説明

中空ポリエステルマルチフィラメントとその製造方法

【課題】地球環境に配慮されたリサイクルポリマーを使用し布帛での軽量感及びソフト感を表現する事の出来る細単糸繊度高中空ポリエステルマルチフィラメントを提供する。
【解決手段】繊維を構成するポリマー成分の80モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成される中空ポリエステルマルチフィラメントであって、該ポリエチレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートからなり、単糸繊度が0.7〜1.1デシテックス、中空率が20〜40%である中空ポリエステルマルチフィラメント。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクルポリマーを使用しながらでも衣料布帛での軽量感とソフト感を併せ持った細単糸繊度高中空ポリエステルマルチフィラメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルはその優れた特性を生かし衣料用布帛素材として広く使用されている。衣生活の多様化、高級化、個性化と共に、天然繊維が持つ好ましい性能をポリエステル繊維に付与する試みが続けられている。中空繊維は布帛の軽量化が求められているなかでスポーツ衣料用途から婦人衣料用途まで古くから幅広く使用されており、近年では布帛のソフトな風合いを出すために単糸繊度が1.1デシテックス未満の細繊度の中空繊維も好まれて使用されている。例えば特開2004−124338号公報では単糸繊度が0.2〜1.0デニール、中空率が25〜40%の中空繊維が提案されており、ソフト性、軽量性等良好なものが得られている。
【0003】
そのようななかで商品のもつ地球環境に対する影響度に関心が高まり、例えばリサイクルポリマーを使用した細繊度の中空ポリエステル繊維などが望まれてきた。
一般的にいわれるリサイクルポリマーは回収されたPETボトルやポリエステルフィルム製品、更にはこれら製品の製造工程において発生する屑ポリマーなどを粉砕して再溶融するマテリアルリサイクルが知られているがポリマーの粘度斑などが原因で単糸繊度の細い中空繊維など高度に異型化された繊維を紡糸する際には糸切れが多発し、著しく生産性が低下することで商業生産が困難であった。
【特許文献1】特開2004−124338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的はマテリアルリサイクルではなくケミカルリサイクルポリマーを使用し布帛での軽量感及びソフト感を表現する事の出来る環境に配慮された細単糸繊度高中空ポリエステルマルチフィラメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した、即ち本発明によれば、
第一の発明の態様として、繊維を構成するポリマー成分の80モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成される中空ポリエステルマルチフィラメントであって、該ポリエチレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートからなり、単糸繊度が0.7〜1.1デシテックス、中空率が20〜40%であることを特徴とする中空ポリエステルマルチフィラメントであり、第二の発明の態様として、繊維を構成するポリマー成分の80モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成され、該ポリエチレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートであり、単糸繊度が0.7〜1.1デシテックス、中空率が20〜40%である中空ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、複数のスリットからなる吐出孔を有する中空糸用紡糸口金を用い、吐出線速度3〜5cm/secの範囲で溶融ポリマーを吐出し、口金面から30〜50mmの付近より風速0.2〜0.8m/secで冷却固化したポリマー糸条を引き取り、そのまま又は一旦巻取り後に伸度25〜40%になるよう延伸処理することを特徴とする中空ポリエステルマルチフィラメントの製造方法により達成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によりリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートにて製品の製造段階における環境への負荷を低減させ、軽量感とソフト感を併せ持った細単糸繊度高中空ポリエステルマルチフィラメントが安定して製造可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明で用いるポリエステルとしては、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコールを主たるジオール成分とするポリエステルを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含有するポリエステルであり、該ポリエステルには、本発明の目的を損なわない範囲内で、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分や上記とは異なる他のグリコール成分を共重合していても良い。
【0008】
該ポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定)は、通常衣料用布帛素材として使用されるポリエステルと同じ範疇の0.55〜0.80の範囲のものが好ましい。また、必要に応じて適宜艶消し剤、制電剤、安定剤などの添加剤またはアルカリ減量により繊維表面に微細孔やフィブリルを形成させる事の出来る添加剤などを含んでも良い。
【0009】
本発明のポリエステルの製造方法は、芳香族ジカルボン酸のエステル形成誘導体をエステル交換反応触媒の存在下、アルキレングリコールとエステル交換反応せしめることによって製造する必要があるが、この出発原料物質であるテレフタル酸ジメチルは全カルボン酸成分の80mol%以上を占めることが好ましく、特に該原料であるテレフタル酸ジメチルは、ポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られるケミカルリサイクルされたテレフタル酸ジメチルであることが必要である。ここで、該ポリアルキレンテレフタレートとしてはポリエチレンテレフタレートが好ましく、特に回収されたPETボトル、回収されたポリエステル繊維製品、回収されたポリエステルフィルム製品、更にはこれら製品の製造工程において発生する屑ポリマーなど回収されたポリエステルが好ましく用いられる。また上記回収されたポリアルキレンテレフタレートを解重合することによって得られるテレフタル酸ジメチルの製造方法について特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールで解重合した後、メタノールでエステル交換反応し、得られたテレフタル酸ジメチルを再結晶や蒸留で精製する方法等によって得ることができる。
【0010】
本発明の中空ポリエステルマルチフィラメントは、単糸繊度が0.7〜1.1デシテックスであることが必要である。ここで単糸繊度が1.1デシテックス以上であれば単繊維での曲げ剛性が強すぎて布帛での風合いにおいてソフト感が不十分なものとなり、0.7デシテックス以下の場合は紡糸工程での断糸による工程通過性が著しく低下するので好ましくない。
【0011】
このような特性を有する本発明の中空ポリエステルマルチフィラメントとすることにより環境への負荷を低減させ、且つ軽量化とソフト感を併せ持った中空細繊度繊維とすることが可能となる。
【0012】
中空繊維の中空率は20〜40%であることが必要である。ここで中空率が20%以下であれば布帛での軽量感が不十分なものとなり、40%以上の場合は紡糸工程での断糸による工程通過性が著しく低下するので好ましくない。
【0013】
中空率が20%以上となるような紡糸口金としては、例えば、図1(a)に示す吐出孔の場合は円弧状スリットのスリット巾及び円周配置直径(PCD)(図1の1)を変更することによって、任意に調整することができる。本発明においては、図1(a)の吐出孔の場合は円弧状のスリット巾を0.08mm以下、円周配置直径(PCD)を0.6mm以上とすれば、中空率20%以上とすることができる。しかし、中空率を40%以上とする場合は、複数のスリットから吐出される溶融ポリマー間での張り合わせが難しく、中空形成が困難となり断糸が多発する。なお、円弧状のスリットのほか、中空形成性能のある吐出孔であれば、例えば図1(b)に示すような形状のスリットを配置した吐出孔であってもよい。
【0014】
次に本発明の中空ポリエステルマルチフィラメントの製造方法について説明する。中空糸用紡糸口金の複数のスリットからなる吐出孔からのポリマー吐出線速度を3〜5cm/secの範囲で吐出することが重要である。吐出線速度は、ポリマー吐出量に応じて、吐出スリットの総開口面積を変えることによって、任意に設定することができる。吐出線速度が3cm/sec未満の場合は、吐出線速度が遅過ぎることによる吐出斑(メルトフラクチャー)が発生し引き取られた繊維の繊度斑(U%ハーフイナート値)が悪化することによる布帛での染斑が目立つことによる品位の悪化が発生する。ポリマー吐出平均線速度が5m/min.を超える場合、繊維断面を高度に異型化することが出来なくなり中空断面割れや該繊維に必要な中空率が得られない。
【0015】
口金面から30〜50mmの付近より風速0.2〜0.8m/secで冷却固化したポリマー糸条を引き取ることが重要である。口金面から30mm未満より冷却固化する場合、口金面の温度が著しく低下し、糸切れが多発することにより工程通過性が著しく低下する。口金面から50mm以上より冷却固化する場合、繊維断面を高度に異型化することが出来なくなり該繊維に必要な中空率が得られない。風速0.8m/sec以上で冷却固化する場合、口金面の温度が著しく低下し、糸切れが多発することにより工程通過性が著しく低下する。風速0.2m/sec未満で冷却固化する場合、繊維断面を高度に異型化することが出来なくなり該繊維に必要な中空率が得られない。
【0016】
延伸処理後の伸度が25〜50%になることが重要である。伸度が25%以下の場合、延伸工程での毛羽や断糸が多発し、著しく工程通過性が低下する。伸度が50%以上の場合、得られた繊維の強度が不十分となり布帛での引き裂き強度低下の原因となる。
【実施例】
【0017】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
(2)中空率(%)及び中空率のばらつき
得られたポリエステルマルチフィラメントの断面写真(560倍)をとり、中空破れが認められる断面を除き、各単糸断面の中空部面積(A)および断面を囲む面積(B)を測定し、下記式で計算し、全測定値の平均値を中空率(%)として。
中空率(%)=A/B×100
(3)中空破れ発生率(%)
上記(2)で得た断面写真で、中空破れのある単糸断面を数え、全単糸断面に占める割合(%)を中空割れ発生率とした。
【0018】
[参考例]
回収テレフタル酸ジメチルの製造:エチレングリコール200部を500mlセパラブルフラスコに投入し、更に炭酸ソーダ1.5部、粉砕されたPETボトル等からなるポリエチレンテレフタレート屑50部を投入し、撹拌しながら昇温して、185℃とした。この状態を4時間保持したところ、ポリエチレンテレフタレート屑は溶解し解重合反応が完結した。得られた解重合物を減圧蒸留で濃縮し、留分としてエチレングリコール150部回収した。
【0019】
この濃縮液にエステル交換反応触媒として炭酸ソーダ0.5部とMeOH100部を投入し、常圧で液温を75℃、1時間撹拌し、エステル交換反応を実施した。
得られた混合物を40℃まで冷却し、ガラス製フィルターで濾過した。フィルター上に回収できた粗テレフタル酸ジメチルを100部のMeOH中に投入し、40℃に加温・撹拌洗浄し、再度ガラス製のフィルターで濾過した。この洗浄は2回繰り返した。
【0020】
フィルター上に捕捉できた粗テレフタル酸ジメチルを蒸留装置に仕込み、圧力6.65kPa還流比0.5の条件で減圧蒸留を実施し、留分としてテレフタル酸ジメチルを得た。留分は47部回収できた。釜残を測定しテレフタル酸ジメチル量を測定すると2部であり、投入したポリエステルを基準にするとテレフタル酸ジメチルの反応率は93重量%であった。
【0021】
蒸留により精製された回収テレフタル酸ジメチル中には、2−ヒドロキシテレフタル酸ジメチルが0.5重量ppm検出された。精製された回収テレフタル酸ジメチルの品質は、純度99.9重量%以上であった。
【0022】
[実施例1]
参考例のポリエチレンテレフタレートを解重合して得られたケミカルリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用した固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートペレットを140℃で5時間乾燥した後、4つのスリットからなる吐出孔であり、吐出孔48ホールが一列同心円状に配列してある紡糸口金から、ポリマー吐出温度293℃とし、単一吐出孔でのポリマー吐出平均線速度が3.6cm/secとなるようとなるように押し出して、紡糸口金直下に設けた50〜290℃の雰囲気温度に保持した長さ3.7cmの保温領域を通過させて20℃、平均風速0.4m/sec.の冷却風により溶融マルチフィラメントを急冷して固体マルチフィラメントに変え、紡糸口金から600mmの位置にてオイリングノズルによるオイリングを行うと同時にマルチフィラメントの糸条を集束させて2900m/min.の速度で紡糸捲き取りを行い繊度56dTex、フィラメント数48、伸度110%の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られた部分的未延伸中空ポリエステル繊維を余熱温度90℃、熱セット温度200℃で1.56倍の延伸処理をおこない繊度36dTex、フィラメント数48、単糸繊度0.75デシテックス、伸度27%の中空ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られた中空ポリエステルマルチフィラメントの中空率は29%であり、48時間での紡糸断糸率及び中空破れ発生率が0%と良好な工程通過性であり、布帛での風合いもソフトなものであることを確認した。
【0023】
[実施例2]
単一吐出孔でのポリマー吐出平均線速度が4.2cm/secとなる以外は実施例1と同条件にて繊度64dTex、フィラメント数48、伸度116%の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られた部分的未延伸中空ポリエステル繊維を余熱温度90℃、熱セット温度210℃で1.55倍の延伸処理をおこない繊度42dTex、フィラメント数48、単糸繊度0.87デシテックス、伸度30%の中空ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られた中空ポリエステルマルチフィラメントの中空率は25%であり、48時間での紡糸断糸率及び中空破れ発生率が0%と良好な工程通過性であり、布帛での風合いもソフトなものであることを確認した。
【0024】
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレート屑を粉砕して得られたマテリアルリサイクルされた固有粘度0.57のポリエチレンテレフタレートペレットを使用した以外は実施例1と同条件にて繊度56dTex、フィラメント数48の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得ようと試みたが溶融吐出段階でのベンディングや単糸切れにより紡糸することができなかった。
【0025】
[比較例2]
単一吐出孔でのポリマー吐出平均線速度が2.7cm/secとなる以外は実施例1と同条件にて繊度56dTex、フィラメント数48、伸度83%の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得たが、吐出斑(メルトフラクチャー)が発生しU%ハーフイナート値が3.7%と悪く延伸処理に値するものではなかった。
【0026】
[比較例3]
単一吐出孔でのポリマー吐出平均線速度が8.4cm/secとなる以外は実施例1と同条件にて繊度56dTex、フィラメント数48、伸度112%の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られた部分的未延伸中空ポリエステル繊維を余熱温度90℃、熱セット温度210℃で1.55倍の延伸処理をおこない繊度42dTex、フィラメント数48、単糸繊度0.75デシテックス中空ポリエステルマルチフィラメントを得たが中空率は18%であり目標とする中空率20%以上を達成できなかった。
中空破れが多発し延伸処理に値するものではなかった。
【0027】
[比較例4]
紡糸口金直下に設けた50〜290℃の雰囲気温度に保持した長さ1.5cmの保温領域を通過させた以外は実施1と同様にして繊度56dTex、フィラメント数48の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得ようと試みたが単糸切れにより紡糸することができなかった。
【0028】
[比較例5]
紡糸口金直下に設けた50〜290℃の雰囲気温度に保持した長さ6.0cmの保温領域を通過させた以外は実施1と同様にして繊度56dTex、フィラメント数48、伸度126%の部分的未延伸中空ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られた部分的未延伸中空ポリエステル繊維を余熱温度90℃、熱セット温度210℃で1.55倍の延伸処理をおこない繊度42dTex、フィラメント数48、単糸繊度0.87デシテックス中空ポリエステルマルチフィラメントを得たが中空率は14%であり目標とする中空率20%以上を達成できなかった。
【0029】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0030】
ポリマー屑からケミカルリサイクルした原料を使用したポリエステルからなる細単糸繊度高中空ポリエステルマルチフィラメントとすることにより、地球環境に優しく且つ軽量感及びソフト感に優れた布帛とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明で用いる紡糸口金吐孔の一態様を示した模式図。
【図2】本発明でいう中空破れを説明するための中空糸断面の一態様を示した模式図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を構成するポリマー成分の80モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成される中空ポリエステルマルチフィラメントであって、単糸繊度が0.7〜1.1デシテックス、中空率が20〜40%で且つ該ポリエチレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする中空ポリエステルマルチフィラメント。
【請求項2】
繊維を構成するポリマー成分の80モル%以上がポリエチレンテレフタレート単位で構成され、該ポリエチレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートを解重合して得られたリサイクルされたテレフタル酸ジメチルをエステル交換反応に使用したポリエチレンテレフタレートであり、単糸繊度が0.7〜1.1デシテックス、中空率が20〜40%である中空ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、複数のスリットからなる吐出孔を有する中空糸用紡糸口金を用い、吐出線速度3〜5cm/secの範囲で溶融ポリマーを吐出し、口金面から30〜50mmの付近より風速0.2〜0.8m/secで冷却固化したポリマー糸条を引き取り、そのまま又は一旦巻取り後に伸度25〜40%になるよう延伸処理することを特徴とする中空ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−144271(P2009−144271A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320919(P2007−320919)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】