリントヘッドのインクノズルの位置の部分投影上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
図1〜図3に示されるのは、両面インクジェット印刷システム10であり、このシステム10は、マウントポール105によって支持されたマウントプレート100に、装着された様々なコンポーネントを含む。マウントポール105は、プラットフォーム110に固定される。第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリ20、第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリ30、およびインクレシーバ搬送システム50は、マウントプレート100の前面に保たれている。インク貯槽(ink reservoir)201〜204は、マウントプレート100の背面に装着される。
【0013】
図1〜図4を参照すると、第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリ20は、インクジェットプリントヘッド21〜24およびインクマニホルド25を含む。インクジェットプリントヘッド21〜24は、インクマニホルド25からインク流体を受け、順に、インクマニホルド25は、インク貯槽201、202からインクを受ける。インクジェットプリントヘッド21〜24は、コンピュータ250によって、インターフェースボード27およびフレックスプリント28を介して、電子的に制御される。インクジェットプリントヘッド21〜24は、インク排出アクチュエータおよび下向きのノズルプレート401〜404を含み得る。ノズルプレート401〜404のそれぞれは、インク滴を下向きに排出し得る複数のインクノズル421〜424を備える。インクノズル421〜424の各セットは、インクノズル421〜424が、レシーバ上の第一のスワス(swath)幅SW1にわたってインク滴を配置(dispose)し得るように、1つ以上の行に分布され得る。図示されるように、第一のスワス幅SW1は、レシーバの運動方向70に平行に、レシーバのエッジまで、あるいはエッジを越えて拡がり得る。インクジェットプリントヘッド21〜24は、カラーインクジェット印刷を提供するために、異なる着色インク流体を供給され得る。さらに、インクジェットプリントヘッド21〜24のうちの2つ以上は、同じ着色インク流体を供給され得、その対応するインクノズル421〜424は、高解像度のインクジェット印刷を提供するために、オフセット位置に分布され得る。
【0014】
同様に、図1〜図3および図5に示されるように、第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリ30は、インクプレート35からインクを受けるインクジェットプリントヘッド31〜34を含む。順に、インクプレート35は、インク貯槽203、204からインクを受ける。インクジェットプリントヘッド31〜34は、コンピュータ250によって、インターフェースボード37およびフレックスプリント38を介して、電子的に制御される。インクジェットプリントヘッド31〜34は、インクアクチュエータおよび上向きのノズルプレート501〜504をそれぞれ備える。ノズルプレート501〜504のそれぞれは、インク滴を上向きに排出し得る複数のインクノズル521〜524を備える。インクノズル521〜524の各セットは、第二のスワス幅SW2に拡がるレシーバ上に、インクパターンを印刷し得る1つ以上の行に分布され得る。第二のスワス幅SW2は、レシーバの運動方向70に平行に、レシーバのエッジまで、あるいはエッジを越えて拡がり得る。インクジェットプリントヘッド31〜34は、カラーインクジェット印刷を提供するために、異なる着色インク流体を供給され得る。さらに、インクジェットプリントヘッド31〜34のうちの2つ以上は、同じ着色インク流体を供給され得、その対応するインクノズル521〜524は、高解像度のインクジェット印刷を提供するために、オフセット位置に分布され得る。
【0015】
一実施形態において、インクジェットプリントヘッド21〜24およびインクジェットプリントヘッド31〜34は、ノズルプレート401〜404とノズルプレート501〜504とが、実質的に対向し、互いに平行に、対向するように配置される(図6および図1)。これは、第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリ20と第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリ30とが、レシーバの対面上に印刷するようにするためである。したがって、第一および第二のインクジェットアセンブリは、同時にレシーバの対面上に印刷し得る。例えば、インクノズル521〜524は、インク滴をノズルプレート401〜404に向けて排出し得る。同様に、インクノズル421〜424は、インク滴をノズルプレート501〜504に向けて排出し得る。実質的に平行なノズルプレート401〜404とノズルプレート501〜504との間のギャップは、インクレシーバ60の厚さに応答して、調整され得る。そのギャップは、典型的に、0.2〜2.0cmの範囲をレシーバ60の厚さに加えたものである。
【0016】
図4〜図6の上面図に示されるように、インクノズル421〜424およびインクノズル521〜524は、その横方向の(lateral)位置でオフセットされる。換言すれば、インクノズル421〜424およびインクノズル521〜524は、互いに直接対向していない。例えば、インクノズル421〜424およびインクノズル521〜524は、各ノズルが対向するノズルプレートのノズル間のギャップを向くように、相補型チェッカーボード(complimentary checkerboard)パターンで分布され得る。この配置の下に、インクノズル521〜524から排出されるインク滴は、インクノズル421〜424の外側のエリアの中で、ノズルプレート401〜404によって、キャプチャされ得る。同様に、インクノズル421〜424から排出されるインク滴は、インクノズル521〜524の外側のエリアの中で、ノズルプレート501〜504によって、キャプチャされ得る。対向するノズルプレートによってキャプチャされてプリントヘッドから排出されるインク滴は、それゆえ、ノズルプレートからの滴排出と干渉しない。
【0017】
第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリ20および第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリ30は、スライドベアリングメカニズム81〜84によって、マウントプレート100に保たれる。インクジェットプリントヘッドアセンブリ20および30の横方向の位置は、スライドベアリングメカニズム81〜84によって調整され得る。それは、インクジェットプリントヘッド21〜24上のインクノズル421〜424が、インクジェットプリントヘッド31〜34上のインクノズル521〜524とのオフセット位置で、インクノズル521〜524と直接向かい合わない位置に移動することが可能となるようにするためである。インクジェットプリントヘッド21〜24およびインクジェットプリントヘッド31〜34に供給されるインクは、異なる色または異なる特性を有し得る。
【0018】
インクレシーバ60は、搬送システム50によって、スライドベアリングメカニズム81〜84によるプリントヘッドアセンブリの搬送の方向に垂直であり得る方向70に駆動され得る。搬送システム50は、レシーバ50を駆動する圧力接触を提供する一対のニップローラ(nip roller)51、52を含む。ニップローラ51、52の回転は、コンピュータ250の制御下のDCモータ53によって、駆動され得る。エンコーダ54は、ニップローラの回転を追跡し、フィードバック信号を提供する。この信号は、DCモータ53を制御して、レシーバ50の均一な動きを確保するために使用され得る。レシーバの運動方向70およびノズルプレート401〜404、501〜504が、図1〜図5に水平に示されているが、上述のシステムは、他の向きの構成を備えて、互換性を有する。例えば、ノズルプレートおよびレシーバの運動は、垂直方向に平行であり得る。
【0019】
印刷動作において、インクレシーバ60は、ノズルプレート401〜404とノズルプレート501〜504との間に形成されるギャップを介して搬送される。インクノズル421〜424は、インクレシーバ60の上表面の上に、インク滴を排出し、配置するように、適合される。同様に、ノズルプレート501〜504におけるインクノズル521〜524は、インクレシーバ50の下表面の上に、インク滴を排出し、配置するように、適合される。一実施形態(図4)において、レシーバ50の幅RWは、第一の印刷スワス幅SW1または第二の印刷スワス幅SW2の少なくとも一方の幅より狭いか、あるいはその双方の幅より狭い。インクジェットプリントヘッド21〜24およびインクジェットプリントヘッド31〜34は、したがって、レシーバ50の上表面と下表面との上に、それぞれエッジからエッジまで、印刷し得る。結果として、エッジからエッジまでの両面印刷は、レシーバ60が方向70に搬送されるとき、レシーバ60上で達成され得る。
【0020】
インクレシーバ50のエッジの外側の軌道を有して排出されたインク滴は、オーバースプレイ(over−spray)と称され得る。一実施形態において、オーバースプレイは、対向するインクジェットプリントヘッドのノズルプレートによって、キャプチャされ得る。オーバースプレイは、インクノズルの外側の対向するノズルプレートのエリアに着地する。なぜなら、対向するノズルプレートのインクノズルは、互いに直接対向しないからである(図4〜図6)。
【0021】
一実施形態において、オーバースプレイは、対向するノズルプレート上に蓄積され得、次いで、インクノズルの中に引き込まれる。これによって、通常のエッジからエッジまでのインクジェット印刷におけるインクの無駄を削減する。対向するノズルプレート上で、追加のインク除去または洗浄は、要求されない。ノズルプレート上の過剰なインク除去の詳細は、同一出願人による米国特許出願第10/749,622号(発明の名称「Drop ejection assembly」、Barssらにより、2003年12月30日出願)、同一出願人による米国特許出願第10/749,829号(発明の名称「Drop ejection assembly」、Hoisingtonらにより、2003年12月30日出願)、同一出願人による米国特許出願第10/749,816号(発明の名称「Drop ejection assembly」、Biblらにより、2003年12月30日出願)、および同一出願人による米国特許出願第10/749,816号(発明の名称「Drop ejection assembly」、Battertonらにより、2003年12月30日出願)に、開示されている。これらの出願の開示は、本明細書に、参考として援用される。
【0022】
上述されたシステムは、ブラインド用ウッドスラット(wood slat)およびマスキング用コネクタピンのような狭いインクレシーバ上への両面印刷に有益である。このような狭いインクレシーバの印刷において、画像を適切なサイズにし、インクレシーバをガイドして、エッジからエッジまでカバーすることを達成することは、困難である。従来、狭いインクレシーバのない(miss)オーバースプレイは、除去される必要はない。上述のシステムは、両面印刷を提供しながらも、双方の問題を克服する。上述のシステムは、シェード付きブラインド(shaded blind)、人造木材積層板、およびおそらくはマスキングコネクタピンのようなインクレシーバと互換性を有する。また、このシステムは、半透明フィルム上のバックライトアプリケーション(backlit application)にも有用である。
【0023】
別の実施形態において、ノズルプレート401〜404およびノズルプレート501〜504の近傍は、印刷中に、ノズルプレートの間に、飽和蒸気環境を生成し得る。ノズルプレート401〜404とノズルプレート501〜504との間の高い蒸気濃度と、レシーバ60とは、蒸発の速度を抑制し、これによって、速乾性インクの使用が可能になる。速乾性インクを使用すると、インクが斑点状になる(mottling)こと、およびインクが癒着すること(coalescence)のような画像アーチファクトが減少し、このことは、高い印刷スループットのアプリケーションに有益である。
【0024】
第一のインクジェットプリントヘッドアセンブリ20と第二のインクジェットプリントヘッドアセンブリ30とは、対称的な画像パターンが、インクレシーバ60の上表面と下表面との上に印刷され得るように、コンピュータ250から同じ画像の鏡像をそれぞれ受け得る。さらに、異なる画像もまた、インクレシーバ60の上表面と下表面との上に印刷され得る。
【0025】
別の実施形態において、印刷していない期間に、インクジェットプリントヘッド21〜24および31〜34は、ノズルが湿った状態を維持するために、互いに、周期的に、インク滴を発射し(fire)得る。このことは、溶媒ベースのインクを備えるプリントヘッドに特に有用である。上述のように、インク滴は、対向するノズルプレートによって、キャプチャされ、インクノズルの中に、引き込まれて戻る。インクノズルのメンテナンスのモードは、システム休止時間をさらに短縮し、両面インクジェット印刷システムのスループットを向上する。
【0026】
バルク脱ガスシステムとの互換性を有するインクタイプは、水ベースのインク、溶媒ベースのインク、染料(dye)ベースのインク、顔料(pigment)ベースのインク、およびホットメルト(hot melt)インクを含む。インク流体は、染料または顔料のような着色剤を含み得る。このシステムと互換性を有する他の流体は、ポリマ溶液、ゲル溶液、粒子または低分子重量分子を含む溶液を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の方向に媒体を搬送するように構成された媒体搬送システムであって、該媒体は、最大幅を有している、媒体搬送システムと、
該第一の方向に実質的に平行である該最大幅のエッジまで少なくとも延びる第一の領域に分布される第一のセットのノズルを含む第一の流体排出ヘッドと、
第二のセットのノズルを含む第二の流体排出ヘッドと、
該第一の流体排出ヘッドが該媒体上に流体滴を排出する前に、該第一の流体排出ヘッドの中の該第一のセットのノズルが該第二の流体排出ヘッドの中の該第二のセットのノズルと直接対向しないように、かつ、該第一のセットのノズルの各ノズルが該第二のセットのノズルのノズル間のギャップを向くように、該第一の流体排出ヘッドの位置を調整する第一の機構と、
該媒体上に流体滴を排出することと、該媒体の最大幅のエッジの外側にオーバースプレイ流体を排出することとを同時に行うように該第一の流体排出ヘッドを制御するコンピュータと
を含む、流体排出システム。
【請求項2】
前記第二の流体排出ヘッドが前記媒体上に流体滴を排出する前に、前記第二のセットのノズルが前記第一のセットのノズルと直接対向しないように、該第二の流体排出ヘッドの位置を調整する第二の機構をさらに含み、
前記コンピュータは、該媒体上に流体滴を排出することと、該媒体の最大幅のエッジの外側にオーバースプレイ流体を排出することとを同時に行うように、該第二の流体排出ヘッドを制御するように構成されている、請求項1に記載の流体排出システム。
【請求項3】
前記第一のセットのノズルは、第一のノズルプレートの中に形成され、前記第二のセットのノズルは、第二のノズルプレートの中に形成され、該第一のノズルプレートおよび該第二のノズルプレートは、互いに対向し、かつ、互いに平行である、請求項1に記載の流体排出システム。
【請求項4】
前記第一の流体排出ヘッドは、前記媒体の第一の表面上に印刷するように構成されており、前記第二の流体排出ヘッドは、該第一の表面の反対側の該媒体の第二の表面上に印刷するように構成されている、請求項1に記載の流体排出システム。
【請求項5】
前記第二のセットのノズルは、前記第一の方向に実質的に平行である前記最大幅のエッジまで少なくとも延びる第二の領域に分布される、請求項1に記載の流体排出システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記媒体の第一の表面上および前記媒体の第二の表面上に同時に流体滴を堆積するように、前記第一の流体排出ヘッドおよび前記第二の流体排出ヘッドを制御するように構成されている、請求項4に記載の流体排出システム。
【請求項7】
前記第一の表面上に堆積された前記流体滴は、第一の流体パターンを形成し、前記第二の表面上に堆積された前記流体滴は、該第一の流体パターンの鏡像である第二の流体パターンを形成する、請求項6に記載の流体排出システム。
【請求項8】
流体送達の方法であって、該方法は、
第一の方向に媒体を搬送することであって、該媒体は、最大幅を有している、ことと、
第一の流体排出ヘッドの第一のセットの流体排出ノズルが第二の流体排出ヘッドの第二のセットの流体排出ノズルと直接対向しないように、かつ、該第一のセットの流体排出ノズルの各ノズルが該第二のセットの流体排出ノズルのノズル間のギャップを向くように、該第一の流体排出ヘッドの位置を調整することと、
該第一のセットの流体排出ノズルによって、該第一の方向に実質的に平行である第一の表面のエッジまで該媒体の第一の表面上に流体滴を堆積することと、該第一の表面のエッジの外側にオーバースプレイ流体を堆積することとを同時に行うことと、
該第二のセットの流体排出ノズルによって、該媒体の第二の表面上に流体滴を堆積することであって、該第二の表面は、該第一の表面に対向している、ことと
を含む、方法。
【請求項9】
前記第一のセットのノズルによって、前記媒体の前記第一の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第二の表面上に流体滴を堆積することと、前記第二の表面のエッジの外側にオーバースプレイ流体を堆積することとを同時に行うことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第二のセットのノズルによって、前記媒体の前記第二の表面上に、エッジからエッジまで、流体滴を堆積することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第二のセットの流体排出ノズルが前記第一の流体排出ヘッドの中の前記第一のセットの流体排出ノズルと直接対向しないように、かつ、該第二のセットの流体排出ノズルの各ノズルが該第一のセットの流体排出ノズルのノズル間のギャップを向くように、前記第二の流体排出ヘッドの位置を調整することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のセットの流体排出ノズルは、第一のノズルプレートの中に形成され、前記第二のセットの流体排出ノズルは、第二のノズルプレートの中に形成され、該第一のノズルプレートおよび該第二のノズルプレートは、互いに対向し、かつ、互いに平行である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第一のセットの流体排出ノズルおよび前記第二のセットの流体排出ノズルによって、前記媒体の第一の表面上および前記媒体の第二の表面上に流体滴が同時に堆積される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記第一の表面上に堆積された前記流体滴は、第一の流体パターンを形成し、前記第二の表面上に堆積された前記流体滴は、該第一の流体パターンの鏡像である第二の流体パターンを形成する、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−176622(P2012−176622A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105902(P2012−105902)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2007−553295(P2007−553295)の分割
【原出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】