説明

事前充填ロック溶液シリンジとの使用のためのキャップアセンブリ

【課題】カテーテルアセンブリの中への薬物の注入後に、カテーテルアセンブリを効率的に洗い流し、そしてロックする改良されたデバイスを提供すること。
【解決手段】ロック溶液送達デバイス28とともに使用するためのキャップアセンブリ10が開示される。このキャップアセンブリは、レセプタクル26を規定し、そして入口端部および出口端部を有するハウジングを含む。プランジャー40が、このレセプタクルの中を退却位置から進行位置まで軸方向に移動可能であり、そしてレセプタクルの中に、第1の位置から第2の位置まで回転可能な状態で支持される。このプランジャーは、ハウジング12の入口端部に連結されるシリンジを回転不可能な状態で係合するような形態をした軸方向延長部を含む。プランジャーは、シリンジがハウジングの入口端部から回転可能な状態で離脱することに応答して、上記の第1の位置から第2の位置まで移動するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2007年12月20日に出願された米国仮特許出願番号第61/008,482号の利益、およびこの仮特許出願に基づく優先権を主張しており、この仮特許出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、留置カテーテルアセンブリとの使用のためのロック溶液送達デバイスに関し、より詳細には、留置カテーテルアセンブリにロック溶液を送達するための事前充填されたロック溶液シリンジとの使用のためのキャップアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
留置カテーテルアセンブリは、一般に、長時間に亘る処置を必要とする患者に薬物を送達するために用いられている。代表的には、留置カテーテルアセンブリは、患者の血管系に挿入され、そして患者の身体、例えば、腕に固定される。薬物が、患者への投与が必要であるとき、シリンジが、再使用可能なコネクター/バルブを介してカテーテルに固定され、そして薬物が、シリンジから、バルブ/コネクターを通り、そしてカテーテルアセンブリを通って患者に注入される。
【0004】
一般に、バルブ/コネクターはバルブ部材を含み、このバルブ部材が、シリンジのバルブ/コネクターへの取り付けの間に、シリンジによって前方に押されることにより、バルブ部材は、バルブ/コネクターを開かさせて、薬物をカテーテルアセンブリの中へ送達することを容易にする。シリンジが、バルブ/コネクターから取り外されるとき、バルブ部材は、そのシールされた位置に戻る。バルブ部材がそのシールされた位置に戻ると、カテーテルアセンブリの中は減圧され、患者からカテーテルアセンブリ中への、逆方向の血液流れを生成する。
【0005】
カテーテルアセンブリにロック溶液および/またはフラッシュ溶液を送達するためのシリンジは周知である。一般に、ロック溶液および/またはフラッシュ溶液を有するシリンジは、薬物が患者に注入された後に、ハルブ/コネクターおよびカテーテルアセンブリに取り付けられる。薬物注入後、ロック溶液および/またはフラッシュ溶液をカテーテルアセンブリを通って注入することにより、カテーテル中に残る任意の薬物は、カテーテルから洗い流され、患者に送達され、そして薬物シリンジの除去の後に、カテーテルアセンブリの中に吸い込まれた任意の血液もまた、カテーテルアセンブリから洗い流される。しかし、カテーテルアセンブリからのロック溶液の除去に際し、バルブ/コネクターのバルブ部材は、そのシールされた位置に再び戻り、そして血液は、もう一度、カテーテルアセンブリ中に吸い込まれ得る。血液が、カテーテルアセンブリの中に吸い込まれるときに血液が滞留すると、この血液は最終的に凝固してカテーテルアセンブリを塞ぐ。さらに、滞留した血液は、プランクトン細菌のための食物供給源を提供し、この細菌は、生物膜形成およびカテーテル関連血流感染に至り得る。
【0006】
ロック溶液シリンジの除去に際し、カテーテルアセンブリの中への流体の積極的な置換を与えるように設計されている種々のタイプのバルブ/コネクターがある。しかし、時には、カテーテルアセンブリの中への逆行する血液流れの存在をなくするのに有効な量の積極的な置換流体を達成できない。これは、一部には、1mL未満であり得る、既知のバルブ/コネクターによって置換され得るのに十分でない量の流体に起因し得る。さらに、これらのバルブ/コネクターは再利用可能であり、そして細菌汚染を受け易い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、カテーテルアセンブリの中への薬物の注入後に、カテーテルアセンブリを効率的に洗い流し、そしてロックする改良されたデバイスに対するニーズが、医療技術分野には存在し、その改良されたデバイスは、カテーテルアセンブリ中に血液を吸い込むことなく、カテーテルアセンブリから除去され得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(本発明の概要)
ロック溶液送達デバイスとともに使用するためのキャップアセンブリが開示される。このキャップアセンブリは、レセプタクルを規定し、そして入口端部および出口端部を有するハウジングを含む。プランジャーが、このレセプタクルの中を退却位置から進行位置まで軸方向に移動可能であり、そしてレセプタクルの中に第1の位置から第2の位置まで回転可能な状態で支持される。このプランジャーは、ハウジングの入口端部に連結されるシリンジを回転不可能な状態で係合するような形態をした軸方向延長部を含む。プランジャーは、シリンジがハウジングの入口端部から回転可能な状態で離脱することに応答して、上記の第1の位置から第2の位置まで移動するように配置される。
【0009】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0010】
(項目1)
キャップアセンブリであって:
レセプタクルを規定し、そして入口端部および出口端部を有するハウジングであって、該入口端部が開口部を規定し、そしてシリンジを離脱可能かつ回転可能な状態で係合するように適合され、そして該出口端部が出口導管を規定し、そして留置カテーテルアセンブリを離脱可能な状態で係合するように適合されているハウジング;
該レセプタクル内を退却位置から進行位置まで軸方向に移動可能なプランジャーアセンブリであって、該ハウジングの入口端部に連結されたシリンジを回転不可能な状態で係合するように構成されている軸方向延長部を含むプランジャーアセンブリ;を備え、
ここで、該プランジャーアセンブリは少なくとも1つの突出部を含み、そして該ハウジングは、該少なくとも1つの突出部をスライド可能な状態で受容するような寸法である、少なくとも1つのスロットを含み、該プランジャーが、該プランジャーを退却位置に保持するための第1の位置にあるときには、該少なくとも1つの突出部は該少なくとも1つのスロットと整列しておらず、そして該プランジャーが、該プランジャーの該退却位置から該進行位置まで移動することを容易にする第2の位置にあるときは、該少なくとも1つの突出部は該少なくとも1つのスロットと整列している、キャップアセンブリ。
【0011】
(項目2)
上記レセプタクル内に配置され、上記プランジャーを上記進行位置に向かって強制する付勢部材をさらに含む、項目1に記載のキャップアセンブリ。
【0012】
(項目3)
上記付勢部材が、コイルスプリングを含む、項目2に記載のキャップアセンブリ。
【0013】
(項目4)
上記プランジャーが、シリンジと係合し、そして上記ハウジングの入口端部からの該シリンジの回転可能な状態での離脱に応答して上記第1の位置から上記第2の位置まで移動するように構成されている、項目1に記載のキャップアセンブリ。
【0014】
(項目5)
上記プランジャーの遠位端が、上記レセプタクルの円筒形部分内に移動可能な状態で受容される円筒形部分を有する、項目1に記載のキャップアセンブリ。
【0015】
(項目6)
上記プランジャーの円筒形部分が、上記レセプタクルの円筒形部分の内壁をスライド可能な状態で、かつ、シールして係合するように配置される少なくとも1つの環状シールリブを含む、項目5に記載のキャップアセンブリ。
【0016】
(項目7)
上記少なくとも1つのスロットが、上記ハウジングの階段状部分に形成される複数の長手方向スロットを含む、項目1に記載のキャップアセンブリ。
【0017】
(項目8)
上記階段状部分の近位面が、肩部を規定する、項目7に記載のキャップアセンブリ。
【0018】
(項目9)
上記少なくとも1つの突出部が、上記プランジャーが上記第1の位置にあるときは、上記肩部上に静止する、項目8に記載のキャップアセンブリ。
【0019】
(項目10)
上記少なくとも1つの突出部が、上記プランジャー上に形成された複数の半径方向に延びるフィンガーを含み、該半径方向に延びるフィンガーの各々が、該プランジャーが上記第2の位置にあるときは、上記複数の長手方向スロットの個々のものと整列している、項目9に記載のキャップアセンブリ。
【0020】
(項目11)
上記軸方向延長部が、流体チャンネルを規定する、項目1に記載のキャップアセンブリ。
【0021】
(項目12)
弾性バルブ部材が、上記軸方向延長部の流体チャンネルの出口端部に隣接して該軸方向延長部に形成される、項目11に記載のキャップアセンブリ。
【0022】
(項目13)
上記弾性バルブ部材が、上記ハウジングの入口端部に係合されるシリンジの遠位端と係合するように配置、そして構成されて、上記軸方向延長部と該シリンジとの間の流体流れを制限する、項目12に記載のキャップアセンブリ。
【0023】
(摘要)
ロック溶液送達デバイスとの使用のためのキャップアセンブリが開示され、これは、レセプタクルを規定し、そして入口端部および出口端部を有するハウジングを含む。入口端部は、開口部を規定し、そしてシリンジを離脱可能かつ回転可能な状態で係合するように適合されている。出口端部は、出口導管を規定し、そして留置カテーテルアセンブリを離脱可能な状態で係合するように適合されている。プランジャーは、レセプタクル内を退却した位置から進行した位置まで軸方向に移動可能であり、そして第1の位置から第2の位置までのレセプタクル内において回転可能な状態で支持される。このプランジャーは、上記ハウジングの入口端部に連結されたシリンジを回転不可能な状態で係合するような形態である軸方向延長部を含む。プランジャーアセンブリは、少なくとも1つの突出部を含み、そして上記ハウジングは、上記少なくとも1つの突出部をスライド可能な状態で受容するような寸法の少なくとも1つのスロットを含む。上記少なくとも1つの突出部は、上記プランジャーがこのプランジャーを退却位置に保持するための第1の位置にあるときには、上記少なくとも1つのスロットと整列しておらず、そして上記少なくとも1つの突出部は、上記プランジャーがこのプランジャーの上記退却位置から上記進行位置までの移動を容易にする第2の位置にあるときには、上記少なくとも1つのスロットと整列している。1つの実施形態では、付勢部材が上記レセプタクル内に配置され、上記プランジャーを上記進行位置に向かって強制する。この付勢部材は、コイルスプリングを含み得る。1つの実施形態では、上記プランジャーは、上記ハウジングの入口端部からのシリンジの回転可能な状態での離脱に応答して、上記第1の位置から上記第2の位置まで移動するよう配置される。上記プランジャーの遠位端は、上記レセプタクルの円筒形部分内に移動可能な状態で受容される円筒形部分を有し得る。このプランジャーの円筒形部分は、前記レセプタクルの円筒形部分の内壁をスライド可能な状態で、かつ、シールして係合するように配置される少なくとも1つの環状シールリブを含む。
【0024】
上記少なくとも1つのスロットは、上記ハウジングの階段状部分に形成される複数の長手方向スロットを含み得る。各々のスロットは、上記少なくとも1つの突出部の1つをスライド可能な状態で受容するような寸法である。上記階段状部分の近位面は肩部を規定し、ここで、この少なくとも1つの突出部は、上記プランジャーが上記第1の位置にあるときは、上記肩部上に静止する。1つの実施形態では、上記少なくとも1つの突出部は、上記プランジャーに形成された複数の半径方向に延びるフィンガーを含む。これら半径方向に延びるフィンガーの各々は、上記プランジャーが上記第2の位置にあるときは、上記複数の長手方向スロットの個々のものと整列している。
【0025】
1つの実施形態では、上記軸方向延長部は流体チャンネルを規定する。弾性バルブ部材が、軸方向延長部の流体チャンネルの出口端部に隣接して軸方向延長部に形成され得、輸送および/または運搬の間に、流体が上記キャップアセンブリに入ることを防止する。
【0026】
事前充填されたロック溶液シリンジとの使用のための、本明細書に開示されるキャップアセンブリの種々の実施形態は、図面を参照して本明細書中に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態の詳細な説明)
事前充填されたロック溶液シリンジとの使用のための本明細書に開示されるキャップアセンブリの実施形態は、ここで図面を参照して詳細に説明され、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図面の各々において同一または対応する要素を指定する。本明細書では、用語「近位」方向は、一般に、参照された品目の上記アセンブリを用いる臨床医への相対的近さを示すために用いられ、そして用語「遠位」は、上記デバイスを用いる臨床医への参照された品目の遠さを示すために用いられる。
【0028】
図1を参照して、キャップアセンブリ10は、ハウジング12、プランジャーアセンブリ14および付勢部材16を含む。ハウジング12は、入口開口部20を規定する入口コネクター18、出口コネクター22、および出口導管24を含む。ハウジング12はまた、以下により詳細に論議されるように、プランジャーアセンブリ14を移動可能な状態で受容するためのレセプタクル26を規定する。入口コネクター18は、流体送達デバイス28、例えば、シリンジの遠位端を係合するような形態である雌ルアータイプコネクターを含む。出口コネクター22は、留置カテーテルアセンブリ(図示はされていない)を離脱可能な状態で係合するような形態である雄ルアータイプコネクターを含む。
【0029】
図1をまた参照して、ハウジング12は、レセプタクル26を規定する内壁30を含む。内壁30の中央部分は、階段状部分32を規定する。階段状部分32は、環状の肩部34(図3)および複数の間隔を置いた長手軸方向スロット36(図3)を規定する。間隔を置いた長手方向スロット36は、以下でより詳細に論議されるように、半径方向に延びるフィンガーまたはタブ38をスライド可能な状態で受容するような寸法である。4つのスロット36およびタブ38が示されているが(図3)、1つ以上のスロット36およびタブ38が提供され得る。
【0030】
プランジャーアセンブリ14は、公知の固定技法、例えば、接着剤、溶接相互ロック構造などを用いて一緒に固定されるプランジャー本体40とプランジャーヘッド42とを含み、一体のアセンブリ14を規定する。プランジャーアセンブリ14は、単体構造であり得ることがまた想定される。プランジャー本体40は、軸方向延長部44を規定する近位端40aおよびベル形状本体部分46を有する。半径方向のフィンガーまたはタブ38は、本体40の遠位端から半径方向に延び、そしてプランジャーアセンブリ14が退却位置にあるとき、ハウジング12の肩部34(図3)の上に静止するよう配置される。半径方向のフィンガー38はまた、ハウジング12の内部ハウジング壁30に沿って形成された長手方向スロット36の中にスライド可能な状態で受容されるような寸法である。プランジャー本体40の軸方向延長部44は、送達デバイス28の送達チャンネル28a(図1)中に延びるような寸法であり、そしてT形状チャンネル46を規定する。チャンネル46は、軸方向延長部44が送達デバイス28の送達チャンネル28aの中に配置されるとき、流体が送達デバイス28からハウジング12のレセプタクル26中に流れることを可能にする。チャンネル46は、Y形状、F形状のような他の形態、または送達デバイス28からレセプタクル26の中に流体が流れることを可能にする他の形態を有し得ることが想定される。図3に示されるように、軸方向延長部44は、実質的に三角形であるように示されている非円形の外側の幾何学的形状を有しているが、その他の非円形形態、例えば、方形、矩形、台形などが想定される。この軸方向延長部44の外側の幾何学的形状は、プランジャーアセンブリ14の軸方向延長部44が送達デバイス28の送達チャンネル28a中に受容されるとき、送達デバイス28およびプランジャーアセンブリ14が回転可能な状態で互いに固定されるようであるべきである。
【0031】
プランジャーヘッド42は実質的に円筒形であり、そしてハウジング12の円筒形部分50の中にスライド可能な状態で受容されるような寸法である。プランジャーヘッド42の外壁42aは、プランジャーアセンブリ14がその退却位置(図1)からその進行位置(図4)まで移動するとき、ハウジング12の円筒形部分50の内壁をシールして係合するよう配置される1つ以上の環状シールリブ52を含む。プランジャーヘッド42の、ハウジング12の円筒形部分50を通る移動は、円筒形部分50中に位置する流体を、出口導管24を通って、留置カテーテルアセンブリ(図示はされていない)の中へと強制する。
【0032】
コイルスプリングとして示される付勢部材16は、ハウジング12の近位肩部60と半径方向フィンガー38との間のレセプタクル26の中に配置される。付勢部材16は、レセプタクル26の中でプランジャーアセンブリ14を遠位方向に強制することにより、半径方向のフィンガー38が長手方向スロット36と整列していないときは、半径方向フィンガー38がハウジング12の階段状部分32の肩部34の上に静止し、そして半径方向フィンガー38が長手方向スロット36と整列しているときは、付勢部材16がプランジャーアセンブリ14をその退却位置(図1)からその進行位置(図4)まで強制する。
【0033】
使用においては、キャップアセンブリ10は、ロック溶液を含むシリンジ28に取り付けられる。キャップアセンブリ10とシリンジ28とは、事前に組み立てられ得ることが想定される。キャップアセンブリ10は、ロック溶液で事前に充填され得、そしてさらに、取り外し可能なルアキャップを取り付けることなどにより、出口導管24の遠位端および/または入口コネクター18の近位端を選択的に閉じる手段をさらに含むことが想定される。キャップアセンブリ10がシリンジ28に固定されるとき、軸方向延長部44は、シリンジ28の送達チャンネル28aの中に受容される。上記で論議されたように、軸方向延長部44よび送達チャンネル28aは、非円形の形態を有し、軸方向延長部44をシリンジ28に回転可能な状態で固定する(図2)。この状態では、半径方向フィンガー38が長手方向スロット36と整列していないので、半径方向フィンガー38は肩部34(図3)の上に座り、そしてプランジャーアセンブリ14はその退却位置(図1)に保持される。遠位コネクター22は、留置カテーテルアセンブリ(図示はされていない)に連結され得、そして流体が、シリンジ28からキャップアセンブリ10を通って、図1において矢印「A」によって示される経路に沿って留置カテーテルアセンブリ(図示はされていない)の中に注入され得る。これが起こると、ロック流体はキャップアセンブリ10を満たし、そして留置カテーテルアセンブリの中に流れ、このカテーテルアセンブリの中に配置された薬物および/または血液を患者の中に強制する。さらに、流体は、この留置カテーテルアセンブリ(図示はされていない)から、キャップアセンブリ10を通ってシリンジ28の中に、経路「A」の逆方向に吸引され得る。続いて、シリンジ28をキャップアセンブリ10に対し矢印「C」(図2)で示される方向に回転させることにより、シリンジがキャップアセンブリ10から分離させられると、シリンジ28に回転可能な状態で固定されている軸方向延長部44は、レセプタクル26の中で回転してプランジャーアセンブリ14を回転させる。プランジャーアセンブリ14が回転すると、半径方向フィンガー38は、肩部34上で、図3において矢印「B」で示される方向に回転させられて、長手方向スロット36と整合する。半径方向フィンガー38が移動して長手方向スロットと整合すると、付勢部材16は、プランジャーアセンブリ14をその進行位置(図4)まで移動させ、流体をハウジング12の円筒形部分50から出口導管24を通って留置カテーテルアセンブリ(図示はされていない)の中に強制する。従って、血液は、シリンジ28がキャップアセンブリ10のハウジング12から分離させられると、留置カテーテルの中に引き抜かれない。さらに、プランジャーアセンブリ14はまた、大量、例えば、1〜2mL以上の流体を、ハウジング12の円筒形部分50から留置カテーテルアセンブリ(示されてはいない)の中に置換し得る。キャップアセンブリ10は、薬物をカテーテルアセンブリの中に注入すること、または患者から血液を引き抜くことが所望されるまで、留置カテーテルに取り付けられたままである。次いで、それは、カテーテルアセンブリから取り外され得、そして上記に記載される洗い流し/ロックプロセスが、薬物投与または血液引き抜き後、繰り返され得る。
【0034】
図5は、114として一般に示される、本明細書に開示されるプランジャーアセンブリの代替の実施形態を示す。プランジャーアセンブリ114は、プランジャーアセンブリ114がT形状チャンネル146の出口端部に形成された弾性バルブまたはシール要素114aをさらに含むことを除いて、プランジャーアセンブリ14と実質的に類似している。弾性バルブ114aは、スリットタイプバルブの形態であり得る。シリンジ28(図1)を作動させることなどによって、所定の正圧または負圧がチャネル146の中に生成されるまで、弾性バルブ114aは閉じたままである。所定の正圧がチャンネル中で達成されると、弾性バルブは外側に曲がり、流体がチャンネル146からハウジングレセプタクル(図1を参照のこと)の中に流入することを可能にする。所定の負圧がチャンネル146の中で達成されると、弾性バルブ114aは内側に曲がり、流体がハウジングレセプタクルからチャンネル146の中に流入することを可能にする。さらに、弾性バルブ114aの近位端は、シリンジ28の遠位端と接触し得るので、流体が、軸方向延長部144の外面と送達チャンネル28aの壁との間に存在し得るギャップを通って流れることを防ぐ。シリンジおよびキャップアセンブリが輸送および貯蔵される間においてこれら2つの部分が事前に組み立てられる場合に、プランジャーアセンブリ114は、ロック溶液がキャップアセンブリのレセプタクルに入ることを防ぐ。除去可能なカバー(図示はされていない)が出口導管24をシールするために提供され得、使用前において、キャップアセンブリを保護および汚染物がキャップアセンブリに入ることを防止する。
【0035】
種々の改変が、本明細書中に開示される実施形態になされ得ることが理解される。従って、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、好ましい実施形態の単なる例示である。当業者は、本明細書に添付される請求項の範囲および思想内におけるその他の改変を想定する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本明細書において開示されるキャップアセンブリの1つの実施形態の側方断面図であり、退却位置にあるプランジャーが、流体送達デバイスの遠位端に連結されて示される。
【図2】図2は、図1の断面線2−2についての断面図である。
【図3】図3は、図1に示されるキャップアセンブリの、図1の断面線3−3についての断面図である。
【図4】図4は、プランジャーが進行位置にある、図1に示されるキャップアセンブリについての側方断面図である。
【図5】図5は、本明細書に開示されるキャップアセンブリのプランジャーの代替の実施形態についての側方断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 キャップアセンブリ
12 ハウジング
14 プランジャーアセンブリ
16 付勢部材
18 入口コネクター
20 入口開口部
22 出口コネクター
26 レセプタクル
40 プランジャー本体
44 軸方向延長部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップアセンブリであって:
レセプタクルを規定し、そして入口端部および出口端部を有するハウジングであって、該入口端部が開口部を規定し、そしてシリンジを離脱可能かつ回転可能な状態で係合するように適合され、そして該出口端部が出口導管を規定し、そして留置カテーテルアセンブリを離脱可能な状態で係合するように適合されているハウジング;
該レセプタクル内を退却位置から進行位置まで軸方向に移動可能なプランジャーアセンブリであって、該ハウジングの入口端部に連結されたシリンジを回転不可能な状態で係合するように構成されている軸方向延長部を含むプランジャーアセンブリ;を備え、
ここで、該プランジャーアセンブリは少なくとも1つの突出部を含み、そして該ハウジングは、該少なくとも1つの突出部をスライド可能な状態で受容するような寸法である、少なくとも1つのスロットを含み、該プランジャーアセンブリが、該プランジャーアセンブリを退却位置に保持するための第1の位置にあるときには、該少なくとも1つの突出部は該少なくとも1つのスロットと整列しておらず、そして該プランジャーアセンブリが、該プランジャーアセンブリの該退却位置から該進行位置まで移動することを容易にする第2の位置にあるときは、該少なくとも1つの突出部は該少なくとも1つのスロットと整列している、キャップアセンブリ。
【請求項2】
前記レセプタクル内に配置され、前記プランジャーアセンブリを前記進行位置に向かって強制する付勢部材をさらに含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項3】
前記付勢部材が、コイルスプリングを含む、請求項2に記載のキャップアセンブリ。
【請求項4】
前記プランジャーアセンブリが、シリンジと係合し、そして前記ハウジングの入口端部からの該シリンジの回転可能な状態での離脱に応答して前記第1の位置から前記第2の位置まで移動するように構成されている、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項5】
前記プランジャーアセンブリの遠位端が、前記レセプタクルの円筒形部分内に移動可能な状態で受容される円筒形部分を有する、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項6】
前記プランジャーアセンブリの円筒形部分が、前記レセプタクルの円筒形部分の内壁をスライド可能な状態で、そしてシールして係合するように配置される少なくとも1つの環状シールリブを含む、請求項5に記載のキャップアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスロットが、前記ハウジングの階段状部分に形成される複数の長手方向スロットを含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項8】
前記階段状部分の近位面が、肩部を規定する、請求項7に記載のキャップアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの突出部は、前記プランジャーアセンブリが前記第1の位置にあるときには、前記肩部上に静止する、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの突出部が、前記プランジャーアセンブリ上に形成された複数の半径方向に延びるフィンガーを含み、該半径方向に延びるフィンガーの各々が、該プランジャーアセンブリが前記第2の位置にあるときは、前記複数の長手方向スロットの個々のものと整列している、請求項9に記載のキャップアセンブリ。
【請求項11】
前記軸方向延長部が、流体チャンネルを規定する、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項12】
弾性バルブ部材が、前記軸方向延長部の流体チャンネルの出口端部に隣接して該軸方向延長部に形成される、請求項11に記載のキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記弾性バルブ部材が、前記ハウジングの入口端部に係合されるシリンジの遠位端と係合するように配置、そして構成されて、前記軸方向延長部と該シリンジとの間の流体流れを制限する、請求項12に記載のキャップアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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