丸編機で製造された編地を回収する方法及び丸編機
丸編機で製造された編地を回収する方法及び丸編機
【課題】後の編地の変形を考慮した、自動的な編地の切断を可能にする丸編機および編地の回収方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも、編地(4)を巻下げる工程と、切断する工程と、回収する工程とを有し、前記編地はシリンダー(3)の回転軸("X")に対して傾けられた既定の切断軌道に沿って切断されることを特徴とする、丸編機のシリンダー(3)で製造された編地(4)を回収する方法。切断手段(10)は編機のシリンダー(3)の速度とは異なる速度で回転させられる。さらには、中心回転軸("X")の周りを回転し、管状編地を製造するシリンダー(3)と、編地(4)をシリンダーに対して反対側に引き込み、切断手段(10)が装備されている、巻下げ・回収部(6)を有する丸編機。前記切断手段(10)は、シリンダー(3)の速度とは異なる回転速度で、中心回転軸("X")の周りを回転させられ得る。
【課題】後の編地の変形を考慮した、自動的な編地の切断を可能にする丸編機および編地の回収方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも、編地(4)を巻下げる工程と、切断する工程と、回収する工程とを有し、前記編地はシリンダー(3)の回転軸("X")に対して傾けられた既定の切断軌道に沿って切断されることを特徴とする、丸編機のシリンダー(3)で製造された編地(4)を回収する方法。切断手段(10)は編機のシリンダー(3)の速度とは異なる速度で回転させられる。さらには、中心回転軸("X")の周りを回転し、管状編地を製造するシリンダー(3)と、編地(4)をシリンダーに対して反対側に引き込み、切断手段(10)が装備されている、巻下げ・回収部(6)を有する丸編機。前記切断手段(10)は、シリンダー(3)の速度とは異なる回転速度で、中心回転軸("X")の周りを回転させられ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は丸編機と丸編機で製造された編地を回収する手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は丸編機と丸編機で製造された布地を回収する手段に関するものである。
本発明は布地の編成、とくにロータリーシリンダーと、ロータリーシリンダーによって作られた編地を巻下げ、回収する、巻下げ・回収部を有する丸編機によって作られた編地に関するものである。より詳細には、本出願と同一出願人によるものであるが、すでに発行・開示されている特許IT.309.184に記載されている。それによれば、管状編地巻下げ・回収機構は、一般的には回転できる状態に機械フレームの上に設置されており、対応するシリンダーからの管状編地に対して動作するものである。
【0003】
原則として、可動式巻下げ・回収部は、供給される管状編地を平坦にする機構と、製造中の編地の供給を制御する1つもしくは複数の牽引要素とを有する。
そのほか、編まれた管を自動的切断し、平坦な編地を回収できる、オープンタイプの回収部は、さらに、母線(generatrix)に沿って平坦化された編地を切断する切断要素と、切断された編地を単一レイヤーに広げるオープン機構とを有する。
【0004】
周知のこととして、可動式巻下げ・回収部は、機械のシリンダーと一体となって回転する。言い換えれば、機械シリンダーと巻下げ・回収部は、共通の中心回転軸を、同一角速度で回転する。同時にシンクロして起こる機械シリンダーと巻下げ・回収部との運動は、巻下げ・回収部の引きずりか、もしくは、巻下げ・回収部に、シリンダーから同一回転速度の機械運動が伝達されることによって達成される。
上述される機械は、主として編み糸の不連続や重複(over-plied)等、すなわち、内在の構造的な編地のねじりに影響を受ける、一般的には"ターン(turn)"として知られる現象のような、いくつかの欠点を有している。この習性は、先述の編み糸の構造に起因する内部ストレスによるもので、構造的な抵抗を増すねじれを有する。そしてこの習性は、編機によって製造された管状の編地の構造に、重大な範囲で影響を与える。その結果管状編地は、もし巻下げ・回収部によって直接切断された場合、“ねじれ(twisting)”を有するか、または、変形した平坦形状に変形・層化(plied)させられる。
【0005】
管状の編地は、製造、切断、回収される際に、力をかけられるため変形しがちである。編地が変形後に、さらに切断されることにより、編地のかなりの量を、後に無駄遣いすることなる。また、前記変形された編地によって得られた製品は、品質が粗悪である。
【0006】
これらの問題を克服するために、編み糸を調整することによって癖がつく(self-plying)構造を回避する、製造上の考案が適用されている。
【0007】
これらの考案は、たとえば、調整されたねじれ編み糸(しかし糸はかなり高価であるが)を使用する方法であったり、対立するねじれ編み糸(しかしそれは"マイルレイ(milleray)"として知られる望ましくない影響を有する)を使用する方法であったり、管状編地を回収し、編地の自然なねじれが起きた後に手動で切断する等の方法である。そのようにして得られた平坦な編地は、たとえ変形線に従ったとしても、"ねじられて(teistedly)"切断される。従って、編地はすでにねじられており、その構造的な安定状態に達しているので、平坦な編地のその後の変形を防ぐことができる。
【0008】
"ねじられた切断(twisted cutting)"による前記編地の使用により、たとえば、捺染、高温での洗浄、柔軟化のための圧延等、様々な処理を施した後にも、編地の状態が保たれた、布地製品を得ることが可能である。
【0009】
ねじられた切断は、最終製品上にいかなる美的観点上の問題も発生させない。薄化(thinnesses)が与えられるために、最終製品は多くの処理の後に均質化され、縦糸や"うね(wales)"は、もはや水平方向の編み目の並びと区別することができない。編地が縦糸に対してねじられた切断をされたという事実は、それゆえに、美的観点とは関連性がない。
【0010】
変形後に、前記変形を考慮して、管状編地の切断が実行されることにより、洗浄やアイロンがけのような、販売前後に行われる取り扱い中において、安定で変形することのない最終製品を得ることが可能となる。図9はねじられた編み糸で製造された編みチューブ4を示しており、平凡な編み糸で製造された通常のチューブにおいて変形が発生する前の状態であり、縦の編み糸やうね4aに従った切断線に沿って、かつ、中心軸("X")と平行に切断される状態を示している。このようにして得られた平坦な編地を図10に示す。この編地は、縦の編み糸やうね4aと平行に切断されたものであるが、しかしながら、図に示すように後に曲がる傾向があり(明確さのために誇張して示してある)、前記編地4を用いて製造された編み製品の変形を起こす。
【0011】
図9aは、同様に編まれたチューブ4が、外的な引っ張りのない状態でつるされ、変形が起こったあとの状態を示している。また、変形後の縦糸やうね4aの方位線と、”ねじられた編み”の中の調整された切断線5との間の角度αが表示されている。前記切断線5は、うね4aに対して”ねじれられて”おり、10aに示すような編地を得ることができる。10aに示す編地は、うね4aに対してねじられながら切断されており、しかし、すでに変形させられているため、もはや変形することがなく、それゆえに寸法は安定している。
【0012】
しかしながら、先述の経験による手動方式の編地の製造は、かなり高価であり、オペレーターの能力に依存するため、信頼性が低く、再現性に乏しい。
【0013】
それゆえに、異なる品質の製造物が、多くのスクラップと相応な経済的損失とを伴って、度々発生する。
【0014】
さらに、先述の解決策はオープンタイプの編機には適用できない。なぜならオープンタイプの編機において管状編地は、回収した編地のしわ防止のため、変形の前に、巻下げ・回収部によって直接切断され、一層の平面編地として回収されるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このような状況において、本発明の基礎にある技術的課題は、先述のような課題を解決できる、丸編機と編地の製造方法を提供することである。前記技術背景をふまえて、本発明の重要な目的は、その編機の切断、巻下げ・回収部、機械シリンダーで製造された管状編地の操作によって、内部のストレスによる後の編地の変形を考慮した、自動的な編地の切断を可能にするような、オープンタイプの丸編機を考え出すことである。この発明の他の技術的課題は、前記編機のコントロールシステムにより、幾何学的に検出され、数学的にコントロールされた方法で、機械で製造された管状編地を自動的に切断することを可能にする、編機および編地の製造方法を提供することである。それによって、寸法が安定で、後の変形を被らない平面編地を得ることができる。上記の技術的課題と目的は、基本的に、本出願にクレームされている、ひとつ若しくは複数の技術的解決策を有する、丸編機または編地製造方法によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
下記に、いくつかの好ましい、しかし排他的でない、本発明に係る編機の実施形態を、図を参照しながら説明する。しかし、実施形態は発明を限定するものではない。
図1は、本発明に係る、前記編機のシリンダーによって製造された、管状編地の押し広げ・回収装置を有する編機の斜視図、
図1aは、前図の編機の固定フレームを示した図、
図2は、製造された編地が概略的に描かれ、本発明の第1実施形態について示した、部分的に断面を示している装置の正面図、
図3は、本発明の第2実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図、
図4は、本発明の第3実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図、
図5は、編機の巻下げ・回収部の斜視図、
図6は、図5の巻下げ・回収部の切断手段の拡大斜視図、
図7は、本発明の第4実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図、
図8は、図7と直交する方向から、図7の編機における編地の成長を示した概略図、
図9は、回転軸にも、編地の”リブ”の軸にも平行である、従来の切断線を示した、変形のない管状編地の概略図、
図9aは、図1の編機に関して、内部張力で変形した編地を表示し、その上に変形した編地の”リブ”の軸と、正確な切断線とを表示した図、
図10は、編地のリブに対して並行である従来式で切断され、構造的変形を受けている編地の概略図、
図10aは、本発明に関する、適切な傾きにより切断され、構造的な変形を伴わない編地の概略図、
図11は、構造変形に対応した螺旋状の切断線を表示している編地管の図である。
第1実施形態
【0017】
図を参照するにあたって、1は常に本発明に係る丸編機を表している。
【0018】
図1ないし図4にみられるように、丸編機1(完全な全体図は図示していない)は可動シリンダー2と、固定支持フレーム2(図1a)からなる。固定支持フレーム2は、ベース2aを有する下部固定フレームと、三つの側面の支持足2bと、上部支持リング2cとを有する。可動シリンダー2は、上部リング2cの上に設置され、そのシリンダーの上で、管状の編地(図2においてハッチングで示されている4の部分)が漸次製造される。編機1はさらに、巻下げ・回収部6を有する。巻下げ・回収部6は、シリンダー3で製造された管状の編地を押し広げ・回収することができるように、シリンダー3と機能的に関連して、支持フレーム2に係合される。稼働シリンダー3は、中心回転軸("X")の周りを、そのとき製造されている管状編地に適合する、既定の回転速度で回転するように、作動させられ得る。図1ないし図5に示すように、巻下げ・回収部6は、中心回転軸("X")の周りを回転する支持フレーム7を有する。好ましくは、前記フレームの上部には、シリンダー3からの管状の編地を平坦化するための平坦化手段8が備え付けられている。平坦化手段8は、拡張フレームと(既知であり図示しない)、ペアローラー9を有する。拡張フレームは、管状編地を略直径方向に平坦化することにより、管状編地の円柱形状を徐々に変える。2つの互いに平行なローラー9は、お互いに適切に配置され、下方に送る編地を制御している。
【0019】
平行なローラー9の下方には、詳細は後述するが供給される編地をあらかじめ設定された切断軌道に沿って漸次切断する切断手段10と、切断した織り地を一層に広げる展開・押し広げ手段11とが、稼働できるように配置されている。
【0020】
さらに、図1から図5に示すように、展開・押し広げ手段11は、編地および切断によって得られた側面エッジに対する2つの分岐ローラー12と、広げられた編地に対する返却ローラー13を有する。それぞれの分岐ローラーは、好ましくは、可動中に編地を押し広げるのを補助する、独立モーター12aを装備する。図にみられるように、分岐ローラーは、好ましくは、下方に分岐している線に従って傾けられ、それによって、シリンダーの円周上にある編地に及ぼされるトラクションを、より均一に分配することができる。
【0021】
巻下げ・回収部6の構成部品を通りぬけて編地を供給する、牽引ローラー14は、返却ローラー13と略同一接地面上に、巻下げ・回収部の支持フレーム7の中央位置に係合される。一層に広げられた編地の回収部15は、牽引ローラ14の下流に配置される。回収部15には、回収した編地を積み重ねる、パース(perse)と呼ばれている装置を、代わりに配置することもできる。
【0022】
さらに、編機1は、好ましくは制御手段16(図2ないし図4)を有する。制御手段16は、巻下げ・回収部6と機能的に関連して設けられており、巻下げ・回収部6の回転速度を、可動シリンダー3の回転速度を下回る最小値から、可動シリンダー3の回転速度を上回る最大値まで、変えることができる。好ましくは、前記制御手段16は、少なくとも1つの電気制御装置17(図1)と機能的に関連して設けられる。電気制御装置17は、たとえばサポートフレーム2の中にある収納区画の中に配置されており、切断手段10および/または、巻下げ・回収部6の回転速度を、シリンダー3によって生産される管状の編地のねじれ率に依存して調整するように設計されている。一方で、電気制御装置17は、制御手段16をとおして、切断手段10および/または、巻下げ・回収部6の回転速度を管理しており、後者が、編機1のシリンダー3より早く、もしくは遅く回転し、編地の切断軌道を定めるという発明の目的を満足している。好ましくは、電気制御装置17は、従来からある、編機の総合電気制御システムに一体化され、従来からある編機制御手段によって制御される。さらに好ましくは、電気制御装置17は、分岐ローラー12の独立モータ12aに作用する。それにより、巻下げ・回収部とシリンダー3の相対的な回転に依存して、編地切断角度と釣り合った最適な編地引き下げ制御を行う。
編機は、さらに、たとえば光学的手段等による自動検出手段(図示しない)を有することができる。前記検出手段は、自動的に編地の変形によるらせんの傾きを検出するもので、電気制御装置17に機能的に接続されている。
【0023】
前記手段は、例えば、製造の開始時や、牽引なしに管状編地の一部を製造する場合や、編地を自由に変形させたり、変形を検出する時に起動させることができる。
【0024】
しかし検出された値は、編機のセッティングの正しさをチェックするために、手動入力値または編み糸はや残りの製造パラメータに依存して予測される値と比較される。
【0025】
たとえば、シリンダー3に対する、巻下げ・回収部6の相対的な回転は、下記の方程式従う。
P=π×2r×tan(90-α)
P=π×D×tan(90-α)
各変数の内容は、図10a及び図11に示している。Pは管状編地のねじれ率を表す。ねじれ率とは、シリンダー3が、すくなくとも切断手段10に対し、そして後者が巻下げ・回収部6と一体となっている場合は、前記巻下げ・回収部6に対しても、一回転分オフセットするために要求される管状編地のミリメータのオーダーの数値である。Dとrはそれぞれ管状編地の直径と半径である。αはらせん勾配角度に相当し、機械の稼働前に電気制御装置17にセットされるか、検出手段によって自動的に検出される。
【0026】
もし、機械1が例えば30番の丸編機で、らせん傾斜が5°であれば、上記方程式により算出されるねじれ率は下記のようになる。
P = π×762 mm×11.43
P = 27,348 mm = 27.378m
この場合、巻下げ・回収部は、生産される管状編地が27,348mm になる毎に1
回転分、シリンダー3に対して遅れる。
【0027】
製造プロセスの多くのパラメータに依存し、引っ張りローラーの回転速度から得ることができる、1回転毎に製造される管状編地を考慮する。1回転毎に製造される管状編地を、たとえば以下のような値とする。なお、その値は制御装置17によって直接検出し得るか、もしくは手動でセットされる。
Prg=60mm/回転
ねじれ率を、製造される管状編地(Prg)で割ると、シリンダー3と巻下げ・回収部6とが、360°(1回転)オフセットするために必要な回転数が得られる。
27348mm ÷ 60mm /回転 = 455.8回転
さらに、シリンダー3と巻下げ・回収部6との間の360°のオフセットを、巻下げ・回収部が360°オフセットさせられるのに必要な回転数で割ると、巻下げ・回収部6とシリンダー3との間の一回転あたりのオフセット角度になる。
360°÷455.8回転 = 0.789°シリンダー1回転毎
このパラメータによれば、引っ張りローラーの速度は、シリンダーの速度より低速で釣り合っており、巻下げ・回収部6は、シリンダーの1回転につき0.789°シリンダー3に対して遅れる。
【0028】
反対に、編機1が30番の丸編機で、らせん傾斜が−5°なら、上記の方程式によるねじれ率は以下のようになる。
P = π×762 mm×(−11.43)=−27,348mm
この場合、巻下げ・回収部6は回転中、生産される管状編地が27,348mmになる毎に1回転分、シリンダー3に対して先行する。
【0029】
図2に示した本発明の第1具体例によれば、制御手段16は少なくとも1つの電気モーター18、好ましくはブッシュレスモーターもしくはその他の手頃なタイプのモーターと、電気モーター18と巻下げ・回収部6の間に関連動作するように置かれ、巻下げ・回収部6を規定の回転速度で回転させる駆動手段19とを有する。
【0030】
図2に示されているように、電気モーター18は、巻下げ・回収部6の支持フレーム7の側辺7aに一体的に係合されている。それによって、電気モーターは、巻下げ・回収部6と一緒に中央の回転軸("X")の周りを回転する。さらに、電気モーター18の下方に備え付けられた駆動シャフト18aによって接続されている駆動手段19は、主に、巻下げ・回収部6の下方に伸びている。より詳細には、駆動手段19は、電気モーター18の駆動シャフト18aに嵌合されている第1駆動プーリー20を有する。第1駆動プーリー20は、駆動シャフト18aと一体となって、シリンダー3と巻下げ・回収部6の中央回転軸("X")と略平行な、第1回転軸("Y")の周りを回転する。駆動手段19は、第1駆動プーリー20と略同一面上に、第2駆動プーリー21をさらに有する。第2駆動プーリー21は第1駆動プーリー20に対して機能的に共同するように設置されており、中央回転軸("X")上の固定支持フレーム2に静的に一体化して取り付けられている。さらに、駆動ベルト22が、第1駆動プーリー20と第2駆動プーリー21の間に、機能的に関連して設置されている。前記駆動ベルト22は、部分的に、第1駆動プーリー21と第2駆動プーリー22を包んでおり、第1駆動プーリー20の第1回転軸("Y")を中心とする回転の結果として、巻下げ・回収部6の回転を引き起こす。
第2実施形態
【0031】
図3に示す、本願発明の第2実施形態によれば、モーター18は駆動手段19と共に、巻下げ・回収部6の回転を作動させる、制御手段16を構成する。そして、モーター18は、固定支持フレーム2に一体的に係合されている。言い換えれば、このような状況のなかで、巻下げ・回収部6は、静止しているモーター18から独立して回転する。
【0032】
図3に示すように、駆動手段19は、巻下げ・回収部6を回転作動させるように設計されている。そして駆動手段19は、モータ18の駆動シャフト18aにかみ合わされた第1駆動プーリー23を有し、駆動プーリー23は、シリンダー3と巻下げ・回収部6の中央回転軸("X")と略平行な第1回転軸("Z")の周りを回転する。駆動手段19は、さらに第2駆動プーリーを有する。第2駆動プーリー24は、第1駆動プーリーと略同一面に置かれており、ベルト手段によって第1駆動プーリーと共同して駆動し、第1駆動プーリー23の回転の結果として回転する。第2駆動プーリー24は、対応する駆動シャフト26にもかみ合わされており、駆動シャフト26と一体となり、第1回転軸("Z")と略平行である、第2回転軸("A")の周りを回転する。
【0033】
さらに図3によれば、本願発明の第2実施形態についての駆動手段19は、さらに、第1駆動ギア23および第2駆動ギア24が設置されている面と、略平行な面に設置されている第3ギア27を有する。第3ギヤ27は駆動シャフト26の終端に、一体化してかみ合わされており、駆動シャフト26および第2ギア24と一緒に、第2回転軸("A")の周りを回転する。駆動手段19は、さらに、第3ギアと同じ平面に設置される第4ギア28を有する。第4ギア28は、第3ギア27に可動するようにかみ合っている。第4ギア28は巻下げ部6に一体的に係合されており、巻下げ部6と一緒に中央回転軸("X")の周りを回転する。さらに詳細には、第4ギア28は、第4ギア28と固定支持フレーム2の間に機能的に関連して設置されている、適切な回転手段28aを通じて、巻下げ・回収部6を全面的に支持する。好ましくは、図2(第1実施形態)と図3(第2実施形態)に示すように、制御手段16は、さらに、固定支持フレーム2にかみ合わされている通常のモーター29と、モーター29と編機1のシリンダー3との間に機能的に関連して設置され、シリンダー3を回転軸("X")を中心として、あらかじめ定められた速度で回転をさせる、既知のタイプの第2駆動手段30を有する。
【0034】
特に、第2駆動手段30は、第1駆動プーリー31および第2駆動プーリー32を有する。第1プーリー31と第2プーリー32は略同一平面上に設置されており、機能的に連携するように駆動ベルト33によって接続されている。第1駆動プーリー31は、モータ29の駆動シャフト29aに嵌め合わされており、シリンダー3や巻下げ・回収部6の中央回転軸("X")と略平行な第1回転軸("B")の周りを自由に回転できる。逆に、第2駆動プーリー32は対応する駆動シャフト34に嵌め合わされており、駆動シャフト34と一緒に第1回転軸("B")と略平行な第2回転軸("C")の周りを回転する。
【0035】
第2駆動手段30は、さらに、第3ギア35および第4ギア36を有する。第3ギア35および第4ギア36は、第1プーリー31および第2プーリー32が設置された面と略平行な同一面上に設置されており、互いに共同しており、シリンダー3の回転を起こさせる。第3ギア35は、駆動シャフト34と一体化しており、駆動シャフト34と第2駆動プーリー32と一緒に、第2回転軸("C")の周りを回転する。第4ギア36は、編機1のシリンダー3と一体的にかみ合わされており、さらに第3ギアとかみ合っているので、所望の回転速度での前記シリンダー3の回転が起こされる。第4駆動プーリー36は、第4ギア36と固定支持フレーム2の間に適切に設置された回転手段36aを通して、少なくとも部分的に編機1のシリンダー3を支持する。
第3実施形態
【0036】
図4に示した、本願発明の第3実施形態によれば、制御手段16は機械1のシリンダー3と、巻下げ・回収部6の動きを、固定支持フレーム2に一体的にかみ合わさせられた一つのモータ18’によって、コントロールおよび管理される。この場合、制御手段16は、第2実施形態における駆動手段19とほぼ同様の巻下げ・回収部6の回転のための第1駆動手段37と、第2実施形態における第2駆動手段30とほぼ同様のシリンダー3の回転のための第2駆動手段38とを有する。このような状況で、第1駆動手段37および第2駆動手段38は、それぞれ、モーター18の互いに反対側にかみ合わされた駆動シャフト18a’の動きを利用する。
【0037】
明確なこととして、この場合、シリンダー3の速度に対して、回収部の回転速度を変化させるために、第1駆動手段37(もしくは選択的に、第2駆動手段38)は変速機41を有しており、それは、手動あるいは、好ましくは電気制御ユニット17により自動的に駆動される。編機1の構成部品の特定に使用される番号は減少しているが、第1駆動手段37を構成する要素は、第2実施形態の駆動手段19の記述に使用された番号と基本的に同一の参照番号を与えられており、また、第2駆動手段38を構成する要素も、第2駆動手段30の記述で用いられたものと基本的に同一の番号が付されている。
【0038】
明白なこととして、シリンダー3や巻下げ・回収部6の回転を発生させるために使用された、様々な駆動手段の例として記述された具体例は、本発明をいかなる意味においても限定するものではなく、巻下げ・回収部6を、編機1のシリンダー3から独立して回転させる既知の駆動手段のすべてを考慮している。
【0039】
図5または図6に示されるように、前述の切断手段10は少なくとも一つの切断要素10aを有する。切断手段10は、前記中央回転軸("X")に対して略平行な第1位置と、前記中央回転軸に対して角度をつけられた第2位置との間を移動することができる。それにより、シリンダー3からの管状編地を、前記管状編地のねじれ率に好ましく適合したピッチを有する略らせん切断軌道に沿って切断する。
【0040】
切断要素10aの位置は、シリンダー3と切断手段10および/または、巻下げ・回収部6との回転速度の違いの釣り合いを取るように選ばれる。それにより、編機によって生産された管状編地のねじれらせんに従うように、希望する切断らせんの傾きを定めることができる。図5および図6に示されるように、切断手段10は、好ましくは、少なくとも1つの電気モーター40を有する。前記モータ40は、好ましくは、切断要素10aを作動させるために、電気制御ユニット17によって制御される。
【0041】
切断要素10aはさらに好ましくは、起動手段39と関連して設けられる。起動手段39は、切断要素10aを第1から第2位置に移動させるものであり、前記要素10aを稼働中に管状編地を切断するために適切な位置に配置させることができる。
【0042】
起動手段39は手動にできる。この場合、可動中に管状編地を切断するために最適な、切断要素10aの位置は、オペレータによって起動手段39が動かされ、起動手段を目盛り39aに対して移動させることで調整される。調整は、編機1の毎回の動作の前もしくは、たとえば、以前に編機1で製造したものとは異なるパラメータを有する管状編地を製造する時など、製造上の必要性があるときに行われる。
【0043】
または、起動手段39は自動的に、すなわち電気制御装置17によって直接的に制御されることも可能である。この場合、切断手段10は、希望する角度にしたがって、自動的にプログラムにより決定される。
【0044】
第1段階の3つの実施形態からの拡張的なバリエーションとして、シリンダー3に一体化しているか、いずれにせよ、シリンダー3とシンクロして回転する、回転フレーム7が装備してあってもよい。回転フレーム7の上に、巻下げ・回収部6が設置される。この場合、回転速度切断手段10とシリンダー3の間に希望する回転速度の違いを得られるように、前記回転フレーム7は移動させられる。
第4実施形態
【0045】
図7および図8に示される本願発明の第4実施形態によれば、巻下げ・回収部6は、シリンダー3と同一の回転速度で中央回転軸("X")の周りを回転させられる。より詳細には、巻下げ・回収部6は、好ましくは、シリンダー3から延長された、少なくとも1つの引きずりフレーム42(図7)を通じて、シリンダー3に一体的に取り付けられている。シリンダー3が中央回転軸("X")の周りを回転させられたとき、同時に引きずりフレーム42も一緒に回転し、それによって巻下げ・回収部6も引きずられ回転する。
【0046】
すでに記載され、開示された実施形態に類似して、シリンダー3の動作は、第2実施形態の第2駆動手段30、もしくは第3実施形態の第2駆動手段38と同一の構成を持つドライブ43によって得られる。また、この場合、明確性の理由により、ドライブ43が有している構成部品は、基本的に他の実施形態と同じ番号を与えられている。
【0047】
本実施形態において、切断手段10は、本出願で既に開示されたものと同一である。しかし、切断手段10は、巻下げ・回収部6の上に並べられており、中心回転軸("X")の周りを、シリンダー3や回収部6のそれとは異なる第3回転速度で回転する略リング形状のガイド44の上を動く。特に、図7に示されるように、切断手段10は、切断素子10aとそのモーター40の両方を支えるように設計された、支持フランジ10bに取り付けられている。支持フランジ10bは、先述のガイド44に、連結手段(図示しない)により可動的に設置されており、ガイド44に沿ってリング状の軌道をすべることができる。切断手段10は、好ましくは電気制御装置17と連携し合う、制御手段47に機能的に関連して取り付けられる。制御手段47は、実行する切断の種類や、様々な移動要素の回転速度等の製造中の管状編地の特徴に従って、自動的に中央回転軸("X")の周りの切断手段10の動きを管理することができる。明らかに、切断手段10の切断要素10aは、回転速度や、希望する切断軌道に対して均衡が保たれるように傾けられることができ、さらに、電気制御ユニット17によって直接起動することができる。
【0048】
第4実施形態では、編地は2つの牽引ローラー46によって引き下げられ、編地の切断片は、図に概略的に示されている下部の籠45によって回収される。
【0049】
図8は編地4の生成を概略的に示している。まず、牽引ローラー46と支持フレーム(既知であり図示しない)によって平坦にされる(すなわち、最初の区間では管状であったものが、つぶされた楕丸状に変えられる)。牽引ローラー46より下流では、編地は、再び支持フレームによって広げられ、略管状になり、編地は自由に垂れ下がり、切断手段によって切断される。
【0050】
指摘すべきこととして、切断軌道は、中央軸("X")に対して傾けられており、好ましくはらせんである。切断軌道は、編み糸のテンションによる管状編地のねじれピッチに依存して決定される。切断軌道は、シリンダーと、巻下げ・回収部(第1実施形態)もしくは、シリンダーと切断手段(第4実施形態)との回転速度の違いにより得られる
【0051】
本発明は重要な効果を奏する。第1に、本発明に係る編機と回収方法により、その後の製造段階において、重大な構造的な変形を被らない、高い品質と仕上がりのレイヤーの編地を得ることができる。
【0052】
後に起こる内部テンションによる編地の自然なねじれらせんを予想しながら切断することで、いわゆる"正確に"切断された編地に発生する、後の変形を防止することができる。
【0053】
結局のところ、本発明による、編機および編地の回収方法は、それほど複雑でなく、ほどほどに安価なものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明に係る、前記編機のシリンダーによって製造された、管状編地の押し広げ・回収装置を有する編機の斜視図である。
【図1a】図1aは、前図の編機の固定フレームを示した図である。
【図2】図2は、製造された編地が概略的に描かれ、本発明の第1実施形態について示した、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図4】図4は、本発明の第3実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図5】図5は、編機の巻下げ・回収部の斜視図である。
【図6】図6は、図5の巻下げ・回収部の切断手段の拡大斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第4実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図8】図8は、図7と直交する方向から、図7の編機における編地の成長を示した概略図である。
【図9】図9は、回転軸にも、編地の”リブ”の軸にも平行である、従来の切断線を示した、変形のない管状編地の概略図である。
【図9a】図9aは、図1の編機に関して、内部張力で変形した編地を表示し、その上に変形した編地の”リブ”の軸と、正確な切断線とを表示した図である。
【図10】編地のリブに対して並行である従来式で切断され、構造的変形を受けている編地の概略図である。
【図10a】本発明に関する、適切な傾きにより切断され、構造的な変形を伴わない編地の概略図である。
【図11】図11は、構造変形に対応した螺旋状の切断線を表示している編地管の図である。
【符号の説明】
【0055】
3…シリンダー
6…巻下げ・回収部
10…切断手段
10a…切断要素
39…起動手段
40…モーター
【技術分野】
【0001】
本発明は丸編機と丸編機で製造された編地を回収する手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は丸編機と丸編機で製造された布地を回収する手段に関するものである。
本発明は布地の編成、とくにロータリーシリンダーと、ロータリーシリンダーによって作られた編地を巻下げ、回収する、巻下げ・回収部を有する丸編機によって作られた編地に関するものである。より詳細には、本出願と同一出願人によるものであるが、すでに発行・開示されている特許IT.309.184に記載されている。それによれば、管状編地巻下げ・回収機構は、一般的には回転できる状態に機械フレームの上に設置されており、対応するシリンダーからの管状編地に対して動作するものである。
【0003】
原則として、可動式巻下げ・回収部は、供給される管状編地を平坦にする機構と、製造中の編地の供給を制御する1つもしくは複数の牽引要素とを有する。
そのほか、編まれた管を自動的切断し、平坦な編地を回収できる、オープンタイプの回収部は、さらに、母線(generatrix)に沿って平坦化された編地を切断する切断要素と、切断された編地を単一レイヤーに広げるオープン機構とを有する。
【0004】
周知のこととして、可動式巻下げ・回収部は、機械のシリンダーと一体となって回転する。言い換えれば、機械シリンダーと巻下げ・回収部は、共通の中心回転軸を、同一角速度で回転する。同時にシンクロして起こる機械シリンダーと巻下げ・回収部との運動は、巻下げ・回収部の引きずりか、もしくは、巻下げ・回収部に、シリンダーから同一回転速度の機械運動が伝達されることによって達成される。
上述される機械は、主として編み糸の不連続や重複(over-plied)等、すなわち、内在の構造的な編地のねじりに影響を受ける、一般的には"ターン(turn)"として知られる現象のような、いくつかの欠点を有している。この習性は、先述の編み糸の構造に起因する内部ストレスによるもので、構造的な抵抗を増すねじれを有する。そしてこの習性は、編機によって製造された管状の編地の構造に、重大な範囲で影響を与える。その結果管状編地は、もし巻下げ・回収部によって直接切断された場合、“ねじれ(twisting)”を有するか、または、変形した平坦形状に変形・層化(plied)させられる。
【0005】
管状の編地は、製造、切断、回収される際に、力をかけられるため変形しがちである。編地が変形後に、さらに切断されることにより、編地のかなりの量を、後に無駄遣いすることなる。また、前記変形された編地によって得られた製品は、品質が粗悪である。
【0006】
これらの問題を克服するために、編み糸を調整することによって癖がつく(self-plying)構造を回避する、製造上の考案が適用されている。
【0007】
これらの考案は、たとえば、調整されたねじれ編み糸(しかし糸はかなり高価であるが)を使用する方法であったり、対立するねじれ編み糸(しかしそれは"マイルレイ(milleray)"として知られる望ましくない影響を有する)を使用する方法であったり、管状編地を回収し、編地の自然なねじれが起きた後に手動で切断する等の方法である。そのようにして得られた平坦な編地は、たとえ変形線に従ったとしても、"ねじられて(teistedly)"切断される。従って、編地はすでにねじられており、その構造的な安定状態に達しているので、平坦な編地のその後の変形を防ぐことができる。
【0008】
"ねじられた切断(twisted cutting)"による前記編地の使用により、たとえば、捺染、高温での洗浄、柔軟化のための圧延等、様々な処理を施した後にも、編地の状態が保たれた、布地製品を得ることが可能である。
【0009】
ねじられた切断は、最終製品上にいかなる美的観点上の問題も発生させない。薄化(thinnesses)が与えられるために、最終製品は多くの処理の後に均質化され、縦糸や"うね(wales)"は、もはや水平方向の編み目の並びと区別することができない。編地が縦糸に対してねじられた切断をされたという事実は、それゆえに、美的観点とは関連性がない。
【0010】
変形後に、前記変形を考慮して、管状編地の切断が実行されることにより、洗浄やアイロンがけのような、販売前後に行われる取り扱い中において、安定で変形することのない最終製品を得ることが可能となる。図9はねじられた編み糸で製造された編みチューブ4を示しており、平凡な編み糸で製造された通常のチューブにおいて変形が発生する前の状態であり、縦の編み糸やうね4aに従った切断線に沿って、かつ、中心軸("X")と平行に切断される状態を示している。このようにして得られた平坦な編地を図10に示す。この編地は、縦の編み糸やうね4aと平行に切断されたものであるが、しかしながら、図に示すように後に曲がる傾向があり(明確さのために誇張して示してある)、前記編地4を用いて製造された編み製品の変形を起こす。
【0011】
図9aは、同様に編まれたチューブ4が、外的な引っ張りのない状態でつるされ、変形が起こったあとの状態を示している。また、変形後の縦糸やうね4aの方位線と、”ねじられた編み”の中の調整された切断線5との間の角度αが表示されている。前記切断線5は、うね4aに対して”ねじれられて”おり、10aに示すような編地を得ることができる。10aに示す編地は、うね4aに対してねじられながら切断されており、しかし、すでに変形させられているため、もはや変形することがなく、それゆえに寸法は安定している。
【0012】
しかしながら、先述の経験による手動方式の編地の製造は、かなり高価であり、オペレーターの能力に依存するため、信頼性が低く、再現性に乏しい。
【0013】
それゆえに、異なる品質の製造物が、多くのスクラップと相応な経済的損失とを伴って、度々発生する。
【0014】
さらに、先述の解決策はオープンタイプの編機には適用できない。なぜならオープンタイプの編機において管状編地は、回収した編地のしわ防止のため、変形の前に、巻下げ・回収部によって直接切断され、一層の平面編地として回収されるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このような状況において、本発明の基礎にある技術的課題は、先述のような課題を解決できる、丸編機と編地の製造方法を提供することである。前記技術背景をふまえて、本発明の重要な目的は、その編機の切断、巻下げ・回収部、機械シリンダーで製造された管状編地の操作によって、内部のストレスによる後の編地の変形を考慮した、自動的な編地の切断を可能にするような、オープンタイプの丸編機を考え出すことである。この発明の他の技術的課題は、前記編機のコントロールシステムにより、幾何学的に検出され、数学的にコントロールされた方法で、機械で製造された管状編地を自動的に切断することを可能にする、編機および編地の製造方法を提供することである。それによって、寸法が安定で、後の変形を被らない平面編地を得ることができる。上記の技術的課題と目的は、基本的に、本出願にクレームされている、ひとつ若しくは複数の技術的解決策を有する、丸編機または編地製造方法によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
下記に、いくつかの好ましい、しかし排他的でない、本発明に係る編機の実施形態を、図を参照しながら説明する。しかし、実施形態は発明を限定するものではない。
図1は、本発明に係る、前記編機のシリンダーによって製造された、管状編地の押し広げ・回収装置を有する編機の斜視図、
図1aは、前図の編機の固定フレームを示した図、
図2は、製造された編地が概略的に描かれ、本発明の第1実施形態について示した、部分的に断面を示している装置の正面図、
図3は、本発明の第2実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図、
図4は、本発明の第3実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図、
図5は、編機の巻下げ・回収部の斜視図、
図6は、図5の巻下げ・回収部の切断手段の拡大斜視図、
図7は、本発明の第4実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図、
図8は、図7と直交する方向から、図7の編機における編地の成長を示した概略図、
図9は、回転軸にも、編地の”リブ”の軸にも平行である、従来の切断線を示した、変形のない管状編地の概略図、
図9aは、図1の編機に関して、内部張力で変形した編地を表示し、その上に変形した編地の”リブ”の軸と、正確な切断線とを表示した図、
図10は、編地のリブに対して並行である従来式で切断され、構造的変形を受けている編地の概略図、
図10aは、本発明に関する、適切な傾きにより切断され、構造的な変形を伴わない編地の概略図、
図11は、構造変形に対応した螺旋状の切断線を表示している編地管の図である。
第1実施形態
【0017】
図を参照するにあたって、1は常に本発明に係る丸編機を表している。
【0018】
図1ないし図4にみられるように、丸編機1(完全な全体図は図示していない)は可動シリンダー2と、固定支持フレーム2(図1a)からなる。固定支持フレーム2は、ベース2aを有する下部固定フレームと、三つの側面の支持足2bと、上部支持リング2cとを有する。可動シリンダー2は、上部リング2cの上に設置され、そのシリンダーの上で、管状の編地(図2においてハッチングで示されている4の部分)が漸次製造される。編機1はさらに、巻下げ・回収部6を有する。巻下げ・回収部6は、シリンダー3で製造された管状の編地を押し広げ・回収することができるように、シリンダー3と機能的に関連して、支持フレーム2に係合される。稼働シリンダー3は、中心回転軸("X")の周りを、そのとき製造されている管状編地に適合する、既定の回転速度で回転するように、作動させられ得る。図1ないし図5に示すように、巻下げ・回収部6は、中心回転軸("X")の周りを回転する支持フレーム7を有する。好ましくは、前記フレームの上部には、シリンダー3からの管状の編地を平坦化するための平坦化手段8が備え付けられている。平坦化手段8は、拡張フレームと(既知であり図示しない)、ペアローラー9を有する。拡張フレームは、管状編地を略直径方向に平坦化することにより、管状編地の円柱形状を徐々に変える。2つの互いに平行なローラー9は、お互いに適切に配置され、下方に送る編地を制御している。
【0019】
平行なローラー9の下方には、詳細は後述するが供給される編地をあらかじめ設定された切断軌道に沿って漸次切断する切断手段10と、切断した織り地を一層に広げる展開・押し広げ手段11とが、稼働できるように配置されている。
【0020】
さらに、図1から図5に示すように、展開・押し広げ手段11は、編地および切断によって得られた側面エッジに対する2つの分岐ローラー12と、広げられた編地に対する返却ローラー13を有する。それぞれの分岐ローラーは、好ましくは、可動中に編地を押し広げるのを補助する、独立モーター12aを装備する。図にみられるように、分岐ローラーは、好ましくは、下方に分岐している線に従って傾けられ、それによって、シリンダーの円周上にある編地に及ぼされるトラクションを、より均一に分配することができる。
【0021】
巻下げ・回収部6の構成部品を通りぬけて編地を供給する、牽引ローラー14は、返却ローラー13と略同一接地面上に、巻下げ・回収部の支持フレーム7の中央位置に係合される。一層に広げられた編地の回収部15は、牽引ローラ14の下流に配置される。回収部15には、回収した編地を積み重ねる、パース(perse)と呼ばれている装置を、代わりに配置することもできる。
【0022】
さらに、編機1は、好ましくは制御手段16(図2ないし図4)を有する。制御手段16は、巻下げ・回収部6と機能的に関連して設けられており、巻下げ・回収部6の回転速度を、可動シリンダー3の回転速度を下回る最小値から、可動シリンダー3の回転速度を上回る最大値まで、変えることができる。好ましくは、前記制御手段16は、少なくとも1つの電気制御装置17(図1)と機能的に関連して設けられる。電気制御装置17は、たとえばサポートフレーム2の中にある収納区画の中に配置されており、切断手段10および/または、巻下げ・回収部6の回転速度を、シリンダー3によって生産される管状の編地のねじれ率に依存して調整するように設計されている。一方で、電気制御装置17は、制御手段16をとおして、切断手段10および/または、巻下げ・回収部6の回転速度を管理しており、後者が、編機1のシリンダー3より早く、もしくは遅く回転し、編地の切断軌道を定めるという発明の目的を満足している。好ましくは、電気制御装置17は、従来からある、編機の総合電気制御システムに一体化され、従来からある編機制御手段によって制御される。さらに好ましくは、電気制御装置17は、分岐ローラー12の独立モータ12aに作用する。それにより、巻下げ・回収部とシリンダー3の相対的な回転に依存して、編地切断角度と釣り合った最適な編地引き下げ制御を行う。
編機は、さらに、たとえば光学的手段等による自動検出手段(図示しない)を有することができる。前記検出手段は、自動的に編地の変形によるらせんの傾きを検出するもので、電気制御装置17に機能的に接続されている。
【0023】
前記手段は、例えば、製造の開始時や、牽引なしに管状編地の一部を製造する場合や、編地を自由に変形させたり、変形を検出する時に起動させることができる。
【0024】
しかし検出された値は、編機のセッティングの正しさをチェックするために、手動入力値または編み糸はや残りの製造パラメータに依存して予測される値と比較される。
【0025】
たとえば、シリンダー3に対する、巻下げ・回収部6の相対的な回転は、下記の方程式従う。
P=π×2r×tan(90-α)
P=π×D×tan(90-α)
各変数の内容は、図10a及び図11に示している。Pは管状編地のねじれ率を表す。ねじれ率とは、シリンダー3が、すくなくとも切断手段10に対し、そして後者が巻下げ・回収部6と一体となっている場合は、前記巻下げ・回収部6に対しても、一回転分オフセットするために要求される管状編地のミリメータのオーダーの数値である。Dとrはそれぞれ管状編地の直径と半径である。αはらせん勾配角度に相当し、機械の稼働前に電気制御装置17にセットされるか、検出手段によって自動的に検出される。
【0026】
もし、機械1が例えば30番の丸編機で、らせん傾斜が5°であれば、上記方程式により算出されるねじれ率は下記のようになる。
P = π×762 mm×11.43
P = 27,348 mm = 27.378m
この場合、巻下げ・回収部は、生産される管状編地が27,348mm になる毎に1
回転分、シリンダー3に対して遅れる。
【0027】
製造プロセスの多くのパラメータに依存し、引っ張りローラーの回転速度から得ることができる、1回転毎に製造される管状編地を考慮する。1回転毎に製造される管状編地を、たとえば以下のような値とする。なお、その値は制御装置17によって直接検出し得るか、もしくは手動でセットされる。
Prg=60mm/回転
ねじれ率を、製造される管状編地(Prg)で割ると、シリンダー3と巻下げ・回収部6とが、360°(1回転)オフセットするために必要な回転数が得られる。
27348mm ÷ 60mm /回転 = 455.8回転
さらに、シリンダー3と巻下げ・回収部6との間の360°のオフセットを、巻下げ・回収部が360°オフセットさせられるのに必要な回転数で割ると、巻下げ・回収部6とシリンダー3との間の一回転あたりのオフセット角度になる。
360°÷455.8回転 = 0.789°シリンダー1回転毎
このパラメータによれば、引っ張りローラーの速度は、シリンダーの速度より低速で釣り合っており、巻下げ・回収部6は、シリンダーの1回転につき0.789°シリンダー3に対して遅れる。
【0028】
反対に、編機1が30番の丸編機で、らせん傾斜が−5°なら、上記の方程式によるねじれ率は以下のようになる。
P = π×762 mm×(−11.43)=−27,348mm
この場合、巻下げ・回収部6は回転中、生産される管状編地が27,348mmになる毎に1回転分、シリンダー3に対して先行する。
【0029】
図2に示した本発明の第1具体例によれば、制御手段16は少なくとも1つの電気モーター18、好ましくはブッシュレスモーターもしくはその他の手頃なタイプのモーターと、電気モーター18と巻下げ・回収部6の間に関連動作するように置かれ、巻下げ・回収部6を規定の回転速度で回転させる駆動手段19とを有する。
【0030】
図2に示されているように、電気モーター18は、巻下げ・回収部6の支持フレーム7の側辺7aに一体的に係合されている。それによって、電気モーターは、巻下げ・回収部6と一緒に中央の回転軸("X")の周りを回転する。さらに、電気モーター18の下方に備え付けられた駆動シャフト18aによって接続されている駆動手段19は、主に、巻下げ・回収部6の下方に伸びている。より詳細には、駆動手段19は、電気モーター18の駆動シャフト18aに嵌合されている第1駆動プーリー20を有する。第1駆動プーリー20は、駆動シャフト18aと一体となって、シリンダー3と巻下げ・回収部6の中央回転軸("X")と略平行な、第1回転軸("Y")の周りを回転する。駆動手段19は、第1駆動プーリー20と略同一面上に、第2駆動プーリー21をさらに有する。第2駆動プーリー21は第1駆動プーリー20に対して機能的に共同するように設置されており、中央回転軸("X")上の固定支持フレーム2に静的に一体化して取り付けられている。さらに、駆動ベルト22が、第1駆動プーリー20と第2駆動プーリー21の間に、機能的に関連して設置されている。前記駆動ベルト22は、部分的に、第1駆動プーリー21と第2駆動プーリー22を包んでおり、第1駆動プーリー20の第1回転軸("Y")を中心とする回転の結果として、巻下げ・回収部6の回転を引き起こす。
第2実施形態
【0031】
図3に示す、本願発明の第2実施形態によれば、モーター18は駆動手段19と共に、巻下げ・回収部6の回転を作動させる、制御手段16を構成する。そして、モーター18は、固定支持フレーム2に一体的に係合されている。言い換えれば、このような状況のなかで、巻下げ・回収部6は、静止しているモーター18から独立して回転する。
【0032】
図3に示すように、駆動手段19は、巻下げ・回収部6を回転作動させるように設計されている。そして駆動手段19は、モータ18の駆動シャフト18aにかみ合わされた第1駆動プーリー23を有し、駆動プーリー23は、シリンダー3と巻下げ・回収部6の中央回転軸("X")と略平行な第1回転軸("Z")の周りを回転する。駆動手段19は、さらに第2駆動プーリーを有する。第2駆動プーリー24は、第1駆動プーリーと略同一面に置かれており、ベルト手段によって第1駆動プーリーと共同して駆動し、第1駆動プーリー23の回転の結果として回転する。第2駆動プーリー24は、対応する駆動シャフト26にもかみ合わされており、駆動シャフト26と一体となり、第1回転軸("Z")と略平行である、第2回転軸("A")の周りを回転する。
【0033】
さらに図3によれば、本願発明の第2実施形態についての駆動手段19は、さらに、第1駆動ギア23および第2駆動ギア24が設置されている面と、略平行な面に設置されている第3ギア27を有する。第3ギヤ27は駆動シャフト26の終端に、一体化してかみ合わされており、駆動シャフト26および第2ギア24と一緒に、第2回転軸("A")の周りを回転する。駆動手段19は、さらに、第3ギアと同じ平面に設置される第4ギア28を有する。第4ギア28は、第3ギア27に可動するようにかみ合っている。第4ギア28は巻下げ部6に一体的に係合されており、巻下げ部6と一緒に中央回転軸("X")の周りを回転する。さらに詳細には、第4ギア28は、第4ギア28と固定支持フレーム2の間に機能的に関連して設置されている、適切な回転手段28aを通じて、巻下げ・回収部6を全面的に支持する。好ましくは、図2(第1実施形態)と図3(第2実施形態)に示すように、制御手段16は、さらに、固定支持フレーム2にかみ合わされている通常のモーター29と、モーター29と編機1のシリンダー3との間に機能的に関連して設置され、シリンダー3を回転軸("X")を中心として、あらかじめ定められた速度で回転をさせる、既知のタイプの第2駆動手段30を有する。
【0034】
特に、第2駆動手段30は、第1駆動プーリー31および第2駆動プーリー32を有する。第1プーリー31と第2プーリー32は略同一平面上に設置されており、機能的に連携するように駆動ベルト33によって接続されている。第1駆動プーリー31は、モータ29の駆動シャフト29aに嵌め合わされており、シリンダー3や巻下げ・回収部6の中央回転軸("X")と略平行な第1回転軸("B")の周りを自由に回転できる。逆に、第2駆動プーリー32は対応する駆動シャフト34に嵌め合わされており、駆動シャフト34と一緒に第1回転軸("B")と略平行な第2回転軸("C")の周りを回転する。
【0035】
第2駆動手段30は、さらに、第3ギア35および第4ギア36を有する。第3ギア35および第4ギア36は、第1プーリー31および第2プーリー32が設置された面と略平行な同一面上に設置されており、互いに共同しており、シリンダー3の回転を起こさせる。第3ギア35は、駆動シャフト34と一体化しており、駆動シャフト34と第2駆動プーリー32と一緒に、第2回転軸("C")の周りを回転する。第4ギア36は、編機1のシリンダー3と一体的にかみ合わされており、さらに第3ギアとかみ合っているので、所望の回転速度での前記シリンダー3の回転が起こされる。第4駆動プーリー36は、第4ギア36と固定支持フレーム2の間に適切に設置された回転手段36aを通して、少なくとも部分的に編機1のシリンダー3を支持する。
第3実施形態
【0036】
図4に示した、本願発明の第3実施形態によれば、制御手段16は機械1のシリンダー3と、巻下げ・回収部6の動きを、固定支持フレーム2に一体的にかみ合わさせられた一つのモータ18’によって、コントロールおよび管理される。この場合、制御手段16は、第2実施形態における駆動手段19とほぼ同様の巻下げ・回収部6の回転のための第1駆動手段37と、第2実施形態における第2駆動手段30とほぼ同様のシリンダー3の回転のための第2駆動手段38とを有する。このような状況で、第1駆動手段37および第2駆動手段38は、それぞれ、モーター18の互いに反対側にかみ合わされた駆動シャフト18a’の動きを利用する。
【0037】
明確なこととして、この場合、シリンダー3の速度に対して、回収部の回転速度を変化させるために、第1駆動手段37(もしくは選択的に、第2駆動手段38)は変速機41を有しており、それは、手動あるいは、好ましくは電気制御ユニット17により自動的に駆動される。編機1の構成部品の特定に使用される番号は減少しているが、第1駆動手段37を構成する要素は、第2実施形態の駆動手段19の記述に使用された番号と基本的に同一の参照番号を与えられており、また、第2駆動手段38を構成する要素も、第2駆動手段30の記述で用いられたものと基本的に同一の番号が付されている。
【0038】
明白なこととして、シリンダー3や巻下げ・回収部6の回転を発生させるために使用された、様々な駆動手段の例として記述された具体例は、本発明をいかなる意味においても限定するものではなく、巻下げ・回収部6を、編機1のシリンダー3から独立して回転させる既知の駆動手段のすべてを考慮している。
【0039】
図5または図6に示されるように、前述の切断手段10は少なくとも一つの切断要素10aを有する。切断手段10は、前記中央回転軸("X")に対して略平行な第1位置と、前記中央回転軸に対して角度をつけられた第2位置との間を移動することができる。それにより、シリンダー3からの管状編地を、前記管状編地のねじれ率に好ましく適合したピッチを有する略らせん切断軌道に沿って切断する。
【0040】
切断要素10aの位置は、シリンダー3と切断手段10および/または、巻下げ・回収部6との回転速度の違いの釣り合いを取るように選ばれる。それにより、編機によって生産された管状編地のねじれらせんに従うように、希望する切断らせんの傾きを定めることができる。図5および図6に示されるように、切断手段10は、好ましくは、少なくとも1つの電気モーター40を有する。前記モータ40は、好ましくは、切断要素10aを作動させるために、電気制御ユニット17によって制御される。
【0041】
切断要素10aはさらに好ましくは、起動手段39と関連して設けられる。起動手段39は、切断要素10aを第1から第2位置に移動させるものであり、前記要素10aを稼働中に管状編地を切断するために適切な位置に配置させることができる。
【0042】
起動手段39は手動にできる。この場合、可動中に管状編地を切断するために最適な、切断要素10aの位置は、オペレータによって起動手段39が動かされ、起動手段を目盛り39aに対して移動させることで調整される。調整は、編機1の毎回の動作の前もしくは、たとえば、以前に編機1で製造したものとは異なるパラメータを有する管状編地を製造する時など、製造上の必要性があるときに行われる。
【0043】
または、起動手段39は自動的に、すなわち電気制御装置17によって直接的に制御されることも可能である。この場合、切断手段10は、希望する角度にしたがって、自動的にプログラムにより決定される。
【0044】
第1段階の3つの実施形態からの拡張的なバリエーションとして、シリンダー3に一体化しているか、いずれにせよ、シリンダー3とシンクロして回転する、回転フレーム7が装備してあってもよい。回転フレーム7の上に、巻下げ・回収部6が設置される。この場合、回転速度切断手段10とシリンダー3の間に希望する回転速度の違いを得られるように、前記回転フレーム7は移動させられる。
第4実施形態
【0045】
図7および図8に示される本願発明の第4実施形態によれば、巻下げ・回収部6は、シリンダー3と同一の回転速度で中央回転軸("X")の周りを回転させられる。より詳細には、巻下げ・回収部6は、好ましくは、シリンダー3から延長された、少なくとも1つの引きずりフレーム42(図7)を通じて、シリンダー3に一体的に取り付けられている。シリンダー3が中央回転軸("X")の周りを回転させられたとき、同時に引きずりフレーム42も一緒に回転し、それによって巻下げ・回収部6も引きずられ回転する。
【0046】
すでに記載され、開示された実施形態に類似して、シリンダー3の動作は、第2実施形態の第2駆動手段30、もしくは第3実施形態の第2駆動手段38と同一の構成を持つドライブ43によって得られる。また、この場合、明確性の理由により、ドライブ43が有している構成部品は、基本的に他の実施形態と同じ番号を与えられている。
【0047】
本実施形態において、切断手段10は、本出願で既に開示されたものと同一である。しかし、切断手段10は、巻下げ・回収部6の上に並べられており、中心回転軸("X")の周りを、シリンダー3や回収部6のそれとは異なる第3回転速度で回転する略リング形状のガイド44の上を動く。特に、図7に示されるように、切断手段10は、切断素子10aとそのモーター40の両方を支えるように設計された、支持フランジ10bに取り付けられている。支持フランジ10bは、先述のガイド44に、連結手段(図示しない)により可動的に設置されており、ガイド44に沿ってリング状の軌道をすべることができる。切断手段10は、好ましくは電気制御装置17と連携し合う、制御手段47に機能的に関連して取り付けられる。制御手段47は、実行する切断の種類や、様々な移動要素の回転速度等の製造中の管状編地の特徴に従って、自動的に中央回転軸("X")の周りの切断手段10の動きを管理することができる。明らかに、切断手段10の切断要素10aは、回転速度や、希望する切断軌道に対して均衡が保たれるように傾けられることができ、さらに、電気制御ユニット17によって直接起動することができる。
【0048】
第4実施形態では、編地は2つの牽引ローラー46によって引き下げられ、編地の切断片は、図に概略的に示されている下部の籠45によって回収される。
【0049】
図8は編地4の生成を概略的に示している。まず、牽引ローラー46と支持フレーム(既知であり図示しない)によって平坦にされる(すなわち、最初の区間では管状であったものが、つぶされた楕丸状に変えられる)。牽引ローラー46より下流では、編地は、再び支持フレームによって広げられ、略管状になり、編地は自由に垂れ下がり、切断手段によって切断される。
【0050】
指摘すべきこととして、切断軌道は、中央軸("X")に対して傾けられており、好ましくはらせんである。切断軌道は、編み糸のテンションによる管状編地のねじれピッチに依存して決定される。切断軌道は、シリンダーと、巻下げ・回収部(第1実施形態)もしくは、シリンダーと切断手段(第4実施形態)との回転速度の違いにより得られる
【0051】
本発明は重要な効果を奏する。第1に、本発明に係る編機と回収方法により、その後の製造段階において、重大な構造的な変形を被らない、高い品質と仕上がりのレイヤーの編地を得ることができる。
【0052】
後に起こる内部テンションによる編地の自然なねじれらせんを予想しながら切断することで、いわゆる"正確に"切断された編地に発生する、後の変形を防止することができる。
【0053】
結局のところ、本発明による、編機および編地の回収方法は、それほど複雑でなく、ほどほどに安価なものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明に係る、前記編機のシリンダーによって製造された、管状編地の押し広げ・回収装置を有する編機の斜視図である。
【図1a】図1aは、前図の編機の固定フレームを示した図である。
【図2】図2は、製造された編地が概略的に描かれ、本発明の第1実施形態について示した、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図4】図4は、本発明の第3実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図5】図5は、編機の巻下げ・回収部の斜視図である。
【図6】図6は、図5の巻下げ・回収部の切断手段の拡大斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第4実施形態に係る、部分的に断面を示している装置の正面図である。
【図8】図8は、図7と直交する方向から、図7の編機における編地の成長を示した概略図である。
【図9】図9は、回転軸にも、編地の”リブ”の軸にも平行である、従来の切断線を示した、変形のない管状編地の概略図である。
【図9a】図9aは、図1の編機に関して、内部張力で変形した編地を表示し、その上に変形した編地の”リブ”の軸と、正確な切断線とを表示した図である。
【図10】編地のリブに対して並行である従来式で切断され、構造的変形を受けている編地の概略図である。
【図10a】本発明に関する、適切な傾きにより切断され、構造的な変形を伴わない編地の概略図である。
【図11】図11は、構造変形に対応した螺旋状の切断線を表示している編地管の図である。
【符号の説明】
【0055】
3…シリンダー
6…巻下げ・回収部
10…切断手段
10a…切断要素
39…起動手段
40…モーター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダーで製造された前記編地(4)の巻下げ工程と、
既定の切断軌道に沿った前記編地(4)の漸次切断工程と、
前記編地(4)の回収工程とを含み、
前記切断軌道は、前記中心回転軸("X")に対して傾けられていることを特徴とする、中心軸("X")の周りを回転し、丸編機(1)のシリンダー(3)で製造された編地(4)を回収する方法。
【請求項2】
前記編地(4)の巻下げ工程は、前記編地(4)の切断工程より前に実行されることを特徴とする、請求項1に記載の編地を回収する方法。
【請求項3】
前記編地(4)の巻下げ工程は、前記編地(4)の切断工程より後に実行されることを特徴とする、請求項1に記載の編地を回収する方法。
【請求項4】
シリンダーによって製造された前記編地(4)の巻下げ工程と、
前記編地の切断工程と、前記編地の回収工程とが、
巻下げ・回収部(6)を回転作動することで実行され、
前記巻下げ・回収部(6)は、
前記シリンダー(3)からの管状編地(4)を切断するように設計された切断手段(10)を装備し、
前記編地(4)を巻下げ・回収するためにシリンダー(3)に配置されており、
前記切断手段(10)は、
前記シリンダー(3)とは異なるスピードで、回転作動され得ることを特徴とする、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項5】
前期切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に一体的に関連して設けられ、
シリンダー(3)とは独立して、シリンダー(3)の速度とは異なるスピードで作動され得ることを特徴とする、請求項4に記載された編地を回収する方法。
【請求項6】
前期切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に一体的に関連して設けられ、
シリンダー(3)とは独立して、シリンダー(3)の速度とは異なるスピードで作動され得ることを特徴とする、請求項4に記載された編地を回収する方法。
【請求項7】
前記巻下げ・回収部(6)が、前記シリンダー(3)と一体となっていることを特徴とする、請求項6に記載された編地を回収する方法。
【請求項8】
編地(4)の前記切断工程より前にある、シリンダー(3)からの前記管状編地(4)のつかみ取り工程と、
切断操作によって決められた側方のエッジの上で、前記切断された編地を分岐する工程と、
前記編地(4)を回収する前に、前記分岐された編地(4)を押し広げる工程とを、
さらに有することを特徴とする、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項9】
前記管状編地(4)を切断する前記工程は、略らせん状の切断軌跡に沿うように切断が行われることを特徴とする、
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項10】
前記切断軌道が、
前記管状編地(4)のねじれピッチおよび、
前記シリンダー(3)と前記巻下げ・回収部(6)と前記切断手段(10)との速度の違いに、依存して決定されたことを特徴とする、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項11】
丸編機(1)において編地(4)を製造する方法であって、
ロータリーシリンダー(3)を回転させ、編地(4)を製造する工程と、
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載された方法によって前記編地(4)を回収する工程とを有する編地を回収する方法。
【請求項12】
サポートフレーム(2)と、
サポートフレーム(2)に関連して設けられ、
中心回転軸("X")の周りを第1回転速度で回転し、
少なくともひとつの管状編地を製造するシリンダー(3)と、
前記サポートフレーム(2)に、機能的に関連して設けられ、
前記中心回転軸("X")の周りを第2回転速度で回転し、
シリンダー(3)によって製造された管状編地(4)を引き込んで回収する巻下げ・回収部(6)と、
前記巻下げ・回収部(6)に機能的に関連して設けられ、
既定の切断軌道に沿って、前記管状編地(4)を漸次切断する切断手段(10)と、を有する丸編機であって、
前記切断手段(10)は、
中央回転軸("X")から傾けられた軌道に沿って前記編地(4)を切断できることを特徴とする丸編機。
【請求項13】
前記切断手段(10)は、
中央回転軸("X")の周りを、前記シリンダー(3)の第1回転速度とは異なる第3回転速度で回転させられ得ることを特徴とする、
請求項12に記載の丸編機。
【請求項14】
前記切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に一体的に関連して設けられ、
シリンダー(3)の動きとは独立して、前記回収部(6)の前記第2回転速度で回転させられ得ることを特徴とする、
請求項12または請求項13に記載の丸編機。
【請求項15】
前記巻下げ・回収部(6)の前記第2回転速度は、シリンダー(3)の第1回転速度より小さい最小値から、前記シリンダー(3)の第1回転速度より大きい最大値まで、変化させることができることを特徴とする、
請求項14に記載の丸編機。
【請求項16】
前記切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に設置された略リング形状のガイド(44)の上を、
前記シリンダー(3)の第1回転速度とも、前記巻下げ・回収部(6)の第2回転速度とも異なる第3回転速度で、回転させられ得ることを特徴とする、
請求項12または請求項13に記載の丸編機。
【請求項17】
前記巻下げ・回収部(6)は、
前記シリンダー(3)と一体的に回転することを特徴とする、
請求項16に記載の丸編機。
【請求項18】
少なくとも、前記巻下げ・回収部(6)および/または、前記切断手段(10)に、機能的に関連して設けられ、それらを回転させることができる、制御手段(16)をさらに有することを特徴とする、
請求項12ないし請求項17のいずれかに記載の丸編機。
【請求項19】
前記制御手段(16)は、
既定の第1、第2および第3回転速度の関係にしたがって、
切断手段(10)および/または、巻下げ・回収部(6)の動きを定めることを特徴とする、
請求項18に記載の丸編機。
【請求項20】
前記制御手段(16)に、機能的に関連して設けられ、
前記切断手段(10)および/または、前記巻下げ・回収部(6)の回転速度を、前記丸編機(1)の前記シリンダー(3)で製造された前記管状編地(4)のねじれピッチに応じて調整する、少なくとも1つの電気制御装置(17)を、
さらに有することを特徴とする、
請求項18または請求項19に記載の丸編機。
【請求項21】
前記シリンダー(3)で製造された前記管状編地(4)のねじれ率を自動的に検出する、自動検出手段をさらに有し、
前記自動検出手段は、前記電機制御装置(17)に、機能的に関連して設けられていることを特徴とする、
請求項18ないし請求項20のいずれかに記載の丸編機。
【請求項22】
前記制御手段(16)は、
少なくとも1つのモータ(18)と、
前記モータ(10)と前記巻下げ・回収部(6)との間に、作動できる状態に設置され、前記巻下げ・回収部(6)を、前記第2回転速度で回転させる駆動手段(19)とを、さらに有することを特徴とする、
請求項18ないし請求項21のいずれかに記載の丸編機。
【請求項23】
少なくとも1つの前記モーター(18)は、
巻下げ・回収部(6)に、一体的にかみ合わされて設けられ、
巻下げ・回収部(6)と共に前記中央回転軸("X")の周りを回転することを特徴とする、
請求項22に記載の丸編機。
【請求項24】
前記モーター(18)は、静的に、一体化して前記支持フレーム(2)にかみ合わされて設けられていることを特徴とする、
請求項22に記載の丸編機。
【請求項25】
前記制御手段(16)が、
前記支持フレーム(2)に一体的にかみ合わされて設けられたモーター(18’)と、
前記モーター(18’)と前記巻下げ・回収部(6)との間に作動できる状態に設置され、
前記巻下げ・回収部(6)を、前記中央回転軸("X")を中心として、前記第2回転速度で回転するように動作させる第1駆動手段(37)と、
前記モーター(18')と前記機械の前記シリンダー(3)との間に、作動できる状態に設けられ、
前記シリンダー(3)が、前記中央回転軸("X")を中心として、前記第1既定回転速度で回転するように動作させる第2駆動手段(38)とを、有することを特徴とする、
請求項18ないし請求項21のいずれかに記載の丸編機。
【請求項26】
前記第1駆動手段(37)もしくは前記第2駆動手段(38)が、
前記巻下げ・回収部(6)の回転速度および/または、前記シリンダー(3)の回転速度を変化させる伝達率(41)を変更する手段を有することを特徴とする、
請求項25に記載の丸編機。
【請求項27】
前記切断手段(10)が、
少なくとも、中央回転軸("X")に対して傾けられた第1位置と、前記中央回転軸("X")に対して反対側に対称に傾けられた第2位置との間を移動する、少なくとも1つの切断要素(10a)を有し、
前記切断要素(10a)は、第1と第2遷移的角度位置の間を、
切断手段(10)と前記シリンダー(3)との間の回転速度差に依存して、移動することを特徴とする、
請求項12ないし請求項26のいずれかに記載の丸編機。
【請求項28】
前記切断手段(10)が、複数の前記遷移的角度位置に対応する操作位置に、移動させられ得ることを特徴とする、請求項27に記載の丸編機。
【請求項29】
前記切断手段(10)は、前記操作位置間を手動で移動させ得ることを特徴とする、請求項27または請求項28に記載の丸編機。
【請求項30】
前記切断手段(10)は、
前記第1から第2位置へ自動的に移動させることができ、
前記電気制御装置(17)によって制御・起動され得ることを特徴とする、
請求項27または請求項28に記載の丸編機。
【請求項31】
前記切断手段(10)の切断軌道が、略らせん状であることを特徴とする、
請求項12ないし請求項30のいずれかに記載の丸編機。
【請求項1】
シリンダーで製造された前記編地(4)の巻下げ工程と、
既定の切断軌道に沿った前記編地(4)の漸次切断工程と、
前記編地(4)の回収工程とを含み、
前記切断軌道は、前記中心回転軸("X")に対して傾けられていることを特徴とする、中心軸("X")の周りを回転し、丸編機(1)のシリンダー(3)で製造された編地(4)を回収する方法。
【請求項2】
前記編地(4)の巻下げ工程は、前記編地(4)の切断工程より前に実行されることを特徴とする、請求項1に記載の編地を回収する方法。
【請求項3】
前記編地(4)の巻下げ工程は、前記編地(4)の切断工程より後に実行されることを特徴とする、請求項1に記載の編地を回収する方法。
【請求項4】
シリンダーによって製造された前記編地(4)の巻下げ工程と、
前記編地の切断工程と、前記編地の回収工程とが、
巻下げ・回収部(6)を回転作動することで実行され、
前記巻下げ・回収部(6)は、
前記シリンダー(3)からの管状編地(4)を切断するように設計された切断手段(10)を装備し、
前記編地(4)を巻下げ・回収するためにシリンダー(3)に配置されており、
前記切断手段(10)は、
前記シリンダー(3)とは異なるスピードで、回転作動され得ることを特徴とする、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項5】
前期切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に一体的に関連して設けられ、
シリンダー(3)とは独立して、シリンダー(3)の速度とは異なるスピードで作動され得ることを特徴とする、請求項4に記載された編地を回収する方法。
【請求項6】
前期切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に一体的に関連して設けられ、
シリンダー(3)とは独立して、シリンダー(3)の速度とは異なるスピードで作動され得ることを特徴とする、請求項4に記載された編地を回収する方法。
【請求項7】
前記巻下げ・回収部(6)が、前記シリンダー(3)と一体となっていることを特徴とする、請求項6に記載された編地を回収する方法。
【請求項8】
編地(4)の前記切断工程より前にある、シリンダー(3)からの前記管状編地(4)のつかみ取り工程と、
切断操作によって決められた側方のエッジの上で、前記切断された編地を分岐する工程と、
前記編地(4)を回収する前に、前記分岐された編地(4)を押し広げる工程とを、
さらに有することを特徴とする、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項9】
前記管状編地(4)を切断する前記工程は、略らせん状の切断軌跡に沿うように切断が行われることを特徴とする、
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項10】
前記切断軌道が、
前記管状編地(4)のねじれピッチおよび、
前記シリンダー(3)と前記巻下げ・回収部(6)と前記切断手段(10)との速度の違いに、依存して決定されたことを特徴とする、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載された編地を回収する方法。
【請求項11】
丸編機(1)において編地(4)を製造する方法であって、
ロータリーシリンダー(3)を回転させ、編地(4)を製造する工程と、
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載された方法によって前記編地(4)を回収する工程とを有する編地を回収する方法。
【請求項12】
サポートフレーム(2)と、
サポートフレーム(2)に関連して設けられ、
中心回転軸("X")の周りを第1回転速度で回転し、
少なくともひとつの管状編地を製造するシリンダー(3)と、
前記サポートフレーム(2)に、機能的に関連して設けられ、
前記中心回転軸("X")の周りを第2回転速度で回転し、
シリンダー(3)によって製造された管状編地(4)を引き込んで回収する巻下げ・回収部(6)と、
前記巻下げ・回収部(6)に機能的に関連して設けられ、
既定の切断軌道に沿って、前記管状編地(4)を漸次切断する切断手段(10)と、を有する丸編機であって、
前記切断手段(10)は、
中央回転軸("X")から傾けられた軌道に沿って前記編地(4)を切断できることを特徴とする丸編機。
【請求項13】
前記切断手段(10)は、
中央回転軸("X")の周りを、前記シリンダー(3)の第1回転速度とは異なる第3回転速度で回転させられ得ることを特徴とする、
請求項12に記載の丸編機。
【請求項14】
前記切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に一体的に関連して設けられ、
シリンダー(3)の動きとは独立して、前記回収部(6)の前記第2回転速度で回転させられ得ることを特徴とする、
請求項12または請求項13に記載の丸編機。
【請求項15】
前記巻下げ・回収部(6)の前記第2回転速度は、シリンダー(3)の第1回転速度より小さい最小値から、前記シリンダー(3)の第1回転速度より大きい最大値まで、変化させることができることを特徴とする、
請求項14に記載の丸編機。
【請求項16】
前記切断手段(10)は、
前記巻下げ・回収部(6)に設置された略リング形状のガイド(44)の上を、
前記シリンダー(3)の第1回転速度とも、前記巻下げ・回収部(6)の第2回転速度とも異なる第3回転速度で、回転させられ得ることを特徴とする、
請求項12または請求項13に記載の丸編機。
【請求項17】
前記巻下げ・回収部(6)は、
前記シリンダー(3)と一体的に回転することを特徴とする、
請求項16に記載の丸編機。
【請求項18】
少なくとも、前記巻下げ・回収部(6)および/または、前記切断手段(10)に、機能的に関連して設けられ、それらを回転させることができる、制御手段(16)をさらに有することを特徴とする、
請求項12ないし請求項17のいずれかに記載の丸編機。
【請求項19】
前記制御手段(16)は、
既定の第1、第2および第3回転速度の関係にしたがって、
切断手段(10)および/または、巻下げ・回収部(6)の動きを定めることを特徴とする、
請求項18に記載の丸編機。
【請求項20】
前記制御手段(16)に、機能的に関連して設けられ、
前記切断手段(10)および/または、前記巻下げ・回収部(6)の回転速度を、前記丸編機(1)の前記シリンダー(3)で製造された前記管状編地(4)のねじれピッチに応じて調整する、少なくとも1つの電気制御装置(17)を、
さらに有することを特徴とする、
請求項18または請求項19に記載の丸編機。
【請求項21】
前記シリンダー(3)で製造された前記管状編地(4)のねじれ率を自動的に検出する、自動検出手段をさらに有し、
前記自動検出手段は、前記電機制御装置(17)に、機能的に関連して設けられていることを特徴とする、
請求項18ないし請求項20のいずれかに記載の丸編機。
【請求項22】
前記制御手段(16)は、
少なくとも1つのモータ(18)と、
前記モータ(10)と前記巻下げ・回収部(6)との間に、作動できる状態に設置され、前記巻下げ・回収部(6)を、前記第2回転速度で回転させる駆動手段(19)とを、さらに有することを特徴とする、
請求項18ないし請求項21のいずれかに記載の丸編機。
【請求項23】
少なくとも1つの前記モーター(18)は、
巻下げ・回収部(6)に、一体的にかみ合わされて設けられ、
巻下げ・回収部(6)と共に前記中央回転軸("X")の周りを回転することを特徴とする、
請求項22に記載の丸編機。
【請求項24】
前記モーター(18)は、静的に、一体化して前記支持フレーム(2)にかみ合わされて設けられていることを特徴とする、
請求項22に記載の丸編機。
【請求項25】
前記制御手段(16)が、
前記支持フレーム(2)に一体的にかみ合わされて設けられたモーター(18’)と、
前記モーター(18’)と前記巻下げ・回収部(6)との間に作動できる状態に設置され、
前記巻下げ・回収部(6)を、前記中央回転軸("X")を中心として、前記第2回転速度で回転するように動作させる第1駆動手段(37)と、
前記モーター(18')と前記機械の前記シリンダー(3)との間に、作動できる状態に設けられ、
前記シリンダー(3)が、前記中央回転軸("X")を中心として、前記第1既定回転速度で回転するように動作させる第2駆動手段(38)とを、有することを特徴とする、
請求項18ないし請求項21のいずれかに記載の丸編機。
【請求項26】
前記第1駆動手段(37)もしくは前記第2駆動手段(38)が、
前記巻下げ・回収部(6)の回転速度および/または、前記シリンダー(3)の回転速度を変化させる伝達率(41)を変更する手段を有することを特徴とする、
請求項25に記載の丸編機。
【請求項27】
前記切断手段(10)が、
少なくとも、中央回転軸("X")に対して傾けられた第1位置と、前記中央回転軸("X")に対して反対側に対称に傾けられた第2位置との間を移動する、少なくとも1つの切断要素(10a)を有し、
前記切断要素(10a)は、第1と第2遷移的角度位置の間を、
切断手段(10)と前記シリンダー(3)との間の回転速度差に依存して、移動することを特徴とする、
請求項12ないし請求項26のいずれかに記載の丸編機。
【請求項28】
前記切断手段(10)が、複数の前記遷移的角度位置に対応する操作位置に、移動させられ得ることを特徴とする、請求項27に記載の丸編機。
【請求項29】
前記切断手段(10)は、前記操作位置間を手動で移動させ得ることを特徴とする、請求項27または請求項28に記載の丸編機。
【請求項30】
前記切断手段(10)は、
前記第1から第2位置へ自動的に移動させることができ、
前記電気制御装置(17)によって制御・起動され得ることを特徴とする、
請求項27または請求項28に記載の丸編機。
【請求項31】
前記切断手段(10)の切断軌道が、略らせん状であることを特徴とする、
請求項12ないし請求項30のいずれかに記載の丸編機。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9a】
【図10】
【図10a】
【図11】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9a】
【図10】
【図10a】
【図11】
【公表番号】特表2007−532793(P2007−532793A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507934(P2007−507934)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000211
【国際公開番号】WO2005/100659
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506344918)
【氏名又は名称原語表記】SANTONI S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Carlo Fenzi,14,25135 Brescia,ITALY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000211
【国際公開番号】WO2005/100659
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506344918)
【氏名又は名称原語表記】SANTONI S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Carlo Fenzi,14,25135 Brescia,ITALY
【Fターム(参考)】
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