説明

乗用コンベヤ用の欄干アセンブリ

欄干アセンブリは、締結具を用いずに互いにおよび欄干支持構造体に取り付けられたデッキパネルとスカートパネルを含む。欄干アセンブリに含まれる位置決め装置は、乗用コンベヤのフレームの一部であるか、あるいはこれに連結された固定構成要素を押すことにより、スカートパネルの位置を移動する踏段に対して2方向で変更する。アセンブリで使用される欄干支持体は、材料および製造の費用を削減するとともに、乗用コンベヤにおける欄干パネルおよび手すりの高さを変更するように調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用コンベヤの欄干、デッキおよびスカートパネル用の改善された取付アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータ、動く歩道および他の乗用コンベヤは、一般に、一連のトレッドプレート、フレーム、駆動装置、踏段チェーンおよび一対の欄干アセンブリを含む。例えば、エスカレータでは、フレームはフレームの左右両側に設けられたトラスを含み、これらのトラスの間に踏段が配置される。各々のトラスは、乗場を構成する2つの端部を有し、これらの端部は傾斜した中間部によって連結される。各々のトラスの内側、すなわち他方のトラスに面するトラスの側には、対応する一対のローラトラックが取り付けられる。上方の乗場は、一般にトラスの間にエスカレータ駆動装置を収容する。駆動装置は、一対の踏段チェーンスプロケットを駆動し、踏段チェーンスプロケットは、トレッドプレートを移動させるように踏段チェーンに運動を伝える。トレッドプレートは、一方の高さから他方の高さまで延在して一方の高さに戻るローラトラックに案内されて閉ループに沿って移動する。安全のために、トレッドプレートと同じ方向および速度で移動する乗客用の手すりが設けられる。欄干アセンブリは、トレッドプレートの両側で手すりを支持するとともに案内する。
【0003】
各々の欄干アセンブリは、手すりを支持するために基部から延在する欄干パネルを含む。基部は、外部的には外側および内側の欄干デッキおよびスカートパネルを備える。外側デッキは、移動するトレッドプレートとは反対の欄干パネルの側に機構を収容する。内側デッキは、移動するトレッドプレートに隣接して機構を収容する。内側デッキは、さらに、欄干パネルとスカートパネルの間に移行部を提供する。また、基部は、内部的にはフレームに取り付けられるとともに欄干パネルと手すりを支持する支持構造体からなる。
【0004】
スカートパネルは、移動するトレッドプレートに近接して、但し接触しないように設けられている。スカートパネルは、一般に、固定されたスカートパネルと移動するトレッドプレートとの間の間隙に物や乗客の体の一部が引き込まれて挟まるおそれを減少させるためにトレッドプレートに近接して配置される。また、パネルとトレッドプレートとの間のピンチングを防止するように、スカートパネルは多くの場合堅いパネルである。スカートパネルは、典型的に構造部材とシートメタルから組み立てられる。一般的に、シートメタルは、トレッドプレートに近接する面を提供し、構造部材は構造に剛性を追加する。トレッドプレートに対してスカートパネルを位置決めおよび保持するために必要な装置は、構造部材によって決まるとともに、構造部材に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
構造的な必要条件を犠牲にすることなく、欄干アセンブリの材料費および複雑さを減少させるとともに、このようなアセンブリの設置および修理にかかる時間および費用を減少させることが引き続き求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
乗用コンベヤの欄干アセンブリは、欄干支持体、デッキパネル、スカートパネルおよび第1および第2のフレキシブルバンドを含む。欄干支持体は、乗用コンベヤのフレームに固定されるように設けられる。第1のフレキシブルバンドは、欄干支持体から上方に突出する欄干パネルからデッキパネルが実質的に離れるように延在するように、デッキパネルの第1の面を欄干支持体に連結する。第2のフレキシブルバンドは、スカートパネルが欄干パネルに実質的に平行にこの欄干パネルからオフセットされるように、デッキパネルの第2の面をスカートパネルの第1の面に連結するとともに、スカートパネルの第1の面を欄干支持体に連結する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】エスカレータの斜視図である。
【図2A】図1のエスカレータで使用される本発明に係る欄干アセンブリの詳細説明図である。
【図2B】図1のエスカレータで使用される本発明に係る欄干アセンブリの詳細説明図である。
【図3A】図2A,図2Bの欄干アセンブリで使用される支持構造体の詳細説明図である。
【図3B】図2A,図2Bの欄干アセンブリで使用される支持構造体の詳細説明図である。
【図4】図2A,図2Bの欄干アセンブリで使用される欄干デッキ/スカートパネルアセンブリの断面図である。
【図5A】図2A,図2Bの欄干アセンブリで使用されるスカートパネル位置決め装置の詳細説明図である。
【図5B】図2A,図2Bの欄干アセンブリで使用されるスカートパネル位置決め装置の詳細説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、フレーム12、駆動装置14、踏段チェーン16、踏段18、ローラトラック20および欄干アセンブリ22を含むエスカレータ10の概略的な切欠き説明図である。フレーム12は、左右の両側にトラス24を含む(図1は一方側のみを示す)。各々のトラス24は、互いに平行な2つの端部26を有し、これらの端部は傾斜した中間部28によって連結されている。端部26は、上方の乗場30と下方の乗場32を構成する。対応する一対のローラトラック20が、各々のトラス24の内側、すなわち他方のトラス24に面するトラス24の面に取り付けられている。上方の乗場30は、トラス24の間にエスカレータ駆動装置14を収容する。駆動装置14は、一対の踏段チェーンスプロケット34を駆動し、踏段チェーンスプロケットは、踏段チェーン16に直線運動を伝える。踏段18は、踏段チェーン16に連結され、エスカレータ駆動装置14によって踏段チェーン16とともに駆動される。踏段チェーン16および踏段18は、一方の高さ(つまり、上方または下方の乗場30,32の一方)から他方の高さ(30,32)まで延びて一方の高さに戻る閉ループ経路に沿って移動する。
【0009】
欄干アセンブリ22は、手すり36、欄干パネル38、デッキ40およびスカートパネル42を含む。欄干パネル38は、踏段18の両側でデッキ40を通って上向きに突出して手すり36を支持する。デッキ40は、(以下で詳細に説明するように)下にある欄干アセンブリ22の支持構造体を覆っている。スカートパネル42は、欄干パネル38の内側(すなわち、踏段に面する側)でデッキ40に連結され、移動する踏段18に近接して、但し接触しないように配置される。踏段18の両側において、手すり36が、踏段18と同じ方向および速度でエスカレータ駆動装置14または独立した手すり駆動装置(図示省略)によって駆動される。手すり36は、エスカレータに乗車しているときに乗客(図示省略)が自らを支えることを可能にする。
【0010】
図2A,図2Bは、欄干アセンブリ22の詳細説明図である。図2Aは、欄干アセンブリの斜視図であり、図2Bは断面図である。欄干アセンブリ22は、手すり36、欄干パネル38、デッキ40、スカートパネル42、支持構造体44、欄干デッキ/スカートパネルアセンブリ46およびスカートパネル位置決め装置48を含む。図1に示すエスカレータ10は、エスカレータ10の全ての構成要素が取り付けられるトラス24を含む。トラス24は、エスカレータ10の長さにわたって延在し、踏段18の側面に実質的に平行、つまり踏段18の側面から等間隔で延在する。トラス24は、構造的な機能に加えて、エスカレータ10の残りの構成要素を配置するときの固定基準として機能する。図2A,図2Bでは、支持構造体44は、いくつかの固定された堅い構造部材を含み、これらの構造部材は、欄干アセンブリ22を支持するように踏段18の両側でトラス24に取り付けられている。手すり36、欄干パネル38およびデッキ/スカートパネルアセンブリ46は、全て支持構造体44に取り付けられるとともに支持される。スカートパネル位置決め装置48は、スカートパネル42に連結される。
【0011】
調整可能な欄干パネル支持体
乗用コンベヤの欄干アセンブリは、欄干パネルおよび手すりの構造的な支持部を含む。堅い支持部は、コンベヤフレームに連結され、一般に押し出しアルミニウム製のチャネルの形態である。アルミニウム製のチャネルは、良好な重量対強度特性を有し、かつ(欄干パネルに加えて種々の構成要素を固定するための多数のチャネルなど)単一の形状で多機能を提供するが、材料費および比較的複雑な形状を製造する複雑さにより高価である。従って、本発明の実施例は、材料費および製造費を削減し、乗用コンベヤの欄干パネルおよび手すりの高さを変更するように調整可能な欄干支持体を提供する。
【0012】
図3A,図3Bは、アンカーブラケット52、欄干パネル支持体54、フック56おおよび手すりガイド58を含む支持構造体44の詳細説明図である。アンカーブラケット52は、踏段18(図示省略)に隣接して、トラス24の長さに沿った離間された箇所でトラス24に取り付けられている。欄干パネル支持体54は、支持プレート60とL字型ブラケット62を含む。支持プレート60は、トラス24の長さに沿った離間された箇所においてアンカーブラケット52に第1の締結具64によって連結されている。欄干パネル支持プレート60とアンカーブラケット52の間に欄干パネル38が挟持される。トラス24の長さに沿って欄干パネル支持体54に剛性を追加するために、L字型ブラケット62が、支持プレート60の反対側で欄干パネル38とアンカーブラケット52のプレート52aの間に挿入される。複数の離間された支持プレート60とは異なり、L字型ブラケット62は、実質的にトラス24の全長にわたって延在する単一の細長いブラケットとすることができる。支持プレート60には、同じ第1の締結具64によって、フック56が取り付けられる。第1の締結具64は、例えば、ねじ付ボルト64aおよび支持プレート60およびフック56を順に固定するための複数のロックナット64bを含みうる。
【0013】
手すりガイド58も、アンカーブラケット52に連結される。ガイド58は、例えば、押し出し高密度ポリエチレンで形成され、それぞれ数インチの長さとすることができる。よって、各々のアンカーブラケット52は、それぞれ1つのハンドレールガイド58を支持する。ガイド58は、スロット58aを備え、このスロット58aに第2の締結具66によってアンカーブラケット52が固定される。ガイド58自体は、手すり36を入れ子式に受け入れるように実質的にT字型である。
【0014】
欄干支持体54は、上述の“欄干支持チャネル”を構成する。欄干支持チャネルは、これまでは、一般に比較的複雑で高価な押し出しアルミニウム部材であり、典型的なエスカレータアセンブリでは傾斜部で約13フィートの長さを有し、ガラス製欄干パネル38に全面的な支持を提供するものであった。一方、欄干支持体54は、支持プレート60とL字型ブラケット62を含み、いずれも比較的単純かつ安価な構成要素である。支持プレート60は、例えば、設置される特定の乗用コンベヤに適合されたアルミニウム製のプレートである。プレート60は、比較的小型で設計が単純であり、このため従来の欄干支持チャネルなどの比較的複雑な設計に比べて材料費および製造費が減少する。L字型ブラケット62は、市販の山形鋼を使用用途に合わせて切断して形状づけたものとすることができる。L字型ブラケット62は、長い押し出し支持チャネルを含む従来の設計の複雑さおよび費用を伴わずに欄干支持体54に剛性を追加する。
【0015】
手すり36と欄干パネル38を支持するための設計の単純化および費用の削減に加えて、欄干支持体54は、エスカレータ10(図1参照)におけるパネル38の高さを調整するように構成されている。上述したように、手すりガイド58は、第2の締結具66によってアンカーブラケット52に取り付けられている。第2の締結具66は、例えば、1つまたは複数のロックナット66bを有するねじ付ボルト66aを含む。第2の締結具66は、手すりガイド58をブラケット52に連結するだけでなく、欄干パネル38の高さを調整するように機能する。ボルト66aは、いくつかの実施例では単にねじ付シャンクであり、ロックナット66bによって垂直方向に調整可能であり、ロックナット66bは、欄干パネル38を押し上げるか、あるいは下げる。欄干パネル38の底部は、ボルト66aの頂部と接する。
【0016】
欄干デッキ/スカートパネルアセンブリ
エスカレータの運転中に、構成要素を連結するために使用される締結具がいくつもの構造的条件によって発生する振動によりゆるむおそれがある。このような締結具がエスカレータの外部で乗客の近くに設けられている場合には、ゆるんだ締結具が乗客の衣服や身体にひっかかるか、あるいは別の方法で接触する安全上のリスクが常にある。従って、乗客の安全を高め、美観を改善し、設置の複雑さおよび費用を減少させるために、本発明の実施例は、締結具を用いずに欄干デッキパネルおよびスカートパネルが互いにおよび欄干支持構造体に取り付けられる欄干アセンブリを提供する。
【0017】
図4は、欄干デッキ40、スカートパネル42、パネル支持プレート60、フック56および第1および第2のフレキシブルバンド70,72を含む欄干デッキ/スカートパネルアセンブリ46の断面図である。デッキ40は、欄干パネル38の内側、すなわち踏段18(図示省略)に面する側に設けられた内側デッキパネル40aと、欄干パネル38の外側に設けられた外側のデッキパネル40bと、を含む。内側デッキ40aは、例えば、曲げられたシートメタルから製造され、第1の部分40a’、第2の部分40a”、および第3の部分’”を含む。第1の部分40a’は、第1のバンド70のスロット70aに受け入れられ、欄干パネル38に対してほぼ垂直である。第2の部分40a”は、第1の部分40a’から下向きに鋭角で延在する。第3の部分40a’”は、第2の部分40a”から欄干パネル38にほぼ平行に延在する。支持プレート60は、形状づけられたフィン60aを含み、このフィン60aは、プレート60から第1のバンド70および内側デッキ40aに向かって延在する。第1のバンド70は、スロット70aと実質的C字型のチャネル70bを含む。第2のバンド72は、第1および第2のスロット72a,72bと実質的にU字型のチャネル72cを含む。
【0018】
図4では、第1のフレキシブルバンド70が、内側デッキ40aの第1の部分40a’をスロット70aに受け入れている。第1のバンド70は、C字型チャネル70bに受け入れられる形状づけられたフィン60aによって欄干支持体54に連結される。フィン60aは、チャネル70bに受け入れられるクリップとして作用し、第1のバンド70と内側デッキ40aを弾性的に保持する。第2のフレキシブルバンド72は、第2のスロット72bにスカートパネル42を受け入れる。スカートパネル42は、チャネル72cを受け入れて部分的に囲むL字型フランジ42aを含む。スカートパネル42と第2のバンド72は、フック56によって欄干支持体54に連結される。フック56は、曲げられたプレートであり、第1の締結具64によって欄干パネル38に実質的に垂直に欄干支持プレート60に取り付けられているとともに、欄干支持プレート60から延在している。第2のフレキシブルバンド72は、第1のスロット72aに内側デッキ40aの第3の部分’”を受け入れ、これにより、デッキ40aとスカートパネル42を互いにおよび欄干支持体54に固定する。第1および第2のフレキシブルバンド70,72は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)などの安価なプラスチックの押し出しによって製造できる。他の適切な製造法や材料も使用可能である。
【0019】
スカートパネル位置決め装置
エスカレータや他の乗用コンベヤのスカートパネルは、エスカレータのフレームに取り付けられるので、踏段が間を移動するときに固定された状態に保持される。踏段とスカートパネルの間の間隙は、間隙内に物が引き込まれて挟まるおそれを減少させるように非常に小さく保たれる。踏段とスカートパネルの間の間隙が非常に小さくなるようにエスカレータを設計することは、全ての設置位置でスカートパネルをエスカレータの踏段に対して正確に配置することを要するので、設置および保守にかかる費用や複雑さがかなり増加する。よって、本発明の実施例は、エスカレータフレームの一部であるか、あるいはこれに連結された固定構成要素を押すことで、移動する踏段に対してスカートパネルの位置を2方向で変更する装置を提供する。
【0020】
図5A,図5Bは、プレート80、ブラケット82およびポスト84を含むスカートパネル位置決め装置48の詳細説明図である。図5Aは、位置決め装置48の断面図であり、図5Bは、斜視図である。図5A,図5Bでは、プレート80は、スカートパネル42の内側面42b、すなわち踏段18(図5A,図5Bでは図示省略)の反対側でトラス24に面するスカートパネル42の面に連結されている。スカートパネル42は、内側面42bに3つのチャネル42c,42d,42eを含み、これらのチャネルにプレート80が連結される。プレート80は、締結具86によって第1のチャネル42cに連結される。締結具86は、例えば、C字型のチャネル42cに結合するT字型のヘッド部86bを有するボルト86aを含みうる。第3のチャネル42eは、第1のチャネル42cの下方に位置し、プレート80のスロット80aに受け入れられるように設けられたリップ部42e’を含む。第2のチャネル42dは、第1および第3のチャネル42c,42eの間に位置する。
【0021】
ブラケット82は、プレート80に調整可能に連結され、スカートパネル42に実質的に垂直に踏段18から離れるように延在する。ブラケット82は、第1、第2、第3および第4の壁82a,82b,82c,82dを含む。第1の壁82aは、スカートパネル42に実質的に垂直に踏段18から離れるように延在する。第2の壁82b(図5B参照)は、スカートパネル42に実質的に垂直に踏段18から離れるように延在するとともに、第1の壁82aにほぼ垂直に連結される。第3の壁82cは、スカートパネル42に実質的に平行に配置され、かつ第1および第2の壁82a,82bの一方の端部に連結される。第4の壁82dは、スカートパネル42に実質的に平行に配置され、かつ第1および第2の壁82a,82bの他方の端部に連結される。第3の壁82cは、調整可能な締結具88によってプレート80に連結され、ブラケット82は、締結具88の調整によりスカートパネル42から離れるように、もしくは近づくように移動する。ブラケット82がスカートパネル42から離れるように調整されると、最終的にトラス24に接触して、第1の方向、例えば水平方向でスカートパネル42の位置を調整する。
【0022】
ポスト84は、プレート80に調整可能に連結されているとともに、スカートパネル42に実質的に平行にプレート80の底部から下向きに延在する。図5A,図5Bでは、ローラトラック20の一部が示されている。トラック20は、スカートパネル42の下側に配置されているとともに、垂直レッグ部20aおよび水平レッグ部20bを有するL字形状である。スカートパネル42は、トラック20の垂直レッグ部20aの端部を受け入れるように設けられたクリップ42fを含む。ポスト84は、ねじ付ボルト84aとロックナット84bを含む。ボルト84aは、プレート80のプラットフォーム80bに螺合され、ロックナット84bは、プラットフォーム80bからボルト84aが下向きに突出する距離を設定する。ボルト84aとロックナット84bの調整により、ポスト84がスカートパネル42の下方に位置するトラック20と接触して、スカートパネル42の位置が第2の方向、例えば垂直方向で調整される。従って、位置決め装置48は、エスカレータフレーム12の一部であるか、あるいはこれに連結された固定構成要素であるトラス24とローラトラック20を押すことによって、移動する踏段18に対してスカートパネル42の位置を2方向で変更するように設けられている。
【0023】
本発明の実施例は、欄干支持体、デッキ/スカートパネルアセンブリおよびスカートパネル位置決め装置を含む種々の特徴部を有する改善された欄干アセンブリを提供する。欄干支持体は、従来の押し出しアルミニウム欄干支持チャネルに比べて比較的少ない材料および比較的単純な構成要素を使用する。また、欄干支持体は、乗用コンベヤにおける欄干パネルおよび手すりの高さを変更するように調整可能である。欄干デッキ/スカートパネルアセンブリは、デッキとスカートパネルを互いにおよび欄干支持構造体のフレームに連結する。スカートパネル位置決め装置は、乗用コンベヤフレームの一部であるか、あるいはこれに連結された固定構成要素を押すことにより、移動する踏段に対するスカートパネルの位置を2方向で変更する。
【0024】
好適実施例を参照して本発明を説明したが、当業者であれば分かるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずにその形態および詳細を変更することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトレッドプレートに隣接して配置されるとともに、該トレッドプレートの反対側に面する内側面を有するスカートパネルと、
前記トレッドプレートの反対側で前記スカートパネルの側方に配置されたフレーム部材と、
前記スカートパネルの下方に配置されたトラックと、
前記スカートパネルの内側面に連結されるとともに、該スカートパネルに実質的に平行に配置されたプレートと、
前記スカートパネルの反対側で前記プレートに調整可能に連結されるとともに、前記スカートパネルから離れるように該スカートパネルに実質的に垂直に延在する第1の部材であって、前記スカートパネルの位置を第1の方向で調整するように、前記フレーム部材と係合するよう調整可能な第1の部材と、
前記プレートに調整可能に連結されるとともに、前記スカートパネルに実質的に平行に延在する第2の部材であって、前記スカートパネルの位置を第2の方向で調整するように、前記トラックと係合するよう設けられた第2の部材と、を有することを特徴とする乗用コンベヤ用の欄干アセンブリ。
【請求項2】
前記スカートパネルは、内側面に設けられた複数のチャネルを含み、前記プレートが前記チャネルの少なくとも1つに連結されていることを特徴とする請求項1記載の欄干アセンブリ。
【請求項3】
前記複数のチャネルは、
前記プレートが1つまたは複数の締結具によって連結される第1のチャネルと、
第1のチャネルの下方に配置され、かつ前記プレートのスロットに受け入れられるように設けられたリップ部を備える第2のチャネルと、を含むことを特徴とする請求項2記載の欄干アセンブリ。
【請求項4】
前記複数のチャネルは、第1のチャネルと第2のチャネルの間に設けられた第3のチャネルをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の欄干アセンブリ。
【請求項5】
前記トラックは、垂直レッグ部と、水平レッグ部と、を含み、該水平レッグ部を介して第2の部材が前記トラックと接触するように設けられており、
前記スカートパネルは、クリップを含み、該クリップは、前記トラックの垂直レッグ部の端部を受け入れるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の欄干アセンブリ。
【請求項6】
第1の部材はブラケットを含み、このブラケットは、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルから離れるように延在する第1の壁と、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルから離れるように延在し、かつ第1の壁にほぼ垂直に連結された第2の壁と、
前記スカートパネルに実質的に平行に配置され、かつ第1の壁および第2の壁の第1の端部に連結された第3の壁と、
前記スカートパネルに実質的に平行に配置され、かつ第1の壁および第2の壁の第1の端部の反対側の第2の端部に連結された第4の壁と、を有することを特徴とする請求項1記載の欄干アセンブリ。
【請求項7】
第3の壁および第4の壁の一方が、調整可能な締結具によって前記プレートに連結されており、前記締結具の調整によって前記ブラケットが前記スカートパネルに対して移動し、前記ブラケットは、前記フレーム部材に接触するように調整可能で、かつ前記ブラケットの相対的な移動が該フレーム部材によって制限されていることを特徴とする請求項6記載の欄干アセンブリ。
【請求項8】
前記ブラケットは、前記フレーム部材に接触するように調整されたときに、前記スカートパネルの位置を第1の方向で調整可能となっていることを特徴とする請求項7記載の欄干アセンブリ。
【請求項9】
第2の部材は、調整可能な締結具によって前記プレートに連結されたポストを含み、前記締結具の調整により前記ポストが移動することを特徴とする請求項1記載の欄干アセンブリ。
【請求項10】
前記ポストは、前記トラックに接触するように調整可能で、かつ前記ポストの相対的な移動が該トラックによって制限されていることを特徴とする請求項9記載の欄干アセンブリ。
【請求項11】
前記ポストは、前記トラックに接触するように調整されたときに、前記スカートパネルの位置を第2の方向で調整可能となっていることを特徴とする請求項10記載の欄干アセンブリ。
【請求項12】
フレーム部材と、
前記フレーム部材に連結されたコンベヤ駆動装置と、
前記コンベヤ駆動装置によって駆動される踏段チェーンと、
前記踏段チェーンに連結された複数のトレッドプレートと、
各々のトレッドプレートの1つまたは複数のローラを受け入れて、前記トレッドプレートが前記踏段チェーンによって駆動されるときに該トレッドプレートを案内するように設けられた踏段チェーンガイドトラックと、
前記トレッドプレートに隣接して設けられ、該トレッドプレートの反対側に面する内側面を有するスカートパネルと、
位置決め装置であって、
前記スカートパネルの内側面に連結されたプレートと、
前記スカートパネルの反対側で前記プレートに調整可能に連結されるとともに、前記スカートパネルから離れるように該スカートパネルに実質的に垂直に延在する第1の部材であって、前記スカートパネルの位置を第1の方向で調整するように、前記フレーム部材と係合するよう設けられた第1の部材と、
前記プレートに調整可能に連結されるとともに、前記スカートパネルに実質的に平行に延在する第2の部材であって、前記スカートパネルの位置を第2の方向で調整するように、前記トラックと係合するよう設けられた第2の部材と、を含む位置決め装置と、を有することを特徴とする乗用コンベヤ。
【請求項13】
前記スカートパネルは、内側面に設けられた複数のチャネルを含み、前記プレートが前記チャネルの少なくとも1つに連結されていることを特徴とする請求項12記載の乗用コンベヤ。
【請求項14】
前記複数のチャネルは、
前記プレートが1つまたは複数の締結具によって連結される第1のチャネルと、
第1のチャネルの下方に配置され、かつ前記プレートのスロットに受け入れられるように設けられたリップ部を備える第2のチャネルと、を含むことを特徴とする請求項13記載の乗用コンベヤ。
【請求項15】
前記複数のチャネルは、第1のチャネルと第2のチャネルの間に設けられた第3のチャネルをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の乗用コンベヤ。
【請求項16】
前記トラックは、垂直レッグ部と、水平レッグ部と、を有するL字型部分を含み、前記水平レッグ部を介して第2の部材がトラックと接触するように設けられており、
前記スカートパネルは、クリップを含み、該クリップは、前記トラックの垂直レッグ部の端部を受け入れるように設けられていることを特徴とする請求項12記載の乗用コンベヤ。
【請求項17】
第1の部材はブラケットを含み、このブラケットは、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルから離れるように延在する第1の壁と、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルから離れるように延在し、かつ第1の壁にほぼ垂直に連結された第2の壁と、
前記スカートパネルに実質的に平行に配置され、かつ第1の壁および第2の壁の第1の端部に連結された第3の壁と、
前記スカートパネルに実質的に平行に配置され、かつ第1の壁および第2の壁の第1の端部の反対側の第2の端部に連結された第4の壁と、を有することを特徴とする請求項12記載の乗用コンベヤ。
【請求項18】
第3の壁および第4の壁の一方が、調整可能な締結具によって前記プレートに連結されており、前記締結具の調整によって前記ブラケットが前記スカートパネルに対して移動し、前記ブラケットは、前記フレーム部材に対して調整可能で、かつ前記ブラケットの相対的な移動が該フレーム部材によって制限されていることを特徴とする請求項17記載の乗用コンベヤ。
【請求項19】
前記ブラケットは、前記フレーム部材と係合するように調整されたときに、前記スカートパネルの位置を第1の方向で調整可能となっていることを特徴とする請求項18記載の乗用コンベヤ。
【請求項20】
第2の部材は、調整可能な締結具によって前記プレートに連結されたポストを含み、前記締結具の調整により前記スカートパネルが前記トラックに対して移動することを特徴とする請求項12記載の乗用コンベヤ。
【請求項21】
前記ポストは、前記トラックに係合するように調整可能で、かつ前記ポストの相対的な移動が該トラックによって制限されていることを特徴とする請求項20記載の乗用コンベヤ。
【請求項22】
前記ポストは、前記トラックに係合するように調整されたときに、前記スカートパネルの位置を第2の方向で調整可能となっていることを特徴とする請求項21記載の乗用コンベヤ。
【請求項23】
複数のトレッドプレートの反対側に面したスカートパネルの内側面に連結されるように設けられたプレートと、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルの反対側で前記プレートに調整可能に連結されたブラケットであって、前記スカートパネルの位置を第1の方向で調整するように、乗用コンベヤの固定フレーム部材と係合するよう調整可能なブラケットと、
前記プレートに調整可能に連結されるとともに前記スカートパネルに実質的に平行に延在するポストであって、前記スカートパネルの位置を第2の方向で調整するように、該スカートパネルの下方に配置された乗客コンベヤの固定トラックに係合するポストと、を有することを特徴とする乗用コンベヤのスカートパネル位置決め装置。
【請求項24】
前記スカートパネルは、内側面に設けられた複数のチャネルを含み、前記プレートが前記チャネルの少なくとも1つに連結されていることを特徴とする請求項23記載のスカートパネル位置決め装置。
【請求項25】
前記複数のチャネルは、
前記プレートが1つまたは複数の締結具によって連結される第1のチャネルと、
第1のチャネルの下方に配置され、かつ前記プレートのスロットに受け入れられるように設けられたリップ部を備える第2のチャネルと、を含むことを特徴とする請求項24記載のスカートパネル位置決め装置。
【請求項26】
前記複数のチャネルは、第1のチャネルと第2のチャネルの間に設けられた第3のチャネルをさらに含むことを特徴とする請求項25記載のスカートパネル位置決め装置。
【請求項27】
前記トラックは、垂直レッグ部と、水平レッグ部と、を含み、該水平レッグ部を介してポストがトラックと接触するように設けられており、
前記スカートパネルは、クリップを含み、該クリップは、前記トラックの垂直レッグ部の端部を受け入れるように設けられていることを特徴とする請求項23記載のスカートパネル位置決め装置。
【請求項28】
前記ブラケットは、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルから離れるように延在する第1の壁と、
前記スカートパネルに実質的に垂直に該スカートパネルから離れるように延在し、かつ第1の壁にほぼ垂直に連結された第2の壁と、
前記スカートパネルに実質的に平行に配置され、かつ第1の壁および第2の壁の第1の端部に連結された第3の壁と、
前記スカートパネルに実質的に平行に配置され、かつ第1の壁および第2の壁の第1の端部の反対側の第2の端部に連結された第4の壁と、を有することを特徴とする請求項23記載のスカートパネル位置決め装置。
【請求項29】
第3の壁および第4の壁の一方が、調整可能な締結具によって前記プレートに連結されており、前記締結具の調整によって前記ブラケットが前記スカートパネルに対して移動することを特徴とする請求項28記載のスカートパネル位置決め装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−524007(P2012−524007A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506587(P2012−506587)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005291
【国際公開番号】WO2010/122364
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】