説明

中間転写ブランケット及び電子写真印刷用中間転写体

【課題】中間転写ブランケット及び電子写真印刷用中間転写体において、高い品質の電子印刷を可能とする。
【解決手段】石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを転写するために使用し、ブランケット102の表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層104を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体のキャリアに分散したトナーを用いて印刷を行う電子現像印刷装置に用いられる中間転写ブランケット、並びにこの中間転写ブランケットが装着された電子写真印刷用中間転写体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂及び顔料等により構成されたトナーがキャリア内に分散された液体トナーを用いて感光体に形成された静電潜像に現像し、中間転写体に一次転写し、更に液体トナーを被印刷物の表面に転写し、転写された液体トナー中のトナーを被印刷物に定着させることにより印刷を行う電子写真印刷装置が提案されている。
【0003】
このような電子写真印刷装置は、液体トナーにより感光体に形成された静電潜像に現像を行い、その現像されたトナー画像を中間転写体に一次転写し、更に現像されたトナー画像を転写するためのバイアス電圧が印可されたバックアップローラとのニップ部において、中間転写体上の液体トナーを被印刷物に転写して印刷を行うものである。
【0004】
この電子写真印刷装置に用いられる中間転写体は、ドラムの表面に中間転写ブランケットが装着されて構成されており、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された中間転写ブランケットは、ブランケット本体として接着層、繊維層、圧縮性層、上層、導電層が重ねられ、このブランケット本体(導電層)の表面に、像転写部として導電層、適合層、剥離層が重ねられて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2002−507147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子写真印刷装置にて、中間転写体の表面に形成されたトナーによる静電画像は、この中間転写体に被印刷物が接触したときに、その被印刷物の裏面から印加された電圧により電流が流れ、被印刷物に転写される。上述した従来の中間転写ブランケットでは、表面側に像転写部として、導電層、適合層(導電性)、剥離層が重ねられている。この場合、各層は、シリコーンゴムにより構成されていることから、トナーの剥離性が高く、トナーによる静電画像の転写性に優れるものの、濡れ性が不十分であり、高い品質の電子印刷を行うことが困難である。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、高い品質の電子印刷を可能とする中間転写ブランケット及び電子写真印刷用中間転写体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の中間転写ブランケットは、石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを転写するための中間転写ブランケットであって、表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層が設けられる、ことを特徴とするものである。
【0009】
従って、液体トナーの溶剤として石油系の溶剤を用い、中間転写ブランケットの表面にウレタン系ゴムからなる導電層を設けることで、中間転写ブランケットの表面に対する液体トナーの濡れ性が良くなり、この液体トナーにより形成される画像の転写精度を向上することができると共に、液体トナーによる中間転写ブランケットの溶解を抑制することができ、その結果、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【0010】
本発明の中間転写ブランケットでは、クッション層の表面に前記導電層が設けられ、前記導電層は、表面側に配置される第1導電層と、裏面側であって前記クッション層側に配置される第2導電層とを有し、前記第1導電層の電気抵抗が前記第2導電層の電気抵抗より高く設定されることを特徴としている。
【0011】
従って、表面側の第1導電層の電気抵抗を第2導電層の電気抵抗より高く設定することで、高い電界強度を作用させることができ、トナーが移動しやすくなって印刷時におけるトナーの転写量が増加することとなり、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【0012】
本発明の中間転写ブランケットでは、前記第1導電層の厚さが前記第2導電層の厚さより薄く設定されることを特徴としている。
【0013】
従って、ウレタン系ゴムにより形成することで、トナーの溶剤による溶解を防止することができ、また、第2導電層を第1導電層より厚く形成することで、クッション性を確保して静電画像を高精度に形成することができる。
【0014】
本発明の中間転写ブランケットでは、前記クッション層は、弾性率の相違する複数の層が重ねられて構成されることを特徴としている。
【0015】
従って、クッション層は、複数の弾性率を合わせたその間の適正な弾性率に調整することができ、トナーの特性に応じた適正な弾性率のクッション層を生成することができ、また、基体とのずれを防止し、転写性を向上することができる。
【0016】
本発明の中間転写ブランケットでは、前記クッション層と前記導電層との間に、前記導電層から前記クッション層への液体トナーの浸透を防止するトナー非浸透層が設けられることを特徴としている。
【0017】
従って、液体トナーの溶剤が導電層に浸透しても、トナー非浸透層によりせき止められ、クッション層に浸透することはなく、このクッション層の弾性率変化や基体の腐食を防止することで、耐久性を向上することができる。
【0018】
本発明の中間転写ブランケットでは、トナー非浸透層は、表面に通電層を有し、前記クッション層と前記導電層とに接着されることを特徴としている。
【0019】
従って、トナー非浸透層の装着性を向上することができる。
【0020】
本発明の中間転写ブランケットでは、前記クッション層と前記導電層が分割可能に重ねられて構成されることを特徴としている。
【0021】
従って、クッション層に対して導電層を分割可能とすることで、導電層が損傷したときには、この導電層だけを交換することができ、ランニングコストを低減することができる。
【0022】
また、本発明の電子写真印刷用中間転写体は、基体と、石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを転写するための中間転写ブランケットを有し、表面に帯電されたトナーを担持可能であると共に被印刷物に転写可能な電子写真印刷用中間転写体において、前記中間転写ブランケットは、表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層が設けられる、ことを特徴とするものである。
【0023】
従って、液体トナーの溶剤として石油系の溶剤を用い、中間転写ブランケットの表面にウレタン系ゴムからなる導電層を設けることで、中間転写ブランケットの表面に対する液体トナーの濡れ性が良くなり、この液体トナーにより形成される画像の転写精度を向上することができると共に、液体トナーによる中間転写ブランケットの溶解を抑制することができ、その結果、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【0024】
本発明の電子写真印刷用中間転写体では、前記中間転写ブランケットは、クッション層の表面に前記導電層が設けられ、前記導電層は、表面側に配置される第1導電層と、裏面側であって前記クッション層側に配置される第2導電層とを有し、前記第1導電層の電気抵抗が前記第2導電層の電気抵抗より高く設定されることを特徴としている。
【0025】
従って、表面側の第1導電層の電気抵抗を第2導電層の電気抵抗より高く設定することで、高い電界強度を作用させることができ、トナーが移動しやすくなって印刷時におけるトナーの転写量が増加することとなり、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の中間転写ブランケット及び電子写真印刷用中間転写体によれば、石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを使用し、中間転写ブランケットの表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層を設けるので、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る中間転写ブランケットが装着された中間転写体の要部断面図である。
【図2】図2は、実施例1の中間転写体が適用された電子写真印刷装置の概略構成図である。
【図3】図3は、実施例1の電子写真印刷装置における現像ユニットを表す概略図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係る中間転写ブランケットが装着された中間転写体の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る中間転写ブランケット及び電子写真印刷用中間転写体の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】
図1は、本発明の実施例1に係る中間転写ブランケットが装着された中間転写体の要部断面図、図2は、実施例1の中間転写体が適用された電子写真印刷装置の概略構成図、図3は、実施例1の電子写真印刷装置における現像ユニットを表す概略図である。
【0030】
実施例1において、図2に示すように、電子写真印刷装置10は、液体現像電子写真方式の両面印刷機であって、給紙部11、印刷部12、排紙部13から構成されている。給紙部11は、枚葉紙である印刷シート(被印刷物)Sを1枚ずつ給紙トレイ21から印刷部12へと供給することができる。印刷部12は、供給された印刷シートSの片方の面(第1面)に対して印刷を行った後、第1面の反対側の面(第2面)に対して印刷を行うことで、この印刷シートSの両面(第1面、第2面)に対して印刷を行うように構成されている。排紙部13は、印刷部12により両面印刷された印刷シートSを排紙トレイ22に排紙することができる。
【0031】
本実施例の電子写真印刷装置10は、プロセスカラー印刷を行うことが可能に構成されており、印刷部12には、K(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)のプロセスカラー各色に対応する4つの現像ユニット31,32,33,34が設けられている。この印刷部12は、この各現像ユニット31〜34、中間転写体35、バックアップローラ36、チェーングリッパ37、トナー定着装置としての閃光照射装置38、スイッチ機構39、反転装置を構成する往復ガイドローラ40、スイッチバックローラ41、シート収納部42、複数の搬送ローラ43、一対の加熱ローラ44を有して構成されている。
【0032】
中間転写体35とバックアップローラ36は、互いに対接しており、この対接部分にニップ部(転写位置)N1が形成されている。この中間転写体35の周面は、後述するが、例えば、ウレタン系導電性ゴムで構成されており、中間転写体35は、例えば、−200〜−300V程度のバイアス電圧が印加されている。
【0033】
一方、バックアップローラ36は、中間転写体35に対して所定の圧力、例えば、1〜13kg/cm程度で圧力を加えるように配設されており、上述したニップ部N1を形成している。そのため、印刷シートSは、中間転写体35とバックアップローラ36との間を搬送されることで、所定のニップ圧が付与される。また、バックアップローラ36は、例えば、−800V程度の転写バイアスが印加されている。そのため、中間転写体35のバイアス電圧(−200〜−300V)と、バックアップローラ36のバイアス電圧(約−800V)との差により、後述する液体トナーTをバックアップローラ36側へ吸引する力を与え、中間転写体35から印刷シートSへの液体トナーTの静電転写を促進するようになっている。
【0034】
このニップ部N1において、中間転写体35から印刷シートSに液体トナーTによる画像が転写されるようになっている。この場合、バックアップローラ36は、周面に複数の搬送ローラ43により搬送された印刷シートSを掴み離しすることにより、再び、印刷シートSをニップ部N1に導くグリッパ36aが設けられている。
【0035】
チェーングリッパ37は、無端状をなす2本のチェーンが2本平行に並列して構成されており、各チェーンには、複数のグリッパが等間隔に取付けられている。このグリッパ間の間隔は、印刷シートSのシート搬送方向長さよりも短く設定されている。また、グリッパは、印刷シートSの側端部を把持するように構成されており、掴み離し機構により所定の搬送位置で印刷シートSを把持し、別の所定の位置で印刷シートSの把持を解除するようになっている。
【0036】
チェーングリッパ37による印刷シートSの搬送経路の上方には、トナー定着装置としての閃光照射装置38が配設されている。この閃光照射装置38は、キセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプ、クリプトンランプ、キセノン−水銀ランプ等によって構成されており、制御装置からの信号に応じて閃光による加熱が可能となっている。
【0037】
そして、印刷シートSがチェーングリッパ37により閃光照射装置38の下部を通過するタイミングに合わせて、印刷シートSの上面(印刷面)に瞬間的に閃光を照射させることで、印刷シートSに接触することなく印刷シートSを加熱可能となっている。
【0038】
スイッチ機構39は、印刷シートSの搬送方向を案内するためのガイド部(突起部)を有し、回動可能に支持されており、制御装置は、このガイド部の位置を切り換え可能となっている。往復ガイドローラ40は、3つのローラを有しており、従って、スイッチ機構39から往復ガイドローラ40側へ搬送された印刷シートSは、上側の2つのローラの回転駆動により、スイッチバックローラ41側へ搬送される。一方、スイッチ機構39から往復ガイドローラ40側へ搬送された印刷シートSは、下側の2つのローラの回転駆動により、複数の搬送ローラ43側へ搬送される。
【0039】
スイッチバックローラ41は、一対の駆動ローラによって印刷シートSを把持し、搬送可能に構成されており、往復ガイドローラ40側から搬入された印刷シートSを保持しながら、印刷シートSの予め設定された必要長さ分Lだけシート収納部42に一時収納する。その後、印刷シートSを保持した状態でスイッチバックローラ41は反対方向に回転駆動し、保持する印刷シートSをシート収納部42から反対方向に搬送して往復ガイドローラ40側へ搬送するようになっている。
【0040】
スイッチバックローラ41から往復ガイドローラ40に搬送された印刷シートSは、複数の搬送ローラ43側へと導入されるようになっている。複数の搬送ローラ43は、印刷シートSをバックアップローラ36まで搬送するようになっている。そして、バックアップローラ36のグリッパ36aは、印刷シートSを掴んだ状態でバックアップローラ36の回転に応じて印刷シートSをニップ部N1の直前まで搬送し、印刷シートSの把持を解除してからバックアップローラ36の内部に収納される。
【0041】
このとき、印刷シートSは、既に1回目のニップ部N1通過時と表裏が反転されているため、ニップ部N1において、中間転写体35は、印刷シートSの第1面とは反対側の面である第2面が接触する。つまり、印刷シートSの第1面に液体トナーTを転写する中間転写体35及びバックアップローラ36と、印刷シートSの第2面に液体トナーTを転写する中間転写体35及びバックアップローラ36とが、共用されるように構成されている。また、印刷シートSの第1面に閃光を照射する閃光照射装置38と、印刷シートSの第2面に閃光を照射する閃光照射装置38とが共用されるように構成されている。
【0042】
一対の加熱ローラ44は、スイッチ機構39よりも排紙部13側に配置されており、互いに表面温度が適温に設定されており、印刷シートSが通過するときに、この一対のローラ44により印刷シートSを加圧するニップ部N2が形成されている。
【0043】
ここで、上述した印刷部12において、各現像ユニット31〜34は、中間転写体35の周囲にその回転方向に沿って並設されており、ほぼ同様の構成となっている。以下では、現像ユニット31について詳細に説明する。
【0044】
現像ユニット31は、図3に示すように、図示しない制御装置から送信された画像データに基づいて、感光ドラム51上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対応する位置に液体トナーTを感光ドラム51から中間転写体35に転写し、この中間転写体35の周面に転写されるように構成されている。
【0045】
ここで、液体トナーTは、熱可塑性素材と色素(顔料あるいは染料)とにより形成される粒子状のトナーが液体状のキャリア中に分散されて配合されたものであり、ここでは、キャリアとして、石油系の溶剤(例えば、非極性であり、且つ、パラフィン系溶剤でもあるミネラルオイルなど)に、平均粒径1〜2μm程度の粒子状のトナーが重量比で20〜40パーセント程度含有されたものを液体トナーTとして用いている。
【0046】
現像ユニット31は、感光ドラム(感光体)51、クリーニングユニット52、除電器53、感光体帯電装置54、露光装置55、現像装置56を有して構成されている。感光ドラム51は、周面にアモルファスシリコン(a−Si)や感光性ポリマー等の感光剤を含んで形成された感光層が形成されている。この感光ドラム51は、ニップ部N3において中間転写体35と対接しており、感光ドラム51上の液体トナーTを中間転写体35側に転写可能に構成されている。
【0047】
この感光ドラム51は、その周囲に、ニップ部N3を起点として感光ドラム51の回転方向に沿って、クリーニングユニット52、除電器53、感光体帯電装置54、露光装置55、現像装置56がそれぞれ順に感光層に対向して配設されている。クリーニングユニット52は、クリーニングローラ52a、ブレード52b,52c、液体トナー排出口52dを有して構成されており、感光ドラム51の周面に残存している液体トナーTを除去して図示しないトナー回収路に排出することができる。
【0048】
即ち、クリーニングローラ52aは、感光ドラム51に接して従動方向に回転することで、感光ドラム51の周面に残存する液体トナーTを回収することができる。ブレード52bは、弾性材料で形成された矩形状の板体であり、一方の長辺部が感光ドラム51の周面に接触するように配設されており、クリーニングローラ52aで除去できなかった感光ドラム51の周面の液体トナーTを掻き取り、感光ドラム51から液体トナーTを完全に除去することができる。
【0049】
そして、ブレード52cは、弾性材料で形成された矩形状の板体であり、一方の長辺部がクリーニングローラ52aの周面に接触するように配設されており、クリーニングローラ52aの周面に付着した液体トナーTを掻き取って除去することができる。そして、感光ドラム51から除去された液体トナーTは、液体トナー排出口52dから排出される。
【0050】
除電器53は、感光ドラム51の感光層に残留する電荷を消去する機能を有している。感光体帯電装置54は、コロトロン型あるいはスコロトロン型等の非接触型放電方式の帯電器が、感光ドラム51の周方向に沿って複数(本実施例では、3個)配設されて構成されており、感光ドラム51の感光層を一様に、例えば、500V程度に帯電させる機能を有している。
【0051】
露光装置55は、感光ドラム51の軸方向に沿って発光体(本実施例では、LED)を棒状に配列された発光装置(LEDアレイ)により構成されており、制御装置から送られてくる画像データに基づいて、各LEDを発光させるようになっている。即ち、感光体帯電装置54により一様に帯電されている感光ドラム51の感光層の表面に露光装置55からの光が照射されることにより、光の照射部分では感光層の帯電が解除され、感光層に画像データに基づいた静電潜像を形成可能となっている。なお、発光装置としては、LEDアレイの代わりに、画像データに基づいて半導体レーザー等を走査して静電潜像を形成するように構成してもよい。
【0052】
現像装置56は、アニロックスローラ61、均しローラ62、現像ローラ63、トナー帯電器64、クリーニングローラ65、ブレード66,67、トナー供給口68、液体トナー貯留部69を有して構成されており、感光ドラム51の静電潜像が形成された部分に液体トナーTを転写するようになっている。
【0053】
トナー貯留部69には、上述の液体トナーTが貯留されており、アニロックスローラ61の一部が液体トナーTに浸されるように、トナー供給口68から液体トナーTが適宜供給されるようになっている。このアニロックスローラ61は、金属製のローラであって、その周面に液体トナーTを所望の膜厚で供給するのに適した凹部(セル)が全面に亘って形成されている。このアニロックスローラ61は、感光ドラム51と同方向に回転駆動可能である。
【0054】
また、ブレード67は板状の高密度ポリエチレンで形成されており、先端がアニロックスローラ61の周面に接することで、周面に付着した液体トナーTを掻き落とし、アニロックスローラ61の周面上に所望膜圧の液体トナーTを形成することができる。均しローラ62は、ウレタンゴムで形成されており、アニロックスローラ61と現像ローラ63との間に配設され、アニロックスローラ61及び現像ローラ63に接している。また、均しローラ62は、アニロックスローラ61との接点において互いの周面が同じ方向に進む向きに回転可能となっている。
【0055】
現像ローラ63は、導電性ゴムで形成されており、感光ドラム51と接してニップ部N4を形成するように配設されている。また、現像ローラ63は、ニップ部N4において感光ドラム51の周面と現像ローラ63の周面とが同じ方向に進む向きに回転可能となっている。また、現像ローラ63は、周面の速度が感光ドラム51の周面の速度と同じ速度に設定されている。このように導電性を有する現像ローラ63と感光ドラム51とがニップ部N4で接することにより、現像ローラ63の周面から感光ドラム51の静電潜像が形成された部分へと帯電したトナーを含む液体トナーTが転写され、現像が行われる。
【0056】
そして、現像された感光ドラム51の周面上の液体トナーTはニップ部N3において中間転写体35に転写され、この中間転写体35の周面にトナーによる画像を含んだ液体トナー層を形成することができる。
【0057】
なお、現像ユニット31についてのみ説明したが、各現像ユニット32,33,34も同様の構成となっており、各現像ユニット31〜34でそれぞれ形成されるトナー画像は、中間転写体35の周面の同位置に重なり、且つ、印刷シートSがニップ部N1を通過するタイミングに同期して、トナー画像が中間転写体35から印刷シートSの適切な位置に転写されるように配置されている。
【0058】
トナー帯電器64は、現像ローラ63の周面に近接しており、ニップ部N4よりも現像ローラ63の回転方向上流側、且つ、現像ローラ63と均しローラ62との接面よりも回転方向下流側に位置するように配設されている。このトナー帯電器64は、コロトロン型あるいはスコロトロン型等の非接触型放電方式の帯電器であり、現像ローラ63の周面に付着している液体トナーT中の帯電したトナーのキャリア中の分布を均等化する機能を有している。
【0059】
クリーニングローラ65は、ニップ部N4よりも現像ローラ63の回転方向下流側において、現像ローラ63と接しており、感光ドラム51へ転写されずに現像ローラ63の周面に残存した液体トナーTを除去することができる。そしてブレード66は、クリーニングローラ65の周面に付着した液体トナーTを掻き落とすことができる。
【0060】
このように構成された実施例1の電子写真印刷装置10では、図2及び図3に示すように、印刷シートSが1枚だけ給紙トレイ21から印刷部12へと給紙されると、この印刷部12において、各現像ユニット31〜34により、印刷シートSの第1面に転写されるべき静電画像が形成された感光ドラム51の周面に、対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)各色の液体トナーTが転写され、感光ドラム51上に画像が現像される。そして、感光ドラム51の周面に転写された液体トナーTが、中間転写体35に転写され、中間転写体35の周面から印刷シートSの中間転写体35と接する側の面(第1面)に対して液体トナーTが転写される。
【0061】
そして、第1面に液体トナーTが転写された印刷シートSは、チェーングリッパ37により両端部が把持された状態で搬送され、閃光照射装置38から閃光が照射され、この印刷シートSの第1面が加熱される。これにより、印刷シートSの第1面に転写された液体トナーT中のトナーが溶融すると共に、キャリアが蒸発することにより液体トナーTが印刷シートSの第1面に定着される。
【0062】
第1面に液体トナーTが定着された印刷シートSは、スイッチ機構39に案内され、スイッチバックローラ41により保持された状態で一時シート収納部42に収納される。スイッチバックローラ41により印刷シートSがシート収納部42に収納された後、この印刷シートSは、再び往復ガイドローラ40側へ搬送され、この往復ガイドローラ40により搬送ローラ43へ案内される。
【0063】
搬送ローラ43により搬送された印刷シートSは、バックアップローラ36のグリッパ36aに搬送され、このグリッパ36aにより印刷シートSの搬送方向先端部が把持される。一方、印刷部12において、各現像ユニット31〜34は、印刷シートSの第2面に転写されるべき静電画像が形成された感光ドラム51の周面に対応するK(墨)、C(藍)、M(紅)、Y(黄)の各色の液体トナーTが転写され、感光ドラム51上に画像が現像される。
【0064】
そして、感光ドラム51は、周面に転写された液体トナーTが中間転写体35に転写され、この中間転写体35の周面から印刷シートSの中間転写体35と接する側の面(第2面)に対して液体トナーTが転写される。そして、チェーングリッパ37により両端部が把持された状態の印刷シートSは、閃光照射装置38から閃光が照射され、印刷シートSの第2面が加熱される。これにより、印刷シートSの第2面上の液体トナーTのトナーが十分に溶融されると共に、キャリアが蒸発することにより印刷シートSの第2面上の液体トナーTが印刷シートSの第2面に定着される。
【0065】
そして、第2面に液体トナーTが転写された印刷シートSは、スイッチ機構39を経て一対の加熱ローラ44のニップ部N2に搬送され、印刷シートSの両面が加圧される。その後、第1面と第2面との両面が加熱された印刷シートSは、排紙部13を搬送される間に冷却されて排紙トレイ22に排出され、印刷を終了する。
【0066】
このように構成された電子写真印刷装置10にて、図1に示すように、中間転写体35は、図示しないフレームに回転自在に支持される基体101と、この基体101の外周部に装着されるブランケット(中間転写ブランケット)102から構成されている。この場合、基体101は、外周部に図示しない咥え部が設けられており、帯状をなすブランケット102は、この基体101の外周部に装着され、一端部及び他端部が咥え部に固定されることで、ブランケット102が基体101に装着されることとなる。
【0067】
そして、ブランケット102は、クッション層103の表面に導電層104が設けられて構成されており、導電層104の表面が帯電された液体トナーTを担持可能であると共に、印刷シートSに転写可能となっている。以下、ブランケット102について詳細に説明する。
【0068】
クッション層103は、弾性率の相違する複数(本実施例では、2つ)の層として、第1クッション層105と第2クッション層106が重ねられて構成されている。このクッション層103は、ニップ部N1,N3(図2及び図3参照)にて、所定の圧力(ニップ圧)を確保する必要から、適度な硬さや柔らかさを有し、また、基体101への装着性を確保する必要から、適正な密着力を有している。各クッション層105,106は、ポリウレタンなどの合成樹脂を発泡成形して製作されるスポンジにより形成され、発泡率が相違することで、その弾性率が相違するものとなっている。また、各クッション層105,106は、スポンジにより形成されることから、基体101の表面に対する高い摩擦係数を設定することができ、適正な密着力を確保できるものとなっている。
【0069】
この場合、高い弾性率を有する第1クッション層105と、この第1クッション層105より低い弾性率を有する第2クッション層106が重ねられて構成されていることから、クッション層103は、2つの弾性率を合わせたその中間の適正な弾性率を有するものとなり、液体トナーTの特性に応じた適正な弾性率に調整される。従って、クッション層103は、高い摩擦係数をもって基体101の表面に装着されることで、印刷時にずれることはなく、且つ、適正な弾性率に調整されることから、静電画像をずれることなく印刷シートSに転写できる。
【0070】
即ち、トナー粒子が柔らかい液体トナーTの場合、クッション層103の弾性率を低めに調整し、溶剤粘度が高い液体トナーTの場合、クッション層103の弾性率を高めに調整することが好ましい。すると、クッション層103は、液体トナーTの特性に応じた弾性率に調整されることとなり、網点のつぶれなどを防止して静電画像をシャープに転写できる。
【0071】
また、使用される液体トナーは、上述したように、石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されて形成されるものであり、この液体トナーを転写する導電層104は、液体トナーと相性の良いウレタン系ゴムにより形成されている。
【0072】
即ち、導電層104は、表面側に配置される第1導電層107と、裏面側であってクッション層103側に配置される第2導電層108とを有し、第1導電層107の電気抵抗が第2導電層108の電気抵抗より高く設定されている。この場合、各導電層107,108は、ウレタン系ゴムにより形成され、第1導電層107の厚さが第2導電層108の厚さより薄く設定されている。導電層104を構成する各導電層107,108は、例えば、ポリエステルイソシネアートまたはポリエーテルイソシネアートなどにより形成されることから、フッ素系のゴムよりも濡れ性が高く、液体トナーをはじきにくいものとなり、高精度な画像を形成可能となる。また、導電層104は、その分子構造から極性であり、一方、液体トナーの溶剤は石油系(ミネラルオイルなど)であることから、相溶しにくい。つまり、導電層104は、溶解性パラメータSPが約7.0であることから、ミネラルオイルを用いた液体トナーTに対して、溶解しにくいものとなる。
【0073】
例えば、第1導電層107は、カーボン量0.5wt%、厚さ50μmとすることで、体積抵抗10−12Ωcmに設定される。また、第2導電層108は、カーボン量3.0wt%、厚さ400μmとすることで、体積抵抗10−6Ωcmに設定される。
【0074】
ブランケット102に所定の電圧をかけた場合、表面側にある第1導電層107は、体積抵抗が高く、且つ、厚さが薄いことから、電界強度Eが大きくなる。一方、裏面側にある第2導電層108は、厚さが厚いものの、体積抵抗が極めて低いことから、電流が流れやすくなり、一種の金属(導体)と考えることができ、電界が作用する導電層104における有効厚さは、第1導電層107だけと考えることができる。
【0075】
電界強度Eは、電圧Vと有効厚さdに基づいて下記数式より求めることができる。
E=V/d
導電層104は、第1導電層107の体積抵抗が高く、且つ、厚さが薄いことから、大きな電界強度Eを確保することができ、液体トナーTが移動しやすくなり、印刷時における液体トナーTの転写量が増加することとなり、高い濃度で電子印刷を行うことができる。また、導電層104は、第1導電層107の厚さが薄いものの、第2導電層108の厚さが厚いことから、所定の弾性力(クッション性)を確保することができ、液体トナーTの転写時における画像乱れを抑制することができる。
【0076】
なお、上述の説明にて、第1導電層107は、カーボン量0.5wt%、厚さ50μmとすることで、体積抵抗10−12Ωcmに設定したが、この数値に限定されるものではない。第1導電層107に作用する電界強度Eは、10〜200V/μmが望ましく、この場合、電圧Vは、500〜2000V、厚さdは、10〜50μmが好適である。
【0077】
また、ブランケット102は、クッション層103と導電層104との間に、導電層104からクッション層103への液体トナーTの浸透を防止するトナー非浸透層109が設けられている。このトナー非浸透層109は、A−PET(非晶質ポリエチレンテレフタレートシート)の表面に、通電層として、アルミニウムの蒸着処理が施されたものとなっている。この場合、通電層として銅メッキを用いてもよい。
【0078】
このトナー非浸透層109は、接着剤110,111により導電層104の裏面とクッション層103の表面に接着される。この場合、接着剤は、両面接着テープやラミネータを用いてもよいものである。
【0079】
従って、液体トナーTがブランケット102の表面に転写されたとき、溶剤が導電層104に浸透しても、この溶剤は、トナー非浸透層109によりせき止められ、クッション層103に浸透することはなく、このクッション層103の弾性率変化や基体101の腐食が防止される。
【0080】
このように実施例1の中間転写ブランケットにあっては、石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを転写するために使用し、ブランケット102の表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層104を設けている。
【0081】
従って、液体トナーの溶剤として石油系の溶剤を用い、ブランケット102の表面にウレタン系ゴムからなる導電層104を設けることで、ブランケット102の表面に対する液体トナーの濡れ性が良くなり、この液体トナーにより形成される画像の転写精度を向上することができると共に、液体トナーによるブランケット102の溶解を抑制することができ、その結果、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【0082】
また、実施例1の中間転写ブランケットにあっては、クッション層103の表面に導電層104を設けてブランケット102を構成し、導電層104として、表面側に配置される第1導電層107と、裏面側であってクッション層103側に配置される第2導電層108とを設け、第1導電層107の電気抵抗を第2導電層108の電気抵抗より高く設定している。
【0083】
従って、表面側の第1導電層107の電気抵抗を第2導電層108の電気抵抗より高く設定することで、ブランケット102の表面に高い電界強度を作用させることができ、液体トナーTが移動しやすくなって印刷時における液体トナーTの転写量が増加することとなり、高い濃度で電子印刷を行うことが可能となり、電子印刷の印刷品質を向上することができる。
【0084】
また、実施例1の中間転写ブランケットでは、導電層104をウレタン系ゴムにより形成し、第1導電層107の厚さを第2導電層108の厚さより薄く設定している。従って、ウレタン系ゴムにより形成することで、液体トナーTの溶剤による溶解を防止することができ、また、第2導電層108を第1導電層107より厚く形成することで、クッション性を確保して静電画像を高精度に形成することができる。
【0085】
また、実施例1の中間転写ブランケットでは、クッション層103を弾性率の相違する第1クッション層105と第2クッション層106を重ねて構成している。従って、クッション層103は、各クッション層105,106の弾性率を合わせたその間の適正な弾性率に調整することができ、液体トナーTの特性に応じた適正な弾性率のクッション層103を生成することができ、また、基体101とのずれを防止し、転写性を向上することができる。
【0086】
また、実施例1の中間転写ブランケットでは、クッション層103と導電層104との間に、導電層104からクッション層103への液体トナーTの浸透を防止するトナー非浸透層109を設けている。従って、液体トナーTの溶剤が導電層104に浸透しても、トナー非浸透層109によりせき止められ、クッション層103に浸透することはなく、このクッション層103の弾性率変化や基体の腐食を防止することで、耐久性を向上することができる。
【0087】
この場合、トナー非浸透層109は、表面に通電層が設けられ、クッション層103と導電層104とに接着されている。従って、トナー非浸透層109の装着性を向上することができる。
【実施例2】
【0088】
図4は、本発明の実施例2に係る中間転写ブランケットが装着された中間転写体の要部断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0089】
実施例2にて、中間転写体35は、実施例1と同様に、基体101と、この基体101の外周部に装着されるブランケット102から構成され、ブランケット102は、クッション層103の表面に導電層104が設けられて構成され、クッション層103と導電層104との間にトナー非浸透層109が設けられて構成されている。
【0090】
実施例2では、ブランケット102が、基体101側の第1ブランケット201と、表面側の第2ブランケット203とに分割されて構成されている。即ち、第1ブランケット201は、クッション層103(第1クッション層105、第2クッション層106)により構成されている。一方、第2ブランケット203は、導電層104(第1導電層107、第2導電層108)とトナー非浸透層109により構成されている。
【0091】
この場合、第1ブランケット201(クッション層103)は、クッション材を所定のサイズに裁断し、図示しない回転胴に巻き付け、このクッション材の表面を研磨することで、所定の厚さに形成する。そして、このように形成したクッション層103を基体101の表面に装着し、各端をシリンダに咥え部でつかんで固定する。
【0092】
また、第2ブランケット203(導電層104、トナー非浸透層109)は、ベースプレートとなるガラス定盤にバーコータにより原液のゴム剤を所定の厚さで成膜し、所定の温度、所定時間だけ焼成してゴムを硬化させることで第2導電層108を生成し、第2導電層108の表面にスプレー成膜により第1導電層107を生成する。その後、導電層104の裏面にトナー非浸透層109を接着する。
【0093】
そして、第1ブランケット201(クッション層103)の表面に第2ブランケット203(導電層104、トナー非浸透層109)を装着し、同様に、各端をシリンダに咥え部でつかんで固定する。
【0094】
このように実施例2の中間転写ブランケットにあっては、クッション層103により構成される第1ブランケット201と、導電層104とトナー非浸透層109により構成される第2ブランケット203とが分割可能に重ねられて構成されている。
【0095】
従って、第1ブランケット201に対して第2ブランケット203を分割可能とすることで、導電層104が損傷するなどして寿命がきたときには、この導電層104だけを交換することができ、ランニングコストを低減することができる。
【0096】
なお、上述した各実施例では、中間転写体35をドラム式としたが、ベルト式であってもよく、この場合、ベルト式の基体の表面にブランケットを装着すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る中間転写ブランケット及び電子写真印刷用中間転写体は、液体トナーに石油系の溶剤を使用して中間転写ブランケットの表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層を設けることで、高い品質の電子印刷を可能とするものであり、いずれの種類の電子写真印刷装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0098】
10 電子写真印刷装置
11 給紙部
12 印刷部
13 排紙部
31,32,33,34 現像ユニット
35 中間転写体(電子写真印刷用中間転写体)
36 バックアップローラ
38 閃光照射装置(トナー定着装置)
101 基体
102 ブランケット(中間転写ブランケット)
103 クッション層
104 導電層
105 第1クッション層
106 第2クッション層
107 第1導電層
108 第2導電層
109 トナー非浸透層
110,111 接着剤
201 第1ブランケット
203 第2ブランケット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを転写するための中間転写ブランケットであって、
表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層が設けられる、
ことを特徴とする中間転写ブランケット。
【請求項2】
クッション層の表面に前記導電層が設けられ、前記導電層は、表面側に配置される第1導電層と、裏面側であって前記クッション層側に配置される第2導電層とを有し、前記第1導電層の電気抵抗が前記第2導電層の電気抵抗より高く設定されることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ブランケット。
【請求項3】
前記第1導電層の厚さが前記第2導電層の厚さより薄く設定されることを特徴とする請求項2に記載の中間転写ブランケット。
【請求項4】
前記クッション層は、弾性率の相違する複数の層が重ねられて構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の中間転写ブランケット。
【請求項5】
前記クッション層と前記導電層との間に、前記導電層から前記クッション層への液体トナーの浸透を防止するトナー非浸透層が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の中間転写ブランケット。
【請求項6】
前記トナー非浸透層は、表面に通電層を有し、前記クッション層と前記導電層とに接着されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の中間転写ブランケット。
【請求項7】
前記クッション層と前記導電層が分割可能に重ねられて構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の中間転写ブランケット。
【請求項8】
基体と、石油系の溶剤に熱可塑性素材と色素により形成される粒子状のトナーが分散されて配合されてなる液体トナーを転写するための中間転写ブランケットを有し、表面に帯電されたトナーを担持可能であると共に被印刷物に転写可能な電子写真印刷用中間転写体において、
前記中間転写ブランケットは、表面にウレタン系ゴムにより形成される導電層が設けられる、
ことを特徴とする電子写真印刷用中間転写体。
【請求項9】
前記中間転写ブランケットは、クッション層の表面に前記導電層が設けられ、前記導電層は、表面側に配置される第1導電層と、裏面側であって前記クッション層側に配置される第2導電層とを有し、前記第1導電層の電気抵抗が前記第2導電層の電気抵抗より高く設定されることを特徴とする請求項8に記載の電子写真印刷用中間転写体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−175208(P2011−175208A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41006(P2010−41006)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【出願人】(000142436)株式会社金陽社 (25)
【Fターム(参考)】