説明

二次元コードを活用したポイント管理方法

【課題】 複数の店舗でポイントを統合して運用することが可能であり、利用者の手続が非常に簡単な2次元コードを活用した新規なポイント管理方法を提供する。
【解決手段】 店舗側情報端末と、顧客側情報端末と、ポイント管理サーバが、電気通信回線によって接続されている。店舗が、ポイントを発行して、その情報をポイント管理サーバに登録し、同時に顧客に、ポイント情報とポイント管理サーバの情報とを格納した2次元コードを、印刷して顧客に提供する。顧客が、顧客側情報端末を用いて、提供された2次元コードを読み込み、ポイント管理サーバにアクセスして、提供されたポイント情報を入力する。ポイント管理サーバは、顧客側情報端末から入力されたポイント情報が、新規な情報であった場合に限り、入力を行った顧客の獲得ポイントとして登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品やサービスの購入時に特典として付与されるポイント管理方法に関する。特に、二次元コードを活用して、複数の店舗から付与されるポイントをサーバ上で一元管理することのできるポイント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスを提供する店舗が、店舗の顧客に対して独自の特典サービスとしてポイントを付与する制度が知られている。この特典サービスを実現する一つの方法として、購入量に応じた数のスタンプを捺印するスタンプカードを用いた方法が従来から広く行われている。又、近年になって、ポイントをサーバで管理する技術が普及している。しかし、顧客は付与されるポイント数をサーバに登録したり特典を受けとる際には、ポイントカードを店舗に逐一提示する必要があり、そのために特典を利用したい店舗の数と同じだけポイントカードを持つ必要があった。更に、獲得したポイントを値引き等の特典に交換するには、所定の期間内に一定量のポイントを貯める必要があり、基準に満たないポイントしか蓄積できなかった場合は、ポイントが失効してしまうことがしばしばあった。このため、店舗毎に異なるポイントサービスを一つに統合して、効率よくポイントサービスを受けたいという要求が高まっていた。
【0003】
このようなポイントサービスの統合の要求に応える一つの手段として、特許文献1には、一社が提供するポイントサービスで入手したポイントを他社の提供するポイントサービスに変換することができるシステムが開示されている。このシステムは、各社のサーバに蓄積されているポイントを他社のポイントに変換するためのポイント交換専用サーバの追加が必要であり、システムが従来よりも複雑化するという問題があった。又、顧客は、ポイント交換専用サーバからポイント情報を受信した後に、店舗に出向いてポイント交換処理を行わねばならず、その処理工程も煩雑であった。
【特許文献1】特開2003−109115号公報
【0004】
又、ポイント管理サーバのメールアドレス情報と付与される所定のポイント数の情報が2次元コードで記載されている、使い捨ての共通ポイントサービスカードが知られている。顧客は、店舗から共通ポイントサービスカードを受け取ると、そこに記載されているコードを携帯電話などから読み込み、ポイント管理サーバにポイント情報の含まれるメールを送信することにより、送信者のメールアドレスを登録情報として、ポイントをサーバに累積加算させることができる。複数の店舗が同一の管理サーバを利用することによって、統合されたポイントサービスが利用者に提供される。
【0005】
しかしながら、この共通ポイントサービスカードには、付与されるポイント数が予め定義されているため、一度に多くのポイントを得た利用者は、多くのカードを受け取って、そのカードの枚数分メールを送信することが必要となり、ポイントの登録処理が至って煩雑であった。また、店舗側は、予め共通ポイントサービスカードの配布枚数を予測して準備しておく必要があり、予測よりも利用者が多くなってカードが不足した場合には、これに対応する方法がなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、上記背景技術の問題点を鑑みてなされたものであって、複数の店舗でポイントを統合して運用することが可能であり、利用者の手続が非常に簡単な2次元コードを活用した新規なポイント管理方法を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、2次元コードを活用したポイント管理方法に関する。本願発明のポイント管理方法は、店舗側情報端末と、顧客側情報端末と、これら端末と電気通信回線によって接続されているポイント管理サーバによって、店舗が顧客に発行したポイントを管理する方法であって、店舗が、顧客の購入金額に応じたポイントを発行し、発行したポイント情報を店舗側情報端末を経由してポイント管理サーバに登録するステップと、店舗が、発行したポイント情報とポイント管理サーバの情報とを格納した2次元コードを、印刷して顧客に提供するステップと、顧客が、顧客側情報端末を用いて、提供された2次元コードを読み込み、ポイント管理サーバにアクセスして、提供されたポイント情報を入力するステップと、ポイント管理サーバが、店舗側情報端末から登録されたポイント情報と、顧客側情報端末から入力されたポイント情報を照合し、顧客側情報端末から入力されたポイント情報が、その入力時点までにいずれの顧客側情報端末からも未入力であった場合に限り、入力を行った顧客の獲得ポイントとして登録するステップとを備えていることを特徴とする。
【0008】
本願発明のポイント管理方法によれば、店舗側は、予めポイントをカード等の形で準備しておく必要がなく、店舗が顧客に提供するポイントを確定させたときに、そのポイントの総数を1つのコードに印刷してを発行することができる。ポイント管理サーバは、顧客側情報端末から入力されたポイント情報を照合し、そのポイント情報が、入力時点までにいずれの顧客側情報端末からも未入力であった、全く新規なポイントである場合に限り顧客の獲得ポイントを登録する。
【0009】
請求項2の発明のポイント管理サーバは、店舗が、ポイント情報を店舗側情報端末を経由して登録した時に、店舗に課金を行うための情報を記憶するステップを更に備えていることを特徴とする。
【0010】
課金のための情報を記憶するステップを備えることにより、ポイント管理サーバは、店舗が実際に顧客に対して発行したポイントに対応して課金することが可能となる。店舗は、予備のポイントを予め準備する必要がなく、課金は非常に効率よく行われる。
【0011】
請求項3の発明は、店舗が、ポイント情報に加えて、店舗情報と、整理情報と、シリアルIDをポイント管理サーバに入力するステップと、ポイント管理サーバが、顧客の獲得ポイントを、店舗情報に関連づけて記憶するステップと、顧客が、獲得したポイントの一部又は全部を指定して共通ポイントに変換する指示を入力した場合に、ポイント管理サーバが、顧客が指定した獲得ポイントを、店舗情報と関連づけられていない共通ポイントに所定の変換率を乗じて変換するステップとを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項3のステップを備えることにより、ポイント管理サーバは、ポイントを発行した店舗と獲得した顧客の両方の情報と共に管理することが可能となる。更に、ポイント管理サーバが顧客の要求によって顧客の獲得ポイントを共通ポイントに変換することで、顧客は複数の店舗の間で獲得したポイントの統合が可能となり、希望する特典を効率よく入手することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、複数の店舗でポイントを統合して運用することが可能であり、しかもポイントの管理に係る利用者の手続が非常に簡単な2次元コードを活用した新規なポイント管理方法が提供される。
【0014】
本発明のポイント管理方法を導入した店舗は、複数の店舗で統合して運用されている特典付与制度に参加することになるため、店舗としての知名度を向上させることが可能となる。しかも店舗は、ポイント管理サーバに入力したポイント発行量に応じて課金されるため、従来の予めポイントカード等を準備しておく方法に比較して、費用を節約することが可能となる。更に店舗は、ポイント管理サーバにアクセスしてポイントの発行状況を確認し、販売の管理に利用することが可能となる。
【0015】
本発明のポイント管理方法を利用する顧客は、複数の店舗で獲得したポイントを、簡単な手続で1つのサーバに登録することが可能となる。又、獲得したポイントを共通ポイントに変換することで、ポイントを提供された店舗以外の特典を利用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を列記する。
(形態1)店舗側情報端末は、ポイント発行時に、ポイント数と、店舗情報と、発行日時等の詳細情報が含まれる整理情報とをポイント管理サーバに送信する。更に、店舗側情報端末は、ポイント発行時にシリアルIDを発生させて、ポイント数と、店舗情報と、整理情報と、シリアルIDの4項目を含む情報を二次元コードの形式で印刷して、顧客に提供する。
(形態2)二次元コードは、QRコード(登録商標)又はカラーコードの形式で生成される。
(形態3)店舗側情報端末から、ポイント数と、店舗情報と、整理情報とを入力されたポイント管理サーバは、店舗側情報端末と同一の処理手順でシリアルIDを発生させて、ポイント数と、店舗情報と、整理情報と、シリアルIDの4項目を記憶する。
(形態4)顧客は、携帯電話を端末として用いて、店舗から提供されたポイント情報を含む2次元コードを読み込み、ポイント管理サーバにアクセスしてポイントを登録する。
(形態5)顧客は、携帯電話からポイント管理サーバにアクセスして、蓄積されている店舗別のポイント数を画面で確認し、必要に応じて、自分のポイントを獲得した店舗との関連性のない共通ポイントに変換することができる。更に顧客は、共通ポイントを、特典を得たい他の店舗のポイントに関連づけて特典を受けることが可能である。
(形態6)顧客は、ポイント管理サーバに、自身のメールアドレス、性別等の詳細情報を登録することが可能である。ポイント管理サーバは、登録された情報に基づいて、顧客に、更なる特典の情報を提供することができる。
【実施例】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明のポイント管理方法を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるポイント管理方法を運用するシステム1の構成を示す図である。図2は、本実施例におけるポイント管理方法の、ポイント発行とポイント登録のフローを示す図である。
【0018】
本実施例のポイント管理方法が運用されるポイント管理システム1は、複数の店舗側情報端末4と、複数の顧客側情報端末6と、これら端末と電気通信回線によって接続されているポイント管理サーバ2で構成されている。ポイント管理サーバ2は、ポイントデータベース12と、店舗情報データベース14と、顧客情報データベース16と、ポイント管理処理部10を備えている。
【0019】
本実施例における複数の顧客側情報端末6は、全て携帯電話である。又、本実施例における店舗側情報端末4は、ポイント発行処理部と、表示部と、入力部と、2次元コードを付加してレシートを印刷可能なプリンターとを備えている。
【0020】
以下、図2のフローに沿って、店舗がポイントを発行してから、顧客がポイント管理サーバ2に提供されたポイントを登録するまでの処理を説明する。ステップS2で、店舗は店舗側情報端末4によって、ポイントを発行する。図4に、店舗側情報端末4の表示部に表示される、ポイント発行前の初期メニュー画面を示す。店舗側情報端末4は、ポイントの発行の他、履歴の参照等のポイント管理にも使用可能であり、これらの操作は、画面上のメニューを選択していくことで容易に行われる。店舗側情報端末4は、入力部を操作して、「ポイント券発行」のメニューを選択することができる。
【0021】
図5に、店舗側情報端末4において、ポイント券発行メニューを選択した場合の、ID入力画面を示す。ポイント管理サーバ2の店舗情報データベース14に記憶されている、店舗固有のID番号とパスワードと店舗名を入力し、次にこれから発行するポイントの発行方法が、割合付与で行われるのか、直接発行するポイント数を入力するかを選択することで、ポイント発行画面が表示される。
【0022】
図6に、店舗側情報端末4のポイント発行画面を示す。図6の左側に示される画面は、割合付与の場合のポイント発行画面であり、この場合は、売上金額を入力することで、ポイントが発行される。又、売り上げ入力画面の下の「印刷枚数」のメニューを選択することにより、計算されたポイントを1枚だけ発行するのか、それとも同じポイントを付与して何枚も発行するかを選択することができる。複数枚の発行は、同じポイント数を来店者全員に配布するような場合に使用される。図6の右側に示される画面は、直接発行するポイント数を入力する場合のポイント発行画面であり、この場合も入力したポイントを1枚だけ発行するのか、それとも同じポイントを付与して何枚も発行するかを選択することができる。
【0023】
店舗側情報端末4にポイント発行に必要な情報が全て入力されると、ポイントの発行が可能となる。発行されたポイントの情報は、ステップS4で、電気通信回線を経由してポイント管理サーバ2に入力される。このとき、店舗側情報端末4からは、ポイント数の他に、店舗情報と、発行日時等の整理情報が同時に入力され、ポイント管理サーバ2は、これらを、登録前情報として一時記憶する。(ステップS6)。更に、ポイント管理サーバ2のポイント管理処理部10は、入力された店舗情報と、ポイント情報と、整理情報をパラメータとして、一意的なID番号を発生させて、これをシリアルIDとしてポイント情報に追加して一時記憶している。本実施例におけるシリアルIDは、java(登録商標)スクリプトによって生成されているアプリケーションソフトウェアが発生させている。
【0024】
同時に、ポイント管理サーバ2のポイント管理処理部10は、店舗情報データベース14に、店舗が発行したポイント数と、発行日時等の整理情報とを店舗ごとに記憶して、課金の基準データに用いている。
【0025】
次に、ステップS8で、店舗側情報端末4は顧客にポイントを発行して顧客に提供するために、ポイントの情報が2次元コードで印刷されたレシートを印刷部から出力する。出力されたレシートの一例を、図7に示す。本実施例のレシートは、ポイントの情報が、QRコード(登録商標)で記載されている。
【0026】
図7のレシートの右下隅に印刷されている2次元コードには、レシートを発行する店舗の情報と、発行されたポイント数と、発行日時と、アクセス先であるポイント管理サーバ2のアドレス等が含まれる整理情報と、シリアルIDが含まれている。ここで印刷されるシリアルIDは、店舗側情報端末4が、ポイント管理サーバ2のポイント管理処理部10と同じ処理手順によって発生させた、レシートごとに一意的に決定されているIDである。
【0027】
ステップS10で、ポイント情報等が2次元コードで記載されているレシートが、顧客に提供される。ステップS12で、顧客は顧客側情報端末6のカメラ機能を用いることによって、2次元コードを顧客側情報端末6に取り込む。顧客側情報端末6は、図8に示すようにポイント情報を顧客に示し、顧客がこのポイントを取得することを希望した場合には、ポイント管理サーバ2にアクセスすることを明示して、顧客に接続を促す。顧客側情報端末6は、顧客が接続の指示を出した場合には、ポイント管理サーバ2にアクセスして、提供されたレシートを発行した店舗の情報と、店舗によって発行されたポイント数と、発行日時等の整理情報と、シリアルIDを提供する(ステップS14)。
【0028】
ステップS16で、ポイント管理サーバ2は、ステップS6で一時記憶しているポイント情報群の中から、ステップS14で入力されたシリアルIDと同じシリアルIDを持つポイント情報を検索し、そのポイント情報の店舗の情報と整理情報を照合する(ステップS16)。
【0029】
ここで、顧客側情報端末6がステップS14で提供したデータと完全に一致するデータが、ポイント管理サーバ2に一時記憶されていた場合には、ポイント管理サーバ2に一時記憶されているポイント情報は、いずれの顧客からも未だ登録されていない新規な情報であると見なされて、ステップS18がイエスとなる。処理は、ステップS22に進み、顧客側情報端末6から入力されたポイント情報は、顧客側情報端末6の固有番号の情報と関連づけられて、ポイントデータベース12に登録される。ポイント管理処理部10は、顧客側情報端末6に、ポイントが登録されたという通知画面を表示して、処理を終了する。同時に、ポイント管理サーバ2は、ステップS6で一時記憶されているポイント情報に使用済みフラグを付けることで、重複登録を回避する。
【0030】
もしも、顧客側情報端末6がステップS14で提供した、2次元コードに埋め込まれているポイント情報のシリアルIDと一致するシリアルIDが、ポイント管理サーバ2に一時記憶されていなかった場合、又は同一のシリアルIDのデータについて、その他の店舗情報等が異なっていた場合には、ステップS18がノーとなって、ポイント管理サーバ2のポイント管理処理部10は、登録エラーとなった旨を顧客側情報端末6に通知して処理を終了する(ステップS20)
【0031】
顧客側情報端末6から入力されたポイント情報が、顧客側情報端末6の情報と関連づけられて、ポイントデータベース12に登録される方法について、図14を用いて説明する。
【0032】
ステップS22で新たに登録されたポイント情報は、顧客側情報端末6の固有番号と関連づけられてポイントデータベース12に記憶される。ポイント管理処理部10は、ポイントデータベース12にポイント情報が新たに登録されると、顧客情報データベース16を検索して、同じ固有番号の顧客側情報端末6について、メールアドレスや性別、生年月日等の顧客情報が登録されているか否かを確認する(ステップS24)。そして、顧客情報が登録されていない場合には、メールアドレスを登録する勧誘の画面を、ポイントが登録された通知画面の下に表示する(ステップS26)。
【0033】
ステップS28で、顧客がメールアドレスの登録に合意した場合には、処理はステップS30に進み、顧客が指示を行うと、顧客側情報端末6は、ポイント管理サーバ2にメールを送信することで、メールアドレスの登録を要求する。ポイント管理サーバ2の顧客情報データベース16には、顧客側情報端末の固有番号とメールアドレスが関連づけられて記録される。顧客のメールアドレスが登録されることで、ポイント管理サーバ2は、顧客に対して、現状の取得ポイント等の有益な情報をメールにて通知することが可能となる。
【0034】
更に、ポイント管理処理部10は、メールアドレスを登録した顧客に対して、顧客情報の登録を勧誘する画面を表示する(ステップS34)。ステップS36で、顧客が顧客情報の登録に合意した場合には、処理はステップS38に進み、顧客が性別や生年月日等の情報を入力すると、ポイント管理サーバ2の顧客情報データベース16には、顧客側情報端末の固有番号とメールアドレスが関連づけられて記録される(ステップS40)。このような情報がポイント管理サーバ2に蓄積されることで、顧客が希望した場合には、顧客に最適な店舗情報等が、よりきめ細かく顧客に提供される。
【0035】
顧客は、自分が各店舗から提供されてポイント管理サーバ2に登録ポイントを、提供された店舗で利用することが可能である。これに加えて、ポイントを、いずれの店舗にも属さない共通ポイントに変換し、更に変換済の共通ポイントを、特典を得たい他の店舗のポイントに付け替えて利用することができる。顧客が、顧客側情報端末6からポイント管理サーバ2にアクセスして、蓄積した店舗別のポイントを共通ポイントに変換し、更に変換済の共通ポイントを、他の店舗のポイントに変換する方法について、図3のフローを参照しつつ説明する。
【0036】
ステップS42で、顧客は顧客側情報端末6から、ポイント管理サーバ2にアクセスする。アクセスした場合のポイント管理サーバ2が顧客側情報端末6に表示する初期メニューを、図9に示す。顧客は、初期メニュー3段目の、マイページをクリックして選択することによって、ポイントデータベース12にアクセスし、ポイントを照会することができる(ステップS44)。ポイント管理サーバ2がポイントの照会に応じて、ステップS46で回答する際の回答表示画面を図10に示す。図10の回答表示画面の最上段に示されるのは、店舗に関連づけられていない共通ポイントである。
【0037】
ここで、顧客は、特典を利用する予定のない店舗に蓄積されているポイントを指定して、このポイントを共通化する要求を、ポイント管理サーバ2に送信する(ステップS48)。
この要求を受けて、ステップS50で、ポイント管理サーバ2は、ポイントデータベース12に蓄積されている顧客のポイントのデータの中の、指定された店舗に関連づけられているポイントを、共通ポイントに変換する。
【0038】
本実施例におけるポイント管理処理部10は、店舗に関連づけられているポイントを共通ポイントに変換するときに、所定の変換率を乗じて共通ポイント数を算出している。この変換率は、1以下の数に設定可能であり、1未満に設定した場合、顧客は、変換前よりも少ない共通ポイントを得る。変換前と変換後のポイント数の差は、ポイント管理システムの維持費用として利用することが可能である。
【0039】
ステップS50のポイント共通化の処理が完了すると、顧客側情報端末6には、共通化完了の画面が表示される。顧客は、希望する場合、ステップS54の処理に進み、変換済の共通ポイントを、特典を得たい他の店舗のポイントに変換して利用することができる。顧客側情報端末6における、共通ポイントの変換を要求する画面を、図11に示す。共通ポイントの総数が表示されている画面から、変換を要求すると、変換の可能な店舗の一覧が表示されて、顧客は特典を得ることを希望する店舗と、その店舗で使用するポイント数を選択可能となる。顧客が、共通ポイントの変換を指示した際の、顧客側情報端末6に表示される確認画面を図12に示す。顧客が、確認を入力すると、ポイント管理サーバ2は、ポイント使用計算処理を行って(ステップS56)、ポイントデータベース12を更新し(ステップS60)、処理が完了したことを顧客側情報端末6と店舗側情報端末4に通知する。
【0040】
蓄積されたポイントの利用方法の一例として、特典を受けるためのクーポンの発行が挙げられる。クーポンの一例を図13に示す。このクーポンは、顧客側情報端末6に表示可能であって、顧客は店舗にこの画面を提示することで、様々な特典を受けることができる。
【0041】
以上、実施例によって本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、本実施例における店舗側情報端末4は、ポイント発行処理部と、表示部と、入力部と、2次元コードを付加してレシートを印刷可能なプリンターとを備えている独立した端末であるが、その機能を全て店舗のレジスターに内蔵することも可能である。その他、ポイント管理サーバ2の構成や処理のフローは、特許請求の範囲に記載される機能を損なわない範囲で任意に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例のポイント管理方法を実施するシステムの構成図である。
【図2】実施例のポイント発行方法を示すフローチャートである。
【図3】実施例のポイント変換方法を示すフローチャートである。
【図4】実施例の店舗側情報端末4の表示部に表示される、ポイント発行前の初期メニュー画面を示す図である。
【図5】実施例の店舗側情報端末4のID入力画面を示す図である。
【図6】実施例の店舗側情報端末4のポイント発行画面を示す図である。
【図7】実施例の店舗側情報端末4から発行されるレシートの一例を示す図である。
【図8】実施例の顧客側情報端末4に表示されるポイント情報の一例を示す図である。
【図9】実施例の顧客側情報端末6に表示されるポイント管理システムの初期メニューを示す図である。
【図10】実施例の顧客側情報端末6に表示されるポイント照会結果の画面を示す図である。
【図11】実施例の顧客側情報端末6に表示されるポイント変換確認の画面を示す図である。
【図12】実施例の顧客側情報端末6に表示されるポイント取得確認の画面を示す図である。
【図13】実施例の顧客側情報端末6に表示されるクーポンの画面を示す図である。
【図14】実施例のポイント管理サーバ2に顧客情報を入力するフローを示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ポイント管理システム
2 ポイント管理サーバ
4 店舗側情報端末
6 顧客側情報端末
10 ポイント管理処理部
12 ポイントデータベース
14 店舗情報データベース
16 顧客情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗側情報端末と、顧客側情報端末と、これら端末と電気通信回線によって接続されているポイント管理サーバによって、店舗が顧客に発行したポイントを管理する方法であって、
店舗が、顧客の購入金額に応じたポイントを発行し、発行したポイント情報を店舗側情報端末を経由してポイント管理サーバに登録するステップと、
店舗が、発行したポイント情報とポイント管理サーバの情報とを格納した2次元コードを、印刷して顧客に提供するステップと、
顧客が、顧客側情報端末を用いて、提供された2次元コードを読み込み、ポイント管理サーバにアクセスして、提供されたポイント情報を入力するステップと、
ポイント管理サーバが、店舗側情報端末から登録されたポイント情報と、ユーザ情報端末から入力されたポイント情報を照合し、顧客側情報端末から入力されたポイント情報が、いずれの顧客にも登録されていない新規な情報であった場合に限り、入力を行った顧客の獲得ポイントとして登録するステップとを備えていることを特徴とする2次元コードを活用したポイント管理方法。
【請求項2】
ポイント管理サーバは、店舗が、ポイント情報を店舗側情報端末を経由して登録した時に、店舗に課金を行うための情報を記憶するステップを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の2次元コードを活用したポイント管理方法。
【請求項3】
店舗が、ポイント情報に加えて、店舗情報と、整理情報と、シリアルIDをポイント管理サーバに入力するステップと、
ポイント管理サーバが、顧客の獲得ポイントを、店舗情報に関連づけて記憶するステップと、
顧客が、獲得したポイントの一部又は全部を指定して共通ポイントに変換する指示を入力した場合に、ポイント管理サーバが、顧客が指定した獲得ポイントを、所定の変換率を乗じて、店舗情報と関連づけられていない共通ポイントに変換するステップとを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元コードを活用したポイント管理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−287347(P2008−287347A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129430(P2007−129430)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(302064614)ファーストドリーム株式会社 (4)
【Fターム(参考)】