説明

中空器官の挿管装置

【課題】血管が閉塞する危険性を克服することのできる中空器官の挿管装置を提供する。
【解決手段】本発明は、近位端部と、遠位端部と該近位端部と該遠位端部との間に位置する中央部分とを有するカニューレを含む、中空器官、特に動血管脈または静脈血管へ挿管装置に関する。前記遠位端部は、例えば拡張部により非膨張状態から膨張状態へ変換することができる膨張可能構造体を有し、該膨張可能構造体は、少なくとも膨張状態において開口部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中空器官の挿管(カニュレーション)装置に関し、該装置は、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に位置する中央部分とを有するカニューレを含み、該カニューレは、血管内への導入後、血管と流体連通状態になる。
【背景技術】
【0002】
カニューレを含むこの種の装置は、例えば動脈血管または静脈血管の挿管のために、外科および内科の分野において種々の形態で使用されている。典型的なカニューレは小型管であって、ほとんどの場合、固定の直径を有し、そして、血液を取り出すために、または患者の血液循環路と体外システムとの間に血液流路を形成するために、外科医や内科医が使用するものである。かくして、例えば体外血液酸素化のために、血液ポンプにより、または内因性血圧を使用する場合にはポンプなしで、体外循環路を維持することができる。重大な肺不全の患者に対して、体外呼吸補助装置(iLA,AVCO2R,pECLA,ECMOなど)が使用され、従来の換気の危険性を回避しながら、二酸化炭素を血液から除去するとともに酸素富化が行われている。これにより、酸素を豊富に含む血液が患者に戻される。これを行うため、2本の個々のカニューレまたは二重管カニューレを患者の周辺血管内へ導入し、その後、血液は、短管システムを介して、膜型肺と称されるものへ流入し、次に、患者の血液循環路へもどされる。集中治療において、カニューレは、例えば足または首の周辺血管に挿入される。このシステムは、数日または数週間の期間に十分なガス交換を行うことができるという利点を有している。その結果、例えば攻撃的な換気と、換気装置に関連した肺外傷(VALI)とを回避することが可能となり、肺を再生することができる。
【0003】
血管に応じて、特に血管寸法に応じて、種々の寸法および直径のカニューレを使用することができる。可撓性カテーテルまたはカニューレは通常、外径に関連して固定内腔および固定寸法を有している。例えば心肺バイパスにおいて、酸素を含んだ血液を十分に流通させるために、大型の内腔を設けなければならない。この目的のため、従来のカテーテルやカニューレは大径を有していなければならないが、この場合、カテーテルやカニューレを血管に挿入すること、特に組織を貫通させることが困難になるとともに、外科的介入を必要とする場合もあり、この場合、周囲組織により大きな損傷を与えることになる。
【0004】
小型カニューレの動脈血管への挿管の場合、内腔が小径であると、カニューレ内部の血液流動抵抗が増大することになり、その結果、流量が制限される。血液ポンプを使用すると高い流量で実施できるが、結果的に血流における剪断応力が高くなり血液細胞損傷の危険性がある。
他方、大型カニューレの場合、血液への負荷を軽減しながら、同時に高い流量を可能にする。しかしながら、大型カニューレを使用する場合の危険として、カニューレ導入後に血管が閉鎖するとともに、循環路の他の領域における生理的流通条件が乱される、ということが挙げられる。例えば、動脈血管へアクセス(到達)すると、下流の血液循環路、例えば四肢やその他の器官における、血液の生理的流れが妨げられる場合がある。この血液流れの遮断は、虚血や、酸素と栄養素との需要供給の不均衡を引き起こし、その結果、影響を受けた組織の壊死に至る場合がある。さらに、静脈血管への挿管は、心臓へもどる血液流れのうっ血を引き起こし、その結果、器官損傷や凝固の危険が生じる場合がある。
【0005】
上記危険のゆえに、動脈と静脈との連結を伴うポンプなし体外循環路において、そして同様に、血液ポンプ付きの静脈と静脈との、または静脈と動脈との体外循環路において、カニューレの寸法を決めることは重要になる。上述したように、ポンプを使用しない場合の血液の流量は、血液循環路における生理的血圧条件と、カニューレ寸法と、体外システム(人口肺、血液フィルター、ホースなど)の抵抗とに依存する。
【0006】
血液の高流量を実現するため、大型内腔のカニューレが必要であるが、この場合も、虚血や静脈うっ血といった上記不都合を引き起こす可能性がある。
静脈循環路における血圧は低いので、血圧を高めて体外循環路に対する動的な静脈排出を可能にしなければならないが、これはポンプを使用して達成される。カニューレを通る血液の流量が高い場合、血圧は低下する場合があり、このため血管においては低血圧となる。これは、血管の崩壊を招くおそれがある。というのも、血管壁は、血管外部に行きわたっている圧力により、内側に押されており、このため、血管の閉塞や血液流れの遮断が生じるからである。
【0007】
したがって、静脈と静脈との、または静脈と動脈との連結を伴う体外循環路内部へ静脈血液を供給する場合、所望の血液流れに応じて、静脈カニューレの直径および長さも重要な検討対象となる。例えば、これらは、低血圧とその結果生じる過剰な剪断力とによる血液損傷の範囲、またはそれを回避できるかどうかをも決めることになる。
従来技術は、内腔を全長にわたって広げることができるカニューレ、および一端に閉塞バルーンを追加的に備えたカニューレを開示している。
【0008】
かくして、下記特許文献1が開示するカニューレは、小径で、また非膨張状態で組織へ挿入され、そして、カニューレスリーブ除去後、所望の血管または組織へ挿入されるとすぐに、全長にわたって半径方向外方へ膨張するというものである。
さらに、下記特許文献2が開示するカニューレは、その内腔の全長にわたって、血管内部へ導入後、膨張させることができる膨張可能バルーンを有している。このカテーテルはさらに、膨張後、血管を完全に閉鎖する閉塞バルーンを含んでいてもよい。
【特許文献1】米国特許第6,613,038号明細書
【特許文献2】米国特許第6,679,871号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記実施形態のカニューレは、従来技術で周知の問題を解決することができない。というのも、これらのカニューレでも、血管が閉塞する危険性があり、動脈へ使用した場合、四肢への血液流れが阻害される危険性があるからである。
したがって、本発明の目的は、従来技術に記載されている不都合を克服することのできる中空器官の挿管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この目的は、冒頭に述べた装置において、遠位端部に、非膨張状態から膨張状態へ変換することができる膨張可能構造体を有し、該膨張可能構造体が少なくとも膨張状態において開口部を含んでいる、という事実によって達成される。
このようにして、本発明の目的は完全に達成される。
本明細書において、「近位」という用語は、ユーザの方を向き、かつカニューレ挿入後は血管の外部に位置するカニューレ端部を意味している。
【0011】
「遠位」という用語は、ユーザの反対方向を向き、かつ血管内部に挿入されるカニューレ端部を意味している。
本発明の装置は、一方において、血管内部へのカニューレ挿入後、血液循環路と体外システムとの間に血液通路を確実に形成するものであり、他方において、膨張可能構造体の開口部により、挿管地点の下流に位置する患者の身体領域に対して、血液供給を確実に継続するというものである。かくして、虚血および組織壊死が回避できて有利である。
【0012】
さらに、静脈血管、特に大腿静脈または頚静脈のような周辺血管への挿管において、遠位端部の膨張可能構造体の開口部により、血管内腔は確実に開いた状態に維持され、血管の崩壊は回避される。同時に、カニューレによる血管壁の吸引が回避され、その結果のカニューレの閉塞も回避され、このようにして、血管における血液流れと静脈カニューレにおける血液流れとが確保される。さらに、吸引効果により生じるおそれのある、溶血や、それに関連する赤血球の損傷や白血球の活性化の危険性がなくなる。
【0013】
上記の利点は、血管内部へのカニューレ導入後、遠位端部を膨張させることができ、同時に遠位端部の膨張可能構造体の開口部が開口するという事実により達成される。膨張の際、遠位端部の膨張構造体はさらに、それ自体を、例えば血管壁に対して位置させることができ、これにより、血管内部にカニューレを確実に嵌合させることを保証するという利点がある。膨張構造体が血管壁上に位置するかどうかに拘わらず、膨張可能構造体は一般的に、カニューレと血管壁との間に、血管の閉塞を防止する空間を確保する。
【0014】
血液の十分な取り出しを確実に行うため、カニューレはさらに、血管壁に完全には位置しないようなサイズおよび直径のものであり、むしろ、近位端部から中央部分を介して延びている領域において、血管よりも大きな直径を有している。血管へできるだけ穏やかにアクセス(到達)できるように、遠位端部は、カニューレの挿入前および挿入中、近位端部および中央部分よりも小径であることが好ましい。
【0015】
膨張可能構造体とそこに設けられた開口部とにより、血液の一部が、カニューレを通過でき、これにより挿管地点よりも下流に位置する身体領域へ到達することを確実に行え、その結果、これらの血管へ、特に四肢へ、血液を十分に供給することになる。他方、十分な量の血液をカニューレを介して身体から確実に取り出すことができる。カニューレを介して血管から取り出された血液は、例えば体外循環路に送られ、そして、体外心肺回路の場合、例えば膜型人口肺を介して酸素富化され、そして、静脈または動脈カニューレを介して身体へ戻される。さらに、静脈挿管の場合、血管は、挿管地点でまたは挿管地点付近で崩壊することがなく、このため、静脈低血圧およびその結果としての血液損傷が確実に回避される。
【0016】
本発明に係るカニューレを使用して、血液流れに対して抵抗を小さくすることができるとともに、同時に、人体周辺部からの生理的還流を可能にする、動脈または静脈血管の挿管装置が提供される。本発明では、カニューレが血管閉塞を引き起こし、これによりカニューレ周辺で血液流れを悪化させることを回避することができる。
本発明に係る装置のさらなる利点として、カニューレが挿管されるそれぞれの血管に対して、寸法および平均直径を適合させることができ、これにより、挿入時の限定された寸法にもかかわらず、カニューレ内部で血液流れを増大させることができる、ということが挙げられる。カニューレの寸法および直径は、挿管されるべき血管の寸法に依存し、したがって、患者と、所望の使用目的と、血管とに応じて変化させることができる、ということは専門家には明白であろう。
【0017】
血管壁を介する挿入の間、装置の遠位端部の膨張可能構造体は、圧縮/断面圧縮状態すなわち非膨張状態に維持されて、制限された直径を有している。血管内部へのカニューレ導入後、膨張可能構造体を備えた遠位端部を膨張状態に変換することができ、その結果、遠位端部の膨張可能構造体は血管壁と接触することができる。膨張可能構造体により付与される半径方向の力により、血管は、特にカニューレと血管壁との間に確保された空間により、開いた状態に維持される。
【0018】
本発明において、膨張した末端は、血管の一部分が流通することを可能にする開口部を有している。したがって、カニューレを介さない、身体からの血液部分は、わずかな流動抵抗でカニューレ周辺を流動することができて有利である。
好ましい実施形態において、膨張可能構造体は自己膨張可能構造体であることが好ましい。
【0019】
この実施形態において、いわゆる静止状態、すなわち膨張状態にある装置は、その遠位端部に既に膨張した構造体を有しており、膨張構造体へ力を付加することにより、膨張構造体を圧縮状態に変換することができる。この圧縮状態において、装置を所望の血管内へ挿入することができ、そして、血管中で位置決めされた後、力の付与を停止し、構造体を膨張状態へ戻す。膨張形態へのこの変換は、類似の専門分野では、自己膨張型と称される。
【0020】
この方策は次の利点を有している。すなわち、カニューレ、特にカニューレの末端部または遠位端部は最初から、その静止状態に対応する膨張構造体として製造することができる。血管への挿入前および挿入中、膨張可能構造体を有する遠位端部は、膨張可能構造体が圧縮により細長い形状へ伸張されるように、力または圧力を受けることができ、その結果、遠位端部は、カニューレの他の部分の直径と比較して狭くなる。血管への挿入後、圧力または力を取り除くと、遠位端部の膨張可能構造体は元の膨張形状に戻る。使用後にカニューレを取り除く際、遠位端部の膨張可能構造体は再び、力の付与により、カニューレに対して長手方向に延びる圧縮状態に変換され、その結果、末端部または遠位端部は再び狭くなり、血管から簡単に除去することができる。
【0021】
別の実施形態において、膨張可能構造体を、例えば力や圧力の作用により膨張可能状態へ変換できるようにすることが好ましいであろう。これは、例えば、膨張可能構造体内部に設けられる拡張可能バルーンにより行うことができる。この拡大したバルーンは力を膨張可能構造体へ伝達し、その結果、膨張可能構造体は膨張状態へ変換される。
全体的に、膨張可能構造体が、弾性プラスチック、超弾性プラスチック、弾性金属、超弾性金属からなる群から選択された材料、特にニチノールを有することが好ましい。
【0022】
別の実施形態において、膨張可能構造体が形状記憶特性を備えた材料を有することが好ましい。
従来技術において周知の種々の材料から、どの材料を選択することが可能であるか、または選択すべきであるかについては専門家には明白であろうが、従来技術では適切な材料として特にニチノールを指定している。
【0023】
別の実施形態において、膨張可能構造体は自己膨張可能編組ステントの構造を有していることが好ましい。
自己膨張可能編組ステントは従来技術において十分周知であり、記述されている。これは、ある角度で編組されるとともに、圧縮性のさやを取り除くと自動的に展開するワイヤを含む。
【0024】
膨張可能構造体における開口部は、ステントを編組している特定の角度に依存して構成することができる。好ましい例において、この構造体は、本発明に係る装置のカニューレ遠位端部に配置することができ、膨張可能構造体を形成している。
本発明に係る装置の別の実施形態において、カニューレが、ワイヤ補強されたステント状メインフレームを有しており、近位端部と中央部分とが、液に対して隙間のない状管部分を形成するためにプラスチックで被覆されていることが好ましい。
【0025】
この実施形態は次のような利点を有している。すなわち、ワイヤ構造体は、カニューレの全長にわたって安定性を付与し、同時に、遠位端部には弾性プラスチックが存在せず、したがって、開口部を有しており、この開口部は、ワイヤ補強されたメインフレームの編組角により寸法および形状が予め定められている。さらに、安定性を付与するプラスチックで被覆されていない遠位端部は、圧力を除去した後、膨張することができ、その結果、開口部が開放される。
【0026】
別の好ましい実施形態において、メインフレームのワイヤの編組角度は、メインフレームの長手に沿って変化していることが好ましい。
この方策により、メインフレームおよびカニューレの種々の領域において、種々の角度を実現することができて、開口部の寸法を調整することができる。
別の好ましい実施形態において、本発明に係る装置を少なくとも部分的に被覆することができるプラスチックは、ポリウレタン、シリコーン、およびテフロン(登録商標)からなる群から選択される。
【0027】
したがって、この例示的な実施形態において、例えば、全長にわたって、またはある部分においてのみ、非常に特殊な編組角を有する編組ワイヤステントをまず製造する。この「メインフレーム」を次に、近位端部および中央部分においてプラスチックで被覆し、遠位端部にはプラスチックの被覆を行わない。かくして、近位端部と中央部分とは、例えば血液が通過することができる漏れ止め管を形成し、他方、遠位端部は被覆されず、編組ステント構造を有している。遠位端部は、膨張状態では開口部を有するが、この開口部は、編組ステントの交差/重なりワイヤの角度によって形成される。膨張端部により、カニューレは、血管壁上に定着するワイヤによって、血管内部に固定されることができる。さらに、血液は単にカニューレ内部に入るだけでなく、開口部を介してカニューレを通過して流動することができる。これは、動脈挿管の場合、下流に位置する患者の身体部分に血液を供給するということを意味し、そして、静脈挿管の場合、心臓に対する生理学的還流を保証し、静脈血液のうっ血や血栓症を回避するということを意味している。
【0028】
別の実施形態において、本装置は、近位領域と遠位領域とこれらの領域間に位置する中央部分を備えた拡張部を含み、この拡張部はカニューレを挿入するために使用され、カニューレの内部に設けられる。
拡張部はカニューレ装置の通常構成部材である。拡張部により、血管は、膨張されて、血管内へのカニューレの挿入および配置を可能にされる。かくして、本発明に係る装置において、拡張部は、カニューレを血管内部へ挿入することを容易にするためにカニューレ内部へ挿入され、これにより、装置の不可欠な部分を形成している。
【0029】
本発明に係る装置の一つの実施形態において、膨張可能構造体をその全長にわたって、拡張部を介して変位させることができるようにすることが好ましい。
この実施形態は次のような利点を有している。すなわち、いかなる場合であれ、しばしばカニューレシステムの構成要素である拡張部は、カニューレをその非膨張状態で挿入する場合に使用することができる。血管内部へのカニューレ挿入前に、拡張部をカニューレ内部へ挿入し、そして、膨張可能構造体を備えたカニューレの遠位端部にそれ自体を割り込ませ、これにより、拡張部をカニューレ内部へさらに前進させると、膨張可能構造体は長さ方向へ変位または伸張させられる。この変位により、膨張可能構造体の当初の直径は減少することになる。
【0030】
さらにまた、血管内部へカニューレを挿入するため装置内部へ案内された拡張部を除去することにより、膨張可能構造体を膨張状態へ変換できるようにすることが全体的に好ましい。
拡張部は、装置を挿入するためにカニューレ内部へ案内され、そして、皮膚および血管壁を貫通すると、拡張部はカニューレを確実に安定させるとともに血管を膨張させる。拡張部は、遠位端部の膨張可能構造体を非膨張状態または伸張形状へ変換させるために必要な力を付与することができる。
【0031】
このことは、例えば、拡張部の遠位端部を特別な構成にすることより達成することができる。この構成によれば、拡張部は、この領域の外表面に、構造物を有しており、この構造物は、カニューレ内部へ拡張部を挿入すると膨張可能構造体へ係合し、そして先端方向へさらに前進させると、膨張可能構造体を長手方向へ伸張させる。拡張部を引き抜くと、膨張可能構造体は、拡張部の表面の構造物から切り離され、その結果、拡張部はカニューレを通って血管から抜け出るように案内されることができ、カニューレ遠位端部の膨張可能構造体は、膨張状態へ変換される。
【0032】
この方策は、例えば、中央部分へ取り付けられた球体状ワイヤ補強メインフレームの形状を有する、装置の遠位端部の膨張可能構造体により達成することができる。血管に向かって開口するこのメインフレーム端部は、細く形成され、そして、拡張部の遠位領域よりも小さな直径を有している。膨張可能構造体すなわちメインフレームに対して弾性材、好ましくは超弾性材を使用することは、メインフレームを小径にすることと合わせて、次のような意味を有する。すなわち、拡張部をカニューレ内部に挿入すると、拡張部は細く形成された構造物を摺動方向に一緒に引きずり、その結果、膨張可能構造体は長手方向へ伸張させられる。膨張可能構造体が長手方向へ伸張される範囲は、膨張可能構造体に使用される材料に依存し、そして、適切な場合には、編組メインフレームが使用されているときは、編組角に依存する。
【0033】
しかしながら、他方、血管内部へ装置を挿入するために、少なくとも膨張可能構造体を越えて案内され、それによって装置の挿入前および挿入中に膨張可能構造体を非膨張状態に維持する、可撓性スリーブまたはスリーブ状部分を設けることも可能である。カニューレを正しく位置決めした後、スリーブは、例えばユーザ側へ引きもどすことにより、取り外すことができ、その結果、膨張可能構造体は解放されて、膨張することができる。
【0034】
本発明に係る装置のさらなる特徴として、カニューレの内腔が変化しているということがある。カニューレを導入するため、カニューレ先端、すなわち、血管内部に位置する遠位端部は、カニューレの近位部および/または中央部分よりも小径である。これにより、損傷やカニューレ外部の流動条件の混乱の危険性を減少させる。したがって、従来技術で周知のカニューレとは異なり、比較的大きな直径によりカニューレの位置を固定させるために、血管内部深くにカニューレを押し入れる必要がない。膨張可能構造体を備えているので、血管壁とカニューレとの間に少なくとも空間を確保することが可能である。かくして、カニューレは、その遠位端部の小さな部分のみを血管内部へ挿入すればよく、この遠位端部は血管内部への挿入の際、より小径であるので、血管損傷の危険性を回避することができる。同時に、カニューレは、血管外部に位置する部分、すなわち、近位端部では、より大径であり、この結果、カニューレ内での血液流れに対する全体的な抵抗が減少する。血管外部の組織を、なんら悪い結果を引き起こすことなく伸張させることができるので、直径が増大していてもなんら損傷の危険性を伴わない。
【0035】
血管の内部に位置するカニューレの細い部分、すなわち遠位端部は、血管外部のより広い部分よりもかなり短いので、確実に全体的抵抗を極めて小さくすることができる。
カニューレは、種々のやり方で血管内部へ所望の長さに挿入することができる。
別の実施形態において、拡張部は、拡張部の遠位端部から少なくとも拡張部中央部分へ延びる溝状通路を有していることが好ましい。
【0036】
この通路は、拡張部の外表面の溝状凹部として、または、拡張部内部全体に設けられた溝として設けることができる。
溝状通路を、拡張部表面に細長い凹部として設け、その通路の一端を拡張部の遠位領域に入口として設け、その通路の他端を近位端部または中央部分に出口として設けるようにすることが特に好ましい。
【0037】
この実施形態は、血管側を溝状通路を介してユーザ側へ向けることができるという利点を有している。このことは、カニューレを拡張部で血管内部に押し入れると、そして、カニューレおよび拡張部の遠位端部が血管内部に位置すると、一般的な毛管力と血圧とにより、血管内部に存在する血液を溝状凹部内へ流動させる。遠位端部に始点すなわち入口を有する溝状凹部により、血液は少なくとも拡張部の中央部分の所まで案内され、そこで、血液は溝状通路の出口から現れるのでユーザに見えるようになる。したがって、ユーザは、装置の位置決めが成功したこと、および、拡張部を取り外すことによりカニューレを次の工程において展開することができるということを、知ることができる。
【0038】
別の実施形態において、溝状通路の入口と出口とにそれぞれ、膜状カバーが設けられていることが好ましい。拡張部の溝状通路が、流体状または気体状媒体、例えば、空気、窒素、食塩溶液を収容していることが特に好ましい。
この方策は、血液が拡張部の通路を通ることなく、血管へのアクセスを成功させることもできるという利点を有している。
【0039】
膜状カバーを備えた実施形態は、カニューレを血管内部に位置させると、溝状通路の入口を横切る膜が、血管内の血圧により伸長されるとともに内側へ押圧される、という利点を有している。さらに別の膜が溝状通路の他方端すなわち出口で通路を密封すると、この別の膜は、通路内での圧力増加のゆえに膨れ上がる。
好ましい実施形態において、この通路が、好ましくは圧縮可能な気体を収容するようにすることができる。
【0040】
さらにまた、通路内に液体が存在するようにすることもでき、これにより、血管へのアクセスがうまくいった場合、ユーザ側の膜は、通路内部の液体の体積変位効果により、外方向へ膨れ上がる。この場合、液体は例えば食塩溶液であってもよく、この食塩溶液は拡張部内にもともと存在していてもよいし、または使用前にユーザが導入してもよい。
別の実施形態において、血管側の拡張部の膜が、ユーザ側の膜よりも実質的により大きな面積を有していることが好ましい。
【0041】
この方策は、血液側の膜状カバーが少し膨らむと、ユーザ側ではより大きく膨らみ、これにより、ユーザに対して明白な合図を提供することになる、という利点を有している。
本発明に係る装置の少なくともある部分が、少なくともひとつの生体適合性材料で被覆されていることが、一般的に好ましい。血液凝固の危険性、ならびに血管および血液が異物と接触することにより引き起こされる炎症性反応の危険性を、完全には排除できなくとも、低減させるためにこの種の材料が選択される。請求された使用に適合する、種々の自然材料および/または合成材料が、従来技術から専門家に周知である。
【0042】
別の実施形態において、カニューレがその長手に沿って、直径が変わっていることが好ましい。
この方策は、例えば、カニューレを血管内へ挿入するためのカニューの遠位端部が、カニューレの近位端部または中央部分よりも小さな直径を有することができる、という利点を有する。これに対応して、カニューレ内部へ導入される拡張部は、カニューレの形状およびカニューレの異なる直径に適合させることができる。
【0043】
本発明はさらに、体外循環路システムにおける本装置の使用に関する。
この種の使用において、本発明に係る装置は、例えば、体外肺呼吸補助における肺支援装置と関連させて使用することができる。この新規装置は、挿管地点よりも下流に位置する領域へ確実に血液の供給を行う。
本発明により、細くて膨張可能なカニューレ末端により、種々の身体構造上のおよび生理学的条件のもと、緊急事態の用途においてさえ、迅速かつ穏やかな血管へのアクセスを可能にする血管への挿管装置が可能になる。本発明に係る装置は、大型カニューレによって生じる損傷や過剰拡大の危険性を実質的に低減する。さらに、遠位端部の膨張を介した、カニューレによる周辺血管の閉塞を回避し、これにより、身体の四肢に対して、生理学的血液流量で血液を灌流させることもできる。さらに、カニューレ内部の流量は、生理学的条件のもとで最大化される。血管内部の小径カニューレ内での流れ抵抗は、カニューレ外部の大径部における低抵抗によって相殺される。したがって、全体的に、結果としてのカニューレ抵抗は、従来のカニューレの場合よりも低いが、四肢への血液流れおよび四肢から心臓への静脈血液の還流が損なわれることはない。
【0044】
さらなる利点は、添付図面および下記説明から明らかになろう。
上記特徴および以下に説明する特徴は、それぞれ記載された組み合わせにおいてのみ使用されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせにおいてもまたは単独ででも、使用することができる。
本発明の例示的実施形態は下記説明において、より詳細に説明されるとともに、添付図面に示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1において、血管への挿管のための、本発明に係る装置の実施形態の詳細は全体が参照番号10で示されている。装置10はカニューレ12を含み、このカニューレ12は、近位端部と、遠位端部14と、近位端部と遠位端部14との間に位置する中央部分15とを備えている。遠位端部14は、血管18内で膨張状態にある膨張可能構造体16を有する。さらに、参照番号20は膨張可能構造体16の開口部を示す。カニューレ12はさらに、血管と装置との間で流体を流通状態にするカニューレ開口部を含む。
【0046】
図1から分かるように、カニューレ12の遠位端部14は血管18内部へ挿入されている。図1において、遠位端部14の膨張可能構造体16は、血管壁上に膨張状態で位置している。しかしながら、膨張可能構造体16それ自体は必ずしも血管壁上に位置していなければならないというものではない。というのも、その形状のみで、カニューレを血管壁から確実に離間させているからである。このようにして、膨張可能構造体16は、カニューレ12と装置10とを全体として、血管に確実に収容させている。装置が血管18内へ挿入された後、血管18を流れる血液の一部はカニューレ開口部を介してカニューレ12を通り、次に、患者身体の外部、例えば体外肺呼吸支援装置のような体外循環路内部を通る。残りの血液はカニューレ12内部へ案内されず、開口部20を介してカニューレ12を通り過ぎて流れ、挿管地点より下の血管領域へ至る。これにより、これらの血管領域、特に四肢への血液供給を確実に行う。
【0047】
膨張可能構造体の開口部は、任意の所望の形状を有することができ、特に、流動技術の観点から適切な形状、換言すれば、カニューレ12を介して排出される血液と血管18の中を前方へ搬送される血液との間に良好な配分比を形成できるような形状にすることができる。
図2aおよび図2bは、本発明に係る装置の実施形態の詳細を再び示すものであり、ここで図1と同一の要素には、同一の参照番号を付している。図2aおよび図2bにおいて、カニューレ12の遠位端部14は、膨張可能構造体16と、やはりカニューレ12に存在する拡張部22とともに、縦方向断面が示されている。
【0048】
拡張部はこの分野で使用される標準的な拡張部であってもよく、プラスチックなどの材料で形成することができる。上述したように、拡張部は一般的に、カニューレを導入する血管を膨張させるために使用される。
図2aにおいて、膨張可能構造体は非膨張状態である。さらに、拡張部22は、カニューレ12を介して案内され、膨張可能構造体16を介して延びており、かくして、拡張部の長手軸に沿って膨張可能構造体16を伸張または変位させ、これにより、膨張可能構造体の膨張状態における断面を低減させている。この変位は、例えば膨張可能構造体に拡張部を割り込ませることにより達成することができる。したがって、この状態において、膨張可能構造体16は、カニューレ12の血管18内への位置決めが成功するまで、その状態を保持されるような力を受けている。
【0049】
図2bは、カニューレ12の遠位端部14の膨張可能構造体16の膨張状態を示すが、膨張可能構造体16は、カニューレ12が血管18内に位置決めされた後、膨張状態に変換される。膨張可能構造体16は、拡張部22を取り外し、その結果、力の付与が中止されることにより、この状態になる。この例示的な実施形態において、膨張可能構造体は超弾性特性の材料を有しているか、または超弾性特性の材料で形成されているが、このことは、膨張可能構造体は、膨張した状態で製造することができ、血管内部への挿入のために圧縮することができ、そして、カニューレ12が血管18内において位置決めされた後、かつ、膨張可能構造体16に作用している力が除去された後、元の形状に戻ることができる、ということを意味している。
【0050】
図3は、本発明に係る装置の別の実施形態の詳細を示し、図中、カニューレ32の遠位端部34は膨張可能構造体36を有している。図3から分かるように、膨張可能構造体36は、編組ステントの様式で編組ワイヤ構造体の形態を有している。図3に示す実施形態は膨張状態である。図3から分かるように、膨張可能構造体36は開口部38を有し、カニューレ32が一旦血管内に位置されると、この開口部38により、血管へ流入する血液の一部がカニューレを通って、挿管の下流に位置する領域へ、特に四肢へ、確実に供給される。
【0051】
本発明において、装置のメインフレームは、近位端部および中央部分がプラスチックで被覆された編組ワイヤ構造体を有していてもよい。これらの部分を被覆することにより、液に対して隙間のない管状カニューレ部分が形成され、その遠位端部では、編組構造体の構造と形状とを依然として有することになる。メインフレームは、その長さに沿って、種々の編組角度を有していてもよい。
【0052】
さらに、本装置は、膨張可能構造体がカニューレの他の部分とは別に製造され、かつ、他の部分に固定的に接続されるように構成することができる。
図4aおよび図4bは、従来技術のカニューレと、本発明に係る装置の実施形態との主たる違いを示している。図4aに示す、従来技術で周知のカニューレ52の直径は一定であるが、本発明に係る装置は、図4bに模式的に示すように、内腔の大きさを変わるようにすることができる。カニューレ42は血管48内部においてより小さな直径であり、これにより、損傷の危険性およびカニューレ外部の流動条件を混乱させる危険性を低減する。同時に、血管48外部のカニューレは、血管内部に位置するカニューレ部分よりも直径がより大きく、これにより、カニューレ内の血液流れに対する全体的な抵抗を低減する。血管48内部のカニューレ42の細い部分は、血管48外部の、直径がより大きな部分よりもかなり短いので、抵抗は全体的に大幅に低くなる。血管48内部に位置するカニューレ部分を短く保つことは、膨張可能構造体(図4bには図示せず)により可能になる。本発明に係る装置のこの実施形態において、カニューレを血管内に固定することを可能にしているのはこの膨張可能構造体であり、その結果、確実な位置決めを行うために血管内部に、より長い部分を挿入する必要がなくなる。
【0053】
図5は、本発明に係る装置の別の実施形態の詳細を示す。図5において、参照番号62はカニューレ全体を示し、参照番号64はカニューレ62の遠位端部を示している。膨張可能構造体は参照番号66により示され、膨張可能構造体66の開口部は参照番号68により示されている。カニューレ62は、拡張部72を用いて、血管88内部に挿入されていることが図5から理解されよう。拡張部72は、図5において破線で示す通路76を有している。通路76は、拡張部72の表面に設けられ、拡張部72の遠位端部分73から始まって、拡張部72の少なくとも中央部分74内へ延びている。拡張部72をカニューレ62内部へ、そしてそれにより、膨張可能構造体66内部へも導入することにより、膨張可能構造体66は、拡張部72の長手方向へ変位する。血液は、膨張可能構造体66に設けられた開口部68により通路76内へ流入する。カニューレ62の中央部分には開口部は設けられていないので、カニューレは、通路76をさらなる長さ方向延長部において密封し、これにより、開口部68を介して通路76内へ流入する血液は、通路76の出口まで通路76を案内されるが、この通路76の出口は、拡張部72の中央部分または近位端部に、いずれにしても、もはやカニューレ内には位置しない拡張部72の領域に、位置している。したがって、カニューレ62が血管内へ導入された後、通路76の出口に血液が現れるとすぐに、本装置を使用している患者は、カニューレが十分な深さに導入されたということを、確認することができる。
【0054】
図6aおよび図6bは、本発明に係る装置の別の実施形態の詳細を示す。図6aおよび図6bにおいて、図5と同一の参照番号が、同一の要素に対して使用されている。図6aおよび図6bから、通路76において、拡張部72の遠位端部の入口(図6b)とその出口(図6a)とが膜状カバー78で覆われていることが分かる。この実施形態において、通路は、例えば食塩溶液のような媒体を充填されている。カニューレを血管内へ挿入すると、膜は、血液流れと接触すると直ぐに押圧される。通路76内に存在する媒体への圧力の伝達により、出口の膜は膨らみ、その結果、ユーザは、カニューレが血管に到達したということを、確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る装置の実施形態の詳細を示し、膨張可能構造体を備えた遠位端部の詳細を示す。
【図2a】本発明に係る装置の実施形態の詳細、すなわち、力を受けた状態の膨張可能構造体を備えた遠位端部の断面を示す。
【図2b】図2aの状態から、力が取り除かれて膨張状態にある膨張可能構造体の詳細を示す。
【図3】本発明に係る装置の別の実施形態の詳細を示す。
【図4a】従来技術の挿管手順を示す。
【図4b】血管内部へ導入された、本発明に係る装置の実施形態を示す。
【図5】本発明に係る装置の実施形態を示し、この実施形態において拡張部は通路を有している。
【図6a】装置の別の実施形態の遠位端部を示し、本装置は通路に膜状カバーを有している。
【図6b】装置または通路の近位端部の出口用に設けられている、図5aの実施形態の膜状カバーを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部と、遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に位置する中央部分とを有するカニューレを含み、前記カニューレは、血管内へ導入後、当該血管と流体連通状態になる、中空器官、特に動脈血管または静脈血管への挿管装置であって、
前記遠位端部は、非膨張状態から膨張状態へ変換することができる膨張可能構造体を有し、前記膨張可能構造体は、少なくとも前記膨張状態において開口部を含むことを特徴とする挿管装置。
【請求項2】
前記膨張可能構造体は自己膨張型構造体である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記膨張可能構造体は、弾性プラスチック、超弾性プラスチック、弾性金属、超弾性金属からなる群から選択される材料を有する、請求項1および2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記膨張可能構造体は形状記憶特性を備えた材料を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記材料はニチノールである、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記膨張可能構造体は、自己膨張可能編組ステントの構造を有している、請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記カニューレはワイヤ補強されたステント状メインフレームを有し、液に対して隙間のない管部分を形成するために、前記近位端部および前記中央部分はプラスチックで被覆されている、請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記編組ステントまたは前記ステント状メインフレームは、その長手に沿って角度が変化している、請求項6および7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
近位領域と遠位領域とを備え、かつ前記近位領域と前記遠位領域との間に位置する中央部分を備えた拡張部をさらに含み、この拡張部は、前記カニューレを挿入するために使用されるとともに前記カニューレ内部に設けられる、請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記膨張可能構造体は、前記拡張部を介して、その長手に沿って変位可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記拡張部は、当該拡張部の前記遠位領域から少なくとも当該拡張部の前記中央部分へ延びている溝状通路を有する、請求項9および10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記溝状通路は前記拡張部の表面に細長い凹部として設けられ、前記通路の一端は前記拡張部の前記遠位領域に入口として設けられ、前記通路の他端は前記近位端部または前記中央部分に出口として設けられている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記入口および前記出口にはそれぞれ、膜状カバーが設けられている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記通路は、流体媒体または気体媒体を収容する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記カニューレはその長手に沿って直径が変化している、請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
体外循環路システムにおける、請求項1ないし15のいずれかに記載の装置の使用。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2008−86755(P2008−86755A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−224185(P2007−224185)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(503356299)ノバルンク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【Fターム(参考)】