乗客コンベヤの欄干装置
【課題】インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率を向上させることができる乗客コンベヤの欄干装置を得る。
【解決手段】欄干パネル5と、欄干パネル5から離れたスカートガード6と、欄干パネル5に近づくにつれて高くなる傾斜部17を有し、欄干パネル5とスカートガード6との間の空間を上方から覆うインナデッキ7と、保持装置4に設けられたインナブラケット8と、インナデッキ7に設けられ、インナブラケット8に載せられる固定部材9と、傾斜部17を上方から貫通したねじ10と、傾斜部17よりも下方で傾斜部17に沿って設けられねじ10に螺着される螺着部11aとインナブラケット8の下面に対向する下面対向部11bとを有し、下面対向部11bが上昇する方向にねじ10が回転することにより固定部材9と下面対向部11bとがインナブラケット8を把持する移動部材11とを備えている。
【解決手段】欄干パネル5と、欄干パネル5から離れたスカートガード6と、欄干パネル5に近づくにつれて高くなる傾斜部17を有し、欄干パネル5とスカートガード6との間の空間を上方から覆うインナデッキ7と、保持装置4に設けられたインナブラケット8と、インナデッキ7に設けられ、インナブラケット8に載せられる固定部材9と、傾斜部17を上方から貫通したねじ10と、傾斜部17よりも下方で傾斜部17に沿って設けられねじ10に螺着される螺着部11aとインナブラケット8の下面に対向する下面対向部11bとを有し、下面対向部11bが上昇する方向にねじ10が回転することにより固定部材9と下面対向部11bとがインナブラケット8を把持する移動部材11とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベヤに設置される乗客コンベヤの欄干装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、欄干パネルの下部とスカートガードとの間の空間をインナデッキが上方から覆うために、欄干パネルの下端部を保持する保持装置にインナブラケットが固定され、インナデッキの欄干パネル側の端部がねじを用いてインナブラケットに固定されたエスカレータの欄干装置が知られている。インナブラケットには、欄干パネルの側面に対して垂直な固定面が設けられている。インナブラケットの固定面には、インナデッキの欄干パネル側の端部が載せられている。インナデッキの欄干パネル側の端部には、上方からねじが貫通している。インナブラケットには、インナデッキを貫通したねじが固定面を通って螺着している。これにより、インナブラケットには、インナデッキの欄干パネル側の端部が固定さる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−347650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インナブラケットの固定面が欄干パネルの側面に対して垂直となっており、かつ、ねじが固定面を通ってインナブラケットに螺着するので、ねじの軸線が欄干パネルに平行になってしまう。これにより、ねじと欄干パネルとの間の距離が近い場合には、ねじを回転させるドライバの持ち手部分が欄干パネルに当たってしまい、ねじを回転させることが困難となる。その結果、インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率が悪くなるという問題点があった。
【0005】
この発明は、インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率を向上させることができる乗客コンベヤの欄干装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る乗客コンベヤの欄干装置は、下端部が保持装置に保持された欄干パネルと、前記欄干パネルと踏段との間に設けられ、前記踏段の側面に対向したスカートガードと、インナデッキ本体と、前記インナデッキ本体の前記欄干パネル側に設けられ、前記欄干パネルに近づくにつれて高くなる傾斜部とを有し、前記欄干パネルと前記スカートガードとの間の空間を上方から覆うインナデッキと、前記保持装置に対して固定されたインナブラケット固定部と、前記インナブラケット固定部から前記スカートガード側に突出した突出部とを有したインナブラケットと、前記インナデッキに設けられ、前記突出部に載せられる固定部材と、前記傾斜部を上方から貫通するねじ部材と、前記傾斜部よりも下方で前記欄干パネルに近づくにつれて高くなるように設けられ、前記ねじ部材に螺着される螺着部と、前記突出部の下面に対向する下面対向部と、前記螺着部と前記下面対向部とを連結した移動部材連結部とを有し、前記螺着部が前記傾斜部に近づく方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とが前記突出部を把持し、前記螺着部が前記傾斜部から離れる方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とによる前記突出部の把持が解除される移動部材とを備えたている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る乗客コンベヤの欄干装置によれば、欄干パネルに近づくにつれて高くなる傾斜部がインナデッキの欄干パネル側の端部に設けられ、ねじ部材が傾斜部を上方から貫通するので、ねじ部材の頭部が先端部よりも欄干パネルから離れるようにねじ部材が欄干パネルに対して傾斜する。これにより、ドライバが欄干パネルに対して傾斜するので、欄干パネルとねじ部材との間の距離が近い場合であっても、ねじ部材を回転させるためのドライバの持ち手部分が欄干パネルに当たりにくくなり、ねじ部材を容易に回転させることができる。その結果、インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエスカレータの乗降口を示す斜視図である。
【図2】図1の欄干装置の下部を示す断面図である。
【図3】図2の欄干装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図2インナブラケットを示す斜視図である。
【図5】図2の固定体を示す斜視図である。
【図6】図2の移動体を示す斜視図である。
【図7】図2の突出部が乗せ部と対向部との間に挿入される様子を示す断面図である。
【図8】図2のねじを回転させる様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係るエスカレータの欄干装置の要部を示す断面図である。
【図10】図9のインナブラケットを示す斜視図である。
【図11】図9の欄干装置の要部を示す斜視図である。
【図12】図9の固体体を示す斜視図である。
【図13】図9の移動体を示す斜視図である。
【図14】図9の突出部が乗せ部と対向部との間に挿入される様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエスカレータ(乗客コンベヤ)の乗降口を示す斜視図である。図において、エスカレータは、循環移動する踏段1と、踏段1の幅方向外側に設けられた一対の欄干装置(乗客コンベヤの欄干装置)2と、各欄干装置2に設けられ、踏段1とともに循環移動する一対の手摺3とを備えている。
【0011】
図2は図1の欄干装置2の下部を示す断面図、図3は図2の欄干装置2の要部を示す斜視図である。エスカレータの主枠(図示せず)には、保持装置4が固定されている。欄干装置2は、保持装置4に下端部が保持された欄干パネル5と、欄干パネル5から踏段1側に離れて設けられたスカートガード6と、欄干パネル5とスカートガード6との間の空間を上方から覆うインナデッキ7とを備えている。また、欄干装置2は、保持装置4に固定されたインナブラケット8と、インナデッキ7に設けられ、インナブラケット8に載せられる固定部材9と、インナデッキ7を上方から貫通するねじ(ねじ部材)10と、ねじ10に取り付けられた移動部材11と、インナデッキ7をスカートガード6に取り付けるクリップ12とを備えている。
【0012】
保持装置4は、1.0〜1.2m程度の間隔で、踏段1の移動方向に並べられている。保持装置4は、主枠に固定された支持部材13と、支持部材13との間で欄干パネル5を挟む押え板14と、支持部材13に取り付けられたねじ15とを有している。支持部材13は、欄干パネル5を支持した基部13aと、欄干パネル5の外側の側面に対向した外板部13bと、押え板14よりも踏段1側で、欄干パネル5の内側の面に対向した内板部13cとを有している。基部13a、外板部13bおよび内板部13cは、一体に形成されている。ねじ15は、先端部が踏段1側から欄干パネル5側を向くように内板部13cに取り付けられている。欄干パネル5に近づく方向にねじ15が回転することにより、ねじ15が押え板14を欄干パネル5に向かって押圧する。基部13aが欄干パネル5を支持し、外板部13bと内板部13cとが欄干パネル5を挟むことにより、欄干パネル5が保持装置4に保持される。
【0013】
欄干パネル5は、踏段1の移動方向に複数枚連続して並べられている。また、欄干パネル5は、鉛直方向に配置されている。欄干パネル5は、ガラスから構成されている。なお、欄干パネル5は、ガラスに限らず、例えば、ステンレス等から構成されてもよい。
【0014】
スカートガード6は、欄干パネル5と踏段1との間で、踏段1の側面に対向して設けられている。スカートガード6は、踏段1の移動方向に複数枚連続して並べられている。スカートガード6は、踏段1の側面に対向した板状のスカートガード本体6aと、スカートガード本体6aの上端部に設けられ、欄干パネル5側に突出したスカートガード上端部6bとを有している。スカートガード本体6aおよびスカートガード上端部6bは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。
【0015】
インナデッキ7は、踏段1の移動方向に複数枚連続して並べられている。インナデッキ7は、インナデッキ本体16と、インナデッキ本体16の欄干パネル5側の端部に設けられた傾斜部17と、インナデッキ本体16のスカートガード6側の端部に設けられたインナデッキ突出部18とを有している。インナデッキ本体16は、傾斜部17側の端部に設けられ下方に延びた下延部16aを有している。下延部16aの下端部に傾斜部17が設けられている。傾斜部17は、欄干パネル5に近づくにつれて高くなるように傾斜している。傾斜部17には、傾斜部17の上面に対して垂直な方向に貫通孔であるねじ通し孔17aが形成されている。インナデッキ突出部18は、インナデッキ本体16のスカートガード6側の端部から欄干パネル5側に突出している。インナデッキ突出部18は、スカートガード上端部6bに重ねられている。インナデッキ本体16、傾斜部17およびインナデッキ突出部18は、板状部材を折り曲げることにより形成されている。
【0016】
インナブラケット8は、ねじ19を用いて押え板14に固定されたインナブラケット固定部8aと、インナブラケット固定部8aの上端部からスカートガード6側に突出した突出部8bとを有している。図4は図2のインナブラケット8を示す斜視図である。インナブラケット固定部8aは、押え板14に沿った板状に形成されている。インナブラケット固定部8aおよび突出部8bは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。また、突出部8bおよびインナブラケット固定部8aの上端部には、切欠き部8cが形成されている。切欠き部8cは、突出部8bおよびインナブラケット固定部8aの踏段1の移動方向についての中間部に形成されている。
【0017】
図2に示すように、固定部材9は、傾斜部17に接着またはスポット溶接等により固定された固定部材固定部9aと、突出部8bの上面と対向する上面対向部9bと、固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結した固定部材連結部9cとを有している。固定部材固定部9aは、傾斜部17に沿っている。固定部材9の断面は、略コ字状となっている。固定部材固定部9a、上面対向部9bおよび固定部材連結部9cは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。固定部材固定部9aは、傾斜部17の下面に重ねられている。固定部材固定部9aには、傾斜部17に形成されたねじ通し孔17aの延長線上に貫通孔であるねじ通し孔9dが形成されている。固定部材固定部9aの踏段1側の端部および上面対向部9bの踏段1側の端部は、移動部材11よりも踏段1側に位置している。固定部材連結部9cは、移動部材11よりも踏段1側を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結している。図5は図2の固定部材9を示す斜視図である。上面対向部9bには、踏段1の移動方向についての中間部に切欠き部9eが形成されている。
【0018】
図2に示すように、ねじ10は、傾斜部17のねじ通し孔17aおよび固定部材固定部9aのねじ通し孔9dに上方から挿入されることにより、インナデッキ7および固定部材9を貫通する。ねじ10は、ねじ通し孔17aおよびねじ通し孔9dに通されることにより、頭部が先端部よりも欄干パネル5から離れるように欄干パネル5に対して傾斜する。
【0019】
図6は図2の移動部材11を示す斜視図である。移動部材11は、傾斜部17および固定部材固定部9aよりも下方かつ上面対向部9bよりも上方においてねじ10に螺着される螺着部11aと、各突出部8bの下面に対向した一対の下面対向部11bと、螺着部11aと下面対向部11bとを連結した一対の移動部材連結部11cとを有している。螺着部11aは、傾斜部17に沿った板状に形成されている。なお、螺着部11aは、傾斜部17に平行である場合に限らず、欄干パネル5に近づくにつれて高くなるように傾斜していればよい。螺着部11aには、ねじ10が挿入されるねじ孔11dが形成されている。移動部材連結部11cは、踏段1の移動方向についての螺着部11aの両端部に1個ずつ設けられている。下面対向部11bは、各移動部材連結部11cの下端部に、1個ずつ設けられている。螺着部11a、下面対向部11bおよび移動部材連結部11cは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。
【0020】
図3に示すように、移動部材連結部11cは、固定部材9の切欠き部9eに挿入されている。移動部材11は、固定部材9に対して上下方向に移動可能となっている。移動部材連結部11cは、ねじ10が回転するときに、固定部材連結部9cまたは上面対向部9bに当たる。これにより、移動部材1が回転することが抑制される。
【0021】
螺着部11aが傾斜部17に近づく方向にねじ10が回転することにより、上面対向部9bと下面対向部11bとが突出部8bを把持する。螺着部11aが傾斜部17から離れる方向にねじ10が回転することにより、上面対向部9bと下面対向部11bとによる突出部8bの把持が解除される。
【0022】
移動部材連結部11cは、踏段1の移動方向について上面対向部9bと隣り合っている。移動部材連結部11cは、インナブラケット8の切欠き部8cに挿入される。このとき、突出部8bは、上面対向部9bと下面対向部11bとの間に配置される。突出部8bと移動部材連結部11cとが、踏段1の移動方向について互いに当たることにより、踏段1の移動方向についてのインナブラケット8に対する移動部材11の移動が規制される。したがって、踏段1の移動方向についてのインナブラケット8に対するインナデッキ7の移動が規制される。その結果、踏段1の移動方向についてのインナデッキ7の位置が決められている。
【0023】
図2に示すように、欄干パネル5には、傾斜部17およびねじ10の頭部を上方から覆うインナパッキング20が設けられている。インナパッキング20は、弾性変形可能な樹脂から構成されている。インナパッキング20は、保持装置4に設けられた取付部材(図示せず)により、欄干パネル5に固定されている。
【0024】
クリップ12は、保持装置4に設けられた支持装置(図示せず)により支持されている。クリップ12は、踏段1の移動方向に複数個間隔をおいて並べられている。クリップ12は、板状の基部12aと、基部12aの上面に取り付けられたばね部12bとを有している。基部12aおよびばね部12bのそれぞれの欄干パネル5側の端部が、互いに固定されている。基部12aとばね部12bとの間には、踏段1側から欄干パネル5側に向かってスカートガード上端部6bおよびインナデッキ突出部18が挿入されるようになっている。クリップ12がスカートガード上端部6bおよびインナデッキ突出部18を挟むことにより、インナデッキ7のスカートガード6側の端部がスカートガード6に取り付けられる。なお、クリップ12は、支持装置に支持される場合に限らず、基部12aがスカートガード上端部6bの下面に当たった状態でスカートガード6に固定される場合であってもよい。
【0025】
次に、この実施の形態に係るエスカレータの欄干装置2の組立手順について説明する。
まず、傾斜部17および固定部材9の固定部材固定部9aにねじ10を上方から貫通させ、ねじ10の先端部に移動部材11を取り付ける。
【0026】
その後、主枠に固定された保持装置4に欄干パネル5を保持させ、さらに、ねじ19を用いてインナブラケット8を保持装置4に固定する。また、インナパッキング20を欄干パネル5に取り付け、保持装置4に設けられた取付部材により、インナパッキング20を欄干パネル5に固定する。
【0027】
その後、スカートガード6を踏段1の側面に対向するように所定の位置に配置し、スカートガード上端部6bをクリップ12に挿入する。
【0028】
その後、図7に示すように、突出部8bが上面対向部9bと下面対向部11bとの間に挿入されるように、インナデッキ7、固定部材9および移動部材11を欄干パネル5側へ水平方向に移動させる。このとき、インナデッキ突出部18をクリップ12に挿入して、スカートガード上端部6bおよびインナデッキ突出部18をクリップ12に挟ませる。
【0029】
その後、図8に示すように、インナパッキング20の一部をめくり上げ、ドライバ21を用いて、螺着部11aが傾斜部17に近づく方向にねじ10を回転させる。下面対向部11bと上面対向部9bとにより突出部8bが把持されるまでねじ10を回転させて、インナデッキ7の傾斜部17をインナブラケット8に対して固定する。
【0030】
その後、めくり上げたインナパッキング20を元の位置に戻して、インナパッキング20でねじ10の頭部およびインナデッキ7の傾斜部17を上方から覆う。このとき、図2に示すように、インナパッキング20の踏段1側の端部をインナデッキ7の下延部16aに当てる。
【0031】
同様の手順により、他のインナデッキ7もインナブラケット8に対して固定する。以上により、欄干装置2の組立作業が終了する。
【0032】
インナデッキ7をインナブラケット8から取り外す場合には、上記手順と逆の手順を行う。
【0033】
以上説明したように、この実施の形態に係るエスカレータの欄干装置2によれば、欄干パネル5に近づくにつれて高くなる傾斜部17がインナデッキ7の欄干パネル5側の端部に設けられ、ねじ10が傾斜部17を上方から貫通しているので、ねじ10の頭部が先端部よりも欄干パネル5から離れるようにねじ10が欄干パネル5に対して傾斜する。これにより、ドライバ21が欄干パネル5に対して傾斜するので、欄干パネル5とねじ10との間の距離が近い場合であっても、ねじ10を回転させるためのドライバ21の持ち手部分が欄干パネル5に当たりにくくなり、ねじ10を容易に回転させることができる。その結果、インナデッキ7をインナブラケット8に着脱するための作業効率を向上させることができる。
【0034】
また、インナデッキ突出部18がインナデッキ本体16のスカートガード6側の端部から欄干パネル5側に突出し、スカートガード上端部6bがスカートガード本体6aの上端部から欄干パネル5側に突出し、インナデッキ突出部18およびスカートガード上端部6bが互いに重ねられ、インナデッキ突出部18およびスカートガード上端部6bがクリップ12により挟まれるので、踏段1側にインナデッキ7およびスカートガード6の端面が露出することを防止することができる。その結果、乗客の衣服などがインナデッキ7またはスカートガード6に引っかかることを抑制することができる。また、インナデッキ7がスカートガード6に取り付けられた状態で、インナデッキ7に上方向の外力が加えられた場合に、インナデッキ7がスカートガード6から外れてしまうことを抑制することができる。
【0035】
また、固定部材連結部9cが、踏段1の移動方向について上面対向部9bと隣り合っているので、インナデッキ7をインナブラケット8に取り付ける際に、踏段1の移動方向についてのインナデッキ7の位置決めをすることができる。その結果、インナデッキ7を所定の位置に容易に取り付けることができる。
【0036】
また、インナパッキング20が、傾斜部17およびねじ10の頭部を上方から覆っているので、乗客の衣服等が傾斜部17の端面またはねじ10の頭部に引っかかることを抑制することができる。また、ねじ10の頭部が露出しないので、欄干装置2の意匠性を向上させることができる。
【0037】
また、インナデッキ7を踏段1から欄干パネル5側へ水平方向に移動させることでインナデッキ7をインナブラケット8に対して固定することができるので、複数枚並べられたインナデッキ7の中から、任意の1枚だけをインナブラケット8から取り外すことができる。その結果、例えば、手摺駆動装置等のメンテナンス時に、必要最低限の数のインナデッキ7のみをインナブラケット8から取り外すことができるので、メンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0038】
なお、この実施の形態では、一対の下面対向部11bおよび一対の移動部材連結部11cを有した移動部材11について説明したが、下面対向部11bおよび移動部材連結部11cを1個ずつ有した移動部材11であってもよい。
【0039】
また、この実施の形態では、切欠き部9eが形成された固定部材9について説明したが、切欠き部9eが形成されていない固定部材9であってもよい。
【0040】
また、この実施の形態では、切欠き部8cが形成されたインナブラケット8について説明したが、切欠き部8cが形成されていないインナブラケット8であってもよい。
【0041】
また、この実施の形態では、移動部材11よりも踏段1側を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結した固定部材連結部9cについて説明したが、移動部材11よりも欄干パネル側5を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結した固定部材連結部9cであってもよい。
【0042】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係るエスカレータの欄干装置2の要部を示す断面図、図10は図9のインナブラケット8を示す斜視図である。図において、この実施の形態におけるインナブラケット8は、実施の形態1におけるインナブラケット8のような切欠き部8cが形成されていない。インナブラケット8の踏段1の移動方向に沿った寸法は、固定部材9および移動部材11の踏段1の移動方向に沿った寸法とほぼ等しくなっている。なお、インナブラケット8の踏段1の移動方向に沿った寸法は、これに限らず、例えば、固定部材9および移動部材11の踏段1の移動方向に沿った寸法よりも小さい場合や大きい場合であってもよい。
【0043】
図11は図9の欄干装置2の要部を示す斜視図、図12は図9の固定部材9を示す斜視図である。固定部材固定部9aの欄干パネル5側の端部および上面対向部9bの欄干パネル5側の端部は、螺着部11aよりも欄干パネル5側に位置している。固定部材連結部9cは、欄干パネル5と螺着部11aとの間を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結している。
【0044】
図13は図9の移動部材11を示す斜視図である。螺着部11aの踏段1側の端部および下面対向部11bの踏段1側の端部は、上面対向部9bよりも踏段1側に位置している。移動部材連結部11cは、上面対向部9bよりも踏段1側を通って螺着部11aと下面対向部11bとを連結している。移動部材11の断面は、略コ字状に形成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0045】
図14は図9の突出部8bが上面対向部9bと下面対向部11bとの間に挿入される様子を示す断面図である。傾斜部17をインナブラケット8に対して固定する場合には、突出部8bが上面対向部9bと下面対向部11bとの間に挿入されるように、インナデッキ7、固定部材9および移動部材11を欄干パネル5側へ水平方向に移動させる。このとき、踏段1の移動方向に沿って視たときに、固定部材9と移動部材11とが重ならないので、インナブラケット8へのインナデッキ7の取り付け位置を、踏段1の移動方向について作業者が自由に調整する。その他の手順は、実施の形態1と同様である。
【0046】
以上説明したように、この実施の形態に係るエスカレータの欄干装置2によれば、移動部材連結部11cが上面対向部9bよりも踏段1側を通り、固定部材連結部9cが、欄干パネル5と螺着部11aとの間を通るので、踏段1の移動方向に沿って視たときに、固定部材9と移動部材11とが重なることを防止することができる。これにより、インナブラケット8へのインナデッキ7の取り付け位置を、踏段1の移動方向について自由に調整することができる。その結果、インナブラケット8へのインナデッキ7の取り付け作業を容易化させることができる。また、インナブラケット8、固定部材9および移動部材11の形状をシンプルにすることができる。その結果、インナブラケット8、固定部材9および移動部材11の各部材を容易に製造することができ、また、各部材を安価に製造することができる。
【0047】
なお、この実施の形態では、踏段1の移動方向に沿って複数個並べられたインナブラケット8について説明したが、エスカレータの長手方向についての全長に渡って連続して形成された1本のインナブラケット8であってもよい。これにより、踏段1の移動方向についてのインナデッキ7のインナブラケット8への取り付け位置をさらに自由に調整することができる。
【0048】
また、各上記実施の形態では、乗客コンベヤとしてエスカレータを例に説明したが、動く歩道であってもよい。
【0049】
また、各上記実施の形態では、ねじ部材としてねじ10を例に説明したが、例えば、ボルト等であってもよい。
【0050】
また、各上記実施の形態では、それぞれが別部材として形成されたインナデッキ7および固定部材9について説明したが、板状部材を折り曲げることにより一体に形成されたインナデッキ7および固定部材9であってもよい。
【0051】
また、各上記実施の形態では、固定部材固定部9aが傾斜部17に固定された固定部材9について説明したが、傾斜部17に限らず、その他のインナデッキ7の部分に固定部材固定部9aが固定された固定部材9であってもよい。
【0052】
また、各上記実施の形態では、貫通孔であるねじ通し孔17aが形成された傾斜部17について説明したが、貫通孔に限らず、欄干パネル側5の端面から踏段1側に向かって延びたスリットが形成された傾斜部17であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 踏段、2 欄干装置(乗客コンベヤの欄干装置)、3 手摺、4 保持装置、5 欄干パネル、6 スカートガード、6a スカートガード本体、6b スカートガード上端部、7 インナデッキ、8 インナブラケット、8a インナブラケット固定部、8b 突出部、8c 切欠き部、9 固定部材、9a 固定部材固定部、9b 上面対向部、9c 固定部材連結部、9d ねじ通し孔、9e 切欠き部、10 ねじ(ねじ部材)、11 移動部材、11a 螺着部、11b 下面対向部、11c 移動部材連結部、11d ねじ孔、12 クリップ、12a 基部、12b ばね部、13 支持部材、13a 基部、13b 外板部、13c 内板部、14 押え板、15 ねじ、16 インナデッキ本体、16a 下延部、17 傾斜部、17a ねじ通し孔、18 インナデッキ突出部、19 ねじ、20 インナパッキング、21 ドライバ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベヤに設置される乗客コンベヤの欄干装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、欄干パネルの下部とスカートガードとの間の空間をインナデッキが上方から覆うために、欄干パネルの下端部を保持する保持装置にインナブラケットが固定され、インナデッキの欄干パネル側の端部がねじを用いてインナブラケットに固定されたエスカレータの欄干装置が知られている。インナブラケットには、欄干パネルの側面に対して垂直な固定面が設けられている。インナブラケットの固定面には、インナデッキの欄干パネル側の端部が載せられている。インナデッキの欄干パネル側の端部には、上方からねじが貫通している。インナブラケットには、インナデッキを貫通したねじが固定面を通って螺着している。これにより、インナブラケットには、インナデッキの欄干パネル側の端部が固定さる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−347650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インナブラケットの固定面が欄干パネルの側面に対して垂直となっており、かつ、ねじが固定面を通ってインナブラケットに螺着するので、ねじの軸線が欄干パネルに平行になってしまう。これにより、ねじと欄干パネルとの間の距離が近い場合には、ねじを回転させるドライバの持ち手部分が欄干パネルに当たってしまい、ねじを回転させることが困難となる。その結果、インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率が悪くなるという問題点があった。
【0005】
この発明は、インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率を向上させることができる乗客コンベヤの欄干装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る乗客コンベヤの欄干装置は、下端部が保持装置に保持された欄干パネルと、前記欄干パネルと踏段との間に設けられ、前記踏段の側面に対向したスカートガードと、インナデッキ本体と、前記インナデッキ本体の前記欄干パネル側に設けられ、前記欄干パネルに近づくにつれて高くなる傾斜部とを有し、前記欄干パネルと前記スカートガードとの間の空間を上方から覆うインナデッキと、前記保持装置に対して固定されたインナブラケット固定部と、前記インナブラケット固定部から前記スカートガード側に突出した突出部とを有したインナブラケットと、前記インナデッキに設けられ、前記突出部に載せられる固定部材と、前記傾斜部を上方から貫通するねじ部材と、前記傾斜部よりも下方で前記欄干パネルに近づくにつれて高くなるように設けられ、前記ねじ部材に螺着される螺着部と、前記突出部の下面に対向する下面対向部と、前記螺着部と前記下面対向部とを連結した移動部材連結部とを有し、前記螺着部が前記傾斜部に近づく方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とが前記突出部を把持し、前記螺着部が前記傾斜部から離れる方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とによる前記突出部の把持が解除される移動部材とを備えたている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る乗客コンベヤの欄干装置によれば、欄干パネルに近づくにつれて高くなる傾斜部がインナデッキの欄干パネル側の端部に設けられ、ねじ部材が傾斜部を上方から貫通するので、ねじ部材の頭部が先端部よりも欄干パネルから離れるようにねじ部材が欄干パネルに対して傾斜する。これにより、ドライバが欄干パネルに対して傾斜するので、欄干パネルとねじ部材との間の距離が近い場合であっても、ねじ部材を回転させるためのドライバの持ち手部分が欄干パネルに当たりにくくなり、ねじ部材を容易に回転させることができる。その結果、インナデッキをインナブラケットに着脱するための作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエスカレータの乗降口を示す斜視図である。
【図2】図1の欄干装置の下部を示す断面図である。
【図3】図2の欄干装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図2インナブラケットを示す斜視図である。
【図5】図2の固定体を示す斜視図である。
【図6】図2の移動体を示す斜視図である。
【図7】図2の突出部が乗せ部と対向部との間に挿入される様子を示す断面図である。
【図8】図2のねじを回転させる様子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係るエスカレータの欄干装置の要部を示す断面図である。
【図10】図9のインナブラケットを示す斜視図である。
【図11】図9の欄干装置の要部を示す斜視図である。
【図12】図9の固体体を示す斜視図である。
【図13】図9の移動体を示す斜視図である。
【図14】図9の突出部が乗せ部と対向部との間に挿入される様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエスカレータ(乗客コンベヤ)の乗降口を示す斜視図である。図において、エスカレータは、循環移動する踏段1と、踏段1の幅方向外側に設けられた一対の欄干装置(乗客コンベヤの欄干装置)2と、各欄干装置2に設けられ、踏段1とともに循環移動する一対の手摺3とを備えている。
【0011】
図2は図1の欄干装置2の下部を示す断面図、図3は図2の欄干装置2の要部を示す斜視図である。エスカレータの主枠(図示せず)には、保持装置4が固定されている。欄干装置2は、保持装置4に下端部が保持された欄干パネル5と、欄干パネル5から踏段1側に離れて設けられたスカートガード6と、欄干パネル5とスカートガード6との間の空間を上方から覆うインナデッキ7とを備えている。また、欄干装置2は、保持装置4に固定されたインナブラケット8と、インナデッキ7に設けられ、インナブラケット8に載せられる固定部材9と、インナデッキ7を上方から貫通するねじ(ねじ部材)10と、ねじ10に取り付けられた移動部材11と、インナデッキ7をスカートガード6に取り付けるクリップ12とを備えている。
【0012】
保持装置4は、1.0〜1.2m程度の間隔で、踏段1の移動方向に並べられている。保持装置4は、主枠に固定された支持部材13と、支持部材13との間で欄干パネル5を挟む押え板14と、支持部材13に取り付けられたねじ15とを有している。支持部材13は、欄干パネル5を支持した基部13aと、欄干パネル5の外側の側面に対向した外板部13bと、押え板14よりも踏段1側で、欄干パネル5の内側の面に対向した内板部13cとを有している。基部13a、外板部13bおよび内板部13cは、一体に形成されている。ねじ15は、先端部が踏段1側から欄干パネル5側を向くように内板部13cに取り付けられている。欄干パネル5に近づく方向にねじ15が回転することにより、ねじ15が押え板14を欄干パネル5に向かって押圧する。基部13aが欄干パネル5を支持し、外板部13bと内板部13cとが欄干パネル5を挟むことにより、欄干パネル5が保持装置4に保持される。
【0013】
欄干パネル5は、踏段1の移動方向に複数枚連続して並べられている。また、欄干パネル5は、鉛直方向に配置されている。欄干パネル5は、ガラスから構成されている。なお、欄干パネル5は、ガラスに限らず、例えば、ステンレス等から構成されてもよい。
【0014】
スカートガード6は、欄干パネル5と踏段1との間で、踏段1の側面に対向して設けられている。スカートガード6は、踏段1の移動方向に複数枚連続して並べられている。スカートガード6は、踏段1の側面に対向した板状のスカートガード本体6aと、スカートガード本体6aの上端部に設けられ、欄干パネル5側に突出したスカートガード上端部6bとを有している。スカートガード本体6aおよびスカートガード上端部6bは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。
【0015】
インナデッキ7は、踏段1の移動方向に複数枚連続して並べられている。インナデッキ7は、インナデッキ本体16と、インナデッキ本体16の欄干パネル5側の端部に設けられた傾斜部17と、インナデッキ本体16のスカートガード6側の端部に設けられたインナデッキ突出部18とを有している。インナデッキ本体16は、傾斜部17側の端部に設けられ下方に延びた下延部16aを有している。下延部16aの下端部に傾斜部17が設けられている。傾斜部17は、欄干パネル5に近づくにつれて高くなるように傾斜している。傾斜部17には、傾斜部17の上面に対して垂直な方向に貫通孔であるねじ通し孔17aが形成されている。インナデッキ突出部18は、インナデッキ本体16のスカートガード6側の端部から欄干パネル5側に突出している。インナデッキ突出部18は、スカートガード上端部6bに重ねられている。インナデッキ本体16、傾斜部17およびインナデッキ突出部18は、板状部材を折り曲げることにより形成されている。
【0016】
インナブラケット8は、ねじ19を用いて押え板14に固定されたインナブラケット固定部8aと、インナブラケット固定部8aの上端部からスカートガード6側に突出した突出部8bとを有している。図4は図2のインナブラケット8を示す斜視図である。インナブラケット固定部8aは、押え板14に沿った板状に形成されている。インナブラケット固定部8aおよび突出部8bは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。また、突出部8bおよびインナブラケット固定部8aの上端部には、切欠き部8cが形成されている。切欠き部8cは、突出部8bおよびインナブラケット固定部8aの踏段1の移動方向についての中間部に形成されている。
【0017】
図2に示すように、固定部材9は、傾斜部17に接着またはスポット溶接等により固定された固定部材固定部9aと、突出部8bの上面と対向する上面対向部9bと、固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結した固定部材連結部9cとを有している。固定部材固定部9aは、傾斜部17に沿っている。固定部材9の断面は、略コ字状となっている。固定部材固定部9a、上面対向部9bおよび固定部材連結部9cは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。固定部材固定部9aは、傾斜部17の下面に重ねられている。固定部材固定部9aには、傾斜部17に形成されたねじ通し孔17aの延長線上に貫通孔であるねじ通し孔9dが形成されている。固定部材固定部9aの踏段1側の端部および上面対向部9bの踏段1側の端部は、移動部材11よりも踏段1側に位置している。固定部材連結部9cは、移動部材11よりも踏段1側を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結している。図5は図2の固定部材9を示す斜視図である。上面対向部9bには、踏段1の移動方向についての中間部に切欠き部9eが形成されている。
【0018】
図2に示すように、ねじ10は、傾斜部17のねじ通し孔17aおよび固定部材固定部9aのねじ通し孔9dに上方から挿入されることにより、インナデッキ7および固定部材9を貫通する。ねじ10は、ねじ通し孔17aおよびねじ通し孔9dに通されることにより、頭部が先端部よりも欄干パネル5から離れるように欄干パネル5に対して傾斜する。
【0019】
図6は図2の移動部材11を示す斜視図である。移動部材11は、傾斜部17および固定部材固定部9aよりも下方かつ上面対向部9bよりも上方においてねじ10に螺着される螺着部11aと、各突出部8bの下面に対向した一対の下面対向部11bと、螺着部11aと下面対向部11bとを連結した一対の移動部材連結部11cとを有している。螺着部11aは、傾斜部17に沿った板状に形成されている。なお、螺着部11aは、傾斜部17に平行である場合に限らず、欄干パネル5に近づくにつれて高くなるように傾斜していればよい。螺着部11aには、ねじ10が挿入されるねじ孔11dが形成されている。移動部材連結部11cは、踏段1の移動方向についての螺着部11aの両端部に1個ずつ設けられている。下面対向部11bは、各移動部材連結部11cの下端部に、1個ずつ設けられている。螺着部11a、下面対向部11bおよび移動部材連結部11cは、板状部材を折り曲げることにより形成されている。
【0020】
図3に示すように、移動部材連結部11cは、固定部材9の切欠き部9eに挿入されている。移動部材11は、固定部材9に対して上下方向に移動可能となっている。移動部材連結部11cは、ねじ10が回転するときに、固定部材連結部9cまたは上面対向部9bに当たる。これにより、移動部材1が回転することが抑制される。
【0021】
螺着部11aが傾斜部17に近づく方向にねじ10が回転することにより、上面対向部9bと下面対向部11bとが突出部8bを把持する。螺着部11aが傾斜部17から離れる方向にねじ10が回転することにより、上面対向部9bと下面対向部11bとによる突出部8bの把持が解除される。
【0022】
移動部材連結部11cは、踏段1の移動方向について上面対向部9bと隣り合っている。移動部材連結部11cは、インナブラケット8の切欠き部8cに挿入される。このとき、突出部8bは、上面対向部9bと下面対向部11bとの間に配置される。突出部8bと移動部材連結部11cとが、踏段1の移動方向について互いに当たることにより、踏段1の移動方向についてのインナブラケット8に対する移動部材11の移動が規制される。したがって、踏段1の移動方向についてのインナブラケット8に対するインナデッキ7の移動が規制される。その結果、踏段1の移動方向についてのインナデッキ7の位置が決められている。
【0023】
図2に示すように、欄干パネル5には、傾斜部17およびねじ10の頭部を上方から覆うインナパッキング20が設けられている。インナパッキング20は、弾性変形可能な樹脂から構成されている。インナパッキング20は、保持装置4に設けられた取付部材(図示せず)により、欄干パネル5に固定されている。
【0024】
クリップ12は、保持装置4に設けられた支持装置(図示せず)により支持されている。クリップ12は、踏段1の移動方向に複数個間隔をおいて並べられている。クリップ12は、板状の基部12aと、基部12aの上面に取り付けられたばね部12bとを有している。基部12aおよびばね部12bのそれぞれの欄干パネル5側の端部が、互いに固定されている。基部12aとばね部12bとの間には、踏段1側から欄干パネル5側に向かってスカートガード上端部6bおよびインナデッキ突出部18が挿入されるようになっている。クリップ12がスカートガード上端部6bおよびインナデッキ突出部18を挟むことにより、インナデッキ7のスカートガード6側の端部がスカートガード6に取り付けられる。なお、クリップ12は、支持装置に支持される場合に限らず、基部12aがスカートガード上端部6bの下面に当たった状態でスカートガード6に固定される場合であってもよい。
【0025】
次に、この実施の形態に係るエスカレータの欄干装置2の組立手順について説明する。
まず、傾斜部17および固定部材9の固定部材固定部9aにねじ10を上方から貫通させ、ねじ10の先端部に移動部材11を取り付ける。
【0026】
その後、主枠に固定された保持装置4に欄干パネル5を保持させ、さらに、ねじ19を用いてインナブラケット8を保持装置4に固定する。また、インナパッキング20を欄干パネル5に取り付け、保持装置4に設けられた取付部材により、インナパッキング20を欄干パネル5に固定する。
【0027】
その後、スカートガード6を踏段1の側面に対向するように所定の位置に配置し、スカートガード上端部6bをクリップ12に挿入する。
【0028】
その後、図7に示すように、突出部8bが上面対向部9bと下面対向部11bとの間に挿入されるように、インナデッキ7、固定部材9および移動部材11を欄干パネル5側へ水平方向に移動させる。このとき、インナデッキ突出部18をクリップ12に挿入して、スカートガード上端部6bおよびインナデッキ突出部18をクリップ12に挟ませる。
【0029】
その後、図8に示すように、インナパッキング20の一部をめくり上げ、ドライバ21を用いて、螺着部11aが傾斜部17に近づく方向にねじ10を回転させる。下面対向部11bと上面対向部9bとにより突出部8bが把持されるまでねじ10を回転させて、インナデッキ7の傾斜部17をインナブラケット8に対して固定する。
【0030】
その後、めくり上げたインナパッキング20を元の位置に戻して、インナパッキング20でねじ10の頭部およびインナデッキ7の傾斜部17を上方から覆う。このとき、図2に示すように、インナパッキング20の踏段1側の端部をインナデッキ7の下延部16aに当てる。
【0031】
同様の手順により、他のインナデッキ7もインナブラケット8に対して固定する。以上により、欄干装置2の組立作業が終了する。
【0032】
インナデッキ7をインナブラケット8から取り外す場合には、上記手順と逆の手順を行う。
【0033】
以上説明したように、この実施の形態に係るエスカレータの欄干装置2によれば、欄干パネル5に近づくにつれて高くなる傾斜部17がインナデッキ7の欄干パネル5側の端部に設けられ、ねじ10が傾斜部17を上方から貫通しているので、ねじ10の頭部が先端部よりも欄干パネル5から離れるようにねじ10が欄干パネル5に対して傾斜する。これにより、ドライバ21が欄干パネル5に対して傾斜するので、欄干パネル5とねじ10との間の距離が近い場合であっても、ねじ10を回転させるためのドライバ21の持ち手部分が欄干パネル5に当たりにくくなり、ねじ10を容易に回転させることができる。その結果、インナデッキ7をインナブラケット8に着脱するための作業効率を向上させることができる。
【0034】
また、インナデッキ突出部18がインナデッキ本体16のスカートガード6側の端部から欄干パネル5側に突出し、スカートガード上端部6bがスカートガード本体6aの上端部から欄干パネル5側に突出し、インナデッキ突出部18およびスカートガード上端部6bが互いに重ねられ、インナデッキ突出部18およびスカートガード上端部6bがクリップ12により挟まれるので、踏段1側にインナデッキ7およびスカートガード6の端面が露出することを防止することができる。その結果、乗客の衣服などがインナデッキ7またはスカートガード6に引っかかることを抑制することができる。また、インナデッキ7がスカートガード6に取り付けられた状態で、インナデッキ7に上方向の外力が加えられた場合に、インナデッキ7がスカートガード6から外れてしまうことを抑制することができる。
【0035】
また、固定部材連結部9cが、踏段1の移動方向について上面対向部9bと隣り合っているので、インナデッキ7をインナブラケット8に取り付ける際に、踏段1の移動方向についてのインナデッキ7の位置決めをすることができる。その結果、インナデッキ7を所定の位置に容易に取り付けることができる。
【0036】
また、インナパッキング20が、傾斜部17およびねじ10の頭部を上方から覆っているので、乗客の衣服等が傾斜部17の端面またはねじ10の頭部に引っかかることを抑制することができる。また、ねじ10の頭部が露出しないので、欄干装置2の意匠性を向上させることができる。
【0037】
また、インナデッキ7を踏段1から欄干パネル5側へ水平方向に移動させることでインナデッキ7をインナブラケット8に対して固定することができるので、複数枚並べられたインナデッキ7の中から、任意の1枚だけをインナブラケット8から取り外すことができる。その結果、例えば、手摺駆動装置等のメンテナンス時に、必要最低限の数のインナデッキ7のみをインナブラケット8から取り外すことができるので、メンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0038】
なお、この実施の形態では、一対の下面対向部11bおよび一対の移動部材連結部11cを有した移動部材11について説明したが、下面対向部11bおよび移動部材連結部11cを1個ずつ有した移動部材11であってもよい。
【0039】
また、この実施の形態では、切欠き部9eが形成された固定部材9について説明したが、切欠き部9eが形成されていない固定部材9であってもよい。
【0040】
また、この実施の形態では、切欠き部8cが形成されたインナブラケット8について説明したが、切欠き部8cが形成されていないインナブラケット8であってもよい。
【0041】
また、この実施の形態では、移動部材11よりも踏段1側を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結した固定部材連結部9cについて説明したが、移動部材11よりも欄干パネル側5を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結した固定部材連結部9cであってもよい。
【0042】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係るエスカレータの欄干装置2の要部を示す断面図、図10は図9のインナブラケット8を示す斜視図である。図において、この実施の形態におけるインナブラケット8は、実施の形態1におけるインナブラケット8のような切欠き部8cが形成されていない。インナブラケット8の踏段1の移動方向に沿った寸法は、固定部材9および移動部材11の踏段1の移動方向に沿った寸法とほぼ等しくなっている。なお、インナブラケット8の踏段1の移動方向に沿った寸法は、これに限らず、例えば、固定部材9および移動部材11の踏段1の移動方向に沿った寸法よりも小さい場合や大きい場合であってもよい。
【0043】
図11は図9の欄干装置2の要部を示す斜視図、図12は図9の固定部材9を示す斜視図である。固定部材固定部9aの欄干パネル5側の端部および上面対向部9bの欄干パネル5側の端部は、螺着部11aよりも欄干パネル5側に位置している。固定部材連結部9cは、欄干パネル5と螺着部11aとの間を通って固定部材固定部9aと上面対向部9bとを連結している。
【0044】
図13は図9の移動部材11を示す斜視図である。螺着部11aの踏段1側の端部および下面対向部11bの踏段1側の端部は、上面対向部9bよりも踏段1側に位置している。移動部材連結部11cは、上面対向部9bよりも踏段1側を通って螺着部11aと下面対向部11bとを連結している。移動部材11の断面は、略コ字状に形成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0045】
図14は図9の突出部8bが上面対向部9bと下面対向部11bとの間に挿入される様子を示す断面図である。傾斜部17をインナブラケット8に対して固定する場合には、突出部8bが上面対向部9bと下面対向部11bとの間に挿入されるように、インナデッキ7、固定部材9および移動部材11を欄干パネル5側へ水平方向に移動させる。このとき、踏段1の移動方向に沿って視たときに、固定部材9と移動部材11とが重ならないので、インナブラケット8へのインナデッキ7の取り付け位置を、踏段1の移動方向について作業者が自由に調整する。その他の手順は、実施の形態1と同様である。
【0046】
以上説明したように、この実施の形態に係るエスカレータの欄干装置2によれば、移動部材連結部11cが上面対向部9bよりも踏段1側を通り、固定部材連結部9cが、欄干パネル5と螺着部11aとの間を通るので、踏段1の移動方向に沿って視たときに、固定部材9と移動部材11とが重なることを防止することができる。これにより、インナブラケット8へのインナデッキ7の取り付け位置を、踏段1の移動方向について自由に調整することができる。その結果、インナブラケット8へのインナデッキ7の取り付け作業を容易化させることができる。また、インナブラケット8、固定部材9および移動部材11の形状をシンプルにすることができる。その結果、インナブラケット8、固定部材9および移動部材11の各部材を容易に製造することができ、また、各部材を安価に製造することができる。
【0047】
なお、この実施の形態では、踏段1の移動方向に沿って複数個並べられたインナブラケット8について説明したが、エスカレータの長手方向についての全長に渡って連続して形成された1本のインナブラケット8であってもよい。これにより、踏段1の移動方向についてのインナデッキ7のインナブラケット8への取り付け位置をさらに自由に調整することができる。
【0048】
また、各上記実施の形態では、乗客コンベヤとしてエスカレータを例に説明したが、動く歩道であってもよい。
【0049】
また、各上記実施の形態では、ねじ部材としてねじ10を例に説明したが、例えば、ボルト等であってもよい。
【0050】
また、各上記実施の形態では、それぞれが別部材として形成されたインナデッキ7および固定部材9について説明したが、板状部材を折り曲げることにより一体に形成されたインナデッキ7および固定部材9であってもよい。
【0051】
また、各上記実施の形態では、固定部材固定部9aが傾斜部17に固定された固定部材9について説明したが、傾斜部17に限らず、その他のインナデッキ7の部分に固定部材固定部9aが固定された固定部材9であってもよい。
【0052】
また、各上記実施の形態では、貫通孔であるねじ通し孔17aが形成された傾斜部17について説明したが、貫通孔に限らず、欄干パネル側5の端面から踏段1側に向かって延びたスリットが形成された傾斜部17であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 踏段、2 欄干装置(乗客コンベヤの欄干装置)、3 手摺、4 保持装置、5 欄干パネル、6 スカートガード、6a スカートガード本体、6b スカートガード上端部、7 インナデッキ、8 インナブラケット、8a インナブラケット固定部、8b 突出部、8c 切欠き部、9 固定部材、9a 固定部材固定部、9b 上面対向部、9c 固定部材連結部、9d ねじ通し孔、9e 切欠き部、10 ねじ(ねじ部材)、11 移動部材、11a 螺着部、11b 下面対向部、11c 移動部材連結部、11d ねじ孔、12 クリップ、12a 基部、12b ばね部、13 支持部材、13a 基部、13b 外板部、13c 内板部、14 押え板、15 ねじ、16 インナデッキ本体、16a 下延部、17 傾斜部、17a ねじ通し孔、18 インナデッキ突出部、19 ねじ、20 インナパッキング、21 ドライバ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部が保持装置に保持された欄干パネルと、
前記欄干パネルと踏段との間に設けられ、前記踏段の側面に対向したスカートガードと、
インナデッキ本体と、前記インナデッキ本体の前記欄干パネル側に設けられ、前記欄干パネルに近づくにつれて高くなる傾斜部とを有し、前記欄干パネルと前記スカートガードとの間の空間を上方から覆うインナデッキと、
前記保持装置に対して固定されたインナブラケット固定部と、前記インナブラケット固定部から前記スカートガード側に突出した突出部とを有したインナブラケットと、
前記インナデッキに設けられ、前記突出部に載せられる固定部材と、
前記傾斜部を上方から貫通するねじ部材と、
前記傾斜部よりも下方で前記欄干パネルに近づくにつれて高くなるように設けられ、前記ねじ部材に螺着される螺着部と、前記突出部の下面に対向する下面対向部と、前記螺着部と前記下面対向部とを連結した移動部材連結部とを有し、前記螺着部が前記傾斜部に近づく方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とが前記突出部を把持し、前記螺着部が前記傾斜部から離れる方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とによる前記突出部の把持が解除される移動部材とを備えたことを特徴とする乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項2】
前記スカートガードは、前記踏段の側面に対向するスカートガード本体と、前記スカートガード本体の上端部に設けられ、前記欄干パネル側に突出したスカートガード上端部とを有し、
前記インナデッキは、前記インナデッキ本体の前記スカートガード側の端部から前記欄干パネル側に突出して前記スカートガード上端部の上面に重ねられるインナデッキ突出部をさらに有し、
前記欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けられ、前記スカートガード上端部および前記インナデッキ突出部を挟むクリップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項3】
前記固定部材は、前記インナデッキに固定された固定部材固定部と、前記突出部の上面と対向する上面対向部と、前記固定部材固定部と前記上面対向部とを連結した固定部材連結部とを有し、
前記移動部材連結部は、前記踏段の移動方向について前記上面対向部と隣り合うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記インナデッキに固定された固定部材固定部と、前記突出部の上面と対向する上面対向部と、前記固定部材固定部と前記上面対向部とを連結した固定部材連結部とを有し、
前記移動部材連結部は、前記上面対向部よりも前記踏段側を通り、
前記固定部材連結部は、前記欄干パネルと前記螺着部との間を通ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項5】
前記欄干パネルに設けられ、前記傾斜部および前記ねじ部材の頭部を上方から覆うインナパッキングをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項1】
下端部が保持装置に保持された欄干パネルと、
前記欄干パネルと踏段との間に設けられ、前記踏段の側面に対向したスカートガードと、
インナデッキ本体と、前記インナデッキ本体の前記欄干パネル側に設けられ、前記欄干パネルに近づくにつれて高くなる傾斜部とを有し、前記欄干パネルと前記スカートガードとの間の空間を上方から覆うインナデッキと、
前記保持装置に対して固定されたインナブラケット固定部と、前記インナブラケット固定部から前記スカートガード側に突出した突出部とを有したインナブラケットと、
前記インナデッキに設けられ、前記突出部に載せられる固定部材と、
前記傾斜部を上方から貫通するねじ部材と、
前記傾斜部よりも下方で前記欄干パネルに近づくにつれて高くなるように設けられ、前記ねじ部材に螺着される螺着部と、前記突出部の下面に対向する下面対向部と、前記螺着部と前記下面対向部とを連結した移動部材連結部とを有し、前記螺着部が前記傾斜部に近づく方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とが前記突出部を把持し、前記螺着部が前記傾斜部から離れる方向に前記ねじ部材が回転することにより、前記固定部材と前記下面対向部とによる前記突出部の把持が解除される移動部材とを備えたことを特徴とする乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項2】
前記スカートガードは、前記踏段の側面に対向するスカートガード本体と、前記スカートガード本体の上端部に設けられ、前記欄干パネル側に突出したスカートガード上端部とを有し、
前記インナデッキは、前記インナデッキ本体の前記スカートガード側の端部から前記欄干パネル側に突出して前記スカートガード上端部の上面に重ねられるインナデッキ突出部をさらに有し、
前記欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けられ、前記スカートガード上端部および前記インナデッキ突出部を挟むクリップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項3】
前記固定部材は、前記インナデッキに固定された固定部材固定部と、前記突出部の上面と対向する上面対向部と、前記固定部材固定部と前記上面対向部とを連結した固定部材連結部とを有し、
前記移動部材連結部は、前記踏段の移動方向について前記上面対向部と隣り合うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記インナデッキに固定された固定部材固定部と、前記突出部の上面と対向する上面対向部と、前記固定部材固定部と前記上面対向部とを連結した固定部材連結部とを有し、
前記移動部材連結部は、前記上面対向部よりも前記踏段側を通り、
前記固定部材連結部は、前記欄干パネルと前記螺着部との間を通ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【請求項5】
前記欄干パネルに設けられ、前記傾斜部および前記ねじ部材の頭部を上方から覆うインナパッキングをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の乗客コンベヤの欄干装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−111324(P2011−111324A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272293(P2009−272293)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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