乗り物用熱交換モジュール
【課題】凝縮器またはラジエータの要素を除去することが必要なときに、除去される必要のない要素の回路を排出する必要がない乗り物用熱交換モジュールを提供する。
【解決手段】ラジエータ14は、2つの上部の垂直のピン26を有し、このピン26は、送風機アセンブリ20の支持本体34に設けられたそれぞれの穴に係合される。一対の第1のブラケット42は、送風機アセンブリ20の支持本体34の裏面に置かれ、第1のブラケット42は、送風機アセンブリ20の支持本体34の下部に、水平のネジ44によって固定され、ラジエータ14および中間冷却器18は、第1のブラケット42に、ネジ46によって固定される。一対の第2のブラケット52は、中間冷却器18に固定され、第2のブラケット52は、それぞれの垂直のピン56を設け、このピン56は、凝縮器16の分配器28の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合される。凝縮器16は、水平のネジ60によりラジエータ14に固定される。
【解決手段】ラジエータ14は、2つの上部の垂直のピン26を有し、このピン26は、送風機アセンブリ20の支持本体34に設けられたそれぞれの穴に係合される。一対の第1のブラケット42は、送風機アセンブリ20の支持本体34の裏面に置かれ、第1のブラケット42は、送風機アセンブリ20の支持本体34の下部に、水平のネジ44によって固定され、ラジエータ14および中間冷却器18は、第1のブラケット42に、ネジ46によって固定される。一対の第2のブラケット52は、中間冷却器18に固定され、第2のブラケット52は、それぞれの垂直のピン56を設け、このピン56は、凝縮器16の分配器28の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合される。凝縮器16は、水平のネジ60によりラジエータ14に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗り物用熱交換モジュールに関し、乗り物の前部に取り付けられ、さらに、ラジエータ、ラジエータの前面に面するエアコン、凝縮器およびラジエータの真下に位置した中間冷却器、および、ラジエータの裏面に面する送風機アセンブリを備え、さらに、少なくとも1つの扇風機を支える支持本体を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
乗り物の凝縮器およびラジエータを交換するまたは除去することが必要なときに、ラジエータの場合はエンジン冷却液の回路を排出し、凝縮器の場合は冷却液の回路を排出することが必要である。
【0003】
乗り物用熱交換モジュールにおいて、凝縮器およびラジエータは、お互いから独立して取り外すことができることを保証する必要性があり、2つの要素のうちの1つの要素だけを除去しなければならないときに、両方の要素の液体の回路を空にしなければならないことを回避するためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、単純な方法で、固定要素の数を減少させ、前述の必要性を満たすことを可能にする熱交換モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この発明の乗り物用熱交換モジュールは、
2つの垂直で並列の収集タンクを有するラジエータと、
2つの並列の垂直の分配器を有すると共に上記ラジエータの前面に面する凝縮器と、
上記凝縮器および上記ラジエータの真下に位置した中間冷却器と、
上記ラジエータの裏面に面すると共に少なくとも1つの扇風機を支える支持本体を含む送風機アセンブリと
を備え、
上記ラジエータは、2つの上部の垂直のピンを有し、このピンは、上記送風機アセンブリの上記支持本体に設けられたそれぞれの穴に係合され、
一対の第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の裏面に置かれ、上記第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の下部に、水平のネジによって固定され、上記ラジエータおよび上記中間冷却器は、上記第1のブラケットに、ネジによって固定され、
一対の第2のブラケットは、上記中間冷却器に固定され、上記第2のブラケットは、それぞれの垂直のピンを設け、このピンは、上記凝縮器の上記分配器の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合され、
上記凝縮器は、水平のネジにより上記ラジエータに固定されることを特徴としている。
【0006】
また、一実施形態の乗り物用熱交換モジュールでは、上記ラジエータは、一対のコッターピンによって、保持され、このコッターピンは、上記凝縮器の除去の間に上記垂直のピンに係合される。
【0007】
また、一実施形態の乗り物用熱交換モジュールでは、上記凝縮器は、上記ラジエータの分解の間に補助的なツールによって保持される。
【発明の効果】
【0008】
この発明の乗り物用熱交換モジュールによれば、上記ラジエータは、2つの上部の垂直のピンを有し、このピンは、上記送風機アセンブリの上記支持本体に設けられたそれぞれの穴に係合され、一対の第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の裏面に置かれ、上記第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の下部に、水平のネジによって固定され、上記ラジエータおよび上記中間冷却器は、上記第1のブラケットに、ネジによって固定され、一対の第2のブラケットは、上記中間冷却器に固定され、上記第2のブラケットは、それぞれの垂直のピンを設け、このピンは、上記凝縮器の上記分配器の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合され、上記凝縮器は、水平のネジにより上記ラジエータに固定されるので、上記凝縮器または上記ラジエータの要素を除去することが必要なときに、除去される必要のない要素の回路を排出する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0010】
図1、2に関して、番号10は、乗り物用熱交換モジュールを示し、乗り物の前部構造体に備えられた支持体12に固定される。
【0011】
特に図2に関して、熱交換モジュール10は、エンジンを冷やすためのラジエータ14、乗り物の空調装置の中に備えられた凝縮器16、エンジンによって吸引された空気の流れを冷やすための中間冷却器18、および、送風機アセンブリ20を備える。
【0012】
上記ラジエータ14は、熱交換芯24の両端部分で延在する2つの収集タンクを有する。この収集タンク22は、好ましくはプラスチック材料で構成され、それらの上端部で2本の垂直のピン26を設けている。
【0013】
上記凝縮器16は、上記ラジエータ14の前面に面し、熱交換芯30の両端部分に位置した2つの垂直の分配器28を備える。
【0014】
上記中間冷却器18は、上記凝縮器16および上記ラジエータ14の真下に位置していて、2つの側面のマニホルド32を備える。
【0015】
図2、3に関して、上記送風機アセンブリ20は、支持本体34を備え、この支持本体34は、プラスチック材料で作られ、長方形枠体の形状を実質的に有する。上記支持本体34は、上記ラジエータ14の裏面に面する正面を有する。上記支持本体34は、1つ以上の扇風機36を支える。図示する実施形態において、2つの扇風機36が設けられ、上記ラジエータ14の上記熱交換芯24、および、上記凝縮器16の上記熱交換芯30に直交する空気の流れを作成することができる。上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34は、その上部の頂点に位置した2つの一体的なアーム38を備える。上記支持本体34の上記一体的なアーム38は、垂直軸を備えたそれぞれの穴40を設け、この穴40は、上記ラジエータ14の上記収集タンク22の上部から突出しているピン26を受け入れることができる。
【0016】
上記熱交換モジュール10の要素が互いに組み立てられ固定される方法は、下記に述べられる。
【0017】
上記ラジエータ14は、上記ラジエータ14の上記垂直ピン26を、上記支持本体34(図2、3)の上記一体的なアーム38の上記穴40に挿入して、上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に取り付けられる。一対の第1の固定ブラケット42は、上記支持本体34の下側部に固定される。上記第1のブラケット42は、上記支持本体34の後側面上に取り付けられ、横断方向で上記支持本体34の外部の方へ突出する。
【0018】
図2、4、5、6に関して、上記中間冷却器18は、上記ラジエータ14の真下で上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に置かれる。上記ラジエータ14および上記中間冷却器18は、両方とも、2つの水平のネジ46を用いて、上記第1のブラケット42に固定される。図6の細部の中で特に示されるように、各ネジ46は、上記第1のブラケット42、上記中間冷却器18の上記マニホルド32から突出する耳48、および、上記ラジエータ14の上記収集タンク22から突出する耳50に、係合する。したがって、上記第1のブラケット42、および、上記ネジ44,46を用いて、上記ラジエータ14および上記中間冷却器18は、上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に完全に固定される。
【0019】
この時点で、上記凝縮器16は、モジュールの他の要素に対して、位置され固定される。
【0020】
特に図2、9に関して、一対の第2の固定ブラケット52は、上記中間冷却器18の上記マニホルド32に固定される。各第2のブラケット52は、水平のネジ54を用いて、上記中間冷却器のそれぞれのマニホルド32に固定される。図2、6の中で示されるように、各第2のブラケット52は、垂直のピン56を設け、この垂直ピン56は、上記凝縮器16のそれぞれの分配器28の下端で弁座に差し込まれる。好ましくは、上記ピン56と上記分配器28の弁座との間に、制振材料の要素が置かれる。
【0021】
図7、8に関して、上記凝縮器16は、上記分配器58の上部端に溶接された2つの金属フランジ58を設けている。上記フランジ58は、上記分配器28に対して、横断方向外側に突出する。各フランジ58は、水平のネジ60を用いて、上記ラジエータ14の対応する上記収集タンク22に、固定される。上記ネジ60は、上記熱交換モジュール10への上記凝縮器16の固定を完成する。
【0022】
図1で示されるように、上記完全な熱交換モジュールは、垂直のネジ62を用いて、上記支持体12に固定され、このネジ62は、上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34中に設けられた穴に係合される。
【0023】
上記モジュール10は上記支持体12に固定されるという状態から開始すると、上記ラジエータ14または上記凝縮器16をお互いから独立して除去することは可能である。
【0024】
上記凝縮器16だけを除去するために、下記手順が行なわれる。
【0025】
図10に示されるように、上記ラジエータ14の上記垂直のピン26の各々に、コッターピン64が適用される。そして、上記支持体12の前部から作用して、上記凝縮器16の上記フランジ58を上記ラジエータ14の上記収集タンク22に固定するネジ60が、除去される。その後、上記熱交換モジュールの後部から作用して、上記中間冷却器18および上記ラジエータ14を上記第1のブラケット42に固定するネジが、除去される。その後、上記中間冷却器18は除去され、また、上記凝縮器16は下方移動により引き抜かれる。上記ラジエータ14を上記中間冷却器18に固定する上記ネジ46を上記支持本体34から除去した後、上記ラジエータ14は上記コッターピン64によって支持される。
【0026】
上記ラジエータ14だけを除去するために、下記手順が行なわれる。
【0027】
図10〜13に関して、上記支持体12は、その前方の前部に、穴66を設け、この穴66は、上記凝縮器16のそれぞれの上記分配器28に固定された上記金属フランジ58の穴68に面する。図11、12、13に示されるように、ツール70は、それぞれの構造の穴66、68へ差し込まれる。
【0028】
その後、上記凝縮器16を上記ラジエータ14に固定する上部のネジ60と、上記ラジエータ14および上記中間冷却器18を上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に固定する下部のネジ46とは、ネジを抜かれ、上記中間冷却器18が除去される。この時点で、上記第1のブラケット42は、上記ネジ44を除去して、除去され、また、上記ラジエータ14は、下方移動により引き抜かれる。上記凝縮器16は、上記ツール70によって位置を保持される。
【0029】
上記説明から、固定要素の数を減少させながら、乗り物の正面の熱交換モジュールの要素をすべてお互いに固定することは可能であり、また、上記凝縮器および上記ラジエータをお互いから独立して除去することは可能であることは、容易に明白である。したがって、上記凝縮器または上記ラジエータを除去することが必要なときに、除去される必要のない要素の回路を排出する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、乗り物の構造に備えられた支持材に面している本発明の熱交換モジュールについての部分的な分解図である。
【図2】図2は、図1の熱交換モジュールの分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の熱交換モジュールの送風機アセンブリの斜視図である。
【図4】図4は、送風機アセンブリの横から見られた熱交換モジュールの斜視図である。
【図5】図5は、図4において矢印Vによって示された細部の拡大斜視図である。
【図6】図6は、図5において矢印VIで示された方向において観察された図5の細部の斜視図である。
【図7】図7は、図1の矢印VIIによる本発明の熱交換モジュールについての正面図である。
【図8】図8は、図7において矢印VIIIによって示された細部の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図7において矢印IXによって示された細部の拡大斜視図である。
【図10】図10は、凝縮器の分解工程の細部を示す斜視図である。
【図11】図11は、ラジエータの分解の1工程を示す斜視図である。
【図12】図12は、図11において矢印XIIによって示された方向の斜視図である。
【図13】図13は、図11のXIII−XIII線により区分された斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
14 ラジエータ
16 凝縮器
18 中間冷却器
20 送風機アセンブリ
22 収集タンク
26 垂直のピン
28 分配器
34 支持本体
36 扇風機
40 穴
42 第1のブラケット
44 ネジ
46 ネジ
52 第2のブラケット
56 垂直のピン
60 ネジ
64 コッターピン
70 ツール
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗り物用熱交換モジュールに関し、乗り物の前部に取り付けられ、さらに、ラジエータ、ラジエータの前面に面するエアコン、凝縮器およびラジエータの真下に位置した中間冷却器、および、ラジエータの裏面に面する送風機アセンブリを備え、さらに、少なくとも1つの扇風機を支える支持本体を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
乗り物の凝縮器およびラジエータを交換するまたは除去することが必要なときに、ラジエータの場合はエンジン冷却液の回路を排出し、凝縮器の場合は冷却液の回路を排出することが必要である。
【0003】
乗り物用熱交換モジュールにおいて、凝縮器およびラジエータは、お互いから独立して取り外すことができることを保証する必要性があり、2つの要素のうちの1つの要素だけを除去しなければならないときに、両方の要素の液体の回路を空にしなければならないことを回避するためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、単純な方法で、固定要素の数を減少させ、前述の必要性を満たすことを可能にする熱交換モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この発明の乗り物用熱交換モジュールは、
2つの垂直で並列の収集タンクを有するラジエータと、
2つの並列の垂直の分配器を有すると共に上記ラジエータの前面に面する凝縮器と、
上記凝縮器および上記ラジエータの真下に位置した中間冷却器と、
上記ラジエータの裏面に面すると共に少なくとも1つの扇風機を支える支持本体を含む送風機アセンブリと
を備え、
上記ラジエータは、2つの上部の垂直のピンを有し、このピンは、上記送風機アセンブリの上記支持本体に設けられたそれぞれの穴に係合され、
一対の第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の裏面に置かれ、上記第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の下部に、水平のネジによって固定され、上記ラジエータおよび上記中間冷却器は、上記第1のブラケットに、ネジによって固定され、
一対の第2のブラケットは、上記中間冷却器に固定され、上記第2のブラケットは、それぞれの垂直のピンを設け、このピンは、上記凝縮器の上記分配器の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合され、
上記凝縮器は、水平のネジにより上記ラジエータに固定されることを特徴としている。
【0006】
また、一実施形態の乗り物用熱交換モジュールでは、上記ラジエータは、一対のコッターピンによって、保持され、このコッターピンは、上記凝縮器の除去の間に上記垂直のピンに係合される。
【0007】
また、一実施形態の乗り物用熱交換モジュールでは、上記凝縮器は、上記ラジエータの分解の間に補助的なツールによって保持される。
【発明の効果】
【0008】
この発明の乗り物用熱交換モジュールによれば、上記ラジエータは、2つの上部の垂直のピンを有し、このピンは、上記送風機アセンブリの上記支持本体に設けられたそれぞれの穴に係合され、一対の第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の裏面に置かれ、上記第1のブラケットは、上記送風機アセンブリの上記支持本体の下部に、水平のネジによって固定され、上記ラジエータおよび上記中間冷却器は、上記第1のブラケットに、ネジによって固定され、一対の第2のブラケットは、上記中間冷却器に固定され、上記第2のブラケットは、それぞれの垂直のピンを設け、このピンは、上記凝縮器の上記分配器の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合され、上記凝縮器は、水平のネジにより上記ラジエータに固定されるので、上記凝縮器または上記ラジエータの要素を除去することが必要なときに、除去される必要のない要素の回路を排出する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0010】
図1、2に関して、番号10は、乗り物用熱交換モジュールを示し、乗り物の前部構造体に備えられた支持体12に固定される。
【0011】
特に図2に関して、熱交換モジュール10は、エンジンを冷やすためのラジエータ14、乗り物の空調装置の中に備えられた凝縮器16、エンジンによって吸引された空気の流れを冷やすための中間冷却器18、および、送風機アセンブリ20を備える。
【0012】
上記ラジエータ14は、熱交換芯24の両端部分で延在する2つの収集タンクを有する。この収集タンク22は、好ましくはプラスチック材料で構成され、それらの上端部で2本の垂直のピン26を設けている。
【0013】
上記凝縮器16は、上記ラジエータ14の前面に面し、熱交換芯30の両端部分に位置した2つの垂直の分配器28を備える。
【0014】
上記中間冷却器18は、上記凝縮器16および上記ラジエータ14の真下に位置していて、2つの側面のマニホルド32を備える。
【0015】
図2、3に関して、上記送風機アセンブリ20は、支持本体34を備え、この支持本体34は、プラスチック材料で作られ、長方形枠体の形状を実質的に有する。上記支持本体34は、上記ラジエータ14の裏面に面する正面を有する。上記支持本体34は、1つ以上の扇風機36を支える。図示する実施形態において、2つの扇風機36が設けられ、上記ラジエータ14の上記熱交換芯24、および、上記凝縮器16の上記熱交換芯30に直交する空気の流れを作成することができる。上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34は、その上部の頂点に位置した2つの一体的なアーム38を備える。上記支持本体34の上記一体的なアーム38は、垂直軸を備えたそれぞれの穴40を設け、この穴40は、上記ラジエータ14の上記収集タンク22の上部から突出しているピン26を受け入れることができる。
【0016】
上記熱交換モジュール10の要素が互いに組み立てられ固定される方法は、下記に述べられる。
【0017】
上記ラジエータ14は、上記ラジエータ14の上記垂直ピン26を、上記支持本体34(図2、3)の上記一体的なアーム38の上記穴40に挿入して、上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に取り付けられる。一対の第1の固定ブラケット42は、上記支持本体34の下側部に固定される。上記第1のブラケット42は、上記支持本体34の後側面上に取り付けられ、横断方向で上記支持本体34の外部の方へ突出する。
【0018】
図2、4、5、6に関して、上記中間冷却器18は、上記ラジエータ14の真下で上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に置かれる。上記ラジエータ14および上記中間冷却器18は、両方とも、2つの水平のネジ46を用いて、上記第1のブラケット42に固定される。図6の細部の中で特に示されるように、各ネジ46は、上記第1のブラケット42、上記中間冷却器18の上記マニホルド32から突出する耳48、および、上記ラジエータ14の上記収集タンク22から突出する耳50に、係合する。したがって、上記第1のブラケット42、および、上記ネジ44,46を用いて、上記ラジエータ14および上記中間冷却器18は、上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に完全に固定される。
【0019】
この時点で、上記凝縮器16は、モジュールの他の要素に対して、位置され固定される。
【0020】
特に図2、9に関して、一対の第2の固定ブラケット52は、上記中間冷却器18の上記マニホルド32に固定される。各第2のブラケット52は、水平のネジ54を用いて、上記中間冷却器のそれぞれのマニホルド32に固定される。図2、6の中で示されるように、各第2のブラケット52は、垂直のピン56を設け、この垂直ピン56は、上記凝縮器16のそれぞれの分配器28の下端で弁座に差し込まれる。好ましくは、上記ピン56と上記分配器28の弁座との間に、制振材料の要素が置かれる。
【0021】
図7、8に関して、上記凝縮器16は、上記分配器58の上部端に溶接された2つの金属フランジ58を設けている。上記フランジ58は、上記分配器28に対して、横断方向外側に突出する。各フランジ58は、水平のネジ60を用いて、上記ラジエータ14の対応する上記収集タンク22に、固定される。上記ネジ60は、上記熱交換モジュール10への上記凝縮器16の固定を完成する。
【0022】
図1で示されるように、上記完全な熱交換モジュールは、垂直のネジ62を用いて、上記支持体12に固定され、このネジ62は、上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34中に設けられた穴に係合される。
【0023】
上記モジュール10は上記支持体12に固定されるという状態から開始すると、上記ラジエータ14または上記凝縮器16をお互いから独立して除去することは可能である。
【0024】
上記凝縮器16だけを除去するために、下記手順が行なわれる。
【0025】
図10に示されるように、上記ラジエータ14の上記垂直のピン26の各々に、コッターピン64が適用される。そして、上記支持体12の前部から作用して、上記凝縮器16の上記フランジ58を上記ラジエータ14の上記収集タンク22に固定するネジ60が、除去される。その後、上記熱交換モジュールの後部から作用して、上記中間冷却器18および上記ラジエータ14を上記第1のブラケット42に固定するネジが、除去される。その後、上記中間冷却器18は除去され、また、上記凝縮器16は下方移動により引き抜かれる。上記ラジエータ14を上記中間冷却器18に固定する上記ネジ46を上記支持本体34から除去した後、上記ラジエータ14は上記コッターピン64によって支持される。
【0026】
上記ラジエータ14だけを除去するために、下記手順が行なわれる。
【0027】
図10〜13に関して、上記支持体12は、その前方の前部に、穴66を設け、この穴66は、上記凝縮器16のそれぞれの上記分配器28に固定された上記金属フランジ58の穴68に面する。図11、12、13に示されるように、ツール70は、それぞれの構造の穴66、68へ差し込まれる。
【0028】
その後、上記凝縮器16を上記ラジエータ14に固定する上部のネジ60と、上記ラジエータ14および上記中間冷却器18を上記送風機アセンブリ20の上記支持本体34に固定する下部のネジ46とは、ネジを抜かれ、上記中間冷却器18が除去される。この時点で、上記第1のブラケット42は、上記ネジ44を除去して、除去され、また、上記ラジエータ14は、下方移動により引き抜かれる。上記凝縮器16は、上記ツール70によって位置を保持される。
【0029】
上記説明から、固定要素の数を減少させながら、乗り物の正面の熱交換モジュールの要素をすべてお互いに固定することは可能であり、また、上記凝縮器および上記ラジエータをお互いから独立して除去することは可能であることは、容易に明白である。したがって、上記凝縮器または上記ラジエータを除去することが必要なときに、除去される必要のない要素の回路を排出する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、乗り物の構造に備えられた支持材に面している本発明の熱交換モジュールについての部分的な分解図である。
【図2】図2は、図1の熱交換モジュールの分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の熱交換モジュールの送風機アセンブリの斜視図である。
【図4】図4は、送風機アセンブリの横から見られた熱交換モジュールの斜視図である。
【図5】図5は、図4において矢印Vによって示された細部の拡大斜視図である。
【図6】図6は、図5において矢印VIで示された方向において観察された図5の細部の斜視図である。
【図7】図7は、図1の矢印VIIによる本発明の熱交換モジュールについての正面図である。
【図8】図8は、図7において矢印VIIIによって示された細部の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図7において矢印IXによって示された細部の拡大斜視図である。
【図10】図10は、凝縮器の分解工程の細部を示す斜視図である。
【図11】図11は、ラジエータの分解の1工程を示す斜視図である。
【図12】図12は、図11において矢印XIIによって示された方向の斜視図である。
【図13】図13は、図11のXIII−XIII線により区分された斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
14 ラジエータ
16 凝縮器
18 中間冷却器
20 送風機アセンブリ
22 収集タンク
26 垂直のピン
28 分配器
34 支持本体
36 扇風機
40 穴
42 第1のブラケット
44 ネジ
46 ネジ
52 第2のブラケット
56 垂直のピン
60 ネジ
64 コッターピン
70 ツール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの垂直で並列の収集タンク(22)を有するラジエータ(14)と、
2つの並列の垂直の分配器(28)を有すると共に上記ラジエータ(14)の前面に面する凝縮器(16)と、
上記凝縮器(16)および上記ラジエータ(14)の真下に位置した中間冷却器(18)と、
上記ラジエータ(14)の裏面に面すると共に少なくとも1つの扇風機(36)を支える支持本体(34)を含む送風機アセンブリ(20)と
を備え、
上記ラジエータ(14)は、2つの上部の垂直のピン(26)を有し、このピン(26)は、上記送風機アセンブリ(20)の上記支持本体(34)に設けられたそれぞれの穴(40)に係合され、
一対の第1のブラケット(42)は、上記送風機アセンブリ(20)の上記支持本体(34)の裏面に置かれ、上記第1のブラケット(42)は、上記送風機アセンブリ(20)の上記支持本体(34)の下部に、水平のネジ(44)によって固定され、上記ラジエータ(14)および上記中間冷却器(18)は、上記第1のブラケット(42)に、ネジ(46)によって固定され、
一対の第2のブラケット(52)は、上記中間冷却器(18)に固定され、上記第2のブラケット(52)は、それぞれの垂直のピン(56)を設け、このピン(56)は、上記凝縮器(16)の上記分配器(28)の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合され、
上記凝縮器(16)は、水平のネジ(60)により上記ラジエータ(14)に固定されることを特徴とする乗り物用熱交換モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の乗り物用熱交換モジュールにおいて、
上記ラジエータ(14)は、一対のコッターピン(64)によって、保持され、このコッターピン(64)は、上記凝縮器(16)の除去の間に上記垂直のピン(26)に係合されることを特徴とする乗り物用熱交換モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の乗り物用熱交換モジュールにおいて、
上記凝縮器(16)は、上記ラジエータ(14)の分解の間に補助的なツール(70)によって保持されることを特徴とする乗り物用熱交換モジュール。
【請求項1】
2つの垂直で並列の収集タンク(22)を有するラジエータ(14)と、
2つの並列の垂直の分配器(28)を有すると共に上記ラジエータ(14)の前面に面する凝縮器(16)と、
上記凝縮器(16)および上記ラジエータ(14)の真下に位置した中間冷却器(18)と、
上記ラジエータ(14)の裏面に面すると共に少なくとも1つの扇風機(36)を支える支持本体(34)を含む送風機アセンブリ(20)と
を備え、
上記ラジエータ(14)は、2つの上部の垂直のピン(26)を有し、このピン(26)は、上記送風機アセンブリ(20)の上記支持本体(34)に設けられたそれぞれの穴(40)に係合され、
一対の第1のブラケット(42)は、上記送風機アセンブリ(20)の上記支持本体(34)の裏面に置かれ、上記第1のブラケット(42)は、上記送風機アセンブリ(20)の上記支持本体(34)の下部に、水平のネジ(44)によって固定され、上記ラジエータ(14)および上記中間冷却器(18)は、上記第1のブラケット(42)に、ネジ(46)によって固定され、
一対の第2のブラケット(52)は、上記中間冷却器(18)に固定され、上記第2のブラケット(52)は、それぞれの垂直のピン(56)を設け、このピン(56)は、上記凝縮器(16)の上記分配器(28)の下端部に設けられたそれぞれの弁座に係合され、
上記凝縮器(16)は、水平のネジ(60)により上記ラジエータ(14)に固定されることを特徴とする乗り物用熱交換モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の乗り物用熱交換モジュールにおいて、
上記ラジエータ(14)は、一対のコッターピン(64)によって、保持され、このコッターピン(64)は、上記凝縮器(16)の除去の間に上記垂直のピン(26)に係合されることを特徴とする乗り物用熱交換モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の乗り物用熱交換モジュールにおいて、
上記凝縮器(16)は、上記ラジエータ(14)の分解の間に補助的なツール(70)によって保持されることを特徴とする乗り物用熱交換モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−332961(P2007−332961A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150589(P2007−150589)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(502009646)デンソー・サーマル・システムズ・ソシエタ・ペル・アチオニ (9)
【氏名又は名称原語表記】DENSO THERMAL SYSTEMS Spa
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(502009646)デンソー・サーマル・システムズ・ソシエタ・ペル・アチオニ (9)
【氏名又は名称原語表記】DENSO THERMAL SYSTEMS Spa
【Fターム(参考)】
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