説明

乗り物表面処理用製品

グロスを高めるのに、そして基材を保護していくことにおいて助けるのに使用されたシラノール含有組成物を含んでいる、乗り物表面処理用製品。より特に、空気中の湿気に曝された場合、耐久コーティングを形成するよう硬化する、シラノールおよび触媒を含んでいる、乗り物処理用製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が、一般的に、グロスを高め、基材を保護していくことにおいて助けるのに使用されたシラノール含有保護剤組成物に関する。より特に、本発明が、シラノールを含んでいる、乗り物処理用製品、および、乾いた仕上がりにまで硬化させる、複数の触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
乗り物保護剤が、当業界において知られており、タイヤ、車の座席、ダッシュボード、肘掛等のような<<保護>>されているように望まれた基材に適用されている。該保護剤が、処理されているべき表面上に直接適用されていてよく、または、布、パッド、ローラー、スポンジ、もしくは同様のもの上にまず適用されていてよい。この適用の結果として該基材が、高められ、浄化され、および/または保護されている。
【0003】
自動車表面保護組成物の使用が、先行技術においてよく知られており、商標SON−OF−A−GUNTMおよびARMOR ALLTM(Armor All/STP Companyの商標)の下、販売された種々の製品の入手可能性により、商業的に実証されている。前述された複数の製品が、グロスを与える(美観特性)シリコーン油主体のスプレーがけ保護剤、ならびに、ラバー(ゴム)ポリマーおよび他の表面に対する保護フィルムを与えているものとしてよく知られている。このような保護剤製品のよく知られた使用の代表が、自動車タイヤ、ビニルトップ、ビニルダッシュボード、ビニルインテリア、ラバー(ゴム)封片、ラバー(ゴム)および/またはポリマーバンパー、および同様のもののような自動車部品上での使用、ならびに、合成ラバー(合成ゴム)、木、塗装された表面、皮革、および同様のもの上での家庭における使途を包含する。
【0004】
例えば、米国特許第3,956,174号および米国特許第4,133,921号が、各々、保存料組成物を開示し、これらが、約100〜約10,000センチストークの粘度を持っている少なくとも1種の水乳化可能有機ポリシロキサン流動体、そして該ポリシロキサン流動体の重量に基づき、約65重量%〜約5,000重量%の水、ならびに、該ポリシロキサン流動体の重量に基づき、約15重量%〜約65重量%の少なくとも1種の水混和可能ポリオール化合物を含んでいる。米国特許第4,347,333号が、シリコーン流動体、浄化溶媒、水、界面活性剤、および、該浄化溶媒に可溶であるアクリルポリマーを含有しているエマルションコーティング組成物(エマルション)を開示する。もし、該エマルションが、水中油エマルションであれば、該浄化溶媒が、約5〜65重量%の量で存在しており、もし、該エマルションが、油中水エマルションであれば、約15〜90重量%である。
【0005】
米国特許第5,433,890号が、アミノ官能基有機ポリシロキサンとポリジメチルシロキサンとの両方、摩耗抵抗性を増加させるフィルム形成ポリマー、および、該フィルム形成ポリマーを活性化させるに必要なモルホリンを含有している保護剤を開示する。
【0006】
シリコーンが、撥水コーキング剤および接着剤としても使用されてきており、ここで、縮合重合および他のタイプの反応性化学物質が、信頼されており、望まれた表面に対する接着用のこれらのコーキング剤製品および接着剤製品をセットし、もしくは、硬くさせる。米国特許第6,602,379号および米国特許第6,686,301号が、各々、アミノシランおよび有機官能基シランを含有している接着剤組成物を開示する。
【0007】
Dow Corningに帰属された米国特許第5,089,253号が、毛におけるカールを保持するように触媒されたシラノール末端ブロック化ポリジ有機シロキサン流動体を開示する。Dow Corningに帰属された米国特許第4,657,967号が、4官能基エトキシケトキシモシラン架橋化剤を含有している室温硬化組成物を開示する。米国特許第4,600,436号が、ある1乳化剤もしくは複数の乳化剤の混合物、そして任意に重合化触媒存在下、含水媒体中、ポリジ有機シロキサンを用いて調製されたアミノ官能基シリコーン研磨剤を開示する。
【0008】
加え、保護剤が、タイヤ上での使用に特に設計(デザイン)されてきている。自動車、自転車、および他の乗り物のタイヤが、道路から、埃、泥等を集め、汚れてみえなくなる。よりずっと、長期の時間、使用されていると、これらタイヤが、これらの初期のグロスを失い、例え、汚れ(dirt, soil)等なく洗われたとしても、これらが、鈍さ、および、光沢のなさを残す。例示のタイヤ処理組成物および方法が、米国特許第4,880,557号中、開示されており、そこで、タイヤ光沢洗浄剤が、シリコーン油、乳化剤、および水を含む。米国特許第5,378,271号が、乳化剤と共にシリコーン主体のポリマーを開示する。Armor Allに対する米国特許第5,518,533号が、カチオン乳化剤、修飾シリコーン、および分散剤を含んでいるタイヤ処理組成物を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの処理剤が、タイヤに良好なグロスおよび許容可能な撥水性を付与する一方、タイヤから、これらの処理剤が、雨により落とされ得、タイヤが、再適用(履き替え)を必要としながら、ずっと、装着されている。
【0010】
加え、シリコーン組成物を用いる処理が、典型的に、処理された基材にこれに触れるに湿ったもしくは<<あぶらっぽい(グリース状の)>>感じを付与する。この湿った表面が、引き続き、追加浄化および追加処理の必要にあるタイヤを置き去りにしながら、汚れもしくは埃を惹き付け得る。少なくとも、先行している複数の理由で、それに触れるに乾いて硬化する耐久可能乗り物処理製品を求める必要性が、ある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
今、驚くべきことに、大分子量シラノール末端鎖有機ポリシロキサンおよび小分子量シラノール末端鎖有機ポリシロキサンが、耐久能を増加させるのに乗り物表面上、触媒された反応中、一緒に使用され得ることが発見されてきている一方、高度なグロス仕上がりを維持している。大分子量シリコーン鎖が、よりあぶらっぽくなく(よりグリース状でなく)耐久能を有意に向上させるが、しかしながら、拡がる能力が、分子量を増加させていくに連れ、難しくなる。反応性シリコーン主体の化学物質の導入が、高分子量シリコーンポリマーの複数の有益さを獲得するある1機会を与える一方、タイヤ表面上、大きい分子を操作する必要性を取り除いている。加え、反応性化学物質が、表面上での仕上がった製品の<<あぶらっぽい(グリース状の)>>感じを抑えるよう見いだされてきており、乗り物上のもののような処理された表面、および、乗り物タイヤのような高度な量の動きを伴うもののような表面の動きによる、製品の<<振り回しによるはじきだし>>もしくは損失(ロス)を最小化させる。
【0012】
本発明が、これらの必要性(ニーズ)を満足させ、上述された複数の不利に打ち勝つ製品に向けられている。本発明が、組成物、そして使用方法を与え、本組成物が、基材、特に、ラバー(ゴム)、ガラス、ビニル、皮革、プラスチック、布、金属、コーティングされた金属、もしくはクロムのような乗り物表面に心地良い美観を付与する。処理された表面の輝きもしくはグロスが、高められており、これに触れるに乾いて硬化し、振り回しによるはじきだしを防ぎ、耐久能を向上させる。加え、本発明が、一旦乾くと、抑えられた程度のあぶらっぽさを持つ。本発明の複数の特徴を持っている、乗り物表面を処理していくに向かっての製品が:
a.シラノール流動体;
b.ある1触媒;
c.任意に、ある1溶媒;
d.任意に、架橋化剤;および
e.任意に、湿潤化剤
を含む。
【0013】
上の複数の課題、ならびに、下で述べられ、下で明らかとなる複数の課題に従い、本発明の1態様が、硬化し、表面に接着する、乗り物表面耐久可能処理剤を与えることである。
【0014】
本発明の更なる特徴および利点が、以降の記述および添付の請求項に対する参照の観点において当業者に明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
詳しく本発明を記述していく前に、本発明が、勿論変動することのある特別に例えられた系(システム)もしくはプロセスパラメーターに限られていないことが、理解されているべきである。本明細書中、使用された用語法が、本発明の特別な実施形態を記述していくとの目的だけであり、如何なる様式でも、本発明範囲を限るように意図されていないことも、理解されているべきである。
【0016】
まるで、各個々の出版物、特許、もしくは特許出願が、援用されているように、特に、そして個々に、指し示されていたかのように、本明細書中、引用された全ての出版物、特許、および特許出願が、上でも下でも、同程度にまで、これらの全体において本明細書中、援用されている。
【0017】
本明細書中、使用されたとおり、<<湿気硬化可能>>とは、本触媒化系(システム)が、湿気に曝されると、剛構造もしくは半剛構造に硬化可能であることを意味する。湿気雰囲気とは、空気中の湿気量、もしくは、相対湿度を意味する。
【0018】
本明細書およびその添付請求項において使用されたとおり、単数形の<<a>>、<<an>>、および<<the>>が、その内容が、明らかに他に書き取らなければ、複数の言及も包含することが、記されていなければならない。これゆえ、例えば、ある1種の<<シラノール>>(a silanol)もしくはある1種の<<架橋化剤>>(a crosslinking agent)に対する言及が、2種以上のこのような成分をも包含する。
【0019】
他に定義されなかったら、本明細書中、使用された全ての技術用語および科学用語が、本発明の関する当業者により共通によく理解されたのと同一の意味を持つ。本明細書中、記載されたものに似た、もしくは、これらに等価な数多くの方法および数多くの材料が、本発明の実際において使用され得るが、好ましい材料および好ましい方法が、本明細書中、記載されている。
【0020】
本適用中、有効量が、一般的に、これら記述中の成分の範囲もしくはレベルとしてリストアップされたものの量であり、ここに続く。他に述べられなかったら、百分率(%)でリストアップされた量が、合計組成物100%に基づいた重量%である。
【0021】
シラノール流動体
これら本発明組成物が、シラノール末端ブロック化ポリ有機シロキサン流動体のようなシラノール流動体を含有し、25℃において計測された約1〜約10,000,000センチプワズ(ポイズ)の粘度を持つ。これら本発明組成物において有用なシラノール末端ブロック化ポリ有機シロキサンが、以降により表されている:
【0022】
【化1】

【0023】
式中、R1およびR2が、水素、アルキル、アルケニル、アリール、および1〜22炭素原子を持っているアルキルアリール基、ならびに、アミノ、エポキシ、カルボキシ、もしくはメルカプト基のような有機修飾アルキル基および有機修飾アリール基から、独立に選択されており;nが、約5〜約15,000の整数である。
【0024】
本発明の実際において用いられたシラノール末端ブロック化ポリ有機シロキサンが、低粘度流動体から、粘性ゴムにまで、変動してよい(低粘度流動体〜粘性ゴム)。本発明組成物において有用なシラノール末端ブロック化ポリ有機シロキサンの例が、以降:
HOMe2SiO(Me2SiO)5SiMe2OH
HOMe2SiO(Me2SiO)15SiMe2OH
HOMe2SiO(Me2SiO)35SiMe2OH
HOMe2SiO(Me2SiO)283SiMe2OH
HOMe2SiO(Me2SiO)539SiMe2OH
HOMe2SiO(Me2SiO)3400SiMe2OH
を包含するが、これらに限られていない。
【0025】
加え、本発明組成物が、種々の鎖長のシラノール流動体に帰せられた特性の範囲の利点を取るように1種よりも多いシラノール流動体から、構成されていてよい。低分子量シラノール流動体が、例えば、流動し、複数の表面により容易に適用されており、一般的に、輝くグロス仕上がりを有するより良好な美観を持つ。高分子量シラノールが、これに対する接触に対してよりあぶらっぽくなく(グリース状でなく)、より耐久可能であり、そして表面から、より除かれにくい。高分子量シラノール自体が、しかしながら、乗り物表面上、適用しにくく、操作しにくいことがある。上述されたもののようなシラノール流動体が、1〜99重量%の濃度において一般的に利用されている。本発明の追加実施形態が、約30〜50重量%のシラノール流動体の濃度を利用する。
【0026】
本発明において有用な高分子量シラノール流動体の例が、500cStを上回るが、10000cStを下回る粘度を有するシラノール流動体を包含するが、これらに限られていない。もし、特定の製品の適正な流動要件に処方されたら、より高分子量のシラノール流動体も使用され得る。本発明において有用な低分子量シラノール流動体が、10cStを上回るが、500cStを下回る粘度を有するシラノール流動体を包含するが、これらに限られていない。
【0027】
触媒
本発明組成物が、触媒を包含する。本発明において有用な触媒が、縮合反応触媒を包含する。より特に、湿気雰囲気に曝された場合、反応を容易化させ得るものである。換言すれば、これら封じられた容器中での保管安定性においてすばらしい、つまり、長期間、一定粘度下、保管可能であり、湿気雰囲気存在下、急速硬化可能であり、そして硬化後、機械強度において突出している湿気硬化可能組成物を開発することが、強く望まれている。空気中の湿気に曝された場合のすばやい硬化が、製品としての特別な有益さであるのは、これが、重力、もしくは、タイヤのような処理された表面の動きによる製品の振り回しによるはじきだし、もしくは、損失(ロス)を防ぐからである。硬化するのにこれら本組成物に必要とされた時間が、周りの温度、湿度、湿気雰囲気存在下でのこれら基の反応性、および選択された硬化触媒タイプに依る。好ましくは、本発明が、約.5%〜約100%のRHのようであるが、これらに限られなかったより高い湿度およびより低い湿度を有する条件を包含している種々の環境条件下、硬化する。
【0028】
本発明において有用な触媒の例が、金属カルボン酸塩、金属酸化物、アルキル金属カルボン酸塩、アルキル金属アルコキシド、および金属キレートを包含する。より特に、チタン酸テトラアルキル、ジルコン酸テトラアルキル、二酢酸ジブチル錫、二ラウリン酸ジブチル錫、二オクタン酸ジブチル錫、二林檎酸ジブチル錫、オクタン酸錫(stannous octoate, tin octylate)、チタン酸テトラブチル、二ラウリン酸ジオクチル錫、およびチタン酸テトライソプロピルが、触媒の例であり、使用されていてよい。1実施形態中、本触媒たるチタン酸テトラブチルが、使用されており、商標TYZOR(登録商標)TnBT下、E.I.DuPont Nemours&Co.,Inc.,Wilmington,デラウェア州から、入手可能である。
【0029】
追加成分
溶媒
任意に、本発明が、溶媒を包含してよく、本組成物のコーティング特性を向上させる。このような溶媒が、100℃〜200℃の範囲中の沸点を持つべきであり、シラノール流動体を溶解できるべきであり、そして使用された溶質のタイプおよび量に依りながら、適切に選択されているべきである。本発明において有用な溶媒が、液体炭化水素およびシリコーン溶媒を包含する。加え、本発明において有用な溶媒が、トルエン、キシレン、ナフテン、および他の芳香族炭化水素;2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、および他のケトン;イソパラフィン、パラフィンアルカン、通常パラフィン、および他の脂肪族炭化水素;酢酸ブチル、酢酸イソブチル、および他のエステル;ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、および他の揮発性シリコーンを包含し、単一で、もしくは、2種以上の溶媒の混合溶媒として使用されていてよい。物質の揮発性が、ASTM D 2369に従っている定義に見合う場合、求められている。このテストプロトコールが、100℃のオーブン中、熱していった後の百分率での(%)重量損失(ロス)を計測する。溶媒量が、仕上がった組成物の合計量に相対し、0重量%〜99重量%、好ましくは、30重量%〜70重量%であり、適用の容易さを求める適切な粘度と望まれたコーティングの質のバランスを取る。
【0030】
湿潤化剤
任意に、本発明が、湿潤化剤を包含してよく、処理された表面を横断して分布できる、もしくは、拡がれる組成物の能力を高める。本発明において有用な湿潤化剤が、シリコーン界面活性剤、有機修飾シリコーン、ポリジメチルシロキサン流動体、およびシリコーンポリエーテルを包含する。
【0031】
本発明において有用なシリコーン界面活性剤の例が、例えば、SILWET(登録商標)L−77(シリコーンポリアルキレンオキシド修飾ジメチルポリシロキサン、CAS:27306−78−1)、SILWET L−7210、L−7220、およびL−7230(CAS:68937−55−3)、および、“Adjuvants for Agrichemicals”Foy編,CRCプレス(1992年)において記載されたとおりを包含し、SILWET(Witco Specialties Group,One American Lane,Greenwich,Conn.)から入手可能なもののような非イオンシリコーン+グリコール共重合体(コポリマー)、ならびに、Dow Corning Corporation(ミッドランド、MI)から入手可能であるようなSYLGARD(登録商標)309シリコーン界面活性剤(3−(3−ヒドロキシプロピル)ヘプタメチルトリシロキサン、エトキシ化体、アセテート)のような非イオンシリコーンポリエーテルを包含する。
【0032】
架橋化剤
任意に、本発明が、架橋化剤を包含してよい。用いられていてよい代表的な有機硅素架橋化剤が、ビニルメチルジアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、四酢酸硅素、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルテトラメトキシジシロキサン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ビス(n−メチルベンジルアミド)エトキシメチルシラン、トリス(シクロヘキシルアミノ)メチルシラン、ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシミノ)シラン、およびメチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シランを包含する。追加の架橋化剤が、フェニル官能基化シラン、メチル官能基化シラン、オルト珪酸テトラエチル(テトラエチルオルトシリケート)のような有機シリケート、もしくはこれらの組み合わせを包含する。本架橋化剤が、本組成物合計重量に基づいたら、約0.1%〜約20%の量で、存在している。
【0033】
追加付属品
本発明の組成物が、以降の付属剤:撥染み剤および撥汚れ剤、潤滑剤、香りコントロール剤、香料(perfumes、fragrances)、および増粘剤の1種以上を任意に含有する。他の付属剤が、染料および/または着色料、可溶化材料、安定化剤、消泡剤、保存料、および他のポリマーを包含するが、これらに限られていない。増粘剤が、使用された場合、ポリアクリル酸、キサンタンガム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、アルギナート(アルジネート)、グアーガム、粘土、メチル、エチル、および/またはプロピルヒドロキシセルロースを包含するが、これらに限られていない。消泡剤が、使用された場合、シリコーン、アミノシリコーン、シリコーンブレンド、および/またはシリコーン/炭化水素ブレンドを包含するが、これらに限られていない。
【0034】
加え、本組成物が、本触媒反応のタイミングを最適化させる複数の成分もしくは複数の特徴を包含してよい。これが、湿度もしくは温度のような条件が、可変である場合、しばしば必要であり、特定の使用にテーラーメードするのをより難しくしている該反応をスピードアップさせたり、遅くさせたりする。例が、本触媒および硬化加速剤をコーティングしたり、カプセル化したりすることを包含するが、これらに限られていない。硬化の望まれている時までずっと、本触媒および本硬化可能組成物を互いと接触してしまうことから、保つことも必要であることが、ある。1アプローチが、2部系(システム)を処方することであり、ここで、本触媒が、1部にあり、本硬化可能組成物が、もう1部にある。該反応の必要とされている時までずっと、複数の2部系(システム)が、分かれた本硬化可能組成物との本触媒の混合を防ぐ分かれたパッケージもしくは他の特徴を利用してよい。
【0035】
輪をかけて、乗り物処理材料に通常加えられた種々の添加剤および充填剤が、本組成物に適切に加えられ得る。特に示唆されたのが、酸化チタン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、亜鉛白、赤(ルージュ)、クロム黄(クロムイエロー)、鉛白、カーボンブラック(炭素黒)、透明酸化鉄、アルミニウム粉末、および他の無機色素;アゾ色素、トリフェニルメタン色素、キノリン色素、アントラキノン色素、フタロシアニン色素、および他の有機色素;錆止め、UV吸収剤、光安定化剤、抗だれ剤、均染化剤、および他の添加剤;石英微粉末、カルシウム微粉末、燻蒸二酸化チタン、珪藻土、水酸化アルミニウム、微粒子アルミナ、マグネシア、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、および上の組み合わせである。
【0036】
計測/テスト
乾燥、硬化、もしくは表皮覆い尽くし計測が、使用されており、非粘着状態に辿り着く、ある1表面に適用されたある1組成物に関して要する時間量を求める。乾燥、硬化、もしくは表皮覆い尽くし時間を求めていくのに有用なのが、Dow Corning法人テスト方法からのテストプロトコールCTM0095であり、ポリエチレンフィルム接触を使用し、その非粘着の特徴を求める。
【0037】
これら本組成物が、きれいな滑らかな無孔表面上で、1/8±1/32インチ(0.32±0.08cm)厚で、拡げられ、77±2F(25±1C)および50±4%RHに曝されている。5分以下の間隔(インターバル)で、きれいなポリエチレン片が、1オンス(28.3g)の重量を有し、できたての表面上で、設定(セット)されており、除いていく前、4±2秒(s)間、置き去りにされている。該片が、次いで、1末端から、上へまっすぐ引っ張られており、該片が、そのサンプルから、きれいに引き離される時刻が、記録された。該ポリエチレン片の視覚検査が、これらテストされた組成物が、乾いており、これゆえ、そのテストされた表面から、きれいに引き離されるかどうか、または、これらテストされた組成物が、該ポリエチレン片に粘り着き、これゆえ、追加の乾燥時間を要するかどうか、決定する。
【0038】
使用領域
本製品が、タイヤ、ダッシュボード、皮革、窓、壁、および自動車を包含し、非生物不活性乗り物表面のような乗り物表面を処理するのに使用され得る。他の表面が、ステンレス鋼、ラバー(ゴム)、ガラス、ビニル、皮革、プラスチック、布、金属、コーティングされた金属、およびクロムを包含する。特に、本発明が、自動車タイヤを処理するのに利用され得、これは、速乾性を必要とし、振り回しによるはじきだしを防ぎ、グロス仕上がりを持ちたいとの消費者にとっての望みである。加え、本製品が、スプレー(噴霧)容器、注入可能容器、エアロゾル容器、絞り出し容器、ペン、ブラシ、スポンジ、ローラー、布、不織布、成型可能泡、シリンジ、動力ツール、動力噴霧機、およびこれらの組み合わせのような装置を使用してみることにより、乗り物表面に適用され得る。本製品が、パッケージ中でも含有され得、これは、使用までずっともしくは使用直前までずっと、本触媒から、本シラノール流動体を分離させておく。
【実施例】
【0039】
重量%での乗り物表面処理用製品の幾つかの特定の非限定例が、以降のとおりである。これら例の組成物が、下記したが、これらサンプルの組成を例示するように意図されているが、これらは、これら本保護組成物の効率実験データを獲得するのに使用された。本発明のこれら組成物が、如何なる適切な混合設備をも用いながら、これら成分を混合していくことにより、調製され得る。例えば、複数の湿気硬化可能1部組成物が、これら本シラノール流動体、溶媒、架橋化剤、ならびに湿潤化剤(存在時)および触媒と一緒に混合していくことにより、調製されていてよい。複数の追加の付属剤が、望まれた如何なる段階においてもこの混合物に加えられていてよく、これが、好ましくは、可能な限り、この混合手順の末端(終わり)近くで、なされている。勿論、これら上の手順が、これら本組成物の未熟硬化を防ぐに当たり、湿気非存在下、完遂されているべきであることが、分かっている。これが、これら本組成物の引き続いての保管にも当てはまる。混合後、これら本組成物が、使用を必要とされた時までずっと、実質的に無水の条件下、例えば、封じられた容器中、保管されていてよい。
【0040】
上で詳述したとおり、下の例の複数の処方が、他の任意の付属剤を含有し得、これら保護組成物が、噴霧(スプレー)もしくはエアロゾルの応用以外の適切な手段により、ある1表面に適用されていてよい。乗り物を処理していく本製品が、乾燥時間のレベルの向上を呈し、高分子量シラノール〜低分子量シラノールの式および比に依りながら、異なる速度において硬化することを表Iおよび表IIが、指し示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
本発明が、以降の実施例の考慮により、更に例示される。他に述べられなかったら、これら実施例における全ての部および百分率(パーセンテージ、%)が、重量基準上にある。
【0044】
実施例E−ある1容器中に:
48.5%の炭化水素溶媒
20 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
20 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
5 %のフェニル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0045】
実施例F−ある1容器中に:
53.5%の炭化水素溶媒
20 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
20 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0046】
実施例G−ある1容器中に:
48.5%の炭化水素溶媒
20 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
20 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
2.5%のフェニル官能基化シラン
2.5%のメ チル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0047】
実施例H−ある1容器中に:
50.5%の炭化水素溶媒
10 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
30 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
3 %のフェニル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0048】
実施例I−ある1容器中に:
48.5%の炭化水素溶媒
10 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
30 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
5 %のフェニル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0049】
実施例J−ある1容器中に:
48.5%の炭化水素溶媒
10 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
30 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
2.5%のフェニル官能基化シラン
2.5%のメ チル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0050】
実施例K−ある1容器中に:
48.5%の炭化水素溶媒
20 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
20 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
5 %のメチル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0051】
実施例L−ある1容器中に:
48.5%の炭化水素溶媒
10 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
30 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
5 %のメチル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0052】
実施例M−ある1容器中に:
49.5%の炭化水素溶媒
30 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
10 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
5 %のメチル官能基化シラン
3 %のシリコーン溶媒
2.5%の湿気活性化触媒
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0053】
実施例N−ある1容器中に:
52.5%の線状パラフィン状アルカン溶媒
25 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
15 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
1 %のフェニル官能基化シラン
3 %のメ チル官能基化シラン
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0054】
実施例O−ある1容器中に:
41 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
41 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
4 %のフェニル官能基化シラン
4 %のメ チル官能基化シラン
5 %のシリコーン溶媒
3 %の湿気活性化触媒
2 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0055】
実施例P−ある1容器中に:
56.5%の炭化水素溶媒
20 %の低分子量ヒドロキシ官能基シラノール
20 %の高分子量ヒドロキシ官能基シラノール
2.5%の湿気活性化触媒
1 %のシリコーン湿潤化剤
が、入れられた。
一様な均一な溶液の得られた時までずっと、これら内容物が、混合された。
【0056】
本発明が、ある特定の好ましい複数のそのバージョンに対する言及と共に詳細によく記載されてきているが、複数の他のバージョンが、可能である。例えば、少溶媒系(システム)、単一シラノール系(システム)、多重シラノール系(システム)、もしくは、水主体のエマルションである。これゆえ、添付の請求項の思想および範囲が、本明細書中の具体化されたバージョンの記載に限られているべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.低分子量シラノール流動体;
b.高分子量シラノール流動体;
c.触媒;
d.任意に、溶媒;
e.任意に、架橋化剤;および
f.任意に、湿潤化剤
を含んでいる、乗り物表面処理用製品。
【請求項2】
前記低分子量シラノール流動体の粘度が、10〜約500cSt以下であり、前記高分子量シラノール流動体の粘度が、約500以上〜25000cStである、請求項1の製品。
【請求項3】
前記製品が、湿気硬化可能であり、20分未満で、空気中、湿気と触れると硬化する、請求項1もしくは2の製品。
【請求項4】
前記触媒が、金属カルボン酸塩、アルキル金属カルボン酸塩、アルキル金属酸化物、有機金属、および金属キレート、ならびにこれらの組み合わせからなっている群から選択されている、請求項1〜3のいずれかの製品。
【請求項5】
前記触媒が、チタン酸テトラブチルである、請求項1〜4のいずれかの製品。
【請求項6】
前記溶媒が、液体炭化水素およびシリコーン溶媒、もしくは、これらの組み合わせからなっている群から選択されている、請求項1〜5のいずれかの製品。
【請求項7】
前記湿潤化剤が、シリコーン界面活性剤、有機修飾シリコーン、ポリジメチルシロキサン流動体、およびこれらの組み合わせからなっている群から選択されている、請求項1〜6のいずれかの製品。
【請求項8】
前記湿潤化剤が、シリコーンポリエーテルを含有する、請求項1〜7のいずれかの製品。
【請求項9】
前記架橋化剤が、シラン単量体(モノマー)、シリケート、短鎖シロキサン、およびこれらの組み合わせからなっている群から選択されている、請求項1〜8のいずれかの製品。
【請求項10】
前記架橋化剤が、フェニル官能基化シラン、メチル官能基化シラン、もしくは、フェニル官能基化シランとメチル官能基化シランとの混合物である、請求項1〜9のいずれかの製品。
【請求項11】
前記乗り物表面が、ラバー、ガラス、ビニル、皮革、プラスチック、布、金属、コーティングされた金属、もしくはクロムからなっている群から選択されている、請求項1〜10のいずれかの製品。
【請求項12】
前記乗り物表面が、タイヤである、請求項1〜11のいずれかの製品。
【請求項13】
a.シラノール流動体;
b.触媒;
c.任意に、溶媒;
d.任意に、架橋化剤;および
e.任意に、湿潤化剤
を含んでいる、乗り物表面処理用製品。
【請求項14】
乗り物の少なくとも1表面を処理していくに向かってのキットであり:
a.i. シラノール流動体;
ii. 触媒;
iii.任意に、溶媒;
iv. 任意に、架橋化剤;および
v. 任意に、湿潤化剤
を更に含んでいる製品;
b.このキットを囲い込んでいる容器と共にもしくはこの容器上囲い込まれている、硬化工程(ステップ)を包含する、この製品を使用していくに向かっての説明書
を含んでいる、キット。
【請求項15】
前記製品が、使用までずっと、もしくは、使用直前までずっと、前記触媒から前記シラノール流動体を分離しておくパッケージ中、含有されている、請求項14のキット。

【公表番号】特表2009−540054(P2009−540054A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514362(P2009−514362)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/013357
【国際公開番号】WO2007/146018
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】