説明

両面粘着シートおよび液晶表示装置

【課題】液晶表示装置における液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートであって、強固な接着力により優れた接着信頼性を有し、なおかつ、加熱処理により、容易に剥離させることが可能であるため、リワーク性にも優れている両面粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の両面粘着シートは、液晶表示装置における液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートであって、熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を少なくとも1層有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面粘着シートおよび該シートを用いた液晶表示装置に関する。より詳細には、携帯電話や携帯情報端末(PDA)用途等に用いられる点灯・外光両用型の液晶表示装置(LCD)において、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等に用いられる点灯・外光両用型のLCDにおいては、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットが両面粘着テープ又はシート(以下、「両面粘着シート」と総称する)により固定されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
上記液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットを両面粘着シートで固定する工程は、ユニット形状の多様性により機械による貼り合わせは困難なため、主に手作業で行われている。このため、貼り合わせ時に位置ズレが生じることがあり、上記ユニット同士を剥離しなければならない場合がある。また、貼り合わせ工程での異物混入や光学欠点等の品質不良の際にも同様の必要が生じる。しかし、従来の強粘着性の両面粘着シートで固定したユニット同士を剥離しようとすると、液晶モジュールユニットやバックライトユニットに強いストレスがかかり、歪みや割れが生じる場合があり、損失の要因となっていた。これらの問題は、近年のLCDの小型化、薄型化によりさらに顕著なものとなってきている。
【0004】
上記の通り、貼り合わせ不良などが生じた際のリワーク性(易解体性)を向上させるために、剥離性のよい両面粘着シートが要求されている。しかしながら、粘着力を低下させて易剥離性を得ようとすると、接着信頼性が低下し品質低下を招くため問題であった。即ち、リワーク性と強接着による接着信頼性の両立は未だ達成されていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】特開2002−249741号公報
【特許文献2】特開2002−23663号公報
【特許文献3】特開2002−235053号公報
【特許文献4】特開2004−59723号公報
【特許文献5】特開2005−213282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、LCDにおける液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートであって、貼り合わせ時の位置ズレや異物混入などが生じても、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットをストレスなく再剥離して、再利用できる両面粘着シートを提供することにある。
また、本発明は、前記両面粘着シートにより、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットを固定することにより得られた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、LCDにおける液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートとして、熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を有する両面粘着シートを用いることにより、強接着性と易剥離性を両立し、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。また、上記両面粘着シートを用いて液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットを固定して得られた液晶表示装置によれば、易回収性の効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、液晶表示装置における液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートであって、熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を少なくとも1層有することを特徴とする両面粘着シートを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、一方の表層に熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を有し、もう一方の表層に熱膨張性微小球を含有しない粘着層を有する前記の両面粘着シートを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、基材の両側の表層に熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を有する前記の両面粘着シートを提供する。
【0011】
さらに、本発明は、遮光性層及び/又は反射性層を有する前記の両面粘着シートを提供する。
【0012】
また、本発明は、前記の両面粘着シートにより、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットが固定されている液晶表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の両面粘着シートによれば、粘着層が強接着性であり、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットが強固に固定されているため、優れた接着信頼性を達成できる。さらに、加熱処理により、容易に剥離させることが可能であるため、リワーク性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0015】
本発明の両面粘着シートは、熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を少なくとも1層有する両面粘着シートである。基材の両面に粘着層が形成された基材付きタイプの両面粘着シートであってもよいし、基材を有しておらず、粘着層のみからなる基材レスタイプの両面粘着シートであってもよい。上記の中でも、ハンドリング性、加工性等の観点からは、基材付きタイプの両面粘着シートがより好ましい。なお、本発明の両面粘着シートは、上記の熱剥離粘着層、基材の他にも、熱膨張性微小球を含有しない粘着層(感圧型接着剤層)、ゴム状有機弾性層やその他の層(例えば、独立した遮光性層や反射性層など)を有していてもよい。また、本発明の両面粘着シートの粘着面は使用までの間、セパレータ(剥離ライナー)が貼着され、保護されていてもよい。
【0016】
図1および図2は本発明の両面粘着シート(基材付きタイプ)の一例を示す概略断面図である。図1の例では、基材1の一方の面に熱剥離粘着層2、もう一方の面に熱膨張性微小球を含有しない粘着層3が設けられ、両粘着層上にセパレータ4が積層されている。図2の例では、基材1の一方の面に、ゴム状有機弾性層5を介して熱剥離粘着層2が設けられ、もう一方の面に熱膨張性微小球を含有しない粘着層3が設けられている。さらに両粘着層上にセパレータ4が積層されている。
【0017】
また、本発明の両面粘着シートは、反射性層及び/又は遮光性層を有していることが好ましい。中でも、少なくとも遮光性層を有していることが好ましい。上記反射性層は、バックライトの光を反射することにより、輝度の向上、光の効率利用による消費電力の低減の効果を発揮する。一方、遮光性層はバックライト光が液晶表示モジュール側にもれることを防ぎ視認性を向上する効果や液晶画面の境界を明瞭にする効果を発揮する。上記、反射性層や遮光性層は、独立した層(例えば、インキ層や蒸着層など)として設けてもよいし、基材などの他の層に反射性及び/又は遮光性を付与することにより設けてもよい。なお、後者の場合には、反射性層及び/又は遮光性層と基材など他の層が同一の層となる場合がある。
【0018】
[基材]
本発明の両面粘着シートが基材付きタイプである場合、基材としては、特に限定されず、各種基材を用いることが可能であり、例えば、布、不織布、フェルト、ネットなどの繊維系基材;各種の紙などの紙系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;各種樹脂によるフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体等の適宜な薄葉体を用いることができる。上記プラスチック系基材の材質又は素材としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。なお、基材は単層の形態を有していてもよく、また、複層の形態を有していてもよい。
【0019】
基材の厚さとしては、特に限定されないが、薄型軽量化と加工性の観点から、4〜70μmが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。
【0020】
本発明の基材は反射性及び/又は遮光性を有する基材であってもよい。基材が、遮光性層(遮光性基材)としての黒色層や、反射性層(反射性基材)としての白色層または銀色層である場合、呈している色に応じて、後述する色材(黒系色材、白系色材や、銀系色材など)を含有していてもよい。また、基材は、遮光性層(遮光性基材)としての黒色層や、反射性層(反射性基材)としての白色層または銀色層でない場合、透明性を有する基材(透明基材)を好適に用いることができる。
【0021】
また、基材の表面には、必要に応じて、熱剥離粘着層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよい。
【0022】
本発明の支持体としては、上記の中でも、ポリエステルなどの極性の高いポリマーなどからなる基材や表面が上記酸化処理等が施された基材などの強接着性基材が好ましい。
【0023】
[ゴム状有機弾性層]
本発明の両面粘着シートには、基材と熱剥離粘着層との間に、ゴム状有機弾性層が設けられていてもよい。ゴム状有機弾性層は、両面粘着シートを被着体に接着する際に、前記粘着シートの表面を被着体の表面形状に良好に追従させて、接着面積を大きくするという機能と、前記粘着シートを被着体から加熱剥離する際に、熱剥離粘着層(熱膨張性層)の加熱膨張を高度に(精度よく)コントロールし、熱剥離粘着層を厚さ方向へ優先的に且つ均一に膨張させる機能とを有する。
【0024】
ゴム状有機弾性層は、上記機能を具備させるため、例えば、ASTM D−2240に基づくD型シュアーD型硬度が、50以下、特に40以下の天然ゴム、合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂により形成することが好ましい。
【0025】
前記合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂としては、例えば、ニトリル系、ジエン系、アクリル系などの合成ゴム;ポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなどのゴム弾性を有する合成樹脂などが挙げられる。なお、ポリ塩化ビニルなどのように本質的には硬質系ポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組み合わせによりゴム弾性が発現しうる。このような組成物も、前記ゴム状有機弾性層の構成材料として使用できる。また、後述の熱剥離粘着層を構成する粘着剤等の粘着性物質などもゴム状有機弾性層の構成材料として好ましく用いうる。なお、ゴム状有機弾性層と熱膨張性微小球を含有しない粘着層は全く同一の組成であってもよいが、その場合には、両面粘着テープの表層である場合には粘着層、表層以外の内層である場合(特に基材と熱剥離粘着層との間に位置する場合)にはゴム状有機弾性層と定義される。
【0026】
ゴム状有機弾性層の厚さは、一般的には500μm以下(例えば、1〜500μm)である。両面粘着シートを携帯電話等の薄型、小型の液晶表示装置に用いる場合には、薄型軽量化の観点から、10〜50μmが好ましい。
【0027】
ゴム状有機弾性層は、通常透明であるが、遮光性層としての黒色層や、反射性層としての白色層または銀色層である場合、前記基材の場合と同様、呈している色に応じて、後述する色材(黒系色材、白系色材や、銀系色材など)を含有していてもよい。
【0028】
ゴム状有機弾性層の形成は、例えば、前記天然ゴム、合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂などの弾性層形成材を含むコーティング液を基材上に塗布する方式(コーティング法)、前記弾性層形成材からなるフィルム、又は予め1層以上の熱剥離粘着層上に前記弾性層形成材からなる層を形成した積層フィルムを基材と接着する方式(ドライラミネート法)、基材の構成材料を含む樹脂組成物と前記弾性層形成材を含む樹脂組成物とを共押出しする方式(共押出法)などの適宜な方式で行うことができる。後述の熱剥離粘着層や熱膨張性微小球を含有しない粘着層も同様の方法で形成することができる。
【0029】
なお、ゴム状有機弾性層は、天然ゴムや合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂を主成分とする粘着性物質で形成されていてもよく、また、かかる成分を主体とする発泡フィルム等で形成されていてもよい。発泡は、慣用の方法、例えば、機械的な攪拌による方法、反応生成ガスを利用する方法、発泡剤を使用する方法、可溶性物質を除去する方法、スプレーによる方法、シンタクチックフォームを形成する方法、焼結法などにより行うことができる。ゴム状有機弾性層は単層であってもよく、2以上の層で構成してもよい。
【0030】
[熱剥離粘着層]
本発明の両面粘着シートは、少なくとも1層の熱剥離粘着層を有する。本発明の熱剥離粘着層は、粘着性を付与するための粘着剤、及び熱膨張性を付与するための熱膨張性微小球(マイクロカプセル)を含んでいる。熱剥離粘着層は、加熱することにより、熱膨張性微小球が発泡及び/又は膨張し、被着体と粘着層の接着面積が減少するため、粘着力が急激に低下し、粘着シートを容易に剥離することが可能となる。これによって、未加熱の状態では強接着性を有しながら、剥離の際には加熱により易剥離性を発揮できるためリワーク性にも優れる。なお、マイクロカプセル化していない発泡剤では、良好な剥離性を安定して発現させることができない。
【0031】
本発明の熱剥離粘着層は両面粘着テープの表層(最表層)に位置することが好ましいが、表層以外の内層に位置していてもよい。その場合には、熱膨張性微小球を含んでおり、テープの最表層に熱剥離性を与える役割を有する層であれば、本発明の熱剥離粘着層とする。
【0032】
前記粘着剤としては、加熱時に熱膨張性微小球の発泡及び/又は膨張を可及的に拘束しないようなものが好ましい。該粘着剤として、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる(例えば、特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特開昭56−13040号公報等参照)。粘着剤は、粘着性成分(ベースポリマー)のほかに、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート、アルキルエーテル化メラミン化合物など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0033】
一般には、前記粘着剤として、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤;(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステルなどのC1-20アルキルエステルなど)の1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系重合体(単独重合体又は共重合体)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤などが用いられる。
【0034】
なお、前記アクリル系重合体は、凝集力、耐熱性、架橋性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の単量体成分に対応する単位を含んでいてもよい。このような単量体成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子などを有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどの多官能モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー等が挙げられる。これらの単量体成分は1種又は2種以上使用できる。
【0035】
なお、加熱処理前の適度な接着力と加熱処理後の接着力の低下性のバランスの点から、より好ましい粘着剤は、動的弾性率が常温から150℃において5万〜1000万dyn/cm2の範囲にあるポリマーをベースとした感圧接着剤である。
【0036】
本発明の熱剥離粘着層に用いられる熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、松本油脂製薬(株)製、商品名「マイクロスフェアー F30D、F50D」や日本フィライト(株)製、商品名「エクスパンセル 461−40DU」などの市販品を使用することも可能である。
【0037】
加熱処理により粘着層の接着力を効率よく低下させるため、体積膨張率が5倍以上、なかでも7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する熱膨張性微小球が好ましい。
【0038】
熱膨張性微小球の配合量は、粘着層の膨張倍率や粘着力(接着力)の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱剥離粘着層を形成するベースポリマー(例えば、アクリル系の粘着剤である場合にはアクリルポリマー)100重量部に対して、例えば1〜200重量部、好ましくは10〜160重量部、さらに好ましくは30〜80重量部である。上記熱膨張性微小球の配合量が1重量部未満では、十分な易剥離性を発揮することができない場合があり、配合量が200重量部を超えると、接着性が低下する場合がある。特に本発明においては、引き剥がし部材(被着体)が破壊しない程度に容易に剥離できればよく、かつ、薄い熱剥離粘着層を形成させる場合は、熱膨張性微小球の配合量をある程度少なく抑えることが表面状態を安定的に形成しやすいため好ましい。この点からは、完全剥離(粘着力がゼロとなる)のために必要な配合量の半分程度の配合量(30〜80重量部)が最適である。
【0039】
本発明の熱剥離粘着層の熱膨張開始温度は、液晶表示装置における液晶表示モジュールユニットやバックライトユニットに使用されている部材の耐熱性などに応じて適宜決定され、特に限定するものではないが、一般的には、70〜160℃、好ましくは75〜110℃、さらに好ましくは90〜100℃である。熱膨張開始温度が70℃未満では、例えば携帯電話用途などにおいて、LCDが高温環境に曝された場合に、粘着層に熱膨張が生じて接着力が低下し、高温環境における接着信頼性が低下する場合がある。熱膨張開始温度が160℃を超えると、リワークの際に易剥離性を発現させるためにLCDに高い温度をかける必要が生じるため、バックライトユニットの部材などが熱により変形するなどして、再利用できなくなる場合がある。なお、本発明における「熱膨張開始温度」とは、当該温度で1分間加熱した場合に、50%以上の接着力低下が確認できる最低温度をいう。
【0040】
上記熱膨張開始温度は、熱膨張性微小球の種類や粒径分布などによって適宜制御することができる。特に、分級により、使用する熱膨張性微小球の粒径分布をシャープにすることが有効である。分級方法としては、公知の方法を用いることができ、乾式・湿式のいずれの方法を用いてもよく、分級装置としては、例えば、重力分級機、慣性分級機、遠心分級機など公知の分級装置を用いることが可能である。
【0041】
熱剥離粘着層の厚さは、300μm以下(例えば、1〜300μm)が好ましく、携帯電話等のLCDの薄型軽量化の観点からより好ましくは10〜50μmである。厚さが過大であると、加熱処理後の剥離時に凝集破壊が生じて粘着剤が被着体に残存し、被着体が汚染されやすくなり、リワーク性が低下する場合がある。一方、粘着剤の厚さが過小では、加熱処理による熱剥離粘着層の変形度が小さく、接着力が円滑に低下しにくくなったり、添加する熱膨張性微小球の粒径を過度に小さくする必要が生じる場合がある。
【0042】
熱剥離粘着層は、遮光性層(遮光性粘着層)としての黒色層や、反射性層(反射性粘着層)としての白色層または銀色層である場合、前記基材の場合と同様、呈している色に応じて、後述する色材(黒系色材、白系色材や、銀系色材など)を含有していてもよい。
【0043】
[熱膨張性微小球を含有しない粘着層]
本発明の両面粘着シートの表層には、熱膨張性微小球を実質的に含有しない粘着層(感圧型接着剤層)が設けられていてもよい。該粘着層の粘着剤(感圧型接着剤)成分としては、特に限定されないが、上記ゴム状有機弾性層や熱剥離粘着層で例示されたものなどを用いることができる。
【0044】
上記粘着層と厚さは、300μm以下(例えば、1〜300μm)が好ましく、携帯電話等のLCDの薄型軽量化の観点からより好ましくは10〜50μmである。
【0045】
上記粘着層は、遮光性層(遮光性粘着層)としての黒色層や、反射性層(反射性粘着層)としての白色層または銀色層である場合、前記基材の場合と同様、呈している色に応じて、後述する色材(黒系色材、白系色材や、銀系色材など)を含有していてもよい。
【0046】
[反射性層]
本発明の両面粘着シートの反射性層は、バックライトの光を反射することにより輝度を向上し、また光の効率利用により消費電力を低減する役割を担う層である。反射性層の反射率としては、特に限定されないが、60(%)以上[60〜100(%)]であることが好ましく、より好ましくは70(%)以上であり、中でも80(%)以上であることが好適である。
【0047】
本発明の反射性層としては、例えば、白色を呈している白色層や、銀色を呈している銀色層などが挙げられるが、白色を呈している白色層を好適に用いることができる。白色層において、白色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、75以上(75〜100)[好ましくは80以上(80〜100)、より好ましくは85以上(85〜100)]となる白色系色のことを意味している。なお、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
【0048】
また、銀色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、70〜90(好ましくは72〜88、さらに好ましくは75〜85)となる銀色系色のことを意味している。なお、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
【0049】
なお、本発明において、L***表色系で規定されるL*、a*、b*は、色彩色差計(商品名「CR−200」ミノルタ社製;色彩色差計)を用いて測定することにより求められる。なお、L***表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L***)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L***表色系は、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
【0050】
本発明の反射性層としては、反射性を発揮する層であればよく、例えば、基材、ゴム状有機弾性層や粘着層であってもよいし、その他の、樹脂層(フィルム層等)、インク層(印刷層等)、金属蒸着層などのいずれの層であってもよい。中でも、白フィルム基材、白色印刷層が好ましい。
【0051】
本発明の反射性層が、基材、ゴム状有機弾性層又は粘着層である場合には、前述の各層を形成する際に反射性層の色に応じた色材を含有させることにより、反射層(例えば、反射性基材など)を形成することができる。反射性層が白色層である場合、色材としては、例えば、白色色材を用いることができる。また、反射性層が銀色層である場合、色材として、例えば、銀色色材を用いることができる。上記白系色材や銀系色材としては、顔料、染料などのいずれの色材(着色剤)であってもよいが、顔料を好適に用いることができる。
【0052】
上記白系色材としては、例えば、酸化チタン(ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンなどの二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム,酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなど)、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、硫化亜鉛、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、燐酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、加水ハロイサイト等の無機の白系色材や、アクリル系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、アミド系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、尿素−ホルマリン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子等の有機の白系色材などが挙げられる。白系色材として、蛍光増白剤を用いることもでき、該蛍光増白剤としては、公知の蛍光増白剤から適宜選択することができる。白系色材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
上記銀系色材としては、例えば、銀、アルミニウムなどが挙げられる。銀系色材は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
本発明の反射性層がインク層である場合には、反射層は、上記白系色材又は銀系色材、必要に応じてバインダー、分散剤や溶剤などを含むインク組成物(白色系インク組成物又は銀色系インク組成物)を支持体(例えば、基材など)上に塗工、必要に応じて、乾燥、硬化させることにより形成することができる。
【0055】
上記バインダーとしては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノキシ樹脂、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂など)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、セルロース類(酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂など)、ポリアセタール等の公知の樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂など)などが挙げられる。バインダーは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、溶剤は、色材、バインダーの種類に応じて適宜選択される。
【0056】
上記インク層の形成方法としては、公知慣用のコーティング方法や、各種印刷法(グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法など)を利用した方法などが挙げられる。
【0057】
また、反射性層が樹脂層(フィルム層など)である場合には、反射性層は、樹脂中に上記白系色材又は銀系色材と混合した樹脂組成物を、公知慣用のシート成型方法(押出成型、インフレーション成型、カレンダー成型、溶液キャスト等)によりシート化し、両面粘着シートにおける他の層と積層することにより形成することができる。
【0058】
上記樹脂としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
なお、上記樹脂組成物中には、必要に応じて、例えば、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが含まれていてもよい。
【0060】
さらに、本発明の反射性層が銀色層である場合、反射性層は、銀やアルミニウムなどの銀色系色を呈することが可能な金属成分による蒸着法を利用しても形成することができる。蒸着法としては、減圧蒸着法(真空蒸着法)、物理スパッタリング法、化学スパッタリング法などを採用することができる。
【0061】
反射性層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよいが、反射性をより一層高める観点から、多層の形態を有していることが好ましい。反射性層が多層の形態を有している場合、反射性層の層の数としては、2以上であればよく、例えば、2〜10の範囲から適宜選択することができ、好ましくは2〜6(さらに好ましくは2〜4、特に2)である。
【0062】
反射性層の厚さ(反射性層が多層構造の場合は、多層構造の反射性層全体の厚さ)としては、特に制限されず、例えば、1〜100μm(好ましくは5〜50μm)の範囲から適宜選択することができる。なお、反射性層が印刷層の場合には、1〜15μm程度が好ましく、蒸着層である場合には、例えば、0.3〜2μm(好ましくは0.4〜1μm、さらに好ましくは0.4〜0.5μm)程度が好ましい。
【0063】
[遮光性層]
本発明の両面粘着シートにおける遮光性層は、バックライトの光がLCD表面にもれて、視認不良となることを抑制する役割を担う層である。本発明の遮光性層の透過率は、特に限定されないが、0.3(%)以下[0〜0.3(%)]であることが好ましく、より好ましくは0.1(%)以下[さらに好ましくは0.05(%)以下]であり、中でも0.03(%)以下[特に0.01(%)以下]であることが好適である。
【0064】
本発明では、遮光性層としては、黒色を呈している黒色層が好適である。黒色層において、黒色とは、基本的には、L***表色系で規定されるL*が、35以下(0〜35)[好ましくは30以下(0〜30)、さらに好ましくは25以下(0〜25)]となる黒色系色のことを意味している。なお、L***表色系で規定されるa*やb*は、それぞれ、L*の値に応じて適宜選択することができる。a*やb*としては、例えば、両方とも、−10〜10(なかでも−5〜5)の範囲であることが好ましく、特に、両方とも、0又はほぼ0(−2〜2の範囲)であることが好適である。
【0065】
本発明の遮光性層としては、遮光性を発揮する層であればよく、例えば、基材、ゴム状有機弾性層や粘着層であってもよいし、その他の、樹脂層(フィルム層等)、インク層(印刷層等)などのいずれの層であってもよい。中でも、黒フィルム基材、黒色印刷層が好ましい。
【0066】
本発明の遮光性層は、色材として黒色を呈する色材を用いる以外は、上記反射性層と同様にして形成することができる。上記黒色を呈する色材としては、黒系色材の他、黒系色材、シアン系色材(青緑系色材)、マゼンダ系色材(赤紫系色材)およびイエロー系色材(黄系色材)から選ばれた複数の色材が混合された色材混合物を用いることもできる。
【0067】
上記黒系色材としては、顔料、染料などのいずれの色材(着色剤)であってもよいが、顔料を好適に用いることができる。具体的には、黒系色材としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、松煙など)、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられる。黒系色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0068】
上記シアン系色材において、顔料(シアン系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。また、シアン系色材において、染料(シアン系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45などが挙げられる。
【0069】
また、マゼンダ系色材において、顔料(マゼンダ系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
【0070】
また、マゼンダ系色材において、染料(マゼンダ系染料)としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、同28などが挙げられる。
【0071】
さらにまた、イエロー系色材において、顔料(イエロー系顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20などが挙げられる。また、イエロー系色材において、染料(イエロー系染料)としては、例えばC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162などが挙げられる。
【0072】
上記色材混合物中のシアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の混合割合(含有割合)としては、黒色系色を呈することができれば特に制限されないが、例えば、色材の総量に対して、シアン系色材/マゼンダ系色材/イエロー系色材=10〜50重量%/10〜50重量%/10〜50重量%(好ましくは20〜40重量%/20〜40重量%/20〜40重量%)の範囲から適宜選択することができる。また、必要に応じて、黒系色材を混合してもよい。
【0073】
本発明では、遮光性層は、単層、多層のいずれの形態を有していてもよいが、多層の形態を有していることが好ましい。このように、遮光性層を多層構造とすることにより、より一層、遮光性層の遮光性を高めることができる。なお、遮光性層が多層の形態を有している場合、遮光性層の層の数としては、2以上であればよく、例えば、2〜10の範囲から適宜選択することができ、好ましくは3〜8(さらに好ましくは4〜6、特に4)である。また、遮光性層である黒色フィルム層を、シアン系色材を主として含むシアン系インク組成物によるフィルム層と、マゼンダ系色材を主として含むマゼンダ系インク組成物によるフィルム層と、イエロー系色材を主として含むイエロー系インク組成物によるフィルム層との多層構造により構成してもよい。
【0074】
遮光性層の厚さ(遮光性層が多層構造の場合は、遮光性層全体の厚さ)は、特に制限されないが、例えば、1〜100μm(好ましくは5〜50μm)の範囲から適宜選択することができる。遮光性層が印刷層(遮光性印刷層)である場合、遮光性印刷層の厚さとしては、1〜15μmが好ましい。
【0075】
[両面粘着シート]
本発明の両面粘着シートにおいて、熱剥離粘着層は基材の片面のみならず、両面に形成することもできる。また、必要に応じて、ゴム状有機弾性層も基材の片面又は両面に介在させることができる。さらに、反射性層、遮光性層の他に、例えば、ゴム状有機弾性層と熱剥離粘着層の間などに下塗り層や接着剤層などの中間層を設けてもよい。
【0076】
本発明の両面粘着シートの具体的な層構成としては、例えば、(1)熱剥離粘着層(遮光性熱剥離粘着層)の単層構成;(2)熱剥離粘着層/ゴム状有機弾性層/黒色基材(遮光性基材)/熱膨張性微小球を含有しない粘着層;(3)熱剥離粘着層/ゴム状有機弾性層/黒色基材(遮光性基材)/白色基材(反射性基材)/熱膨張性微小球を含有しない粘着層;(4)熱剥離粘着層/ゴム状有機弾性層/黒色基材(遮光性基材)/白色基材(反射性基材)/ゴム状有機弾性層/熱剥離粘着層;(5)熱膨張性微小球を含有しない粘着層/熱剥離粘着層/ゴム状有機弾性層/基材/熱膨張性微小球を含有しない粘着層;(6)熱膨張性微小球を含有しない粘着層/熱剥離粘着層/ゴム状有機弾性層/基材/ゴム状有機弾性層/熱剥離粘着層/熱膨張性微小球を含有しない粘着層などが好ましく例示されるが、本発明はこれに限定されるものではない。中でも、特に好ましくは、上記(3)の層構成である。
【0077】
本発明の両面粘着シートは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)や小型ゲーム機等で用いられている液晶表示装置(LCD)(特に、小型の液晶表示装置)における液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定用として用いられる。中でも、点灯・外光両用型のLCDに好ましく用いられる。
【0078】
[セパレータ]
本発明の両面粘着シートには、粘着層表面の保護、ブロッキング防止の観点などから、粘着層表面にセパレータ(剥離ライナー)が設けられていてもよい。セパレータは粘着シートを被着体に貼着する際に剥がされるものであり、必ずしも設けなくてもよい。用いられるセパレータとしては、特に限定されず、公知慣用の剥離紙などを使用できる。例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材などを用いることができる。なお、本発明の両面粘着シートが基材レスタイプである場合には、セパレータは、粘着層の支持基材としての役割を果たす。
【0079】
上記セパレータは、本発明の両面粘着テープの両側の表面に設けられてもよいし、片方の粘着面に背面剥離層を有するセパレータを設け、シートを巻回することによって、反対側の粘着面にセパレータの背面剥離層が接するようにしてもよい。
【0080】
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、上記両面粘着シートにより、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットが固定されることによって形成されている。図3は、本発明の液晶表示装置における液晶表示モジュールユニット、バックライトユニット、両面粘着シートの配置を示した概略図である。本発明の液晶表示装置は、バックライトユニット6上に、額縁上に加工された本発明の両面粘着シート7が貼着され、さらにその上に液晶表示モジュールユニット8が貼着固定されている。なお、両面粘着シートのいずれか一方の表層のみが熱剥離粘着層である場合、熱剥離粘着層は液晶表示モジュールユニット及びバックライトユニットのいずれの側に用いてもよく、特に回収したい物を熱剥離粘着層側とすることが好ましい。
【0081】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットが熱剥離性粘着層により固定されているため、一旦固定した液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットとを解体(剥離)する場合に、加熱により熱剥離性粘着層の粘着力が低下し、これらのユニットにストレスを欠けることなく容易に両ユニットを剥離・解体することができる。なお、一旦固定した液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットとを解体する場合としては、例えば、両面粘着シートを貼付する際に位置ズレが生じた場合、液晶表示モジュールユニット、バックライトユニットまたは両面粘着シートに光学欠陥などの不良がある場合、液晶表示モジュールユニット及びバックライトユニットの固定時に異物が混入した場合、使用済みのLCDを回収・解体する場合などが挙げられる。
【0082】
上記、本発明の両面粘着シートを被着体より容易に剥離できるようにするための加熱処理条件は、被着体の表面状態や熱膨張性微小球の種類等による接着面積の減少性、基材や被着体の耐熱性や加熱方法等の条件により適宜設定できる。一般的には、熱風乾燥機などの加熱手法、加熱源を用いて、温度90〜100℃で、10〜300秒間の条件で行う方法などが挙げられる。かかる加熱条件で、熱剥離粘着層の熱膨張性微小球が膨張及び/又は発泡して粘着層が膨張変形し、接着力が低下ないし喪失する。
【0083】
本発明の液晶表示装置は、携帯電話、携帯用情報端末(PDA)、デジタルカメラ、携帯用小型パソコン、携帯用ゲーム機、液晶テレビ、自動車等のナビゲーションシステムなどの液晶表示装置として有用である。
【0084】
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
以下に、本願で用いられる測定方法および効果の評価方法について例示する。
(1)常態粘着力
実施例、比較例で得られた両面粘着シートの熱剥離粘着層と反対側の粘着面に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、「ルミラー #25 S−10」)を貼着(裏打ち)して、粘着力測定用サンプル(幅:20mm)を作製した。
JIS Z 0237に準拠して、180°引き剥がし法により、粘着力を測定した。23℃50%RHの条件下、上記測定用サンプルの熱剥離粘着層を被着体(試験板:ステンレス板)に貼り合わせ、30分放置した。引張試験機(ミネベア(株)、「引張圧縮試験機 TG−1kN」)を用いて、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、測定用サンプルを引き剥がした時の荷重を測定し、常態粘着力(N/20mm)とした。
【0085】
(2)液晶モジュールユニット浮き
実施例、比較例で得られた両面粘着シートを、外形38mm×55mm、幅2mmの額縁状に打ち抜き加工した。
上記額縁状の両面粘着シートを用い、熱剥離粘着層を液晶モジュール側と接するようにして、液晶モジュールユニット(サイズ:38mm×55mm)とバックライトユニット(サイズ:40mm×57mm)を貼り合わせ、液晶表示装置を得た。
上記液晶表示装置を、70℃の雰囲気下に500時間放置した後に、液晶モジュールユニットのバックライトユニットからの「浮き」を目視にて観察した。
【0086】
(3)液晶モジュールユニット剥離性
上記(2)と同様にして得られた液晶表示装置を、23℃、50%RHで24時間放置した後、100℃の熱風乾燥機で5分間加熱処理を施した後に、液晶モジュールユニットを手作業により剥離させ、液晶モジュールユニットの剥離性を目視にて観察した。
【0087】
(4)L*、a*、b*の測定方法
色彩色差計(コニカミノルタ(株)製、装置名「CR−200」)を用いて、L***表色系で規定されるL*、a*、b*を測定した。
【0088】
(5)反射率
分光光度計(島津製作所(株)製、装置名「MPS−2000」)を用いて、波長が550nmの光を反射遮光性部材の反射性層側の面に照射して、前記光を照射した面で反射した光の強度を測定することにより、反射率(%)を求める。
【0089】
(6)透過率
分光光度計(日立製作所(株)製、装置名「U4100型分光光度計」)を用いて、波長が550nmの光を反射遮光性部材の一方の面側から照射して、他方の面側に透過した光の強度を測定することにより、透過率(%)を求める。
【実施例】
【0090】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、実施例、比較例の評価結果を表1に記載する。
【0091】
実施例1
(熱膨張性微小球を含有しない粘着層)
アクリル酸ブチル/アクリル酸/ヒドロキシエチルアクリレート(100重量部/5重量部/1重量部)からなる共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン(株)製、「コロネートL」)2重量部、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(住友ベークライト(株)、「スミライトレジン PR12603」)40重量部を配合し、トルエン400重量部を加えて均一に混合した溶液(溶液1)を作製した。次いで、この溶液1を黒色の着色層が印刷されたPET基材(大三紙業(株)製、PET12μm 3P黒ベタ印刷)の表面に、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、熱膨張性微小球を含有しない粘着層を形成した。
(ゴム状有機弾性層)
また、上記粘着層を形成した基材の、該粘着層と反対側の表面に、上記溶液1を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、ゴム状有機弾性層を形成した。
(熱剥離粘着層)
上記の共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン(株)製、「コロネートL」)7重量部、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製、「マイクロスフェアー F30D」)50重量部を配合し、トルエン400重量部を加えて均一に混合した溶液(溶液2)を作製した。次いで、PET基材のセパレータ(東レフィルム加工(株)製、38μm)上に乾燥後の厚みが30μmとなるように、溶液2を塗布、乾燥し、熱剥離粘着層を形成した。
(両面粘着シート)
上記で得られた熱膨張性微小球を含有しない粘着層/PET基材/ゴム状有機弾性層からなるシートと、熱剥離粘着層を形成したセパレータを、ゴム状有機弾性層と熱剥離粘着層が接するように貼り合わせて、遮光性層を有する両面粘着シート(セパレータ付き)を得た。
【0092】
実施例2
実施例1の溶液1を、黒色の着色層が印刷されたPET基材(大三紙業(株)製、PET12μm 3P黒ベタ印刷)の両面に、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、ゴム状有機弾性層を形成した。
実施例1の共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(実施例1と同じ)7重量部、熱膨張性微小球(実施例1と同じ)70重量部を配合し、トルエン450重量部を加えて均一に混合した溶液(溶液3)を作製した。次いで、PET基材のセパレータ(実施例1と同じ)上に乾燥後の厚みが30μmとなるように、溶液3を塗布、乾燥し、熱剥離粘着層を形成した。
上記で得られたゴム状有機弾性層/PET基材/ゴム状有機弾性層からなるシートの両面に、熱剥離粘着層を形成したセパレータを、ゴム状有機弾性層と熱剥離粘着層が接するように貼り合わせて、遮光性層を有する両面粘着シート(セパレータ付き)を得た。
【0093】
実施例3
実施例1の共重合体100重量部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン(株)製、「コロネートL」)4重量部、テルペンフェノール系粘着付与樹脂(住友ベークライト(株)、「スミライトレジン PR12603N」)25重量部、熱膨張性微小球(松本油脂製薬(株)製、「マイクロスフェアー F30D」)50重量部、黒色顔料(大日本インキ化学工業(株)製、「PASTE BLACK R−2292B」)1重量部を配合し、トルエン450重量部を加えて均一に混合した溶液を作製した。PET基材のセパレータ(実施例1と同じ)に上記トルエン溶液を乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し(熱剥離粘着層1)、次いで同じトルエン溶液を剥離紙(約120μm、カイト化学工業(株)製、「SL−80KCTX」)上に乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、熱剥離粘着層1に貼り合わせて、両面粘着シート(セパレータ付き)を得た。
【0094】
実施例4
実施例1の溶液1を、白色フィルム基材に黒色の着色層が印刷されたPET基材(大三紙業(株)製、「TU#13ベタ印刷5P」)の両面に、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、ゴム状有機弾性層を形成した。
次いで、実施例2の溶液3をPET基材のセパレータ(実施例1と同じ)上に、乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、熱剥離粘着層を得た。
上記で得られたゴム状有機弾性層/PET基材/ゴム状有機弾性層からなるシートの両面に、熱剥離粘着層を形成したセパレータを、ゴム状有機弾性層と熱剥離粘着層が接するように貼り合わせて、反射性層及び遮光性層を有する両面粘着シート(セパレータ付き)を得た。
【0095】
比較例1
実施例1の溶液1を、黒色の着色層が印刷されたPET基材(大三紙業(株)製、PET12μm 3P黒ベタ印刷)の両面に、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、熱膨張性微小球を含有しない粘着層とした。
熱剥離粘着層は設けずに、両面粘着シートを得た。
【0096】
【表1】

【0097】
表1より、本発明の両面粘着シート(実施例1〜4)は、常態での粘着力に優れ、70℃雰囲気下に置かれても「浮き」が生じず、なおかつ、加熱処理を施すことによって、液晶モジュールユニットを破損することなく剥離することが可能であった。
一方、本発明の加熱剥離粘着層を有しない両面粘着シート(比較例1)では、剥離の際に、大きなストレスがかかり、液晶モジュールユニットのガラス割れが発生した。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の両面粘着シートの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の両面粘着シートの他の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の液晶表示装置における液晶表示モジュールユニット、バックライトユニット、両面粘着シートの配置を示した概略図である。
【符号の説明】
【0099】
1 基材
2 熱剥離粘着層
3 熱膨張性微小球を含有しない粘着層
4 セパレータ
5 ゴム状有機弾性層
6 バックライトユニット
7 両面粘着シート
8 液晶表示モジュールユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置における液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットの固定に用いる両面粘着シートであって、熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を少なくとも1層有することを特徴とする両面粘着シート。
【請求項2】
一方の表層に熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を有し、もう一方の表層に熱膨張性微小球を含有しない粘着層を有する請求項1に記載の両面粘着シート。
【請求項3】
基材の両側の表層に熱膨張性微小球を含有する熱剥離粘着層を有する請求項1に記載の両面粘着シート。
【請求項4】
遮光性層及び/又は反射性層を有する請求項1〜3のいずれかの項に記載の両面粘着シート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの項に記載の両面粘着シートにより、液晶表示モジュールユニットとバックライトユニットが固定されている液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−144116(P2008−144116A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336075(P2006−336075)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】