説明

主無線装置にグループ通話契約の利用状況を通知する方法

【課題】 主ユーザーがグループ通話契約の他のメンバーの通話利用についての情報を月毎の詳細課金明細が到着するのを待たずに受信することを可能とする。
【解決手段】 本発明は、グループ通話契約における主無線装置(101)にグループ通話契約における無線装置(117)が通話利用を有しているかを通知するための方法を提供する。MSC(105)は無線電話機(117)の通話使用状態があるかを判別する。MSC(105)は、無線電話機(117)が通話監視対象のグループのメンバーであるかを判別する。そうであれば、MSC(105)は通話利用に関係する通話情報を記録し、通話情報を主無線装置(101)に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に無線通信システム、より具体的にはグループ無線通話契約に関する。
【背景技術】
【0002】
無線電話機――セルラーフォン又はモバイルフォンとも呼ばれる――によって、ユーザーは決まった場所にいなくても電話をかけられる。セルラー通話契約はユーザーが無線通信ネットワークにアクセスできるようにし、ユーザーに様々な機能及びオプションを提供するようにカスタマイズできる。
【0003】
セルラー・サービスプロバイダーによって提供された1つの機能はグループ通話契約である。グループ通話契約によって複数の無線電話機は単一の加入者アカウントに関連付けることができる。これは課金及び明細管理を簡単にし、アカウントの所有者が電話機の使用状況を監視することができる。
【0004】
現在のグループ通話契約の1つの問題は、情報が周期的、通常は月毎にしか提供されないことである。グループ通話契約の一部である無線電話機に関する事項や問題を扱う際、この待ち状態はかなりの対応時間の遅れをもたらすことになる。
【0005】
従って、主ユーザーがグループ通話契約の他のメンバーの使用状況についての情報を、月毎の詳細課金明細が到着するのを待つことなしに受信することを可能とする方法への要望がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主無線装置に無線通話電話機のグループの他のメンバーの通話利用(call activity)を通知するための方法を提供する。MSC又は他の呼処理エンティティが、無線電話機上に通話利用があるかを判定する。通話利用とは、無線電話機から呼を発信すること及び無線電話機で入着呼を受信すること等である。
【0007】
そして、MSCは、無線電話機が通話監視対象のグループのメンバーであるかを判別する。これは、加入すれば主無線装置によって有効及び無効にできる機能である。主無線装置は、通話監視対象のグループの単一のメンバー、通話監視対象のグループの複数のメンバー、又は通話監視対象のグループの全てのメンバーを監視できる。
【0008】
無線電話機が通話監視対象のグループのメンバーである場合、MSCは通話情報を記録する。通話情報は、発呼している電話機の登録番号(ディレクトリ・ナンバー)、着呼している電話機の登録番号(ディレクトリ・ナンバー)、通話の日付、通話がなされた時刻又は通話の継続時間等である。
【0009】
ある時点で、MSCは記録された通話情報を主無線装置に送る。実施例において、通話情報は所定量の移動体電話機の使用に基づいて主無線装置に送られる。または、通話情報は所定の期間後又は所定数の通話情報メッセージが集められた後に送られる。
【0010】
実施例において、MSCは最初に記録された通話情報を、適切なフォーマット及びスケジューリングを実行するSMSセンターに送る。他の実施例においては、情報は主無線装置にeメール又はインスタント・メッセージング(IM)を介して送信される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例による通信システムを示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施例による、主無線装置に無線通話電話グループの他のメンバーの通話利用を通知するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は図1及び2を参照してよりよく理解できる。図1は無線通信ネットワーク103を含む通信システム100を示す。通信システム100は公衆交換電話ネットワーク(PSTN)及び複数の無線ネットワークのような無線通信ネットワークを含むが、説明を明確にするため、無線通信ネットワーク103のみが図1に示される。
【0013】
無線通信ネットワーク103は移動体交換局(MSC)105、基地局107及び109、並びにショートメッセージサービス(SMS)111を含む。
【0014】
無線通信ネットワーク103は、AMPS、CDMA及びNMTのようなアナログ、GSM、TDMA、CDMA、GPRS、EDGE、IS−95、IS−95B、HDR、WCDMA及びCDMA2000のようなデジタルを含むがこれには限定されないあらゆる無線プロトコルを利用できる。基地局107及び109は無線通信ネットワーク103とMSC105を介して通信するとともに、無線装置117及び119と空中を介してそれぞれ通信する。説明を簡明にするため、図1には2つの基地局、1つのMSC及び2つの無線装置だけが示されるが、通常、無線通信ネットワーク103は多数の基地局を含み、各々は多数の基地局と通信し、各基地局は多数の無線装置に対して作用することが理解される。
【0015】
MSC105は無線装置119の1つから発信された呼及びサービスリクエストを処理し、必要な送信及びシグナリングのリソースを割り当てる。MSC105及びSMSセンター111間の標準的な通信経路は、ANSI−41又はGSM−MAPのようなSS7シグナリング・プロトコルを利用する。基地局107及び109は無線通信ネットワーク103と通信するとともに無線装置117及び119と空中を介してそれぞれ通信する。説明の便宜上、図1には2つの基地局及び2つの無線装置だけが示されるが、通常、無線通信ネットワーク103は多数の基地局を含み、各基地局は多数の無線装置に対して作用することが理解される。
【0016】
データベース(DB)106はMSC105に結合され、通話記録及びグループ通話契約情報の記憶内容を提供する。DB106内の情報は、好ましくはSMSセンター111を介して、MSC105によってアクセスされ、発呼側又は着呼側無線装置がグループ通話契約のメンバーかを判別し、通話契約における主無線装置が通話の監視をできるようになっているかを判別し、主無線装置に送られるべき通話に関係する関連情報を取得する。
【0017】
基地局107及び109はオーバー・ジ・エア・インターフェイスを移動局である101、117及び119に提供する。基地局107及び109はMSC105に通信線を介して結合される。
【0018】
SMSセンター111は無線通信ネットワーク103に結合される。SMSセンター111はメッセージ及び無線通信ネットワーク103からの情報を受信し、SMSメッセージを無線装置101にオーバー・ジ・エア・インターフェイスを利用して通信する。
【0019】
無線装置101、117及び119はグループ通話契約のメンバーである。そのような契約によって複数の無線電話機が単一の通話契約に結合され、同じ報告書や機能等といった同じサービス契約を利用することができる。これにより家族や仕事仲間のようなユーザーのグループが、複数の課金管理をすることなしにセルラーサービスを受けることができる。本発明によると、無線電話機の1つが主無線装置として指定される。図1では、無線装置101が主無線装置として指定されている。主無線装置はグループ通話契約における他の無線電話機の使用状況を監視できる。本発明によると、主無線装置はほぼリアルタイムでアカウントの使用状況を監視することができ、それにより、詳細な月別課金明細を待たなければならないという事態に対して改善がなされる。
【0020】
図2は、本発明の実施例による、主無線装置に無線通話電話グループの他のメンバーの通話利用を通知するための方法を示すフローチャートである。
【0021】
MSCは無線電話機での通話利用があるかを判別する(ステップ201)。通話利用は無線電話機から呼を発信すること及び無線電話機で入着呼を着信することを含む。
【0022】
無線電話機が、通話監視対象のグループのメンバーであるかを判別する(ステップ203)。通話監視機能は、好適には加入して主無線装置によって有効・無効にできる機能である。本発明の実施例において、主無線装置は通話監視機能を*88といった機能コードを入力することによって有効にする。実施例において、主無線装置が監視したいグループ通話契約における無線装置の電話番号が、機能コードの後に続く。主無線装置は好適には通話グループ内の複数の無線装置の電話番号を入力でき、これによってグループ通話契約内の機能コードに続く番号を持つ全無線装置の監視が可能になる。実施例において、主無線装置が後に電話番号を続けないで機能コードを入力したときは、通信システムはグループ通話契約における全ての無線装置の通話監視をできるようにする。
【0023】
無線電話機が通話監視対象のグループのメンバーでない場合、処理は終了し(ステップ299)通常の呼処理がなされる。無線電話機が通話監視対象のグループのメンバーである場合、MSCは通話情報を記録する(ステップ205)。通話情報は発呼側電話機の登録番号、着呼側電話機の登録番号、通話の日付、通話がなされた時刻又は通話の継続時間を含むことができる。
【0024】
MSCは通話情報をSMSセンターに送る(ステップ207)。SMSセンター111は適切なフォーマット及びスケジューリングを行い、メッセージを主無線装置101に送る。代替の実施例では、情報は主無線装置101にeメール又はインスタント・メッセージング(IM)を介して送信される。
【0025】
また、本発明によって、主無線装置が課金サービスを移動体電話機の使用状況に基づいて提供することが可能となる。例えば、弁護士やコンサルタントは、本発明の実施例によるグループ契約の一部である無線装置を介してクライアントの相談を受けることができる。主無線装置は、ほぼリアルタイムで無線電話機の使用状況を監視し、通話継続時間やグループ無線電話機のユーザーに関連する課金コードに基づいて通話に対する適切な課金を発生することができるとともに、グループ通話契約無線装置に接続された電話機の登録番号に基づいて正しいクライアントに課金することができる。
【0026】
発明が特定の例示という観点で説明されてきたが、それは上記の記載に限定することを意図するものではなく、むしろ、特許請求の範囲で規定されることを拡張することを意図するものである。
【符号の説明】
【0027】
100.通信システム
101、117、119.無線装置
103.無線通信ネットワーク
105.移動体交換局(MSC)
106.データベース(DB)
107、109.基地局
111.ショートメッセージサービス(SMS)センター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ通話契約における主無線装置に、該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法であって、
前記無線電話機に通話利用があるかを判別するステップ、
前記無線電話機が通話監視サービスに契約した通話監視対象のグループのメンバーであるかを判別するステップであって、該通話監視サービスは前記主無線装置によって有効化及び無効化されることができ、該通話監視サービスを有効化及び無効化することが、該主無線装置によって少なくとも機能コードを入力して少なくとも1つの監視されるべき無線電話機を決定することを含む、ステップ、
前記無線電話機が前記通話監視対象のグループのメンバーである場合、前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップ、及び
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップ
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法であって、さらに、
前記機能コードに続けて、前記グループ通話契約において前記主無線装置が監視しようとしている無線装置の電話番号を入力するステップを備える方法。
【請求項3】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法であって、さらに、
前記機能コードに続けて、前記グループ通話契約において前記主無線装置が監視しようとしている複数の無線装置の電話番号を入力するステップを備える方法。
【請求項4】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法であって、さらに、
前記機能コードに続いて電話番号が入力されない場合に前記グループ通話契約における全ての無線装置を監視するステップを備える方法。
【請求項5】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップが、発呼側の電話機の登録番号を記録することからなることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップが、被呼側の電話機の登録番号を記録することからなることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップが、通話の日付を記録することからなることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップが、通話が行われた時間を記録することからなることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップが、通話の継続時間を記録することからなることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話利用に関係する通話情報を記録するステップが、前記グループの無線電話機のユーザーに関連する課金コードを記録することからなることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法であって、さらに、
課金すべきクライアントのアカウントを、前記グループ通話契約のメンバーである無線電話機に接続された電話機の登録番号に少なくともある程度基づいて決定するステップを備える方法。
【請求項12】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップは、該通話情報をショートメッセージサービス(SMS)センターに送信することからなることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップは、SMSメッセージを該無線装置に送信することからなることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップは、インスタント・メッセージを該無線装置に送信することからなることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップが、移動体電話機の使用に基づいて発動されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップが所定期間経過後に行われることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1記載のグループ通話契約における主無線装置に該グループ通話契約における無線装置に通話利用があることを通知するための方法において、
前記通話情報を前記主無線装置に送信するステップが、所定数の通話情報メッセージが集められた後に行われることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−42528(P2013−42528A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225739(P2012−225739)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【分割の表示】特願2005−193241(P2005−193241)の分割
【原出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】