説明

中空糸膜モジュール

【課題】ハウジング2の両端部の外周面は通液キャップ3、4により固定されており、内周面には封止部材11が固着されている。このような構成において、封止部材11の熱応力によりハウジング2の両端部にかかる荷重を吸収する機構を提供する。
【解決手段】ハウジング2の両端部の筒壁7を、内筒16と外筒18からなる二重筒構造とする。内筒16と外筒18との間には隙間13が形成されており、内筒16に封止部材11からの熱応力がかかると、内筒16は外周側に撓み、封止部材11の熱応力を吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液透析や水処理に使用され、透析膜である中空糸膜の束を筒状のハウジングに収容してモジュール化、すなわち独立した交換部品として構成した中空糸膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析においては、血液中の老廃物や余分な水分を透析膜を通して透析液中に排出するとともに、透析液中の電解質等を透析膜を通して血液中に送っている。一度血液透析に使用された透析膜は衛生上の理由から再度使用することは禁止されていることから、透析膜は頻繁に交換される。ここで、透析患者が何らかの疾患に罹患している場合、使用後の透析膜には疾患の原因物質が付着している可能性があるため、透析膜の交換を行う作業者が使用後の透析膜と接触することは避けなければならない。そこで、透析膜の交換を簡易、安全に行うために、従来から透析膜をハウジングと呼ばれる容器内に収容してモジュール化、すなわち独立した交換部品とした透析膜モジュールが使用されている。透析膜を交換する際はこの透析膜モジュールごと交換するので作業者が使用後の透析膜に触れることは避けられる。
【0003】
透析膜モジュールにはシート状の透析膜を積層し、各層の間に血液と透析液とを交互に流す積層式モジュールと、ストロー状の透析膜である中空糸膜の内部に血液を流し、中空糸膜の外側に透析液を流す中空糸膜モジュールとが知られている。このうち、中空糸膜モジュールは積層式モジュールに比べて透析効率が高いことが知られており、近年急速に普及している。
【0004】
さらに、中空糸膜モジュールは上述した血液透析以外に、飲料用水や工業用水を精製する精製フィルタとしても使用されている。
【0005】
中空糸膜モジュールは、両端が開口した筒状の形状を備えたハウジングと、ハウジング内に収容される中空糸膜束と、ハウジング両端部の外周面に固定され、通液口が設けられた通液キャップとを備えている。また、血液透析を行うタイプの場合、透析液の供給口と排出口を備えており、これらはハウジングの筒壁または通液キャップに設けられている。また水処理を行うタイプの場合も同様に、濃縮水の排出口が(場合によっては原水供給口も)ハウジングの筒壁に設けられているものや、これら濃縮水排出口や原水供給口が通液キャップに設けられているものがある。
【0006】
ハウジング内には、ハウジングに収容された中空糸膜束の端部を固定するとともにハウジングから透析液や濃縮水が漏出しないようにハウジングを封止する、ポッティング(Potting)材と呼ばれる封止部材が設けられている。この封止部材はポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなり、中空糸膜の端部間の隙間を充填するとともに、ハウジング両端部の内周面に固着している。
【0007】
中空糸膜モジュールは、以下の工程を経て製造される。
(1)ハウジングに中空糸膜束を収容する。
(2)ハウジング両端部の外周面に封止キャップを固定する。ここで封止キャップとは通液キャップとは異なる部材であり、通液口のような穴は開けられていない。封止キャップを固定することによりハウジングの両端部が封止される。
(3)ハウジングの透析液供給口および排出口(または、原水供給口および濃縮水排出口)から粘性液状の封止部材を注入する。注入後、ハウジングの軸方向中心であって、軸方向とは垂直な回転軸周りにハウジングを回転させ、遠心力により封止部材をハウジング両端部に寄せる。このときに中空糸膜端部の隙間に封止部材が充填される。
(4)封止部材を加熱することにより封止部材を硬化させる。これにより中空糸膜束が封止部材に固定されるとともに、ハウジング両端部の内周面に封止部材が固着される。
(5)封止キャップを外し、通液キャップをハウジング両端部の外周面に固定する。
(6)組み上がった中空糸膜モジュールに対して殺菌処理を行う。
【0008】
ここで、上記(6)の殺菌処理として、従来から加熱殺菌が行われている。また、中空糸膜モジュールが水処理に使用される場合には、上記殺菌処理に加えて水処理の合間に定期的に熱水等による加熱殺菌を行っている。例えば特許文献1では熱水等の加熱流体を通液キャップの通液口からハウジング内に供給することにより加熱殺菌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−220445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した加熱殺菌処理において、ハウジング内に加熱流体が供給されることにより封止部材が熱膨張する。他方、封止部材はハウジング内周面に固着しているから、封止部材の膨張はハウジングにより拘束される。その結果、封止部材に応力(熱応力)が発生し、封止部材がハウジング内周面を押圧する。封止部材に押圧されたハウジングは外周側に撓もうとする。ここで、ハウジング両端部の外周面は通液キャップが固定されていることから、ハウジング両端部は外周側への撓みが拘束される。この結果ハウジング両端部の筒壁には圧縮荷重がかかり、この圧縮荷重が筒壁の荷重限界を超えると、筒壁にクラックと呼ばれるひび割れが発生するおそれがある。
【0011】
他方、通液キャップ側から見ると、ハウジングが外周側に撓もうとしているから、通液キャップには引っ張り荷重がかかる。ハウジングの荷重限界よりも通液キャップの荷重限界の方が小さい場合には、通液キャップにクラックが生じることになる。
【0012】
そこで本発明は、ハウジング両端部にかかる荷重を吸収する機構を備えた中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、端部が開口した筒形状のハウジングと、前記ハウジングに収容された中空糸膜束と、中空糸膜の端部間の隙間を充填することにより前記中空糸膜束の端部を固定するとともに、前記ハウジング両端部に固着された封止部材と、前記ハウジング両端部に固定され、通液口が設けられた通液キャップと、を備えた、中空糸膜モジュールであって、前記ハウジング両端部は、内筒と外筒の二重筒構造を有し、前記封止部材は前記内筒に固着され、前記通液キャップは前記外筒の外周面に固定されており、前記封止部材の熱膨張による応力が、前記内筒と前記外筒の間に形成された隙間によって吸収されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の中空糸膜モジュールであって、前記封止部材は、前記内筒の内周面に固着されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に係る発明は、請求項1記載の中空糸膜モジュールであって、前記封止部材は、前記内筒の端部が前記封止部材に埋没するように固着され、前記封止部材の外周面と前記外筒の内周面との間の隙間によって前記応力が吸収されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか一つに記載の中空糸膜モジュールであって、前記隙間は、前記ハウジングの端面から前記通液キャップにより外周が固定された領域深さまで形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、従来ハウジング両端部を内筒と外筒の二重筒構造に形成し、内筒が封止部材からの応力を受けるように構成している。内筒と外筒との間には隙間が形成されており、内筒が封止部材から応力を受けたときには内筒が外周側に撓んで応力を吸収する。応力を吸収する機構を備えることにより、ハウジング両端部または通液キャップにおけるクラックの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る中空糸膜モジュールの断面図である。
【図2】本実施形態に係る中空糸膜モジュールの一部を拡大した図である。
【図3】中空糸膜モジュールの構成部材である、ハウジングの斜視図である。
【図4】中空糸膜モジュールの構成部材である、ハウジングの斜視図である。
【図5】中空糸膜モジュールが加熱されたときの中空糸膜モジュールの一部を拡大した図である。
【図6】別の実施形態に係る中空糸膜モジュールの断面図である。
【図7】別の実施形態に係る中空糸膜モジュールの断面図である。
【図8】別の実施形態に係る中空糸膜モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、本実施形態に係る中空糸膜モジュールの構成について説明する。図1には本実施形態に係る中空糸膜モジュール1の断面図が示されている。
【0020】
中空糸膜モジュール1は、筒型の形状からなり、両端部が開口したハウジング2を備えている。ハウジング2は、ポリサルフォン、ポリカーボネート等の樹脂材料から構成されている。また、ハウジング2の両端にはハウジング両端部を封止する通液キャップ3、4が設けられている。中空糸膜モジュール1が血液透析に使用される場合には、通液キャップ3の通液口5は血液透析器(図示せず)の動脈側回路に接続され、また通液キャップ4の通液口6は血液透析器の静脈側回路に接続されている。また、ハウジング2の筒壁7には透析液供給口8および透析液排出口9が設けられている。また、中空糸膜モジュール1が水処理に使用される場合には、通液キャップ3の通液口5は原水供給管に接続され、また通液キャップ4の通液口6は浄水供給管に接続される。さらに、ハウジング2の筒壁7には濃縮水排出口が設けられる。
【0021】
さらにハウジング2内には中空糸膜束10が収容され、ハウジング2の両端部の内周面には、中空糸膜束10を固定するとともにハウジング2を封止する封止部材11が固着されている。また、通液キャップ3、4と封止部材11との間には、弾性体からなるOリング12が狭持されている。
【0022】
封止部材11はポッティング(Potting)材とも呼ばれ、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から構成される。封止部材11は中空糸膜の隙間を充填することにより中空糸膜束10を固定するとともに、ハウジング2の両端部の内周面に固着されている。また、封止部材11の線膨張係数は10〜20[K-1]であり、加熱されることにより体積が膨張する。なお、封止部材11の線膨張係数はハウジング2の線膨張係数よりも高い値であり、体積膨張の割合は封止部材11の方が大きい。
【0023】
図2に中空糸膜モジュール1の端部の拡大図を示す。ハウジング2の両端部の筒壁7は内筒16および外筒18からなる二重筒構造を備えている。さらに内筒16と外筒18との間には隙間13が形成されている。この隙間13は、ハウジング2の両端部の端面14からハウジング2の軸方向に沿って切り込まれており、その深さは少なくともハウジング2の外周が通液キャップ3、4により固定されている領域深さLまで達している。例えば通液キャップ3、4とハウジング2にねじ溝を設けて両者を螺合することにより固定する場合には、隙間13の深さはハウジング2の外周面に設けられたねじ溝領域15の幅とほぼ等しくなる。また、通液キャップ3、4とハウジング2とを超音波溶着により固定する場合には、隙間13の深さはハウジング2の外周面に設けられた溶着面の幅とほぼ等しくなる。具体的には、隙間13の領域深さLは5−50mmであり、幅Tは1−10mmとなるように形成されている。
【0024】
内筒16の内周面には封止部材11が固着されており、封止部材11に熱応力が生じた時には内筒16が外周側に押圧される。このとき、内筒16は隙間13の幅Tだけ外周側に撓むことができる。内筒16が外周側に撓むことによって封止部材11の熱応力が吸収される。熱応力が吸収されることからハウジング2の両端部は圧縮荷重を受けずに済む。その結果、圧縮荷重に起因するクラックの発生を防ぐことができる。さらに熱応力が吸収されることからハウジング2の両端部は通液キャップ3、4を外周側に押圧することがなくなる。したがって通液キャップ3、4に引っ張り荷重がかからなくなるので、通液キャップ3、4におけるクラックの発生も防ぐことができる。
【0025】
なお、内筒16の厚さは、外周側に撓んだ際に折れることのない様に十分な厚さを有している。好適には、内筒16の厚さが1−5mmとなるように構成することが望ましい。
【0026】
隙間13は、図3に示すように、ハウジング2の筒壁7の全周にわたって形成されていても良いし、図4に示すように、筒壁7に断続的に形成されていても良い。後者の場合においては、隣り合う隙間13の間隔17は、封止部材11の熱応力によりハウジング2が割れることのない様に十分に短く構成されている。具体的には隣り合う隙間13の間隔17は1〜5mmとなるように構成されている。
【0027】
以上、本実施形態に係る中空糸膜モジュール1の構成について説明した。次に、中空糸膜モジュール1が加熱される工程について説明する。
【0028】
ハウジング2、中空糸膜束10など、上述した構成部材から中空糸膜モジュール1を組み立てた後、中空糸膜モジュール1は加熱殺菌される。また、中空糸膜モジュール1が水処理に使用される場合には水処理の合間にも定期的に加熱殺菌が行われる。具体的には通液キャップ3の通液口5から、80〜90℃の熱水や加熱されたクエン酸溶液などの高温の殺菌液が供給される。通液キャップ3から導入された高温液体は中空糸膜束10の内部に流入し、高温液体の一部は通液キャップ4まで到達して通液口6から排出される。また他の一部は中空糸膜から濾過されて中空糸膜外に浸み出し、ハウジング2内を満たす。ハウジング2内に浸み出した高温液体はハウジング2の透析液供給口8または透析液排出口9から(水処理用に中空糸膜モジュールを使用する場合には、濃縮水排出口から)排出される。
【0029】
また、高温の殺菌液を供給する代わりに、高圧蒸気滅菌を行う場合もある。さらに、中空糸膜モジュール1が加熱されるのは殺菌工程に限られず、水処理等において処理対象となる水が熱水である場合には水処理中に中空糸膜モジュール1が加熱されることになる。このような加熱状態において、高温流体により封止部材11が加熱されて膨張し、これに伴って封止部材11に熱応力が発生する。このときハウジング2の両端部においては内筒16が封止部材11により外周方向に押圧される。この押圧を受けて図5に示すように内筒16は外周側に撓む。内筒16が撓むことにより封止部材11の熱応力が吸収される。熱応力が吸収されることから、ハウジング2の両端部は圧縮荷重を受けずに済む。また、熱応力が吸収されることによって、ハウジング2の両端部は通液キャップ3、4を外周へ押圧することがなくなるので、通液キャップ3、4は引っ張り荷重を受けずに済む。したがって、圧縮荷重や引っ張り荷重に起因するクラックの発生を防ぐことができる。また、上述したように、隙間13の深さは少なくとも、ハウジング2の両端部の端面14から、通液キャップ3、4により外周が固定されている領域深さまで達しており、従来のハウジング2の両端部において圧縮荷重がかかるおそれのある全領域にわたって隙間13が形成されている。したがって、クラックの発生をハウジング2の両端部の全ての領域にわたって防ぐことができる。
【0030】
以上、本実施形態に係る中空糸膜モジュールについて説明した。なお、隙間13の形状は図1−5に示した形態に限られない。例えば隙間13をハウジング2の軸方向に対して平行に設けずに、ハウジング2の軸方向に対して所定角度傾斜するように隙間13を設けても良い。また、隙間13の断面形状を略V字にして深さ方向に対して幅Tを減少させるようにしても良い。
【0031】
さらに、図6に示すように、内筒16の高さを外筒18よりも低くするとともに、内筒16の端部を封止部材11に埋没させるように、言い換えると、内筒16の内側面、上端面、外側面にわたって封止部材11を固着させても良い。これにより封止部材11と内筒16との固着面積が増加するから、封止部材11の内筒16からの剥離を確実に防止することができる。なお、この構成において、封止部材11の外周面と外筒18の内側面との間には隙間19が設けられている。封止部材11が加熱され膨張したときにはこの隙間19の幅だけ内筒16が外周方向に撓むので、封止部材11の熱応力によりハウジング2の両端部にクラックが生じることは避けられる。
【0032】
封止部材11の外周面と外筒18との間の隙間19を形成するには、隙間19の幅を持つ円環形状の冶具を予め外筒18に装着させておき、その後に封止部材11をハウジング2の内周面に固着させるようにすればよい。封止部材11は粘性液体の状態でハウジング2内に導入され、中空糸膜の隙間を充填した後に加熱され硬化される。上述した円環形状の冶具を外筒18に装着させた後に粘性液状の封止部材11をハウジング2内に導入し、さらに封止部材11を硬化させた後に当該冶具をハウジング2から抜き取ることで封止部材11の最外周面と外筒18との間には隙間19が形成される。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、種々の中空糸膜モジュールにも適用可能である。例えば図7に示すように、ハウジング2に供給口や排出口を設ける代わりに、通液キャップ3、4に供給口および排出口を設けた中空糸膜モジュールに対しても本発明は適用可能である。図7に示す中空糸膜モジュール1は、通液キャップ3、4の中心部分に供給口または排出口となる第1のポート20が形成され、通液キャップ3、4の周縁部分に排出口または供給口となる第2のポート21が形成されている。さらに内筒16の筒壁には貫通孔22が設けられており、第2のポートを排出口として使用する場合には、図8の矢印に示すように、流体はハウジング2→内筒16の貫通孔22→内筒16と外筒18との隙間→第2のポート21の経路を通って排出される。封止部材11は、この経路を塞がないように外筒18とは間隔を空けて内筒16に固着される。さらに内筒16に封止部材11を固着させる際には、内筒16の軸方向について全長にわたって固着させるのではなく、内筒の貫通孔22よりもハウジング2の端部側の領域に固着させるようにする。このように封止部材11を固着させるために、上述した円環状の冶具の内周側に貫通孔22に適合する突起を設けることが好適である。当該突起で予め貫通孔22を塞いだ後に封止部材11を内筒16に固着させれば貫通孔22が封止部材11に塞がれることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 中空糸膜モジュール、2 ハウジング、3 動脈側通液キャップ、4 静脈側通液キャップ、5 動脈側通液口、6、静脈側通液口、7 筒壁、8 透析液供給口、9 透析液排出口、10 中空糸膜束、11 封止部材、12 Oリング、13 隙間、14 ハウジング端面、15 ねじ溝領域、16 内筒、18 外筒、19 封止部材11の最外周面と外筒との隙間、20 第1のポート、21 第2のポート、22 貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部が開口した筒形状のハウジングと、
前記ハウジングに収容された中空糸膜束と、
中空糸膜の端部間の隙間を充填することにより前記中空糸膜束の端部を固定するとともに、前記ハウジング両端部に固着された封止部材と、
前記ハウジング両端部に固定され、通液口が設けられた通液キャップと、
を備えた、中空糸膜モジュールであって、
前記ハウジング両端部は、内筒と外筒の二重筒構造を有し、前記封止部材は前記内筒に固着され、前記通液キャップは前記外筒の外周面に固定されており、前記封止部材の熱膨張による応力が、前記内筒と前記外筒の間に形成された隙間によって吸収されることを特徴とする、中空糸膜モジュール。
【請求項2】
請求項1記載の中空糸膜モジュールであって、
前記封止部材は、前記内筒の内周面に固着されていることを特徴とする、中空糸膜モジュール。
【請求項3】
請求項1記載の中空糸膜モジュールであって、
前記封止部材は、前記内筒の端部が前記封止部材に埋没するように固着され、前記封止部材の外周面と前記外筒の内周面との間の隙間によって前記応力が吸収されることを特徴とする、中空糸膜モジュール。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の中空糸膜モジュールであって、
前記隙間は、前記ハウジングの端面から前記通液キャップにより外周が固定された領域深さまで形成されていることを特徴とする、中空糸膜モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−161331(P2011−161331A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24496(P2010−24496)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【Fターム(参考)】