説明

二次電池の電池管理システムの故障検知方法および電池監視装置

【課題】計測系の故障を容易にかつ迅速に検出することで、電池監視装置が故障したと判定できることを利用した電池管理システムの故障検知方法および電子監視装置を提供する。
【解決手段】複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と、電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置の故障検知方法であって、その電池監視装置は、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を与えるリファレンス電源1を備える計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、その構成部品の少なくとも1部品の故障を、構成部品あるいは電池セルから出力される電圧値の異常として故障検出回路で検出することにより電池監視装置の故障を検知することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の電池管理システムの故障を検知する方法に関するもので、より詳細には、電池管理システムを構成する電池監視装置の故障を検知する故障検知方法と、その故障検知に使用する故障検出回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示すような電池監視装置12を使用して電池の電圧や温度を計測し、その計測値を電池監視装置12からシリアル通信で受け取り、かつシステムの制御をおこなう電池管理装置11とから構成される電池管理システム10において、電池監視装置12における電池セルの電圧を測定する計測系のAD変換機能14(ADコンバータと称される場合もある)やリファレンス電源1(Rf)が故障し、電池管理装置11に異常なデータを送信するとシステムの制御に異常をきたし、安全性や信頼性が損なわれることとなる。
特に、近年電池監視装置の計測系をIC化した計測IC(バッテリスタックモニタICと称する場合もある)が登場しているが、この計測ICが正常に動作しているかの検出は、信頼性向上のためにも重要となっている。
【0003】
そこで、この電池監視装置の計測系や計測ICが故障したときの検出方法としては、電池監視装置の計測系や、この計測ICを2つ並列に接続して、その冗長性を加え、一方が故障しても、残る片方の計測系あるいは計測ICで正常な値を取得すると共に、これらの計測値の差から異常を検出する方法、あるいは電池セル電圧の過電圧や過放電のみをコンパレータで検出する方法などが提案されている。しかし、これらの方法はコストがかかり、また回路も複雑になってしまう欠点を抱えている。
【0004】
また、制御回路の故障検出方法としては、特許文献1に故障検出対象との関係が明白な複数の信号から検出対象を推定し、検出器の結果と比較し、その推定と検出器の結果とに差異が生じた時、検出器の故障を判断する方法が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2には複数の電池セルが直列に接続された蓄電装置の各電池セルの端子間電圧を検出する電圧検出回路の故障検知装置が開示され、その故障判定方法は、所定電圧を超えたと判定された電池セルの端子間電圧が、各電池セルの端子間電圧の総和に基づいて設定された解除判定電圧を下回った場合においても所定電圧以上である状態が継続している場合には、セルの端子間電圧の検出値が異常であると判断して、電圧検出回路に故障が生じていると判定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−137521号公報
【特許文献2】特開2004−177208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電池監視装置に使用される計測系の故障を容易にかつ迅速に検出するという上記課題に鑑みなされたもので、電池監視装置の計測系が電圧を計測するには、AD変換機能(以下、ADコンバータと称する場合もある)およびリファレンス電源が必要であることに着目し、これらの部位の故障が検知されれば、電池監視装置が故障したと判定できることを利用した電池管理システムの故障検知方法、および故障を検知する電池監視装置を提供するものである。
なお、本発明で使用する「計測系」は、少なくともAD変換機能とリファレンス電源を備えるもので、その形態は個々のAD変換機能とリファレンス電源で構成される計測回路、およびこれらの部品をIC化した計測ICを含むものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第一の発明は、複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置の故障検知方法であって、その電池監視装置は、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1を備える計測系と、故障検出回路を少なくとも構成部品に有し、その構成部品の少なくとも1部品の故障を構成部品あるいは電池セルから出力される電圧値の異常として故障検出回路で検出することにより電池監視装置の故障を検知するものである。
【0009】
本発明に係る第二の発明は、第一の発明における故障検出回路が、装置管理用マイクロコントローラに基準電圧を供給するリファレンス電源2と、計測系のリファレンス電源1の電圧値をマイクロコントローラに送るための電圧計測部とから構成される回路で、マイクロコントローラにより計測した計測系のリファレンス電源1の電圧値を、計測系のリファレンス電源1の既知の電圧値と比較して、その電圧値の異常を検出することで電池監視装置の故障を検知するものである。
【0010】
本発明に係る第三の発明は、第一の発明における故障検出回路が、装置管理用マイクロコントローラに基準電圧を供給するリファレンス電源2と、そのリファレンス電源2の電圧値を計測系のAD変換機能に送るための電圧計測部とから構成される回路で、その計測系のAD変換機能で計測したリファレンス電源2の電圧値を、リファレンス電源2の既知の電圧値と比較して、その電圧値の異常を検出することで電池監視装置の故障を検知するものである。
【0011】
本発明に係る第四の発明は、第一の発明における故障検出回路が、マイクロコントローラに接続するリファレンス電源2と、バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値をマイクロコントローラに送るための電圧計測部と、最下位電位電池セルの電圧値を分圧するために最下位電位電池セルと並列に設けられた直列接続の抵抗およびスイッチから構成される回路で、最下位電位電池セルの電圧値を、マイクロコントローラおよび計測ICにより各々計測して、それらの計測値の差を求め、その差と予め設定した閾値との比較によって、電池監視装置の故障を検知するものである。
【0012】
本発明に係る第五の発明は、第一の発明における故障検出回路が、マイクロコントローラに基準電圧を供給するリファレンス電源2と、バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値をマイクロコントローラに送るための電圧計測部と、バッテリスタックの複数の電池セルの各電池セルと計測系のAD変換機能との各計測ライン間に直列に設けられたスイッチと、バッテリスタックの各電池セルと並列に設けられた直列接続の抵抗およびスイッチとから構成される回路で、マイクロコントローラで測定した最下位電位電池セルの電圧値に電池セル数を乗算した値と、計測ICで測定した各電池セルの電圧値を合計した値との差を求め、予め設定した閾値との比較によって、電池監視装置の故障を検知するものである。
【0013】
本発明に係る第六の発明は、第一の発明において第二から第五の発明に記載の少なくとも2以上の故障検知方法を用いて電池監視装置の故障を検知する電池監視装置の故障検知方法である。
【0014】
本発明に係る第七の発明は、複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、その故障検出回路が、マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、計測系のリファレンス電源1の電圧値をマイクロコントローラに送る電圧計測部からなる故障検出回路(1)で、その故障検出回路(1)を用いて構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出して、その構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより電池監視装置の故障を検知するものである。
【0015】
本発明に係る第八の発明は、複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、その故障検出回路は、マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2とリファレンス電源2の電圧値を計測系のAD変換機能に送るための電圧計測部からなる故障検出回路(2)で、その故障検出回路(2)を用いて構成部品から出力される電圧値の異常を検出して構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより電池監視装置の故障を検知するものである。
【0016】
本発明に係る第九の発明は、複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、その故障検出回路は、マイクロコントローラに基準電圧を供給するリファレンス電源2とバッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値を装置管理用マイクロコントローラに送るための電圧計測部からなる故障検出回路(3)で、その故障検出回路(3)を用いて構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出して、構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより電池監視装置の故障を検知するものである。
【0017】
本発明に係る第十の発明は、複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、その故障検出回路は、マイクロコントローラに接続するリファレンス電源2と、バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値をマイクロコントローラに送るための電圧計測部と、前記バッテリスタックの電池セル個々の電圧値をバランスさせるための前記電池セルと並列に設けられた直列接続の抵抗およびスイッチと、前記バッテリスタックを構成する各電池セルと前記計測系のAD変換機能との計測ライン間にスイッチを備えた故障検出回路(4)で、その故障検出回路(4)を用いて構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出して、構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより電池監視装置の故障を検知するものである。
【0018】
本発明に係る第十一の発明は、複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能およびAD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、その故障検出回路は故障検出回路(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも2回路を備える故障検出回路(5)であって、その故障検出回路(5)を用いて構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出してその構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより電池監視装置の故障を検知するものである。
【発明の効果】
【0019】
電池管理システムを構成する電池監視装置の計測系や計測ICの異常を、安価かつ少ない部品で判断ができ、電池管理システムの信頼性をより向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電池管理装置と故障検出回路を持たない電池監視装置とからなる電池管理システムの説明回路図である。
【図2】本発明の第一の故障検出方法を示す図で、(a)は電池監視装置の故障検出回路図、(b)は故障検出フロー図である。
【図3】本発明の第二の故障検出方法を示す図で、(a)は故障検出回路図、(b)は故障検出フロー図である。
【図4】本発明の第三の故障検出方法を示す図で、(a)は故障検出回路図、(b)は故障検出フロー図である。
【図5−1】本発明の第四の故障検出方法を示す図で、(a)、(b)は故障検出回路図である。
【図5−2】(c)は本発明の第四の故障検出方法を示す図で、故障検出フロー図である。
【図6】電池管理装置と故障検出回路を持たない計測系の電池監視装置とからなる電池管理システムの説明回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、図1に示すようなシリアル通信等の伝達手段により結ばれている電池管理装置11と電池監視装置12とからなる電池管理システム10の故障を検知する方法として、電池監視装置12の計測系やマイクロコントローラ15が電圧を計測する際に、計測系を構成する計測IC13に組み込まれているAD変換機能14a(以下、ADコンバータと称すこともある)やリファレンス電源1(Rf)、およびマイクロコントローラ15に基準電圧を供給するリファレンス電源(図示せず)やマイクロコントローラ15に組み込まれているAD変換機能(図示せず、以下ADコンバータと称す場合もある)が、正常に機能していることが必要であることに着目し、これらの部位の故障を検出すれば、電池監視装置12の故障が検知され、したがって電池管理システム10が故障したものと判定できることを利用したものである。
【0022】
なお、本発明における計測系とは、少なくともAD変換機能とリファレンス電源を備えるもので、それぞれ単体で配置、接続された計測回路でも、集積化されてICを形成しているものでも良い。後者の場合、本発明では計測ICと称し、この計測ICにおけるリファレンス電源は、計測ICに組み込まれたものでもよく、また外部に配置して計測ICと接続されているものでもよい。
また、マイクロコントローラ15には、AD変換機能(ADコンバータと称すこともある)とマイクロコントローラの基準電圧を供給するリファレンス電源が内蔵されている。
【0023】
図1において、10は電池管理システム、11は電池管理装置、12は電池監視装置、13は計測系を集積化した計測ICでバッテリスタックモニタICとも呼ばれる。14aは計測IC13に組み込まれたADコンバータ、15はマイクロコントローラ(以下、マイコンと称す)でADコンバータ(図示せず)を備えている。Cell〜Cellはバッテリスタックを構成する電池セル、R〜RおよびSW11〜SW14は各セル(Cell〜Cell)と並列に設けられた抵抗およびスイッチ、Rfはリファレンス電源である。なお、各図において4セルの図にて説明を記載したが、セル数は増減しても問題はない。
【0024】
表1は、電圧測定、特にAD変換における基準電圧を供給するリファレンス電源の動作状態が、マイコン、計測ICでのリファレンス電源の出力電圧の計測値に与える影響を示すものである。この出力電圧の計測においてリファレンス電源を必要とするマイコン、計測IC(バッテリスタックモニタICなど)は、リファレンス電源の動作状態に依存していることがわかる。リファレンス電源が故障している場合には、マイコンあるいは計測IC自体が正常に動作していても、計測される電圧値は異常を示している。表1において、「○」は正常動作、「×」は異常動作(故障)、「×(○)」は、部品自体は正常に動作するが、計測値は異常を示す状態である。
ここで、マイコン、計測ICの故障は主として組み込まれたADコンバータの故障を想定しているが、他の構成部位における故障であってもかまわない。なお、計測IC13の代わりに計測系を用いる場合には、表1中の「マイコン、IC」の項を「マイコン、ADコンバータ」とすることで置き換える。
【0025】
【表1】

【0026】
すなわち、表1からはリファレンス電源あるいはADコンバータを組み込んでいるマイコン、IC(計測IC)が故障していた場合には、計測IC、マイコンは、それら自体に故障がなくても正常な電圧を計測していない。従って、リファレンス電源、ADコンバータのどちらかでも故障している時には、電池監視装置は故障しているものとみなせる。
このAD変換機能(ADコンバータ)やリファレンス電源の故障を検知する本発明の方法を以下に詳細する。これらの方法は、それぞれ単独で用いても良く、あるいは組み合わせて用いても良い。なお、以下では計測系に計測ICを用いた場合の説明を行っているが、個々の部品で構成される計測回路による計測系においても同様に説明できるものである。
【0027】
(第一の故障検出方法)
本発明の第一の故障検出方法を、図2(a)の故障検出回路図と、図2(b)の故障検出フロー図とを参照しながら説明する。
図2(a)は、第一の故障検出方法を具現化した回路図で、図1に示す電池監視装置12のマイコン15に接続するリファレンス電源2(Rf)と、マイコン15によりリファレンス電源1(Rf)の電圧を計測する電圧計測部Mから構成される故障検出回路(1)を設けた構成となっている。
図2(a)においてRfはリファレンス電源1で、計測IC13に組み込まれたもの、あるいは外部に配置され計測IC13と接続されたものでもよい。Rfはリファレンス電源2でマイコン15に内蔵されているリファレンス電源でも、外付けのものでも良い。15はマイコン、Mはマイコンにリファレンス電源1(Rf)の電圧を送るための電圧計測部である。
【0028】
この第一の故障検出方法における故障検出は、図2(b)のフロー図において、先ずマイコン15が、電圧計測部Mを通じてリファレンス電源1(Rf)から出力された電圧値を計測して、その計測値が異常値であるかどうかの判定が行われる。その判定は、マイコン15が計測したリファレンス電源1(Rf)の計測値を、マイコン15にあらかじめ記憶された計測IC13に基準電圧を与えるリファレンス電源1(Rf)の既知の値と比較して行われる。
【0029】
次に、判定がNo、すなわち異常値ではない、つまり正常値であるとの判定の場合には次の計測に移る。一方、判定がYes、すなわち異常値であるとの判定の場合には、電池管理装置11に故障信号が送信されて、次の計測に移る。
この方法では、リファレンス電源1(Rf)が異常な電圧を出力していた場合、リファレンス電源2(Rf)を基準としているマイコン15により検出でき、これによって異常を判定する。もし、このリファレンス電源2(Rf)が異常な電圧を出力している場合には、マイコン15は正常に動作しなくなる(正常なAD変換ができない状態)ことから、計測したリファレンス電源1(Rf)の電圧値も異常な値となり、リファレンス電源1(Rf)の基準となる電圧値との比較により異常と判定される。
【0030】
ここで、故障信号を発生させるタイミングは、ノイズの影響を考慮して任意に設定した複数回連続して異常値が計測された場合、あるいは数秒間継続して発生した場合などの設定を適宜選択するが、以下の各故障検出方法においても同様に適用する。
【0031】
(第二の故障検出方法)
本発明の第二の故障検出方法を、図3(a)の故障検出回路図と、図3(b)の故障検出フロー図とを参照しながら説明する。
図3(a)は、第二の故障検出方法を具現化した回路図で、図1に示す電池監視装置12のマイコン15に接続するリファレンス電源2(Rf)と、計測IC13にリファレンス電源2(Rf)の電圧を送るための電圧計測部Mから構成される故障検出回路(2)を設けた構成となっている。図3(a)においてRfは、リファレンス電源1で計測IC13に組み込まれたもの、あるいは外部に配置され計測IC13と接続されたものでもよい。Rfはリファレンス電源2でマイコン15に内蔵されているリファレンス電源でも、外付けのものでも良く、15はマイコン、Mは計測IC13にリファレンス電源2の電圧値を送るための電圧計測部である。
【0032】
この第二の故障検出方法における故障検出は、図3(b)のフロー図において、先ず計測IC13によるリファレンス電源2(Rf)の電圧値の計測と、その計測値が異常値であるかどうかの判定が行われる。その判定は、計測IC13が計測したリファレンス電源2(Rf)の計測値を、マイコン15にあらかじめ記憶されたマイコン15に基準電圧を与えるリファレンス電源2(Rf)の既知の値と比較して行われる。判定がNo、すなわち正常値であるとの判定の場合には次の計測に戻る。一方、判定がYes、すなわち異常値であるとの判定の場合には、電池管理装置11に故障信号が送信される。
【0033】
この方法では、マイコン15に接続されているリファレンス電源2(Rf)の電圧を計測IC13で測定するため、リファレンス電源2(Rf)が故障して異常な電圧を出力していた場合、リファレンス電源1(Rf)を基準電圧とする計測IC13で検出でき、これによって異常を判定することができる。もし、このリファレンス電源1(Rf)が故障して異常な電圧を出力している場合には、計測IC13は正常に動作しなくなる(正常なAD変換ができない状態)ことから、計測したリファレンス電源2(Rf)の電圧値も異常な値となり、リファレンス電源2(Rf)の基準となる電圧値との比較により異常と判定される。
【0034】
(第三の故障検出方法)
本発明の第三の故障検出方法を、図4(a)の故障検出回路図と、図4(b)の故障検出フロー図とを参照しながら説明する。
図4(a)は、第三の故障検出方法を具現化した回路図で、図1に示す電池監視装置12のマイコン15に接続するリファレンス電源2(Rf)と、バッテリスタックの最下位電位電池セル(Cell)の電圧値をマイコン15に送るための電圧計測部MCから構成される故障検出回路(3)を設けた構成となっている。図4においてRfはリファレンス電源1で、Rfはリファレンス電源2で、マイコン15に内蔵されているリファレンス電源でも、外付けのものでも良い。15はマイコン、MCはマイコン15による最下位電位電池セル(Cell)の電圧計測部である。
したがって、最下位電位電池セル(Cell)の電圧値は、マイコン15および計測IC13の両者で計測されている。
【0035】
この第三の故障検出方法における故障検出は、図4(b)のフロー図において、先ずマイコン15による電圧計測部MCを通じて測定される最下位電位電池セルCellの計測値Aと、計測IC13による最下位電位電池セルCellの電圧の計測値Bとの差を求め、その差が、あらかじめ設定した閾値に対して異常であるかどうかの判定が行われ、判定がNo、すなわち正常であるとの判定の場合には次の計測に移る。一方、判定がYes、すなわち異常判定であるとの判定の場合には、電池管理装置11に故障信号が送信される。
【0036】
この方法では、最下位電位電池セルCellの電圧値を、マイコン15および計測IC13による2種類の方法を使用して計測し、その差を求めることで、設定した閾値から外れた場合には、マイコン15、あるいは計測系や計測IC13などのどちらかのADコンバータの故障を検出することができる。
【0037】
(第四の故障検出方法)
本発明の第四の故障検出方法を、図5(a)および(b)の故障検出回路図と、図5(c)の故障検出フロー図とを参照しながら説明する。
図5(a)、(b)は、第四の故障検出方法を具現化した回路図で、図1に示す電池監視装置12のマイコン15に接続するリファレンス電源2(Rf)と、バッテリスタックの最下位電位電池セル(Cell)の電圧値をマイコン15により計測する電圧計測部MCを設けた図4(a)の電池監視装置に、さらに各電池セル(Cell〜Cell)と計測IC13との計測ライン間に、スイッチSW21〜SW23を備えた故障検出回路(4)を設けた構成となっている。
【0038】
図5(a)、(b)において、Rfはリファレンス電源1で、図1のリファレンス電源Rfと同じものである。Rfはリファレンス電源2で、マイコン15に内蔵されているリファレンス電源でも、外付けのものでも良い。15はマイコン、MCはマイコン15による最下位電位電池セル(Cell)の電圧計測部、R〜RおよびSW11〜SW14は各セル(Cell〜Cell)と並列に設けられた直列接続された抵抗およびスイッチで、バッテリスタックセルを構成する各電池セルの電圧値のばらつきを解消する均等化用回路として備えられているものである。この構成では、最下位電位電池セル(Cell)の電圧値は、マイコン15および計測IC13の両者で計測されている。
【0039】
図5(a)は、各電池セル(Cell〜Cell)と計測IC13の計測ライン間に設けられたスイッチSW21〜SW23が「on」の状態を示し、図5(b)は、それらのSW21〜SW23が「off」の状態を示している。
【0040】
この第四の故障検出方法における故障検出は、図5(c)のフロー図において、先ず図5(b)のようにSW21〜SW23のスイッチを「off」し、グランド(GND)と最上位電位電池セル(図5ではCellを指す)以外のラインを遮断させながら、SW11〜SW14を「on」し、抵抗R〜Rでバッテリ総電圧をセル数分の抵抗で分圧させたときの最下位電位電池セル(Cell)の電圧をマイコン15で計測し、その計測した電圧値にセル数を乗算して計測値Cとする。
【0041】
次に図5(a)のようにSW21〜SW23のスイッチを「on」、およびSW11〜SW14を「off」し、バッテリスタックの全電池セル分を含計して計測値Dを求める。
この計測値Cと計測値Dの差を求め、これらの値が閾値を満足していなかった場合には、故障信号を電池管理装置11に送信する。
【0042】
この方法では、計測値Cと計測値Dの差が閾値を満足していなかった場合には、マイコン15、あるいは計測系や計測IC13のどちらかのADコンバータが、故障していると判定することができる。なお回路の構成に際しては、このスイッチ類および抵抗は、バランサ用(セル均等化制御用)のFETおよび抵抗を用いても良い。
【0043】
以上のように、本発明の故障検出方法を用いることで、電池監視装置の故障を検出できる。ここで、電池監視装置の故障が、どの構成部品で起こっているかについては本発明では、そのすべてを明らかにはできないが、故障時は正常な動作ができないため、安全を優先して停止させ、電池監視装置自体を交換するといった処置を考慮すると、故障が検知できれば良く、その故障部位の特定が不十分であることは問題がないといえる。
【実施例】
【0044】
以下に、本発明の故障検出方法による電池監視装置の故障検知シミュレーションの結果を、それぞれの故障検出方法について示す。
なお、各実施例においては故障を検知する構成部品として、リファレンス電源1(Rf)、マイコン15、計測IC13、リファレンス電源2(Rf)の4部品を対象にした。その動作状態の組み合わせは、表2に示すように16通りの状態が挙げられる。
表3から表7は、電池監視装置の故障判定を示し、その中の「判定モード」の項目は、各故障検出方法(各実施例ごと)に固有のモード付けとなっている。
【0045】
【表2】

【実施例1】
【0046】
(第一の故障検出方法を用いた故障検知)
表3に、第一の故障検出回路(1)を備えた図2(a)の電池監視装置の故障判定を示す。
故障判定に際しては、図2(b)のフローチャートを参照して行った。
【0047】
表3からは、構成部品すべてが正常に動作している場合のみ正常で、故障が検知されないことが示されている。すなわち、マイコン15によるリファレンス電源1(Rf)の計測値を、計測ICの基準電圧を与えるリファレンス電源1(Rf)の既知の値と比較して同じであると判定される場合(No.1−1)である。
一方、リファレンス電源1(Rf)のマイコン15による計測値が、計測IC13に基準電圧を供給するリファレンス電源1(Rf)の電圧値と異なる場合(No.1−5、9、13)、あるいは明らかに異常な値を計測している場合(No.1−3、4、No.1−6〜8、No.1−10〜12、No.1−14〜16)には、何らかの構成部品に故障が生じていることを検出している。一方、計測値がリファレンス電源1(Rf)の電圧値と比較して同じであると判定されているNo.1−2の場合(計測IC13が故障状態)では、計測IC13からマイコン15へ送られる電池セルの電圧の計測値が変動したと認識されるだけなので、第一の故障検出方法では故障であると判定し難いが、例えば計測IC13から送られてくる電池セルの電圧値をマイコン15によってモニターし、電圧値の変動を生じた場合には、「故障に準じるものと」予め規定しておくことによって故障の有無は検出可能である。従って、構成部品の故障による電池監視装置の故障が検知できる。
【実施例2】
【0048】
(第二の故障検出方法を用いた故障検知)
表4に、第二の故障検出回路(2)を備えた図3(a)の電池監視装置の故障判定を示す。
故障判定に際しては、図3(b)のフロー図を参照して行った。
【0049】
表4からは、構成部品すべてが正常に動作している場合のみ正常で、故障が検出されないことが示されている。すなわち、計測IC13によるリファレンス電源2(Rf)の計測値を、マイコンの15の基準電圧を与えるリファレンス電源2(Rf)の電圧値と同じであると判定された場合(No.2−1)である。
一方、リファレンス電源2(Rf)の計測IC13による計測値が、マイコン15に基準電圧を供給するリファレンス電源2(Rf)の電圧値と異なる場合(No.2−2〜5)、あるいは明らかに異常な値を計測している場合(No.2−6〜16)には、何らかの構成部品に故障が生じていることを検出している。また、計測値がリファレンス電源2(Rf)の電圧値と比較して同じであると判定されているNo.2−5の場合では、マイコン15からの送信データが異常となることから故障の有無が判定される。従って、構成部品の故障による電池監視装置の故障が検知できる。
【実施例3】
【0050】
(第三の故障検出方法を用いた故障検知)
表5に、第三の故障検出回路(3)を備えた図4(a)の電池監視装置の故障判定を示す。
故障判定に際しては、図4(b)のフロー図を参照して行った。
【0051】
表5からは、構成部品すべてが正常に動作している場合のみ正常で、故障が検出されないことが示されている。すなわち、マイコン15と計測IC13による最下位電位電池セル(Cell)の計測値A、Bの差が閾値を満足する場合(No.3−1)である。
一方、最下位電位電池セル(Cell)の計測値A,Bの差が閾値を満足せず、かつ各計測値を比較して異なる場合(No.3−2〜4、No.3−5,9,13)、あるいは明らかに異常な値を計測している場合(No.3−6〜8、No.3−10〜12、No.3−14〜16)には、何らかの構成部品に故障が生じていることを検出している。従って、構成部品の故障による電池監視装置の故障が検知できる。
【実施例4】
【0052】
(第四の故障検出方法を用いた故障検知)
表6に、第四の故障検出回路(4)を備えた図5(a)の電池監視装置の故障判定を示す。
故障判定に際しては、図5(c)のフローチャートを参照して行った。
【0053】
表6からは、構成部品すべてが正常に動作している場合のみ正常で、故障が検出されないことが示されている。すなわち、マイコン15と計測IC13による計測値C、Dの差が、設定した閾値を満たしていると判定される場合である(No.4−1)。
一方、その差が閾値を満たさない場合には、何らかの構成部品に故障が生じていることを検出している。従って、構成部品の故障による電池監視装置の故障が検知できる。
【実施例5】
【0054】
(複数の故障検出方法を用いた故障検知)
第一、第二および第三の故障検出方法を組み合わせた場合の電池監視装置の故障判定を表7に示す。
【0055】
表7からは、構成部品すべてが正常に動作している場合のみ正常で、故障が検知されないことが示されている。すなわち、マイコン15によるリファレンス電源1(Rf)の計測値、および計測IC13によるリファレンス電源2の計測値が、それぞれの基準電圧を与えるリファレンス電源1(Rf)、リファレンス電源2(Rf)の電圧値と比較して正常状態を示し、かつ最下位電位電池セル(Cell)の計測値A、Bの差が閾値を満足する場合(No.5−1)である。
一方、それ以外の最下位電位電池セル(Cell)の計測値A、Bの差が閾値を満足しない場合(No.5−2〜16)では、何らかの構成部品に故障が生じていることを検出している。従って、構成部品の故障による電池監視装置の故障が検知できる。
【0056】
さらに、表7からは判定モードにより、どの構成部品が故障しているかの情報が断片的ではあるがより得ることもできる。すなわち、計測IC13によるリファレンス電源2(Rf)の計測値が異常値を示し、マイコン15によるリファレンス電源1(Rf)の計測値が正常値で、計測値A、Bの差が閾値を満たさない「判定モード2」では、計測ICの故障が特定される。また、マイコン15による計測値が異常値を示し、計測ICによる計測値が正常値で、計測値A、Bの差が閾値を満たさない「判定モード3」(判定モード2の逆)では、マイコンの故障が特定される。その他の場合には、少なくとも1部品以上の部品が故障していることが推定できる。
【0057】
以上、実施例1から実施例5で述べたように、本発明の故障検出方法によれば電池監視装置の故障の有無を検知することができ、さらにその故障部位の一部特定を可能とするものである。
【0058】
【表3】

【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
【表7】

【符号の説明】
【0063】
10 電池管理システム
11 電池管理装置
12 電池監視装置
13 計測IC
14 AD変換機能(ADコンバータ)
14a 計測IC組み込みADコンバータ
15 マイクロコントローラ(マイコン)
Cell1〜4 電池セル
、M、MC 電圧計測部
Rf リファレンス電源
Rf リファレンス電源1
Rf リファレンス電源2
1〜4 抵抗
SW11〜14、SW21〜23 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と、電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置の故障検知方法であって、
前記電池監視装置は、装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能および前記AD変換機能に基準電圧を与えるリファレンス電源1を備える計測系と、故障検出回路を少なくとも構成部品に有し、
前記構成部品の少なくとも1部品の故障を、前記構成部品あるいは前記電池セルから出力される電圧値の異常として故障検出回路で検出することにより前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする電池監視装置の故障検知方法。
【請求項2】
前記故障検出回路が、前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、前記計測系のリファレンス電源1の電圧値を前記マイクロコントローラに送るための電圧計測部からなり、
前記電圧計測部を通して送られ、前記マイクロコントローラにより計測された前記計測系のリファレンス電源1の電圧値を、前記計測系のリファレンス電源1の既知の電圧値と比較して、前記電圧値の異常を検出することで、前記電池監視装置の故障を検知する請求項1に記載の電池監視装置の故障検知方法。
【請求項3】
前記故障検出回路が、前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、前記リファレンス電源2の電圧値を前記計測系のAD変換機能に送るための電圧計測部からなり、
前記電圧計測部を通して送られ、前記計測系のAD変換機能で計測された前記リファレンス電源2の電圧値を、前記リファレンス電源2の既知の電圧値と比較して、前記電圧値の異常を検出することで、前記電池監視装置の故障を検知する請求項1に記載の電池監視装置の故障検知方法。
【請求項4】
前記故障検出回路が、前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、前記バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値を前記マイクロコントローラに送るための電圧計測部と、前記最下位電位電池セルと並列に設けられた直列接続の抵抗およびスイッチからなり、
前記最下位電位電池セルの電圧値を、前記マイクロコントローラおよび計測ICにより各々計測し、それらの計測値の差を求め、その差と予め設定した閾値との比較により、前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする請求項1に記載の電池監視装置の故障検知方法。
【請求項5】
前記故障検出回路が、前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値を前記マイクロコントローラに送るための電圧計測部と、前記複数の電池セルの各電池セルと計測系との各計測ライン間に直列に設けられたスイッチと、各電池セルと並列に設けられた直列接続の抵抗およびスイッチからなり、
前記マイクロコントローラで測定した最下位電位電池セルの電圧値に電池セル数を乗算した値と、計測系で測定した各電池セルの電圧値を合計した値との差を求め、予め設定した閾値との比較により、前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする請求項1に記載の電池監視装置の故障検知方法。
【請求項6】
請求項2から請求項5に記載の故障検知方法の少なくとも2以上の故障検出方法を用いて電池監視装置の故障を検知することを特徴とする請求項1記載の電池監視装置の故障検知方法。
【請求項7】
複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、
装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能および前記AD変換機能に基準電圧を供給するリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、
前記故障検出回路が、前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、前記計測系のリファレンス電源1の電圧値を前記マイクロコントローラに送るための電圧計測部からなる故障検出回路(1)で、
前記故障検出回路(1)を用いて前記構成部品から出力される電圧値の異常を検出して、前記構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする電池監視装置。
【請求項8】
複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、
装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能および前記AD変換機能に基準電圧を与えるリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、
前記故障検出回路は、前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と前記リファレンス電源2の電圧値を前記計測系のAD変換機能に送るための電圧計測部からなる故障検出回路(2)で、
前記故障検出回路(2)を用いて前記構成部品から出力される電圧値の異常を検出して前記構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする電池監視装置。
【請求項9】
複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、
装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能および前記AD変換機能に基準電圧を与えるリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、
前記故障検出回路は、
前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、
前記バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値をマイコン15に送るための電圧計測部とからなる故障検出回路(3)で、
前記故障検出回路(3)を用いて前記構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出して、前記構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする電池監視装置。
【請求項10】
複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、
装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能および前記AD変換機能に基準電圧を与えるリファレンス電源1からなる計測系と、故障検出回路を構成部品に有し、
前記故障検出回路は、
前記マイクロコントローラに基準電圧を与えるリファレンス電源2と、
前記バッテリスタックの最下位電位電池セルの電圧値を前記マイクロコントローラに送るための電圧計測部と、
前記バッテリスタックの電池セル個々の電圧値を分圧する前記電池セルと並列に設けられた直列接続の抵抗およびスイッチと、
前記バッテリスタックを構成する各電池セルと前記計測系のAD変換機能との計測ライン間にスイッチを備えた故障検出回路(4)で、
前記故障検出回路(4)を用いて前記構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出して、前記構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする電池監視装置。
【請求項11】
複数の電池セルから構成されるバッテリスタックの電池監視装置と電池管理装置から構成される電池管理システムにおける電池監視装置であって、
装置管理用マイクロコントローラと、少なくともAD変換機能および前記AD変換機能に基準電圧を与えるリファレンス電源1からなる計測系と、
前記故障検出回路(1)、(2)、(3)、(4)の少なくとも2回路を備える故障検出回路(5)で、
前記故障検出回路(5)を用いて前記構成部品および電池セルから出力される電圧値の異常を検出して、前記構成部品の少なくとも1部品の故障を検出することにより前記電池監視装置の故障を検知することを特徴とする電池監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−232171(P2011−232171A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102678(P2010−102678)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】