説明

乱反射シート

【課題】 本発明は、栽培植物の日影部位に光を乱反射照射し、葉や果実の発育促進と着色促進し、葉の日影部位や果実の日影部位に生じる害虫や病気の抑制をする光乱反射性と、蒸れによる障害防止の通風性の両方の特性を有し、また、乱反射シートの片面または両面の、多数の凸頂上部に網形状部材を接着し、網に乗せた魚を高効率で乾燥させる、乱反射シートを提供する。
【手段】 光を反射する薄い板形状部材の全部の面に、0.1ミリメートル〜5ミリメートル径の透孔を4ミリメートル〜8ミリメートル間隙で多数設け、当該板形状部材の全部の面に、高さが0.1ミリメートル〜4ミリメートルで、凸と凸の間隙が0.1ミリメートル〜4ミリメートルの凹凸を、両面に一体的に突出させて両面方向に皴模様を形成し、前記皴模様を形成した前記板形状部材の表面積が前記皴模様の形成前の表面積の0.7倍〜0.8倍である。以上よりなる乱反射シーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光線を乱反射シートに照射し乱反射させた乱反射光線を、間接照明に利用したり、対象物に照射し、生育促進や、着色促進や、病害虫抑制、物品の乾燥を目的に用いる乱反射シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、果樹園では、アルミニュームホイルで光を反射させ、反射光を利用することが知られている。
【特許文献1】特開平6−320657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
農薬を包含するシート材を金属箔に接着しているために、雨水がシートに浸入し重量が増し落下したり、農薬が滲出し包含した雨水が太陽光で高温になり栽培植物に有害である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明によれば、
光を反射する薄い板形状部材の全部の面に、0.1ミリメートル〜5ミリメートル径の透孔を、透孔の中心と透孔の中心の間隔が4ミリメートル〜8ミリメートル間隔で多数設け、当該板形状部材の全部の面に、
【0005】
高さが0.1ミリメートル〜4ミリメートルで、凸と凸の間隙が0.1ミリメートル〜4ミリメートルの凹凸を、両面に一体的に突出させて両面方向に皴模様を形成し、前記皴模様を形成した前記板形状部材の表面積が前記皴模様の形成前の表面積の0.7倍〜0.8倍である。
【0006】
請求項2の発明によれば、
前記乱反射シートの片面または両面の、複数の凸頂上部に網形状部材を接着した。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、
透孔を有するため通風が良くなり、葉や果実に接近して設置しても蒸れることがなく、また、栽培床に乱反射シートを敷き詰めることで次のような効果が得られる。
【0008】
(イ)栽培植物に当る光線以外は、無駄となるが栽培床や壁面に到達した光線を乱反射し、栽培植物に均一照射するので、生育が早まり、日影部位の果実の着色が向上する。
(ロ)人工照射光栽培では電気代節減できる。
【0009】
(ハ)栽培植物床の土壌に光線が当たらず雑草の発生を抑制。
(二)栽培植物床の乾燥が防止できて潅水量の減少効果、土壌温度の抑制で植物根の高温障害を抑制。
(ホ)潅水時の飛散水滴を防止し、土壌中の病原体や土が果実や葉へ付着汚染したり、病原体の付着を防止し、イチゴ観光農園では収穫者が洗浄しないイチゴを食するので衛生性が向上し、また、乱反射シートの上から潅水すると透孔から流出して栽培床に給水できる。
【0010】
(へ)病害虫(アブラムシ)は葉の裏に付着し増殖することが多いので、乱反射シートを用いて、葉や果実の裏側へ乱反射光を照射し、葉裏の病害虫の発生や繁殖が防止でき農薬使用量が減少し、植物体への薬害の減少、残留農薬が減少する。
(ト)温室栽培では、植物栽培床からの水分蒸発の減少により室内湿度が低下するため、病害虫発生が減少し農薬使用量が減少する。
【0011】
請求項2の発明によれば
(イ)複数の凸頂上部に網を接着した乱反射シートの網の上に、乾燥対象物を乗せるて乾燥させると、直接光線と反射光線両方を乾燥対象物に照射できて乾燥が早くなり、また、網と本体の間隙の通風で乾燥が早まる。
(ロ)網の面を果実や葉側に接するように乱反射シートを設置することで、果実や葉が傷つかない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
板形状部材7を凸型5と凹型6の間に置き、凸型5と凹型6で板形状部材7を打抜き、複数の透孔2を設けた後、板形状部材7の全周囲を縮小方向8に押縮して皴1を構成し、
【0013】
次に、全周囲を伸展方向9に伸展して、押縮前の板形状部材の表面積の0.7倍〜0.8倍の位置で固定する。
また、網13の繊維を複数の凸部3に接着して固定する。
【0014】
本発明は以上のような構造で、これの使用方法は、
イチゴの植栽床に敷くと、直射光と葉や果実の日影部14に乱反射光12が当り、生育と着色促進ができ、また、植物の日影部14側に立てると乱反射光12が葉の日影部14や果実の日陰部14に照射され病害虫発生を抑制し、網13の上に魚を乗せると透孔2と網13の間隙15と透孔2から風10が通り、直射光11と日影部14に乱反射光12が当り乾燥が早くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施例1の(A)は完成斜視図、(B)は断面図。
【図2】この発明の実施例1の製造過程の図で、(A)は打抜加工により透孔を設ける図、(B)は全周囲を中心部へ押縮して皴加工の図、(C)は全周囲を伸展して完成途中の図。
【図3】この発明の実施例1の、(A)は本体に網を接着した図、(B)は断面図。
【図4】この発明の実施例1の、(A)は網付の本体で乾燥の図、(B)は植物に使用の図。
【符号の説明】
【0016】
1 皴
2 透孔
3 凸部
4 本体
5 凸型
6 凹型
7 板形状部材
8 縮小方向
9 伸展方向
10 風
11 直射光
12 乱反射光
13 網
14 日影部
15 間隙



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を反射する薄い板形状部材の全部の面に、0.1ミリメートル〜5ミリメートル径の透孔を、透孔の中心と透孔の中心の間隔が4ミリメートル〜8ミリメートル間隔で多数設け、当該板形状部材の全部の面に、高さが0.1ミリメートル〜4ミリメートルで、凸と凸の間隙が0.1ミリメートル〜4ミリメートルの凹凸を、両面に一体的に突出させて両面方向に皴模様を形成し、前記皴模様を形成した前記板形状部材の表面積が前記皴模様の形成前の表面積の0.7倍〜0.8倍である、ことを特徴とする乱反射シート。
【請求項2】
前記乱反射シートの片面または両面の、複数の凸頂上部に網形状部材を接着した、ことを特徴とする請求項1に記載の乱反射シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−157307(P2012−157307A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20301(P2011−20301)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(500536249)
【Fターム(参考)】