説明

中継装置

【課題】ソース装置とシンク装置の間に配置される中継装置であって、確実にリップシンク補正を実現できる中継装置を提供する。
【解決手段】中継装置は、映像信号及び音声信号をそれぞれの伝送経路を通じてソース側装置から受信し、映像信号及び前記音声信号をそれぞれの伝送経路を通じてシンク側装置に対して送信する。中継装置は、シンク側装置における信号の遅延時間であるシンク側遅延時間に関する情報を取得する取得部(S32、S33)と、取得したシンク側遅延時間に対して、当該中継装置における信号の遅延時間を加算し、加算の結果である累計遅延時間をソース側装置に送信する(S35、S36)送信部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソース側装置とシンク側装置の間に配置され、ソース側装置からシンク側装置へ送信される映像信号と音声信号の時間差、すなわちリップシンクのズレの補正を可能とするための中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リップシンクとは、再生時の映像信号と音声信号の同期であり、従来より、リップシンクを実現するための種々の技術が考案されている。図24に、従来の映像音声同期システムの一構成例を示す。ソース装置210において同一のタイムスタンプ(タイムコード)を映像信号と音声信号それぞれに多重する。タイムスタンプを多重した映像信号と音声信号は、リピータ214、216等の種々の経路を辿るが、最終的にその双方がシンク装置220へ入力される。シンク装置220において映像信号のタイムスタンプと音声信号のタイムスタンプを取り出し、タイムコード比較器222でその差を検出する。この差に基づいてそれぞれの最終経路に設けられた映像遅延器224と音声遅延器226を制御する。例えば、映像信号の方が音声信号よりも遅延している場合には音声信号に追加の遅延を加えて双方の総遅延時間が同じになるよう補正する。
【0003】
特許文献1には、映像信号のタイムスタンプと音声信号のタイムスタンプを比較し、両者が一致するように、映像信号及び音声信号のいずれか一方を遅延させることにより、音声の時間ズレを自動的に補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−259314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムは、映像信号と音声信号のタイムスタンプを同時に一対比較検出できる場合、すなわち同じ装置に両方のタイムスタンプを同時入力した場合に、ズレの検出とリップシンク補正とが可能である。しかし、映像信号と音声信号の伝送経路が分離しているトポロジ(topology)では一方のタイムスタンプだけしか認識できないため、映像信号と音声信号の時間差が検出できず、リップシンク補正ができないといった課題がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ソース装置とシンク装置の間に配置される中継装置であって、確実にリップシンク補正を実現できる中継装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様において、映像信号及び音声信号をそれぞれの伝送経路を通じてソース側装置から受信し、映像信号及び音声信号をそれぞれの伝送経路を通じてシンク側装置に対して送信する中継装置が提供される。中継装置は、シンク側装置における信号の遅延時間であるシンク側遅延時間に関する情報を取得する取得部と、取得したシンク側遅延時間に対して、当該中継装置における信号の遅延時間を加算し、ソース側装置に対して加算の結果である累計遅延時間を送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、中継装置から、双方向インタフェースの伝送経路を通じて機器の遅延情報を取得し、その取得した情報を用いて、映像信号と音声信号の再生時間のずれを調整することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態を説明する。各図において同一の構成要素または同様に機能する構成要素については同一の参照符号を付している。
【0010】
(基本概念)
最初に、リップシンク補正に関する本発明の基本概念を図1を参照して説明する。
【0011】
本発明は、音声信号及び映像信号を発生させるソース装置400と、その音声信号及び映像信号を再生、出力するシンク装置410とが直接的またはリピータを介して接続された音声映像再生システムにおいて、リップシンクのずれを補正するものである。また、本発明は、追加遅延を付与してリップシンクのずれを補正する機能としてコントローラ420を備える。
【0012】
本発明では、映像伝送をIEEE1394またはHDMIのような双方向データインタフェースを用いた映像伝送経路で行う。ソース装置400は、IEEE1394ではコマンドシーケンスにより、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ではEDID(Extended Display Identification Data)システムにより、映像伝送経路を介して、映像信号の総潜伏時間(映像伝送経路上の機器の潜伏時間(latency)の総和)を問い合わせる。ソース装置400は上り回線を通じて総潜伏時間の情報を取得すると、総潜伏時間の情報を音声伝送経路上の他の機器に送信する。音声伝送経路上の他の機器は、機器毎に積算された音声の潜伏時間情報を、映像の総潜伏時間情報とともに送信する。音声伝送経路上の最後の機器は、音声伝送経路を通じて、音声の潜伏時間の合計値をsDaとして、映像の総潜伏時間(TLv)とともに出力する。
【0013】
コントローラ420が、最終的な最後の機器のみからsDaとTLvを検出する。TLv>sDaであれば、コントローラ420は、音声伝送経路上の最後の機器に対して追加遅延(extra delay)(TLv−sDa)を付加する。
【0014】
このように、本発明は映像信号の総潜伏時間情報(遅延情報)を予め取得し、その情報を音声伝送経路を通じて、音声伝送経路上の機器に伝送する。そして、最終的に得られた映像信号と音声信号の潜伏時間情報に基づき、最後の機器における音声信号の出力時間を調整することで、映像信号と音声信号のずれ、すなわち、リップシンクのずれを補正する。
【0015】
なお、コントローラ420の機能は例えば、典型的にはシンク装置に含まれるが、最終的に得られた総潜伏情報に基づき、最後の機器に対して追加遅延を付加する機能を実現できるのであれば、音声伝送経路上のシンク装置以外の装置(例えば、ソース装置やリピータ)に備えてもよい。また、追加遅延も、必ずしも音声伝送経路上の最後の機器に付加する必要もなく、音声伝送経路上のいずれかの機器に持たせてもよい。また、追加遅延を複数の機器に分散して付加してもよい。
【0016】
以下、上記の概念に基づく本発明のいくつかの具体的な実施の形態について説明する。
【0017】
(実施の形態1)
1.システム構成
図2は、本発明のリップシンク補正の概念を適用した映像音声再生システムの構成を示した図である。
【0018】
映像音声再生システムは、映像・音声信号を生成するソース装置100と、音声信号を増幅するリピータ110、130と、映像信号を増幅するリピータ120と、映像信号に基づいて映像を表示するシンク装置140と、音声信号に基づいて音声を出力するシンク装置150とを含む。
【0019】
1.1 ソース装置
ソース装置は、映像・音声信号の伝送経路の最上流に位置し、映像信号及び音声信号の出力源となる機器である。本実施形態では、ソース装置100はDVDメディア101の再生装置であるDVDプレーヤであり、映像信号200及び音声信号300を生成し、出力する。
【0020】
図3にそのハードウェア構成を示す。ソース装置100は、DVDメディア101から情報を読み出し電気信号に変換するピックアップ11と、ピックアップ11からの出力信号を受けて映像信号及び音声信号を生成するフロントエンドプロセッサ13と、ソース装置100全体の動作を制御するシステムコントローラ15と、ワークエリアとして動作するRAM17と、所定の情報を格納するROM19とを備える。さらにソース装置100は、外部機器との間で、映像信号等のやりとりを行うためのHDMIインタフェース部21と、音声信号等のやりとりを行うためのIECインタフェース部22とを備える。ソース装置100では、システムコントローラ15が所定のプログラムを実行することで以下に説明する機能及び処理部を実現する。図2に示すように、ソース装置100は音声可変遅延部102を有し、それにより音声信号300を所定時間(本例では20ms)だけ遅延させて出力する。
【0021】
なお、ソース装置はDVDプレーヤに限らず、例えばハードディスクプレーヤのような他の種類のメディア再生装置でもよい。
【0022】
1.2 シンク装置
シンク装置は、映像・音声信号の伝送経路の最下流に位置して、映像または音声を出力する機器である。
【0023】
本実施形態では、シンク装置140は映像表示装置であり、図4に示すハードウェア構成を有する。シンク装置140は、デジタル映像信号をHDMIインタフェースに準拠して受信するHDMIインタフェース部31と、受信したデジタル映像信号をデコードするビデオデコーダ33と、映像を表示する液晶表示装置(以下「LCD」という。)143と、デコードされた映像信号から映像信号を生成してLCD143を駆動するドライバ37と、シンク装置140全体の動作を制御するコントローラ39と、コントローラ39のワークエリアとして機能するRAM41と、所定の情報を格納するROM43とを備える。シンク装置140では、コントローラ39が所定のプログラムを実行することで以下に説明する機能及び処理部を実現する。なお、図4におけるビデオデコーダ33及びドライバ37は図2に示す映像信号処理部142を構成する。映像信号処理部142の映像信号の潜伏時間(video latency)Lvを80msとする。潜伏時間とは、機器において信号を入力してから出力するまでの遅延時間である。潜伏時間Lvの情報はシンク装置140のROM43に格納されている。
【0024】
シンク装置150は音声出力装置であり、図5に示すハードウェア構成を有する。図5に示すように、シンク装置150は、デジタル音声信号をIEEE60958に準拠して受信するIECインタフェース部51と、受信したデジタル音声信号をデコードするオーディオデコーダ152と、デコードされた信号をアナログ信号に変換するD/A変換器55と、アナログ信号を増幅するアンプ57と、アンプ57の出力にしたがい音声を出力するスピーカ153と、シンク装置150全体の動作を制御するコントローラ61と、コントローラ61のワークエリアとして機能するRAM63と、所定の情報を格納するROM65とを備える。図2を参照し、シンク装置150は、音声信号を所定時間(本例では10ms)だけ遅延させる音声可変遅延部151を有する。デコーダ152の音声信号の潜伏時間(audio latency)Laを10msとする。潜伏時間Laの情報はシンク装置150のROM65に格納される。
【0025】
なお、シンク装置の数や種類は上記のものに限られない。
【0026】
1.3 リピータ
リピータは映像・音声信号の伝送経路の途中に介在する機器であり、例えば増幅器である。図6にそのハードウェア構成を示す。リピータ110は、映像・音声のデジタル信号をHDMIに準拠して受信するHDMIインタフェース部71と、映像・音声のデジタル信号をIEEE1394に準拠して受信するIECインタフェース部72と、受信したデジタル信号を処理するコントローラ73と、コントローラ73のワークエリアとして機能するRAM75と、プログラム等の所定の情報を格納するROM79とを備える。コントローラ73が所定のプログラムを実行することで以下に説明する機能及び処理部を実現する。
【0027】
図2において、リピータ110はソース装置100からの映像信号200と音声信号300を入力し、増幅し、映像信号201および音声信号301として出力する。リピータ110は再エンコーダ112を有し、再エンコーダ112により、音声信号300を一旦デコードして、情報を読み出し、読み出した情報を再エンコードする。この再エンコーダ112の潜伏時間Laを10msとする。潜伏時間Laの情報はリピータ110のROM79に格納されている。
【0028】
リピータ120は映像信号を増幅する映像信号処理部122を有し、映像信号201を入力し、増幅した後、映像信号202として出力する。映像信号処理部122の潜伏時間Lvを20msとする。リピータ130は、音声信号301に対して所定の処理を行う信号処理部132を含み、処理後の信号を音声信号302として出力する。信号処理部132の潜伏時間Laを50msとする。リピータ120、130は、図6に示した構成と同様の構成を有し、それぞれの潜伏時間をそれぞれのROM内に格納している。
【0029】
なお、リピータの数や種類は、上記のものに限られない。
【0030】
1.4 インタフェース
本実施形態では、映像信号の伝送インタフェースとしてHDMI(High-Definition Multimedia Interface)を用いる。HDMIとは、2002年12月に策定された、主に家電やAV機器向けのデジタル映像・音声入出力インタフェース規格である。1本のケーブルで映像・音声・制御信号を合わせて送受信が可能であり、また、オプショナルで制御信号を双方向に伝送させることができる。
【0031】
本発明では、HDMIにより、ソース装置100からシンク装置140への高速デジタル映像信号を伝送するとともに、シンク装置140のプロファイル情報をリピータ120、リピータ110、ソース装置100へ順次伝送することを可能とする、上り回線の機能を実現する。以下、この上り回線の機能を「EDID(Extended Display Identification Data)回線」という。
【0032】
図7にHDMIの構成図を示す。同図に示すように、HDMIは、3つのデータチャネルと1つのクロックチャネルを有し、これらのデータチャネルにより映像データ、音声データおよびその他のデータが伝送される。また、HDMIは、機器間の構成やステータスをやり取りするディスプレイデータチャネル(以下「DDC」という。)を有する。さらに、HDMIはオプションのCEC回線を有し、これにより種々のAV機器間で制御信号を双方向に伝送させることができる。本実施形態では、DDCを用いて機器の映像や音声の潜伏時間に関する情報を伝送する。なお、DDCの代わりにCEC回線で潜伏時間に関する情報を伝送してもよい。また、HDMIの代わりにIEE1394を用いても同様の機能が実現できる。
【0033】
なお、HDMIおよびEDIDは例えば以下の文献に詳細が開示されている。「ハイ・デフィニション・マルチメディア・インターフェイス スペシフィケイション バージョン1.1(High−Definition Multimedia Interface Specification Version 1.1)」、日立製作所株式会社、他6社、2004年5月20日、インターネット<http://www.hdmi.org/download/HDMI_Specification_1.1.pdf>
【0034】
本実施の形態では、音声信号の伝送には、単方向インタフェースであるIEEE60958インタフェースを用いる。なお、以降の実施の形態では、音声信号の伝送に対して、双方向インタフェースであるHDMIを用いる場合もある。
【0035】
2.動作
以上のようなシステム構成において、映像信号200はソース装置100から、HDMIインタフェースに準拠して、リピータ110、リピータ120を経由してシンク装置140へ伝送される。音声信号300はソース装置100から、IEC60958インタフェースに準拠して、リピータ110、リピータ130を経由してシンク装置150へ伝送される。
【0036】
映像信号の伝送経路において、ソース装置100からシンク装置140までの映像信号の総潜伏時間TLvは、リピータ120の映像信号処理部122の潜伏時間Lv(20ms)と、シンク装置140の映像信号処理部142の潜伏時間Lv(80ms)との総和であり100msである。
【0037】
一方、音声信号の伝送経路において、ソース装置100からシンク装置150までの音声信号の潜伏時間Laの総計は、リピータ110の再エンコーダ112、リピータ130およびシンク装置150のそれぞれの潜伏時間La(10ms、50msおよび10ms)の総和であり70msとなる。
【0038】
すなわち、映像信号の総潜伏時間TLvは100msであるのに対して、音声信号の潜伏時間Laの総計は70msである(なお、時間調整のできる音声可変遅延部151の遅延時間はこれには含めていない。)。よって、このままでは30msだけ音声信号が早く再生されることとなる。本システムにおいて、このような映像信号と音声信号の再生時の時間差を解決するための処理を以下に説明する。
【0039】
2.1 全体フロー
図8は、本システムの全体動作を示すフローチャートである。まず、最上流にあるソース装置は、映像伝送経路上の各機器の映像信号の潜伏時間の合計(総潜伏時間)TLvを取得する(S11)。この処理の詳細は後述する。
【0040】
次に、音声伝送経路において、ソース装置100からシンク装置150へ映像信号の総潜伏時間TLvと、各機器の音声信号における遅延時間及び潜伏時間の総計(以下「累積遅延時間」という。)sDaとを送る(S12)。その際、音声信号の累積遅延時間sDaは、音声伝送経路上にある各機器に順に送られ、各機器の潜伏時間の値が加算されながら順に下流へと送られる。
【0041】
最後に、最下流にあるシンク装置において、音声信号の累積遅延時間sDaの値に基づき音声を遅延させて出力する(S13)。このように音声の出力時間を調整することで、映像と音声の出力時間差を解消できる。
【0042】
2.2 映像信号の総潜伏時間TLvの取得
映像信号の総潜伏時間TLvの取得動作(図8のステップS11)の詳細について説明する。
【0043】
2.2.1 ソース装置100によるTLvの取得
図9を参照し、ソース装置100による映像信号の総潜伏時間TLvの取得について説明する。ソース装置100は、映像伝送経路の下流にある機器(リピータ、シンク装置)に対してTLv送信命令を送信する(S41)。ソース装置からTLv送信命令が送信されると、その命令が順次下流の機器に伝えられ、下流側からソース装置100に向かい、各機器の潜伏時間Lvが順次加算された情報sLvが伝送される。最終的に、ソース装置100に各機器(リピータ、シンク装置)の潜伏時間Lvの積算値(以下「累積潜伏時間」という。)sLvが送信される。この処理の詳細は後述する。
【0044】
ソース装置100は下流の機器から累積潜伏時間sLvを受信すると(S42)、自己の潜伏時間LvをROM19から読み出し(S43)、読み出した潜伏時間Lvを下流の機器から受信した累積潜伏時間sLvに加算する(S44)。これにより、映像信号の総潜伏時間TLvを得ることができる。
【0045】
2.2.2 リピータからのsLvの送信
図10を参照し、TLv送信命令を受信したときのリピータ120の動作を説明する。リピータ110,120はTLv送信命令を受信すると(S31)、下流の機器(リピータ、シンク装置)に、TLv送信命令を転送し(S32)、下流の機器からの累積潜伏時間sLvの送信を待つ(S33)。下流の機器から累積潜伏時間sLvを受信すると、リピータ110,120は自己の潜伏時間LvをROM79から読み出す(S34)。読み出した潜伏時間Lvを下流の機器からの累積潜伏時間sLvに加算し(S35)、新たに得られた累積潜伏時間sLvを上流の機器(リピータ、ソース装置)に送信する(S36)。
【0046】
2.2.3 シンク装置からのsLvの送信
図11を参照し、TLv送信命令を受信したときのシンク装置140の動作を説明する。シンク装置140はTLv送信命令を受信すると(S21)、自己の潜伏時間LvをROM43から読み出す(S22)。読み出した潜伏時間Lvを上流の機器(リピータ、ソース装置)に累積潜伏時間sLvとして送信する(S23)。
【0047】
2.3 映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaの送信
映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaの送信動作(図8のステップS12)の詳細について説明する。
【0048】
音声伝送経路において、ソース装置100からシンク装置150へ、映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaが順次送られる。このとき、音声信号の累積遅延時間sDaに対して、音声伝送経路上にある各機器の潜伏時間が順次加算されていき、最終的に、最下流の機器(シンク装置150)を除いて音声伝送経路上にある全ての機器の潜伏時間Laの合計値が、最下流の機器(シンク装置150)に伝送される。
【0049】
2.3.1 ソース装置によるTLvとsDaの送信
図12を参照し、ソース装置100からの、映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaの送信動作について説明する。
【0050】
ソース装置100は、映像信号の総潜伏時間TLvを受信した後(S51)、自己の音声信号の潜伏時間LaをROM19から読み出し(S52)、読み出した潜伏時間Laを音声信号の累積遅延時間sDaとして、音声信号の伝送経路における下流の機器に送信する(S53)。
【0051】
2.3.2 リピータによるTLvとsDaの送信
図13を参照し、映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaの送信について説明する。
【0052】
リピータ110、130は、上流の機器から映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaを受信すると(S61)、自己の音声信号の潜伏時間LaをROM79から読み出す(S62)。リピータ110、130は、読み出した潜伏時間Laを、受信した累積遅延時間sDaに加算し、下流の機器(リピータ、シンク装置)に送信する(S63)。
【0053】
2.4 音声出力時間の調整
図14を参照し、シンク装置150における音声出力時間の調整動作(図8のステップS13)の詳細について説明する。
【0054】
シンク装置150は、上流の機器から映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaを受信すると(S71)、出力時間調整のための遅延時間(AD)を求める(S72)。遅延時間(AD)は、映像信号の総潜伏時間TLvから、音声信号の累積遅延時間sDaを減算することで得られる。そして、その遅延時間(AD)だけ遅延させて音声を出力する(S73)。
【0055】
2.5 総潜伏時間TLvの取得の具体例
以上個々の処理について説明したが、図2の構成のシステム全体としての流れを説明する。
【0056】
ソース装置100は、EDID回線を用いて、ソース装置100からシンク装置140までの映像信号の総潜伏時間TLvを取得するため、TLv送信命令を発行する。TLv送信命令により、シンク装置140は自己の潜伏時間Lv(80ms)を示すパラメータである「sLv=80ms」をEDID回線経由でリピータ120に伝送する。リピータ120は受信したsLv=80msが示す値に、自己の潜伏時間(20ms)を加えた値を示す「sLv=100ms」を上流のリピータ110に伝送する。リピータ110は映像信号の潜伏時間を有しないため、そのまま「sLv=100ms」をソース装置100に転送する。
【0057】
ソース装置100は、受信したsLvの値(=100ms)を映像信号の総潜伏時間TLv(100ms)とする。ソース装置100は、この映像信号の総潜伏時間TLv(100ms)を固定パラメータ「TLv=100ms」として、音声信号300に多重化して伝送する。同時に、ソース装置100は、音声信号300の付属情報として、音声信号の累積遅延時間sDaをシンク装置150に伝送する。ここで、図2の例では、ソース装置100において音声可変遅延部102に対して遅延時間20msを設定している。よって、ソース装置100は、音声可変遅延部102の遅延時間20msを示すパラメータ「sDa=20ms」を音声信号300に多重して伝送する。
【0058】
リピータ110はソース装置100からパラメータ「sDa=20ms」を受け取り、そのパラメータが示す値に自己の潜伏時間La(10ms)を累積し、「sDa=30ms」を音声信号301に多重化して伝送する。同様にリピータ130は、累積遅延時間sDa(30ms)に自己の潜伏時間La(50ms)を加え、「sDa=80ms」を音声信号302に多重化して出力する。
【0059】
シンク装置150は累積遅延時間sDa(80ms)を読みとり、その値に、自己の潜伏時間La(10ms)を加算して、補正前の音声信号の総遅延時間として90msを得る。シンク装置150は同時に、映像信号の総潜伏時間TLvが100msであることを示す固定パラメータ「TLv=100ms」を読みとる。このようにしてシンク装置150は、映像信号の総潜伏時間(100ms)と、補正前の音声信号の総遅延時間(90ms)とを知ることができ、その差の10msを補正値(AD)として音声可変遅延部151を制御する。その結果、音声信号の総遅延時間が100msに補正される。
【0060】
DVDメディア101の音声と映像の同期がソース装置100でとれていれば、シンク装置140で再生される映像信号と、シンク装置150で再生される音声信号のそれぞれがともに100ms遅延となるので最終的に音声と映像の同期すなわちリップシンクがとれた再生が可能になる。
【0061】
3.まとめ
以上のように本実施形態では、ソース装置からの要求に従い映像伝送経路上の各機器は、自己の映像信号の遅延時間(潜伏時間)を順次累算して映像伝送経路に伝送する。ソース装置はソース装置からシンク装置に至る伝送経路において映像信号の総遅延時間を取得し、映像信号の総遅延時間のパラメータを、音声信号および音声信号遅延時間とともに音声信号経路に伝送する。音声伝送経路上の各機器は、自己の音声信号の遅延時間を順次累算して音声伝送経路に伝送する。これにより音声伝送経路の最終段の機器において、映像信号の総遅延時間と音声信号の総遅延時間を知ることができ、その時間差を小さくするよう音声信号の追加遅延を行うことでリップシンクのズレ補正ができる。これらは映像と音声の経路が最終的に異なっていても良く、トポロジ(topology)の制限を無くすことが出来る。また、タイムスタンプに代えてそれぞれの経路における各装置の潜伏時間および遅延時間の定数パラメータ情報を用いることができるのでデータの送信頻度を削減できる。
【0062】
以上述べた機能は、個々の機器とそれらを接続するインタフェースのそれぞれに所要の機能を付加することにより、ネットワークを構成するシステム全体として作用する。したがって、各機器が所要の機能を備えれば、ネットワークにおいて機器の置き換えが可能であり、また、ネットワークの接続形態(topology)が変わっても、同様の作用効果が得られる。以下の実施形態では、種々のネットワーク接続形態への適用例を説明する。
【0063】
(実施の形態2)
本実施形態では、ソース装置とシンク装置とが直接接続されたシステム構成における本発明の適用例を説明する。ソース装置はDVDプレーヤであり、シンク装置はデジタルテレビ受像機(以下「デジタルTV」とする)である。
【0064】
図15(a)、(b)、(c)に本実施の形態におけるシステム構成を示す。ソース装置であるDVDプレーヤ100から、映像信号と音声信号を、シンク装置であるデジタルTV140へ伝送し、デジタルTV140で映像信号と音声信号の両方を再生する。
【0065】
ソース装置100は、DVDメディア101の再生手段であり映像信号200と音声信号300の双方をHDMIに準拠して出力する。シンク装置140はビデオ信号処理部142と音声のデコーダ152を内蔵し、LCD143およびスピーカ153で映像と音声を出力する。スピーカ153は音声信号のアンプを含む。ここで、映像信号処理部142の映像信号の潜伏時間Lvを80msとし、デコーダ152の音声信号の潜伏時間Laを10msとする。
【0066】
図15(a)は、ソース装置100が従来の装置である場合についての例を示す。従ってソース装置100は、シンク装置140から映像信号の総潜伏時間TLvを取得することも、音声信号にその情報を付加することもできない。当然のことながら、音声信号に音声信号の累積遅延時間sDaの情報を付加することもできない。一方、シンク装置140はソース装置100の音声信号にこれらの付加情報がないことを認識する。付加情報がないため、シンク装置140自体でリップシンク補正を行う。具体的には、シンク装置140における映像信号の潜伏時間Lv(80ms)とデコーダ152の潜伏時間La(10ms)に基づき、オーディオ遅延部151においてそれらの時間差を補正するため70ms(=80−10)の追加遅延を生じさせる。この追加遅延により、遅延の合計値を、映像信号と音声信号でともに80msとすることができ、リップシンク補正ができる。
【0067】
図15(b)、(c)は、ソース装置100が本発明の思想を適用した装置である場合についての例を示す。ソース装置100はEDID回線を通じて映像信号の総潜伏時間TLvに加えて、音声信号の累積遅延時間も取得でき、さらに、音声信号にこれらの情報を付加することができる。図15(b)は、ソース装置100が図1におけるコントローラ420の機能を有し、追加遅延をソース装置100に付加した例を示す。図15(c)は、図1におけるコントローラ420の機能をソース装置100及びシンク装置140に分散させ、かつ、追加遅延もソース装置100に及びシンク装置140に分散させた例を示す。
【0068】
図15(b)では、ソース装置100は、EDID回線を通じてシンク装置140から、映像信号の総潜伏時間TLv(80)に加えて、音声信号の潜伏時間La(10ms)も取得できる。よって、ソース装置100は、取得したこれらの情報から追加遅延(70ms)を算出でき、音声信号を追加遅延(70ms)分だけ遅延させて出力する。この追加遅延があるため、ソース装置100は音声信号300の付属情報として、音声信号の累積遅延時間sDaを70msとして伝送する。シンク装置140は、映像信号の総潜伏時間が80msであり、音声信号の累積遅延時間が70msであることを認識できる。さらに、シンク装置140は、デコーダ152の潜伏時間が10msであることを認識できることから、音声信号の総遅延時間が80msであることを認識でき、これ以上の遅延処理は不要であることを認識できる。このようにしてシステムとしてリップシンク補正が可能となる。
【0069】
また図15(c)も図15(b)と同様である。但し、ソース装置100における追加遅延が40msまでに制限されている。ソース装置100は、追加遅延40msだけ音声信号を遅延させて出力する。この追加遅延があるため、ソース装置100は、音声信号の累積遅延時間sDaを40msとして音声信号300に付加して伝送する。シンク装置140は映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(40ms)と、デコーダ152の潜伏時間10msとを認識できるため、映像信号と音声信号の遅延時間の差が30msであることを認識できる。このため、シンク装置140は、オーディオ遅延部151で、30msの追加遅延処理をする。その結果、映像信号と音声信号の双方において合計の遅延時間を80msに補正できる。このようにしてシステムとしてリップシンク補正が可能となる。
【0070】
(実施の形態3)
本実施形態では、音声伝送経路にリピータが挿入された点が実施の形態2と異なる。図16(a)、(b)、(c)に、本実施の形態におけるシステム構成を示す。DVDプレーヤであるソース装置100に、マルチチャンネルアンプであるリピータ110を介してデジタルTVであるシンク装置140を接続する。
【0071】
ソース装置100は、DVDメディア101から再生した映像信号200と音声信号300をHDMIに準拠して出力する。
【0072】
リピータ110は音声信号の処理機能を有し、シンク装置140に内蔵のアンプおよびスピーカよりも高音質な音声の出力のため、またはマルチチャンネル化のために用いられる。リピータ110は再エンコーダ112を有し、その出力をシンク装置140へ伝送する。リピータ110において、映像信号については遅延なしでスルーするが、音声信号については再エンコーダ112にて10msの潜伏時間Laが発生する。
【0073】
シンク装置140はデジタルTVであり、ビデオ信号処理部142と音声のデコーダ152を内蔵してLCD143およびスピーカ153で映像と音声を提示する。シンク装置140において、映像信号処理部142の潜伏時間Lvは80msであり、デコーダ152の潜伏時間Laは10msである。
【0074】
図16(a)は、ソース装置100が従来の装置である場合についての例を示す。従ってソース装置100は、映像信号の総潜伏時間TLを認識することも、音声信号にその情報を付加することもできない。また、音声信号に、音声信号の累積遅延時間sDaを付加することもできない。
【0075】
リピータ110は、EDID回線を介して、音声信号300に付加された、音声信号の累積遅延時間sDaの情報を受信しないので、付加情報がないことを認識する。そこで、リピータ110は、本発明のソース装置と同等の機能を果たすように動作する。すなわち、リピータ110は、シンク装置140からの映像信号の潜伏時間Lv(80ms)をEDID回線経由で受けて、映像信号の総潜伏時間TLvを80msとして認識する。リピータ110は、この総潜伏時間TLv(80ms)の情報を音声信号の付加情報としてシンク装置140へ伝送する。さらに、リピータ110は、音声信号の潜伏時間についても累積遅延時間sDa(10ms)として音声信号に多重してシンク装置140へ伝送する。
【0076】
また、リピータ110内の再エンコーダ112の出力は、リピータ110内部の音声可変遅延部111およびマルチチャンネルアンプ(図示せず)などを介してスピーカ113へ供給される。その際、リピータ110は、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(10ms)の差(70ms)に基づき音声可変遅延部111の遅延時間を制御する。その結果、スピーカ113から出力される音声とLCD143で再生される映像とのリップシンクのずれが補正される。このように、高音質を目的として追加されたリピータ110からの音声信号に対してリップシンク補正が可能となる。
【0077】
さらに補助的に使用できるシンク装置140のスピーカからの音響についてもリップシンク補正が以下のように可能である。シンク装置140はリピータ110からの情報に基づいて、総潜伏時間(TLv)80msと、音声の累積遅延時間(sDa)10msと、自分自身のデコーダ152の潜伏時間10msとから、映像と音声の時間差として60msを算出する。シンク装置140はこの60msの情報をもとに音声可変遅延部151を制御し、それぞれの総遅延時間をともに80msに補正する。このようにしてシンク装置140の音響についてもリップシンク補正が可能となる。
【0078】
図16(b)および(c)は、ソース装置100が本発明の思想を適用した装置である場合についての例を示す。ソース装置100はEDID回線を通じて映像信号の総潜伏時間TLvに加えて音声信号の累積遅延時間sDaも取得でき、音声信号にこれらの情報を付加することができる。
【0079】
図16(b)では、ソース装置100はEDID回線を通じて、リピータ110およびシンク装置140から映像信号及び音声信号それぞれの総潜伏時間を取得する。映像信号の総潜伏時間TLvは、実施の形態1で述べたようにTLv送信命令を下流の機器に発行することで取得できる。ソース装置100は映像信号の総潜伏時間80msを取得する。
【0080】
また、ソース装置100は、音声信号の総潜伏時間を取得するための命令を下流の機器に発行する。下流の各機器はこの命令を受けると、TLv送信命令の場合と同様に、下流から送信されてきた音声信号の累積潜伏時間に、自己の潜伏時間Laを加算しながら上流の機器に送信する。このようにして、ソース装置100は音声信号の総潜伏時間が20ms(=10ms+10ms)であることを認識できる。
【0081】
映像信号の総潜伏時間が80msで音声信号の総潜伏時間20msであるため、ソース装置100は追加遅延として60ms(=80ms−20ms)を設定し、音声信号に追加遅延を付加する。ソース装置100は、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)の情報と、音声信号の累積遅延時間sDa(60ms)の情報とを音声信号の付加情報として伝送する。
【0082】
次にリピータ110は、これらの情報を受けて、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(60ms)との差20msを補正するよう音声可変遅延部111を制御する。その結果、スピーカ113から出力される音声と、LCD143で再生される映像とのリップシンクのずれが補正される。このように高音質を目的に追加されたリピータ110からの音声信号を主にしてリップシンク補正が可能となる。
【0083】
さらに以下のようにして、補助的に使用されるシンク装置140のスピーカからの音声についてもリップシンク補正が可能である。シンク装置140は、リピータ110からの情報に基づいて、映像信号の総潜伏時間TLvが80ms、音声信号の累積遅延時間sDaが70msであることを認識し、映像信号と音声信号の遅延時間差として10msを算出する。この時間差10msは、シンク装置140の潜伏時間(10ms)と等しいため、シンク装置140は追加遅延を付加することなく、音声信号を出力する。このようにしてシンク装置140の音声についてもリップシンク補正をすることができる。
【0084】
図16(c)も図16(b)と同様である。但し、ソース装置100における追加遅延が40msまでに制限されている。このため、ソース装置100は追加遅延40msだけ音声信号に付加して出力する。この追加遅延があるため、ソース装置100は、音声信号300の付属情報として、映像信号の潜伏時間TLv(80ms)に加えて音声信号の累積遅延時間sDa(40ms)の情報を伝送する。リピータ110およびシンク装置140はこの付属情報を受けて、リピータ110は音声可変遅延部111の追加遅延が30msになるように、シンク装置140は音声可変遅延部151の追加遅延が20msになるようにそれぞれ制御する。このように、主副双方の音声出力ともに音声の総遅延時間を80msに補正でき、システム全体としてのリップシンク補正が可能となる。
【0085】
(実施の形態4)
本実施形態では、ソース装置とシンク装置とが接続された構成において、音声信号の経路が分岐し、その分岐した経路にアンプが接続されたシステム構成における本発明の適用例を説明する。ソース装置(DVDプレーヤ)100、シンク装置(マルチチャンネルアンプ)150およびシンク装置(デジタルTV)140をHDMIでそれぞれ接続する。
【0086】
図17(a)、(b)、(c)に本実施の形態におけるシステム構成を示す。シンク装置150はマルチチャンネルアンプであり、デコーダ152、音声可変遅延部151および複数のアンプ、スピーカを含む。ソース装置100は、映像信号の総潜伏時間TLv及び音声信号の累積遅延時間sDaを取得し、音声信号に付加することが可能である。
【0087】
図17(a)は、ソース装置100において音声信号の追加遅延を行わない例を示す。ソース装置100は、EDID回線経由で、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)の情報を音声信号300の付加情報としてシンク装置140へ伝送する。同時に、ソース装置100は、音声信号の累積遅延時間sDa(0ms)を音声信号300に付加してシンク装置140およびシンク装置150へ伝送する。
【0088】
シンク装置140は、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(0ms)と、シンク装置140の音声信号の潜伏時間La(10ms)とから、遅延時間差70msを算出し、音声可変遅延部251を制御して70msの追加遅延を付加する。
【0089】
同様に、シンク装置150は、シンク装置150の音声信号の潜伏時間La(20ms)から時間差60msを算出し、音声可変遅延部151を制御して60msの追加遅延を付加する。このようにLCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0090】
図17(b)、(c)は、ソース装置100において音声信号の追加遅延を付加する場合である。
【0091】
図17(b)において、ソース装置100は、EDID回線経由で、シンク装置140及びシンク装置150の音声信号の潜伏時間Laを予め知ることができる。これに基づいて最大の潜伏時間Laを与える、シンク装置150への経路を基準にして、ソース装置100は、音声可変遅延部102に追加遅延60msの設定を行う。音声信号300に、総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(60ms)の情報を多重化して、シンク装置140およびシンク装置150へ伝送する。この場合、シンク装置150では追加遅延は不要である。シンク装置140は、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(60ms)と、シンク装置140の音声信号の潜伏時間La(10ms)とから、音声と映像の出力時間差10msを算出し、音声可変遅延部251を制御して10msの追加遅延を実行する。このようにして、LCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0092】
次に、図17(c)においてソース装置100は、EDID回線経由でシンク装置140及びシンク装置150の音声信号の潜伏時間Laを予め知ることができる。これに基づき、最大の潜伏時間Laを与える音声伝送経路を基準にして、ソース装置100は、音声可変遅延部102に追加遅延30msの設定を行う。ソース装置100は、音声信号300に、映像の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(30ms)を多重化して、シンク装置140およびシンク装置150へ伝送する。この場合、シンク装置140において追加遅延は不要である。シンク装置150は、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(30ms)をもとに、シンク装置150自身の音声信号潜伏時間La(20ms)を用いて時間差30msを算出し、音声可変遅延部151を制御して30msの追加遅延を実行する。これにより、LCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0093】
(実施の形態5)
本実施形態では、ソース装置とシンク装置とが接続された構成において、音声信号の経路が分岐し、その分岐した経路にアンプが接続されたシステム構成における本発明の適用例を説明する。
【0094】
図18(a)、(b)、(c)に本実施の形態におけるシステム構成を示す。本実施形態では、ソース装置(DVDプレーヤ)100およびシンク装置(デジタルTV)140をHDMIで接続する。ソース装置(DVDプレーヤ)100とシンク装置(マルチチャンネルアンプ)150間は、S/PDIFインタフェースで接続する。S/PDIFインタフェースとは、IEC 60958で規定する同軸または光ケーブルを利用してデジタルオーディオなどを伝送するインタフェースであり、ソース装置からシンク装置への単方向伝送であるため、シンク装置からソース装置への上り回線は備えていない。
【0095】
図18(a)は、ソース装置100で音声信号の追加遅延を行わない例を示す。ソース装置100は、EDID回線経由で、映像の総潜伏時間TLv(80ms)の情報を音声信号300の付加情報としてシンク装置140へ伝送するとともに、音声信号の累積遅延時間sDa(0ms)を音声信号300に多重化してシンク装置140およびシンク装置150へ伝送する。
【0096】
シンク装置140は、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(0ms)と、シンク装置140の音声信号潜伏時間La(10ms)とから、映像と音声の遅延時間差70msを算出し、音声可変遅延部251を制御して70msの追加遅延を実行する。
【0097】
同様に、シンク装置150は、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(0ms)と、シンク装置150の音声信号潜伏時間La(20ms)とから遅延時間差60msを算出し、音声可変遅延部151を制御して60msの追加遅延を実行する。このようにLCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0098】
図18(b)および(c)はソース装置100において音声信号の追加遅延を行う場合の例を示す。
【0099】
図18(b)において、シンク装置150は単方向伝送であるS/PDIFインタフェースでソース装置100に接続されることから、ソース装置100はシンク装置150の音声信号の潜伏時間(La)を予め知ることができない。しかしながら、ソース装置100において、音声可変遅延部102に追加遅延70msが事前に設定されている。ソース装置100は、総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間としてsDa=70msとを音声信号300に多重化してシンク装置140およびシンク装置150へ伝送する。
【0100】
この場合、シンク装置140では追加遅延は不要である。シンク装置150では、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(70ms)と、シンク装置150自身の音声信号潜伏時間La(20ms)とから、遅延時間差−10msを算出する。しかし、遅延時間差−10msを補正するためには、映像信号を遅延させる必要があるが、本実施例では不可能であるため、この負の遅延時間差は無視する。その結果、映像信号に対して音声信号が10msだけ遅れることになる。自然界では光速と音速の差によってしばしば起こりうる現象であり、100msまでの時間差であれば人間は違和感を覚えることは無いと解釈されているので、このよう負の遅延時間差を無視しても特段の問題は無い。
【0101】
図18(c)において、ソース装置100は、EDID回線経由で、シンク装置140の音声信号の潜伏時間Laを予め知ることができる。これに基づいてソース装置100は、音声可変遅延部102に追加遅延30msの設定を行う。音声信号300に、映像の総潜伏時間TLv(80ms)、音声信号の累積遅延時間sDa(30ms)を多重化して、シンク装置140およびシンク装置150へ伝送する。この場合、シンク装置140では追加遅延は不要である。シンク装置150では、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(30ms)と、シンク装置150の音声信号の潜伏時間La(20ms)とから、遅延時間差30msを算出し、音声可変遅延部151を制御して30msの追加遅延を実行する。このようにしてLCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0102】
(実施の形態6)
本実施形態では、ソース装置とシンク装置とが接続され、さらにシンク装置から別のシンク装置へ音声伝送経路が接続されるシステム構成における本発明の適用例を説明する。
【0103】
図19(a)、(b)に本実施の形態におけるシステム構成を示す。ソース装置(DVDプレーヤ)100からシンク装置(デジタルTV)140に接続し、さらに、音声信号がHDMIでシンク装置(デジタルTV)140からシンク装置(マルチチャンネルアンプ)150へ接続する。
【0104】
図19(a)において、ソース装置100は従来の装置である。従って、ソース装置100は映像信号の総潜伏時間TLvを認識することも音声信号に付加することもできず、音声信号の累積遅延時間を付加することもできない。
【0105】
一方、シンク装置140は、ソース装置100から出力された音声信号にこれらの付加情報がないことを認識する。付加情報がないので、シンク装置140自身でリップシンク補正を行う。具体的には、シンク装置140は、シンク装置150の音声信号の潜伏時間La(20ms)を予めEDID回線で取得しておき、これを自己の潜伏時間La(10ms)と加算し、潜伏時間Laとして30msを算出する。シンク装置140は、映像の潜伏時間(Lv)80msと、この算出した潜伏時間La(30ms)とから、音声可変遅延部251においてその時間差を補正するため50msの追加遅延を生じさせる。これにより、シンク装置140は、映像信号と音声信号の総遅延時間をともに80msとすることができ、リップシンク補正が実現できる。
【0106】
図19(b)は、ソース装置100が本発明の思想を適用した装置である場合についての例を示す。ソース装置100は、各シンク装置140、150の潜伏時間を認識できるため、より柔軟に遅延補正が可能となる。ソース装置100において、50msの追加遅延を行うことにより、最終的にシンク装置150において、映像信号と音声信号の総遅延時間をともに80msとすることができ、リップシンク補正が実現できる。
【0107】
(実施の形態7)
本実施形態では、図17のシステム構成に、ソース装置100とシンク装置140との間に挿入されたリピータ(ビデオプロセッサ)120をさらに追加したシステム構成における本発明の適用例を説明する。いずれの機器もHDMIインタフェースで接続されている。本例では、リピータ120は映像信号に対して画質を向上させる所定の処理を施すビデオプロセッサである。
【0108】
図20(a)、(b)および(c)に本実施の形態におけるシステム構成を示す。リピータ120は、50msの映像信号の潜伏時間Lvを有している。ソース装置100はリピータ120経由で映像信号の総潜伏時間TLv(130ms)を認識することや、この情報を音声信号に付加することができ、さらに音声信号に、音声信号の累積遅延時間を付加することもできる。
【0109】
図20(a)は、ソース装置100で音声信号の追加遅延を行わない場合である。ソース装置100は音声信号300に総潜伏時間TLv(130ms)の情報を伝送するとともに、音声信号の潜伏時間についても累積遅延時間sDa(0ms)を音声信号に多重して伝送する。リピータ120は受信した情報をもとに音声信号に追加の遅延40msを付加する。
【0110】
シンク装置140は、受信した映像の総潜伏時間TLv(130ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(40ms)と、シンク装置140自身の音声信号潜伏時間La(10ms)とから、遅延時間差80msを算出し、音声可変遅延部251を制御して80msの追加遅延を実行する。
【0111】
同様にシンク装置150は、受信した映像の総潜伏時間TLv(130ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(40ms)と、シンク装置150自身の音声信号潜伏時間La(20ms)とから、遅延時間差110msを算出し、音声可変遅延部151を制御して110msの追加遅延を実行する。このようにLCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0112】
図20(b)および(c)は、ソース装置100で音声信号の追加遅延を行う場合である。図20(b)において、ソース装置100は、音声可変遅延部102に追加遅延110msの設定を行う。この場合、シンク装置150では追加遅延は不要である。
【0113】
シンク装置140では、受信した映像の総潜伏時間TLv(130ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(110ms)と、シンク装置140自身の音声信号潜伏時間La(10ms)とから、遅延時間差10msを算出し、音声可変遅延部251を制御して10msの追加遅延を実行する。このようにしてLCD143とスピーカ153およびスピーカ253のリップシンク補正が可能となる。
【0114】
図20(c)において、ソース装置100は、音声可変遅延部102に追加遅延80msの設定を行う。ソース装置100は、音声信号300に、総潜伏時間TLv(130ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(80ms)を多重化して伝送する。この場合、シンク装置140では追加遅延は不要である。
【0115】
一方、シンク装置150では、受信した映像信号の総潜伏時間TLv(130ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(80ms)と、シンク装置150自身の音声信号潜伏時間La(20ms)とから遅延時間差30msを算出し、音声可変遅延部151を制御して30msの追加遅延を実行する。これにより、LCD143とスピーカ153およびスピーカ253間のリップシンク補正が可能となる。
【0116】
(実施の形態8)
本実施の形態では、ソース装置(DVDプレーヤ)100とシンク装置(デジタルTV)140との間にリピータ(ビデオプロセッサ)110が挿入され、さらにリピータ110を介してシンク装置(マルチチャンネルアンプ)150が接続されたシステム構成における本発明の適用例を説明する。リピータ110とシンク装置150とはS/PDIFインタフェースで接続される。その他はHDMIで接続される。
【0117】
図21(a)、(b)、(c)に本実施の形態におけるシステム構成を示す。図21(a)において、ソース装置100は従来の装置であり、映像信号の総潜伏時間(TLv)を認識することはできない。
【0118】
リピータ110は、EDID回線経由で、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)を認識できる。リピータ110は、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(20ms)とを下流の機器に出力する。
【0119】
シンク装置140は、リピータ110から受信した映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)及び音声信号の累積遅延時間sDa(20ms)と、自己の潜伏時間La(10ms)とから、遅延時間差50msを算出する。この算出した時間差50msに基づき音声可変遅延部251が制御される。
【0120】
シンク装置150は、S/PDIF経由で映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(20ms)を受信して、これらの値と自身の潜伏時間La(40ms)とから遅延時間差40msを算出し、算出した値に基づき音声可変遅延部151を制御する。このようにしてすべてのリップシンク補正が可能となる。
【0121】
図21(b)および(c)は、ソース装置100において音声信号の追加遅延を行う例を示す。図21(b)において、リピータ110とシンク装置150がS/PDIFインタフェースで接続されていることから、ソース装置100はシンク装置150の音声信号の潜伏時間(La)を予め知ることができないが、ソース装置100は予め、音声可変遅延部102に追加遅延50msの設定を行っている。
【0122】
ソース100は、映像信号の総潜伏時間TLv(80ms)と、音声信号の累積遅延時間sDa(50ms)とを音声信号に多重化してリピータ110へ伝送する。この場合、シンク装置140では追加遅延は不要である。
【0123】
シンク装置150では、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(50ms)と、シンク装置150の音声信号潜伏時間La(20ms)とから遅延時間差−10msを算出する。遅延時間差−10msを補正するためには、音声信号ではなく映像信号を遅延させる必要があるが、本実施例では不可能であるため無視する。このような負の遅延時間差を無視しても問題ない点については既に説明したとおりである。
【0124】
図21(c)において、ソース装置100は、EDID回線経由で、シンク装置140の音声信号の潜伏時間La(50ms)を予め知ることができる。この値に基づきソース装置100は、音声可変遅延部102に追加遅延10msの設定を行う。これにより、シンク装置140では追加遅延は不要となる。
【0125】
一方、シンク装置150では、受信した映像の総潜伏時間TLv(80ms)と音声信号の累積遅延時間sDa(30ms)と、シンク装置150の音声信号潜伏時間La(20ms)とから遅延時間差30msを算出し、音声可変遅延部151を制御して30msの追加遅延を実行する。
このようにして全てのLCDおよびスピーカのリップシンク補正が可能となる。
【0126】
(実施の形態9)
図22を参照し、音声信号に付加情報を重畳する方法について説明する。図22はIEC 60958に規定されるユーザービット(以下「Ubit」という。)を用いて付加情報を伝送する例について説明した図である。
【0127】
Ubitは音声信号のサンプルデータに含まれL,RのPCMデータ毎に1bitが付加されている。このUbitはビット列であり、スタートビットから始まる8ビットの固まりで定義する。Ubitは、General user data format を使うことと決まられている。したがってGeneral user data formatに準拠して、潜伏時間情報などの付加情報を追加規定する。General user data format についてはIEC 60958−3 6.2.4.1節に詳細が記述されている。
【0128】
図23はGeneral user data formatに準拠して追加規定した、潜伏時間情報などの付加情報のフォーマットを示した図である。最初のIU1で潜伏時間情報であることを示し、IU2で情報語長を規定する。IU3はカテゴリコードのコピーである。IU4からIU11までの8個のIUを用いて、以下の情報を含む6バイトの情報を構成する。
Audio Latency Valid: 音声信号の累積遅延時間sDaの情報の有効性ビットである。
Audio Unit type: 音声信号の累積遅延時間sDaの情報の単位を示す。
Audio Latency: 音声信号の累積遅延時間sDaの情報であり、16ビットの語長を有する。
Video Latency Valid: 映像信号の総潜伏時間(TLv)の情報の有効性ビットである。
Video Unit type: 映像信号の総潜伏時間(TLv)の情報の単位を示す。
Video Latency:映像信号の総潜伏時間(TLv)の情報であり、16ビットの語長を有する。
【0129】
このようにUbitを用いて伝送するのは、カテゴリに関わらず一般性を広く保つ様にするためである。さらにSMPTE規格のタイムコードを伝送することも可能である。
【0130】
このようにして、IEC規格に準拠するデジタルオーディオインタフェースを利用することで、本発明に必要な潜伏時間情報を伝送することが可能となる。すなわち、IEC規格に準拠するデジタルオーディオインタフェースを、上記の実施形態におけるS/PDIFインタフェースに適用できる。
【0131】
また、HDMIについては、オーディオ伝送フォーマットはIEC 60958に準拠したフォーマットが規定されている。言い換えるとIEC 60958フォーマットをHDMIフォーマットに包んで伝送している。すなわち、IEC 60958と全く同様にUbitを使うことでHDMIでも本発明に使用する全ての潜伏時間情報をIEC 60958の形で伝送することが可能となる。さらにIEC61883(1394)のAMPプロトコルで規定するIECコンフォーマントと呼ばれるフォーマットを用いて全く同様に1394インタフェースでも本発明の潜伏時間情報を伝送することが可能である。
【0132】
本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。なお、本出願は日本国特許出願、特願2005−131963号(2005年4月28日提出)に関連し、それらの内容は参照することにより本文中に組み入れられる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、映像信号と音声信号を扱うAV機器およびこれらを接続するインタフェースを用いて構成するネットワークなど広い範囲の装置、AV機器およびインタフェースなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の基本概念を説明するための図
【図2】本発明の第1の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図3】ソース装置(DVDプレーヤ)のハードウェア構成図
【図4】シンク装置(映像表示装置)のハードウェア構成図
【図5】シンク装置(音声出力装置)のハードウェア構成図
【図6】リピータのハードウェア構成図
【図7】HDMIの構成図
【図8】第1の実施の形態のシステムの全体動作を示すフローチャート
【図9】第1の実施の形態における、ソース装置による映像信号の総潜伏時間TLvの取得処理を示すフローチャート
【図10】TLv送信命令を受信したときのリピータの処理を示すフローチャート
【図11】TLv送信命令を受信したときのシンク装置の処理を示すフローチャート
【図12】ソース装置からの、映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaの送信処理を示すフローチャート
【図13】映像信号の総潜伏時間TLvと音声信号の累積遅延時間sDaの送信処理を示すフローチャート
【図14】シンク装置における音声出力時間の調整動作処理を示すフローチャート
【図15】本発明の第2の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図16】本発明の第3の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図17】本発明の第4の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図18】本発明の第5の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図19】本発明の第6の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図20】本発明の第7の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図21】本発明の第8の実施形態におけるシステム構成を示したシステムブロック図
【図22】音声信号に付加する付加情報の伝送方式を説明するための模式図
【図23】General user data formatに準拠して追加規定した、潜伏時間情報などの付加情報のフォーマットを示した図
【図24】従来のリップシンク補正装置の接続構成を示したシステムブロック図
【符号の説明】
【0135】
100 ソース
101 DVDメディア
102 音声可変遅延部
110 リピータ
112 再エンコーダ
120 リピータ
122 映像信号処理部
130 リピータ
132 信号処理部
140 シンク
142 映像信号処理部
143 LCD(液晶表示装置)
150 シンク
151 音声可変遅延部
152 デコーダ
153 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号及び音声信号をそれぞれの伝送経路を通じてソース側装置から受信し、前記映像信号及び前記音声信号をそれぞれの伝送経路を通じてシンク側装置に対して送信する中継装置であって、
前記シンク側装置における信号の遅延時間であるシンク側遅延時間に関する情報を取得する取得部と、
前記取得したシンク側遅延時間に対して、当該中継装置における信号の遅延時間を加算し、前記ソース側装置に対して前記加算の結果である累計遅延時間を送信する送信部と、
を備えた中継装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記ソース側装置からの要求に応じて、前記ソース側装置に対して前記加算結果である累計遅延時間を送信する、
請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記ソース側装置からの要求に応じて、前記取得したシンク側遅延時間に対して、当該中継装置における信号の遅延時間を加算する、
請求項1又は2に記載の中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−223639(P2011−223639A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174012(P2011−174012)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【分割の表示】特願2007−514741(P2007−514741)の分割
【原出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】