乗用型水田作業機
【課題】車輪跡や代掻き不良に起因する作業不良を回避しやすいものでありながら構造簡単に得ることができ、しかも水田作業装置の駆動速度の変更にかかわらず整地不良を発生させにくい乗用型水田作業機を提供することにある。
【解決手段】自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えてある。自走車の後側で、かつ水田作業装置の前側で整地作用する車体横向き軸芯Xまわりに回転駆動自在な整地ロータ50を水田作業装置10に設けてある。自走車に位置する作業トランスミッションから水田作業装置に伝達された駆動力を整地ロータ50に伝達するロータ伝動機構60を設けてある。ロータ伝動機構60に、整地ロータ50の駆動速度を変更するロータ変速部65を設けてある。
【解決手段】自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えてある。自走車の後側で、かつ水田作業装置の前側で整地作用する車体横向き軸芯Xまわりに回転駆動自在な整地ロータ50を水田作業装置10に設けてある。自走車に位置する作業トランスミッションから水田作業装置に伝達された駆動力を整地ロータ50に伝達するロータ伝動機構60を設けてある。ロータ伝動機構60に、整地ロータ50の駆動速度を変更するロータ変速部65を設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えた乗用型水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記乗用型水田作業機として、従来、たとえば特許文献1に示されるように、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して昇降可能に装着された苗植付部4を備え、苗植付部4に取り付けた整地装置としてのロータ27a,27bを備え、ロータ27aの駆動軸70aへの動力は後輪11のギアケース18内のギアから自在継手72等を介して伝達されるものがあった(各符号は、公報に記載されたものである。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−22201号公報(〔0019〕、〔0021〕、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した乗用型水田作業機において、自走車の後側でかつ水田作業装置の前側で整地作用する回転駆動自在な整地ロータを設けると、自走車の通過跡に車輪跡や代掻き不良による荒れがあっても、整地ロータの掻き均しによる整地を行わせ、苗植え作業の場合には整地不良に起因した植付け苗の姿勢乱れを防止でき、播種作業の場合には整地不良に起因した種子の異常な分散を防止できるなど有利に作業を行なうことができる。
【0005】
上記した従来の整地ロータの駆動に関する技術を採用した場合、自走車の伝動ケースと整地ロータとにわたって回転軸あるいは伝動ケースを取り付けることにより、かつ回転軸や伝動ケースに水田作業装置の昇降を可能にする自在継ぎ手などの手段を設ける必要があることにより、構造が複雑になりがちであった。
【0006】
本発明の目的は、車輪跡や代掻き不良に起因する作業不良を回避しやすいものでありながら構造簡単に得ることができ、しかも水田作業装置の駆動速度の変更にかかわらず整地不良を発生させにくい乗用型水田作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えた乗用型水田作業機において、
前記自走車の後側で、かつ前記水田作業装置の前側で整地作用する車体横向き軸芯まわりに回転駆動自在な整地ロータを前記水田作業装置に設け、
前記自走車に位置する作業トランスミッションから前記水田作業装置に伝達された駆動力を前記整地ロータに伝達するロータ伝動機構を設け、
前記ロータ伝動機構に、前記整地ロータの駆動速度を変更するロータ変速部を設けてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、自走車に位置する作業トランスミッションから水田作業装置に伝達された駆動力を整地ロータに伝達するロータ伝動機構によって整地ロータを駆動するものだから、水田作業装置の昇降を可能にする特別な手段をロータ伝動機構に設けることなく整地ロータを回転駆動自在に設け、整地ロータの掻き均しによる整地を行わせ、この整地箇所に水田作業装置による作業を行なわせることができる。
【0009】
作業トランスミッションからの駆動力を整地ロータに伝達するものだから、苗植え作業の場合の株間を大きく変更するなど、水田作業装置による車体進行方向での作業間隔を大きく変更するよう水田作業装置の駆動速度を低速に変速した場合、そのままの駆動速度の動力がロータ伝動機構によって整地ロータに伝達されることになれば、整地ロータが低速駆動されることになり、整地ロータの回転速度の不足による整地不良が発生することがある。また、水田作業装置による車体進行方向での作業間隔を小さく変更するよう水田作業装置の駆動速度を高速に変速した場合、そのままの駆動速度の動力がロータ伝動機構によって整地ロータに伝達されることになれば、整地ロータが高速駆動されることになり、整地ロータの高速回転による泥土の跳ね上がりが著しくなることがある。
ロータ伝動機構にロータ変速部を設けてあるから、水田作業装置の低速駆動や高速駆動にかかわらず、整地ロータの回転速度の過不足が発生しないようにロータ変速部によって整地ロータの駆動速度を調整することができる。
また、深水圃場の場合、ロータ変速部の減速操作によって、水田作業装置の駆動速度を変更せずに整地ロータの駆動速度を減速し、整地ロータによる泥水の跳ね上げを抑制しながら整地ロータによる整地を行わせることができる。
【0010】
したがって、自走車の通過跡に車輪跡や代掻き不良による荒れがあっても、整地ロータの掻き均しによる整地を行わせて植付け苗の姿勢乱れや種子の分散などが発生しにくい良好な仕上がりの作業を行なうことができるものでありながら、ロータ伝動機構を水田作業装置の昇降を可能にする特別な手段が不要な構造簡単なものに済ませることができる。しかも、水田作業装置を低速や高速で駆動する場合でも、深水圃場の場合でも、整地ロータを過不足がない速度で駆動して良好な仕上がりの作業や整地ロータによる泥水の跳ね上がりが少ない作業を行なうことができる。
【0011】
本第2発明では、前記整地ロータに伝動する複数本の巻き掛け伝動体、及び前記複数本の巻き掛け伝動体を択一的に伝動状態に切り換える速度切換え機構を備えて、前記ロータ変速部を構成してある。
【0012】
本第2発明の構成によると、複数本の巻き掛け伝動体を択一的に伝動状態に切り換えるだけの簡単な構造でロータ変速部を構成することができる。
【0013】
したがって、水田作業装置を低速駆動する場合でも、整地ロータを速度不足がない状態で駆動して良好な仕上がりの作業を行なえるものでありながらロータ変速部の面から安価に得ることができる。
【0014】
本第3発明では、前記ロータ変速部の変速操作のための変速操作具を、前記自走車又は前記水田作業装置の前記自走車に面する部位に設けてある。
【0015】
本第3発明の構成によると、変速操作具を自走車の運転部から容易に操作して、整地ロータの駆動速度を調整することができる。
【0016】
したがって、水田作業装置の速度変更にかかわらず、整地ロータの速度調整を運転部から容易に行なって良好な仕上がりの作業を楽に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。
【図2】水田作業装置を示す側面図である。
【図3】水田作業装置を示す正面図である。
【図4】水田作業装置の駆動構造を示す平面図である。
【図5】接地フロート及び整地ロータの支持構造を示す平面図である。
【図6】ロータ伝動機構及びロータ変速部を示す断面図である。
【図7】(a)は、支持手段の整地ロータを下降操作した状態を示す側面図、(b)は、支持手段の整地ロータを上昇操作した状態を示す側面図である。
【図8】(a)は、支持手段の整地ロータを下降操作した状態を示す側面図、(b)は、支持手段の整地ロータを上昇操作した状態を示す側面図である。
【図9】支持手段を示す正面図である
【図10】水田作業装置及び整地ロータの昇降制御を示すブロック図である。
【図11】別実施の形態を備えた乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。この図に示すように、本発明の実施形態に係る乗用型水田作業機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1、及び左右一対の駆動自在な後車輪2,2が装備された自走車を備え、この自走車の車体フレーム3の後部にリンク機構4を介して連結された水田作業装置10を備え、自走車の車体後部に設けた肥料タンク21が装備された施肥装置20を備えて構成してある。
【0019】
この乗用型水田作業機は、苗植え作業、及び植付苗に肥料を供給する施肥作業を行なう。
すなわち、自走車は、車体前部に設けたエンジン5、ミッションケース6、左右一対の前車輪1,1を支持する前輪駆動ケース7、左右一対の後車輪2,2を支持する後輪駆動ケース8を備え、エンジン5が出力した駆動力をミッションケース6の内部に位置する走行トランスミッション(図示せず)を介して前輪駆動ケース7及び後輪駆動ケース8に伝達して左右一対の前車輪1,1及び左右一対の後車輪2,2を駆動して走行する。自走車は、車体後部に設けた運転座席9aが装備された搭乗型の運転部9を備え、この運転部9に搭乗して操縦するよう搭乗型になっている。自走車は、車体前部の両横側に設けた予備苗収容装置30を備えている。左右の予備苗収容装置30は、上下四段に設けた予備苗棚30aを備え、各予備苗棚30aに予備のマット状苗を一枚ずつ載置して収容する。
【0020】
リンク機構4は、昇降シリンダ31によって車体フレーム3に対して上下に揺動操作されることにより、水田作業装置10をこれの下部に車体横方向に並んで位置する四つの接地フロート11及び一つの接地センサフロート12(図4参照)が田面に接地した下降作業位置と、各接地フロート11及び接地センサフロート12が田面から高く上昇した上昇非作業位置とに昇降操作する。
【0021】
水田作業装置10を下降作業位置に下降させて自走車を走行させると、水田作業装置10は、エンジン5からの駆動力によって駆動されて、水田作業装置10の後部に車体横方向に並んで位置する八つの苗植付機構13(図2,4参照)によって田面に苗植え付けを行なう。
【0022】
図1に示すように、施肥装置20は、前記肥料タンク21を備える他、この肥料タンク21の下部に連設された肥料繰出し機構22、この肥料繰出し機構22の肥料排出部に送風口が連通された電動ブロワ23を備えて構成してある。肥料繰出し機構22は、車体横方向に並んだ八つの肥料排出口を備えている。肥料繰出し機構22の各肥料排出口は、水田作業装置10の下部に車体横方向に並んで位置する八つの作溝施肥器24(図2参照)のうちの対応する一つに肥料供給ホース25を介して接続されている。肥料繰出し機構22は、走行トランスミッションからの駆動力を後輪駆動ケース8に伝達する伝動系統から取り出した駆動力によって駆動される。
【0023】
つまり、施肥装置20は、肥料タンク21に貯留された粒状の肥料を肥料繰出し機構22によって肥料タンク20から各肥料排出口に繰出し、各肥料排出口に繰出した肥料を電動ブロワ23によって供給される搬送風によって肥料供給ホース25に供給する。各肥料供給ホース25は、供給された肥料を電動ブロワ23からの搬送風によって対応する作溝施肥器24に供給する。各作溝施肥器24は、対応する苗植付機構13による植え付け苗の近くで田面に溝を形成し、形成した溝に肥料供給ホース25からの肥料を供給する。これにより、施肥装置20は、水田作業装置10が八条の苗植え作業を行なうに伴い、各植付苗の横側近くに肥料を供給していく。
【0024】
水田作業装置10について詳述する。
図2は、水田作業装置10を示す側面図である。図3は、水田作業装置10を示す正面図である。これらの図及び図4に示すように、水田作業装置10は、前記八つの苗植付機構13、前記四つの接地フロート11、前記一つの接地センサフロート12を備える他、車体横向きの角形の鋼管材でなるメインフレーム14aを備えて構成されたフレーム14、このフレーム14の前部の上側に下端側ほど車体後方側に位置する傾斜姿勢で設けた一つの苗載せ台15を備えている。
【0025】
図2,4に示すように、水田作業装置10のフレーム14は、前記メインフレーム14aを備える他、このメインフレーム14aの車体横方向での中央部に取り付けたフィードケース16を備え、メインフレーム14から車体後方向きに延出された四つの植付け駆動ケース17を備えて構成してある。四つの植付け駆動ケース17は、車体横方向に所定間隔を隔てて並んでいる。
【0026】
八つの苗植付機構13は、各植付け駆動ケース17の後端部の両横側に一つずつ位置するように配置されている。各苗植付機構13は、対応する植付け駆動ケース17の後端部に回転駆動自在に支持されている。各苗植付機構13は、植付け駆動ケース17に回転支軸13aを介して回転駆動自在に支持された回転ロータ13b、及び回転ロータ13bの両端部に回転駆動自在に設けた植付けアーム13cを備えて構成してある。各苗植付機構13は、自走車のミッションケース6の内部に設けた作業トランスミッション6aからの駆動力によって駆動される。すなわち、自走車の作業トランスミッション6aの出力が回転軸32(図1参照)介してフィードケース16に入力され、フィードケース16に入力された駆動力がフィードケース16から伝動軸33を介して植付け駆動ケース17の入力軸17aに伝達され、この入力軸17aの駆動力が伝動チェーン34を介して回転支軸13aに伝達される。各苗植付機構13は、駆動されると、各植付けアーム13cに設けてある植付爪13dの先端が回転軌跡を描いて苗載せ台15の下端部と田面との間を上下に往復移動し、一方の植付けアーム13cの植付爪13dと他方の植付けアーム13cの植付爪13dとによって交互に、苗載せ台15に載置されたマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を取り出し、このブロック苗を田面に持ち込んで植え付けるという苗植え運動を行なう。
【0027】
作業トランスミッション6aは、株間変速部(図示せず)を備えている。株間変速部は、変速操作されることにより、フィードケース16に伝達する駆動力の回転速度を変更して水田作業装置10の駆動速度を変更し、各苗植付機構13による植付け苗の自走車進行方向での間隔(株間)を変更する。
【0028】
苗載せ台15は、車体横方向に並ぶ八つの苗載置部15aを備えている。苗載せ台15は、フィードケース16に設けた苗横送り機構35によって各苗植付機構13の苗植え運動に連動させて車体横方向に往復移送され、各苗植付機構13によるマット状苗の下端部からのブロック苗の取出しがマット状苗の横方向での一端側から他端側にわたって行なわれるように、各苗載置部15aに載置されたマット状苗を対応する苗植付機構13に対して車体横方向に移送する。
【0029】
図5は、接地フロート11及び接地センサフロート12の支持構造を示す平面図である。この図及び図10に示すように、各接地フロート11及び接地センサフロート12は、後端側の上部に設けた取付けブラケット11a又は12aを備えている。各接地フロート11及び接地センサフロート12の取付けブラケット11a又は12aは、車体横向きの一本のフロート支軸36から車体後方向きに延出した左右一対の支持アーム37,37に軸芯Pまわりに回転自在に支持されている。フロート支軸36は、水田作業装置10のフレーム14に回転自在に支持されている。
【0030】
したがって、各接地フロート11及び接地センサフロート12は、水田作業装置10のフレーム14に対して軸芯Pまわりに各別に揺動昇降するように支持されている。各接地フロート11及び接地センサフロート12の前端側は、水田作業装置10のフレーム14にリンク機構(図示せず)を介して昇降自在に連結されており、水田作業装置10が上昇非作業位置に上昇された場合、フレーム14から大きく垂れ下がらないようにリンク機構によって吊下げ支持される。
【0031】
図5,10に示すように、前記フロート支軸36は、これの車体横方向での中間部から苗載せ台15の裏面側に向けて一体回転自在に延出された植付深さ調節レバー40を備えている。この植付深さ調節レバー40をフロート支軸36の軸芯まわりにレバーガイド41(図5参照)のガイド溝に沿わせて揺動調節することにより、フロート支軸36がフレーム14に対して回転して各支持アーム37を上下に揺動操作し、各接地フロート11及び接地センサフロート12の後端側のフレーム14に対する取り付け高さを変更できる。植付深さ調節レバー40をレバーガイド41に設けてある位置決め凹入部に係入させることにより、植付深さ調節レバー40が調節位置にレバーガイド41によって係止されてフロート支軸36を固定し、各接地フロート11及び接地センサフロート12の後端側を変更した取り付け高さに接地フロート11及び接地センサフロート12に作用する接地反力に抗して維持できる。
【0032】
つまり、各接地フロート11及び接地センサフロート12は、水田作業装置10を植付深さ調節レバー40の操作位置に対応した対地高さに接地支持し、八つの苗植付機構13による植付深さを植付深さ調節レバー40の操作位置に対応した植付け深さにする。植付深さ調節レバー40をフロート支軸36の軸芯まわりに揺動調節してレバーガイド41によって係止させることにより、各接地フロート11及び接地センサフロート12によって設定される水田作業装置10の対地高さを変更設定でき、八つの苗植付機構13による植付け深さを変更設定できる。
【0033】
図10に示すように、接地センサフロート12の前端側に連動ロッド41を介して連係させた植付深さ検出センサ42を水田作業装置10に設けてある。植付深さ検出センサ42を連係させた制御装置43に、前記昇降シリンダ31の操作弁44の電磁操作部を連係させてある。
【0034】
植付深さ検出センサ42は、連動ロッド41に操作アーム42aが連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、接地センサフロート12を接地センサとして田面から水田作業装置10のフレーム14までの高さを検出し、検出結果を制御装置43に出力する。
すなわち、自走車の前後傾斜などに起因して水田作業装置10の対地高さが変化した場合、接地センサフロート12の前端側に作用する接地反力の大きさが変化して接地センサフロート12の前端側が軸芯Pまわりにフレーム14に対して昇降し、連動ロッド41が昇降操作されて植付深さ検出センサ42の操作アーム42aを揺動操作する。したがって、植付深さ検出センサ42は、接地センサフロート12の前端側のフレーム14に対する高さを基に、苗植付機構13の植付け深さを検出する。
【0035】
制御装置43は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、昇降制御手段46を備えている。昇降制御手段46は、植付深さ検出センサ42による検出結果を基に水田作業装置10のフレーム14の対地高さを検出し、この検出対地高さを基に操作弁44を操作して昇降シリンダ31を操作し、水田作業装置10のフレーム14の田面からの高さが設定対地高さになるよう水田作業装置10を昇降操作する。
【0036】
したがって、水田作業装置10は、自走車が前後に傾斜するなどしても、接地センサフロート12を接地センサとした昇降制御手段46による昇降制御によってフレーム14の田面からの高さが設定高さになる連結状態に調整され、八つの苗植付機構13による植付け深さが植付深さ調節レバー40によって設定された設定植付深さに等しくなる状態、あるいはほぼ等しくなる状態で苗植え作業を行なう。
【0037】
図10に示す昇降レバー47は、回転ポテンショメータ48を操作してこの回転ポテンショメータ48によって上昇及び下降指令などの指令を制御装置43に出力し、制御装置43によって操作弁44を切り換え操作させて水田作業装置10を昇降操作するものである。図10に示す制御感度設定器49は、昇降制御手段46による水田作業装置10の昇降制御の制御感度を鈍感側や敏感側に変更調節するものである。
【0038】
接地センサフロート12は、これの両横側に位置する接地フロート11の接地面積よりも大きい接地面積を備えて田面の局所的な凹部に入り込みにくように安定的に接地するように構成してある。このため、接地センサフロート12が接地フロート11よりも大型になるにもかかわらず、水田作業機全体としての前後長さを小に済ませてある。
すなわち、図5に示すように、接地センサフロート12の前端12bが、接地センサフロート12の両横側に位置する接地フロート11の前端11bよりも車体前方側に位置する配置で接地センサフロート12及び四つの接地フロート11を配置してある。これにより、接地センサフロート12の接地フロート11よりも車体前方側に突出している前端側部分が後車輪2よりも車体内方側に位置する箇所に位置し、接地センサフロート12は、接地フロート11を自走車の後車輪2の後側に後車輪12に近づけて配置することを許容し、水田作業装置10を自走車に近づけて連結することを可能にしている。
【0039】
図3,4,5に示すように、水田作業装置10は、自走車の後方で、かつ接地センサフロート12の左横側に位置する一対の接地フロート11,11の前側に設けた整地ロータ50を備え、自走車の後方で、かつ接地センサフロート12の右横側に位置する一対の接地フロート11,11の前側に設けた整地ロータ50を備え、自走車の後方で、かつ接地センサフロート12の前側に設けた整地ローラ90を備えている。
【0040】
図2,5に示すように、左側及び右側の整地ロータ50は、整地ロータ50の後端が接地センサフロート12の前端12bよりも車体後方側に位置する状態で配置されている。
【0041】
左側及び右側の整地ロータ50は、整地ロータ50の回転支軸51の一端部と植付け伝動ケース17とにわたって連結した伝動ケース61、整地ロータ50の回転支軸51の他端部及び中間部とメインフレーム14aとにわたって連結した支持手段70を介して水田作業装置10のフレーム14に支持されている。図6に示すように、伝動ケース61は、この伝動ケース61の入力軸62と、植付け駆動ケース17の入力軸17aとがジョイント63を介して一体回転及び脱着自在に連結していることにより、植付け駆動ケース17に連結している。植付け駆動ケース17と伝動ケース61の間の伝動系は、植付け駆動ケース17の入力軸17aの植付け駆動ケース17から露出した軸部分と、伝動ケース61の入力軸62の伝動ケース61から露出した部分とによって構成されており、植付け駆動ケース17および伝動ケース61から露出した状態になっている。伝動ケース61は、この伝動ケース61の出力軸64の角軸形端部64aと整地ロータ50の角筒形の回転支軸51とが一体回転自在に係合していることにより、回転支軸51に連結している。
【0042】
図4,6に示すように、左側及び右側の整地ロータ50は、自走車に設けた作業トランスミッション6aからフィードケース16に伝達された駆動力を、前記伝動ケース61を備えて成るロータ伝動機構60によって伝達されて、回転支軸51の車体横向きの軸芯Xまわりに回転駆動される。
【0043】
図2,3,4,5に示すように、整地ローラ90の支軸91の両端側を下端部で回転自在に支持する支持アーム92の上端側を、水田作業装置10のフレーム14におけるメインフレーム14aから車体前方向きに延出した左右一対の支持フレーム93,93の延出端部に支持させてあり、整地ローラ90は、支軸91の車体横向き軸芯Yまわりに遊動自在に支持されている。
【0044】
左右の支持アーム92は、支持フレーム93に連結ピン94を介して上下揺動自在に支持されている。各支持アーム92の上端側と、支持フレーム93に設けたバネホルダー95とにわたって鎮圧バネ96を連結してあり、各支持アーム92は、支持アーム92の上端側が高さ調節手段97に当接して受け止め支持されるまで鎮圧バネ96によって下降付勢されて、整地ローラ90を田面側に下降付勢する。
【0045】
したがって、水田作業装置10は、自走車の通過跡に車輪跡や代掻き不良などによる荒れがあっても、左側及び右側の接地フロート11が滑走する箇所にあっては、接地フロート11に先立って整地ロータ50の掻き均しによる整地を行い、整地ロータ50および接地フロート11による整地を終えた箇所に苗植え付けを行ない、接地センサフロート12が滑走する箇所においては、掻き均しによって軟弱になった田面に接地センサフロート12が沈下する事態の発生を防止するように整地ローラ90の転動しながらの鎮圧による整地を行ない、整地ローラ90及び整地センサフロート12による整地を終えた箇所に苗植え付けを行なう。
【0046】
左側及び右側の整地ロータ50のためのロータ伝動機構60は、前記伝動ケース61を備える他、伝動ケース61の内部に設けたロータ変速部65を備えて構成してある。
【0047】
図6は、ロータ変速部65を示す断面図である。この図に示すように、ロータ変速部65は、伝動ケース61の入力軸62と出力軸64とにわたって巻回した高速伝動の巻き掛け伝動体66及び低速伝動の巻き掛け伝動体67を備え、入力軸62に高速伝動の巻き掛け伝動体66及び低速伝動の巻き掛け伝動体67を巻回するように設けた一対の輪体66a,67aと入力軸62とにわたって設けた速度切換え機構68を備えて構成してある。高速伝動の巻き掛け伝動体66および低速伝動の巻き掛け伝動体67は、チェーンによって構成してある。一対の輪体66a,67aは、チェーンスプロケットによって構成してある。
【0048】
図6に示すように、速度切換え機構68は、入力軸62の組み付け溝62aに摺動自在に係入された切換え体68a、及び伝動ケース61の支持部61aに摺動操作自在に貫設された操作軸68bを備えて構成してある。操作軸68bは、切換え体68aの一端側に相対回転自在に係合したシフトアーム68cを一体摺動自在に備えている。
【0049】
速度切換え機構68は、操作軸68bが高速付勢バネ68dに抗して摺動操作されると、切換え体68aがシフトアーム68cによって低速位置に摺動操作され、切換え体68aの切換え突部68eが高速伝動の巻き掛け体66の輪体66aから離脱して低速伝動の巻き掛け伝動体67の輪体67aに係合し、入力軸62から輪体66aへの伝動を切りにして高速伝動の巻き掛け伝動体66を遊動状態に切換え、入力軸62から輪体67aへの伝動を入りにして低速伝動の巻き掛け伝動体67を伝動状態に切り換えるように低速入り状態になる。
【0050】
速度切換え機構68は、操作軸68bが高速付勢バネ68dによって摺動操作されると、切換え体68aの切換え突部68eが低速伝動の巻き掛け伝動体67の輪体67aから離脱して高速伝動の巻き掛け伝動体66の輪体66aに係入し、入力軸62から輪体67aへの伝動を切りにして低速伝動の巻き掛け伝動体67を遊動状態に切り換え、入力軸62から輪体66aへの伝動を入りにして高速伝動の巻き掛け伝動体66を伝動状態に切り換えるように高速入り状態になる。
【0051】
ロータ変速部65は、速度切換え機構68が高速入り状態に切り換え操作されることにより、整地ロータ50を高速で回転駆動するように高速状態に切り換わり、速度切換え機構68が低速入り状態に切り換え操作されることにより、整地ロータ50を低速で回転駆動するように低速状態に切り換わる。
【0052】
したがって、ロータ伝動機構60は、速度切換え機構68が高速入り状態に切り換え操作されることにより、伝動ケース61の入力軸62の駆動力をロータ変速部65によって高速側に変速して伝動ケース61の出力軸64から回転支軸51に伝達し、整地ロータ50を高速駆動する。ロータ伝動機構60は、速度切換え機構68が低速入り状態に切り換え操作されることにより、伝動ケース61の入力軸62の駆動力をロータ変速部65によって低速側に変速して伝動ケース61の出力軸64から回転支軸51に伝達し、整地ロータ50を低速駆動する。
【0053】
左側及び右側の整地ロータ50のロータ伝動機構60における速度切換え機構68の操作軸68bは、図1及び図3に示す如く水田作業装置10の自走車に面する部位の一例としての苗載せ台15の裏面側における上部に揺動自在に設けた変速操作具69に操作ケーブル69aを介して連結されている。
【0054】
したがって、運転座席9aから車体後方向きに手を伸ばすことによって変速操作具69を揺動操作でき、変速操作具69を揺動操作することにより、左側及び右側の整地ロータ50のロータ変速部65を高速状態あるいは低速状態に変速操作でき、左側の整地ロータ50及び右側の整地ロータ50を共に高速駆動あるいは低速駆動されるように変速できる。
【0055】
図7(a),(b)は、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70の一方の支持手段70を示す側面図である。図8(a),(b)は、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70の他方の支持手段70、及び右側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70を示す側面図である。図9は、左側及び右側の整地ロータ50を支持する支持手段70を示す正面図である。これらの図に示すように、左側及び右側の整地ロータ50を支持する各支持手段70は、整地ロータ50の回転支軸51を軸支部71aで回転自在に支持する軸支リンク71を備え、この軸支リンク71に一端側が連結ピン72aを介して相対回転自在に連結した中間リンク72を備え、この中間リンク72の他端側に遊端側が連結ピン73aを介して相対回転自在に連結された揺動リンク73を備え、中間リンク72の中間部に遊端側が連結ピン74aを介して相対回転自在に連結された操作リンク74を備えて構成してある。
【0056】
揺動リンク73の基端側は、メインフレーム14aに固定されたステー75の支持部75aの上端側に枢支ピン73bを介して回転自在に支持されている。操作リンク74の基端側は、前記ステー75の支持部75aの上下方向での中間部に車体横向きの連動軸76を介して回転自在に支持されている。
【0057】
図7(a)及び図8(a)は、支持手段70の整地ロータ50を下降操作した状態を示す側面図である。これらの図に示すように、支持手段70は、操作リンク74が連動軸76の車体横向きの軸芯まわりに下降側に揺動操作されることにより、整地ロータ50を下降操作する。
【0058】
すなわち、操作リンク74が下降側に揺動操作されると、中間リンク72が操作リンク74によって吊り下げ操作されて軸支リンク71を整地ロータ50の荷重によって下げ操作する。このとき、中間リンク72は、揺動リンク73による支持のために連結ピン74aの軸芯まわりに操作リンク74に対して回転しながら吊り下げ操作され、伝動ケース61が入力軸62の軸芯まわりで下降揺動することを可能にする。したがって、整地ロータ50が入力軸62の軸芯まわりに伝動ケース61と共にフレーム14に対して下降揺動する。
【0059】
図7(b)及び図8(b)は、支持手段70の整地ロータ50を上昇操作した状態を示す側面図である。これらの図に示すように、支持手段70は、操作リンク74が連動軸76の車体横向きの軸芯まわりに上昇側に揺動操作されることにより、整地ロータ50を上昇操作する。
【0060】
すなわち、操作リンク74が上昇側に揺動操作されると、中間リンク72が操作リンク74によって吊り上げ操作されて軸支リンク71を整地ロータ50の荷重に抗して引き上げ操作する。このとき、中間リンク72は、揺動リンク73による支持のために連結ピン74aの軸芯まわりに操作リンク74に対して回転しながら吊り上げ操作され、伝動ケース61が入力軸62の軸芯まわりで上昇揺動することを可能にする。したがって、整地ロータ50が入力軸62の軸芯まわりに伝動ケース61と共にフレーム14に対して上昇揺動する。
【0061】
図7(a),(b)に示すように、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70の一方の支持手段70における操作リンク74に扇形ギヤ77を一体回転自在に備えさせ、この扇形ギヤ77に出力ギヤ78aが噛み合っている電動モータで成る昇降モータ78をステー75に支持させてある。この昇降モータ78は、出力ギヤ78aによって扇形ギヤ77を連動軸76の軸芯まわりに上昇側あるいは下降側に回転操作して、操作リンク74を上昇側や下降側に揺動操作する。
【0062】
図3,9に示すように、前記連動軸76は、各支持手段70の操作リンク74に一体回転自在に連結している中実軸部76aと、隣り合う一対の中実軸部76a,76aを一体回転自在に連結している筒軸部76bとを備えて構成してある。したがって、連動軸76は、各支持手段70の操作リンク74を一体回転自在に連結して、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70と右側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70とを上昇側及び下降側に連動して作動するように連動させ、一つの支持手段70に作用する昇降モータ78による左側の整地ロータ50と右側の整地ロータ50の下降及び上昇操作を可能にしている。
【0063】
図10に示すように、昇降モータ78、及び前記連動軸76の一端側に連動させたロータ位置検出センサ80を制御装置43に連係させてある。制御装置43には、整地深さ設定器81及び設定植付深さ検出センサ45が連係されている。制御装置43は、自動高さ調節手段82を備えている。
【0064】
ロータ位置検出センサ80は、連動軸76に回転操作軸が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、連動軸76の回転位置を基に左側及び右側の整地ロータ50の水田作業装置10のフレーム14に対する車体上下方向での位置を検出し、この検出結果を制御装置43に出力する。
【0065】
設定植付深さ検出センサ45は、フロート支軸36に回転操作軸が連係された回転ポテンショメータによって構成してあり、フロート支軸36の操作位置を基に、植付深さ調節レバー40によって設定される設定植付け深さを検出し、検出結果を制御装置43に出力する。
【0066】
整地深さ設定器81は、左側及び右側の整地ロータ50の下端50aを接地センサフロート12の接地底面12cよりも設定間隔を隔てて低い配置高さに位置させる、その設定間隔を整地深さD(図2,10参照)として設定し、設定整地深さDを制御手段43に出力する。整地深さ設定器81は、回転操作自在なダイヤル形の操作具を備え、操作具が回転操作されることにより、設定整地深さDを浅い側や深い側に変更して設定する。
【0067】
自動高さ調節手段82は、前記設定植付深さ検出センサ45及びロータ位置検出センサ80による検出結果、整地深さ設定器81による設定整地深さDを基に昇降モータ78を操作し、左側及び右側の整地ロータ50が接地センサフロート12のフレーム14に対する高さの変更にかかわらず設定整地深さDを維持するように左側及び右側の整地ロータ50を昇降調節する。
【0068】
したがって、植付深さ調節レバー40を操作して接地センサフロート12の水田作業装置10のフレーム14に対する高さを変更調節しても、この変更調節に連係して自動高さ調節手段82によって左側及び右側の整地ロータ50の昇降調節が行なわれ、左側及び右側の整地ロータ50は、整地深さ設定器81によって設定された設定整地深さDを維持してこの設定整地深さDで整地作用を行なう。
【0069】
図2,7,8に示すように、左側及び右側の整地ロータ50の後方にロータカバー85を設けてある。
各ロータカバー85は、整地ロータ50の外周囲に沿うように成形された湾曲形の鉄板によって構成してある。各ロータカバー85は、整地ロータ50によって跳ね上げられた泥土を接地フロート11などに掛からないように受け止めて田面に落下させる。
【0070】
各ロータカバー85は、ロータカバー85の上端側にロータカバー85の車体横方向での全長にわたって設けた管形の取付けバー85aを備えている。この取付けバー85aは、伝動ケース61に設けた支持板61a(図2参照)と各支持手段70の軸支リンク71とにわたって連結されており、各ロータカバー85は、支持手段70及び伝動ケース61に支持されて、整地ロータ50と共に昇降操作される。
【0071】
図3,4,5に示すように、整地ローラ90は、整地ローラ90の車体横方向での中間部に設けた排水溝90aを備えており、整地ローラ90の前側に位置する水を整地ローラ90の前側に溜まりにくいように排水溝90aによって整地ローラ90の後方側に排出しながら整地を行う。
【0072】
整地ローラ90の排水溝90aは、水田作業装置10が上昇非作業位置に上昇された際、回転軸32を入り込ませて、整地ローラ90と回転軸32の当接を回避する。
【0073】
図2,4に示すように、各支持アーム92に作用する高さ調節手段97は、支持フレーム93に支持部材98を固設して設けたメネジ部に螺着されたネジ軸によって構成してある。ネジ軸は、回転操作自在な操作ノブ97aを備えている。
【0074】
つまり、植付深さ調節レバー40による接地センサフロート12のフレーム14に対する高さを変更調節しても、自動高さ調節手段82による整地ロータ50の高さ調節が行なわれても、各支持アーム92に作用する高さ調節手段97を操作ノブ97aの回転操作によって操作することにより、高さ調節手段97の支持アーム92に対するストッパ位置が変化し、高さ調節手段97が整地ローラ90を整地に適切な取り付け高さに調節する。
【0075】
すなわち、植付深さが中間位置から最浅位置の範囲では、整地ローラ90を最下限位置に設定してあっても、整地ローラ90の下端90bが接地センサフロート12の接地底面12cよりも上側に位置している。
植付深さが中間位置から最深位置の範囲では、整地ローラ90を最下限位置に設定してあると、整地ローラ90の下端90bが接地センサフロート12の接地底面12cよりも下側に位置する。したがって、高さ調節手段97を操作することにより、整地ローラ90の下端90aが接地センサフロート12の接地底面12cよりも設定高さD1を隔てた高い配置高さで、かつ整地ロータ50の下端50aよりも高い配置高さに位置するように整地ローラ90の取り付け高さを調節することができる。
【0076】
図11は、別実施の形態を備えた乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。この図に示すように、別実施の形態を備えた乗用型水田作業機は、前記速度切換え機構68の操作軸68bを摺動操作する電動式あるいは油圧式のアクチュエータ(図示せず)を水田作業装置10に設け、このアクチュエータを操作するよう運転パネル112に設けたスイッチ113(変速操作具に相当)を自走車に設け、速度切換え機構68をアクチュエータの駆動力によって操作するようにしている。図11において、スイッチ113を運転座席9aの背もたれ部の後面部や、施肥装置20の(肥料タンク21)の前面部に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、苗植付け作業を行なうに替え、田面に種子を供給する播種作業を行なう構成を採用した水田作業装置を備えたものにも利用できる。
【符号の説明】
【0078】
6a 作業トランスミッション
9a 運転座席
10 水田作業装置
50 整地ロータ
60 ロータ伝動機構
65 ロータ変速部
66,67 巻き掛け伝動体
68 速度切換え機構
69,113 変速操作具
X 車体横向き軸芯
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えた乗用型水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記乗用型水田作業機として、従来、たとえば特許文献1に示されるように、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して昇降可能に装着された苗植付部4を備え、苗植付部4に取り付けた整地装置としてのロータ27a,27bを備え、ロータ27aの駆動軸70aへの動力は後輪11のギアケース18内のギアから自在継手72等を介して伝達されるものがあった(各符号は、公報に記載されたものである。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−22201号公報(〔0019〕、〔0021〕、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した乗用型水田作業機において、自走車の後側でかつ水田作業装置の前側で整地作用する回転駆動自在な整地ロータを設けると、自走車の通過跡に車輪跡や代掻き不良による荒れがあっても、整地ロータの掻き均しによる整地を行わせ、苗植え作業の場合には整地不良に起因した植付け苗の姿勢乱れを防止でき、播種作業の場合には整地不良に起因した種子の異常な分散を防止できるなど有利に作業を行なうことができる。
【0005】
上記した従来の整地ロータの駆動に関する技術を採用した場合、自走車の伝動ケースと整地ロータとにわたって回転軸あるいは伝動ケースを取り付けることにより、かつ回転軸や伝動ケースに水田作業装置の昇降を可能にする自在継ぎ手などの手段を設ける必要があることにより、構造が複雑になりがちであった。
【0006】
本発明の目的は、車輪跡や代掻き不良に起因する作業不良を回避しやすいものでありながら構造簡単に得ることができ、しかも水田作業装置の駆動速度の変更にかかわらず整地不良を発生させにくい乗用型水田作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えた乗用型水田作業機において、
前記自走車の後側で、かつ前記水田作業装置の前側で整地作用する車体横向き軸芯まわりに回転駆動自在な整地ロータを前記水田作業装置に設け、
前記自走車に位置する作業トランスミッションから前記水田作業装置に伝達された駆動力を前記整地ロータに伝達するロータ伝動機構を設け、
前記ロータ伝動機構に、前記整地ロータの駆動速度を変更するロータ変速部を設けてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、自走車に位置する作業トランスミッションから水田作業装置に伝達された駆動力を整地ロータに伝達するロータ伝動機構によって整地ロータを駆動するものだから、水田作業装置の昇降を可能にする特別な手段をロータ伝動機構に設けることなく整地ロータを回転駆動自在に設け、整地ロータの掻き均しによる整地を行わせ、この整地箇所に水田作業装置による作業を行なわせることができる。
【0009】
作業トランスミッションからの駆動力を整地ロータに伝達するものだから、苗植え作業の場合の株間を大きく変更するなど、水田作業装置による車体進行方向での作業間隔を大きく変更するよう水田作業装置の駆動速度を低速に変速した場合、そのままの駆動速度の動力がロータ伝動機構によって整地ロータに伝達されることになれば、整地ロータが低速駆動されることになり、整地ロータの回転速度の不足による整地不良が発生することがある。また、水田作業装置による車体進行方向での作業間隔を小さく変更するよう水田作業装置の駆動速度を高速に変速した場合、そのままの駆動速度の動力がロータ伝動機構によって整地ロータに伝達されることになれば、整地ロータが高速駆動されることになり、整地ロータの高速回転による泥土の跳ね上がりが著しくなることがある。
ロータ伝動機構にロータ変速部を設けてあるから、水田作業装置の低速駆動や高速駆動にかかわらず、整地ロータの回転速度の過不足が発生しないようにロータ変速部によって整地ロータの駆動速度を調整することができる。
また、深水圃場の場合、ロータ変速部の減速操作によって、水田作業装置の駆動速度を変更せずに整地ロータの駆動速度を減速し、整地ロータによる泥水の跳ね上げを抑制しながら整地ロータによる整地を行わせることができる。
【0010】
したがって、自走車の通過跡に車輪跡や代掻き不良による荒れがあっても、整地ロータの掻き均しによる整地を行わせて植付け苗の姿勢乱れや種子の分散などが発生しにくい良好な仕上がりの作業を行なうことができるものでありながら、ロータ伝動機構を水田作業装置の昇降を可能にする特別な手段が不要な構造簡単なものに済ませることができる。しかも、水田作業装置を低速や高速で駆動する場合でも、深水圃場の場合でも、整地ロータを過不足がない速度で駆動して良好な仕上がりの作業や整地ロータによる泥水の跳ね上がりが少ない作業を行なうことができる。
【0011】
本第2発明では、前記整地ロータに伝動する複数本の巻き掛け伝動体、及び前記複数本の巻き掛け伝動体を択一的に伝動状態に切り換える速度切換え機構を備えて、前記ロータ変速部を構成してある。
【0012】
本第2発明の構成によると、複数本の巻き掛け伝動体を択一的に伝動状態に切り換えるだけの簡単な構造でロータ変速部を構成することができる。
【0013】
したがって、水田作業装置を低速駆動する場合でも、整地ロータを速度不足がない状態で駆動して良好な仕上がりの作業を行なえるものでありながらロータ変速部の面から安価に得ることができる。
【0014】
本第3発明では、前記ロータ変速部の変速操作のための変速操作具を、前記自走車又は前記水田作業装置の前記自走車に面する部位に設けてある。
【0015】
本第3発明の構成によると、変速操作具を自走車の運転部から容易に操作して、整地ロータの駆動速度を調整することができる。
【0016】
したがって、水田作業装置の速度変更にかかわらず、整地ロータの速度調整を運転部から容易に行なって良好な仕上がりの作業を楽に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。
【図2】水田作業装置を示す側面図である。
【図3】水田作業装置を示す正面図である。
【図4】水田作業装置の駆動構造を示す平面図である。
【図5】接地フロート及び整地ロータの支持構造を示す平面図である。
【図6】ロータ伝動機構及びロータ変速部を示す断面図である。
【図7】(a)は、支持手段の整地ロータを下降操作した状態を示す側面図、(b)は、支持手段の整地ロータを上昇操作した状態を示す側面図である。
【図8】(a)は、支持手段の整地ロータを下降操作した状態を示す側面図、(b)は、支持手段の整地ロータを上昇操作した状態を示す側面図である。
【図9】支持手段を示す正面図である
【図10】水田作業装置及び整地ロータの昇降制御を示すブロック図である。
【図11】別実施の形態を備えた乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。この図に示すように、本発明の実施形態に係る乗用型水田作業機は、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1、及び左右一対の駆動自在な後車輪2,2が装備された自走車を備え、この自走車の車体フレーム3の後部にリンク機構4を介して連結された水田作業装置10を備え、自走車の車体後部に設けた肥料タンク21が装備された施肥装置20を備えて構成してある。
【0019】
この乗用型水田作業機は、苗植え作業、及び植付苗に肥料を供給する施肥作業を行なう。
すなわち、自走車は、車体前部に設けたエンジン5、ミッションケース6、左右一対の前車輪1,1を支持する前輪駆動ケース7、左右一対の後車輪2,2を支持する後輪駆動ケース8を備え、エンジン5が出力した駆動力をミッションケース6の内部に位置する走行トランスミッション(図示せず)を介して前輪駆動ケース7及び後輪駆動ケース8に伝達して左右一対の前車輪1,1及び左右一対の後車輪2,2を駆動して走行する。自走車は、車体後部に設けた運転座席9aが装備された搭乗型の運転部9を備え、この運転部9に搭乗して操縦するよう搭乗型になっている。自走車は、車体前部の両横側に設けた予備苗収容装置30を備えている。左右の予備苗収容装置30は、上下四段に設けた予備苗棚30aを備え、各予備苗棚30aに予備のマット状苗を一枚ずつ載置して収容する。
【0020】
リンク機構4は、昇降シリンダ31によって車体フレーム3に対して上下に揺動操作されることにより、水田作業装置10をこれの下部に車体横方向に並んで位置する四つの接地フロート11及び一つの接地センサフロート12(図4参照)が田面に接地した下降作業位置と、各接地フロート11及び接地センサフロート12が田面から高く上昇した上昇非作業位置とに昇降操作する。
【0021】
水田作業装置10を下降作業位置に下降させて自走車を走行させると、水田作業装置10は、エンジン5からの駆動力によって駆動されて、水田作業装置10の後部に車体横方向に並んで位置する八つの苗植付機構13(図2,4参照)によって田面に苗植え付けを行なう。
【0022】
図1に示すように、施肥装置20は、前記肥料タンク21を備える他、この肥料タンク21の下部に連設された肥料繰出し機構22、この肥料繰出し機構22の肥料排出部に送風口が連通された電動ブロワ23を備えて構成してある。肥料繰出し機構22は、車体横方向に並んだ八つの肥料排出口を備えている。肥料繰出し機構22の各肥料排出口は、水田作業装置10の下部に車体横方向に並んで位置する八つの作溝施肥器24(図2参照)のうちの対応する一つに肥料供給ホース25を介して接続されている。肥料繰出し機構22は、走行トランスミッションからの駆動力を後輪駆動ケース8に伝達する伝動系統から取り出した駆動力によって駆動される。
【0023】
つまり、施肥装置20は、肥料タンク21に貯留された粒状の肥料を肥料繰出し機構22によって肥料タンク20から各肥料排出口に繰出し、各肥料排出口に繰出した肥料を電動ブロワ23によって供給される搬送風によって肥料供給ホース25に供給する。各肥料供給ホース25は、供給された肥料を電動ブロワ23からの搬送風によって対応する作溝施肥器24に供給する。各作溝施肥器24は、対応する苗植付機構13による植え付け苗の近くで田面に溝を形成し、形成した溝に肥料供給ホース25からの肥料を供給する。これにより、施肥装置20は、水田作業装置10が八条の苗植え作業を行なうに伴い、各植付苗の横側近くに肥料を供給していく。
【0024】
水田作業装置10について詳述する。
図2は、水田作業装置10を示す側面図である。図3は、水田作業装置10を示す正面図である。これらの図及び図4に示すように、水田作業装置10は、前記八つの苗植付機構13、前記四つの接地フロート11、前記一つの接地センサフロート12を備える他、車体横向きの角形の鋼管材でなるメインフレーム14aを備えて構成されたフレーム14、このフレーム14の前部の上側に下端側ほど車体後方側に位置する傾斜姿勢で設けた一つの苗載せ台15を備えている。
【0025】
図2,4に示すように、水田作業装置10のフレーム14は、前記メインフレーム14aを備える他、このメインフレーム14aの車体横方向での中央部に取り付けたフィードケース16を備え、メインフレーム14から車体後方向きに延出された四つの植付け駆動ケース17を備えて構成してある。四つの植付け駆動ケース17は、車体横方向に所定間隔を隔てて並んでいる。
【0026】
八つの苗植付機構13は、各植付け駆動ケース17の後端部の両横側に一つずつ位置するように配置されている。各苗植付機構13は、対応する植付け駆動ケース17の後端部に回転駆動自在に支持されている。各苗植付機構13は、植付け駆動ケース17に回転支軸13aを介して回転駆動自在に支持された回転ロータ13b、及び回転ロータ13bの両端部に回転駆動自在に設けた植付けアーム13cを備えて構成してある。各苗植付機構13は、自走車のミッションケース6の内部に設けた作業トランスミッション6aからの駆動力によって駆動される。すなわち、自走車の作業トランスミッション6aの出力が回転軸32(図1参照)介してフィードケース16に入力され、フィードケース16に入力された駆動力がフィードケース16から伝動軸33を介して植付け駆動ケース17の入力軸17aに伝達され、この入力軸17aの駆動力が伝動チェーン34を介して回転支軸13aに伝達される。各苗植付機構13は、駆動されると、各植付けアーム13cに設けてある植付爪13dの先端が回転軌跡を描いて苗載せ台15の下端部と田面との間を上下に往復移動し、一方の植付けアーム13cの植付爪13dと他方の植付けアーム13cの植付爪13dとによって交互に、苗載せ台15に載置されたマット状苗の下端部から一株分のブロック苗を取り出し、このブロック苗を田面に持ち込んで植え付けるという苗植え運動を行なう。
【0027】
作業トランスミッション6aは、株間変速部(図示せず)を備えている。株間変速部は、変速操作されることにより、フィードケース16に伝達する駆動力の回転速度を変更して水田作業装置10の駆動速度を変更し、各苗植付機構13による植付け苗の自走車進行方向での間隔(株間)を変更する。
【0028】
苗載せ台15は、車体横方向に並ぶ八つの苗載置部15aを備えている。苗載せ台15は、フィードケース16に設けた苗横送り機構35によって各苗植付機構13の苗植え運動に連動させて車体横方向に往復移送され、各苗植付機構13によるマット状苗の下端部からのブロック苗の取出しがマット状苗の横方向での一端側から他端側にわたって行なわれるように、各苗載置部15aに載置されたマット状苗を対応する苗植付機構13に対して車体横方向に移送する。
【0029】
図5は、接地フロート11及び接地センサフロート12の支持構造を示す平面図である。この図及び図10に示すように、各接地フロート11及び接地センサフロート12は、後端側の上部に設けた取付けブラケット11a又は12aを備えている。各接地フロート11及び接地センサフロート12の取付けブラケット11a又は12aは、車体横向きの一本のフロート支軸36から車体後方向きに延出した左右一対の支持アーム37,37に軸芯Pまわりに回転自在に支持されている。フロート支軸36は、水田作業装置10のフレーム14に回転自在に支持されている。
【0030】
したがって、各接地フロート11及び接地センサフロート12は、水田作業装置10のフレーム14に対して軸芯Pまわりに各別に揺動昇降するように支持されている。各接地フロート11及び接地センサフロート12の前端側は、水田作業装置10のフレーム14にリンク機構(図示せず)を介して昇降自在に連結されており、水田作業装置10が上昇非作業位置に上昇された場合、フレーム14から大きく垂れ下がらないようにリンク機構によって吊下げ支持される。
【0031】
図5,10に示すように、前記フロート支軸36は、これの車体横方向での中間部から苗載せ台15の裏面側に向けて一体回転自在に延出された植付深さ調節レバー40を備えている。この植付深さ調節レバー40をフロート支軸36の軸芯まわりにレバーガイド41(図5参照)のガイド溝に沿わせて揺動調節することにより、フロート支軸36がフレーム14に対して回転して各支持アーム37を上下に揺動操作し、各接地フロート11及び接地センサフロート12の後端側のフレーム14に対する取り付け高さを変更できる。植付深さ調節レバー40をレバーガイド41に設けてある位置決め凹入部に係入させることにより、植付深さ調節レバー40が調節位置にレバーガイド41によって係止されてフロート支軸36を固定し、各接地フロート11及び接地センサフロート12の後端側を変更した取り付け高さに接地フロート11及び接地センサフロート12に作用する接地反力に抗して維持できる。
【0032】
つまり、各接地フロート11及び接地センサフロート12は、水田作業装置10を植付深さ調節レバー40の操作位置に対応した対地高さに接地支持し、八つの苗植付機構13による植付深さを植付深さ調節レバー40の操作位置に対応した植付け深さにする。植付深さ調節レバー40をフロート支軸36の軸芯まわりに揺動調節してレバーガイド41によって係止させることにより、各接地フロート11及び接地センサフロート12によって設定される水田作業装置10の対地高さを変更設定でき、八つの苗植付機構13による植付け深さを変更設定できる。
【0033】
図10に示すように、接地センサフロート12の前端側に連動ロッド41を介して連係させた植付深さ検出センサ42を水田作業装置10に設けてある。植付深さ検出センサ42を連係させた制御装置43に、前記昇降シリンダ31の操作弁44の電磁操作部を連係させてある。
【0034】
植付深さ検出センサ42は、連動ロッド41に操作アーム42aが連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、接地センサフロート12を接地センサとして田面から水田作業装置10のフレーム14までの高さを検出し、検出結果を制御装置43に出力する。
すなわち、自走車の前後傾斜などに起因して水田作業装置10の対地高さが変化した場合、接地センサフロート12の前端側に作用する接地反力の大きさが変化して接地センサフロート12の前端側が軸芯Pまわりにフレーム14に対して昇降し、連動ロッド41が昇降操作されて植付深さ検出センサ42の操作アーム42aを揺動操作する。したがって、植付深さ検出センサ42は、接地センサフロート12の前端側のフレーム14に対する高さを基に、苗植付機構13の植付け深さを検出する。
【0035】
制御装置43は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、昇降制御手段46を備えている。昇降制御手段46は、植付深さ検出センサ42による検出結果を基に水田作業装置10のフレーム14の対地高さを検出し、この検出対地高さを基に操作弁44を操作して昇降シリンダ31を操作し、水田作業装置10のフレーム14の田面からの高さが設定対地高さになるよう水田作業装置10を昇降操作する。
【0036】
したがって、水田作業装置10は、自走車が前後に傾斜するなどしても、接地センサフロート12を接地センサとした昇降制御手段46による昇降制御によってフレーム14の田面からの高さが設定高さになる連結状態に調整され、八つの苗植付機構13による植付け深さが植付深さ調節レバー40によって設定された設定植付深さに等しくなる状態、あるいはほぼ等しくなる状態で苗植え作業を行なう。
【0037】
図10に示す昇降レバー47は、回転ポテンショメータ48を操作してこの回転ポテンショメータ48によって上昇及び下降指令などの指令を制御装置43に出力し、制御装置43によって操作弁44を切り換え操作させて水田作業装置10を昇降操作するものである。図10に示す制御感度設定器49は、昇降制御手段46による水田作業装置10の昇降制御の制御感度を鈍感側や敏感側に変更調節するものである。
【0038】
接地センサフロート12は、これの両横側に位置する接地フロート11の接地面積よりも大きい接地面積を備えて田面の局所的な凹部に入り込みにくように安定的に接地するように構成してある。このため、接地センサフロート12が接地フロート11よりも大型になるにもかかわらず、水田作業機全体としての前後長さを小に済ませてある。
すなわち、図5に示すように、接地センサフロート12の前端12bが、接地センサフロート12の両横側に位置する接地フロート11の前端11bよりも車体前方側に位置する配置で接地センサフロート12及び四つの接地フロート11を配置してある。これにより、接地センサフロート12の接地フロート11よりも車体前方側に突出している前端側部分が後車輪2よりも車体内方側に位置する箇所に位置し、接地センサフロート12は、接地フロート11を自走車の後車輪2の後側に後車輪12に近づけて配置することを許容し、水田作業装置10を自走車に近づけて連結することを可能にしている。
【0039】
図3,4,5に示すように、水田作業装置10は、自走車の後方で、かつ接地センサフロート12の左横側に位置する一対の接地フロート11,11の前側に設けた整地ロータ50を備え、自走車の後方で、かつ接地センサフロート12の右横側に位置する一対の接地フロート11,11の前側に設けた整地ロータ50を備え、自走車の後方で、かつ接地センサフロート12の前側に設けた整地ローラ90を備えている。
【0040】
図2,5に示すように、左側及び右側の整地ロータ50は、整地ロータ50の後端が接地センサフロート12の前端12bよりも車体後方側に位置する状態で配置されている。
【0041】
左側及び右側の整地ロータ50は、整地ロータ50の回転支軸51の一端部と植付け伝動ケース17とにわたって連結した伝動ケース61、整地ロータ50の回転支軸51の他端部及び中間部とメインフレーム14aとにわたって連結した支持手段70を介して水田作業装置10のフレーム14に支持されている。図6に示すように、伝動ケース61は、この伝動ケース61の入力軸62と、植付け駆動ケース17の入力軸17aとがジョイント63を介して一体回転及び脱着自在に連結していることにより、植付け駆動ケース17に連結している。植付け駆動ケース17と伝動ケース61の間の伝動系は、植付け駆動ケース17の入力軸17aの植付け駆動ケース17から露出した軸部分と、伝動ケース61の入力軸62の伝動ケース61から露出した部分とによって構成されており、植付け駆動ケース17および伝動ケース61から露出した状態になっている。伝動ケース61は、この伝動ケース61の出力軸64の角軸形端部64aと整地ロータ50の角筒形の回転支軸51とが一体回転自在に係合していることにより、回転支軸51に連結している。
【0042】
図4,6に示すように、左側及び右側の整地ロータ50は、自走車に設けた作業トランスミッション6aからフィードケース16に伝達された駆動力を、前記伝動ケース61を備えて成るロータ伝動機構60によって伝達されて、回転支軸51の車体横向きの軸芯Xまわりに回転駆動される。
【0043】
図2,3,4,5に示すように、整地ローラ90の支軸91の両端側を下端部で回転自在に支持する支持アーム92の上端側を、水田作業装置10のフレーム14におけるメインフレーム14aから車体前方向きに延出した左右一対の支持フレーム93,93の延出端部に支持させてあり、整地ローラ90は、支軸91の車体横向き軸芯Yまわりに遊動自在に支持されている。
【0044】
左右の支持アーム92は、支持フレーム93に連結ピン94を介して上下揺動自在に支持されている。各支持アーム92の上端側と、支持フレーム93に設けたバネホルダー95とにわたって鎮圧バネ96を連結してあり、各支持アーム92は、支持アーム92の上端側が高さ調節手段97に当接して受け止め支持されるまで鎮圧バネ96によって下降付勢されて、整地ローラ90を田面側に下降付勢する。
【0045】
したがって、水田作業装置10は、自走車の通過跡に車輪跡や代掻き不良などによる荒れがあっても、左側及び右側の接地フロート11が滑走する箇所にあっては、接地フロート11に先立って整地ロータ50の掻き均しによる整地を行い、整地ロータ50および接地フロート11による整地を終えた箇所に苗植え付けを行ない、接地センサフロート12が滑走する箇所においては、掻き均しによって軟弱になった田面に接地センサフロート12が沈下する事態の発生を防止するように整地ローラ90の転動しながらの鎮圧による整地を行ない、整地ローラ90及び整地センサフロート12による整地を終えた箇所に苗植え付けを行なう。
【0046】
左側及び右側の整地ロータ50のためのロータ伝動機構60は、前記伝動ケース61を備える他、伝動ケース61の内部に設けたロータ変速部65を備えて構成してある。
【0047】
図6は、ロータ変速部65を示す断面図である。この図に示すように、ロータ変速部65は、伝動ケース61の入力軸62と出力軸64とにわたって巻回した高速伝動の巻き掛け伝動体66及び低速伝動の巻き掛け伝動体67を備え、入力軸62に高速伝動の巻き掛け伝動体66及び低速伝動の巻き掛け伝動体67を巻回するように設けた一対の輪体66a,67aと入力軸62とにわたって設けた速度切換え機構68を備えて構成してある。高速伝動の巻き掛け伝動体66および低速伝動の巻き掛け伝動体67は、チェーンによって構成してある。一対の輪体66a,67aは、チェーンスプロケットによって構成してある。
【0048】
図6に示すように、速度切換え機構68は、入力軸62の組み付け溝62aに摺動自在に係入された切換え体68a、及び伝動ケース61の支持部61aに摺動操作自在に貫設された操作軸68bを備えて構成してある。操作軸68bは、切換え体68aの一端側に相対回転自在に係合したシフトアーム68cを一体摺動自在に備えている。
【0049】
速度切換え機構68は、操作軸68bが高速付勢バネ68dに抗して摺動操作されると、切換え体68aがシフトアーム68cによって低速位置に摺動操作され、切換え体68aの切換え突部68eが高速伝動の巻き掛け体66の輪体66aから離脱して低速伝動の巻き掛け伝動体67の輪体67aに係合し、入力軸62から輪体66aへの伝動を切りにして高速伝動の巻き掛け伝動体66を遊動状態に切換え、入力軸62から輪体67aへの伝動を入りにして低速伝動の巻き掛け伝動体67を伝動状態に切り換えるように低速入り状態になる。
【0050】
速度切換え機構68は、操作軸68bが高速付勢バネ68dによって摺動操作されると、切換え体68aの切換え突部68eが低速伝動の巻き掛け伝動体67の輪体67aから離脱して高速伝動の巻き掛け伝動体66の輪体66aに係入し、入力軸62から輪体67aへの伝動を切りにして低速伝動の巻き掛け伝動体67を遊動状態に切り換え、入力軸62から輪体66aへの伝動を入りにして高速伝動の巻き掛け伝動体66を伝動状態に切り換えるように高速入り状態になる。
【0051】
ロータ変速部65は、速度切換え機構68が高速入り状態に切り換え操作されることにより、整地ロータ50を高速で回転駆動するように高速状態に切り換わり、速度切換え機構68が低速入り状態に切り換え操作されることにより、整地ロータ50を低速で回転駆動するように低速状態に切り換わる。
【0052】
したがって、ロータ伝動機構60は、速度切換え機構68が高速入り状態に切り換え操作されることにより、伝動ケース61の入力軸62の駆動力をロータ変速部65によって高速側に変速して伝動ケース61の出力軸64から回転支軸51に伝達し、整地ロータ50を高速駆動する。ロータ伝動機構60は、速度切換え機構68が低速入り状態に切り換え操作されることにより、伝動ケース61の入力軸62の駆動力をロータ変速部65によって低速側に変速して伝動ケース61の出力軸64から回転支軸51に伝達し、整地ロータ50を低速駆動する。
【0053】
左側及び右側の整地ロータ50のロータ伝動機構60における速度切換え機構68の操作軸68bは、図1及び図3に示す如く水田作業装置10の自走車に面する部位の一例としての苗載せ台15の裏面側における上部に揺動自在に設けた変速操作具69に操作ケーブル69aを介して連結されている。
【0054】
したがって、運転座席9aから車体後方向きに手を伸ばすことによって変速操作具69を揺動操作でき、変速操作具69を揺動操作することにより、左側及び右側の整地ロータ50のロータ変速部65を高速状態あるいは低速状態に変速操作でき、左側の整地ロータ50及び右側の整地ロータ50を共に高速駆動あるいは低速駆動されるように変速できる。
【0055】
図7(a),(b)は、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70の一方の支持手段70を示す側面図である。図8(a),(b)は、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70の他方の支持手段70、及び右側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70を示す側面図である。図9は、左側及び右側の整地ロータ50を支持する支持手段70を示す正面図である。これらの図に示すように、左側及び右側の整地ロータ50を支持する各支持手段70は、整地ロータ50の回転支軸51を軸支部71aで回転自在に支持する軸支リンク71を備え、この軸支リンク71に一端側が連結ピン72aを介して相対回転自在に連結した中間リンク72を備え、この中間リンク72の他端側に遊端側が連結ピン73aを介して相対回転自在に連結された揺動リンク73を備え、中間リンク72の中間部に遊端側が連結ピン74aを介して相対回転自在に連結された操作リンク74を備えて構成してある。
【0056】
揺動リンク73の基端側は、メインフレーム14aに固定されたステー75の支持部75aの上端側に枢支ピン73bを介して回転自在に支持されている。操作リンク74の基端側は、前記ステー75の支持部75aの上下方向での中間部に車体横向きの連動軸76を介して回転自在に支持されている。
【0057】
図7(a)及び図8(a)は、支持手段70の整地ロータ50を下降操作した状態を示す側面図である。これらの図に示すように、支持手段70は、操作リンク74が連動軸76の車体横向きの軸芯まわりに下降側に揺動操作されることにより、整地ロータ50を下降操作する。
【0058】
すなわち、操作リンク74が下降側に揺動操作されると、中間リンク72が操作リンク74によって吊り下げ操作されて軸支リンク71を整地ロータ50の荷重によって下げ操作する。このとき、中間リンク72は、揺動リンク73による支持のために連結ピン74aの軸芯まわりに操作リンク74に対して回転しながら吊り下げ操作され、伝動ケース61が入力軸62の軸芯まわりで下降揺動することを可能にする。したがって、整地ロータ50が入力軸62の軸芯まわりに伝動ケース61と共にフレーム14に対して下降揺動する。
【0059】
図7(b)及び図8(b)は、支持手段70の整地ロータ50を上昇操作した状態を示す側面図である。これらの図に示すように、支持手段70は、操作リンク74が連動軸76の車体横向きの軸芯まわりに上昇側に揺動操作されることにより、整地ロータ50を上昇操作する。
【0060】
すなわち、操作リンク74が上昇側に揺動操作されると、中間リンク72が操作リンク74によって吊り上げ操作されて軸支リンク71を整地ロータ50の荷重に抗して引き上げ操作する。このとき、中間リンク72は、揺動リンク73による支持のために連結ピン74aの軸芯まわりに操作リンク74に対して回転しながら吊り上げ操作され、伝動ケース61が入力軸62の軸芯まわりで上昇揺動することを可能にする。したがって、整地ロータ50が入力軸62の軸芯まわりに伝動ケース61と共にフレーム14に対して上昇揺動する。
【0061】
図7(a),(b)に示すように、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70の一方の支持手段70における操作リンク74に扇形ギヤ77を一体回転自在に備えさせ、この扇形ギヤ77に出力ギヤ78aが噛み合っている電動モータで成る昇降モータ78をステー75に支持させてある。この昇降モータ78は、出力ギヤ78aによって扇形ギヤ77を連動軸76の軸芯まわりに上昇側あるいは下降側に回転操作して、操作リンク74を上昇側や下降側に揺動操作する。
【0062】
図3,9に示すように、前記連動軸76は、各支持手段70の操作リンク74に一体回転自在に連結している中実軸部76aと、隣り合う一対の中実軸部76a,76aを一体回転自在に連結している筒軸部76bとを備えて構成してある。したがって、連動軸76は、各支持手段70の操作リンク74を一体回転自在に連結して、左側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70と右側の整地ロータ50を支持する一対の支持手段70,70とを上昇側及び下降側に連動して作動するように連動させ、一つの支持手段70に作用する昇降モータ78による左側の整地ロータ50と右側の整地ロータ50の下降及び上昇操作を可能にしている。
【0063】
図10に示すように、昇降モータ78、及び前記連動軸76の一端側に連動させたロータ位置検出センサ80を制御装置43に連係させてある。制御装置43には、整地深さ設定器81及び設定植付深さ検出センサ45が連係されている。制御装置43は、自動高さ調節手段82を備えている。
【0064】
ロータ位置検出センサ80は、連動軸76に回転操作軸が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、連動軸76の回転位置を基に左側及び右側の整地ロータ50の水田作業装置10のフレーム14に対する車体上下方向での位置を検出し、この検出結果を制御装置43に出力する。
【0065】
設定植付深さ検出センサ45は、フロート支軸36に回転操作軸が連係された回転ポテンショメータによって構成してあり、フロート支軸36の操作位置を基に、植付深さ調節レバー40によって設定される設定植付け深さを検出し、検出結果を制御装置43に出力する。
【0066】
整地深さ設定器81は、左側及び右側の整地ロータ50の下端50aを接地センサフロート12の接地底面12cよりも設定間隔を隔てて低い配置高さに位置させる、その設定間隔を整地深さD(図2,10参照)として設定し、設定整地深さDを制御手段43に出力する。整地深さ設定器81は、回転操作自在なダイヤル形の操作具を備え、操作具が回転操作されることにより、設定整地深さDを浅い側や深い側に変更して設定する。
【0067】
自動高さ調節手段82は、前記設定植付深さ検出センサ45及びロータ位置検出センサ80による検出結果、整地深さ設定器81による設定整地深さDを基に昇降モータ78を操作し、左側及び右側の整地ロータ50が接地センサフロート12のフレーム14に対する高さの変更にかかわらず設定整地深さDを維持するように左側及び右側の整地ロータ50を昇降調節する。
【0068】
したがって、植付深さ調節レバー40を操作して接地センサフロート12の水田作業装置10のフレーム14に対する高さを変更調節しても、この変更調節に連係して自動高さ調節手段82によって左側及び右側の整地ロータ50の昇降調節が行なわれ、左側及び右側の整地ロータ50は、整地深さ設定器81によって設定された設定整地深さDを維持してこの設定整地深さDで整地作用を行なう。
【0069】
図2,7,8に示すように、左側及び右側の整地ロータ50の後方にロータカバー85を設けてある。
各ロータカバー85は、整地ロータ50の外周囲に沿うように成形された湾曲形の鉄板によって構成してある。各ロータカバー85は、整地ロータ50によって跳ね上げられた泥土を接地フロート11などに掛からないように受け止めて田面に落下させる。
【0070】
各ロータカバー85は、ロータカバー85の上端側にロータカバー85の車体横方向での全長にわたって設けた管形の取付けバー85aを備えている。この取付けバー85aは、伝動ケース61に設けた支持板61a(図2参照)と各支持手段70の軸支リンク71とにわたって連結されており、各ロータカバー85は、支持手段70及び伝動ケース61に支持されて、整地ロータ50と共に昇降操作される。
【0071】
図3,4,5に示すように、整地ローラ90は、整地ローラ90の車体横方向での中間部に設けた排水溝90aを備えており、整地ローラ90の前側に位置する水を整地ローラ90の前側に溜まりにくいように排水溝90aによって整地ローラ90の後方側に排出しながら整地を行う。
【0072】
整地ローラ90の排水溝90aは、水田作業装置10が上昇非作業位置に上昇された際、回転軸32を入り込ませて、整地ローラ90と回転軸32の当接を回避する。
【0073】
図2,4に示すように、各支持アーム92に作用する高さ調節手段97は、支持フレーム93に支持部材98を固設して設けたメネジ部に螺着されたネジ軸によって構成してある。ネジ軸は、回転操作自在な操作ノブ97aを備えている。
【0074】
つまり、植付深さ調節レバー40による接地センサフロート12のフレーム14に対する高さを変更調節しても、自動高さ調節手段82による整地ロータ50の高さ調節が行なわれても、各支持アーム92に作用する高さ調節手段97を操作ノブ97aの回転操作によって操作することにより、高さ調節手段97の支持アーム92に対するストッパ位置が変化し、高さ調節手段97が整地ローラ90を整地に適切な取り付け高さに調節する。
【0075】
すなわち、植付深さが中間位置から最浅位置の範囲では、整地ローラ90を最下限位置に設定してあっても、整地ローラ90の下端90bが接地センサフロート12の接地底面12cよりも上側に位置している。
植付深さが中間位置から最深位置の範囲では、整地ローラ90を最下限位置に設定してあると、整地ローラ90の下端90bが接地センサフロート12の接地底面12cよりも下側に位置する。したがって、高さ調節手段97を操作することにより、整地ローラ90の下端90aが接地センサフロート12の接地底面12cよりも設定高さD1を隔てた高い配置高さで、かつ整地ロータ50の下端50aよりも高い配置高さに位置するように整地ローラ90の取り付け高さを調節することができる。
【0076】
図11は、別実施の形態を備えた乗用型水田作業機の全体を示す側面図である。この図に示すように、別実施の形態を備えた乗用型水田作業機は、前記速度切換え機構68の操作軸68bを摺動操作する電動式あるいは油圧式のアクチュエータ(図示せず)を水田作業装置10に設け、このアクチュエータを操作するよう運転パネル112に設けたスイッチ113(変速操作具に相当)を自走車に設け、速度切換え機構68をアクチュエータの駆動力によって操作するようにしている。図11において、スイッチ113を運転座席9aの背もたれ部の後面部や、施肥装置20の(肥料タンク21)の前面部に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、苗植付け作業を行なうに替え、田面に種子を供給する播種作業を行なう構成を採用した水田作業装置を備えたものにも利用できる。
【符号の説明】
【0078】
6a 作業トランスミッション
9a 運転座席
10 水田作業装置
50 整地ロータ
60 ロータ伝動機構
65 ロータ変速部
66,67 巻き掛け伝動体
68 速度切換え機構
69,113 変速操作具
X 車体横向き軸芯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えた乗用型水田作業機であって、
前記自走車の後側で、かつ前記水田作業装置の前側で整地作用する車体横向き軸芯まわりに回転駆動自在な整地ロータを前記水田作業装置に設け、
前記自走車に位置する作業トランスミッションから前記水田作業装置に伝達された駆動力を前記整地ロータに伝達するロータ伝動機構を設け、
前記ロータ伝動機構に、前記整地ロータの駆動速度を変更するロータ変速部を設けてある乗用型水田作業機。
【請求項2】
前記整地ロータに伝動する複数本の巻き掛け伝動体、及び前記複数本の巻き掛け伝動体を択一的に伝動状態に切り換える速度切換え機構を備えて、前記ロータ変速部を構成してある請求項1記載の乗用型水田作業機。
【請求項3】
前記ロータ変速部の変速操作のための変速操作具を、前記自走車又は前記水田作業装置の前記自走車に面する部位に設けてある請求項1又は2記載の乗用型水田作業機。
【請求項1】
自走車の後部に昇降操作自在に連結された水田作業装置を備えた乗用型水田作業機であって、
前記自走車の後側で、かつ前記水田作業装置の前側で整地作用する車体横向き軸芯まわりに回転駆動自在な整地ロータを前記水田作業装置に設け、
前記自走車に位置する作業トランスミッションから前記水田作業装置に伝達された駆動力を前記整地ロータに伝達するロータ伝動機構を設け、
前記ロータ伝動機構に、前記整地ロータの駆動速度を変更するロータ変速部を設けてある乗用型水田作業機。
【請求項2】
前記整地ロータに伝動する複数本の巻き掛け伝動体、及び前記複数本の巻き掛け伝動体を択一的に伝動状態に切り換える速度切換え機構を備えて、前記ロータ変速部を構成してある請求項1記載の乗用型水田作業機。
【請求項3】
前記ロータ変速部の変速操作のための変速操作具を、前記自走車又は前記水田作業装置の前記自走車に面する部位に設けてある請求項1又は2記載の乗用型水田作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−10635(P2011−10635A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159871(P2009−159871)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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