説明

乳酸菌検出用半流動培地

【課題】 乳酸菌汚染の排除を効果的に行うために、早期かつ的確に効率よく、検査試料中の乳酸菌の有無を目視により判定することができ、一般的な食品や飲料、水などの検査や製造工程検査にも幅広く利用できる乳酸菌の検出方法や、該検出方法に有利に用いられる乳酸菌検出用培地を提供すること。
【解決手段】 15〜25g/Lのグルコースと、ブロモクレゾールパープル等のpH指示薬と、0.025〜0.200%の寒天を含有する乳酸菌検出用の半流動培地に検査用試料を添加・混合して、例えば25℃で2日間培養し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定する。リン酸水素二カリウム不含の低緩衝能の半流動培地や、滅菌後・培養前のpHが6.0〜7.5である半流動培地が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査用試料中の乳酸菌の有無を目視により判定することができる乳酸菌検出用半流動培地や、それを用いた乳酸菌の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌は、糖を発酵し、多量の乳酸を生産する細菌の総称で、現在12属(Lactobacillus、Pediococcus、Tetragenococcus、Carnobacterium、Vagococcus、Leuconostoc、Weissella、Oenococcus、Atopobium、Streptococcus、Enterococcus、Lactococcus)に分類され、二百数十種が報告されている。乳酸菌は、古くから味噌、醤油、清酒、ワイン、ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料、漬物、発酵ソーセージ、発酵茶、馴れずしなどの多くの食品加工に利用されている。また、乳酸菌の保健的機能も解明され、プロバイオティック乳酸菌を利用した特定保健用食品は新たな食品市場を築きつつある。ところが、食品加工分野を中心に、有用細菌として活用されている乳酸菌は、同じ菌種が同じ働きをしても、一方では酸味、酸臭、ネトの生成など、さまざまな変敗の原因となる。例えば、清酒製造での諸味が酸敗する腐造諸味や瓶詰製品が変敗する火落ち、また非加熱ビールの異味や濁り、あるいは水産練り製品や低塩化された漬物での酸敗などは、主に乳酸菌が原因となっている。ハム、ウインナーソーセージなどの食肉製品や惣菜、ハンバーグ、揚げ物などの加工食品などでも、加工段階や製品の品質異常に関与する。
【0003】
乳酸菌が健康危害を起こすことはほとんどないが、変敗の発生は経済的損失が大きく、その制御は食品加工メーカーにとっても重要な課題である。食肉製品に限らずさまざまな食品での乳酸菌による食品の品質異常を防ぐために、乳酸菌の排除を優先的に行うことは、結果として多くの病原菌やその他有害細菌の排除にもつながる。また、このような場合の乳酸菌の検査は、メーカーにおける大量生産品の品質管理の一環であることから、操作が簡便であるだけでなく、結果が迅速に得られる、ということが必要である。これらのことから、従来以下の乳酸菌用培地が用いられている。
【0004】
1)BCP加プレートカウント寒天培地
菌数測定用として公定法に記載されている(食品衛生検査指針微生物編、厚生労働省監修、2004年)。寒天培地上に生育したコロニー周辺が黄色くなったコロニーを乳酸菌として測定する(乳酸生成により酸性になるとBCPが青から黄色に変化する)。
【0005】
2)MRS寒天培地、BL寒天培地
この2つの培地は、いずれも菌数測定用として公定法に記載されている(食品衛生検査指針微生物編、厚生労働省監修、2004年)。乳酸菌の生育に有効であるが、選択性はなく、乳酸菌以外の微生物も活発に生育する。いずれも緩衝能を備えている。寒天不含で液体培地として使用されることもある。
【0006】
3)APT寒天
乳酸菌用に開発されたもの(Sharpe,M.E.and Fryer,T.F., Laboratory Practice, June, 1965)。グルコース10g/L含有、緩衝能あり、指示薬不含。寒天不含で液体培地として使用されることもある。
【0007】
4)APT寒天+BCP
APT寒天にpH指示薬であるBCPを添加したもの(Compendium of methods for the microbiological examination of foods, Second edition, Marvin L. Speck, Editor, 1984)。
【0008】
5)LBS寒天培地
乳酸桿菌の選択培地として開発され、以前から用いられていたトマトジュース培地より乳酸桿菌の選択性が高いと報告されている(Rogosa,Mitchell and Wiseman, J.Bacteriol, 62:132, 1951)。寒天平板を二酸化炭素加環境において35℃で培養する。グルコース20g/L含有、緩衝能あり、指示薬不含。寒天不含で液体培地として使用されることもある。
【0009】
また、関連技術として、大麦焼酎蒸留残液から得た成分を含有する乳酸菌培養用培地が提案されている(特許文献1参照)。焼酎蒸留残液の有効利用に関するもので、乳酸菌の菌体収率をあげる(培養による菌体の量を増やす)ことを目的とした培地で、乳酸菌の検出を目的とした培地ではない。また、既存の液体培地(MRS培地、LB培地)にカルシウム塩を含有させた乳酸菌生育促進用培地(特許文献2参照)や、既存の液体培地(MRS培地、LB培地)にバターミルクを添加した乳酸菌生育促進用培地(特許文献3参照)の他、培地に蛍光物質(アクリジンオレンジ−10−ドデシルブロミド)を添加して、蛍光強度により生菌数を測定する方法(特許文献4参照)や、Modified NBB培地等の既存培地にウイスキー蒸留残渣を含有させることによって、乳酸菌を迅速に増殖させる菌数計測用の培地(特許文献5参照)や、乳酸菌の増殖促進物質として、シチジン及びチミジン、麦芽汁発酵物が添加された、ビール醸造に有害な乳酸菌の検出・菌数計測用培地(特許文献6参照)や、酒かす又は酒かす抽出物を含有する乳酸菌の生育促進用培地(特許文献7参照)が提案されている。
【0010】
また、嫌気状態を保つためにゲル化剤(コンスターチ、アルギン酸、寒天)を含有する培地を用い、ゲル化剤の粘性のために培地への酸素の溶存を防止し嫌気状態を保つことにより、嫌気性菌であるビフィズス菌及び乳酸菌の増殖促進させる方法(特許文献8参照)や、寒天培地を使用して培養する際に、酸素分圧を調整して、糞便試料からラクトバチルス アシドフィルスを分離培養する方法(特許文献9参照)や、チーズホエーを含むラクトバチルス属のNo.14株の分離培養用培地(特許文献10参照)や、アデニン、グアニンなどの遊離塩基、アデノシン等のリボヌクレオシド、2’−デオキシアデノシン等のデオキシリボヌクレオシドの他、生育を促進するために炭素源、緩衝剤、窒素源、微量要素、抗酸化剤、ビタミンを含むラクトバチルスやビフィドバクテリア属に属する乳酸菌を培養するための培地(特許文献11参照)や、オリゴ糖に加えてプロピオン酸またはその塩を使用し、ビフィドバクテリウム菌と乳酸菌とを含有する物の中からビフィドバクテリウム菌を優先的に発育させ、その菌数を測定するための選択・生菌数測定用培地(特許文献12参照)や、寒天培地に生育促進剤として塩化リチウムおよびガラクトースを含有するビフィドバクテリア属に属する乳酸菌の検出用および菌数計測用培地(特許文献13参照)や、オリゴ糖を含有するビフィドバクテリア属に属する乳酸菌を培養するための選択・生菌数測定用の寒天培地(特許文献14参照)や、pH指示薬を使用したビフィドバクテリア属に属する乳酸菌を培養するための液体の選択培地(特許文献15参照)が提案されている。
【0011】
また、生育促進させるために、酵母エキス、マンガン、酢酸を含有し、また、酢酸および酢酸ナトリウムによる緩衝剤を使用した製パン用風味改改良のためのサワー種用乳酸菌の栄養培地(特許文献16参照)や、焼酎蒸留残液から得られる成分を添加した培地で、ナイシンを生産する乳酸菌(Lacrtobacillus lactis)を効果的に増殖させて、その生産物であるナイシンを得る方法(特許文献17参照)や、安息香酸ナトリウム、0.1Mリン酸カリウムを含む液体培地で培養し、抗菌物質、塩化コバルトを含み、食塩を含まない、寒天培地で低濁性醤油乳酸菌を分離する方法(特許文献18参照)や、脱脂粉乳溶解液にオルトリン酸塩(緩衝能に寄与)を加えて煮沸後、遠心分離して乳成分中のカルシウムの一部を除去し、ついで有機酸塩を加えた乳酸菌スタータ用培地(特許文献19参照)や、クエン酸塩またはリンゴ酸塩を添加して緩衝能を高めた醤油用の乳酸菌の増殖促進用培地(特許文献20参照)や、L−システインを含有する乳酸菌、とくにパンの製造に使用されるラクトバチルス・サンプランシスコを培養し菌体回収効果をあげる方法(特許文献21参照)が提案されている。
【0012】
その他、5〜20g/Lのグルコース、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールブルー、アリザリンレッドS一水和物等のpH指示薬、pH指示薬ゾーンの拡散を防ぐために使用されるバッファーを含む、腸内細菌を検出及び測定するための培地(特許文献22参照)が提案されている。
【0013】
【特許文献1】特許第3527661号公報
【特許文献2】特許第2673333号公報
【特許文献3】特開2000−102380号公報
【特許文献4】特開平6−113887号公報
【特許文献5】特開平03−91493号公報
【特許文献6】特開平03−130071号公報
【特許文献7】特開平3−172171号公報
【特許文献8】特開2000−23663号公報
【特許文献9】特許第3071128号公報
【特許文献10】特許第3184572号公報
【特許文献11】特開2000−279166号公報
【特許文献12】特開平11−28098号公報
【特許文献13】特開平6−343491号公報
【特許文献14】特開平4−20283号公報
【特許文献15】特開平7−99995号公報
【特許文献16】特許第3118761号公報
【特許文献17】特開2004−168号公報
【特許文献18】特開2003−79363号公報
【特許文献19】特開昭60−105489号公報
【特許文献20】特開昭57−102184号公報
【特許文献21】特開昭54−143585号公報
【特許文献22】特表平10−504464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、乳酸菌汚染の排除を効果的に行うために、早期かつ的確に効率よく、検査試料中の乳酸菌の有無を目視により判定することができ、一般的な食品や飲料、水などの検査や製造工程検査にも幅広く利用できる乳酸菌の検出方法や、該検出方法に有利に用いられる乳酸菌検出用培地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、検査試料中に存在する乳酸菌の発育を促進させて乳酸の生成量を増加させ、pH指示薬による培地の色の変化を生成せしめ、生成した色の変化を目視において増幅させることを基本コンセプトとして検討を始めた。
【0016】
まず、検査試料中に存在する乳酸菌の発育を促進させるため、栄養源として培地成分によく使用されるグルコースの発育促進効果に着目し、その濃度を15〜25g/Lに増加させることより、乳酸菌の検出効果を向上させた(なお、既存の乳酸菌用培地のグルコース濃度は5〜20g/Lとなっている。)。また、糖を資化し乳酸を生成するという乳酸菌の特性を利用し、グルコースを比較的高濃度にすることにより、乳酸菌による乳酸の生成量を増加させ、予め培地に配合していたpH指示薬(酸によりpHが低下すると色が変化する)の発色あるいは色の変化を鮮明することにより、一目で乳酸菌が増殖したかどうかを判定できるようにした。
【0017】
次に、乳酸の産生により、培地のpHが酸性になると色が変化するpH指示薬としてブロモクレゾールパープル(BCP)を培地成分として用いた。pH指示薬は、BCP加プレートカウント寒天培地(乳酸菌数測定用寒天培地)、LIM培地(腸内細菌確認用)など、色の変化で目的とする細菌の増殖を確認するために一般的に使用されている。また、pH指示薬の色を迅速かつ鮮明に変化させるため、培地の緩衝能を低下させた。乳酸菌用培地をはじめとする多くの培地では、増殖促進や増殖した菌体保護のために、培地に緩衝能を持たせている。緩衝能が働くことによって、乳酸菌の代謝産物である酸による菌体へのダメージが軽減されるためである。乳酸菌の検出用目的、すなわち、食品・飲料や食品製造工程に乳酸菌が汚染しているかどうかを判別することを目的としているため、緩衝能は必要とせず、むしろ、緩衝能を低下又は除去することにより、かつ、pH指示薬との組み合わせることで、乳酸菌の有無をより鮮明に判別できることがわかった。
【0018】
次いで、生成した色の変化を目視において増幅させ判定を容易にするため、特に鋭意検討し、半流動の液体培地とすることを見いだした。通常、半流動培地は、嫌気性菌を培養する際、その粘性により培地への酸素の溶存を防止し嫌気状態を保持するため、あるいは、微生物に運動性があるかどうかを判定するために使用される(サルモネラ用のLIM培地など)。ところが、半流動の粘性を使用し、試験管内の培地全体において均一にpH指示薬の色の変化が著しく鮮明になることを発見した。
【0019】
以上の知見を総合して、1gあたりの菌数として測定できないような少量の乳酸菌を検出するため、炭素源、窒素源などの栄養が豊富な液体培地、あるいは、さらに鉄やマグネシウム、マンガンなどの微量要素やビタミンなどを含む液体培地において、グルコース濃度を高め、pH指示薬を加え、緩衝能を低下又は除去し、半流動の培地とすることで、上記課題を解決することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
すなわち本発明は、(1)15〜25g/LのグルコースとpH指示薬とを含有する乳酸菌検出用の半流動培地に検査用試料を添加・混合して培養し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定することを特徴とする乳酸菌の検出方法や、(2)半流動培地が、リン酸水素二カリウム不含の低緩衝能の半流動培地であることを特徴とする上記(1)記載の乳酸菌の検出方法や、(3)半流動培地が、滅菌後・培養前のpHが6.0〜7.5であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の乳酸菌の検出方法や、(4)pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、p−ニトロフェノール、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッドSから選ばれるpH指示薬であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の乳酸菌の検出方法や、(5)半流動培地が、0.025〜0.200%の寒天を含有する半流動培地であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の乳酸菌の検出方法や、(6)半流動培地が、12.5g/Lのトリプトン、7.5g/Lの酵母エキス、20g/Lのグルコース、5g/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物、5g/Lの塩化ナトリウム、0.8g/Lの硫酸マグネシウム、0.14g/Lの塩化マンガン、0.04g/Lの硫酸鉄(II)第一、0.001g/Lのチアミン塩酸塩、0.2g/Lのツィーン80、0.75g/Lの寒天、0.06g/Lのブロモクレゾールパープル(滅菌後のpH 6.8±0.2)から構成されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載の乳酸菌の検出方法に関する。
【0021】
また本発明は、(7)25℃で2日間培養後の培地の色の変化を目視により判定することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか記載の乳酸菌の検出方法や、(8)15〜25g/LのグルコースとpH指示薬とを含有し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定することにより乳酸菌を検出することができる乳酸菌検出用半流動培地や、(9)リン酸水素二カリウム不含の低緩衝能の半流動培地であることを特徴とする上記(8)記載の乳酸菌検出用半流動培地や、(10)滅菌後・培養前のpHが6.0〜7.5であることを特徴とする上記(8)又は(9)記載の乳酸菌検出用半流動培地や、(11)pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、p−ニトロフェノール、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッドSから選ばれることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか記載の乳酸菌検出用半流動培地や、(12)0.025〜0.200%の寒天を含有する半流動培地であることを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれか記載の乳酸菌検出用半流動培地や、(13)12.5g/Lのトリプトン、7.5g/Lの酵母エキス、20g/Lのグルコース、5g/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物、5g/Lの塩化ナトリウム、0.8g/Lの硫酸マグネシウム、0.14g/Lの塩化マンガン、0.04g/Lの硫酸鉄(II)第一、0.001g/Lのチアミン塩酸塩、0.2g/Lのツィーン80、0.75g/Lの寒天、0.06g/Lのブロモクレゾールパープル(滅菌後のpH 6.8±0.2)から構成されていることを特徴とする上記(8)〜(12)のいずれか記載の乳酸菌検出用半流動培地に関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の乳酸菌検出用半流動培地に食品や飲料などの検査用試料を添加・混合して培養すると、検査用試料中の乳酸菌の増殖によって培地の色が変化することにより、目視により乳酸菌を一次的にかつ定性的に捉える(例えば、検査試料液10mlあたり、乳酸菌の有無により陽性、陰性を判別する)ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の乳酸菌の検出方法としては、15〜25g/LのグルコースとpH指示薬とを含有する乳酸菌検出用の半流動培地に検査用試料を添加・混合して培養し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定する方法であれば特に制限されず、また、本発明の乳酸菌検出用半流動培地としては、15〜25g/LのグルコースとpH指示薬とを含有し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定することにより乳酸菌を検出することができる培地であれば特に制限されるものではなく、検出対象の乳酸菌としては、Lactobacillus、Pediococcus、Tetragenococcus、Carnobacterium、Vagococcus、Leuconostoc、Weissella、Oenococcus、Atopobium、Streptococcus、Enterococcus、Lactococcusの各属に属する乳酸菌を挙げることができる。また、上記半流動培地とは、固形培地に比べて寒天などの固形成分の含有量が低く、ある程度の流動性を保持している培地をいう。
【0024】
上記乳酸菌検出用半流動培地としては、緩衝能が低下又は除去されたものが好ましい。緩衝能を保持するために、培地には通常、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、トリス緩衝剤、MOPS緩衝剤、MES緩衝剤などが含まれるが、上記乳酸菌検出用半流動培地は、リン酸水素二カリウム等を含まない緩衝能が低下又は除去されたものが好ましい。なお、本発明において、低緩衝能とは、後述の実施例2における基本培地2における緩衝能よりも低い緩衝能を有することを意味する。
【0025】
また上記乳酸菌検出用半流動培地としては、滅菌後・培養前のpHが6.0〜7.5、中でも6.5〜7.2、特に6.8のものが好ましい。この場合、pH5〜6で変色するpH指示薬を使用することにより、培養後に、乳酸菌の発育によりpHが低下した培地を目視により簡便に見いだすことができる。pH5〜6で変色する指示薬としては、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、p−ニトロフェノール、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッドSを好適に例示することができる。
【0026】
本発明において用いることができるその他の酸性域pH指示薬としては、チモールブルー;酸性、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ等を挙げることができ、アルカリ性域pH指示薬としては、ニュートラルレッド、フェノールレッド、o−クレゾールレッド、チモールブルー;アルカリ性、フェノールフタレイン、オルトクレゾールフタレイン、チモールフタレイン等を挙げることができ、pH6〜10の反応域pH指示薬としては、フルオレセイン、クマリン、キシレノールブルー等を挙げることができる。
【0027】
上記半流動培地は、外部から攪拌、振とうなどの物理的な力を加えた時には流動性を示すが、静置していれば液体培地に比べて対流が少ないような性状を示す。固形培地では寒天の場合1.0〜2.0%で用いるが、半流動培地では0.025〜1.000%で使用される。本発明の乳酸菌検出用の半流動培地では、判定を容易に行うために半流動にすることを目的としており、攪拌が容易にできるくらいの流動性も保持した培地が好ましいことから、寒天の場合0.025〜0.200%、好ましくは0.05〜0.15%で使用する。ただし、この濃度は20〜40℃程度の一般的な培養温度において半流動状態を維持するのに必要な寒天濃度であり、この温度範囲よりも低い場合には、より少量の、また高温での培養ではより多量の寒天を用いることが好ましい。
【0028】
半流動状態は、寒天以外のゲル化剤によっても実現することができる。ゲル強度をもたらす成分として、寒天の他、ゼラチン、シリカゲル、アクリルアミド、グルコマンナン、メチルセルロース、ジュランガム、アラビアガム、スターチ、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ベントナイト、アルギナート、コラーゲン、融解石英、水溶性デンプン、ポリアクリレート、セルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、デキストラン、ポリサッカライド等を挙げることができる。これらのゲル化剤は寒天に代えて、あるいは、寒天と組み合わせて、使用することができる。
【0029】
本発明の乳酸菌の検出用半流動培地として、12.5g/Lのトリプトン、7.5g/Lの酵母エキス、20g/Lのグルコース、5g/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物、5g/Lの塩化ナトリウム、0.8g/Lの硫酸マグネシウム、0.14g/Lの塩化マンガン、0.04g/Lの硫酸鉄(II)第一、0.001g/Lのチアミン塩酸塩、0.2g/Lのツィーン80、0.75g/Lの寒天、0.06g/Lのブロモクレゾールパープル(滅菌後のpH 6.8±0.2)から構成されている培地を最も好適に例示することができる。この最も好適な培地は、前記4)のAPT寒天にpH指示薬であるBCPを添加した培地に比較して、グルコース濃度を2倍にし、指示薬の色の変化を鮮明にするために、緩衝能(リン酸2カリウム)を除き、寒天培地として使用するのではなく、液体培地としての使用を前提として、少量の寒天を含有させ、半流動状にすることにより、pH指示薬による色の変化を著しく鮮明したものである。
【0030】
一般に、乳酸菌の培養は30℃で24〜48時間、ビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)では37℃で72時間とされている(食品衛生検査指針微生物編、厚生労働省監修、2004年)。また、25℃以下など低温で培養すると低温発育性の乳酸菌が発育しやすくなることが知られているが、低温で培養する場合は、4〜10日の培養時間が必要とされている。本発明の乳酸菌の検出方法における検査用試料を添加・混合しての培養は、乳酸菌が好適に増殖しうる培養条件下で行うことが好ましい。例えば、本発明の乳酸菌の検出用半流動培地では、グルコース増量による乳酸菌の発育促進と酸生成量の増加、指示薬の使用と緩衝能の除去と半流動状にすることによって、乳酸菌増殖の有無を容易に判別できるため、短時間で肉眼的にその有無の判定が可能であり、25℃で培養することで、一般の乳酸菌に低温発育性の乳酸菌も加えて、25℃培養の場合2日で全体の乳酸菌検出が可能である。
【0031】
本発明の乳酸菌の検出方法によると、例えば、次のようにして乳酸菌を検出できる。食品中の乳酸菌の有無を測定する場合、食品25gに滅菌済みの希釈液225gを加えて粉砕混合した検査用試料液1mlを、滅菌済みの本発明の乳酸菌検出用半流動培地10mlに加えて、あるいは、検査用試料液10mlを倍濃度の乳酸菌検出用半流動培地10mlに加えて、それらの液を混合し、培養後、乳酸菌による酸産生により培地のpHが低下し、培地の色が変化することにより、検査試料液1ml中、あるいは、10ml中の乳酸菌の有無を目視により判定する。また、ごく少量の菌数を求める場合、10ml、1ml、0.1mlというように10倍段階希釈した3段階の検査用試料液をそれぞれ本発明の乳酸菌検出用半流動培地が入った試験管3本、あるいは、5本に添加し、陽性の試験管数から、最確数(MPN:Most Probable Number)により菌数を算定する(通常、MPN値は100mlあるいは100gあたりで表示する)。その他、例えば、食品の製造工程の装置や器具の表面付着乳酸菌を測定する場合、対象物の表面をカット綿、綿棒、ガーゼタンポンなどにより拭き取り捕捉後、直接、もしくは滅菌済みの希釈水で溶出したその液を本発明の乳酸菌検出用半流動培地に加えて乳酸菌の有無やごく少量の菌数を測定する。
【0032】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0033】
(培地のグルコース濃度の影響)
供試菌として表1に示す乳酸菌33株を用いた。それぞれの供試菌を10mlのAPT broth(Difco)に接種し、30℃で2〜3日培養し、前培養液として使用した。
【0034】
【表1】

【0035】
以下に示す組成で基本培地1を作製した。
基本培地1の組成(g/L)
トリプトンペプトン(Difco) 12.5
酵母エキス(Difco) 7.5
塩化ナトリウム 5
クエン酸三ナトリウム二水和物 5
リン酸水素二カリウム 5
硫酸マグネシウム 0.8
塩化マンガン 0.14
硫酸鉄(II)第一 0.04
チアミン塩酸塩 0.001
ツィーン80 0.2
ブロモクレゾールパープル 0.06
滅菌後のpH 6.8±0.2
【0036】
この基本培地1にグルコースを0%(0g/L)、1.0%(10g/L)、1.5%(15g/L)、2.0%(20g/L)、2.5%(25g/L)それぞれ加え、10mlずつ試験管に分注した後、121℃で15分間高圧滅菌を行って試験培地を作製した。この試験培地に、各乳酸菌株の前培養液を適当に希釈して10CFU/mlになるように接種後、30℃で培養し、48時間後に培地の黄変による乳酸菌の検出を確認した。培地の色が変化せず、紫色のままであるものを−、やや黄変したものを+、鮮明に黄変したものを++で示した。結果を表1に示す。その結果、グルコース濃度1.5%〜2.5%で培地の黄変が認められた菌株が多かった。以下の試験ではグルコースを2.0%添加して実施した。
【実施例2】
【0037】
(培地の緩衝能の影響)
以下に示した組成で基本培地2を作製した。
基本培地2の組成(g/L)
トリプトンペプトン(Difco) 12.5
酵母エキス(Difco) 7.5
グルコース 20
塩化ナトリウム 5
クエン酸三ナトリウム二水和物 5
硫酸マグネシウム 0.8
塩化マンガン 0.14
硫酸鉄(II)第一 0.04
チアミン塩酸塩 0.001
ツィーン80 0.2
ブロモクレゾールパープル 0.06
滅菌後のpH 6.8±0.2
【0038】
この基本培地2にリン酸水素二カリウム0g/L、5g/L加え、121℃で15分間高圧滅菌し、試験培地を作製した。各培地100mlに対して0.9%乳酸溶液を滴下し、pH0.25ずつ変化した時点で培地の色の変化および0.9%乳酸溶液の滴下量を計測した。培地の色が変化せず紫色のままであるものを−、やや黄変したものを+、鮮明に黄変したものを++で示した。結果を表2に示す。その結果、pH6.5の培地が黄変するために必要な0.9%乳酸溶液は、リン酸水素二カリウム5g/Lでは18.1ml/100ml、リン酸水素二カリウム0g/Lでは11.0ml/100mlであり、リン酸水素二カリウム5g/Lよりも0g/Lの方が少量の乳酸溶液で黄変した。以下の試験はリン酸水素二カリウム0g/Lで実施した。
【0039】
【表2】

【実施例3】
【0040】
(培地の寒天濃度の影響)
Lactobacillus sp.-39を供試菌とし、実施例2に示した基本培地2に寒天を0%(0g/L)、0.025%(0.25g/L)、0.050%(0.50g/L)、0.075%(0.75g/L)、0.150%(1.50g/L)、0.200%(2.00g/L)、0.250%(2.50g/L)、0.300%(3.00g/L)、0.600%(6.00g/L)加え、121℃で15分間高圧滅菌し、試験培地を作製した。それぞれの試験培地を25℃に保管し、乳酸菌用培地として攪拌が容易にできるかを確認し、攪拌できるものについて、供試菌を10CFU/ml接種し、25℃で48時間培養後に判定の容易さを確認した。結果を表3及び図1に示す。その結果、25℃で攪拌が可能な寒天濃度は0%〜0.200%であり、寒天0.025%以上、特に0.075%以上で培地の一部もしくは全体が鮮明に黄変し、肉眼的に一目で判定でき、判定が容易であることがわかった。以上のことから、液体培地に寒天を0.025〜0.200%加えることにより、判定が容易な半流動培地となることが確認された。
【0041】
【表3】

【0042】
また、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus sp.-6を供試菌とし、実施例2に示した基本培地2に寒天を0%(0g/L)、0.075%(0.75g/L)加え、121℃で15分間高圧滅菌し、試験培地を作製した。それぞれの試験培地に供試菌を10CFU/ml接種し、25℃で48時間培養後に判定の容易さを確認した。結果を図2及び図3に示す。その結果、寒天0%に比べて0.075%の方が培地の一部もしくは全体が鮮明に黄変し、判定が容易であることがわかった。以下の試験では、寒天を0.075%加えて実施した。
【実施例4】
【0043】
(乳酸菌の検出試験)
供試菌として、乳酸菌の標準株を16株、加工食品、食肉製品、製造工程、またヒト糞便などから分離した株を214株用いた。その分類はLactobacillus属142株、Leuconostoc属49株、Lactococcus属11株、Pediococcus属6株、Streptococcus属12株、Enterococcus属9株、Tetragenococcus属1株である。これらを10mlのAPT broth(Difco)に接種し、20℃〜35℃で1日〜7日培養し、生育したものを前培養液として用いた。
【0044】
以下に示す組成で本発明の乳酸菌用培地を作製した。
乳酸菌用培地の組成(g/L)
トリプトンペプトン(Difco) 12.5
酵母エキス(Difco) 7.5
グルコース 20
塩化ナトリウム 5
クエン酸三ナトリウム二水和物 5
硫酸マグネシウム 0.8
塩化マンガン 0.14
硫酸鉄(II)第一 0.04
チアミン塩酸塩 0.001
ツィーン80 0.2
寒天 0.75
ブロモクレゾールパープル 0.06
滅菌後のpH 6.8±0.2
【0045】
また、比較として、APT broth(Difco)にブロモクレゾールパープルを0.06g/L加えたもの(比較培地1)、MRS broth(Difco)にブロモクレゾールパープルを0.06g/L加えたもの(比較培地2)、BCP加プレートカウント寒天培地より寒天を除いたもの(比較培地3)を用いた。比較培地はそれぞれ指定の方法に従って作製した。比較培地3については、組成を以下に示す。
培地組成(g/L)
ペプトン(Difco) 5.0
酵母エキス(Difco) 2.5
グルコース 1.0
ツィーン80 1.0
L-システイン 0.1
ブロモクレゾールパープル 0.06
滅菌後のpH 7.0±0.2
【0046】
本発明の乳酸菌用培地および比較培地1〜3を10mlずつ試験管に分注した後、121℃、15分間の高圧滅菌を行って試験培地とした。この試験培地に、各乳酸菌株の前培養液を適当に希釈して10CFU/mlになるように接種後、20℃、25℃、30℃、35℃に保管し、経時的に色の変化を観察した。結果を表4〜10に示す。これら表4〜10、及び表4〜10の結果をまとめた表11からもわかるように、乳酸菌用培地は、比較培地に比べいずれの温度でも乳酸菌を高感度に検出でき、特に25℃でその検出率が高いことが確認された。
【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
【表10】

【0054】
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】各寒天濃度を加えた基本培地2におけるLactobacillus sp.-39の生育を示す図である。1:培養前の培地、2〜5:培養後の培地2:寒天0%(0g/L)3:寒天0.025%(0.25g/L)4:寒天0.050%(0.50g/L)5:寒天0.075%(0.75g/L)
【図2】各寒天濃度を加えた基本培地2におけるLactobacillus acidophilusの生育を示す図である。1:培養前の培地、2〜3:培養後の培地2:寒天0.075%(0.75g/L)3:寒天0%(0g/L)
【図3】各寒天濃度を加えた基本培地2におけるLactobacillus sp.-6の生育を示す図である。1:培養前の培地、2〜3:培養後の培地2:寒天0.075%(0.75g/L)3:寒天0%(0g/L)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
15〜25g/LのグルコースとpH指示薬とを含有する乳酸菌検出用の半流動培地に検査用試料を添加・混合して培養し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定することを特徴とする乳酸菌の検出方法。
【請求項2】
半流動培地が、リン酸水素二カリウム不含の低緩衝能の半流動培地であることを特徴とする請求項1記載の乳酸菌の検出方法。
【請求項3】
半流動培地が、滅菌後・培養前のpHが6.0〜7.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳酸菌の検出方法。
【請求項4】
pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、p−ニトロフェノール、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッドSから選ばれるpH指示薬であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の乳酸菌の検出方法。
【請求項5】
半流動培地が、0.025〜0.200%の寒天を含有する半流動培地であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の乳酸菌の検出方法。
【請求項6】
半流動培地が、12.5g/Lのトリプトン、7.5g/Lの酵母エキス、20g/Lのグルコース、5g/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物、5g/Lの塩化ナトリウム、0.8g/Lの硫酸マグネシウム、0.14g/Lの塩化マンガン、0.04g/Lの硫酸鉄(II)第一、0.001g/Lのチアミン塩酸塩、0.2g/Lのツィーン80、0.75g/Lの寒天、0.06g/Lのブロモクレゾールパープル(滅菌後のpH 6.8±0.2)から構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の乳酸菌の検出方法。
【請求項7】
25℃で2日間培養後の培地の色の変化を目視により判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の乳酸菌の検出方法。
【請求項8】
15〜25g/LのグルコースとpH指示薬とを含有し、培養前後の培地の色の変化を目視により判定することにより乳酸菌を検出することができる乳酸菌検出用半流動培地。
【請求項9】
リン酸水素二カリウム不含の低緩衝能の半流動培地であることを特徴とする請求項8記載の乳酸菌検出用半流動培地。
【請求項10】
滅菌後・培養前のpHが6.0〜7.5であることを特徴とする請求項8又は9記載の乳酸菌検出用半流動培地。
【請求項11】
pH指示薬が、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、p−ニトロフェノール、クロロフェノールレッド、ブロモチモールブルー、アリザリンレッドSから選ばれることを特徴とする請求項8〜10のいずれか記載の乳酸菌検出用半流動培地。
【請求項12】
0.025〜0.200%の寒天を含有する半流動培地であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか記載の乳酸菌検出用半流動培地。
【請求項13】
12.5g/Lのトリプトン、7.5g/Lの酵母エキス、20g/Lのグルコース、5g/Lのクエン酸三ナトリウム二水和物、5g/Lの塩化ナトリウム、0.8g/Lの硫酸マグネシウム、0.14g/Lの塩化マンガン、0.04g/Lの硫酸鉄(II)第一、0.001g/Lのチアミン塩酸塩、0.2g/Lのツィーン80、0.75g/Lの寒天、0.06g/Lのブロモクレゾールパープル(滅菌後のpH 6.8±0.2)から構成されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか記載の乳酸菌検出用半流動培地。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−136272(P2006−136272A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330343(P2004−330343)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000113067)プリマハム株式会社 (72)
【Fターム(参考)】