説明

二次元バーコード付フレーム切手システム

【課題】著作権は著作物を創作した時点で自動的に権利が発生する。この権利取得の為には何等法的な手続きの必要性はない。但し著作権を譲渡移転が必要とされる場合の為に著作権・登録制度が設けられている。この著作権の登録手続きは文化庁が管轄しているがこの手続きは法的な知識のない一般大衆にとっては大変難しいものとなっている。また著作権は創作した時に自動的に発生するとしてもその創作年月日を公に証明できる簡単な手段がない。さらに著作物を自由に取引する為のシステムが確立していない。
【解決手段】本発明は非常に煩雑な文化庁への著作権登録制度の代わりに日本郵政公社が発行するフレーム切手を利用し、著作者の著作権を保護する情報管理システムを提案する。また著作物情報をインターネットで公開し著作物の取引を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次元バーコードを日本郵政公社が発行するフレーム切手の画像に用いる著作物情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
著作権は著作物を創作した時点で権利が自然に発生する。その場合権利取得のために何等法的な手続きは必要としない。但し著作権を譲渡移転する場合には著作権・登録制度が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この著作権の登録手続きは文化庁が管轄しているがその手続きは法的な知識のない一般大衆にとっては大変難しいものとなっている。また著作権は創作した時に自動的に発生するとしてもその創作年月日を公に証明する簡単な手段がない。
【0004】
そこで本発明は、非常に煩雑な文化庁への著作権登録制度の代わりに日本郵政公社が発行するフレーム切手を利用し著作物の著作権を保護しその内容を公開する著作物情報管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、著作者の著作物情報を二次元バーコードに変換しこれをフレーム切手の画像として使用するものである。
(注記)2006年日本郵政公社では通常切手の一部領域を利用者へ解放しこの領域は利用者が自由にデザインを施し通常切手として使えるサービスを開始した。
図1のAは日本郵政公社のパンフレットから借用したフレーム切手の構成を示すものであり、図1のBはこの写真部分は二次元バーコード画像で形成し日本郵政公社へ制作依頼して制作したものである。
さてこの二次元バーコード画像付きフレーム切手B(以下フレーム切手と略)の利用方法であるが、もし著作者が著作物を創作し著作権の証明を得たい場合にはその書類の上にこれを貼付し郵便ポストへ投函するか、又は郵便局に出向きそこで消印を貰う。この消印が著作権権利発生の日付を証明できる。
一方著作物の権利内容の確認は、フレーム切手を携帯端末例えば携帯電話、PDA等のデジタルカメラで読みとりこの携帯端末に内蔵されている二次元バーコード解析ソフトにより解析しその内容を画面表示し行う。一方著作物は管理組織2で原本管理すると共にその詳細内容は当組織からインターネットで広く告知されている為に2重の権利保護が確立できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を本発明の全体構成を示すシステム概要図2を参照しながら説明する。
本情報システムは主に著作権申請者1、管理組織2、郵便局3、インターネット4、一般閲覧者5から構成される。以下用語の説明を行う。
「著作物」
著作物とは、一般的に著作権法で保護されている文化的な創作物をいい、例えば文芸、学術、美術、音楽などのジャンルの人間の思想、感情を創作的に表現したものである。但し本発明における著作物とはこの範囲をさらに広げて発明考案のアイデア、著作者自身の思想、子孫への伝える家訓、意見、また広く個人の属性情報、例えば職歴、学歴などの個人情報なども含めるものとする。
「管理組織」
管理組織2とは著作物を預かり管理する組織でありここでの業務内容は次のとおりである。
(1)著作権申請者1から寄せられた著作物の保管業務
(2)著作物に関わるフレーム切手作成及びフレーム切手の消印取得
(3)インターネットによる著作物内容の情報公開
以下本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【実施例1】
【0007】
実施例1はこの出願に係わる発明(請求項1に係わる発明をいう)に関するものであり図2のシステム概要図を参照しながら説明する。
「ステップ11:申込・書類の送付・料金支払」
著作権申請者1は著作権を発生させたい書類を管理組織2へ送付する。その方法としては原本を郵送12による方法、または管理組織2が公開しているホームページの投稿サイトへインターネット登録13による方法、その他手渡しなどの方法がある。なおこの著作物登録依頼では、著作権申請者1の著作物は勿論、この著作物に関わる総ての情報、例えば写真、図面等も対象原稿として提出する。併せて管理組織2へ今後この作業に関わる費用を支払う。
「ステップ21:受付・登録作業」
管理組織2は著作権申請者1から提供を受けた著作物原稿を受け取りその後次の作業を行う。
▲1▼画像処理及び登録:インターネットでこの著作物を公開する為に著作物原本をイメージスキャナーを使いながら画像化する。なおこの画像は外部閲覧者による無断転用を避けるためにコピーガード情報や管理情報も併せて画像化する。その後この画像をデータベースシステムへ登録する。なお著作権申請者1がインターネットにて登録を行う場合にはこの画像化の作業は不要となる。
▲2▼原本管理:著作権申請者1から送られてきた原本はナンバリングし破損が無いように厳重に原本管理する。但し場合により原本ではなく写本でもよい。
「ステップ22:フレーム切手作成依頼」
著作権申請者1の著作物を特定する為に、例えば、氏名、管理番号、著作物内容、パスワードなどを情報として二次元バーコードに変換し画像化する。その後この二次元バーコード画像を日本郵政公社で作成したフレーム切手作成申込用紙に貼付しフレーム切手制作を当公社へ申請する。なおこの申請から本切手作成までは約3週間の時間が必要とされる。この時間的な障害を回避する為に管理組織2では仮登録の為に管理情報のみで制作したフレーム切手が前もって制作されている。場合によりこれを一時的に使用する。
「ステップ23:消印取得」
管理組織2は、上記説明したフレーム切手を著作権申請者1から預かった著作物申請書類の適当な場所に貼付し近くの郵便局へ出向きこの書類の上に消印を貰う。
場合によってはこの書類をそのままポストに投函すれば郵便局の方で消印がなされ記名した住所へ配送されその時受け取る事ができる。なおこの消印取得は、1枚の書類だけでは無く複数の書類もコピー作成し同時に消印を得た方が後の利用で便利な場合がある。また書類が複数に分かれたり、大きな書類の場合には改竄防止の為に必要な場所には適宜貼付する。この消印取得作業は、もし当該フレーム切手を著作権申請者1へ事前に渡しておけば、著作権申請者1自身でも行う事ができる。この場合にはこの書類の提出を以てステップ21の申込・書類の送付のステップが実施される。
「ステップ24:切手の管理」
上記日本郵政公社にて制作する当フレーム切手は10枚単位で制作される。従って残余のフレーム切手は必要な枚数を管理組織2で保管し残りは著作権申請者1へ送付する。
「ステップ25:著作物等の送付」
また著作権申請者1の希望により管理組織2は、著作権申請者1の指定する場所へこのフレーム切手貼付の著作物を送付する事もできる。なおこの送付方法は、当著作物を封書の中に入れても良いし、前述したとおりそのまま封書にフレーム切手を添付して送付してもよい。勿論手渡しでもかまわない。この場合の著作物は原本でも良いしこれをコピーした写本でもかまわない。なお原本を著作権申請者1と管理組織2のどちらで管理するかは事前に定めておく。
「ステップ14:受取」
著作権申請者1は管理組織2からの消印付きフレーム切手が貼付された関係書類を受け取り自分で管理する事ができる。また残りのフレーム切手も受取管理する。
「ステップ15:関係者へ配布」
著作権申請者1は、自分の希望により関係者へ消印済みフレーム切手貼付の著作物を、自分の利用目的の為に配布する事ができる。
「ステップ26:インターネット公開」
管理組織2は著作権申請者1から預かり上記作業を行った著作物をインターネットで公開する。公開する情報としては本件著作物画像、説明文、更にもしこの著作物を市場で取引したい場合にはその取引条件等と共に掲示する。なおこの情報公開に際し閲覧権限を設け一般閲覧者の閲覧制限を行う事もできる。この場合にはパスワード管理がなされ、このパスワードの公開は例えばフレーム切手中の二次元バーコードに記載する事もできる。
「ステップ16:インターネット閲覧」
著作権申請者1は、インターネットを通じて当該著作物情報を閲覧し正しく掲示されているかどうかの確認ができる。なおもし不都合があれば管理組織2にクレームを出し訂正して貰う事ができる。
「ステップ51:インターネット閲覧」
管理組織2が公開する著作物情報を載せたホームページは、広く一般大衆が閲覧する事ができる。
「ステップ52:購入申込及び代金支払」
著作権申請者1は、本著作物の市場取引を希望する場合には本インターネットホームページ上に取引条件を示す。もし一般閲覧者5がこの著作物に興味があり購入希望する場合には、本サイトの購入条件従って購入する事ができる。一般閲覧者5は購入手続きを済ませその後管理組織2が指定した金融機関へ代金の振り込みを行う。
「ステップ27:入金管理」
管理組織2は一般閲覧者5からの入金確認後、必要な事務処理と共に本著作物を閲覧者5へ引き渡す。
「ステップ28:代金支払」
管理組織2は著作権申請者1へ閲覧者5から振り込まれた購入代金の一部を事前に両者で契約されたルールに従って支払う。
【実施例2】
【0008】
実施例2はこの出願に係わる発明(請求項2に係わる発明をいう)に関するものである。図3を参照しながら説明する。この発明は二次元バーコード付フレーム切手Bの周りに二次元バーコード画像C及び画像D等を配置し封筒等書類Fに貼付して構成したものである。通常二次元バーコード付フレーム切手B中の二次元バーコードでは登録する情報量は限られている。その為に著作権申請者1が創作した著作物の総ての内容を表現する事は不可能である。従ってこの実施例2の利用方法は二次元バーコード付フレーム切手Bの周りの余白を利用して別の二次元バーコード画像Cや写真や文字等の画像Dを配置しこれらと併せて消印Eを押印する。この事により著作物の内容をより正確に表現できる事を目的としたものである。またこれらの二次元バーコード画像C及び画像D等は何枚あってもよい。またこれらを整理して貼れるように枠組みを印刷したラベルやシートで形成しこれを封筒等の書類に貼り付けたり又は直接封筒等にこの枠組みを印刷して使う事もできる。
なお以上の実施例では当フレーム切手は著作権の発生日取得を目的とする旨説明を行ったが、当フレーム切手は次の発明の効果で記述するように色々な使い方がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明は日本郵政公社が発行するフレーム切手を用い著作権に関わる情報を二次元バーコードに変換して通常の切手として使う点に特徴がある。この切手を著作物の上に貼り郵便局で消印を得る事は当著作物の著作日を公的に証明する事になる。またこの役割は著作物だけでなく、例えば契約書、遺言状などの書類にも広く書類の発行日を証明する手段として利用できる。さらに切手として指定された場所へ郵便物を送ることができる為に、例えば観光旅行の旅行地からこの切手を使って旅行の思い出の記録としても使う事ができるなどなど色々な使い方が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 本発明の第一、第二の実施の形態に関わるフレーム切手の構成を示した説明図である。
【図2】 本発明の第一実施の形態に関わる手順を示すシステム概要図である
【図3】 本発明の第二実施の形態に関わる説明図である
【符号の説明】
【0011】
A 日本郵政公社作成フレーム切手
B 二次元バーコード付フレーム切手
C 二次元バーコード画像
D 画像
E 消印
F 封筒等書類
1 著作権申請者
2 管理組織
3 郵便局
4 インターネット
5 一般閲覧者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日本郵政公社が発行するフレーム切手の一部画像を二次元バーコードで形成し、郵便局の消印を受けた当該フレーム切手貼付書類と、これらを画像処理してコンピュータシステムに登録保管し、その情報をインターネットにより情報公開する事からなる二次元バーコード付フレーム切手システム。
【請求項2】
請求項1に記載のフレーム切手を用い当該切手の周辺に複数の二次元バーコード画像、画像、文字などを配置して形成した請求項1に記載の二次元バーコード付フレーム切手システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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