説明

中低温で動作する固体酸化物燃料電池用複合カソード材料、固体酸化物燃料電池用複合カソード及び固体酸化物燃料電池用電解質−複合カソード構造体の製造方法

【課題】燃料電池式自動車等に適する、600℃前後の中低温で作動するSOFCのためには、優れたカソード材料が必要であるが、そのために必要とされる電気抵抗の低い固体酸化物複合カソード材料を提供する。
【解決手段】プロトン伝導性とイオン伝導の両者をもち、組成がBaZr1−x−yPr2−δ(0.1<x<0.4、0<y≦0.2)である固体酸化物と、電気伝導をもち、組成がLa0.6Sr0.4CO0.2Fe0.83−δである固体酸化物の粉末を混合して、複合材料することによって、600℃前後の中低温で比表面積電気抵抗(ASR)が0.1Ωcmの材料が合成できる。これは従来の材料に比べ、4〜6倍高い電気伝導(低い電気抵抗)を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体酸化物燃料電池(以下、SOFCと称する)用複合カソード材料に関し、より詳細には、2種の伝導性粉末を複合した材料であって、400℃〜700℃、好ましくは450℃〜600℃の範囲の中低温(以下では単に中低温と称する)で良好な伝導特性を示すSOFC燃料電池用複合カソード材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギー需要の継続的増加に対して、新しい発電手段の燃料電池が有望視されてきた。その中でもSOFCの開発は急であり、800〜1000℃で作動させ、一部に実用化に至っている。これらは高温環境を容易に実現できる定置型発電機に利用されているが、自動車等の可動型発電機への利用はまだ実現していない。中低温領域を作動温度とすることができれば、可動型を含め、広範囲に利用できる発電機ができ、その経済的、地球環境的、さらに政治的インパクトは大きく、巨大な市場が開かれることが期待される。
【0003】
SOFCに用いる電解質にはプロトンを利用するタイプ、イオンを利用するタイプ及び電子伝導を利用するタイプがある。中低温で作動する電池には活性化エネルギーが低く、より低温で活性化されるプロトン伝導を利用する必要があり、プロトン伝導SOFCの開発が急がれている。プロトン伝導SOFCではプロトンがカソードで空気と反応するので、カソード材料はプロトン伝導を持ち、電気伝導に優れたものが好ましい。またカソードでは反応生成物の水分を蒸発させる必要があるので、表面積の大きい方がよい。従って、中低温動作SOFC用カソード材料としては、多孔質でプロトン伝導をもつ高電気伝導性の金属酸化物固体(セラミックス)が求められている。従来の電子伝導性SOFCはアノードで反応がおこり、生成物の水が燃料を薄めるという欠点があるが、プロトン伝導SOFCではカソード反応なのでその欠点も克服できる。
【0004】
酸化物の伝導材料としては、酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO)があり、高温で電気伝導を示す。これに酸化イットリウム(イットリア、Y)を固溶したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)も電子伝導体としてよく知られている。これに他の元素を固溶させたBaZr1−x−yPr3−δ(0.1≦x≦0.4、0<y≦0.2、δは酸素欠損、以下BZPYと称する)はプロトン伝導体であり、さらに、組成XとYを調整するとプロトン伝導性と電子伝導性の両方(以下、プロトン−電子両伝導性)を持ち、電気伝導に寄与することが判っている。一方、La−Sr−Co−Fe−O系化合物のLa1−xSrCoFe1−y3−δ(0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.4、δは酸素欠損)(以下、LSCFと称する)は酸素イオン伝導性と電子伝導性の両方(以下、酸素イオン−電子両伝導性と称する)を有する伝導体であり、優れた電気伝導性を示し、SOFC用材料として利用であり、カソードにも利用される。更に、複数の固体電気伝導材料を組み合わせると優れたSOFC用カソード材料が得られ、SOFCの効率を向上することができることも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、複数の固体電気伝導材料の組合せに当たって、どのような酸化物を組み合わせが電気伝導率の改良に有益かを検討し、本発明に至った。本発明の課題は、中低温で作動して優れた電気伝導率をもつSOFC用複合カソード材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、プロトン伝導性またはプロトン−電子両伝導性を有する第1の固体酸化物と酸素イオン−電子伝導性を有する第2の固体酸化物とを含む固体酸化物燃料電池用複合カソード材料が与えられる。
ここにおいて、前記第1の固体酸化物の組成がBaZr1−x−yPr3−δ(0.1≦x≦0.4、0<y≦0.2)であり、前記第2の固体酸化物の組成がLa1−xSrCoFe1−y3−δ(0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.4、δは酸素欠損による変動であり、0≦δ≦0.3の範囲)であってよい。ある、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料。
また、前記第1の酸化物と前記第2の酸化物の少なくとも一方が、燃焼合成法により得られた粉末であってよい。
また、前記第1の酸化物はプロトン−電子両伝導性を有してよい。
前記第1の酸化物がBaZr0.5Pr0.30.23−δの組成を有してよい。
本発明の他の側面によれば、上記の何れかの固体酸化物燃料電池用複合カソード材料の焼結体である、固体酸化物燃料電池用複合カソードが与えられる。
ここにおいて、固体酸化物燃料電池用複合カソードの粒径が50nm〜1μmであり、気孔率が0.3〜0.7であってよい。
本発明の更に他の側面によれば、プロトン伝導性の固体電解質と上記の何れかの固体酸化物燃料電池用複合カソード材料とを同時焼成する、固体酸化物燃料電池用電解質−複合カソード構造体の製造方法が与えられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のSOFC用複合カソード材料は、中低温度で気伝導が高く、SOFCの電解質−複合カソード構造体に適するものである。更に、本発明の製造方法によれば、微粉からなり適当な気孔率がある優れた電解質−複合カソード構造体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)LSCF−BaZr0.7Pr0.10.23−δ(以下、BZPY10と称する)複合カソードについての可能な反応経路を示す図。(b)LSCF−BaZr0.5Pr0.30.23−δ(以下、BZPY30と称する)複合カソードについての可能な反応経路を示す図。図中、左側の大きな球がLSCF粒子を、右側の小さな球がBZPY10/PZPY30の粒子を表す。添え字g、adは夫々ガス状態、吸着状態であることを表す。電解質とLSCF粒子との間、LSCF粒子とBZPY10/BZPY30粒子との間、及びBZPY30粒子の右上部に示されている、周囲とは異なった色の三日月状部分はカソード反応が生起し得る活性領域である。
【図2】(a)はそれぞれ(i)1100℃で3時間仮焼したLSCF粉末、(ii)1100℃で6時間仮焼したBZPY10粉末、及び(iii)100℃で6時間仮焼したPZPY30粉末、並びに1000℃で3時間焼成した(iv)LSCF−BZPY10混合粉末、及び(v)LSCF−BZPY10混合粉末のXRDパターン、(b)LSCF粉末のSEM写真、(c)BZPY10粉末のSEM写真、(d)BPY30粉末のSEM写真。
【図3】(a)及び(d)は稠密なBZPY10電解質ペレット上で1000℃、3時間同時焼成(co-fire)したLSCF−BZPY10複合カソードの断面のSEM写真、(b)及び(c)は稠密なBZPY10電解質ペレット上で1000℃、3時間同時焼成したLSCF−BZPY30の断面SEM写真。
【図4】加湿したO中でのLSCF−BZPY10及びLSCF−BZPY30複合カソードについての、温度の逆数に対するASRのグラフ。
【図5】本発明の実施例のうちのLSCF−BZPY30複合カソードについて、500℃〜700℃で測定した単位面積電気伝導(ASR、Area specific resistance)の測定値(丸印)、及び従来技術による他の組み合わせによるSOFC用複合カソード材料のASR測定値(実線1,2,3)を示す図。本図は、中低温において本発明の材料が従来技術の材料よりも低い電気抵抗を有することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
SOFCにおいて、プロトン伝導体あるいはプロトンと電子の両方の伝導体(以下、プロトン−電子両伝導体と称する)であるBZPYと、酸素イオンと電子の両方の伝導体(以下、酸素イオン−電子両伝導体と称する)であるLSCFを複合してカソードを形成すると、カソード反応を加速して、電気伝導度の高いカソード材料が得られる。
【0010】
固体電解質で発生したプロトンHはカソードに進み、カソード中のBZPYなどのプロトン伝導体あるいはプロトン−電子両伝導体内を素早く移動し、以下で詳述するようにLSCFなどの酸素イオン−電子両伝導体表面(プロトン−電子両伝導体を使用した場合にはその表面でも)で電子や酸素イオンO−2と還元反応を起こして水を生成する。このため、BZPYとLSCFの組合せのような上記2種類の伝導体から形成した複合カソード材料を使用して形成されたカソードでは電子抵抗が下がる。更に、カソードは微粉末からなっていて適当な気孔率があり、反応を促進することが好ましい。以下に説明する本発明の方法によれば、このような構造のカソード材料が実現できる。
【0011】
SOFC用複合カソード材料は伝導体あるいはプロトン−電子両伝導体である固体酸化物微粉末と酸素イオン−電子両伝導体である固体酸化物の微粉末の2種の微粉末から合成する。両微粉末は粒子が微細であるほど好ましい。これらの微粉末の合成は、もちろんこれに限定する意図はないが、例えば各金属の化合物に有機物及び溶媒を加えてキレート化した溶液を固化し、燃焼合成法を用いて合成するのが好ましい。これらの微粉末を混合し複合化して酸化物固体電解質複合カソード材料とする。
【0012】
プロトン伝導体あるいはプロトン−電子両伝導体であるBZPYは、BaZr1−x−yPr3−δ(0.1≦x≦0.4、0<y≦0.2)で表され、ここでδの範囲は0≦δ≦0.3である。BZPYがプロトン伝導性を示すか電子伝導性を示すかは組成x、yに依存する。x=0.1の場合(BZPY10)、加湿した空気中でほとんど純粋なプロトン伝導体となる。xの値をこれより大きく(例えば0.3;BZPY30)するとプロトン−電子両伝導体となる。
【0013】
酸素イオン−電子両伝導体であるLSCFはLa1−xSr0xCoFe1−y3−δ(0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.4、δは酸素欠損)で表され、ここでδの範囲は0≦δ≦0.3である。両者の粉末を組み合わせた複合材料でカソードを作ると、優れたSOFCのカソードが得られる。
【0014】
ここで、本発明の例えばBZPYなどのプロトン−電子両伝導体(またはプロトン伝導体)とLSCFなどの酸素イオン−電子両伝導体との複合カソードで起こる化学反応系を図1に示す。図1(a)はプロトン伝導体(例えばBZPY10)を使用した場合に、また図1(b)はプロトン−電子両伝導体(例えばBZPY30)を使用した場合に起こり得る反応経路を示す。図1から判るように、プロトン−電子両伝導性を有する粒子を複合カソードの一方の材料として使用すると、電子とプロトンの両方が当該粒子を通って流れることができるため、当該粒子表面で酸素の還元とその後のプロトンとの反応が直接生起し得る(図1(b)の右側粒子の右上の活性領域を参照)。これは純プロトン伝導体を使用した場合(図1(a))には得られない特徴である。これによって、図1(b)の場合には、水の生成は図1(a)における電解質−カソード界面とプロトン−電子両伝導体の接点に加えて、プロトン−電子両伝導体表面でも起こり得るので、カソード反応が起こり得る面積はより大きくなる。
【実施例】
【0015】
[実施例の説明]
本発明のSOFC用複合カソード材料として以下ではBaZr1−x−yPr2−δ(0.1≦x≦0.4、0<y≦0.2)とLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83−δの2つの材料の複合体を実施例に取上げて説明する。各々の組成の均一な粉末は、各元素の金属酸化物の粉末を仮焼して合成する。均一な微粉末を作るには、これに限定するわけではないが燃焼合成方法が最も有効である。
【0016】
燃焼合成では、各構成金属元素の化合物、例えば、酸化物、硝酸化合物など、を溶媒および有機成分とキレート化し、pH調整や加温等の処理でゲルや固体にする。それを火炎で燃焼して均一な微粉末とし、さらに高温で仮焼して合成する。
【0017】
BZPYとLSCFの粉末を通常行う方法で適当な液体に分散させ、乳鉢や機械的混合機で十分に混合して混合粉体とし、成形する。このようにして、約1μmから50nmで2種類の粒子からなる成形物が得られた。
【0018】
SOFC用複合カソード材料の出発原料として、BZPY用には、Ba(NO、Zr(NO・2HO、Pr11とY(NO・6HO粉末を用いた。LSCF用にはLa(NO・6HO、Sr(NO、Co(NO・6HOとFe(NO・9HO粉末を用いた。これらを硝酸水溶液に溶かし、クエン酸で、総金属元素に対して2:1でキレート化し、溶液にした。アンモニア水でpHを、LSCFでは6〜8に、BZPYでは3〜4に調整し、80℃で撹拌すると、ゲル化した。ゲルを火炎で燃焼して粉末にし、その後、BZPYでは1100℃で6時間、LSCFでは1000℃で3時間仮焼した。原料の混合比を調整して、組成がBaZr0.7Pr010.23−δ(BZPY10と記す)、BaZr0.5Pr0.30.23−δ(BZPY30と記す)、およびLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83−δ)の微粉末を合成した。BZPY10は複合カソード材料の評価を行う際に使う電解質である。
【0019】
更に、BZPY10粉末とLSCF粉末を重量比で1:1に混合したもの、及びBZPY30粉末とLSCF粉末を同じく重量比で1:1に混合したものを1000℃で3時間焼成することにより、夫々焼成物LSCF−BZPY10及びLSCF−BZPY30を得た。
【0020】
以上のようにして得られたLSCF、BZPY10、BZPY30、LSCF−BZPY10及びLSCF−BZPY30のXRDパターン、並びにLSCF、BZPY10及びBZPY30のSEM写真を図2に示す。図2(a)の回折パターンにおいて、LSCF−BZPY10及びLSCF−BZPY30のXRDパターン中にはBZPY10/PZPY30、LSCFに関連する回折線しか観測されないことから、これらの複合カソードを構成する2種類の酸化物間には化学反応が起こっていないことが示唆された。
【0021】
合成したBZPY30とLSCF粉末を1:1に秤量した粉末を乳鉢で混合し、テレピネオールやエチルセル−ロースを10重量%加え、更に機械的に混合し、成形した。
【0022】
以上による複合材料の評価のために、複合材料を薄片状にし、焼結したBZPY10電解質ペレットの両側にLSCF−BZPY30複合カソードを空気中で1600℃、8時間同時焼成することで、LSCF−BZPY30複合カソード−BZPY10電解質−LSCF−BZPY30複合カソードの順に積層している電解質−複合カソード構造体を作製した。このようにして作成された構造対中の複合カソードは、SEMの組織写真から計測すると平均粒径が約100nmの粒子の集合体となっており、その気孔率は50%であった。また、BZPY30の代わりにBZPY10を使用して同じ構造の積層物を準備し、同じ条件で同時焼成することにより、BZPY10を使用した以外は同じ構造の電解質−複合カソード構造体も作成した。このようにして作成された2つの電解質−複合カソード構造体の断面SEM写真を図3に示す。これらの電解質−複合カソード構造体は何れも細かな微細構造を有し、平均的に比較的小さな粒子を含んでいる。これにより、大きな表面積と電解質との良好な接着性が得られた。なお、平均粒径及び気孔率は、本発明では一般には夫々50nm〜1μm及び0.3〜0.7の範囲の値となる。
【0023】
これらの電解質−複合カソード構造体の両端に電極を1000℃3時間で焼き付け、マルチチャンネルポテンシオメーターと電気化学インピーダンス測定器(Electrochemical impedance spectrometer)を用いてその評価のための測定を行った。評価は単位面積電気伝導度(ASR(cathode area specific resistance)、ここでASR=RxA/2、R:電気抵抗、A:面積)により行った。
【0024】
図4に、加湿した酸素雰囲気中でのASRと温度の逆数との関係を示す。2つの試料はいずれも良好な結果を与えたが、特にBZPY30を使用した資料のASR値は今までに合成された同種の複合系の電極−電解質材料より4〜6倍高い電気伝導(低い電気抵抗)を示した。
【0025】
[比較例との対比]
図5は、本発明の実施例のうちのLSCF−BZPY30の湿った空気中でのASR対温度の逆数の関係を示すグラフに、比較例として、今までに合成されたという報告のあった複合系のカソード電極材料のASRについて当該文献に記載されている値を実線1〜3として追加したグラフである。LSCF−BZPY30のASRは500℃で1Ωcm、600℃で0.15Ωcmであった。実線1は非特許文献16で報告されたPrBaCo5+δ−BaZr0.1Ce0.70.23−δ複合系の測定結果であり、ASRは600℃で1.669Ωcmであった。実線2は非特許文献15で報告されたLSCF−BaCe0.9Yb0.13−δ(BCYb)複合系の測定結果であり、本発明より600℃で6倍ほど電気抵抗が高い。実線3は非特許文献17で報告されたSm0.5Sr0.5CoO3−δ−BaCe0.8Sm0.23−δ複合系の測定結果であり、ASRは600℃で本発明の実施例であるLSCF−BZPY30より4倍ほど電気抵抗が高い。
【0026】
以上の実施例と比較例から判るように、本発明のLSCF−BZPY系固体電解質酸化物複合カソード材料を用いると、低い電気抵抗率を実現することできる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
LSCF−BZPY系複合材料は優れたSOFC用複合カソード材料であり、金属粉末から、特殊な方法を施すことがなく、合成できる。原料粉末は燃焼合成方法で合成するのが、微粉末が得られ好ましく、工業的応用が可能な工程である。中低温で作動する燃料電池はこの材料を用いることによって性能が格段に向上し、可搬型燃料電池も可能になる。従って、本発明の工業的利用の可能性は大きい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0028】
【非特許文献1】A. Boudghene Stambouli, E. Traversa, Renew. Sustain. Energy Rev. 2002, 6, 295-304.
【非特許文献2】D. J. L. Brett, A. Atkinson, N. P. Brandon, S. J. Skinner, Chem. Soc. Rev. 2008, 37, 1568-1578.
【非特許文献3】D. Pergolesi, E. Fabbri, A. D’Epifanio, E. Di Bartolomeo, A. Tebano, S. Sanna, S. Licoccia, G. Balestrino, E. Traversa, Nature Mater., 2010, 9, 846-852.
【非特許文献4】E. Fabbri, D. Pergolesi, S. Licoccia, E. Traversa, Solid State Ionics, 2010, 181, 1043-1051.
【非特許文献5】E. Fabbri, D. Pergolesi, E. Traversa, Chem. Soc. Rev., 2010, 39, 4355-4369.
【非特許文献6】C. Peng, J. Melnik, J. Luo, A.R. Sanger, K.T. Chuang, Solid State Ionics, 2010, 181, 1372-1377.
【非特許文献7】Z. Sun, E. Fabbri, L. Bi, E. Traversa, Phys. Chem. Chem. Phys. DOI:10.1039/C0CP01470B.
【非特許文献8】E. Fabbri, A. D'Epifanio, E. Di Bartolomeo, S. Licoccia, E. Traversa, Solid State Ionics 2008, 179, 558-564.
【非特許文献9】E. Fabbri, L. Bi, H. Tanaka, D. Pergolesi, E. Traversa, Adv. Funct. Mater., 2010, 21, 158-166.
【非特許文献10】E. Fabbri, D. Pergolesi, E. Traversa, Sci. Technol. Adv. Mater., 2010, 11, 044301-044310.
【非特許文献11】S. E. P. Murray, M. J. Sever, S. A. Barnett, Solid State Ionics, 2002, 148, 27-34.
【非特許文献12】A. Esquirol, J. Kilner, N. Brandon, Solid State Ionics, 2004, 175, 63-68.
【非特許文献13】E. Fabbri, M. Isaac, L. Bi, E. Traversa, in preparation.
【非特許文献14】F. Deganello, V. Esposito, M. Miyayama, E. Traversa, J. Electrochem.Soc., 2007, 154, A89-A96.
【非特許文献15】E. Fabbri, S. Licoccia, E. Traversa, E.D. Wachsman, Fuel Cells, 2009, 9, 128-133.
【非特許文献16】F. Zhao, S. Wang, K. Brinkman, F. Chen, J. of Power Sources, 2010, 195, 5468-5473.
【非特許文献17】T. Wu, R. Peng, C. Xia, Solid State Ionics, 2008, 179, 1505-1508.
【非特許文献18】H. Uchida, S. Tanaka, H. Iwahara, J. Appl. Electrochem., 1985, 15, 93-96.
【非特許文献19】F. Mauvy, C. Lalanne, J. Bassat, J. Grenier, H. Zhao, L. Huo, P. Steves, J. Electrochem.Soc, 2006, 153, A1547-1553.
【非特許文献20】F. S. Baumann, J. Fleig, H. Habermeier, J. Maier, Solid State Ionics, 2006, 177, 1071-1081.
【非特許文献21】B.C.H. Steele, J. Bae, Solid State Ionics, 1998, 106, 255-261.
【非特許文献22】S. B. Adler, Chem. Rev., 2004, 104, 4791-4843.
【非特許文献23】S. B. Adler, J. A. Lane, B. C. H. Steele, J. Electrochem. Soc., 1996, 143, 3554-3564.
【非特許文献24】J. Jamnik, J. Maier, J. Electrochem. Soc., 1999, 146, 4183-4188.
【非特許文献25】P. Hjalmarsson, M. Sogaard, M. Mogensen, Solid State Ionics, 2009, 180, 1395-1405.
【非特許文献26】F. He, T. Wu, R. Peng, C. Xia, J. of Power Sources, 2009, 194, 263-268.
【非特許文献27】A. Ringuede’s, J. Fouletier, Solid State Ionics, 2001, 139, 167-177.
【非特許文献28】D. Y. Wang, A. S. Nowick, J. Electrochem. Soc., 1981, 128, 55-63.
【非特許文献29】H. Okamoto, G. Kawamura, T. Kudo, Electrochim. Acta, 1983, 28, 379-382.
【非特許文献30】S. Wang, Y. Jiang, Y. Zhang, J. Yan, W. Li, Solid State Ionics, 1998, 113-115, 291-303.
【非特許文献31】T. Schober, W. Schilling, H. Wenzl, Solid State Ionics, 86-88, 1996, 653-658.
【非特許文献32】N. Bonanos, Solid State Ionics, 1992, 53-56, 967-974.
【非特許文献33】J. Larminie, A. Dicks, Fuel Cell Systems Explained, John Wiley & Sons Ltd, Second edition 2003.
【非特許文献34】H. Xiao, T. L. Reitz, M. A. Rottmayer, J. of Power Sources, 2008, 183, 49-54.
【非特許文献35】E. Boehm, A. J. McEvoy, Fuel Cells 2006, 1, 54-58.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトン伝導性またはプロトン−電子両伝導性を有する第1の固体酸化物と酸素イオン−電子伝導性を有する第2の固体酸化物とを含む固体酸化物燃料電池用複合カソード材料。
【請求項2】
前記第1の固体酸化物の組成がBaZr1−x−yPr3−δ(0.1≦x≦0.4、0<y≦0.2)であり、前記第2の固体酸化物の組成がLa1−xSrCoFe1−y3−δ(0.2≦x≦0.6、0≦y≦0.4、δは酸素欠損による変動であり、0≦δ≦0.3の範囲)である、請求項1に記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料。
【請求項3】
前記第1の酸化物と前記第2の酸化物の少なくとも一方が、燃焼合成法により得られた粉末である、請求項1から請求項3の何れかに記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料。
【請求項4】
前記第1の酸化物はプロトン−電子両伝導性を有する、請求項1から請求項3の何れかに記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料。
【請求項5】
前記第1の酸化物がBaZr0.5Pr0.30.23−δの組成を有する、請求項4に記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料の焼結体である、固体酸化物燃料電池用複合カソード。
【請求項7】
粒径が50nm〜1μmであり、気孔率が0.3〜0.7である、請求項6に記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード。
【請求項8】
プロトン伝導性の固体電解質と請求項1から請求項5の何れかに記載の固体酸化物燃料電池用複合カソード材料とを同時焼成する、固体酸化物燃料電池用電解質−複合カソード構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−227070(P2012−227070A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95576(P2011−95576)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】