説明

乳酸発酵豆腐の製造方法及び該製造方法により得られた乳酸発酵豆腐

【目的】島豆腐に植物性乳酸菌を用いて発酵させた芳醇で機能性を有する乳酸発酵豆腐の提供。
【構成】独特の伝統的な製造法による沖縄産の島豆腐に適度の加圧処理を行い含有する水分を圧搾除去し、その豆腐に味噌、みりん、砂糖および少量の日本酒などを用いて調製した漬け汁に、さらに乳酸菌を添加し一定期間発酵を行い、特有の風味、食感および機能性を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独特の製造法と食感を持つ伝統的な沖縄産豆腐を原材料とする乳酸発酵豆腐の製造方法及びそれにより得られた乳酸発酵豆腐に関する。
【背景技術】
【0002】
大豆を主原料とする豆腐や豆乳は、従来から蛋白質や脂質およびイソフラボンなどに富む健康志向の低カロリー食品としてよく知られている。豆腐は栄養価が高く、低カロリーで蛋白質の消化と吸収性も格段に高く、今日まで日常的な健康志向食品として重要な役割を果たしてきた。特に沖縄地方の伝統的な豆腐は製法も独特で「島豆腐」と呼ばれ日本本土各地で製造されている木綿豆腐や絹ごし豆腐とはまったく別の製法で作られる。すなわち、本土では一般に水に漬けた大豆をすりつぶし、加熱して煮た後に絞って、オカラと豆乳に分ける「煮取り」法である。一方、沖縄では水につけた大豆を臼ですり潰して木綿布に入れて絞り、オカラと絞り汁に分けてから絞り汁(豆乳)だけ加熱する「生絞り法」で作っている(以下、本願明細書ではこの製法で作られた豆腐を特に島豆腐という)。
【0003】
「煮取り法」では大豆の皮も一緒に煮るのでエグミが出るために、それを抜くために製造後は水に漬けておく必要がある。しかし、「生絞り法」で作った島豆腐は、エグミが少ないので、熱いまま店頭に並べることが出来る。従って、島豆腐は、1丁(約1kg)または半丁をその場で切って、あるいはそのままビニール袋に入れて売られており、出来立てのあつあつが美味しさの基本であり、水にさらしている状態では販売されていない。島豆腐の水分は約81%であり、本土の木綿豆腐よりも5%ほど水分が少なく固さが強く、崩れにくい。また島豆腐は本土の木綿豆腐に比べて約1.3倍の蛋白質を含み、カルシウム、鉄、リン、ナトリウム、カリウムも多く、ビタミンB1およびB2も島豆腐が高い値を示している(「四訂日本標準食品成分表」による)。従って、この「沖縄の島豆腐」は「本土の豆腐」に比べて栄養価が優れており、蛋白質は「本土の豆腐」と較べて多く含有し、女性ホルモン様物質のイソフラボンには骨粗しょう症予防効果が知られており、高血圧、糖尿病、心臓病、肥満などの生活習慣病の予防や改善および健康の維持に有効な機能性食品としても注目されている。
【0004】
従来、豆腐の加工食品としては、中間生成物である豆乳は飲料をはじめ種々の加工食品が知られているが、豆腐自体の加工食品としては僅かに沖縄地方での伝統食品としての泡盛と紅麹菌を用いて発酵熟成させた豆腐よう以外はがんもどき等の揚げ物が専らであり、その加工食品は少ない。豆乳を主体とする発酵食品として、豆乳に乳酸菌を加えて発酵させてそのpHが5.3以上になると加熱することにより、乳酸菌の増殖を停止させてゲル状の豆乳発酵物を得ること(特許文献1参照)、あるいはマメ類、穀類あるいはイモ類の利用残渣に、乳酸菌及び酵母を添加して低温発酵させた種母の水懸濁液又は上澄み液に原料大豆を浸漬する、又は原料大豆の磨砕工程において前記上澄み液を添加する、あるいは豆乳に前記上澄み液を添加することにより、乳酸菌を加えて乳酸菌含有豆乳を得、それを20℃〜45℃で5〜20時間発酵させることにより、豆乳発酵物を得ることが提案されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−296387号公報
【特許文献2】特開平10−210947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のように「島豆腐」は、「本土の豆腐」に比べて蛋白質1.4倍、水分は5%ほど少なく、エネルギー1.5倍、脂質1.7倍でありミネラル分やビタミン類も多く栄養が濃縮されている。しかし、最近、沖縄では若い世代の所謂「島豆腐」離れや「琉球の伝統食」離れが見受けられ、豆腐の消費量が減少傾向にあると言われており、また中年層以下の肥満度は男女ともに日本一となり、脂肪摂取量の増加や運動不足等が原因で沖縄県における平均寿命が急降下しているのが現状である。
【0007】
これまで「島豆腐」の加工品として、生揚げ、油揚げ、ゆし豆腐、焼き豆腐などが挙げられ、さらに琉球王朝時代から伝わる麹菌と度数の強い泡盛に漬け込んで発酵させた「豆腐よう」などが知られている。この「豆腐よう」は、独特のアルコールを含んだ泡盛臭を有しており、酒のつまみや琉球料理に提供されており、病弱者や子供には適しておらず、摂取量次第では道路交通法上の酒気帯びとなる可能性も考えられ、一般的な食品として広く普及するに至っておらずその消費量は限定されている。しかし、これら島豆腐の加工品の形態は、旧態依然のままであること、最近では世界的にバイオ燃料としてのエタノール生産を推奨したために、その原料となる「トウモロコシ」や「サトウキビ」の需要が高まり、豆腐の原料である大豆またオレンジなどの生産は減少し、その価格が高騰して原料調達のコスト面で豆腐メーカーは厳しい局面に立たされ廃業を余儀なくされている業者も見受けられる。このような状況の中で「島豆腐」についても若者や成長期の子供たちにも受け入れられ、且つ付加価値の高い斬新で新しい食感を有する新製品の開発が求められている。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、アルコール分を含まず病弱者や子供にも安心して食することができる付加価値の高いチーズ風の新規な島豆腐加工品としての乳酸発酵豆腐の製造方法及びそれにより得られた乳酸発酵豆腐を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、普通の木綿豆腐に比べてより固めである島豆腐をさらに含有する水分を搾り出し固めて圧縮豆腐にし、一方白味噌、みりん等で調味した漬け汁を調製し、これに植物性乳酸菌(ラクトバチルスファーメンタム)を添加して前記圧縮豆腐を漬け込み、一定期間発酵処理を施すことによって、豆腐本来の色合いを保ちつつ、新しい食感と塩分少なめで発酵豆腐独特の味と香りが醸成された嗜好性の高い乳酸発酵豆腐を得ることができ、本発明に到達したものである。
【0010】
即ち、本発明の乳酸発酵豆腐の製造方法は、島豆腐に型崩れしない程度の加圧処理を行って水分を除去して圧縮豆腐を得、得られた圧縮豆腐を調味した漬け汁に乳酸菌を添加して調製した調製液に、一定期間漬け込んで発酵・熟成させたことを特徴するものである。
【0011】
前記圧縮豆腐は島豆腐を加圧状態で冷蔵庫で保管して水分を60%以下、望ましくは50〜35%にしてなり、得られた圧縮豆腐を5cm角以下、望ましくは2〜3cmの適度にサイコロ状に切断して、前記調整液に漬け込み5〜10℃雰囲気で3〜7週間発酵熟成させることが望ましい。前記漬け汁は、味噌望ましくは白味噌を主として含む調味料で調味することが望ましく、味噌に存在する酵素類と添加した乳酸菌の作用により豆腐の蛋白質が分解してアミノ酸を生成し、チーズのような食感と旨みが形成される。前記乳酸菌は、植物性乳酸菌特にラクトバチルスファーメンタム(Lactobacillus fermentum)であることが望ましい。
【0012】
上記課題を解決する本発明の乳酸発酵豆腐は、請求項1〜4何れか記載の乳酸発酵豆腐の製造方法で製造されてなることを特徴とするものであり、アルコール臭がなくチーズのような食感と旨みがあり、且つ製法が容易で長期保存ができる乳酸発酵豆腐である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法で得られた乳酸発酵豆腐は、乳酸菌発酵により熟成させることにより独特の風味と香りを有しチーズ様で比較的柔らかく、従来の「豆腐よう」のような独特のアルコールを含んだ泡盛臭を有することがなく、病弱者や子供にも適した、付加価値の高い斬新で新しい食感を有する新規な豆腐加工食品を得ることができる。
請求項2の製造方法によれば、さらに水分を60%以下に除去して得た圧縮豆腐を5cm角以下のサイコロ状に切断して低温状態で漬け込むことによって、調製液が内部まで均一に浸透しやすく、乳酸発酵の進行と熟成を早め、より均一な味の乳酸発酵豆腐が得られる。
【0014】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、特に味噌は白味噌を用い、豆腐本来の色合いを保ちつつ、新しい食感と塩分少なめで嗜好性の向上を図ることができる。また、請求項4に記載の発明によれば、乳酸菌としてはプロバイオティクス効果が知られている植物性乳酸菌であるラクトバチルスファーメンタムを用いることによって、発酵豆腐独特の味と香りがより醸成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る乳酸発酵豆腐の製造方法を説明するが、本発明はこの実施形態に限るものではない。
原料となる島豆腐は、通常の島豆腐の製造方法で製造されたものを使用する。即ち、水につけた大豆を臼ですり潰して木綿布に入れて絞り、オカラと絞り汁に分けてから絞り汁(豆乳)だけ加熱し、にがりを加えてさらに加熱することによって浮いてくるエグミを除去しながらかため、最後に木綿布を敷いた型に入れて圧縮することによって、熱々の島豆腐を得る。得られた島豆腐(水分含量、81%)に圧力を加えて含有水分を搾り出すと、圧縮豆腐が得られる。特に、1平方センチメートル当り1〜2g程度の圧力を加えて冷蔵庫で一昼夜放置しておくと圧縮豆腐の水分含量は40%程度となる。
【0016】
このようにして得られた圧縮豆腐を1〜5cm角望ましくは2〜4cm角にサイコロ状に切断して、白味噌をベースとした漬け汁に、乳酸菌として植物性乳酸菌を添加して漬け込み約2週間〜2ヶ月間、望ましくは3〜5週間、5〜10℃の低温雰囲気(例えば冷蔵庫内)で発酵熟成させる。発酵を行うことによって、独特の風味を持った製品が仕上がることになる。島豆腐は、木綿豆腐よりも水分が少なく、型崩れしにくいが、さらに加圧して固めたので、発酵期間中に型崩れが無く、程よい硬さの形状を保つことが出来る。
【0017】
漬け汁に使用する味噌は、麹の種類により米味噌、麦味噌、大豆味噌など、また色調別では白味噌、赤味噌などのすべての味噌が利用できるが、特に漬け込んで発酵が終わった時の味覚、塩味および色合いの点で、甘口の白味噌が最も好ましく適合した味噌であった。漬け汁に白味噌を用いることによって塩分の少ない豆腐本来の白色の外観と香ばしさを保つことが出来、見た目も美しく食欲をそそるものができる。
【0018】
なお、発酵が終了した豆腐の表面は漬け込み液の成分が浸透しているために、若干淡いクリーム色を呈しているが、豆腐の中味は白色を呈しておりチーズ様で比較的柔らかい状態である。そして、その淡いクリーム色と発酵豆腐の白色の色の組み合わせが食欲をそそり、香り豊かで、アミノ酸が豊富な溶けたチーズのような食感を呈している。
【0019】
漬け込み発酵・熟成期間は、3〜5週間が最適であり、2週間以下の発酵期間では、まだ豆腐に漬け汁の成分やチーズ様の組織が形成されず、豆腐独特のくさみ、硬さなどの食感が残っており旨みに欠ける。また、2ヶ月以上の発酵期間では、発酵・熟成が進んで型崩れしやすく取り扱いに難点があり、乳酸発酵が進行してやや酸味を帯びてくる。
【0020】
使用する乳酸菌は、酸やアルカリにも強く過酷な環境でも生き抜くことができる植物性乳酸菌が望ましい。植物性乳酸菌とは、ラクトバチル(Lactobacillus)属、ペジオコッカス(Pediococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属などの微生物のことである。このうち、ラクトバチル属としては、ラクトバチルス ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス プランタルム(L.plantarum)、ラクトバチルス カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス アラビノサス(L.arabinosus)などを例示することができるが、本発明を実施するには、もともと漬物から分離され、耐塩性があり熱や胃酸にも強く、生きたまま腸まで届き腸内環境を改善するプロバイオテクス効果の高いラクトバチルス ファーメンタムが最も好ましい。
【0021】
豆腐を乳酸発酵することによって、発酵期間の経過に伴って豆腐の蛋白質が徐々に分解して遊離アミノ酸などの旨み成分が生成して豆腐を食べている感覚は無く、柔らかいチーズ様をイメージさせる旨みと食感を持った製品となる。また、添加した乳酸菌は発酵終了後もそのまま活性を保っているので、保存性が増強し、これを食した場合は整腸作用をより増強するものと考えられる。
【0022】
なお、白味噌に砂糖、みりん、酒などを加えさらに1〜5%の紅麹色素、大麦若葉、よもぎ、ウコンおよび抹茶の微粉末などを加えてよく混合して色付けと香り付けした後、最後に植物性乳酸菌を加えて調製した漬け汁で島豆腐を発酵させることによってオリジナルの乳白色以外に赤、黄および緑色などを呈した風味豊かな色とりどりの製品を作ることが出来る。
【0023】
以上のように、本実施形態によれば、沖縄産の島豆腐の上に重石などで崩れしない程度に圧力を加えて適度に水分を搾り出して得られた固めの豆腐を約3cm角のサイコロ状に切断して、一昼夜冷蔵庫で風乾する。次いで、あらかじめ白味噌、砂糖、みりん、酒などを加えて水で約2倍に希釈した液汁に、さらに植物性乳酸菌を添加して漬け汁を調製する。この漬け汁に、2〜3cm角に細切した豆腐を漬け込み約1カ月〜2ヶ月間発酵・熟成を施すことにより、とろけるチーズ様の舌触りを有する極めて独特の旨みと食感を持った乳酸発酵豆腐が得られる。
【0024】
また、本実施形態の乳酸発酵豆腐は、白味噌自体に含まれる乳酸菌や酵母、さらに漬け汁に添加した植物性乳酸菌であるラクトバチルス・ファーメンタムによって発酵・熟成を行う機能性と保存性を高めた発酵食品である。特に、植物性乳酸菌であるラクトバチルス・ファーメンタムは、熱や胃酸に強く、65%以上が生きたまま腸まで届く強い生命力を持っている。したがって、本発明品は、これらの乳酸菌を生きたまま食することによって、プロバイオティクス効果により腸内環境を改善させる機能性食品でもある。
【0025】
さらに、島豆腐は本土の木綿豆腐に比べて蛋白質が1.3倍、脂質、および鉄分、カルシウム、カリウムなどのミネラル類、またビタミンB1やビタミンB2なども島豆腐のほうが多く含まれているので、美容や健康に最適である。
【0026】
一方、乳酸発酵島豆腐は、白味噌をベースとして乳酸菌を加えることによって、特有の香ばしさ、旨みおよび色合いが得られると同時に保存性も増強され、生きた乳酸菌を直接摂取することにより健康増進に大きく貢献するものである。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の乳酸発酵島豆腐の製造方法を実施例を基により詳細に説明する。
前記のように使用する豆腐は、伝統的製法で製造された沖縄産の島豆腐であり、本土の木綿豆腐や絹ごし豆腐とは、まったく別の製法で作られる。すなわち、水につけた大豆を臼ですりつぶして木綿布で絞り、絞り汁(豆乳)だけを加熱する「生絞り法」で作っていて、水分は約81%であり、本土の木綿豆腐よりも5%ほど水分が少なく固さが強く、崩れにくい。
【0028】
まず最初の手段として、上記の島豆腐をバットの中に高さ1cm程度のキッチンペーパを敷いたアミの上に並べて置き、その上にアルミ製または木製の押し板をのせて重石で圧力をかけ、この状態で冷蔵庫に一昼夜放置すると、含有する水分の50%程度を排出させることができ、圧縮豆腐が得られる。重石で圧力をかける場合は、豆腐が型くずれして変形しないように10cm当り20g前後であり、島豆腐1丁当りではおよそ約1kg程度である。
【0029】
次の手段として、前記圧縮豆腐を2〜3cm角に切断して、これを白味噌、みりん、砂糖および少量の日本酒などを用いて水で2倍に希釈した潰け汁を調製し、これに植物性乳酸菌(ラクトバチルスファーメンタム)を添加して、該漬け汁にサイコロ状に切断された前記圧縮豆腐を潰け込む。なお、本漬け汁の調整法とその成分割合及び乳酸菌の添加方法の詳細は次の通りである。
先ず白味噌100gに対し砂糖10g、水50ml、日本酒5ml並びに昆布だしを少々加え、これを十分に攪拌・混合することによって得られた調味液を水で2倍に希釈し、90℃で10分間加熱殺菌後、室温まで冷却する。また、植物性乳酸菌としてラクトバチルスファーメンタム菌培養液のスプレードライ粉末(特開2005−52100号公報参照、販売先:株式会社ビモレ沖縄)の2gを殺菌水10mlに溶解して前記調味液に添加し、よく混合したものを発酵用の漬け汁調整液とした。このことによって漬け汁の成分が発酵中に豆腐に浸透し、また味噌に存在する乳酸菌、酵母および酵素類や添加した乳酸菌の作用によって豆腐の蛋白質は徐々に分解してアミノ酸が生成し、チーズのような食感と旨みが形成される。
【0030】
前記島豆腐の漬け込みは、漬け汁が豆腐の上層1cm位になるように漬け込み、冷蔵庫内(5〜10℃)で約1カ月間発酵熟成させた。約1ヶ月間の発酵・熟成が終わった後、豆腐が型崩れしないように容器から取り出して余分な漬け汁を除き乳酸発酵島豆腐として食した。得られた乳酸発酵豆腐は、表面は若干淡いクリーム色を呈し、中身は白色を呈してとろけるチーズ様の舌触りを有するきわめて独特の食感を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の乳酸発酵豆腐の製造方法は、アルコール分を含まず病弱者や子供にも安心して食することができ、且つ乳酸菌を生きたまま食することができ、腸内環境を改善させる機能性食品として美容や健康に最適でしかも長期保存が可能で付加価値の高いチーズ風の新規な島豆腐加工食品を提供でき、産業上の利用可能性が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
島豆腐に型崩れしない程度の加圧処理を行って水分を除去して圧縮豆腐を得、得られた圧縮豆腐を調味した漬け汁に乳酸菌を添加して調製した調製液に、一定期間漬け込んで発酵・熟成させたことを特徴する乳酸発酵豆腐の製造方法。
【請求項2】
前記圧縮豆腐は島豆腐を加圧状態で保管して水分を60%以下にしてなり、該圧縮豆腐を5cm角以下に切断して、前記調整液に漬け込み5〜10℃雰囲気で3〜7週間発酵熟成させることを特徴とする請求項1に記載の乳酸発酵豆腐の製造方法。
【請求項3】
前記漬け汁は、白味噌を主として含む調味料で調味されてなる請求項1又は2に記載の乳酸発酵豆腐の製造方法。
【請求項4】
前記乳酸菌が植物性乳酸菌である請求項1に記載の乳酸発酵豆腐の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4何れか記載の乳酸発酵豆腐の製造方法で製造されてなることを特徴とする乳酸発酵豆腐。