説明

主装置、電話システム、プレゼンス情報共有方法、および、プレゼンス情報共有プログラム

【課題】電話システムにおいて、プレゼンス情報の入力負荷を削減し、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】 主装置1と複数の端末2、3、4とを有する電話システムにおける主装置1であって、発呼端末2から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、着呼端末4の電話番号とともに記憶手段15に記憶するプレゼンス情報取得手段12と、発呼端末3から着呼端末4の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、着呼端末4の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を記憶手段15から検索し、検索したプレゼンス情報を発呼端末3に提示するプレゼンス情報提示手段13、14とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置と複数の端末とを有する電話システムにおいて、プレゼンス情報を利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
これから電話を掛けようとする相手が、現在どのような状況にあるかを事前に知ることは、実際に電話を掛けても話し中であったとか、不在であった(席にいなかった)などにより、掛けた電話が無駄になってしまうことを防ぐためには有意義なことである。
【0003】
一般的に、相手の現在の状況のことをプレゼンス情報と称するが、このプレゼンス情報を、電話をこれから掛けようとする者に伝えるための手段として、例えば、ビジネスホンでは、キーテレホンシステムを用いて相手先の電話機に割り当てられているラインキーを赤く点灯させて、現在通話中である(電話機を使用中である)ことを知らせる機能がある(非特許文献1参照)。電話を掛けようとする者は、これを見て、今電話を掛けても話し中なので無駄となる可能性が高いということを察知することができる。
【0004】
また、最近では、インスタントメッセンジャー(IM)の機能を用いて、離席中である、会議中である等のプレゼンス情報を他者に通知することも行われている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「Netcommunity SYSTEM αGX type-S/TYPE-M(工事保守者用マニュアル)第一分冊」、p.606、「F-1 キーランプ表示」
【非特許文献2】“IP Messenger Fanclub”、[online]、インターネット<http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/5649/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1では、電話をかけようとする相手が通話中かどうかの状態しか察知することができない。例えば、通話中でない場合、相手が在席しているのか離席しているのかまでは察知することはできない。
【0007】
また、非特許文献2のようなプレゼンス情報は、ユーザ自身(電話であれば電話を掛けられる側)が意識して自分の状態を入力しなければならず、離席する度に離席の理由(会議出席、出張、食事など)を入力する必要があるため、プレゼンス情報を入力する作業負荷が大きい。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電話システムにおいて、プレゼンス情報の入力負荷を軽減し、ユーザの利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、主装置と複数の端末とを有する電話システムにおける前記主装置であって、発呼端末から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、前記着呼端末の電話番号とともに記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段と、発呼端末から着呼端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、前記着呼端末の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を前記記憶手段から検索し、検索したプレゼンス情報を前記発呼端末に提示するプレゼンス情報提示手段と、を有する。
【0010】
本発明は、主装置と複数の端末とを有する電話システムであって、前記主装置は、発呼端末から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、前記着呼端末の電話番号とともに記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段と、発呼端末から着呼端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、前記着呼端末の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を前記記憶手段から検索し、検索したプレゼンス情報を前記発呼端末に提示するプレゼンス情報提示手段と、を有し、前記発呼端末は、呼の終了後に入力された着呼端末のプレセンス情報を、前記主装置に送信する入力手段と、発呼要求後に前記主装置から送信された着呼端末の直近のプレゼンス情報を表示する表示手段と、を有する。
【0011】
本発明は、主装置と複数の端末とを有する電話システムにおける前記主装置が行うプレゼンス情報共有方法であって、前記主装置は、発呼端末から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、前記着呼端末の電話番号とともに記憶部に記憶するプレゼンス情報取得ステップと、発呼端末から着呼端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、前記着呼端末の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を前記記憶部から検索し、検索したプレゼンス情報を前記発呼端末に提示するプレゼンス情報提示ステップと、を行う。
【0012】
本発明は、前記プレゼンス情報共有方法をコンピュータに実行させるためのプレゼンス情報共有プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電話システムにおいて、プレゼンス情報の入力負荷を軽減し、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る電話システムの全体構成図である。
【図2】プレゼンス情報入力処理を示すフローチャートである。
【図3】プレゼンス情報入力画面の一例を示す図である。
【図4】プレゼンス情報提示処理を示すフローチャートである。
【図5】プレゼンス情報提示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る電話システムの全体構成図である。本電話システムは、例えば、企業内で使用する構内電話システム、即ち、PBXやビジネスホンに適用することができる。電話システムは、主装置1と、複数の端末2、3、4とを備える。
【0017】
主装置1は、内線と外線間または内線間をつなぐ交換機であって、図示する主装置1は、呼処理部11と、プレゼンス情報取得部12と、検索部13と、プレゼンス情報提示部14と、記憶部15とを備える。呼処理部11は、各端末からの指示により、指定された相手先の端末に発呼する。プレゼンス情報取得部12は、発呼側の端末から入力された着呼側の端末のプレゼンス情報を受信し、着呼側の端末の電話番号および時間情報とともに記憶部15に記憶する。
【0018】
検索部13(プレゼンス情報提示手段)は、発呼側の端末から着呼側の端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、当該電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を記憶部15から検索する。すなわち、検索部13は、電話番号をキーワードとして記憶部15を検索し、検索結果であるプレゼンス情報を抽出する。
【0019】
プレゼンス情報提示部14(プレゼンス情報提示手段)は、検索部13が検索したプレゼンス情報を発呼側の端末に提示する。記憶部15は、電話番号毎にプレゼンス情報を記憶する記憶装置である。
【0020】
各端末2、3、4は、ユーザが入力するプレゼンス情報および発呼指示などを受け付ける入力部と、電話を掛けた相手の端末(着呼側の端末)のプレゼンス情報を表示する表示部とを有する端末である。以下の説明では、便宜上、端末2をプレゼンス情報を入力する第1の発呼側の端末、端末3をプレゼンス情報の表示および発呼の選択をするための第2の発呼側の端末、端末4を端末2、3から発呼される相手先の着呼側の端末として説明する。なお、各端末2、3、4は、例えばPC、電話機などを用いることができる。
【0021】
上記説明した主装置1は、例えば、CPUと、メモリと、HDD等の外部記憶装置と、入力装置と、出力装置とを備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた主装置1用のプログラムを実行することにより、主装置1の各機能が実現される。また、主装置1用のプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
【0022】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0023】
図2は、本実施形態における、相手先のプレゼンス情報を入力する際の処理および操作を示すフローチャートである。図1においては、端末2が端末4に発呼した時に行われる処理と操作である。
【0024】
S11で、端末2は、ユーザの指示を受け付けて相手先である端末4の電話番号を指定して発呼を行う。
【0025】
S12で、主装置1のプレゼンス情報取得部12は、端末2の呼が終了した後、呼の状態に応じて、発呼側の端末2に対して、着呼側の端末4のプレゼンス情報の入力を促す。
【0026】
S13は、呼が通常の状態で終了した際に行う処理と操作である。通常呼は、相手先でオフフックされた後、ある一定の時間以上セッション(呼)が継続した場合である。主装置1のプレゼンス情報取得部12は、セッションが終了した後(すなわち、端末2のユーザがオンフックした後)、端末2の表示部(ディスプレイ)に、相手先端末4の現在のプレゼンス情報の入力を促すプレゼンス情報入力画面を表示する。
【0027】
図3は、プレゼンス情報入力画面の一例を示す図である。プレゼンス情報入力画面には、複数のプレゼンス情報の候補が表示されている。本実施形態のプレゼンス情報取得部12は、最も想定される可能性が高いプレゼンス情報を第1の選択候補として強調表示する画面を生成するものとする。
【0028】
S13の場合、通常の通話(すなわち、相手先の端末の目的とするユーザが在席し、当該ユーザとの通話)が行われた可能性が高いので、プレゼンス情報取得部12は、画面に表示される複数のプレゼンス情報の中で「3 在席」を第1の選択候補として強調表示し、ユーザの入力を容易にする。図3では、「3 在席」が強調表示されており、S13の通常呼の場合の表示例である。ユーザは、相手先の端末4のユーザと通話した場合には、「3 在席」のプレゼンス情報を入力し、操作を終える。
【0029】
これにより、端末2は、ユーザが入力したプレゼンス情報を主装置1に送信し、プレゼンス情報取得部12は当該プレゼンス情報を記憶部15に記憶する。このとき、プレゼンス情報取得部12は、プレゼンス情報とともに、現在の時刻情報、相手先の端末4の電話番号を記憶部15に記憶する。また、端末2の電話番号も、記憶部15に記憶することとしてもよい。
【0030】
なお、この場合、「不在」などの特別なプレゼンス情報を入力する必要がないので、ユーザは、「0 (プレゼンス情報を)登録しない」を入力してもよい。また、ユーザが情報を入力せずに終了することも想定される。選択が行われなかった場合には、プレゼンス情報取得部12は、時限を切って(ある一定時間のタイマを設定して)、「0 登録しない」が選択されたものと見なして通常の画面に戻るものとしてよい。この場合、プレゼンス情報取得部12は、記憶部15へのプレゼンス情報の記憶を行わない。
【0031】
また、S13において、プレゼンス情報取得部12が通常呼であると判別した場合においても、相手先端末4の代理の者が受話器を上げ伝言を受け付けるなどした場合、実質的には相手先は離席中であるので、ユーザは、「2 離席」のプレゼンス情報を入力し、操作を終える。
【0032】
S14は、セッションが所定の時間より短い時間(短時間)で終了した場合に行う処理と操作である。すなわち、主装置1のプレゼンス情報取得部12は、所定の時間より短い時間でオンフックされた場合、「短時間呼」であると判別する。このような短い通話の場合、期待していた相手が不在であることが想定される。プレゼンス情報取得部12は、セッションが終了した後(すなわち、端末2のユーザがオンフックした後)、端末2の表示部に、プレゼンス情報入力画面(図3参照)を表示する。この場合、プレゼンス情報取得部12は、プレゼンス情報入力画面に表示される複数のプレゼンス情報の中で「2 離席」を第1の選択候補として強調表示し、ユーザの入力を容易にする。本実施形態における「離席」は、相手先の端末4でオフフックはされたが、本人ではなく別の者が代理で通話し、所望の相手は不在である状態を示すものである。ユーザは、相手先の状態を示すプレゼンス情報を入力し、操作を終える。
【0033】
これにより、端末2は、ユーザが入力したプレゼンス情報を主装置1に送信し、プレゼンス情報取得部12は当該プレゼンス情報を記憶部15に記憶する。このとき、プレゼンス情報取得部12は、プレゼンス情報とともに、現在の時刻情報、相手先の端末4の電話番号、端末2の電話番号などを記憶部15に記憶する。また、プレゼンス情報取得部12は、端末2からのプレゼンス情報の入力がない場合は、所定の時間が経過すると「0 登録しない」が選択されたものと見なして通常の画面に戻るものとしてもよい。
【0034】
S15は、相手先の端末4が受話器を上げる(オフフックする)前に、発呼側の端末2が諦めて呼を切断した場合に行う処理と操作である。リンギングを続けても相手側でオフフックされることがないため、諦めて端末2のユーザがオンフックした場合である。この場合、主装置1のプレゼンス情報取得部12は、「呼放棄」であると判別する。このように相手側でオフフックされない場合は、相手先が不在であることが想定される。プレゼンス情報取得部12は、セッションが終了した後(すなわち、端末2のユーザがオンフックした後)、端末2の表示部にプレゼンス情報入力画面(図3参照)を表示し、この場合、画面に表示される複数のプレゼンス情報の中で「1 不在」を第1の選択候補として強調表示し、ユーザの入力を容易にする。ユーザは、相手先の状態を示すプレゼンス情報を入力し、操作を終える。
【0035】
これにより、端末2は、ユーザが入力したプレゼンス情報を主装置1に送信し、プレゼンス情報取得部12は当該プレゼンス情報を記憶部15に記憶する。このとき、プレゼンス情報取得部12は、プレゼンス情報とともに、現在の時刻情報、相手先の端末4の電話番号、端末2の電話番号などを記憶部15に記憶する。また、プレゼンス情報取得部12は、端末2からのプレゼンス情報の入力がない場合は、所定の時間が経過すると「0 登録しない」が選択されたものと見なして通常の画面に戻るものとしてもよい。
【0036】
また、端末2のユーザが発呼直後に相手先の電話番号を間違えたことに気づき慌てて切断した場合なども、「呼放棄」に該当する。この場合、端末2のユーザは、「0 登録しない」または、プレゼンス情報の入力を行わず、操作を終了する。
【0037】
なお、ユーザは、プレゼンス情報入力画面において、表示されていない(候補に挙がっていない)プレゼンス情報を入力することもできる。この場合、図3に示す例では、選択肢の「5」を選択し、所望のプレゼンス情報(例えば、「退社」など)を端末2から入力する。過去に入力されたプレゼンス情報は、図3に示す選択肢「4」のように、プレゼンス情報の選択候補として提示されるようにしてもよい。また、ある端末2で新たに入力され追加されたプレゼンス情報を、同じ電話システムの利用者同士で共有し、他の端末にプレゼンス情報入力画面を提示する際に当該追加されたプレゼンス情報を表示するようにしてもよい。
【0038】
また、相手先の端末4が話中の場合、プレゼンス情報取得部12は、プレゼンス情報入力画面を端末2に提示して、端末2のユーザにプレゼンス情報の入力を促すことなく、プレゼンス情報取得部12が「話中」のプレゼンス情報、端末2がオンフックした時刻情報、相手先の端末4の電話番号、端末2の電話番号などを記憶部15に記憶する。
【0039】
図4は、端末3の発呼時に、今電話を掛けようとしている相手先の端末4(着呼側の端末)の直近のプレゼンス情報を主装置1が端末3に提示する処理を示すフローチャートである。
【0040】
S21で、端末3は、ユーザにより入力された相手先の端末4の電話番号を受け付け、主装置1に送信する。
【0041】
S22で、主装置1の検索部13は、記憶部15を参照し、S21で入力された電話番号の直近のプレゼンス情報を検索する。そして、主装置1のプレゼンス情報提示部14は、検索した直近のプレゼンス情報に基づいてプレゼンス情報提示画面を生成し、端末3に提示する。
【0042】
図5は、端末3の表示部に表示されるプレゼンス情報提示画面の一例を示す図である。図示する提示画面は、プレゼンス情報と、現時点から見て何分前に図2の処理でプレゼンス情報が入力されたかの時間と、当該プレゼンス情報を入力した端末(発呼側の端末)の電話番番号(内線番号)とが表示されている。また、図示するプレゼンス情報提示画面では、所定の単位(例えば、5分単位)で区切りを入れてカテゴライズし、プレゼンス情報を表示している。また、図示するプレゼンス情報提示画面では、直近のプレゼンス情報として、現時点から所定の時間さかのぼった間に入力されたプレゼンス情報を新しいものから順に表示する。
【0043】
図中の「退社」51は、プレゼンス情報の入力時に、ユーザが自ら入力したプレゼンス情報の例である。「話中」52は、相手先の端末4が話中で呼が成立しなかったことを示し、この場合、「話中」のプレゼンス情報は、主装置1が記憶部15に登録する。「離席」53は、その時に相手先の端末4において本人ではなく代理の者と通話したことを示す。「不在」54は、その時に相手先の端末4においてオフフックされなかったことを示す。
【0044】
なお、プレゼンス情報提示部14は、記憶部15に記憶されたプレゼンス情報の中から、結果的には電話ができなかったことを示す「離席」、「不在」など「在席」以外のプレゼンス情報のみを設定したプレゼンス情報提示画面を生成することとしてもよい。
【0045】
S23で、端末3から発呼しようとするユーザは、提示された情報に基づいて、このまま発呼するか、または発呼をキャンセルするかを決定し、「発呼」(発呼指示)または「発呼のキャンセル」のいずれかの操作を入力する。図5に示すプレゼンス情報提示画面では、「1 発呼」または「2 キャンセル」のいずれかを入力する。
【0046】
例えば図5に示すプレゼンス情報提示画面の場合、ユーザは、最も直近のプレゼンス情報である「退社」から判断して、このまま電話を掛けても本人とは話す可能性が低いことを知り、電話を掛けることを諦め、「2 キャンセル」を入力することが考えられる。あるいは、ユーザは、本人は居なくても、同じ部署の他の人への伝言を所望する場合は、「1 発呼」を入力し、発呼を継続することも考えられる。
【0047】
S24は、S23でユーザが「発呼」を選択した場合の処理である。これにより、主装置1の呼処理部11は、S21で入力された端末4の電話番号に発呼する。そして、呼の終了後に図2のS12に進み、主装置1のプレゼンス情報取得部12は、プレゼンス情報入力画面(図3参照)を生成し、端末3に表示する。
【0048】
S25は、S23でユーザが発呼の「キャンセル」を選択した場合の処理であり。この場合、主装置1の呼処理部11は、発呼を行うことなく処理を終了する。
【0049】
以上説明した本実施形態では、電話を掛けたユーザ(発呼側の端末のユーザ)が、電話を掛けた後に相手先の端末(着呼側の端末)のプレゼンス情報を入力して、記憶部に記憶し、その後、新たに電話を掛けようとするユーザに、記憶部に記憶された相手先の端末のプレゼンス情報を提示する。
【0050】
すなわち、本実施形態では、自分のプレゼンス情報を自ら入力することなく、電話を掛けてきたユーザ(発呼側の端末のユーザ)が、呼の終了後に簡易な方法で電話を掛けた相手(着呼側端末のユーザ)の状況を入力する。これにより、本実施形態では、プレゼンス情報の入力負荷を軽減し、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、電話をこれから掛けようとする相手先の現在の状況、即ち、プレゼンス情報を提示することにより、電話をこれから掛けようとする者にとって、不要な行為、即ち、電話を掛けても相手が不在などであった(空振り)となることを防ぐことができる。これにより、本実施形態では、電話によるコミュニケーションにおいて、無駄なトランザクション(不在かどうかを確かめるために電話を掛けること、不在である旨を掛かってきた電話の相手に伝えること、またそれらを複数回行うこと、等)をなくして、業務効率を向上させることができる。
【0052】
このように、本実施形態は、プレゼンス情報をWeb2.0におけるCGM(Consumer Generated Media)のようなスタンスで入力することによってそのCGMを他者が閲覧する形態を実現するものである。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、図2のS13の場合、「在席」のプレゼンス情報を記憶部15に記憶することとしたが、図5に示すプレゼンス情報提示画面において、「在席」以外のプレゼンス情報(結果的に電話ができなかったことを示す情報)のみを表示する場合は、「在席」のプレゼンス情報は記憶部15に記憶しないこととしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1:主装置
11:呼処理部
12:プレゼンス情報取得部
13:検索部
14:プレゼンス情報提示部
15:記憶部
2、3:端末(発呼側端末)
4:端末(着呼側端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主装置と複数の端末とを有する電話システムにおける前記主装置であって、
発呼端末から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、前記着呼端末の電話番号とともに記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段と、
発呼端末から着呼端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、前記着呼端末の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を前記記憶手段から検索し、検索したプレゼンス情報を前記発呼端末に提示するプレゼンス情報提示手段と、を有すること
を特徴とする主装置。
【請求項2】
請求項1記載の主装置であって、
前記発呼要求を送信した発呼端末から発呼指示を受信すると、当該発呼要求で指定された着呼端末の電話番号に発呼する呼処理手段と、をさらに有すること
を特徴とする主装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の主装置であって、
前記プレゼンス情報取得手段は、呼の終了時の状態に基づいて、最も可能性の高い着呼端末のプレゼンス情報を推定し、推定したプレゼンス情報を強調したプレゼンス情報入力画面を前記発呼端末に表示すること
を特徴とする主装置。
【請求項4】
主装置と複数の端末とを有する電話システムであって、
前記主装置は、
発呼端末から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、前記着呼端末の電話番号とともに記憶手段に記憶するプレゼンス情報取得手段と、
発呼端末から着呼端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、前記着呼端末の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を前記記憶手段から検索し、検索したプレゼンス情報を前記発呼端末に提示するプレゼンス情報提示手段と、を有し、
前記発呼端末は、
呼の終了後に入力された着呼端末のプレセンス情報を、前記主装置に送信する入力手段と、
発呼要求後に前記主装置から送信された着呼端末の直近のプレゼンス情報を表示する表示手段と、を有すること
を特徴とする電話システム。
【請求項5】
主装置と複数の端末とを有する電話システムにおける前記主装置が行うプレゼンス情報共有方法であって、
前記主装置は、
発呼端末から入力された着呼端末のプレゼンス情報を受信し、前記着呼端末の電話番号とともに記憶部に記憶するプレゼンス情報取得ステップと、
発呼端末から着呼端末の電話番号を指定した発呼要求を受信すると、前記着呼端末の電話番号に対応する直近のプレゼンス情報を前記記憶部から検索し、検索したプレゼンス情報を前記発呼端末に提示するプレゼンス情報提示ステップと、を行うこと
を特徴とするプレゼンス情報共有方法。
【請求項6】
請求項5記載のプレゼンス情報共有方法であって、
前記プレゼンス情報提示ステップの後に、前記発呼要求を送信した発呼端末から発呼指示を受信すると、当該発呼要求で指定された着呼端末の電話番号に発呼する呼処理ステップと、をさらに有すること
を特徴とするプレゼンス情報共有方法。
【請求項7】
請求項5または6記載のプレゼンス情報共有方法であって、
前記プレゼンス情報取得ステップは、呼の終了時の状態に基づいて、最も可能性の高い着呼端末のプレゼンス情報を推定し、推定したプレゼンス情報を強調したプレゼンス情報入力画面を前記発呼端末に表示すること
を特徴とするプレゼンス情報共有方法。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のプレゼンス情報共有方法をコンピュータに実行させるためのプレゼンス情報共有プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−46109(P2013−46109A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180813(P2011−180813)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】