乳房撮影装置
【課題】X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大すること。
【解決手段】乳房撮影装置は、X線を発生するX線管2と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器5と、平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部8とを具備し、検出器制御部8は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射と、本曝射との間には前記電荷リセットを行わない。
【解決手段】乳房撮影装置は、X線を発生するX線管2と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器5と、平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部8とを具備し、検出器制御部8は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射と、本曝射との間には前記電荷リセットを行わない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳房を圧迫板でスラブ状に圧迫してX線管と平面検出器とで撮影をする乳房撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乳房撮影装置では、X線の露光量を自動的に制御するために、乳房画像が映しこまれるフィルムとともに露光制御用のX線センサを用いて、露光制御センサの出力の積分値が所定の値に達した時点でX線の曝射を終了することが行われてきた。この機能はAECと呼ばれている。
【0003】
フィルムが半導体検出器(以下平面検出器)に置き換わってきた昨今では、
・露光制御用のセンサと平面検出器とのエネルギー特性の違いにより制御用センサで最適と判断したタイミングが、平面検出器にとって必ずしも最適でないこと、
・X線が平面検出器を透過しないことから露光制御センサを平面検出器の前面に配置しなければならず、その場合、露光制御センサの影が画像中に映りこむこと、
・平面検出器のほかに露光制御センサを持つことが非効率であること、
・平面検出器ではフィルムと違って特性が線形であることにより、診断可能な画像を得るための線量域が広いこと
などの問題があって、自動露光制御(AEC)を使用しないで、図15に示すように、本曝射の前にプリ曝射を行ってその結果から本曝射のX線条件を決定するいわゆるプリ曝射方式が採用されている。
【0004】
プリ曝射方式では、診断用の画像を得るための本曝射に先立って、本曝射での線量よりかなり小さい線量を曝射し、その画像を収集し、その画像から本曝射のX線条件(管電圧、mAs、フィルタ)を決定し、本曝射を行う方式である。このプリ曝射方法の利点と問題点はつぎのものである。
【0005】
プリ曝射方式の利点としては、
・乳房の厚さ、組成(乳腺、脂肪の割合)にあったX線条件を使用することができること、
・プリ曝射の結果が画像として得られるので、乳腺・脂肪の分布に応じて関心領域に対して最適なX線条件を設定できる。こと、
があげられる。
【0006】
一方、プリ曝射方式の問題点としては、
・プリ曝射による画像は検出器ノイズを多く含んでいるため、本曝射のX線条件決定には使用できるが、これを診断用の画像として用いることができないので、患者が被曝するにもかかわらず、それを最大限に利用できないこと、
・プリ曝射は診断用画像に用いないため被曝低減のために微弱なX線を使用したいが、微弱なX線を用いると、X線量子ノイズによる、SNRの低下、および回路ノイズによるSNR低下が起こり、X線条件の決定の精度が低下すること、
・回路ノイズによるSNRの劣化があること、
があげられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大することのできる乳房撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射と、本曝射との間には前記電荷リセットを行わないことを特徴とする。
本発明の第2局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする。
本発明の第3局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積及び信号読み出しを1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする。
本発明の第4局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセット、近隣画素加算に関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記近隣画素加算を行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行い、且つ前記近隣画素加算を行わないことを特徴とする。
本発明の第5局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記近隣画素加算を1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする。
本発明の第6局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記信号読み出し動作を複数回繰り返した後、前記電荷リセットを行うことを特徴とする。
本発明の第7局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積を行い、前記信号読み出しを複数回繰り返し、前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、乳房撮影装置において、X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る乳房撮影装置の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る乳房撮影装置の構成を示している。乳房撮影装置は、撮影本体1を有している。撮影本体1は、図2に示されているように、支持機構4のコ字形アーム20の一方の端にはX線管2が装備される。X線管2は高電圧発生器3から高電圧(管電圧)の印加を受け、フィラメント電流の供給を受けて、X線を発生する。X線管2の前面には照射野制限マスクとともに、線質調整フィルタ21が着脱自在に設けられる。この線質調整フィルタ21と管電圧との組み合わせにより、X線の線質が決まる。またフィラメント電流により管電流(mA)が制御され、その管電流の時間積(mAs)により線量が決まる。
【0011】
コ字形アーム20の他方の端には、X線管2に対向する向きで平面検出器(フラット・パネル・デテクタ;FPD)5が取り付けられる。平面検出器5の前面には散乱線を除去し画像コントラストを改善するためのグリッド23が配置される。
【0012】
平面検出器5は、図3に示すように、2次元格子状に配列された複数の画素20を有する。各画素20は、図4に示すように、図示しないシンチレータでX線から変換された光の入射により電荷を発生するフォトダイオード11を有する。フォトダイオード11電発生した電荷は読み出し用スイッチ(トランジスタ)12を介してキャパシタ13に蓄積される。読み出し用スイッチ12のゲートにはアドレス線16が接続される。水平方向に配列される複数の読み出し用スイッチ12のゲートは共通に同じアドレス線16に接続される。もう一つの読み出し用スイッチ(トランジスタ)Aのゲートにはアドレス線16が接続される。水平方向に配列される複数の詠み出し用スイッチAのゲートは、共通に同じアドレス線16に接続される。複数、ここではN本のアドレス線16は垂直走査回路22により順番にアクティブにされる。アクティブにされたアドレス線16の電位は例えば“H(high)”になり、それにつながっている複数の読み出し用スイッチ12のゲートが一斉に閉じる(導通状態になる)。それにより、キャパシタ13に蓄積されている電荷量に応じた電圧が増幅トランジスタ14のゲートに印加され、それに応じた電流がトランジスタAを通して信号線17に流れる。キャパシタ13に蓄積されている電荷量を電流信号として読み出すのではなく、電荷量に応じた電圧変化を観測しているので、信号読み出し後もキャパシタ13には電荷が保持される。このような方式は非破壊型と称される。本実施形態ではこの非破壊型の検出器5を採用している。
【0013】
非破壊型の検出器5では、キャパシタ13の蓄積電荷を放出して画素20をリセットするために、ドレイン線19がキャパシタ13に接続される。ドレイン線19にはリセットスイッチ(トランジスタ)15が挿入される。リセットスイッチ15にはリセット線18が共通に接続される。垂直走査回路22によりリセット線18の電位は例えばハイ(H)に駆動されると、それにつながっている複数のリセットスイッチ15がゲートが一斉に閉じて(導通状態になる)、全キャパシタ13に蓄積されている電荷がごく短時間のうちに放出される。それにより全画素20のリセットが完了する。
【0014】
垂直方向に配列される複数の増幅トランジスタ14のゲートは共通に同じ信号線17に接続される。複数の信号線17の複数の選択スイッチ(トランジスタ)23は、水平走査回路21により、読み出し用スイッチ12のゲートの閉期間に一通り順番にオンされる。
【0015】
データ収集回路6は、信号線17の電圧信号を増幅して、ディジタル信号に変換する。
【0016】
コ字形アーム20の支柱部分には圧迫機構11が装備される。圧迫機構11は、圧迫板22とその移動機構と移動駆動部とからなる。圧迫板22は、グリッド23と平行状態を維持したままグリッド23に近接/離反する方向に移動する。圧迫板22の移動は典型的にはフットペダル24の足操作により行われる。被検体の乳房は、グリッド23と圧迫板22との間でスラブ状に圧迫される。
【0017】
本実施形態に係る乳房撮影装置は、支持機構4等の構造物とともに、システム制御部7、撮影制御部8、操作部9、画像記録部10、信号処理部12、X線条件決定部14、画像表示部15、画像処理部16を備えている。撮影制御部8は、事前に設定された撮影条件に従って高電圧発生部3、平面検出器5を制御することで、スラブ状に圧迫された被検体の乳房を対象とする撮影を実行させる。撮影制御部8は、2種類の動作モードで選択的に平面検出器5を制御する。2種類の動作モードはリセット動作の有無により本質的に区別される。
【0018】
図5は第1の動作モードの動きを示している。第1の動作モードは、信号読み出し後にリセット動作を伴う一般的なモードである。X線の曝射期間は、垂直走査回路22によりアドレス線16がリセット線17ともに“L(low)”レベルに保持される。それにより読み出しスイッチ12及びスイッチAがリセットスイッチ15とともに開状態(遮断状態)とされ、フォトダイオード11で発生した電荷が保持される。曝射終了後、アドレス線16−1、16−2・・・16−Nが垂直走査回路22により順番に“H”レベルに変位される。アドレス線16が“H”レベルにあるとき、複数の読み出し用スイッチ12及びスイッチAのゲートが閉状態(導通状態)になる。それにより、キャパシタ13に電荷が蓄積され、その蓄積電荷量に応じた電圧が増幅トランジスタ14のゲートに印加される。各アドレス線16が“H”レベルにある期間中、水平走査回路21により選択スイッチ23が順番に閉状態(導通状態)にされる。それにより、増幅トランジスタ14のゲート電圧に応じた電流が信号線17に流れ、図示しないセンスアンプに供給される。信号読み出し期間中、垂直走査回路22によりリセット線17は“L”レベルに保持される。それによりリセットスイッチ15の開状態(非導通状態)が維持され、キャパシタ13の電荷は保持される。
【0019】
信号読み出し完了後、垂直走査回路22により全てのリセット線17は“H”レベルに変位される。それによりリセットスイッチ15は一斉に閉状態(導通状態)にされ、全キャパシタ13の電荷は放出される。
【0020】
図6は第2の動作モードの動きを示している。第2の動作モードは、信号読み出し後にリセット動作を行わないで、キャパシタ13の電荷を保持するモードである。信号読み出し完了までの動作を第1の動作モードと等価であり、つまり、X線の曝射期間は、垂直走査回路22によりアドレス線16がリセット線17ともに“L”レベルに保持され、フォトダイオード11で発生した電荷が保持される。曝射終了後、複数のアドレス線16が垂直走査回路22により順番に“H”レベルに変位され、それに同期して水平走査回路21により選択スイッチ23が順番に閉状態(導通状態)にされる。増幅トランジスタ14のゲート電圧に応じた電流が信号線17に流れ、図示しないセンスアンプに供給される。
【0021】
信号読み出し期間中、垂直走査回路22によりリセット線17は“L”レベルに保持される。それによりリセットスイッチ15の開状態(非導通状態)が維持され、キャパシタ13の電荷は保持される。この状態は、信号読み出し完了後も維持され、つまり、垂直走査回路22により全てのリセット線17の“L”レベルは維持され、リセットスイッチ15の開状態(非導通状態)は維持され、全キャパシタ13の電荷は保持される。
【0022】
本実施形態では、上記第1の動作モードと第2の動作モードとを任意に組み合わせて適用することができる。
【0023】
典型的な例として、図7、図8に示すように、本曝射の前に、プリ曝射を行ってその結果から本曝射のX線条件(主に管電圧、管電流時間積分(mAs)、曝射継続時間(照射時間))を決定するいわゆるプリ曝射方式が採用されているとき、撮影制御部8の制御により、プリ曝射では第2の動作モードを適用し、本曝射では第2の動作モードを適用する。それによりプリ曝射で発生した電荷は信号読み出し後もキャパシタ13に保持され、本曝射において発生した電荷の合計電荷量として本曝射後に読み出された信号に反映される。
【0024】
つまり、非破壊読み出し検出器5を用いた本実施形態では、プリ曝射をした後、検出器5上に蓄積された電荷を読み出して、その画像情報を得るが、読み出し完了後画素20上の電荷はそのまま保存される。プリ曝射で得た画像情報に基づいてX線条件決定部14で本曝射のX線条件を決定する。本曝射により生じた電荷は、画素20上でプリ曝射により生じた電荷に加算され、本曝射の終了後読み出し、電荷電圧変換、変換を行い画像データとして用いられる。
【0025】
この方法により、プリ曝射によって得られた情報を本曝射の情報とともに、診断用画像として利用できるため、患者の無駄な被曝を低減できる。また、無駄な被曝とならないため、プリ曝射の線量を増やすことが可能で、これにより、プリ曝射画像のSNRを向上し、X線条件決定の精度を向上することができる。
【0026】
上記検出器5は非破壊型であったが、検出器5として、非破壊型であり、かつ画素加算型のものを採用するとき、第2の動作モードをリセットをしないこととともに画素加算をするように変形することができる。画素加算型の検出器5の典型的な構造としては、図9に示すように、101は画素であり、画素101はフォトダイオードD1、MOSトランジスタMS0,MS1,MS2,MS3から構成される。MOSトランジスタMS0はフォトダイオードD1より出力トランジスタMS2のゲート部およびその浮遊容量(FD)に電荷を送るためのトランジスタであり、MS1はFD部分をリセットするためのスイッチトランジスタ、MS3は出力トランジスタMS2により得られた信号を所望のタイミングで出力するためのスイッチトランジスタである。102は加算回路であり、加算回路102中コンデンサCA1,CA2,CA3は各々共通出力線Pix-out1, Pix-out2, Pix-out3上の画素信号をクランプするためのコンデンサである。クランプコンデンサCA1,CA2,CA3の一方の端子はスイッチトランジスタMA1,MA2,MA3を介して共通出力線Pix-out1, Pix-out2, Pix-out3に接続されており、クランプコンデンサCA1,CA2,CA3の他方の端子は共通接続されて後述する読み出し回路103のスイッチトランジスタMR0に接続されるとともに、スイッチトランジスタMA0を介して電圧源(電位VCL)に接続される。103は読出し回路であり、加算回路102の出力、および、もしくは非加算時の出力をスイッチトランジスタMR0〜MR3を介して容量C0,C1,C2,C3にそれぞれ一時格納し、走査回路104の走査順にスイッチトランジスタMR4〜MR7が選択され順次出力アンプ105を介して出力される。
【0027】
プリ曝射後、検出器5上に蓄積された電荷を読み出す際、各画素の情報をすべて独立に読み出さずに、複数の画素の情報を加算して読み出す。加算は、たとえば、図9のように加算回路102により行われる。画素容量に蓄積された電荷は、電圧を生じ、これに応じた電流がMS2により生じ信号線(pix-outN)を一定時間流れ、加算回路102の内部の容量に蓄積される。加算回路102の内部には、加算する列数の容量が並列に設けられ、これらの容量に蓄積された合計電荷量が、読み出し回路103の内部の容量C0に蓄積され読み出される。画素容量に蓄積された電荷は失われないため、本曝射が行われるとこれにより生じた電荷が画素上で加算される。
【0028】
この加算型の検出器5においては、図10に示すように、変形された第2の動作モードでは、X線の曝射期間は、電荷が保持され、曝射終了後、信号読み出しに際しては、水平方向に隣り合う2又は3個の画素間で加算される。つまり、プリ曝射後、検出器5上に蓄積された電荷を読み出す際、各画素の情報をすべて独立に読み出さずに、複数の画素の情報を加算して読み出す。これにより読み出し時間を短縮できる。プリ曝射により得られた画像は、通常複数の画素を含む関心領域(ROI)内の画素値の平均を求めて本曝射のためのX線条件を決定するために用いるため、画素加算により解像度が低下しても問題は生じない。上述したとおり、画素加算読み出し後も各画素の電荷はそのまま保存される。本曝射により生じた電荷は、画素上でプリ曝射により生じた電荷に加算され、本曝射の終了後読み出し、電荷電圧変換、AD変換を行い画像データとする。他の効果として、複数の画素の電荷を加算してから、電荷電圧変換及びアナログ/ディジタル変換を行うため、これらの過程で混入する回路のノイズの信号(画素の電荷)に対する割合が低下し、SNRのよいデータが得られ、X線条件決定の精度が向上することである。
【0029】
上述したリセットを伴う第1の動作モードは、図11に示すように、変形されることができる。上述したように、信号読み出し後に画素上の電荷はリセット動作を行わない限り保存されるため、変形された第1の動作モードでは、本曝射後の読み出し動作を複数回繰り返し行うことができる。図12に示すように、信号処理部12において、画素毎に、読み出し時期の異なる複数の画素値を平均することにより、上記回路ノイズの影響を低減し、画像のSNRを向上することができる。本曝射後の読み出しを所定回数繰り返した後、画素電荷をリセットする。また本曝射終了後撮影結果を操作者が確認するために画像表示を行うが、ここで表示する画像は、複数回の読み取りのうちの初回に読み出したデータをそのまま加算平均せずに使うことで、確認のための表示を短時間で行うことができる。
【0030】
上述した第2の動作モードは、図13に示すように、変形されることができる。上述したように、信号読み出し後に画素上の電荷はリセット動作を行わない限り保存されるため、変形された第2の動作モードでは、曝射後、例えばプリ曝射後の読み出し動作を複数回繰り返し行うことができる。被検体が、プリ曝射と本曝射の間に静止している場合には、プリ曝射の線量を大きくすることにより、X線条件決定精度を向上できることを示したが、この変形された第2の動作モードをプリ曝射に用いることで、被検体がプリ曝射と本曝射の間に静止していない場合にも効果を得ることができる。
【0031】
なお、図13の適用例では、被検体がプリ曝射と本曝射の間に動くことが想定されるため、プリ曝射と本曝射の画像を合計することができず、そのためプリ曝射のデータはX線条件の決定にのみ利用することが望ましく、プリ曝射の読み出し完了後であって、本曝射前にリセット動作を行なうことが好ましい。したがってプリ曝射の線量はできるだけ小さいことが望ましい。この様な場合従来方法では検出器に生じる電荷が小さく、電荷電圧変換回路及びアナログ/ディジタル変換回路自身が持つ回路ノイズによるSNR劣化の影響が大きい。プリ曝射後の読み出し後に画素上の電荷は保存されるため、この例では、図13、図14に示すように、プリ曝射後の読み出し動作を複数回繰り返し行い、得られた複数個の画素値を平均することにより、上記回路ノイズの影響を低減し、X線条件決定の精度を向上する。プリ曝射後の読み出しを複数回終了した後、画素の電荷をリセットにより消去し、本曝射を行う。
【0032】
このように本実施形態では、検出器に関してリセット動作の有無で区別される2種の動作モードを選択的に用いることで、X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大すること、典型的にはプリ曝射のデータを本曝射のX線条件決定に用いるのではなく、プリ曝射のデータを本曝射のデータとともに画像に寄与させることができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る乳房撮影装置の構成を示す図。
【図2】図1の撮影本体の外観図。
【図3】図1の平面検出器の平面略図。
【図4】図3の一画素の等価回路図。
【図5】図1の撮影制御部による第1動作モードのタイミング図。
【図6】図1の撮影制御部による第2動作モードのタイミング図。
【図7】図1の撮影制御部によるプリ曝射に第2動作モードを適用し、本曝射に第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図8】図7の詳細図。
【図9】図1の平面検出器の他の構成例を示す平面略図。
【図10】図9の構成において、図1の撮影制御部によるプリ曝射に、変形された第2動作モードを適用し、本曝射に第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図11】図1の撮影制御部によるプリ曝射に第2動作モードを適用し、本曝射に変形された第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図12】図11の動作に対応する動作手順を示す図。
【図13】図1の撮影制御部によるプリ曝射に変形された第2動作モードを適用し、本曝射に第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図14】図13の動作に対応する動作手順を示す図。
【図15】従来の検出器のプリ曝射から本曝射に係る動作手順を示す図。
【符号の説明】
【0035】
1…撮影本体、2…X線管、3…高電圧発生器、4…支持機構、5…平面検出器、6…データ収集部、7…システム制御部、8…撮影制御部、9…操作部、10…画像記憶部、12…信号処理部、14…X線条件決定部、15…画像表示部、16…画像処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳房を圧迫板でスラブ状に圧迫してX線管と平面検出器とで撮影をする乳房撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乳房撮影装置では、X線の露光量を自動的に制御するために、乳房画像が映しこまれるフィルムとともに露光制御用のX線センサを用いて、露光制御センサの出力の積分値が所定の値に達した時点でX線の曝射を終了することが行われてきた。この機能はAECと呼ばれている。
【0003】
フィルムが半導体検出器(以下平面検出器)に置き換わってきた昨今では、
・露光制御用のセンサと平面検出器とのエネルギー特性の違いにより制御用センサで最適と判断したタイミングが、平面検出器にとって必ずしも最適でないこと、
・X線が平面検出器を透過しないことから露光制御センサを平面検出器の前面に配置しなければならず、その場合、露光制御センサの影が画像中に映りこむこと、
・平面検出器のほかに露光制御センサを持つことが非効率であること、
・平面検出器ではフィルムと違って特性が線形であることにより、診断可能な画像を得るための線量域が広いこと
などの問題があって、自動露光制御(AEC)を使用しないで、図15に示すように、本曝射の前にプリ曝射を行ってその結果から本曝射のX線条件を決定するいわゆるプリ曝射方式が採用されている。
【0004】
プリ曝射方式では、診断用の画像を得るための本曝射に先立って、本曝射での線量よりかなり小さい線量を曝射し、その画像を収集し、その画像から本曝射のX線条件(管電圧、mAs、フィルタ)を決定し、本曝射を行う方式である。このプリ曝射方法の利点と問題点はつぎのものである。
【0005】
プリ曝射方式の利点としては、
・乳房の厚さ、組成(乳腺、脂肪の割合)にあったX線条件を使用することができること、
・プリ曝射の結果が画像として得られるので、乳腺・脂肪の分布に応じて関心領域に対して最適なX線条件を設定できる。こと、
があげられる。
【0006】
一方、プリ曝射方式の問題点としては、
・プリ曝射による画像は検出器ノイズを多く含んでいるため、本曝射のX線条件決定には使用できるが、これを診断用の画像として用いることができないので、患者が被曝するにもかかわらず、それを最大限に利用できないこと、
・プリ曝射は診断用画像に用いないため被曝低減のために微弱なX線を使用したいが、微弱なX線を用いると、X線量子ノイズによる、SNRの低下、および回路ノイズによるSNR低下が起こり、X線条件の決定の精度が低下すること、
・回路ノイズによるSNRの劣化があること、
があげられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大することのできる乳房撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射と、本曝射との間には前記電荷リセットを行わないことを特徴とする。
本発明の第2局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする。
本発明の第3局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積及び信号読み出しを1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする。
本発明の第4局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセット、近隣画素加算に関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記近隣画素加算を行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行い、且つ前記近隣画素加算を行わないことを特徴とする。
本発明の第5局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記近隣画素加算を1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする。
本発明の第6局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記信号読み出し動作を複数回繰り返した後、前記電荷リセットを行うことを特徴とする。
本発明の第7局面において、乳房撮影装置は、X線を発生するX線管と、被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積を行い、前記信号読み出しを複数回繰り返し、前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、乳房撮影装置において、X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る乳房撮影装置の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る乳房撮影装置の構成を示している。乳房撮影装置は、撮影本体1を有している。撮影本体1は、図2に示されているように、支持機構4のコ字形アーム20の一方の端にはX線管2が装備される。X線管2は高電圧発生器3から高電圧(管電圧)の印加を受け、フィラメント電流の供給を受けて、X線を発生する。X線管2の前面には照射野制限マスクとともに、線質調整フィルタ21が着脱自在に設けられる。この線質調整フィルタ21と管電圧との組み合わせにより、X線の線質が決まる。またフィラメント電流により管電流(mA)が制御され、その管電流の時間積(mAs)により線量が決まる。
【0011】
コ字形アーム20の他方の端には、X線管2に対向する向きで平面検出器(フラット・パネル・デテクタ;FPD)5が取り付けられる。平面検出器5の前面には散乱線を除去し画像コントラストを改善するためのグリッド23が配置される。
【0012】
平面検出器5は、図3に示すように、2次元格子状に配列された複数の画素20を有する。各画素20は、図4に示すように、図示しないシンチレータでX線から変換された光の入射により電荷を発生するフォトダイオード11を有する。フォトダイオード11電発生した電荷は読み出し用スイッチ(トランジスタ)12を介してキャパシタ13に蓄積される。読み出し用スイッチ12のゲートにはアドレス線16が接続される。水平方向に配列される複数の読み出し用スイッチ12のゲートは共通に同じアドレス線16に接続される。もう一つの読み出し用スイッチ(トランジスタ)Aのゲートにはアドレス線16が接続される。水平方向に配列される複数の詠み出し用スイッチAのゲートは、共通に同じアドレス線16に接続される。複数、ここではN本のアドレス線16は垂直走査回路22により順番にアクティブにされる。アクティブにされたアドレス線16の電位は例えば“H(high)”になり、それにつながっている複数の読み出し用スイッチ12のゲートが一斉に閉じる(導通状態になる)。それにより、キャパシタ13に蓄積されている電荷量に応じた電圧が増幅トランジスタ14のゲートに印加され、それに応じた電流がトランジスタAを通して信号線17に流れる。キャパシタ13に蓄積されている電荷量を電流信号として読み出すのではなく、電荷量に応じた電圧変化を観測しているので、信号読み出し後もキャパシタ13には電荷が保持される。このような方式は非破壊型と称される。本実施形態ではこの非破壊型の検出器5を採用している。
【0013】
非破壊型の検出器5では、キャパシタ13の蓄積電荷を放出して画素20をリセットするために、ドレイン線19がキャパシタ13に接続される。ドレイン線19にはリセットスイッチ(トランジスタ)15が挿入される。リセットスイッチ15にはリセット線18が共通に接続される。垂直走査回路22によりリセット線18の電位は例えばハイ(H)に駆動されると、それにつながっている複数のリセットスイッチ15がゲートが一斉に閉じて(導通状態になる)、全キャパシタ13に蓄積されている電荷がごく短時間のうちに放出される。それにより全画素20のリセットが完了する。
【0014】
垂直方向に配列される複数の増幅トランジスタ14のゲートは共通に同じ信号線17に接続される。複数の信号線17の複数の選択スイッチ(トランジスタ)23は、水平走査回路21により、読み出し用スイッチ12のゲートの閉期間に一通り順番にオンされる。
【0015】
データ収集回路6は、信号線17の電圧信号を増幅して、ディジタル信号に変換する。
【0016】
コ字形アーム20の支柱部分には圧迫機構11が装備される。圧迫機構11は、圧迫板22とその移動機構と移動駆動部とからなる。圧迫板22は、グリッド23と平行状態を維持したままグリッド23に近接/離反する方向に移動する。圧迫板22の移動は典型的にはフットペダル24の足操作により行われる。被検体の乳房は、グリッド23と圧迫板22との間でスラブ状に圧迫される。
【0017】
本実施形態に係る乳房撮影装置は、支持機構4等の構造物とともに、システム制御部7、撮影制御部8、操作部9、画像記録部10、信号処理部12、X線条件決定部14、画像表示部15、画像処理部16を備えている。撮影制御部8は、事前に設定された撮影条件に従って高電圧発生部3、平面検出器5を制御することで、スラブ状に圧迫された被検体の乳房を対象とする撮影を実行させる。撮影制御部8は、2種類の動作モードで選択的に平面検出器5を制御する。2種類の動作モードはリセット動作の有無により本質的に区別される。
【0018】
図5は第1の動作モードの動きを示している。第1の動作モードは、信号読み出し後にリセット動作を伴う一般的なモードである。X線の曝射期間は、垂直走査回路22によりアドレス線16がリセット線17ともに“L(low)”レベルに保持される。それにより読み出しスイッチ12及びスイッチAがリセットスイッチ15とともに開状態(遮断状態)とされ、フォトダイオード11で発生した電荷が保持される。曝射終了後、アドレス線16−1、16−2・・・16−Nが垂直走査回路22により順番に“H”レベルに変位される。アドレス線16が“H”レベルにあるとき、複数の読み出し用スイッチ12及びスイッチAのゲートが閉状態(導通状態)になる。それにより、キャパシタ13に電荷が蓄積され、その蓄積電荷量に応じた電圧が増幅トランジスタ14のゲートに印加される。各アドレス線16が“H”レベルにある期間中、水平走査回路21により選択スイッチ23が順番に閉状態(導通状態)にされる。それにより、増幅トランジスタ14のゲート電圧に応じた電流が信号線17に流れ、図示しないセンスアンプに供給される。信号読み出し期間中、垂直走査回路22によりリセット線17は“L”レベルに保持される。それによりリセットスイッチ15の開状態(非導通状態)が維持され、キャパシタ13の電荷は保持される。
【0019】
信号読み出し完了後、垂直走査回路22により全てのリセット線17は“H”レベルに変位される。それによりリセットスイッチ15は一斉に閉状態(導通状態)にされ、全キャパシタ13の電荷は放出される。
【0020】
図6は第2の動作モードの動きを示している。第2の動作モードは、信号読み出し後にリセット動作を行わないで、キャパシタ13の電荷を保持するモードである。信号読み出し完了までの動作を第1の動作モードと等価であり、つまり、X線の曝射期間は、垂直走査回路22によりアドレス線16がリセット線17ともに“L”レベルに保持され、フォトダイオード11で発生した電荷が保持される。曝射終了後、複数のアドレス線16が垂直走査回路22により順番に“H”レベルに変位され、それに同期して水平走査回路21により選択スイッチ23が順番に閉状態(導通状態)にされる。増幅トランジスタ14のゲート電圧に応じた電流が信号線17に流れ、図示しないセンスアンプに供給される。
【0021】
信号読み出し期間中、垂直走査回路22によりリセット線17は“L”レベルに保持される。それによりリセットスイッチ15の開状態(非導通状態)が維持され、キャパシタ13の電荷は保持される。この状態は、信号読み出し完了後も維持され、つまり、垂直走査回路22により全てのリセット線17の“L”レベルは維持され、リセットスイッチ15の開状態(非導通状態)は維持され、全キャパシタ13の電荷は保持される。
【0022】
本実施形態では、上記第1の動作モードと第2の動作モードとを任意に組み合わせて適用することができる。
【0023】
典型的な例として、図7、図8に示すように、本曝射の前に、プリ曝射を行ってその結果から本曝射のX線条件(主に管電圧、管電流時間積分(mAs)、曝射継続時間(照射時間))を決定するいわゆるプリ曝射方式が採用されているとき、撮影制御部8の制御により、プリ曝射では第2の動作モードを適用し、本曝射では第2の動作モードを適用する。それによりプリ曝射で発生した電荷は信号読み出し後もキャパシタ13に保持され、本曝射において発生した電荷の合計電荷量として本曝射後に読み出された信号に反映される。
【0024】
つまり、非破壊読み出し検出器5を用いた本実施形態では、プリ曝射をした後、検出器5上に蓄積された電荷を読み出して、その画像情報を得るが、読み出し完了後画素20上の電荷はそのまま保存される。プリ曝射で得た画像情報に基づいてX線条件決定部14で本曝射のX線条件を決定する。本曝射により生じた電荷は、画素20上でプリ曝射により生じた電荷に加算され、本曝射の終了後読み出し、電荷電圧変換、変換を行い画像データとして用いられる。
【0025】
この方法により、プリ曝射によって得られた情報を本曝射の情報とともに、診断用画像として利用できるため、患者の無駄な被曝を低減できる。また、無駄な被曝とならないため、プリ曝射の線量を増やすことが可能で、これにより、プリ曝射画像のSNRを向上し、X線条件決定の精度を向上することができる。
【0026】
上記検出器5は非破壊型であったが、検出器5として、非破壊型であり、かつ画素加算型のものを採用するとき、第2の動作モードをリセットをしないこととともに画素加算をするように変形することができる。画素加算型の検出器5の典型的な構造としては、図9に示すように、101は画素であり、画素101はフォトダイオードD1、MOSトランジスタMS0,MS1,MS2,MS3から構成される。MOSトランジスタMS0はフォトダイオードD1より出力トランジスタMS2のゲート部およびその浮遊容量(FD)に電荷を送るためのトランジスタであり、MS1はFD部分をリセットするためのスイッチトランジスタ、MS3は出力トランジスタMS2により得られた信号を所望のタイミングで出力するためのスイッチトランジスタである。102は加算回路であり、加算回路102中コンデンサCA1,CA2,CA3は各々共通出力線Pix-out1, Pix-out2, Pix-out3上の画素信号をクランプするためのコンデンサである。クランプコンデンサCA1,CA2,CA3の一方の端子はスイッチトランジスタMA1,MA2,MA3を介して共通出力線Pix-out1, Pix-out2, Pix-out3に接続されており、クランプコンデンサCA1,CA2,CA3の他方の端子は共通接続されて後述する読み出し回路103のスイッチトランジスタMR0に接続されるとともに、スイッチトランジスタMA0を介して電圧源(電位VCL)に接続される。103は読出し回路であり、加算回路102の出力、および、もしくは非加算時の出力をスイッチトランジスタMR0〜MR3を介して容量C0,C1,C2,C3にそれぞれ一時格納し、走査回路104の走査順にスイッチトランジスタMR4〜MR7が選択され順次出力アンプ105を介して出力される。
【0027】
プリ曝射後、検出器5上に蓄積された電荷を読み出す際、各画素の情報をすべて独立に読み出さずに、複数の画素の情報を加算して読み出す。加算は、たとえば、図9のように加算回路102により行われる。画素容量に蓄積された電荷は、電圧を生じ、これに応じた電流がMS2により生じ信号線(pix-outN)を一定時間流れ、加算回路102の内部の容量に蓄積される。加算回路102の内部には、加算する列数の容量が並列に設けられ、これらの容量に蓄積された合計電荷量が、読み出し回路103の内部の容量C0に蓄積され読み出される。画素容量に蓄積された電荷は失われないため、本曝射が行われるとこれにより生じた電荷が画素上で加算される。
【0028】
この加算型の検出器5においては、図10に示すように、変形された第2の動作モードでは、X線の曝射期間は、電荷が保持され、曝射終了後、信号読み出しに際しては、水平方向に隣り合う2又は3個の画素間で加算される。つまり、プリ曝射後、検出器5上に蓄積された電荷を読み出す際、各画素の情報をすべて独立に読み出さずに、複数の画素の情報を加算して読み出す。これにより読み出し時間を短縮できる。プリ曝射により得られた画像は、通常複数の画素を含む関心領域(ROI)内の画素値の平均を求めて本曝射のためのX線条件を決定するために用いるため、画素加算により解像度が低下しても問題は生じない。上述したとおり、画素加算読み出し後も各画素の電荷はそのまま保存される。本曝射により生じた電荷は、画素上でプリ曝射により生じた電荷に加算され、本曝射の終了後読み出し、電荷電圧変換、AD変換を行い画像データとする。他の効果として、複数の画素の電荷を加算してから、電荷電圧変換及びアナログ/ディジタル変換を行うため、これらの過程で混入する回路のノイズの信号(画素の電荷)に対する割合が低下し、SNRのよいデータが得られ、X線条件決定の精度が向上することである。
【0029】
上述したリセットを伴う第1の動作モードは、図11に示すように、変形されることができる。上述したように、信号読み出し後に画素上の電荷はリセット動作を行わない限り保存されるため、変形された第1の動作モードでは、本曝射後の読み出し動作を複数回繰り返し行うことができる。図12に示すように、信号処理部12において、画素毎に、読み出し時期の異なる複数の画素値を平均することにより、上記回路ノイズの影響を低減し、画像のSNRを向上することができる。本曝射後の読み出しを所定回数繰り返した後、画素電荷をリセットする。また本曝射終了後撮影結果を操作者が確認するために画像表示を行うが、ここで表示する画像は、複数回の読み取りのうちの初回に読み出したデータをそのまま加算平均せずに使うことで、確認のための表示を短時間で行うことができる。
【0030】
上述した第2の動作モードは、図13に示すように、変形されることができる。上述したように、信号読み出し後に画素上の電荷はリセット動作を行わない限り保存されるため、変形された第2の動作モードでは、曝射後、例えばプリ曝射後の読み出し動作を複数回繰り返し行うことができる。被検体が、プリ曝射と本曝射の間に静止している場合には、プリ曝射の線量を大きくすることにより、X線条件決定精度を向上できることを示したが、この変形された第2の動作モードをプリ曝射に用いることで、被検体がプリ曝射と本曝射の間に静止していない場合にも効果を得ることができる。
【0031】
なお、図13の適用例では、被検体がプリ曝射と本曝射の間に動くことが想定されるため、プリ曝射と本曝射の画像を合計することができず、そのためプリ曝射のデータはX線条件の決定にのみ利用することが望ましく、プリ曝射の読み出し完了後であって、本曝射前にリセット動作を行なうことが好ましい。したがってプリ曝射の線量はできるだけ小さいことが望ましい。この様な場合従来方法では検出器に生じる電荷が小さく、電荷電圧変換回路及びアナログ/ディジタル変換回路自身が持つ回路ノイズによるSNR劣化の影響が大きい。プリ曝射後の読み出し後に画素上の電荷は保存されるため、この例では、図13、図14に示すように、プリ曝射後の読み出し動作を複数回繰り返し行い、得られた複数個の画素値を平均することにより、上記回路ノイズの影響を低減し、X線条件決定の精度を向上する。プリ曝射後の読み出しを複数回終了した後、画素の電荷をリセットにより消去し、本曝射を行う。
【0032】
このように本実施形態では、検出器に関してリセット動作の有無で区別される2種の動作モードを選択的に用いることで、X線曝射を伴う信号電荷の活用範囲を拡大すること、典型的にはプリ曝射のデータを本曝射のX線条件決定に用いるのではなく、プリ曝射のデータを本曝射のデータとともに画像に寄与させることができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る乳房撮影装置の構成を示す図。
【図2】図1の撮影本体の外観図。
【図3】図1の平面検出器の平面略図。
【図4】図3の一画素の等価回路図。
【図5】図1の撮影制御部による第1動作モードのタイミング図。
【図6】図1の撮影制御部による第2動作モードのタイミング図。
【図7】図1の撮影制御部によるプリ曝射に第2動作モードを適用し、本曝射に第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図8】図7の詳細図。
【図9】図1の平面検出器の他の構成例を示す平面略図。
【図10】図9の構成において、図1の撮影制御部によるプリ曝射に、変形された第2動作モードを適用し、本曝射に第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図11】図1の撮影制御部によるプリ曝射に第2動作モードを適用し、本曝射に変形された第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図12】図11の動作に対応する動作手順を示す図。
【図13】図1の撮影制御部によるプリ曝射に変形された第2動作モードを適用し、本曝射に第1動作モードを適用した動作例を示す図。
【図14】図13の動作に対応する動作手順を示す図。
【図15】従来の検出器のプリ曝射から本曝射に係る動作手順を示す図。
【符号の説明】
【0035】
1…撮影本体、2…X線管、3…高電圧発生器、4…支持機構、5…平面検出器、6…データ収集部、7…システム制御部、8…撮影制御部、9…操作部、10…画像記憶部、12…信号処理部、14…X線条件決定部、15…画像表示部、16…画像処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射と、本曝射との間には前記電荷リセットを行わないことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項2】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項3】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積及び信号読み出しを1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項4】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセット、近隣画素加算に関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記近隣画素加算を行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行い、且つ前記近隣画素加算を行わないことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項5】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記近隣画素加算を1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項6】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記信号読み出し動作を複数回繰り返した後、前記電荷リセットを行うことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項7】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積を行い、前記信号読み出しを複数回繰り返し、前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項1】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射と、本曝射との間には前記電荷リセットを行わないことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項2】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項3】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積及び信号読み出しを1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項4】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセット、近隣画素加算に関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記近隣画素加算を行い、且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行い、且つ前記近隣画素加算を行わないことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項5】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するとともに、近隣画素で信号を加算する機能を備えたものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記X線の発生に同期して電荷蓄積、信号読み出し及び電荷リセットを1サイクルとして実行させる第1動作モードと、前記X線の発生に同期して前記電荷蓄積、信号読み出し及び前記近隣画素加算を1サイクルとして実行させる第2動作モードとで選択的に前記平面検出器の動作を制御する検出器制御部とを具備することを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項6】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積及び信号読み出しを行い且つ前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記信号読み出し動作を複数回繰り返した後、前記電荷リセットを行うことを特徴とする乳房撮影装置。
【請求項7】
X線を発生するX線管と、
被検体の乳房を圧迫する圧迫機構と、
前記圧迫された乳房を透過したX線を検出するものであって、信号読み出し後も電荷保持する非破壊型の平面検出器と、
前記平面検出器の電荷蓄積、信号読み出し、電荷リセットに関する動作を制御する検出器制御部とを具備し、
前記検出器制御部は、本曝射の撮影条件を決定するためのプリ曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積を行い、前記信号読み出しを複数回繰り返し、前記電荷リセットを行わず、前記本曝射の後であって次の曝射の前には前記電荷蓄積、前記信号読み出し及び前記電荷リセットを行うことを特徴とする乳房撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−67932(P2008−67932A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249969(P2006−249969)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
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