説明

予め決定した頭部の領域内の毛髪の断面の面積の変動を測定するための方法、装置、およびカートリッジ

【課題】頭部の毛髪の横断面の面積を正確に測定する。
【解決手段】顔の所定の位置から頭部の別の位置まで、可撓性測定テープが延びている。この位置のまわりの2cm×2cm平方の毛髪(95)の束を隔離する。隔離された毛髪の束を、測定装置(100)内の部品内のスリット(110)に捕捉する。この部分は、測定装置の本体の第1端部から延びるプランジャー(134)の内側端部の一部に設置されるか、またはこの部分を形成する。測定装置の本体内にプランジャーが引き寄せられ、プランジャーの内側端部が、本体の第1端部に押されるにつれ、毛髪は、スリット内に圧縮される。装置の本体の第2端部とプランジャーの外側端部にあるノブ(146)の内側端部との間で、プランジャーにスプリング(148)が設けられている。このスプリングは、毛髪の束のサイズにかかわらず、同じ負荷を加え、プランジャーの内側端部を本体に向けて押圧し、毛髪の束を圧縮する。測定装置に関連したゲージ(152)から、圧縮された毛髪の値としてDDI、すなわち、密度−直径インデックスが示され、このインデックスは、毛髪の圧縮された束の断面の面積を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学的な脱毛症の臨床治療コースおよび育毛治療の有効性をドキュメント化するか、または禿頭症の深刻さ、または毛髪密度、または毛髪の太さの増減によって証明される育毛治療の効能を間接的に計算するために、毛髪の束の断面の面積の変動を測定するための方法、装置、および2部品式カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
カバコフ氏外を発明者とする米国特許第4,665,741号には、毛髪ダメージを測定するために使用される毛髪ボリューム測定装置が開示されている。
【0003】
米国皮膚科学アカデミージャーナルの論文「パターン状毛髪喪失症における育毛促進剤の効能を評価するための、現在の方法および新規な方法」、2003年;48:253〜63に記載の毛髪測定方法も参照されたい。
【0004】
脱毛とは、正常なサイズの直径の毛髪が失われることを特徴とする1つの状態のことである。この状態は、毛髪喪失の2つの主要なカテゴリーのうちの1つである。脱毛は、頭部にわたって拡散的に分布し、いくつかの医学的な異常性および毒性の兆候である。
【0005】
脱毛は、高熱、避妊ピルの服用の中止、または出産の後に生理学に生じることがある。脱毛は、かつて毛髪が存在していた、頭部の皮膚の外観を特徴とする。脱毛は、頭部の1平方センチの面積あたりに存在する毛髪の密度を測定することによって定量化できる。毛髪密度は、通常(5mm×5mmの面積における約2mmの長さの)頭部の毛髪を密にカットし、次に、頭部に残ったカットされた毛髪を数え、この数に4を乗算することによって測定される。
【0006】
脱毛が存在しない、正常な個人の毛髪密度は、頭部の1平方cmあたり、120〜200本の範囲である。
【0007】
毛髪が薄くなることは、個々の頭部の毛髪が徐々に少くなることを特徴とする1つの状態である。このことは、毛髪が失われる第2の主なカテゴリーであり、一般的なことである。
【0008】
毛髪が失われるということは、毛髪の直径(太さ)が小さく(細く)なる結果であり、このことによって、毛髪は最終的になくなる。脱毛と同じように毛髪が細くなることも、毛髪がかつて存在していた頭部の皮膚の外観を特徴とする。
【0009】
毛髪が細くなることは、男性の推定される75%、女性の10%に影響を与えている。脱毛と異なり、この現象は、頭部の表面全体にわたって分布が広がることはなく、ほとんど常に、頭部の頂部で毛髪が失われるようなパターンとして現れる。
【0010】
毛髪が細くなると、特徴的なことに、後頭部下方および側面を残し(図19に示されるようにゾーン10を参照されたい)、よく知られている馬蹄形状のフリンジを形成し、このフリンジは、脱毛が最も進んだケースの場合でも残る。
【0011】
毛髪が細くなることは、健康な人でも生じ、禿頭症、パターン禿頭症、男性型、または女性型の脱毛症、男性ホルモン性脱毛症、男性型または女性型禿頭症と称される。男性の70%で、通常生じるものと見なされている。健康な女性でも、このことは生じるが、少数のグループの女性では、内分泌の異常を示すことがある。
【0012】
早期のパターン禿頭症は、認識し、かつ定量化することが困難である。脱毛に対して、簡単に密度を測定しても、値がほとんど得られない。その理由は、正常なサイズの毛髪と、細くなった毛髪の双方が混在しているからである。
【0013】
密度のカウントを実行するとき、正常な毛髪と、細くなった毛髪の各々を、1本ずつ数えることになる。従って、かなり細くなった毛髪を検出し、定量化するために、実際の毛髪の質量(頭部の予め決定した領域からの毛髪の集団横断面)を測定しなければならない。このことにより、毛髪の密度、および混在する直径の分布が示される。
【0014】
パターンを定量化し、毛髪喪失の考えを広げるために、科学者は、従来、一般的に次の3つの方法を使用している。
1.毛髪密度のカウント、またはターゲットエリアの毛髪密度のカウント
2.印象的な写真撮影
3.毛髪の重量
を測定することである。
【0015】
頭部の所定の領域内の集団的断面を測定することによる失われた毛髪の定量化は、科学的文献にもレポートされていないし、従来の米国特許にも開示されていない。
【0016】
次に、一般的に使用される2つの方法について詳述する。
密度のカウントまたはターゲットエリアの毛髪のカウント:
頭部のある領域内の密にカットした毛髪の密度と、1平方センチあたり150〜250本の毛髪となっている公知の正常な範囲の値とを比較する。育毛製品が有効であるかどうかを判断するために、治療前、および治療後の評価を実行する。一人の個人の密度の喪失パーセントを決定するために、頭部の頂部の密度(失われた面積)と後頭部下方、および促頭部での密度(正常で、かつ永久的な毛髪ゾーン)とを比較することができる。永久ゾーンにおける毛髪カウントで、毛髪喪失領域における毛髪カウントを除算することによって、毛髪喪失パーセントを計算する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
この方法は、毛髪が細くなる状態では、全く正確ではない。この方法は、毛髪の本数だけを測定しており、直径の変動を考慮していないからである。またこの方法は、臨床的な写真撮影よりも若干精密であるので、簡単なオフィスの設備で使用される。
【0018】
この方法は、毛髪を密にカットし、手に持ったレンズ、またはビデオ顕微鏡によって、頭部を直接検査しなければならない。この領域のマクロ撮影を行い、拡大し、次に所定の直径(通常40ミクロン)を越える毛髪だけをカウントすれば、より高いレベルの精度とすることができる。
【0019】
臨床的写真撮影:
患者の毛髪喪失領域と、永久ゾーンを比較する写真撮影を行う。この方法は、患者の毛髪喪失ゾーンと毛髪が喪失していない患者の同じゾーンの画像との比較も行うことができるし、また、患者の毛髪が失われたゾーンと同じ患者の以前の、またはその後の毛髪喪失状態の画像とを比較することもできる。
【0020】
育毛製品が有効であるかどうかを判断するために、治療前と治療後の評価を実行する。このように、視覚的な観察だけで、毛髪の成長または毛髪の喪失を大まかに定量化する。毛髪の喪失が、毛髪が細くなった結果であるか、または脱毛の結果であるかの見解は得られない。
【0021】
写真撮影は、精密ではなく、種々の髪形、および毛髪の長さによって不明瞭となる。しかし、この方法は、短時間で行うことができ、特別な訓練を必要とせず、容易にドキュメント化することができるので、最も一般的な形態の毛髪喪失のドキュメントとなっている。この方法は、任意の種類の比較可能なデータを得るのに、毛髪を均一な長さにカットすること、標準的な撮影用の照明、および被験者の注意の必要な位置決めを必要とする。
【0022】
毛髪の重量:
禿げ領域において、狭い領域(通常5mm×5mm)の毛髪を剃る。30日後に、患者の新しく成長した毛髪をカットし、重量を測定する。育毛製品が有効であるかどうかを判断するために、治療前後の評価を行う。パターン状に毛髪が喪失する場合、永久ゾーン(後頭下部および側面の馬蹄形状ゾーン)において、上記測定を実行し、同じ患者の細くなったゾーンの値と比較する。
【0023】
細くなった領域における毛髪重量を、永久ゾーンにおける毛髪重量で除算することにより、毛髪喪失パーセントを計算できる。毛髪の重量の測定は、毛髪の喪失量を測定する極めて精密な方法である。その理由は、計算時に、毛髪の本数と毛髪の直径、および長さの双方を検討しているからである。
【0024】
この方法の欠点は、サンプルのサイズが、頭部表面の比較的小さいサンプルしか示していないが、毛髪の長さも測定しているので、考えられるほど有意とはならない。
【0025】
更に、この方法は、極めて手間のかかるプロセスからなり、厳密な湿度管理を必要とし、臨床的な設備で実行することは非実用的である。また、毛髪のカットも必要である。
【0026】
この方法は、育毛調製剤、例えばフィナステライド、デュタステライドおよびミノキシジルの有効性を決定するために、主に商業的な研究室で使用される方法である。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明によれば、医学的な毛髪喪失症、または毛髪喪失治療の有効性、または進行の評価および臨床治療コースに関係するような、毛髪の一部の断面の面積の変動を測定するための方法および装置が提供される。
【0028】
この方法および装置は、予め測定された領域内の毛髪の累加的断面を測定するのに使用される。この方法および装置は、毛髪重量測定方法、および毛髪カウント方法よりも頭部表面のより大きいサンプルを使用するものであり、毛髪をカットしなくてよい。個々のヘアスタイルは、広範に変化しているので、毛髪評価は不可能となり、臨床的な対応性がないので、毛髪の長さは、評価におけるファクターとは見なされない。
【0029】
本発明の方法は、研究室でない設備で容易に実行でき、新しいハンドヘルドの装置を使用するものである。この方法および装置により、医者および専門理髪師が、頭部の毛髪が細くなること、または脱毛に悩む患者の状態を、毛髪の評価および治療中の任意の時間にトラッキングし、ドキュメント化することができる。
【0030】
この方法および装置は、育毛調製剤、および医薬の有効性を軽量的に評価し、その他の医学的な毛髪喪失症の深刻さ、および治療コースを定量化するのに使用できる。この方法および装置は、毛髪の直径の早期の減少、すなわち、それが明らかとなる何十年も前の、禿頭症の予測的特徴を検出すのに使用できる。
【0031】
本発明の方法を実施するのにあたり、いくつかの手段により、毛髪を支持する皮膚、すなわち、頭部の所定の領域を隔離する。一般に、櫛または櫛要素を使って、一般に2×2cmの頭部の毛髪を手で分け、1cmスケールでプリントされた2.54×7.63cmの接着ペーパーを使って、毛髪を所定位置に固定する。これらのペーパーは、2×2cmの正方形の構造に整合され、重ねられる。
【0032】
これとは異なり、面積の周辺の境界を定めるする任意の装置を用い、例えば定規、および洗い流し可能なインク、マーカーペン、マーカーテンプレートを用いるか、または長さが2cmの簡単な櫛状装置を用いて、2×2cmの領域を隔離してもよい。これらの装置は、髪を束状にすると同時に、領域の周辺の境界を定める。
【0033】
一実施例では、本発明の2部品式(一方の部品は長さを変えることができる1mm幅のスリットのまわりで、他の部品内でスライド可能である)カートリッジ内のスリットに毛髪の束が捕捉される。
【0034】
次に、捕捉された毛髪の束は、本発明の測定機構または装置の本体の第1端部から延びるプランジャーのLまたはJ型端部内に入れられる。プランジャーを本発明の装置の本体内に挿入し、本体のL字形またはJ字形端部と第1端部との間に、カートリッジの2つの部品を押しながら、スリット内の毛髪を圧縮する。
【0035】
装置の本体の第2端部とプランジャーの外側端部にあるノブの内側端部との間において、プランジャー上にスプリングが設けられている。このスプリングは、L字形またはJ字形端部を本体に向けて押圧し、髪の束を圧縮する。
【0036】
装置の本体上のゲージから、圧縮された毛髪の量を読み取ることができる。L字型の端部は、カートリッジにより覆われており、衛生上の理由のために、周辺の毛髪からL字形端部を隔離している。この測定値は、DDI、すなわち密度−直径インデックスと称され、束内のすべての毛髪の累加的密度および直径を示す。
【0037】
DDIの正常な範囲は、3.00〜4.00mmであり、細い毛髪に対しては3.0mm未満である。測定を行った後、カートリッジの大きい方の部品から、小さい方の部品を引き抜くと、毛髪の束から、カートリッジを容易に引出し、カートリッジを廃棄することができる。
【0038】
別の実施例では、毛髪の束を軽量のスプリング力がかけられたフック状(J字形状)のアームにより引っかけ、毛髪の束を本発明の装置の本体内に引き入れる。
【0039】
この装置は、ボスを貫通し、毛髪支持スロットを有するJ字形端部を備えた毛髪捕捉要素を含む。またこの装置は、スロットに隣接するボスの端面にアンビルを有し、J字形端部とアンビルとの相対的運動によって、スロット内に収納された毛髪を圧縮するようになっている。装置内には、ボスに当接する大きい圧縮スプリングが設けられている。
【0040】
上記とは異なり、装置は、静止したスロット内に進入するアンビルを有していてもよい。
【0041】
スロット内に髪の束を捕捉し、ボス上のアンビルに対して自動的に固定する。スロットは、1mm幅であり、好ましくは7〜12mm高さであり、アンビルとスロットとの相対的運動によって、毛髪の太さを測定する。
【0042】
大きい圧縮スプリングを係合することにより、捕捉された毛髪のコラムにかかる負荷を正確に維持し、繰り返される測定において、一定に維持する。毛髪の束は、かなり圧縮性があるので、このことは重要である。
【0043】
アンビルとスロットとの間の相対運動を生じさせる一体的なマイクロメータのヘッドのLEDウィンドーには、毛髪のコラムの太さがディスプレイされる。装置の構造内に機械的な高さ測定ゲージを組み込む場合、この対はアナログ目盛りの面にディスプレイされる。
【0044】
装置に電子的な高さ(太さ)測定ゲージが組み込まれる場合、この太さは、LEDウィンドーにディスプレイされる。毛髪を収容するスロット内に捕捉されている毛髪の太さは、任意の値で表すことができる。
【0045】
この値は、密度−直径インデックス、毛髪質量、毛髪質量インデックス、横断面インデックス、累積的横断面インデックスまたは組み合わせ断面インデックスとも称される。
【0046】
この方法は、髪が細くなった領域、また、後頭部および側頭部における永久的な髪成長フリンジでも行われる。細くなった領域のインデックス値を、永久的な領域のインデックス値で乗算する。こうして、薄くなった領域における毛髪質量の喪失パーセントを誘導する。
【0047】
本発明の方法および装置は、次のような理由から、医療上の重要性を有することが分かると思う。髪が失われたと、通常の観察者に明らかとなる前に、毛髪が細くなっている個人は、頭部の領域内の毛髪質量の半分を失っているはずである、ということが医療上の公知の事実である。
【0048】
このことは、1平方cmあたり、200本の髪を有するかつらと、1平方cmあたり100本の髪を有するかつらを、通常の観察者が見分けることができないということによっても実証できる。
【0049】
しかし、このような見解は、次のように言い換えることができる。個人が、自分の髪が失われたと実感するときには、その個人は、既に自分の毛髪の半分を失っている。本発明の装置は、頭部の禿げる前の正常に見える領域における毛髪質量を、理髪師および医者が測定し、これら値と、永久ゾーン内の毛髪質量値を比較できるようにするものである。従って、この装置は、毛髪の直径の最も初期の変化、すなわち、禿げの予測的ホールマークを検出する。
【0050】
このように、患者または医者に髪の減少が、視覚的に明らかとなる何年も前に、髪の減少があるかどうかを検出できる。患者には、早期の髪の減少が警告され、髪の減少が大幅に進む前に、治療をスタートできるという利点を享受できる。
【0051】
本方法および装置は、治療を受けていない禿頭症の個人の進行する髪の減少を追跡し、定量化し、または育毛用の医薬、および装置に対する毛髪の治療上の応答を追跡し、定量化するのにも使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
次に図1を参照する。図1には、櫛、すなわち、櫛要素14によって櫛がけした、頭部12から伸びた毛髪10の束、または部分が示されている。この毛髪の束10は、カットされることなく、粘着ラベル16により、頭部の所定領域12から延びるように示されている。
【0053】
図2〜図4に示すように、頭部の輪郭が示された領域は、粘着ラベル18、20および22によって、逐次固定される。各粘着ラベルは、センチメートルのスケールのプリントされた面を有するので、粘着ラベル16、18、20および22により、所定の領域、例えば2平方cmの領域を測定し、これらラベルにより、頭部上の毛髪の残りの部分から隔離できるようになっている。
【0054】
粘着ラベル16、18、20および22には、2cm離れた間隔で、スケールラインがプリントされている。先行するラベルのエッジには、カラーコードのついたラインが整合しており、このラインは、2平方cmのカットされていない毛髪の隔離されたフィールドを形成するように、4段階で逐次重ねられる。
【0055】
毛髪を支持している頭部皮膚の指定された正方形部分から離れるように、毛髪に櫛がけすることにより、2×2cmの頭部毛髪を、マニュアルで分離する。この分離は、上記のように、逐次段階的に行う。櫛要素14で、1回櫛がけした後、毛髪の直線ラインが90度に維持されるように注意を払う。
【0056】
図5には、櫛要素14が示されている。要素は、櫛歯28を有する、例えば2cmの長さの所定の櫛歯領域26と、上方向に傾斜し、把手30まで延びる頂部エッジ29を有する。
【0057】
図6に示すように、毛髪を支持する皮膚、すなわち、頭部の2平方cmの領域から伸びている毛髪の束10の質量を測定するための装置32が設けられている。この装置は、この部分の毛髪の質量と、頭部上の永久(正常な)ゾーンにおける1平方cmあたりの毛髪の質量とを比較する。
【0058】
この装置32は、電子的なディスプレイ38、および毛髪の束10内の毛髪の太さまたは質量を表示するためのスケール、ゲージまたはアナログディスプレイ40を備える本体36を有する電子ノギス34である。
【0059】
この装置32は、本体36を貫通するピストン、すなわち、プランジャー42を備え、このプランジャー42の外側端部46に位置するノブ44の内側にカラー43を有する。カラー43には、軽量のリターンスプリング48(図7)が当接し、本体36の上端部49から離間するように、ノブ44を押圧し、プランジャー42を上方向に押している。
【0060】
図示のように、スプリング48と本体36の上端部49との間に、カラー50が設けられている。このカラーは、小径部分51を有し、この小径部分51は、本体36内に進入している。
【0061】
スケール、ゲージ、またはアナログディスプレイ40は、プランジャー42と共に移動する。当然ながら、ディスプレイ38には、プランジャーの移動量も示される。
【0062】
プランジャー42の他端部52は、主要脚部53とフック脚部54によって、J字形に構成されており、これら脚部の間に、スロット56が形成されている。このスロット56は、1mm幅および12mm高とすることができる。
【0063】
主要脚部52は、本体36の下端部61において、ボス60内のボア58(図9)を貫通している。
【0064】
図11に示すように、カラー50の小径部分51の下端部63には、本体36内に設けられた大きい圧縮スプリング62が当接している。
【0065】
ボア60とJ形状端部52とが相対運動する際に、スロット56内で、ボア58とボス60の外側表面63との間のボス60の壁64が、スライドできるように嵌合されている。
【0066】
スロット56内に毛髪の束10を入れ、プランジャー42上でノブ44のネジを回すと、ノブはカラー50の小径部分51を本体36内に進入させ、プランジャー42に作用する大きいスプリング62のバネ定数によって決まる圧縮力で、スロット56の底部66と、壁54(図9)の端部表面68との間の毛髪の束10を圧縮する。
【0067】
端部表面68は、アンビル68を構成しており、このアンビルに対して、毛髪の束10が圧縮される。このように、装置32は、毛髪保持スロット56と、スプリングが搭載されたプランジャー42のJ字形端部と、アンビル68とを備える測定装置を構成している。
【0068】
スロット66内に、毛髪の束、すなわち、コラム10を入れ、アンビル68に対して圧縮し、毛髪のコラムまたは束10の太さを測定する。アンビル68とプランジャーは、捕捉された毛髪のコラム、または束10に対して常に同じ圧力を加えるようになっている(このことは、カラー51の小径部分に当接する大きい圧縮スプリング62によって達成される)。
【0069】
毛髪の束10は、極めて圧縮可能であるので、このことは、重要なことである。電子ディスプレイ38上のウィンドーまたはスケールゲージ、またはアナログディスプレイ40において、毛髪の束、またはコラム10の太さ(mm)を読み取ることができる。この任意の値を、毛髪喪失インデックスまたは密度−直径インデックスと呼ぶことにする。
【0070】
この方法は、禿げ領域および永久領域でも実行される。禿げ領域に対する値を、永久領域に対する値で除算する。禿げ領域における毛髪質量の喪失パーセントが、こうして誘導される。育毛製品の効能を決定するのに使用するとき、同じ領域において、治療の前後の評価を実行し、比較する。
【0071】
奇妙なことに、パターン禿頭症(男性ホルモン性脱毛症)では、後頭部および側頭部は、医者が縮小と呼ぶ毛髪が薄くなるプロセスを受けにくい。従って、禿げつつある頭では、永久的な馬蹄形のフリンジは、正常な太さの毛髪(70ミクロン)で密集しており、正常な密度は、1平方cmあたり、150〜250本の範囲である。
【0072】
頭頂部における、毛髪が喪失する領域では、毛髪群は、直径が70ミクロン〜15ミクロンの範囲であり、1平方cmあたり、種々の範囲の毛髪径が存在する。
【0073】
頭部の1平方cmあたりの毛髪の累積数に、それらの累加直径を乗算した値は、毛髪質量として記述し得る値と等しい。禿げゾーンの毛髪質量値を、正常な永久的フリンジ(ゾーン10)の毛髪質量値で除算すると、禿げ領域における毛髪質量の喪失パーセントが誘導される。喪失領域における毛髪質量値と、将来におけるある時期での同じ領域のその後の測定値とを比較すると、毛髪の喪失パーセント、または成長パーセントを誘導できる。
【0074】
この情報は、毛髪が喪失している患者を治療する者、および育毛促進剤または装置を開発している者にとって、極めて重要なものである。毛髪の長さは、毛髪の見ることのできる全質量の一因となるが、この長さは、髪のカット長さ(スタイル)と共に変化するので、毛髪の長さは考慮せず、本特許の意図する実施には対応しないことを、強調しておく。
【0075】
これまで説明した本発明の方法および装置は、本発明の要旨から逸脱することなく、変形することが可能である。
【0076】
例えば、本体36に、あるマークを記載し、プランジャー42に、別のマークを記載し、スロット56内で圧縮されている髪の太さを測定するよう、マークの間の距離を測定するのに、別個のノギスを使用することもできる。
【0077】
また、大きいスプリング62を省略し、毛髪の束10に所定量の圧縮力を加えるのに、トルクレンチを用いて、ノブ48を締め付けることができる。
【0078】
ボス60の代わりに、端部にアンビルを有する簡単な突起を使用し、この突起を、スロット56に嵌合させることもできる。
内部にスロット56を有する本体を備える、より簡単な装置を設け、一端にアンビル68を有するピストンを設け、このピストンを、スロット56内に嵌合させるように位置決めしてもよい。本体は、ピストンに対して移動でき、ピストンは、スロット56の内外で移動できるようになっている。
【0079】
アンビル68が、スロット56から外に移動するようにスプリングを圧縮するまで、アンビル68を、スロット56内に保持するように、スプリング48のようなリターンスプリングを、本体およびピストンに設けることができる。
【0080】
所望により、注射器のように、本体にサイドアームを設け、ピストンまたはプランジャーが往復動するか、またはノブ44が回転する間の、本体のグリップを容易にすることもできる。
接着ラベルを用いる代わりに、定規、またはヘアクリップのような他の手段により、隔離されていない毛髪を、下方に保持することもできる。
【0081】
ノギスは、機械式のものでもよいし、電気的/電子的なものでもよいし、本体またはプランジャーに取り付けてもよいし、装置32と別個にしてもよい。
【0082】
図12には、束状の毛髪を集めるべき頭部上の領域をマークするためのマーキングテンプレート80が示されている。このマーキング装置80は、好ましくは2cm平方の正方形のプラットフォーム82を有し、このプラットフォームは、コーナーに4つの吊り下げられたインクペン84を有する。
【0083】
マーキング装置80を使用する際に、頭部上のあるゾーンに対する、顔の上のある場所から、頭部上のマークしたある場所までに、図示していない可撓性測定テープを用いて、まず測定を行う。図19および20を参照されたい。
【0084】
一般に、測定テープに対するスタート場所は、鼻と上唇の間の接合部、すなわち鼻中骨の底部となる。実質的に同じ位置のマークで繰り返し測定を行うことができるように、頭部の位置のマークに対する正確な寸法を記録する。別の方法として、永久的または半永久的な皮膚の刺青を使用することもできる。
【0085】
次に、マーカーテンプレート80を用いて、頭部のあるゾーン内に、マークされた位置を使用する。この点に関し、まず、4つのペン84をインクに浸漬する。次に、頭部に記載した位置マークに、中心ピン86のスタイラス88を位置決めする。次に、4つのインクペン84が、図13に示すように、頭部上の4つのインクマーク91〜94を示すことができるように、マーカーテンプレート80を下げる。4つのマーク91〜94によって示され、それらの内部にある正方形領域から毛髪の束94を隔離し、上へ集める。
【0086】
図14には、四角形のより大きい部品102と、四角形のより小さい部品104とを備えた2部品式カートリッジ100が示されている。小さい方の四角形の部品104は、大きい方の部品102内の、四角形の横断面スロット106内にスライド可能にに構成されている。
【0087】
小さい方の四角形の部品104は、内部に横方向スリット108を有し、この横方向スリット108は、大きい方の四角形の部品102内の横方向スリット110と協動する。横方向スリット110は、大きい方の四角形の部品102内のスロット106も横断している。
【0088】
図14に示すように、大きい方の四角形の部品102は、図15〜18の説明と組み合わせて後述するプランジャーのL字形またはJ字形端部を受けるための、大きい方の四角形の部品102の3つの辺のまわりに延びるサイドスロット112を有していることが好ましい。これら部品102および104は、任意の材料から製造され、プラスチックで製造することが望ましい。
【0089】
大きい方の部品102は、横方向スリット110の入口において、広がった壁114および116を有し、スリット110への毛髪96の束95の進入を容易にしている。スリット108および110、ならびにカートリッジ部品102および104は、大きい方の部品104内のスリット106内に、小さい方の部品102が進入するときに、嵌合スリット108および110内に、毛髪96の束95を捕捉するように製造され、配置されている。
【0090】
スリット108および110の寸法は、変えることができるが、各スリット108および110の幅は、1mmであることが好ましい。各スリット108および110の長さは、約7〜12mmとなっている。スリットの1mmの幅により、スリット内に圧縮された毛髪の太さを、ゲージで読み取りできる簡単な数の値とされる。この値は、束の太さのみならず、mm平方を単位とする束の断面積ともなっている。
【0091】
図14に示すように、小さい方の部品は、少なくとも1つの側壁120(または反対の側壁)に、凹状ウィング、タブ、刺、またはディテント118を有し、このディテントは、スロット108とサイドスロット112との間の壁124内の孔122内に(もしくは、2つディテントに対しては、スロット106の壁内のそれぞれの対向する孔に)スナップ嵌合される。
【0092】
当然ながら、例えばスプリング押圧されたボール、またはリテントと嵌合孔のような他の協動構造体も使用できる。ディテント118により、より小さい部品104は、スロット106内に押し込まれるだけでなく、ディテント118が孔122にスナップ嵌合するまで、スロット106から引き出される。
【0093】
カートリッジの小さい方の部品、または大きい方の部品のいずれかは、スリットの口から約10mm外側に延び、スリットの壁に平行となっている要素を有するようにできる。このような構造を使うと、毛髪を、スリットの口内に、更にスリットの内部に集め、かつ向けることを、容易に行うことができる。
【0094】
図15に示すように、スロット160内に小さい方の部品106をスライドさせ、毛髪96の束95を嵌合したスリット108と、110内に捕捉した状態で、図示された頭部領域から隔離された毛髪96の束95のまわりに、2つの部品102と104とを合体させる。
【0095】
次に、図16に示すように、装置32に類似する測定機構、すなわち装置130を操作し、装置130の本体136を貫通するプランジャー134のL字形端部132を移動させ、カートリッジ100の大きい方の部品102に係合、すなわち、大きい方の部品102内のサイドスロット112内に係合させる。
【0096】
大きい方の部品102の周辺の3つの側面にあるスロット112により、毛髪の束のある測定と別の測定とで、毛髪96の束95上のオイル、または他の物質が相互に汚染されない理由は、カートリッジ100を廃棄することができ、カートリッジ100を、装置130および特にL字形端部132から完全に隔離できるからである。
【0097】
ノブ146を解放すると、小さい方の部品104の外側端部138(図14)は、装置130の本体135の第1端部、すなわち、内側端部140に隣接し、L字形端部132により外側端部138を押圧し、スリット108および110内の毛髪96の束95を圧縮する。
【0098】
プランジャー134は、カラー144で設けられる本体136の第2端部、すなわち外側端部142からノブ146まで延びている。ノブ146まで延びているプランジャー134の外側部分150の上で、カラー144内の内側ショルダー(図示せず)とノブ146との間に、スプリング148が位置している。このノブ146は、本体136に向かって押され、スプリング148を圧縮し、L字形端部132まで延びる。
【0099】
次に、毛髪96の束94がカートリッジ内に捕捉された状態で、L字形端部132に、カートリッジ100を位置決めした後、カートリッジの2つの部品102と104とが互いに接近するように押され、図17に示されているように、長さを変えることができる一致するスリット108および110内の毛髪96の束95を圧縮するように、ノブ146を解放する。
【0100】
毛髪の束が内部に圧縮されているときの一致するスリット108および110の長さは、幅が1mmの一定である状態で、1〜4mmの範囲となる。この測定値は、装置130の本体136に固定された電子ゲージ152に示される。
【0101】
スプリング148および恐らくは本体136内の別のスプリングも、長さを変えることができる一致するスリット108および110内に捕捉された毛髪の束ですべての圧縮測定を行うために、一定の圧縮力を発生する。
【0102】
テストによれば測定は極めて正確であり、束状の4つの毛髪の差は3.34〜3.35の測定値となることが分かった。この測定値を、DDI、すなわち、密度−直径インデックスと称し、この測定値は、束95内のすべての毛髪の累積的密度および直径を示す。図示のテストでは、2.98のDDIが示された。
【0103】
装置130は、注射器のように、本体136の外側端部142に隣接するアーム、またはハンドル135および154の少なくとも2つの側面も有し、プランジャー134のL字形端部132を内外に移動できるように、注射器のように、装置130を握ることができるようになっていることが好ましい。
【0104】
測定を行った後、カートリッジ100の内側の小さい方の部品104を、大きい方の部品104から若干引き出す。この引出しは、ディテント118が孔122に係合し、一致するスリット108および110の長さをわずかに長くし、よって、図18に示すように、カートリッジを毛髪の束から容易に除去できるようになるまで続ける。
【0105】
次に、各カートリッジ100を1回だけ使用するように、カートリッジ100を廃棄することができるようになっている。これによって、毛髪のある測定から別の測定において、毛髪上のオイルまたは他の物質が相互に汚染することがなくなる。
【0106】
カートリッジ100および装置130は、束状の毛髪を測定するための勘弁かつ効率的な構造体となっており、毛髪の束のDDIを測定する方法を促進すると共に、頭部上の選択された特定ゾーンにおける毛髪束の正確な繰り返し測定を行うことを可能にする。当然ながら、他のゾーン1〜10(図11および図20)内の毛髪も測定できる。
【0107】
装置32、装置130、およびカートリッジ100は、多数の利点を有し、そのうちの一部は、既に述べたものである。他の利点は、装置32または130、カートリッジ100およびDDIを測定するための同じ装置、およびカートリッジ100を使用する方法に固有のものである。
【0108】
したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定めるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】櫛がけ要素により、頭部の輪郭が表示された部分から、櫛がけされている毛髪の部分または束を示す、頭部の頂面図であり、接着ラベルにより輪郭が示された頭部の部分の1つの側面を示す。
【図2】頭部の輪郭が示された部分から、櫛がけされている毛髪の部分または束を示す、頭部の頂面図であり、接着ラベルにより、輪郭が示された頭部の部分の2つの側面を示す。
【図3】頭部の輪郭が示された部分から、櫛がけされている毛髪の部分または束を示す、頭部の頂面図であり、接着ラベルにより、輪郭が示された頭部の部分の3つの側面を示す。
【図4】頭部の輪郭が示された部分から、櫛がけされている毛髪の部分または束を示す、頭部の頂面図であり、接着ラベルにより輪郭が示された頭部の部分の4つの側面を示す。
【図5】櫛要素の平面図である。
【図6】毛髪の束の横断面の面積を測定するための、本発明の要旨に従って製造された装置、および図4に示された頭部の頂部平面図である。
【図7】J字形端部のスロット内にある毛髪の束の断面の面積を測定するために、装置の本体上のボスに向かって、装置のJ字形端部が移動している状態の、図6に示された頭部の頂部平面図である。
【図8】J字形端部のスロット内に捕捉された毛髪の拡大部分図である。
【図9】図8の9〜9線に沿うJ字形端部の断面図である。
【図10】J字形端部が収容された装置の本体から延びるボスの断面図である。
【図11】J字形端部のスロット内に毛髪の束がない装置の平面図であって、ボスの上をJ字形端部が移動している状態を示し、装置の本体内の大きい圧縮スプリングを示すために破断されている図である。
【図12】1つの中心位置決めピンと、テンプレートの各コーナーに1つずつ設けられた、計4つのインクマーカーペンを有するマーカーテンプレートの斜視図である。
【図13】毛髪測定を行う頭部の1つのゾーン内の、頭部のマーキングされた部分の図である。
【図14】図13において、隔離された毛髪の束を測定するために、図13に示された隔離された毛髪を捕捉するための、長さを変更できるスリットを有するカートリッジの2つの部分の分解図である。
【図15】頭部から隔離された毛髪の束を捕捉する準備状態に分解されたカートリッジ部品を示すカートリッジの分解図である。
【図16】装置の第1位端部と、L字形プランジャーの外側端部との間で、カートリッジ部品を押すよう、カートリッジの大きい方の部品と協動するL字形端部を備えたプランジャーを有する測定装置の斜視図である。
【図17】装置の他の端部において、プランジャーの他端部にスプリングを作用させることにより、装置の第1端部に向かって移動されるL字形プランジャーによって、共に押されるカートリッジの部品の斜視図であり、長さを変更できるスリット内の圧縮された束状の毛髪の測定を示すとともに、カートリッジがどのようにL字形プランジャーを囲み、プランジャーを周辺の髪と接触しないように保護するかを示している。
【図18】カートリッジの部品の間において、スリットから毛髪の束を容易に引き抜くことができるように、カートリッジの小さい方の部品が、大きい方の部品からわずかの距離移動した状態にあり、プランジャーが再び外側に移動され、カートリッジが毛髪の束から除去された状態にある装置の斜視図である。
【図19】頭部上の番号のついた毛髪ゾーンを示すヘッドの側面図である。
【図20】頭部上の番号のついた毛髪ゾーンを示すヘッドの平面図である。
【符号の説明】
【0110】
10 毛髪
12 頭部
14 櫛要素
16、18、20、22 接着ラベル
26 櫛歯領域
28 櫛歯
30 把手
32 装置
34 ノギス
36 本体
38 電子ディスプレイ
40 アナログディスプレイ
42 プランジャー
43 カラー
44 ノブ
48 スプリング
53 主要脚部
54 フック脚部
62 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を支持する皮膚の所定領域を隔離し、この領域内のカットされていない毛髪の組み合わされた断面を測定する方法において、
あらかじめ測定されたサイトを定めるステップと、
このサイトからカットされていない毛髪の束、すなわち、コラムを隔離するステップと、
毛髪を収容するスロットを測定装置に設けるステップと、
カットされていない毛髪の束、すなわち、コラムを前記スロット内に入れるステップと、
スロット内に収容されているアンビルに対して、手で圧縮力を加えることなく、機械的な組立体を用いて、スロットの底部を移動させ、スロット内に入れられたカットされていない毛髪のサイズ可変の束に、所定の正確な値の圧縮力を加えるステップと、
スロット内に収容された、カットされていない毛髪の圧縮された束、すなわち、コラムの太さまたは質量を測定するステップと、
測定された毛髪の太さまたは質量と、頭部上の同一または異なる位置からのカットされていない毛髪の束、すなわち、コラムの他の毛髪の太さまたは質量の測定値とを比較するステップとを有する方法。
【請求項2】
前記頭部上のあらかじめ測定されたサイトは、約2cm×2cm平方である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記スリットは、1mmの幅×約7mm〜12mmの高さである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
カートリッジの大きい方の部品内のスロット内に、カートリッジの小さい方の部品を進入させることにより、2部品式カートリッジの各部品内の一致するスリット内に、カットされていない毛髪の前記束を捕捉し、前記大きい方の部品内のスリットが前記スロットを横断し、前記スリット内のカットされていない毛髪の束を圧縮することにより、スリット内の毛髪の圧縮された束の太さ、およびミリ平方を単位とする毛髪の横断面の面積に等しい数字である、カットされていない毛髪の直径−密度インデックス(DDI)と称される0〜5mmの数値となるように、1mmの幅を各スリットが有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
スリット内の毛髪の太さの測定を行った後、カートリッジの大きい方の部品から、小さい方の部品を短い距離だけ引出し、髪をカートリッジから容易に引くことができるようにし、次に、カートリッジを廃棄できるようにする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
顔上の所定ポイントから、頭部の位置までの距離を測定することにより、前記あらかじめ測定したサイトを定める前記ステップを実行する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
頭部から隔離された毛髪の束を測定するのに使用するための2部品式カートリッジであって、該カートリッジが頂部および底部、並びに4つの側面を結うし、1つの側面から第1部品内に進入する、断面が長方形のスロットを備えた、全体として四角形をした第1の大きい方の部品を備え、前記第1部品は、前記スロットを横断し、第1部分の頂部および底部を貫通し、第1部分の1つの側面から内側に延びる横方向第1スリットを有し、前記カートリッジは、更に第1部品内のスロットの断面と同じ形状およびサイズを有し、前記スロット内に嵌合するようになっている、全体として長方形の断面を有する第2の、より小さい四角形の部品を備え、前記第2部品は、内側端部および外側端部を有し、前記内側端部から第2部品を横方向に貫通する第2スリットを備え、この第2スリットは、前記第1スリットとほぼ同じ幅を有し、第1部品を前記第1部品内のスロットに挿入すると、前記第1部品内の第1スリットに嵌合するようになっている、2部品式カートリッジ。
【請求項8】
前記スリットは、1mmの幅を有する、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記スリットは、約7mm〜12mmの長さを有する、請求項8記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記小さい方の第2部品の細長い側面、および前記第1部品内の前記スロットの壁は、前記第2部品を前記第1部品から部分的に引き出したときに、係合する協動可能なディテントおよびリセス構造体を有する、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記第1部品は、この第1部品の他の3つの側面にサイドスロットを有し、このサイドスロットは、L字形アームを囲み、これを保護するための測定装置のL字形アームを収容するような構造および配置となっている、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項12】
頭部上の所定位置から隔離された毛髪の束の質量を測定するための装置であって、この装置は、第1端部および第2端部を有する本体と、前記本体の前記第1端部から延びるL字形端部を有し、前記第2端部から延びる外側部分を有すると共に、外側端部にノブを有し、前記本体の第1端部から延びるL字形端部を有するプランジャーと、前記プランジャーの外側部分の上において、前記ノブと前記本体との間に設けられたスプリングと、前記本体の第1端部に向かう前記L字形アームの運動を測定するための前記本体に設けられたゲージと、前記L字形アームが延びるときに、前記L字形アームに取り付けられるようになっており、長さを変えることができるスリットを内部に有する構造体とを備え、前記構造体は、前記長さを変えることができるスリット内に、毛髪の束を集めるように操作され、前記ノブは前記構造体を取り付けるように、前記L字形アームを延ばすように押され、次に、前記本体の前記第2端部と前記ノブとの間で作用する前記スプリングにより、前記L字形アームが前記構造体を前記本体の前記第1端部に向けて押し、よって、毛髪の束を、前記長さを変えることができるスリット内に圧縮するように前記ノブが解放され、前記長さを変えることができるスリット内の毛髪の束の太さを、前記本体上の前記ゲージにより測定する装置。
【請求項13】
前記構造体は、2部品式カートリッジを備え、このカートリッジは、側面にスロットを有する第1の全体として長方形の、より大きい部品と、全体スロットに嵌合される第2の全体に長方形の、より小さい部品とを備え、前記第1部品は、前記スロットを貫通し、横断する第1スリットを有し、前記第2部品は、貫通する第2スリットを有すると共に、前記スロットに前記第2部品を挿入すると、前記第1部品内の前記第1スリットと嵌合するようになっており、前記第1および第2スリットは、前記長さを変えることができるスリットを形成かつ画定し、前記スプリングに対して前記ノブを押すことにより、前記本体からL字形アームが延びた後、L字形アームに前記第1部品を取り付け、前記第1部品および前記第2部品は、前記第2部品が前記第1部品に進入したときに、前記第1スリットおよび第2スリット内に進入する毛髪の束のまわりに位置決されるようになっている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
毛髪を支持する皮膚のある領域を隔離し、この領域内のカットされていない毛髪の組み合わされた断面を測定する方法において、
頭部上にあらかじめ測定したサイトを定めるステップと、
前記サイトにある、カットされていない毛髪の標準化された束を隔離するステップと、
前記サイトの周辺に前記毛髪拘束要素を位置決めするステップと、
機械式組立体により、カットされていない毛髪の束の太さを測定しながら、同時に所定の精密な値の圧縮力により、カットされていない毛髪の束を圧縮するステップとを有する方法。
【請求項15】
毛髪を支持する皮膚の、あらかじめ測定した領域からのカットされていない毛髪の束の断面の面積を測定するのに使用するための装置であって、
本体と、この本体を貫通し、前記本体の一端から出るプランジャーと、前記本体の一端において、アンビルを構成する壁表面と、前記プランジャーに所定の値の圧力を加えるための、前記本体に関連した圧縮スプリングとを備え、前記プランジャーは、前記壁表面を貫通すると共に、前記壁表面を貫通する主要脚部部分およびフック脚部によって構成されたJ字形端部を有し、前記2つの脚部は、両者の間に毛髪を収容するスロットを構成し、前記スロット内に収容された毛髪は、前記スロットの底部と前記アンビルとの間に圧縮されるようになっており、更に、毛髪の束を圧縮したときに、前記プランジャーの移動の大きさを測定するよう、前記本体および前記プランジャーに連動する測定手段を備える装置。
【請求項16】
前記測定手段は、前記プランジャーの前記J字形端部が前記スロット内のカットされていない毛髪の束と共に前記アンビルに向かって移動するときに、前記スロット内の圧縮されたカットされていない毛髪の太さを示すための視覚的なディスプレイを備える、一体的または別個の電子ノギスを含む、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記測定手段は、前記プランジャーのJ字形端部が、前記スロット内のカットされていない毛髪の束と共に前記アンビルに向かって移動するときの、前記スロット内の圧縮された毛髪の太さを示すためのスケール、ゲージまたはアナログディスプレイを含む、請求項15記載の装置。
【請求項18】
毛髪を支持する皮膚の、あらかじめ測定した領域からのカットされていない毛髪の束の断面の面積を測定するのに使用するための装置であって、
カットされていない毛髪の束を収容するためのスロットと、前記アンビルと前記スロットとが相対的に移動するときに、前記スロット内に嵌合されるようになっている前記スロットに隣接するアンビルと、所定の正確な値の圧縮力でカットされていない毛髪の束を圧縮するための、前記スロットまたはアンビルのうちの1つと連動する機械式組立体とを備え、前記機械式組立体は、前記スロット内に入れられたカットされていない毛髪のサイズを変えることができる束に、所定の正確な値の圧縮力と等しい値を加えるように、機械的に制限されている装置。
【請求項19】
前記スロット内にカットされていない毛髪の束が収容され、前記スロット内で圧縮されるときの、前記スロットとアンビルとの間の移動量を測定または示すための、別個または一体的な装置を含む、請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記機構は、前記スロット内に入れられたカットされていない毛髪の束に、所定の値の圧縮力を加えるための、前記本体またはアンビルのうちの1つに連動するスプリングを有する、請求項18記載の装置。
【請求項21】
前記スロットは、1mmの幅を有する、請求項18記載の装置。
【請求項22】
毛髪を支持する皮膚の所定領域を隔離し、この領域内のカットされていない毛髪の組み合わされた断面を測定する方法において、
あらかじめ測定されたサイトを定めるステップと、
このサイトからカットされていない毛髪の束、すなわち、コラムを隔離するステップと、
隔離されていない毛髪を固定するよう、毛髪拘束要素をサイトに隣接するように、周辺に位置決めするステップと、
毛髪を収容するスロットを測定装置に設けるステップと、
カットされていない毛髪の束、すなわち、コラムを前記スロット内に入れるステップと、
装置のアンビルに対して、スロットの底部を移動し、スロット内に入れられたカットされていない毛髪のサイズ可変の束に、所定の正確な値の圧縮力を加えるステップと、
スロット内に収容された、カットされていない毛髪の圧縮された束、すなわち、コラムの太さ、または質量を測定するステップと、
測定された毛髪の太さまたは質量と、頭部上の同一または異なる位置からのカットされていない毛髪の束、すなわち、コラムの他の毛髪測定値の太さまたは質量とを比較するステップとを有する方法。
【請求項23】
前記毛髪を拘束する要素は、較正された接着要素であり、この要素を、隔離されていない毛髪に当接させる、請求項22記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−532263(P2007−532263A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508574(P2007−508574)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/012888
【国際公開番号】WO2005/102164
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(506346820)
【Fターム(参考)】