説明

乾式クリーニング装置及び乾式クリーニング方法

【課題】本来の洗浄対象物の汚れの除去をできることは勿論のこと、洗浄媒体自体の削れ片が洗浄後に残留することを防止でき、洗浄面の品質向上を図ることができるとともに、ひいては洗浄分野の拡大に寄与できる乾式クリーニング装置を提供する。
【解決手段】筐体4の開口部18が洗浄対象物20で塞がれると、図示しない吸引手段により外部空気がインレット24から吸引され、筐体4の内部に旋回空気流30が発生する。ミスト生成手段52で生成されたミストMがインレット24から吸引され、旋回空気流30に混ざって気液混合流となる。ミストMの粒子が樹脂製の洗浄媒体と洗浄対象物20との間に介在して、洗浄媒体の摩擦による粉状の削れ(残渣)の発生が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の内部空間で循環気流により薄片状の洗浄媒体を飛翔させ、洗浄対象物に接触(衝突の概念を含む)させて洗浄する乾式クリーニング装置及び乾式クリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の製造やリサイクルにおいて、洗浄工程は不可欠であり、溶剤や界面活性剤等の洗浄液を用いた洗浄が一般的に行われているが、大量の溶剤や洗浄液を消費しており、廃液による地球環境面への悪影響、薬液使用による作業者の負荷が大きい、などの問題を抱えている。
一方、洗浄液を用いずに、薄片状の洗浄媒体を飛翔させ、洗浄対象物に衝突させてクリーニングを行う乾式クリーニング装置も知られている(特許文献1、2参照)。
特許文献3には、飛翔体としてのスポンジボールに液体を噴霧状に供給し、ビルの壁や窓、車両の側面など被清掃部に衝突させる清掃装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献3に記載の技術のように吸水性を有する洗浄媒体に水分を付与して間接的に、あるいは洗浄対象物を直接加湿する方法によれば、洗浄対象物に対する洗浄媒体の親和性を向上させることができ、微粒子や油性汚れを効率的に拭き取ることができる。
しかしながら、分野によっては洗浄対象物を水分で濡らすことが望ましくない場合がある。また、一般的に吸水性を備える洗浄媒体は繊維の集合体やスポンジ構造で柔軟であり、フラックス等の固着物の洗浄には適さない。
この点、特許文献1、2に記載の技術は、薄片状の樹脂片を洗浄媒体としており、洗浄対象物を水分で濡らすことなく、固着物の洗浄にも良好な結果をもたらしている。
しかしながら、洗浄能力を高めるべく洗浄媒体の飛翔速度を大きくすると、洗浄対象物の種類によっては、洗浄対象物の汚れは除去できるものの、磨耗や衝突により生じた樹脂洗浄媒体自体の粉状の削れ片が洗浄後に洗浄対象物に付着して残留する問題があった。
すなわち、洗浄対象物の汚れの除去という初期の目的は達成できるものの、洗浄媒体自体の削れ片の残留によって洗浄面が再び汚れるという新たな問題が生じることが判った。
この「樹脂の残渣」ともいうべき洗浄後の汚れは、洗浄対象としたフラックス等の汚れとは異質のものであるが、汚れや粉塵を嫌う半導体等の分野では問題となる。
本出願人は、吸引手段により外部空気を吸引して筐体の内部空間に負圧の旋回気流を生じさせ、薄片状の樹脂片からなる洗浄媒体を飛翔させるハンディタイプの乾式クリーニング装置を提案しているが、このような比較的狭い空間での旋回気流は必然的に高速化するため、上記問題は顕著であった。
【0004】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたもので、本来の洗浄対象物の汚れの除去をできることは勿論のこと、洗浄媒体自体の削れ片が洗浄後に残留することを防止でき、洗浄面の品質向上を図ることができるとともに、ひいては洗浄対象物の範囲拡大に寄与できる乾式クリーニング装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、洗浄媒体を気流により飛翔させ、上記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置であって、上記洗浄媒体を飛翔させる内部空間を有する筐体と、上記筐体に設けられ、洗浄時上記洗浄対象物に対向して上記洗浄媒体を上記洗浄対象物に衝突させる開口部と、上記内部空間で循環気流を生じせしめる気流発生手段とを有する乾式クリーニング装置において、霧状の水分粒子からなるミストを生成するミスト生成手段を備え、該ミスト生成手段により生成されたミストを上記内部空間に導入し、上記循環気流に混ぜて気液混合流として循環させることを特徴とする。
【0006】
本明細書における用語の定義は以下の通りである。
本発明における「筐体」とは、内側に旋回空気流を発生させやすい形状の空間を備えた容器状の構造物を示す。旋回空気流を発生させやすい形状とは、気流が筐体の内壁を沿って流れて循環する、連続した内壁を持つ形状であり、より望ましくは回転体形状の内壁または内部空間を備える形状である。
「通気路」とは、気流を一定の方向に流れやすくする手段のことであり、滑らかな内面を備える管形状であることが一般的である。しかしながら、たとえば滑らかな面を持つ、板状の流路制御板などを用いても、気体を面に沿った方向に流れやすくする、整流効果が発現するため、このような形態も含めて通気路とする。
【0007】
また、気流が直線的に流れる形状が一般的であるが、流路抵抗をあまり生じない緩やかなカーブを備えていても整流効果を得ることができる。ただし、特に記載されない場合、通気路の方向とは空気流入口において噴出する気流の方向のことを意味する。
直線の管形状を備え、一方の端部が筐体内壁の空気流入口に接続し、もう一方の端部が筐体外の大気に開放されている空気取り入れ口である通気路を、本発明では「インレット」と呼称する。インレットは一般的に流体抵抗が低く、滑らかな内面を持ち、管の断面は円形、長方形、スリット形状などが用いられる。
【0008】
本発明において、「旋回気流」とは、空気流入口からの流入気流により加速された気流が、筐体の内壁に沿って方向を変えつつ流れ、空気流入口の位置に、循環して戻り、流入気流と合流する気流である。気流を形成する流体が空気の場合には「旋回空気流」と同義である。一般的には、内壁が連続している閉空間内で、内壁の接線方向に向けて気流を流入させることにより発生する。
本発明において、「水分」とは、水のみの場合の他に、水に水以外の液体を混合したものを含む概念をいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、洗浄媒体の摩擦によって生じる粉状の削れ片である残渣が洗浄後に洗浄面に残ることを高精度に抑制することができ、洗浄面の品質向上を図ることができるとともに、残渣が問題となる分野にも対応できるために洗浄対象物の範囲拡大に寄与することができる。
また、洗浄対象物に対する洗浄媒体の親和性を高めることができ、洗浄能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る乾式クリーニング装置の使用状態を示す概要側面図で、(a)はミスト生成手段によりミストが生じている状態を示す図、(b)はミストが筐体内に吸引されている状態を示す図で ある。
【図2】同乾式クリーニング装置の要部水平断面図及び縦断面図である。
【図3】洗浄媒体排出口の配置位置の変形例を示す要部水平断面図及び縦断面図である。
【図4】同乾式クリーニング装置の使用時の開口部の気密状態を示す要部拡大断面図である。
【図5】洗浄対象物上の洗浄媒体残渣とミストの濃度との関係を示す実験結果に基づく写真画像である。
【図6】ドライフォグ(登録商標)の大きさ示す図で、左側は捕集粒子の写真画像図、右側はフランホーヘルの回折法による測定結果を示す図である。
【図7】ドライフォグ(登録商標)が物に当たっても物を濡らさない原理を示す模式図である。
【図8】第2の実施形態における洗浄媒体の表面処理法を示す図である。
【図9】表面処理の処理前と処理後の洗浄媒体の濡れ性を示す図である。
【図10】第3の実施形態における洗浄媒体の表面処理法を示す図である。
【図11】フィルム板における処理有りと処理なしの比較を示す写真画像である。
【図12】親水化技術別の親水維持性評価結果を示すグラフである。
【図13】本発明の乾式クリーニング装置の基本構成を示す概要断面図である。
【図14】同装置の洗浄動作を示す図である。
【図15】同乾式クリーニング装置の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図13乃至図15に基づいて、本発明の乾式クリーニング装置の基本構成及び機能について説明する。
図13に基づいて、本発明に係るハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要を説明する。図13(a)はA−A線での横断面図、(b)はB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間を有する乾式クリーニング筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体部としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。ここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下とは必ずしも関係はない。
【0012】
下部筐体4Bは、その円錐頂部に吸気口8を一体に備えており、吸引ダクトとして機能する。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、該吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
【0013】
上部筐体4Aの底面部は、下部筐体4Bの上端部を結合する嵌合凹部4A−1となっており、上部筐体4Aと下部筐体4Bは分離可能となっている。上部筐体4Aの上面4A−2は密閉されている。
上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側への移動を阻止するものである。図13(a)では分離板14の表示を一部省略している。なお、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張表示している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよく、スリット板や網などを用いてもよく、材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択して良い。
多孔手段は旋回空気流の中心軸と直交する面として配置されている。旋回空気流の中心軸と直交することによって、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。
旋回空気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。
【0014】
多孔手段は、旋回空気流に沿った面に配置されることにより、表面に吸着した洗浄媒体を再飛翔させることができる。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
【0015】
上部筐体4Aの内部中心には、上部筐体4Aの円筒軸を共通の軸とするように、円筒状の流路制限部材16が筐体の一部として設けられ、流路制限部材16の下端は分離板14に固定されている。
流路制限部材16は旋回空気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回空気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間)が形成されている。
上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
【0016】
上部筐体4Aの側面の一部には、旋回空気流で飛翔する洗浄媒体5を洗浄対象物に接触ないし衝突させるための開口部18が形成されている。
上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状であり、その高さを形成する側面の一部に開口部18を設けることにより、筐体4全体としては、図13(b)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなり、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。
開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
【0017】
上部筐体4Aの側面には空気流入口22が形成されており、空気流入口22には、旋回空気流発生手段で且つ通気路としてのインレット24が上部筐体4Aの外方から接続されて上部筐体4Aに一体に固定されている。
インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。
インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図13に示すように、開口部18が洗浄対象物20に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24から外気が高速で流入し、この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流としての旋回空気流30を生成する。
閉空間が形成された時に生じる旋回空気流は、分離板14上に吸着した洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
【0018】
開口部18は、開放されたときに、空気流入口22における内圧を、大気圧もしくはその近傍にするために十分な大きさの面積を備える。また、空気流入口22も、開口部18の開放時に大気圧もしくはその近傍になりやすい位置に配置される。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2〜3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
【0019】
洗浄媒体5は、薄片状の樹脂フィルム片からなる洗浄片の集合であるが、ここでは薄片状の洗浄片単体としての意味でも用いている。
薄片状の洗浄媒体とは面積が1mm以上200mm以下の薄片である。また、洗浄媒体の材質は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、三酢酸セルロース(TAC)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上1.0mm以下である。
但し、洗浄対象物(以下「クリーニング対象物」ともいう)によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、これらの洗浄媒体を使用する場合も本発明の範囲に含まれるため、前記洗浄媒体条件にはとらわれないものとする。
洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
【0020】
上部筐体4Aのリング状の内部空間26は、旋回空気流によって洗浄媒体5を飛翔させて開口部18に対向する洗浄対象物20に接触させる機能を担う空間である。
流路制限部材16の内部空間34は、旋回空気流が作用しない空間である。
【0021】
以上のように構成される乾式クリーニング装置2による洗浄動作(以下、クリーニング動作という)を、図14を参照して説明する。なお、図14では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
図14(b)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図14(a)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。
クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図14(b)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。
筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入するが、このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回空気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
【0022】
筐体4内に洗浄媒体5が供給・保持されたら、図14(a)に示すように、開口部18を洗浄対象物20の表面のクリーニングすべき部位に当てて閉塞状態にする。
開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まるので、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大し、インレット24内で整流され、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を開口部18に対向する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回空気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸気手段6により吸気される。
このように筐体4内を円環状に流れた旋回空気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回空気流30に合流しつつ加速する。このようにして筐体4内に安定した旋回空気流30が形成される。
【0023】
洗浄媒体5は、この旋回空気流により筐体4内で旋回し、洗浄対象物20の表面に繰り返し衝突する。この衝突による衝撃で、洗浄対象物20の表面から汚れが微小粒状あるいは粉状となって分離する。
分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸気手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回空気流30は、その旋回軸が、分離板14の表面に直交しており、旋回空気流30は分離板14の表面に平行方向の気流となる。
このため、旋回空気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回空気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
【0024】
図15に上述した乾式クリーニング装置2によるクリーニングの実際的な例を示す。
洗浄対象物は前述したフローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。
ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
図15に示すように、下部筐体4Bの根元部(吸気口8部位)を手HDで握り、吸気状態で、筐体4の開口部18を被クリーニング部位に押し当てる。
開口部18が被クリーニング部位に押し当てられる以前は、筐体4内は吸気され、洗浄媒体5は分離板14に吸い付けられているので、開口部18は下方を向いているものの、筐体4内から洗浄媒体5が外部へ漏れることは無い。
勿論、開口部18が被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
【0025】
開口部18を被クリーニング部位に押し当てると、インレット24による流入気流が急増し、筐体4内に強い旋回空気流30を発生させ、分離板14に吸い付けられた洗浄媒体5を飛翔させ、ディップパレット100の被クリーニング部位に付着固化したフラックスFLに衝突させてフラックスFLを除去する。
クリーニング作業者は、上述の如く下部筐体4Bの根元を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図15の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102、103の周辺部がクリーニング途上である。
被クリーニング部位に対して開口部を移動させる時に被クリーニング部位から開口部18が離されても、前述の洗浄媒体吸着効果により、洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さないため、洗浄媒体数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
【0026】
洗浄媒体5は、繰り返し使用される間にクリーニング部位に対する衝突による衝撃により次第に破壊され、クリーニング部位のディップパレット100から除去したフラックス(汚れ)と共に、吸引装置12に吸引回収されるため、乾式クリーニング装置を長時間使用していると、筐体内に保持された洗浄媒体の量が減少する。
このような場合は、新しい洗浄媒体群を筐体4内に補給する。
【0027】
図1乃至図7に基づいて、本発明の特徴部分(図13乃至図15では不図示)についての第1の実施形態を説明する。なお、上記基本構成と同一部分は同一符号で示し、要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
図1に示すように、本実施形態に係る乾式クリーニング装置50は、装置本体としての筐体4とは別体であるミスト生成手段52を有している。本実施形態では、ミスト生成手段52として、超音波加湿器KNCタイプ「霧太郎」(Wetmaster社製)を用いた。
ミスト生成手段52は、筐体4に一体に構成してもよい。この場合、ミスト生成手段から発生したミストを筐体内に導く流路で接続してもよい。
ミスト生成手段52が筐体4と分離して設けられる場合には、乾式クリーニング装置50は「乾式クリーニングシステム」と称することもできる。
図示しない電源に接続されたミスト生成手段52のスイッチをオンすると、図1(a)に示すように、そのミスト噴出口52aからミストMが噴出し、クラウド状に拡がる。
筐体4の開口部18が洗浄対象物20で塞がれると、インレット24から外部空気が高速で筐体内に流入して上記のメカニズムで旋回空気流30が発生し、洗浄媒体5が飛翔して洗浄対象物20に衝突する。
ミスト生成手段52が筐体の近傍に配置されていると、図1(b)に示すように、クラウド状に拡がったミストMは、インレット24から外部空気が高速で筐体内に流入する負圧作用でインレット24に吸い込まれ、筐体内で旋回空気流30に混ざり、旋回空気流30は気液混合流として旋回する。
ミストMが供給されている間は、旋回空気流30は気液混合流となる。
【0028】
拡散したミストMは、洗浄媒体5に付着し、あるいは洗浄媒体5を湿らせ、あるいは洗浄対象物20に接触する。
実験の結果、洗浄後洗浄対象物20の洗浄面に洗浄媒体5の粉状片である残渣が発生するのを抑制できることが確認された。
残渣抑制のメカニズムは明確ではないが以下のように推測することができる。
ミストを構成する水分粒子が洗浄媒体5の表面に付着し、その状態で洗浄対象物20に衝突すると、水分粒子が洗浄媒体と洗浄対象物(汚れを含む)との間に介在して両部材間の摩擦衝撃を緩和し、洗浄媒体の削れが抑制される。
また、衝突時の摩擦熱によるミクロ的な洗浄媒体の脆性破壊が水分粒子の冷却効果によって抑制される。
また、残渣抑制と同時に本来の目的である汚れの除去性能も向上することが確認された。その理由は、洗浄媒体の表面に水分粒子が付着することで、洗浄対象物の汚れに対する洗浄媒体の親和性が増し、汚れに対する化学的もしくは物理的吸着力が向上するからである。
また、気液混合流の接触作用により、洗浄対象物の温度が下がることが確認された。
【0029】
一般に、洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させクリーニングする場合、飛翔する洗浄媒体が開口部で洗浄対象物と衝突する際、あるいは筐体の内部空間で洗浄媒体同士が衝突する際、あるいは筐体の内部空間の壁面に衝突する際に、摩擦発熱により洗浄媒体、洗浄対象物、内部空間が昇温したり、発生する静電気が原因で洗浄媒体が貼りついたり、洗浄対象物に残渣を発生する現象が見られた。
空気とミストを吸引することで生じる旋回気液混合流により、摩擦発熱を軽減でき、除電効果も有することで、洗浄媒体の貼り付きがなくなり、洗浄性能が向上し、洗浄対象物への残渣を消滅させることができるようになった。
【0030】
本発明における「ミスト」とは、ドライフォグ(登録商標)、ドライミスト(登録商標)と呼ばれる水粒子のことであり、粒径が100μm以下のサイズの水粒子、好ましくは図6(株式会社いけうちのホームページより抜粋)に示すように、最大粒子径が50μm程度、平均粒子径が10μm程度のものをいう。
このような粒径のミストは洗浄対象物に衝突した際ミストが洗浄対象物を濡らすことなく跳ね返る性質を有する。
図7(b)に示すように、大きなシャボン玉は物に当たった場合破裂して物の表面を濡らすが、図7(a)に示すように、小さなシャボン玉は物に当たってもはじかれ、濡らさない(株式会社いけうちのホームページより抜粋)。
上記に定義した本発明で用いるミストの場合も図7(a)と同様の挙動を示し、洗浄対象物を濡らさない。
洗浄媒体は汚れを除去後飛翔し、再びミストを伴った新たに供給された洗浄媒体が洗浄対象物に衝突することで、連続的に汚れを除去し続けることが可能となる。
【0031】
洗浄媒体の残渣については、旋回気液混合流におけるミストの濃度に依存することが判明した。ミスト濃度が十分に高いと残渣は発生しないが(図5(a)参照)、濃度が下がると、洗浄対象物の全面に残渣が発生した(図5(c)参照)。
表1に樹脂材料の吸水率を示す。
吸水率の大きいPIやTAC、PCなどは、洗浄液(ミスト)を表面に保水しやすく、汚れに対しての親和性が増し、汚れに対する化学的もしくは物理的吸着力が向上することで、汚れの除去性能が向上するだけでなく、残渣の減少が顕著である。
【0032】
【表1】

【0033】
残渣の残留を低減させるには、旋回空気流30におけるミストの適切な割合および粒径の設定が効果的であることが実験により判った。
このような目的においては、樹脂製の洗浄媒体の表面を改質し、上記適切な粒径のミストを表面に吸着できるようにすることが望ましい。この点についての具体的手法は、他の実施形態で説明する。
【0034】
繰り返し使用により洗浄媒体が汚れた場合は、図2に示すように、分離板14の一部に設けた開閉可能な洗浄媒体排出口58を図示しないハンドル機構で開き、筐体内に残存している使用済みの洗浄媒体を吸引装置へ回収する。
洗浄媒体排出口58は、通常の洗浄動作時は閉じている。洗浄媒体排出口58は、図3に示すように、円筒部材である流路制限部材16の側面の一部に設けることもできる。本例における流路制限部材16は中空円筒状をなす。また、本例のように上部筐体4Aは下部筐体4Bに対して逆円錐形状をなすように構成することもできる。
洗浄媒体排出口58は、周方向にスライドするように設けてもよく、二点鎖線で示すように図示しないヒンジ構成で径方向外側に開閉可能に設けてもよい。
新しい洗浄媒体の供給は、吸引装置を動作させた状態で開口部18を新しい洗浄媒体群に近づけて、吸引により筐体内に補給する。本装置では洗浄媒体分離手段14が吸着できるだけの量の洗浄媒体しか吸い込むことができないため、適切な量の洗浄媒体供給が容易に行える。
目詰まりしやすい洗浄媒体を使用する場合は、洗浄媒体分離手段14に微細な凸部を成型し、洗浄媒体が飛翔しやすくする工夫をしてもよい。
【0035】
開口部18の周囲には、図4に示すように、クリーニング対象物との密着性を高めるために、ゴムパッキンなどの柔軟部材60を配置するとより効果的である。
図4において、符号62は洗浄対象物20上の汚れを、64は洗浄対象物20を置いたゴムシートを示している。クリーニング対象物が凹凸や開口部のある形状であっても、柔軟なゴムシート等で開口部を塞ぐことで筐体内の負圧を高め、洗浄媒体が漏れ出すことなく洗浄することができる。
ミスト生成手段52としては、上記粒子径の条件を満たすミストを生成することができればよく、他に、例えばミストツイスターR(Spraying Systems Co.製)や超音波加湿器TUH-A10-W(トヨトミ製)等を採用することができる。
【0036】
図8及び図9に基づいて第2の実施形態を説明する。
上記のように、樹脂製の洗浄媒体の表面を改質し、適切な粒径のミストを表面に吸着できるようにすれば、更なる洗浄機能及び残渣抑制機能の向上が期待できる。
本実施形態では洗浄媒体の表面の化学的な改質を目的としている。装置構成は上記実施形態と同様である。
上記実施形態で用いた洗浄媒体5に対して、図8(スリーボンド・テクニカルニュース;昭和62年3月20日発行より抜粋)に示すように、酸素吸収(オゾン発生)線である波長185nm、オゾン分解(酸素フリーラジカル発生)線である波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀灯によりUV/O3処理する。
具体的には、出力50mW/cm2の低圧水銀灯で、10J/cm2以上処理することが望ましい。その結果、洗浄媒体が撥水性から親水性に変化する。
UV/O3処理により洗浄媒体の濡れ性の向上が明らかである(図9(スリーボンド・テクニカルニュース;昭和62年3月20日発行より抜粋)参照)。UV/O3処理された洗浄媒体は、供給されたミストを表面に保水しやすく、汚れに対しての親和性が画期的に向上し、汚れに対する化学的もしくは物理的吸着力が向上するだけでなく、残渣の減少が顕著であった。
実験結果を表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】
図10乃至図12に基づいて第3の実施形態を説明する。
本実施形態では洗浄媒体の表面の物理的な改質を目的としている。装置構成は上記実施形態と同様である。
上記実施形態で用いた洗浄媒体5に対して、図10に示すように、ナノ構造体が形成された金型を用いて、洗浄媒体表面へ金型からナノ構造を転写成形する。これによって、ナノ構造付き洗浄媒体(レプリカ)が形成される。
具体的には、光や電子線リソグラフィーにより基板上のフォトレジストをパターニングする。パターン形状は、深さが100nm、ピッチが400nm、幅が400nmのドットパターンである。反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)により基板上にフォトレジストパターンをマスクとしてエッチングパターンを形成する。基板のエッチングパターニング面を蒸着、無電解めっき、スパッタリングなどでメタライズした後、スルファミン酸電鋳浴中でニッケルめっきすることで、表面にナノ構造を有する金型が作製される。
ナノインプリント方式により、金型を150℃に昇温させ、アクリルフィルムを1MPaで約1分プレスすることで、表面にナノ構造体を有する洗浄媒体が転写成形される。
【0039】
図11にナノ構造が付与されたフィルムと無処理のフィルム平板に水を噴霧した時の表面外観を示す。表面にナノ構造が形成されたフィルムは表面の水濡れが明らかであり、表面にナノ構造のないフィルム表面は撥水性が明らかである。
また、親水化技術別の親水維持性評価結果を図12に示す。ナノ構造付き洗浄媒体は無処理平板に対して、3倍以上の濡れ面積が得られた。
表面にナノ構造が形成された洗浄媒体は、ミスト生成手段より生成されたミストが洗浄媒体表面の凹凸構造に濡れることで実表面積が見掛けの表面積に比べて大きくなり、濡れが強調され、接触角が小さくなることで親水性が向上することとなる。
その結果、ミストを表面に保持しやすく、汚れに対しての親和性が増し、洗浄対象物である半田付けで残存したフラックス汚れ等に対する化学的もしくは物理的吸着力が向上することで、汚れの除去性能が画期的に向上するだけでなく、残渣の減少が顕著である(表2参照)。
【0040】
洗浄媒体の表面に上記の化学的又は物理的な親水性処理を施すことにより、親水コート等が必要なくなるので、親水部材の生産工程が省略でき、親水基材等のより一層の低価格化・高機能化に貢献できる。また、従来の親水化技術より親水維持性を高めることができる。
【0041】
上記各実施形態では、空気吸引によって旋回空気流を発生させる可搬性の乾式クリーニング装置への適用を例示したが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、筐体(洗浄槽)が位置固定され洗浄対象物を移動させる常設タイプにおいても循環気流の速度が大きい場合には洗浄媒体の残渣問題は同様に生じる。
常設タイプにおいてもミストを混ぜた気液混合流により洗浄媒体を飛翔させることにより残渣問題を解消することができる。
【符号の説明】
【0042】
5 洗浄媒体
6 気流発生手段としての吸気手段
8 吸気口
14 多孔手段としての分離板
18 開口部
20 洗浄対象物
24 通気路としてのインレット
52 ミスト生成手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2007−029945号公報
【特許文献2】特開2009−226394号公報
【特許文献3】実用新案登録第2515833号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄媒体を気流により飛翔させ、上記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置であって、
上記洗浄媒体を飛翔させる内部空間を有する筐体と、上記筐体に設けられ、洗浄時上記洗浄対象物に対向して上記洗浄媒体を上記洗浄対象物に衝突させる開口部と、上記内部空間で循環気流を生じせしめる気流発生手段とを有する乾式クリーニング装置において、
霧状の水分粒子からなるミストを生成するミスト生成手段を備え、該ミスト生成手段により生成されたミストを上記内部空間に導入し、上記循環気流に混ぜて気液混合流として循環させることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乾式クリーニング装置において、
上記筐体が、外部からの空気を上記内部空間へ通す通気路と、上記通気路を介して上記内部空間に導入された空気を吸引することにより上記内部空間に上記循環気流としての旋回気流を生じさせる吸気口と、上記洗浄対象物から除去された除去物を上記吸気口側へ通過させる多孔手段と、を有し、
上記気流発生手段が上記吸気口に接続される吸引手段であることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項3】
請求項2に記載の乾式クリーニング装置において、
上記ミストが上記通気路から導入されることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の乾式クリーニング装置において、
上記洗浄媒体が、薄片状の樹脂フィルム片から構成されていることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の乾式クリーニング装置において、
上記ミストの粒子径は、上記洗浄対象物に衝突した際に該洗浄対象物を濡らすことなく跳ね返る程度であることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項6】
請求項5に記載の乾式クリーニング装置において、
上記ミストの粒子径は、100μm以下であることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項7】
請求項6に記載の乾式クリーニング装置において、
上記ミストの粒子径は、最大粒子径が50μm程度で、平均粒子径が10μm程度であることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の乾式クリーニング装置において、
上記洗浄媒体の表面が、化学的に親水性処理されていることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項9】
請求項8に記載の乾式クリーニング装置において、
上記洗浄媒体の表面が、低圧水銀灯によりUV/O処理されていることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の乾式クリーニング装置において、
上記洗浄媒体の表面が、物理的に親水性処理されていることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項11】
請求項10に記載の乾式クリーニング装置において、
上記洗浄媒体の表面が、ナノ構造が形成された型によりナノ構造を転写形成されていることを特徴とする乾式クリーニング装置。
【請求項12】
洗浄媒体を筐体の内部空間で循環気流により飛翔させ、上記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング方法において、
霧状の水分であるミストを上記内部空間に導入し、上記循環気流に混ぜて気液混合流として循環させることを特徴とする乾式クリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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