説明

乗客コンベア

【課題】水が侵入したとしても制動力の変化を軽減することが可能な乗客コンベアを提供する。
【解決手段】乗客コンベア1は、駆動装置60からの駆動力により回転して、無端状に連結された複数の踏段30を循環移動させる踏段スプロケット70を備えている。また、乗客コンベア1は、この踏段スプロケット70と回転軸を同じにして回転するブレーキディスク80と、所定条件時に作動してブレーキディスク80を摩擦停止させるブレーキシュー91と、ブレーキディスク80の少なくとも上方を覆う防滴カバー110とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗客コンベアに関し、さらに詳しくは、ブレーキシューによる制動力の変化を抑制する乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動源からの駆動力を駆動チェーンによってスプロケットに伝達し、スプロケットの回転力により複数の踏段を循環移動させて、乗客を移送する乗客コンベア(例えばエスカレータ)が知られている。この乗客コンベア(例えばエスカレータ)には、駆動チェーンの切断時や、運転速度超過時、逆転駆動時などに、スプロケットの回転を停止させる主ブレーキ装置が設けられている。また、主ブレーキ装置の補助をする補助ブレーキ装置が知られている。乗客コンベアでは、主ブレーキの他に補助ブレーキを用いることで、停止に至るまでの時間や停止時の衝撃などを所望の値とするようにしている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−2865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の補助ブレーキ装置が、摩擦力によりスプロケットの回転を停止させるものである場合、乗客コンベアが屋外などに用いられ、水(特に雨水)が乗客コンベアの内部に侵入すると、補助ブレーキ装置による制動力が変化し、停止に至るまでの時間や停止時の衝撃などを所望の値とすることができなくなる可能性があった。なお、上記問題は、補助ブレーキ装置に限らず、主ブレーキ装置においても摩擦力によりスプロケットの回転を停止させる場合には同様に存在する問題である。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、水が侵入したとしても制動力の変化を軽減することが可能な乗客コンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の乗客コンベアは、駆動源からの駆動力により回転して、無端状に連結された複数の踏段を循環移動させるスプロケットと、スプロケットと回転軸を同じにして回転するブレーキディスクと、所定条件時に作動してブレーキディスクを摩擦停止させるブレーキシューと、ブレーキディスクの少なくとも上方を覆う防滴カバーと、を備える。
【0006】
また、ブレーキシューの少なくとも上方を覆うシューカバーをさらに備えることが好ましい。
【0007】
また、ブレーキシューを作動させるソレノイドと、ソレノイドの少なくとも上方を覆うソレノイドカバーと、をさらに備えることが好ましい。
【0008】
また、スプロケットとブレーキディスクとの間において両者に一体的に設けられた円形状をなす水切板をさらに備え、水切板は、少なくとも外周側端部がスプロケット側に向いていることが好ましい。
【0009】
また、防滴カバーは、ブレーキディスクの上方に位置する防滴板と、防滴板から垂れ下がると共にスプロケットとブレーキディスクとの間に位置する第1防滴壁と、防滴板から垂れ下がると共に第1防滴壁とでブレーキディスクを挟むように位置する第2防滴壁とからなる内板と、内板のうち第1防滴壁側からスプロケットに向けて張り出した略L字形状をなす外板と、を有し、水切板は、第1防滴壁と外板との間の空間に位置すると共に、上端部は第1防滴壁の下方端よりも上方に突出していることが好ましい。
【0010】
また、第1防滴壁の下方端に設けられ、第1防滴壁の下方端から水切板までの距離に相当する大きさの防滴部材をさらに備えることが好ましい。
【0011】
また、水切板は、外周側端部の延長線上に、第1防滴壁及び外板の双方が存在しないように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の乗客コンベアによれば、ブレーキディスクの少なくとも上方を覆う防滴カバーを備えるので、ブレーキディスクに付着する水滴量が軽減され、所定条件時においてブレーキシューによる制動力の変化を抑制することができる。従って、水が侵入したとしても制動力の変化を軽減することができる。
【0013】
また、ブレーキシューの少なくとも上方を覆うシューカバーを備えるので、ブレーキシューに付着する水滴量が軽減され、水が侵入したとしても制動力の変化を軽減することができる。
【0014】
また、ソレノイドの少なくとも上方を覆うソレノイドカバーを備えるので、ソレノイドの動作不良を防止でき、スプロケットの停止ができなくなってしまう事態を抑制することができる。
【0015】
また、水切板を備えるため、水切板に付着した水は水切板の遠心力に伴って飛び散ることとなる。ここで、水切板は、少なくとも外周側端部がスプロケット側に向いているため、水はスプロケット側に飛び散ることとなり、水切板の遠心力によってブレーキディスクに付着してしまう水量を少なくすることができる。
【0016】
また、水切板は、第1防滴壁と外板との間の空間に位置するため、水切板によって飛び散った水が第1防滴壁と第2防滴壁との間に入ってしまい、防滴壁をつたってブレーキディスクに付着してしまう事態を抑制することができる。特に、水切板の上端部は第1防滴壁の下方端よりも上方に突出している。ここで、逆に水切板の上端部が第1防滴壁の下方端よりも下側に位置していれば、たとえ水切板が第1防滴壁と外板との間の空間に位置していたとしても、飛び散った水が第1防滴壁と第2防滴壁との間に入ってしまう可能性が高まる。しかし、水切板の上端部は第1防滴壁の下方端よりも上方に突出しているため、その可能性を軽減でき、水がブレーキディスクに付着してしまう事態を一層抑制することができる。
【0017】
また、第1防滴壁の下方端に設けられ、水切板までの距離に相当する大きさの防滴部材をさらに備えるため、水切板と第1防滴壁との隙間から水が侵入してブレーキディスクに付着してしまう事態を抑制することができる。
【0018】
また、水切板は、外周側端部の延長線上に、第1防滴壁及び外板の双方が位置しないように構成されているため、水切板によって飛び散った水の多くは、第1防滴壁にも外板にも付着しにくくなり、適切にスプロケット側に飛ばされることとなる。従って、水がブレーキディスクに付着してしまう事態を一層抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、エスカレータを乗客コンベアの一例として説明するが、乗客コンベアはエスカレータに限らず、動く歩道など、静止状態の乗客を運搬するコンベア装置であれば、他のものであってもよい。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るエスカレータの概略側面図である。なお、図1では、図示の関係上、乗客コンベアの内部構成であって乗客コンベアの外部から視認できない一部の構成について、外部から視認可能な状態で図示するものとする。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る乗客コンベア1は、トラス構造体10と、多数の踏段20と、一対の欄干30と、手摺りベルト40と、一対のスカート部50と、駆動装置(駆動源)60と、踏段スプロケット(スプロケット)70と、ブレーキディスク80と、補助ブレーキ装置90と、カバー100と、水切板110と、防水ゴム(防滴部材)120とを備えている。
【0022】
トラス構造体10は、上階床と下階床との間に亘って配置され、三角形を基本単位とする構造の骨組みである。多数の踏段20は、無端状の踏段チェーン61によって連結され、トラス構造体10内を介して循環移動するものであり、静止状態にある乗客を運搬するものである。一対の欄干30は、踏段20の幅方向の両側位置に設けられ、乗客が踏段20から幅方向に脱落してしまうことなどを防止する役割を有するものである。手摺りベルト40は、一対の欄干30の周縁部にそれぞれ装着され、乗り口と降り口との間を循環移動するものである。また、手摺りベルト40は、踏段20と同期して移動するものである。一対のスカート部50は、一対の欄干30の各下方位置を覆うものであって、上階床の降り口から下階床の乗り口の間に亘って設けられている。
【0023】
駆動装置60は、多数の踏段20及び手摺りベルト40を循環移動させる際の動力を発生するものである。この駆動装置60は、駆動チェーン61を有し、発生させた動力を踏段スプロケット70に伝達する構成となっている。この踏段スプロケット70は、中心軸を中心として回転動作する歯車であって、多数の踏段20に対して無端状に連結される踏段チェーン61に噛み合う構成となっている。この構成により、駆動装置60の動力が駆動チェーン61を介して踏段スプロケット70に伝達され、踏段スプロケット70から踏段チェーンを介して多数の踏段20に伝達されることとなる。
【0024】
ブレーキディスク80は、踏段スプロケット70と回転軸を同じにして回転するものである。このブレーキディスク80の回転が停止させられることにより、踏段スプロケット70の回転も停止することとなる。
【0025】
図2は、図1に示したブレーキディスク80の周辺を示す拡大図であり、(a)は側面図を示し、(b)は(a)のA−A断面図を示している。図2(a)に示すように、補助ブレーキ装置90は、ブレーキディスク80の側方に設けられている。この補助ブレーキ装置90は、所定条件時(駆動チェーン61の切断時や、運転速度超過時、逆転駆動時など)に作動してブレーキディスク80を摩擦停止させるブレーキシュー91と、ブレーキシュー91を作動させるソレノイド92とを有している。
【0026】
また、図2(a)に示すように、カバー100は、ブレーキディスク80の周辺部に設けられている。具体的に、カバー100は、防滴カバー101と、シューカバー102と、ソレノイドカバー103とからなっている。防滴カバー101は、ブレーキディスクの少なくとも上方を覆うものである。シューカバー102は、ブレーキシュー91の少なくとも上方を覆うものである。ソレノイドカバー103は、ソレノイド92の少なくとも上方を覆うものである。これらのカバー101〜103は、ブレーキディスク80の周辺部に取り付けやすいように分割された構造となっており、具体的に防滴カバー101は3分割構造であり、シューカバー102及びソレノイドカバー103は2分割構造である。
【0027】
また、図2(b)に示すように、防滴カバー101は、防滴板101a1と、第1防滴壁101a2と、第2防滴壁101a3とからなる内板101aと、外板101bとからなっている。防滴板101a1は、ブレーキディスク80の上方に位置する板材である。第1防滴壁101a2は、防滴板101a1から垂れ下がると共に踏段スプロケット70とブレーキディスク80との間に位置する板材である。第2防滴壁101a3は、防滴板101a1から垂れ下がると共に第1防滴壁101a2とでブレーキディスク80を挟むように位置する板材である。外板101bは、内板101aのうち第1防滴壁101a2側から踏段スプロケット70に向けて張り出した略L字形状をなす板材である。また、図2(b)から明らかなように、第1防滴壁101a2は、下端部が、外板101bの下端部よりも下方に伸びている。
【0028】
水切板110は、図2(a)及び図2(b)に示すように、踏段スプロケット70とブレーキディスク80との間において両者に一体的に設けられた円形状をなす板材である。この水切板110は、第1防滴壁101a2と外板101bとの間の空間に位置し、防滴カバー101よりもブレーキディスク80のやや中央よりに設けられている。
【0029】
また、図2(b)に示すように、水切板110は、外周側端部111が折り曲げられており、踏段スプロケット70側に向いている。なお、水切板110は、少なくとも外周側端部111が踏段スプロケット70側に向いていれば、特に図2(b)に示したものに限るものではなく、例えば断面楕円形状、断面V字形状など他の形状であってもよい。また、水切板110は、外周側端部111の延長線上に、第1防滴壁101a及び外板101bの双方が位置しないように構成されている。さらに、水切板110は、上端部が第1防滴壁101a2の下方端よりも上方に突出している。
【0030】
図3は、図2(b)に示した第1防滴壁101a2の下方端近傍を示す拡大図である。図3に示すように、防水ゴム120は、第1防滴壁101a2の下方端に設けられた防滴部材であって、第1防滴壁101a2の下端部から水切板110までの距離に相当する大きさとされている。
【0031】
次に、本実施形態に係る乗客コンベア1において水が侵入した場合の様子を説明する。図4〜図6は、本実施形態に係る乗客コンベア1において水が侵入した場合の水滴の様子を示す断面図である。図4に示すように、雨天時などにおいて乗客コンベア1のトラス内に水Wが侵入したとする。侵入した水Wのうち、ブレーキディスク80に向けて上方から落ちてきた水Wは、図4に示すように防滴カバー101によって遮られて、ブレーキディスク80に付着しないこととなる。また、防滴カバー101によって遮られた水Wは、防滴カバー101の側方から落下することとなる。また、図示を省略しているが、ブレーキシュー91及びソレノイドカバー92についても同様に、シューカバー102及びソレノイドカバー103によって水Wの付着が抑制される。
【0032】
ここで、水切板110は、円周状に形成されている。このため、水切板110のうち上方に位置する部分(すなわち防滴カバー101の近傍に位置する部分)は、防滴カバー101によって水Wの付着が抑制される。しかし、水切板110のうち下方に位置する部分(すなわち防滴カバー101から離れて位置する部分)は、防滴カバー101によって水の付着が防止されず、付着する可能性がある。
【0033】
そして、水切板110に付着した水Wは、水切板110(ブレーキディスク80)の回転による遠心力によって外周側に飛び散ることとなる。このとき、水切板110の外周側端部111は、踏段スプロケット70側に向いているため、水Wは踏段スプロケット70側に飛び散ることとなり、水切板110の遠心力によってブレーキディスク80に付着してしまう水量を抑えることとなる。特に、水切板110は、第1防滴壁101a2と外板101bとの間の空間に位置するため、水切板110によって飛び散った水Wが第1防滴壁101a2と第2防滴壁101a3との間に入ってしまい、防滴壁101a2,101a3をつたってブレーキディスク80に付着してしまう事態を抑制することとなる。
【0034】
加えて、水切板110の上端部は第1防滴壁101a2の下方端よりも上方に突出している。ここで、水切板110の上端部が第1防滴壁101a2の下方端よりも下側に位置していれば、たとえ水切板110が第1防滴壁101a2と外板101bとの間の空間に位置していたとしても、飛び散った水Wが第1防滴壁101a2と第2防滴壁101a3との間に入ってしまう可能性が高まるが、水切板110の上端部は第1防滴壁101a2の下方端よりも上方に突出しているため、その可能性を軽減できることとなる。
【0035】
さらには、水切板110は、外周側端部111の延長線上に、第1防滴壁101a2及び外板101bの双方が位置しないように構成されているため、水切板110によって飛び散った水Wの多くは、第1防滴壁101a2にも外板101bにも付着しにくくなり、適切に踏段スプロケット70側に飛ばされることとなる。
【0036】
また、水切板110の遠心力によって飛び散った水Wは、多くが第1防滴壁101a2及び外板101bに付着しないが、図6に示すように、一部は第1防滴壁101a2又は外板101bに付着する。そして、付着した水Wは、第1防滴壁101a2をつたって、第1防滴壁101a2と水切板110との隙間を通して、ブレーキディスク80に付着する可能性がある。ところが、第1防滴壁101a2の下方端には防水ゴム120が設けられているため、水切板110と第1防滴壁101a2との隙間から水が浸入してブレーキディスク80に付着してしまう可能性を低減することとなる。
【0037】
以上のようにして、本実施形態に係る乗客コンベア1によれば、ブレーキディスク80の少なくとも上方を覆う防滴カバー101を備えるので、ブレーキディスク80に付着する水滴量が軽減され、所定条件時においてブレーキシュー91による制動力の変化を抑制することができる。従って、水Wが侵入したとしても制動力の変化を軽減することができる。
【0038】
また、ブレーキシュー91の少なくとも上方を覆うシューカバー102を備えるので、ブレーキシュー91に付着する水滴量が軽減され、水Wが侵入したとしても制動力の変化を軽減することができる。
【0039】
また、ソレノイド92の少なくとも上方を覆うソレノイドカバー103を備えるので、ソレノイド92の動作不良を防止でき、踏段スプロケット70の停止ができなくなってしまう事態を抑制することができる。
【0040】
また、水切板110を備えるため、水切板110に付着した水Wは水切板110の遠心力に伴って飛び散ることとなる。ここで、水切板110は、少なくとも外周側端部111が踏段スプロケット70側に向いているため、水Wは踏段スプロケット70側に飛び散ることとなり、水切板111の遠心力によってブレーキディスク80に付着してしまう水量を少なくすることができる。
【0041】
また、水切板110は、第1防滴壁101a2と外板101bとの間の空間に位置するため、水切板110によって飛び散った水Wが第1防滴壁101a2と第2防滴壁101a3との間に入ってしまい、防滴壁101a2,101a3をつたってブレーキディスク80に付着してしまう事態を抑制することができる。特に、水切板110の上端部は第1防滴壁101a2の下方端よりも上方に突出している。ここで、逆に水切板110の上端部が第1防滴壁101a2の下方端よりも下側に位置していれば、たとえ水切板110が第1防滴壁101a2と外板101bとの間の空間に位置していたとしても、飛び散った水Wが第1防滴壁101a2と第2防滴壁101a3との間に入ってしまう可能性が高まる。しかし、水切板110の上端部は第1防滴壁101a2の下方端よりも上方に突出しているため、その可能性を軽減でき、水Wがブレーキディスク80に付着してしまう事態を一層抑制することができる。
【0042】
また、第1防滴壁101a2の下方端に設けられ、水切板110までの距離に相当する大きさの防水ゴム120をさらに備えるため、水切板110と第1防滴壁101a2との隙間から水Wが侵入してブレーキディスク80に付着してしまう事態を抑制することができる。
【0043】
また、水切板110は、外周側端部111の延長線上に、第1防滴壁101a2及び外板101bの双方が位置しないように構成されているため、水切板110によって飛び散った水Wの多くは、第1防滴壁101a2にも外板101bにも付着しにくくなり、適切に踏段スプロケット70側に飛ばされることとなる。従って、水Wがブレーキディスク80に付着してしまう事態を一層抑制することができる。
【0044】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、上記実施形態ではエスカレータを乗客コンベア1の一例として挙げたが、これに限らず、乗客コンベア1は動く歩道であってもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、補助ブレーキ装置90を主に説明したが、これに限らず、主ブレーキ装置においても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係るエスカレータの概略側面図。
【図2】図1に示したブレーキディスクの周辺を示す拡大図、(a)は側面図を示し、(b)は(a)のA−A断面図。
【図3】図2(b)に示した第1防滴壁の下方端近傍を示す拡大図。
【図4】本実施形態に係る乗客コンベアにおいて水が侵入した場合の水滴の様子を示す第1の断面図。
【図5】本実施形態に係る乗客コンベアにおいて水が侵入した場合の水滴の様子を示す第2の断面図。
【図6】本実施形態に係る乗客コンベアにおいて水が侵入した場合の水滴の様子を示す第3の断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 乗客コンベア
10 トラス構造体
20 多数の踏段
30 一対の欄干
40 手摺りベルト
50 一対のスカート部
60 駆動装置(駆動源)
61 駆動チェーン
70 踏段スプロケット(スプロケット)
80 ブレーキディスク
90 補助ブレーキ装置
91 ブレーキシュー
92 ソレノイド
100 カバー
101 防滴カバー
101a 内板
101a1 防滴板
101a2 第1防滴壁
101a3 第2防滴壁
101b 外板
102 シューカバー
103 ソレノイドカバー
110 水切板
111 外周側端部
120 防水ゴム(防滴部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの駆動力により回転して、無端状に連結された複数の踏段を循環移動させるスプロケットと、
前記スプロケットと回転軸を同じにして回転するブレーキディスクと、
所定条件時に作動して前記ブレーキディスクを摩擦停止させるブレーキシューと、
前記ブレーキディスクの少なくとも上方を覆う防滴カバーと、
を備えることを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記ブレーキシューの少なくとも上方を覆うシューカバーをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記ブレーキシューを作動させるソレノイドと、
前記ソレノイドの少なくとも上方を覆うソレノイドカバーと、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記スプロケットと前記ブレーキディスクとの間において両者に一体的に設けられた円形状をなす水切板をさらに備え、
前記水切板は、少なくとも外周側端部が前記スプロケット側に向いている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記防滴カバーは、前記ブレーキディスクの上方に位置する防滴板と、前記防滴板から垂れ下がると共に前記スプロケットと前記ブレーキディスクとの間に位置する第1防滴壁と、前記防滴板から垂れ下がると共に前記第1防滴壁とで前記ブレーキディスクを挟むように位置する第2防滴壁とからなる内板と、前記内板のうち前記第1防滴壁側から前記スプロケットに向けて張り出した略L字形状をなす外板と、を有し、
前記水切板は、前記第1防滴壁と前記外板との間の空間に位置すると共に、上端部は前記第1防滴壁の下方端よりも上方に突出している
ことを特徴とする請求項4に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記第1防滴壁の下方端に設けられ、前記第1防滴壁の下方端から前記水切板までの距離に相当する大きさの防滴部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項5に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記水切板は、外周側端部の延長線上に、前記第1防滴壁及び前記外板の双方が存在しないように構成されている
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の乗客コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−196795(P2009−196795A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42171(P2008−42171)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】