説明

乳製品のための圧搾可能な容器

本発明は、容器本体開口部(4)を取り囲む平坦な上縁部(3)を有する、圧搾可能な容器本体(2)を備える、流動可能な食品のための熱成形された容器(1)において、(i)上記容器本体(2)は、少なくとも軸方向および横方向の両方において圧搾可能であり、容器本体の容積が、手で圧力を加えることにより、または収容されている製品を絞り出すことにより、少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%低減されることができるようにされており、かつ(ii)上記上縁部(3)は、堅固であり、かつ容器本体(2)の開口部(4)と連続している分配用注ぎ口(5)を備え、上記開口部(4)は、上記上縁部(3)上に封着されている少なくとも1枚の一次膜(6)によって閉鎖されていることを特徴とする、容器に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、主に冷却した乳製品、半液体物またはペースト状製品を収容しかつ分配するための、圧搾可能な容器に関する。
【0002】
食品の分野においては、冷却した乳製品を分配又は収容するための容器が公知である。これらの容器は、典型的に、剥離可能な膜によって閉鎖されている熱成形されたポットからなる。これらのポットは、たとえばヨーグルトなどのために広く使用されている。
【0003】
しかし、全ての公知の容器は、消費される製品の1回分の量にかかわりなく、製品を分配かつ消費するためには、それらの容器では、たとえばスプーン、ストロー、コップなどの道具を使用しなければならないようになっている。
【0004】
したがって、製造が安価であり、かつ道具の使用を必要とせず、便利かつ衛生的なやり方で、包装から直接消費できるようにする、たとえば冷却した酪農製品などの流動可能な食品のための容器が必要とされている。
【0005】
本発明は、平坦な上縁部を有する圧搾可能な容器本体と、容器本体開口部とを備える、流動可能な食品のための熱成形された容器であって、
(i)上記容器本体は、少なくとも軸方向および横方向の両方において圧搾可能であり、容器本体の容積が、手で圧力を加えることにより、少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%低減されることができるようにされており、かつ
(ii)上記上縁部は、堅固であり、かつ容器本体と連続している分配用注ぎ口を備え、上記開口部は、上記上縁部上に封着されている少なくとも1枚の一次膜によって閉鎖されていること
を特徴とする容器により、上述した問題に対処するものである。
【0006】
本発明の構造についての上述の説明から理解され得るように、この容器は、特に若い消費者が、移動しながら製品を消費するための、便利かつ使い勝手が良い包装構造を提供する。「軸方向および横方向の両方において圧搾可能である」ということは、容器本体は、1方向だけでなく、少なくとも2方向において圧搾可能であり、そのために、容器容積を最大に圧縮させることができ、その結果、消費者が容器内容物を完全かつ能率的に分配することができることを意味する。好ましい一選択においては、容器本体は、2方向(軸方向および横方向)だけでなく、多方向にも圧搾可能でさえある。
【0007】
軸方向というのは、容器の開口部が上方に持ち上げられる時の鉛直軸を意味する。横方向というのは、軸方向に対して垂直な平面に含まれる任意の方向を意味する。
【0008】
容器本体を閉鎖する一次膜を開けた後、消費者は、容器の外へ製品を押出すために容器本体を圧搾する。圧搾する前に、消費者は、注ぎ口を口に入れ、容器本体が圧搾された時に分配された製品が口に流れ込むようにする。したがって、容器から製品を分配するための、スプーンのような道具が必要でない。消費の後、容器は、一体のままで残っており、極めて容易に廃棄され得る。
【0009】
本発明の第1の実施形態において、上記少なくとも1枚の一次膜は、上縁部上に封着されることができ、かつ上記膜の注ぎ口領域に位置する分配用穴部を備え、上記分配用穴部は、一次膜上に封着された剥離可能な二次膜によって閉鎖されている。
【0010】
好ましくは、上記分配用穴部は、1〜15mm、好ましくは2〜8mmの範囲で構成された直径を有する。
【0011】
本発明の第2の実施形態において、上記一次膜は、平坦な上縁部上に固定される方法で封着されている、容器本体の開口部を閉鎖している第1の部分と、平坦な上縁部上に剥離可能な方法で封着されている、分配用注ぎ口を閉鎖している第2の部分と、を備えることができる。
【0012】
好ましくは、閉鎖膜の剥離可能な部分は、衛生的な仕方で容器から直接の消費ができるように、膜の残部の上に折り重ねられることができる。
【0013】
本発明の第3の実施形態において、上記膜は、上縁部上に封着されている容器本体の開口部を閉鎖している第1の部分と、分配用注ぎ口を閉鎖している第2の部分とを備えることができ、両部分は、剥離可能な方法で封着されている。
【0014】
全ての場合において、好ましくは、一次膜は、少なくとも1枚の封着層と、1つのアルミニウムまたは1つのポリエステルとを備える複合箔である。
【0015】
また、好ましくは、平坦な上縁部は、水平なリングである。
【0016】
上記分配用注ぎ口は、好都合に、溝開口部を画成することができ、かつ10mm未満の幅と10mm未満の高さとを有する。
【0017】
本発明の好ましい実施形態において、容器本体は、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせ、からなる群から選ばれる熱可塑性材料から作成される。
【0018】
全ての場合において、本発明の容器に収容されうる流動可能な製品は、好ましくは冷凍された、冷却された、または保存性のある酪農製品である。
【0019】
本発明の更なる特徴および利点は、図面を参照しながら以下の詳細な記述において提示される、特定の一実施形態の記述において、記述されかつ明らかにされる。
【0020】
図面、特に図1および図2から分かるように、容器1の形状は、全体としてイチゴの形状である。しかし、熱成形工程によって他の形状も得られることができることを理解されたい。
【0021】
本発明によれば、容器本体2は、容器本体の容積は、手で圧力を加えることにより、少なくとも95%低減され得るように、軸方向および横方向の両方において圧搾可能である。
【0022】
また、本発明によれば、たとえば図3に示されるように、容器本体2の上部に位置し、かつ容器本体開口部4(開口部4は、図中、点線によって画成されている)を取り囲んでいる、平坦な上縁部3は、容器本体2に連続している分配用注ぎ口5を備える。
【0023】
図1に示される、本発明の第1の可能な実施形態において、容器本体2の開口部4および分配用注ぎ口5は、一次膜6によって閉鎖されている。この一次膜6は、上縁部3の材料に適合できる封着層を備え、アルミニウムおよびプラスチックを備える、複合箔である。
【0024】
図1に示すように、上記一次膜6は、上縁部3上に固定される方法で封着され、かつ上記一次膜の注ぎ口領域に分配用穴部7を備える。図1に示すように、の剥離可能な二次膜8は、上記一次膜6の上に取り外し可能に付着されている。図2に例示するように、上記二次膜8は、一次膜から容易に剥離されることができ、その結果、分配用穴部7を開け、収容されている製品を分配することができるようになっている。
【0025】
図2、図3および図4から分かるように、注ぎ口5は、全体として溝開口部を画成し、10mm未満の幅と10mm未満の高さとを有する。注ぎ口の長さおよび溝の長さは、膜が充分な非封着表面を有することができ、その結果、消費の前に、引き剥し(tear open)用ストリップとして非封着表面を使用し、膜を注ぎ口から剥がせるように、決定される。
【0026】
図4に示すように、一次膜を、容器本体上縁部から完全に取り除かれなければならない場合、一次膜は、剥離可能な方法で封着されることができ、かつ一次膜の形状は、上記一次膜の注ぎ口部分9が、上縁部3の注ぎ口領域から突出するように、作成され得る。
【0027】
詳細に上述した好ましい実施形態に対する様々な変更及び改造が、当業者に明らかであることを理解されたい。そのような変更及び改造は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、かつ本発明に付随する利点を減弱させることなく、なされ得る。したがって、そのような変更及び改造は、添付の特許請求の範囲によってカバーされるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】の剥離可能な二次膜によって閉鎖されている一次閉鎖膜を有する、容器の斜視上面図である。
【図2】二次膜が開けられた構成における、図1の容器の斜視上面図である。
【図3】閉鎖された構成における容器の側面図である。
【図4】閉鎖された構成における容器の斜視底面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な上縁部(3)を有する圧搾可能な容器本体(2)と、容器本体開口部(4)とを備える、流動可能な食品のための熱成形された容器(1)において、
(i)前記容器本体(2)が、少なくとも軸方向および横方向の両方において圧搾可能であり、前記容器本体の容積が、手で圧力を加えることにより、少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%低減されることができるようにされており、かつ
(ii)前記上縁部(3)が、堅固であり、かつ前記容器本体(2)と連続している分配用注ぎ口(5)を備え、前記開口部(4)が、前記上縁部(3)上に封着されている少なくとも1枚の一次膜(6)によって閉鎖されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記少なくとも1枚の一次膜(6)が、前記上縁部(3)上に封着されており、かつ前記膜(6)の注ぎ口領域に位置する分配用穴部(7)を備え、
前記分配用穴部(7)が、前記一次膜(6)上に封着されている剥離可能な二次膜(8)によって閉鎖されている、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項3】
前記分配用穴部(7)が、1〜15mm、好ましくは2〜8mmの範囲で構成された直径を有する、請求項2に記載の容器(1)。
【請求項4】
前記一次膜(6)が、
前記平坦な上縁部(3)上に固定される方法で封着されている、前記容器本体(2)の前記開口部(4)を閉鎖している第1の部分(7)と、
前記平坦な上縁部(3)上に剥離可能な方法で封着されている、前記分配用注ぎ口(5)を閉鎖している第2の部分(8)と、
を備える、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項5】
前記閉鎖膜(6)の前記剥離可能な部分が、前記膜の残部の上に折り重ねられることができる、請求項4に記載の容器(1)。
【請求項6】
前記膜(6)が、
前記上縁部(3)上に封着されている、前記容器本体(2)の前記開口部(4)を閉鎖している第1の部分(7)と、
前記分配用注ぎ口(5)を閉鎖している第2の部分(8)と
を備え、
両部分(7、8)が、剥離可能な方法で封着されている、請求項1に記載の容器(1)。
【請求項7】
前記一次膜(6)が、少なくとも1枚の封着層と1つのアルミニウムとを備える複合箔である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項8】
前記上縁部(3)が水平なリングである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項9】
前記分配用注ぎ口(5)が、溝開口部を画成し、かつ10mm未満の幅と10mm未満の高さとを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項10】
前記容器本体(2)が、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせ、からなる群から選ばれる熱可塑性材料から作成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の容器(1)。
【請求項11】
前記流動可能な製品が、冷凍された乳製品、冷却された乳製品または保存性のある乳製品である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の容器(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−539704(P2008−539704A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509359(P2008−509359)
【出願日】平成18年5月2日(2006.5.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004076
【国際公開番号】WO2006/117178
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】