説明

二次電池交換方法および交換用二次電池取得装置

【課題】組電池を構成する二次電池を交換する際に、当該組電池の性能をよりよく引き出すことができるようにする。
【解決手段】組電池10(組電池)を構成する電池モジュール(二次電池)を交換する際、制御部350が、組電池10の具備する残りの電池モジュールの使用履歴や特性に基づいて、当該残りの電池モジュールの特性に近い特性を有する電池モジュールを、在庫電池群40の収納する電池モジュールから選択する。適当な電池モジュールが無い場合は、電池処理装置20が、電池モジュールに対するエージング処理を行うことにより、当該残りの電池モジュールの特性に近い特性を有する電池モジュールを生成する。組電池10の具備する電池モジュールの特性を揃えることにより、組電池10の性能をよりよく引き出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池を構成する二次電池に関する二次電池交換方法、および、当該二次電池交換方法における交換用の二次電池を取得する交換用二次電池取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の二次電池が直列接続された組電池に対して充放電を繰り返すと、最大充電電圧などの電池特性にばらつきが生じることが知られており、幾つかの関連技術が提案されている。
例えば、セル電圧のばらつきによる過充電や過放電を防止するために、セル毎の電圧を測定する必要がある。このセル毎の電圧の測定に関し、特許文献1に記載のセル電圧検出装置は、第1ステップとしてフライングキャパシタ回路の作用により、多セルを直列した組電池の対地電位の異なる任意のセルについてコンデンサをセル電圧に充電し、第2ステップとしてフライングキャパシタ回路のコンデンサと放電回路と電圧比較器の作用により、セル電圧に充電されたコンデンサの電圧が減衰してしきい電圧に到達する時間に対応するパルス幅のパルスを得、第3ステップとして該パルス幅の時間計測手段と演算手段の作用により、セル電圧のディジタル値を得る。これにより、計測単位とするセルの直列個数を自由に設定でき、高精度のA/D変換器を必要とせず、かつ、高精度でセル電圧を検出できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−204141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池特性のばらつきは、組電池を構成する二次電池を交換する際にも問題となりうる。例えば、組電池を構成する二次電池に異常等が生じて当該二次電池を交換する際、当該組電池に新たに組み込まれる二次電池と、元々組み込まれている二次電池との特性の違いにより、組電池の性能を充分に引き出すことができないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、組電池を構成する二次電池を交換する際に、当該組電池の性能をよりよく引き出すことのできる二次電池交換方法および交換用二次電池取得装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による二次電池交換方法は、組電池を構成する二次電池の特性を取得する第1の特性取得ステップと、前記第1の特性取得ステップで取得した特性に基づいて前記二次電池の交換の要否を判定する交換要否判定ステップと、前記交換要否判定ステップで要交換と判定された二次電池に対する交換用二次電池が有するべき特性を取得する第2の特性取得ステップと、前記第2の特性取得ステップで取得した特性に基づいて交換用二次電池を取得する交換用二次電池取得ステップと、前記交換用二次電池取得ステップで取得した二次電池を、前記交換要否判定ステップで要交換と判定された二次電池と交換する交換ステップと、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様による二次電池交換方法は、上述の二次電池交換方法であって、前記交換用二次電池取得ステップは、前記第2の特性取得ステップで取得した特性に基づいて交換用二次電池を選択する交換用二次電池選択ステップを具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様による二次電池交換方法は、上述の二次電池交換方法であって、前記交換用二次電池取得ステップは、前記第2の特性取得ステップで取得した特性に基づいて二次電池に対してエージング処理を行って、交換用二次電池を生成するエージング処理ステップを具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様による二次電池交換方法は、上述の二次電池交換方法であって、前記第2の特性取得ステップにて、優先順位を有する複数の特性を取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様による二次電池交換方法は、上述の二次電池交換方法であって、前記交換用二次電池選択ステップにて、複数の特性のうち、エージング処理を行った場合に変化し難い特性ほど優先的に、前記交換用二次電池の選択に反映させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様による二次電池交換方法は、上述の二次電池交換方法であって、前記交換用二次電池選択ステップは、前記組電池に含まれる二次電池の使用履歴と、前記交換用二次電池の候補の二次電池の使用履歴とを取得する使用履歴取得ステップと、前記交換用二次電池の候補の二次電池のうち、前記使用履歴取得ステップにて取得した使用履歴が、前記組電池に含まれる二次電池の使用履歴と一致する二次電池を選択する使用履歴一致二次電池選択ステップと、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様による交換用二次電池取得装置は、交換用二次電池が有するべき特性を取得する特性取得部と、前記特性取得部の取得した特性に基づいて交換用二次電池を取得する交換用二次電池取得部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、組電池を構成する二次電池を交換する際に、当該組電池の性能をよりよく引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における組電池システムの概略構成を示す構成図である。
【図2】同実施形態における放電プロファイルの例を示すグラフである。
【図3】同実施形態において、制御部の予め記憶する、電池モジュールの内部抵抗と容量との相関関係の例を示すグラフである。
【図4】同実施形態の組電池システムにおける電池交換の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における組電池システム1の概略構成を示す構成図である。同図において、組電池システム1は、組電池10と、電池処理装置20と、在庫電池管理サーバ装置30と、在庫電池群40とを具備する。組電池10は、電池モジュール110−1〜110−mと、BMU(Battery Management Unit)120とを具備する。電池処理装置20は、サーバ通信部210と、電池通信部220と、充放電実行部230と、電池特性取得部240と、制御部250とを具備する。在庫電池管理サーバ装置30は、通信部310と、制御部350と、在庫電池管理データベース(DB)360とを具備する。在庫電池群40は、電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)を具備する。また、電池モジュール110−1〜110−(m+n)の各々は、セル111と、CMU(Cell Management Unit)112とを具備する。
【0016】
組電池10は、セルが組み合わされて構成される二次電池である。組電池10の用途は様々なものであってよく、例えば、太陽発電や風力発電などにおける電力安定供給用の蓄電装置に用いられる二次電池であってもよいし、フォークリフトやクレーン等の作業用機器に用いられる二次電池であってもよい。
電池モジュール110−1〜110−(m+n)の各々は、パッケージ(ひと纏まり)化されている二次電池である。組電池10の具備する二次電池の交換が行われる際は、電池モジュール単位で交換が行われる。
【0017】
セル111は、単体の二次電池である。セル111としては、リチウムイオン電池や鉛電池など、様々な二次電池を用いることが出来る。
なお、電池モジュール110−1〜110−(m+n)が、それぞれ1つのセル111を具備するようにしてもよいし、複数のセル111を具備するようにしてもよい。電池モジュール110−1〜110−(m+n)が、複数のセル111を具備する場合、当該複数のセル111が直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせて接続されていてもよい。
【0018】
CMU112は、電池モジュール毎に備えられ、当該電池モジュールの具備する各セル111の状態監視や充電バランスを取るなどの制御を行う。また、CMU112は、記憶デバイスを有し、後述する照合用コードなどのデータを記憶する。
BMU120は、組電池10の具備する各電池モジュールのCMU112との間でデータをやりとりして各電池モジュールを制御する。
【0019】
電池処理装置20は、電池モジュールに対する処理を行う装置であり、電池モジュールから、後述する照合用コードなどの各種情報を読み出し、また、電池モジュールに照合用コードや設定情報などの各種情報を書き込み、また、電池モジュールに対して充放電を行わせるエージング処理を行うなど、各種処理を行う。
【0020】
サーバ通信部210は、在庫電池管理サーバ装置30の通信部310との間で通信を行う。
電池通信部220は、電池モジュールのCMU112からの情報の読出や、CMU112への情報の書込を行う。特に電池通信部220は、電池モジュールのCMU112から後述する照合用コードを読み出し、また、CMU112に照合用コードを書き込む。
情報の読み書きは、例えば、電池処理装置20が所定の位置に有する信号用接続端子を通じて行われる。当該所定の位置に電池モジュールが積載されて、電池処理装置20側の信号用接続端子と電池モジュール側の信号用接続端子とが接続されることにより、電池通信部220は、CMU112に対する情報の読み書きを行えるようになる。
【0021】
充放電実行部230は、電池モジュールに充放電を行わせる。当該充放電により、充放電実行部230は、電池モジュールの特性を変化させるエージング処理や、電池モジュールの電池電圧の調整を行う。
電池モジュールの充放電は、例えば、電池処理装置20が所定の位置に有する電力用接続端子を通じて行われる。当該所定の位置に電池モジュールが積載されて、電池処理装置20側の電力用接続端子と電池モジュール側の電力用接続端子とが接続されることにより、充放電実行部230は、電池モジュールへの電力供給(電池モジュールへの充電)や、電池モジュールからの電力取得(電池モジュールの放電)を行えるようになる。
【0022】
電池特性取得部240は、電池モジュールの電池電圧や容量(満充電時における充電量)や内部抵抗などの特性情報を取得する。具体的には、電池特性取得部240は、上述した電力用端子を通じて、所定の位置に積載された電池モジュールの特性を測定する。あるいは、電池モジュールのCMU112が当該電池モジュールの特性を測定して記憶し、電池特性取得部240が、CMU112から特性情報を読み出すなど、電池特性取得部240が特性を測定する以外の方法で特性を取得するようにしてもよい。
【0023】
制御部250は、電池処理装置20の各部を制御する。特に、制御部250は、サーバ通信部210を介して、在庫電池管理サーバ装置30との間で情報の送受信を行う。また、制御部250は、電池通信部220を介して、電池モジュールのCMU112に対する情報の読み書きを行う。また、制御部250は、充放電実行部230を制御して、電池モジュールに対するエージング処理や電池電圧の調整を行わせる。
【0024】
在庫電池管理サーバ装置30は、在庫電池群40の具備する電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)の各々について、電池電圧や容量や内部抵抗などの特性情報を予め記憶しており、電池処理装置20から送信される情報に基づいて、組電池10の電池モジュールに対する交換用電池モジュールを選択する。
【0025】
通信部310は、電池処理装置20のサーバ通信部210との間で通信を行う。
在庫電池管理データベース360は、在庫電池群40の具備する電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)の各々について、電池電圧や容量や内部抵抗などの特性情報を予め記憶する。当該特性情報は、例えば、電池モジュールが在庫電池群40に収納される際に、組電池システム1の管理者によって在庫電池管理データベース360に書き込まれる。
制御部350は、在庫電池管理サーバ装置30の各部を制御する。特に、制御部350は、組電池10の電池モジュールが交換される際に、交換用に用いられる電池モジュールの有するべき特性を、電池通信部220を介して電池処理装置20から取得し、取得した特性に基づいて在庫電池管理データベース360を検索して、組電池10の電池モジュールとの交換用に用いられる電池モジュール(交換用電池モジュール)を決定する。
【0026】
在庫電池群40は、例えば電池モジュールの収納庫であり、電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)を収納する。在庫電池群40の収納する電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)は、組電池10の具備する電池モジュール110−1〜110−mのいずれかを交換する際に、交換用電池モジュールの候補となる。
なお、電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)は、複数の場所に分けて収納されていてもよい。例えば、在庫電池群40が複数の収納庫から構成され、各収納庫に電池モジュールが収納されていてもよい。
【0027】
電池処理装置20と在庫電池管理サーバ装置30とは、交換用電池取得装置を構成する。
すなわち、まず、制御部250が、特性取得部を構成する。具体的には、制御部250は、電池通信部220を介して電池モジュールのCMU112から交換用電池モジュールの有するべき特性を読み出す。これにより、制御部250(特性取得部)は、交換用電池モジュール(交換用二次電池)が有するべき特性を取得する。
【0028】
また、制御部350と充放電実行部230とが、交換用電池取得部を構成する。具体的には、まず、制御部350が在庫電池群40の具備する電池モジュールの中から交換用に用いられる電池モジュールを選択し、充放電実行部230が、制御部350の選択した電池モジュールに対して、必要に応じてエージング処理や電池電圧の調整を行う。これによって、制御部350および充放電実行部230(交換用電池取得部)は、交換用電池モジュール(交換用二次電池)を取得する。
【0029】
次に、在庫電池管理サーバ装置30による交換用電池モジュールの選択について説明する。在庫電池管理サーバ装置30(制御部350)は、交換用電池モジュールが有するべき、使用履歴と、放電プロファイルと、内部抵抗と、容量とを示す情報を、電池処理装置20から取得し、当該情報に基づいて、在庫電池群40の収納する電池モジュールの中から、交換用電池モジュールを選択する。
【0030】
使用履歴は、当該電池モジュールが、これまでに組み込まれた(使用された)装置の種類を示す情報であり、交換用電池モジュールの候補を絞り込むために用いられる。
ここで、同様の使用履歴を有する電池モジュールは同様の特性を有することを期待できる。例えば、フォークリフトの駆動用電源として用いられた二次電池と、太陽光発電設備の発電出力平滑化装置に用いられた二次電池とでは、使用環境の気温や充放電パターン等の違いから、特性に違いが生じることが考えられる。
【0031】
そこで、制御部350は、容量や内部抵抗等の特性に基づく交換用電池モジュールの選択の前段階における候補絞込みとして、例えば、組電池10の具備する各電池モジュール110の使用履歴(例えば、「フォークリフト」、「発電出力平滑化装置」など)のうち最頻のもの(Mode)と同じ使用履歴を有する電池モジュールを、在庫電池群40の収納する電池モジュールの中から選択する。
【0032】
放電プロファイルは、電池モジュールの充電状態と特性との関係を示す情報である。
図2は、放電プロファイルの例を示すグラフである。同図の横軸は、放電積算量(放電電流の時間方向における積算量)を、満充電の状態における値を0%とし、完全に放電した状態における値を100%とした相対値にて示す。また、同図の縦軸は、電池電圧(起電力)を、完全に放電した状態における値を0%とし、満充電の状態における値を100%とした相対値にて示す。放電積算量は、充電状態を示す情報の一例であり、電池電圧は、特性を示す情報の一例である。
また、同図の線L11は、新しい(製造直後の)電池モジュールの放電プロファイルの例を示し、線L12は、ある程度劣化の進んだ電池モジュールの放電プロファイルの例を示し、線L13は、寿命末期の電池モジュールの放電プロファイルの例を示す。
【0033】
放電プロファイルは、例えば、CMU112が、自らの電池モジュールの放電積算量と内部抵抗とを定期的に測定および算出し、記憶しておくことにより生成する。そして、電池モジュールの交換が行われる際に、BMU120が、組電池10の具備する電池モジュールのうち、要交換電池モジュール以外の電池モジュール(以下、「残りの電池モジュール」と称する)のCMU112から放電プロファイルを読み出し、これら放電プロファイルの最頻値(Mode)を算出して、交換用電池モジュールが有するべき放電プロファイルとして要交換電池モジュールのCMU112に書き込む。
【0034】
制御部350が、放電プロファイルに基づいて交換用電池モジュールを選択することにより、電池モジュールの特性をより詳細に比較して、より適切な交換用電池モジュールを選択することができる。
【0035】
なお、交換用電池モジュールが有するべき放電プロファイルは、各電池モジュールの放電プロファイルの最頻値に限らない。例えば、BMU120が、各電池モジュールの放電プロファイルの平均値または中央値(Median)を算出し、交換用電池モジュールが有するべき放電プロファイルとして要交換電池モジュールのCMU112に書き込むようにしてもよい。上述したように最頻値を用いることにより、組電池10の具備する残りの電池モジュールの中に、他の電池モジュールと大きく異なる放電プロファイルを有する電池モジュールが含まれる場合に、当該電池モジュールの放電プロファイルの影響を受けずに、多くの電池モジュールの放電プロファイルに類似する放電プロファイルを、交換用電池モジュールが有するべき放電プロファイルとすることができる。
【0036】
なお、制御部350の取得する放電プロファイルは、図2に示すような各放電積算量に電池電圧を対応付けたデータに限らず、電池モジュールの充電状態と特性との関係を示す情報であればよい。例えば、CMU112が、同図の電圧V、Vのそれぞれに対応する放電積算量を算出し、当該区間における変化率(例えば、放電プロファイルが線L11に示すものである場合、点Pと点Pとを結ぶ線分の傾き)を放電プロファイルとして算出および記憶するなど、実用電圧として規定されている電圧区間内における、電池モジュールの特性の変化率を示す指標値を、放電プロファイルとして用いるようにしてもよい。
【0037】
制御部350の取得する内部抵抗は、電池モジュール交換時における、組電池10の具備する残りの電池モジュールの内部抵抗である。制御部350がこの内部抵抗を取得するために、例えば、各電池モジュールのCMU112が当該電池モジュールの内部抵抗を測定し記憶しておく。そして、BMU120が、各CMU112から内部抵抗を読み出して、要交換電池モジュールのCMU112に書き込む。なお、放電プロファイルの場合と同様、BMU120が要交換電池モジュールのCMU112に書き込む内部抵抗は、各電池モジュールの内部抵抗の最頻値(Mode)であってもよいし、平均値または中央値(Median)であってもよい。
【0038】
制御部350の取得する容量は、内部抵抗の場合と同様、電池モジュール交換時における、組電池10の具備する残りの電池モジュールの容量であり、例えば、各電池モジュールのCMU112が当該電池モジュールの容量を測定し記憶しておく。そして、BMU120が、各CMU112から容量を読み出して、要交換電池モジュールのCMU112に書き込む。なお、内部抵抗の場合と同様、BMU120が要交換電池モジュールのCMU112に書き込む容量は、各電池モジュールの容量の最頻値(Mode)であってもよいし、平均値または中央値(Median)であってもよい。
【0039】
制御部350は、在庫電池群40の収納する電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)に対して、上述した使用履歴に基づく絞込みを行い、得られた候補の中から、交換用電池モジュールの有するべき特性を有する電池モジュールを、交換用電池モジュールとして選択する。
ここで、交換用電池モジュールの有するべき特性は、残りの電池モジュールの特性に基づく所定の範囲(例えば、残りの電池モジュールの内部抵抗の最頻値を中心とする一定値以内の範囲)として設定される。当該交換用電池モジュールの有するべき特性は、例えば制御部350が、残りの電池モジュールの特性に基づいて算出する。
【0040】
なお、交換用電池モジュールの有するべき特性を有する電池モジュールが複数存在する場合、例えば、制御部350は、交換用電池モジュールの有するべき特性により近い特性を有する電池モジュールを、交換用電池モジュールとして選択する。
【0041】
一方、交換用電池モジュールの有するべき特性を有する電池モジュールが、候補の中に無い場合、在庫電池管理サーバ装置30が、比較的劣化していない電池モジュールを選択し、電池処理装置20が、当該電池モジュールに対してエージング処理を行うことにより、交換用電池モジュールの有するべき特性を有する電池モジュールを生成する。
この場合、制御部350は、電池モジュールの容量と内部抵抗との相関関係を予め記憶しておき、当該相関関係に基づいて、エージング処理後の電池モジュールの特性を予測する。そして、制御部350は、交換用電池モジュールの有するべき特性を得られると予測される電池モジュールを、候補の中から選択する。
【0042】
図3は、制御部350の予め記憶する、電池モジュールの内部抵抗と容量との相関関係の例を示すグラフである。同図の横軸は、電池モジュールの内部抵抗を、製造直後における値を100%とする相対値にて示す。また、同図の縦軸は、電池モジュールの容量を、製造直後における値を100%とする相対値にて示す。
また、同図の線L21、L22は、それぞれ、内部抵抗と容量との相関関係(エージング処理による劣化パターン)を示す。制御部350は、線L21およびL22以外にも、容量と内部抵抗との様々な組み合わせについて、同様の相関関係を予め記憶しておく。これらの相関関係は、例えば、電池モジュールに対して実際にエージング処理を行い、容量および内部抵抗を測定することにより得られる。
【0043】
また、制御部350は、電池モジュールを選択する際の優先順位として、エージング処理によって変化しにくい特性の優先順位を高くするよう設定されている。
例えば、リチウムイオン電池等の二次電池において、一般に、内部抵抗と容量とでは、内部抵抗のほうが変化(劣化)し難い傾向にある。そこで、制御部350は、まず、内部抵抗(比較的劣化し難い特性)が、交換用電池モジュールの有するべき内部抵抗以下の(すなわち、劣化の度合いが小さい)電池モジュールに対して、内部抵抗の大きい順(すなわち、交換用電池モジュールの有するべき特性に近い順)の順序付けを行う。このように、制御部350は、エージング処理を行った場合に変化し難い特性ほど優先的に、交換用電池モジュールの選択に反映させる。
【0044】
そして、制御部350は、この順序付けに従って(すなわち、内部抵抗の大きい順に)、エージング処理によって、交換用電池モジュールの有するべき内部抵抗および容量の範囲内とすることが可能か否かを判定し、可能と判定した電池モジュールを交換用電池モジュールとして選択する。
その後、電池処理装置20(サーバ通信部210の制御に従う充放電実行部230)が、制御部350の選択した電池モジュールに対してエージング処理を行って、当該電池モジュールの内部抵抗および容量を、交換用電池モジュールの有するべき内部抵抗および容量に変化させる。
【0045】
このように、組電池システム1は、組電池10の具備する電池モジュールを交換する際に、残りの電池モジュールの特性に近い特性の電池モジュールを交換用電池モジュールとして用いる。これにより、組電池システム1は、電池モジュールの交換後において、組電池10の具備する電池モジュールの特性を揃え、組電池10の性能をよりよく引き出すことができる。
【0046】
また、制御部350が交換用電池モジュールとして選択した電池モジュールに対して、電池処理装置20がエージング処理を行うことにより、在庫電池群40の収納する電池モジュールの中に、残りの電池モジュールの特性に近い特性の電池モジュールが無い場合でも、適切な交換用電池モジュールを取得し得る。これにより、組電池システム1は、電池モジュールの交換後において、組電池10の具備する電池モジュールの特性を揃え、組電池10の性能をよりよく引き出すことができる。
【0047】
また、電池処理装置20がエージング処理を行う際、制御部350は、電池モジュールの特性に設定された優先順位に従って、エージング処理を行う電池モジュールを選択する。具体的には、制御部350は、変化し難い特性が、交換用電池モジュールの有するべき特性に近い電池モジュールを選択する。
ここで、変化し難い特性が交換用電池モジュールの有するべき特性に近い電池モジュールほど、この変化し難い特性を、交換用電池モジュールの有するべき特性に変化させ得ることを期待できる。従って、制御部350が、適切な電池モジュールをより速く選択できることを期待できる。
【0048】
次に、図4を参照して、組電池システム1の動作について説明する。
図4は、組電池システム1における電池交換の処理手順を示すフローチャートである。組電池システム1は、例えば定期的に同図の処理を開始する。
まず、電池モジュール110−1〜110−mの具備する各CMU112が、CMU112自らの電池モジュールの具備するセル111の各々の、電池電圧や容量等の特性を取得する。そして、自らの電池モジュールの交換要否を判定し、判定結果をBMU120に出力する。各CMU112からの判定結果の出力を受けたBMU120は、当該判定結果に従って、交換が必要な電池モジュールを検出する(ステップS101)。
【0049】
そして、BMU120は、当該検出結果に従って、交換が必要な電池モジュールの有無を判定し(ステップS102)、交換が必要な電池モジュール無しと判定した場合(ステップS102:No)、同図の処理を終了する。
一方、交換が必要な電池モジュール有りと判定した場合(ステップS102:Yes)、BMU120は、ステップS101で検出した交換が必要な電池モジュール(以下、「要交換電池モジュール」と称する)のCMU112に照合用コードを書き込む(ステップS111)。
【0050】
ここで、照合用コードは、電池モジュールが正統なもの(組電池システム1の管理者が組電池10での使用を承認しているもの)か否かを識別するための符号である。組電池10に用いられる電池モジュールの特性にばらつきが生じると、組電池10の性能を充分に引き出せなくなるおそれがあることから、無権限者による電池モジュールの交換を防止するために、照合用コードが用いられる。
【0051】
また、BMU120は、交換用電池モジュール(要交換電池モジュールに代えて組電池10に組み込まれる電池モジュール)が有するべき特性を示す情報として、組電池10の具備する残りの電池モジュールの、放電プロファイルや電池電圧や容量や内部抵抗などの特性を示す情報をCMU112に書き込む。
その際、BMU120が、これらの情報を含む照合用コードを生成してCMU112に書き込む。あるいは、BMU120が、照合用コードとは別にこれらの情報をCMU112に書き込むようにしてもよい。
また、BMU120がCMU112に書き込むこれらの情報は、各電池モジュールにおける測定値の最頻値であってもよいし、平均値または中央値であってもよい。あるいは、BMU120が、測定値そのものをCMU112に書き込み、制御部250または制御部350が、最頻値、平均値または中央値を算出するようにしてもよい。
【0052】
次に、組電池10の充放電が停止され、要交換電池モジュールが、組電池10から抜き出されて、電池処理装置20の所定の位置に積載される(ステップS112)。当該処理は、例えば保守作業者が手作業で行う。あるいは、組電池10または電池処理装置20がロボットアーム等の搬送手段を具備して自動で行うようにしてもよい。
また、電池処理装置20は、上記所定の位置に、電池モジュールとの、通信用接続端子および電力用接続端子を有する。この通信用接続端子を通じて、電池処理装置20は、当該所定の位置に積載された電池モジュールのCMU112に対して情報の書込や読出を行うことができる。また、この電力用接続端子を通じて、電池処理装置20は、当該所定の位置に積載された電池モジュールに対して充放電を行わせることができる。
【0053】
次に、制御部250は、電池処理装置20に積載された要交換電池モジュールのCMU112から、ステップS111で書き込まれた照合用コード(交換用電池モジュールが有するべき特性を示す情報を含む)や、CMU112が異常を検出する毎に記憶している異常履歴や、当該電池モジュールを組電池10に組み込んだ際の設定情報を、電池通信部220を介して読み出す(ステップS113)。
【0054】
さらに、制御部250は、要交換電池モジュールの電池電圧や容量や内部抵抗などの特性を測定するよう電池特性取得部240を制御し、電池特性取得部240は、制御部250の制御に従って、要交換電池モジュールの特性を測定する。そして、電池特性取得部240は、測定した要交換電池モジュールの特性を制御部250に出力する。
なお、要交換電池モジュールの交換要因(交換が必要と判定される原因となった、異常値を示す項目)が明らかな場合、制御部250が、要交換電池モジュールの特性のうち、正常値を示すもの(交換要因となっていない項目)の測定値を、交換用電池モジュールが有するべき特性として用いるようにしてもよい。例えば、要交換電池モジュールの容量が異常値となっているが電池電圧や内部抵抗は正常値である場合、制御部250が、これら電池電圧や内部抵抗の測定を、CMU112の記憶する、交換用電池モジュールが有するべき特性のうちの電池電圧や内部抵抗の情報に代えて、交換用電池モジュールが有するべき特性として用いるようにしてもよい。
【0055】
次に、制御部250は、CMU112から読み出した異常履歴、あるいは、要交換電池モジュールの特性の測定値に基づいて、交換要因が電池電圧のずれか否かを判定する(ステップS114)。交換要因が電池電圧のずれであると判定した場合(ステップS114:Yes)、制御部250は、電池電圧を調整するよう充放電実行部230を制御する。そして、充放電実行部230は、制御部250の制御に従って、電池処理装置20に積載されている電池モジュールの電池電圧が、交換用電池モジュールの有するべき電池電圧となるように、当該電池処理装置20に積載されている電池モジュールを充放電させる(ステップS201)。
【0056】
次に、電池処理装置20の積載されている電池モジュールが、要交換電池モジュールに対する交換用電池モジュールとして、組電池10に組み込まれる(ステップS202)。当該処理は、例えば保守作業者が手作業で行う。あるいは、組電池10または電池処理装置20がロボットアーム等の搬送手段を具備して自動で行うようにしてもよい。
【0057】
交換用電池モジュールを組み込まれた組電池10では、BMU120が、照合用コードの適否を判定する(ステップS203)。具体的には、BMU120は、ステップS111で要交換電池に書き込んだ照合用コードと同一の照合用コードを、交換用電池モジュールのCMU112が記憶しているか否かを判定し、記憶していると判定した場合は照合用コード適合とし、記憶していないと判定した場合は照合用コード不適合とする。
【0058】
照合用コードが適合すると判定した場合(ステップS203:Yes)、BMU120は、組電池10による充放電を再開させる(ステップS211)。その後、同図の処理を終了する。
一方、照合用コードが不適合であると判定した場合(ステップS203:No)、BMU120は、組電池10による充放電を再開できない旨の表示を行う(ステップS221)。当該表示は、例えば、組電池10が、液晶ディスプレイ等による表示画面を具備し、BMU120が、運転再開不可を示すメッセージを当該表示画面に表示させることによって行う。
その後、同図の処理を終了し、例えば、組電池10に新たな交換用電池が組み込まれると、組電池10が、ステップS203以降の処理を再び行う。
【0059】
一方、ステップS114において、交換要因が電池電圧のずれ以外であると判定した場合(ステップS114:No)、制御部250は、ステップS113でCMU112から読み出した各種情報を、サーバ通信部210に出力する。そして、サーバ通信部210は、制御部250から出力された各種情報を、在庫電池管理サーバ装置30に送信する(ステップS121)。
【0060】
在庫電池管理サーバ装置30では、通信部310が、サーバ通信部210の送信する各種情報を受信して、制御部350に出力する。そして、上述したように、制御部350は、通信部310から出力される各種情報のうちの使用履歴に基づいて、在庫電池群40の収納する電池モジュール110−(m+1)〜110−(m+n)の中から、交換用電池モジュールの候補を絞り込む(ステップS122)。
【0061】
次に、制御部350は、上述したように、通信部310から取得した各種情報(特に、放電プロファイル、内部抵抗、および容量)に基づき、ステップS122で絞り込んだ候補の中から、組電池10に組込み可能な電池モジュール(すなわち、交換用電池の有するべき特性を有する電池モジュール)を選択し(ステップS123)、当該組電池10に組込み可能な電池モジュールを得られたか否かを判定する(ステップS124)。
【0062】
組電池10に組込み可能な電池モジュールを得られたと判定した場合(ステップS124:Yes)、当該組込み可能な電池モジュール(複数ある場合は、例えば、組電池10の具備する残りの電池モジュールの特性の最頻値に最も近い特性を有する電池モジュール)が、在庫電池群40から取得され、電池処理装置20の所定の位置に積載される(ステップS141)。
当該処理は、例えば保守作業員が、在庫電池管理サーバ装置30の表示する電池モジュールの識別情報に基づいて手作業で行う。あるいは、組電池10または在庫電池群40または電池処理装置20が、ロボットアーム等の運搬手段を具備して自動で行うようにしてもよい。
【0063】
電池モジュールを積載された電池処理装置20は、当該電池モジュールのCMU112に、要交換電池モジュールから読み出した照合用コードと、当該積載された電池モジュールを組電池10に組み込むための設定情報とを書き込む(ステップS151)。
その後、ステップS201へ進む。
【0064】
一方、ステップS124において、組電池10に組込み可能な電池モジュールを得られなかったと判定した場合(ステップS124:No)、制御部350は、ステップS122で得られた交換用電池モジュールの候補に対して、上述した放電プロファイルに基づく絞込みを行う(ステップS141)。例えば、制御部350は、放電プロファイルが、組電池10の具備する残りの電池モジュールの放電プロファイルの最頻値を中心とする所定値の範囲内にある電池モジュールを選択する。
【0065】
次に、制御部350は、ステップS141で絞り込まれた交換用電池モジュールの候補に対して、上述したように、内部抵抗に基づく順序付けを行う(ステップS142)。
そして、制御部350は、この順序付けに従って、エージング処理によって、交換用電池モジュールの有するべき内部抵抗および容量の範囲内とすることが可能か否かを判定し、可能と判定した電池モジュールを交換用電池モジュールとして選択する。
なお、制御部350が、ステップS142における順序付けを行う前に、交換用電池モジュールの候補から、交換用電池モジュールの有するべき容量よりも容量の小さいものを予め除外しておくようにしてもよい。これにより、エージング処理後の特性を予測する対象を削減でき、計算量を低減させ得る。
【0066】
その後、制御部350の選択した電池モジュールが、在庫電池群40から取得され、電池処理装置20の所定の位置に積載される(ステップS143)。
当該処理は、例えば保守作業員が、在庫電池管理サーバ装置30の表示する電池モジュールの識別情報に基づいて手作業で行う。あるいは、組電池10または在庫電池群40または電池処理装置20が、ロボットアーム等の運搬手段を具備して自動で行うようにしてもよい。
【0067】
電池モジュールを積載された電池処理装置20では、制御部250が、当該電池モジュールを充放電させるエージング処理を行うよう充放電実行部230を制御し、充放電実行部230は、制御部250の制御に従って、電池モジュールが組電池10に組込み可能となるように(例えば、内部抵抗が、交換用電池モジュールの有するべき内部抵抗を中心とする所定の範囲内となり、かつ、容量が、交換用電池モジュールの有するべき容量を中心とする所定の範囲内となるように)エージング処理を行う(ステップS144)。
その後、ステップS151へ進む。
【0068】
なお、電池処理装置20や在庫電池管理サーバ装置30が、交換用電池モジュールの有するべき使用履歴や特性等の情報を取得する方法は、上述した要交換電池のCMU112がこれらの情報を記憶する方法に限らない。例えば、電池モジュール毎に、当該電池モジュールの識別番号と、これらの情報とを対応付けて記憶するデータベースを組電池システム1が具備し、電池処理装置20が、当該データベースから必要な情報を読み出すようにしてもよい。例えば、図4のステップS113において、電池処理装置20は、要交換電池モジュールの識別番号を読み出し、当該識別番号を用いて、組電池10の具備する残りの電池モジュールの使用履歴や特性等の情報を読み出す。
これにより、CMU112が各種情報を記憶する必要が無くなり、CMU112が有するべき記憶容量を小さくすることができる。
【0069】
なお、制御部250や在庫電池管理サーバ装置30の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 組電池システム
10 組電池
110−1〜110−(m+n) 電池モジュール
111 セル
112 CMU
120 BMU
20 電池処理装置
210 サーバ通信部
220 電池通信部
230 充放電実行部
240 電池特性取得部
250、350 制御部
30 在庫電池管理サーバ装置
310 通信部
360 在庫電池管理データベース
40 在庫電池群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組電池を構成する二次電池の特性を取得する第1の特性取得ステップと、
前記第1の特性取得ステップで取得した特性に基づいて前記二次電池の交換の要否を判定する交換要否判定ステップと、
前記交換要否判定ステップで要交換と判定された二次電池に対する交換用二次電池が有するべき特性を取得する第2の特性取得ステップと、
前記第2の特性取得ステップで取得した特性に基づいて交換用二次電池を取得する交換用二次電池取得ステップと、
前記交換用二次電池取得ステップで取得した二次電池を、前記交換要否判定ステップで要交換と判定された二次電池と交換する交換ステップと、
を具備することを特徴とする二次電池交換方法。
【請求項2】
前記交換用二次電池取得ステップは、前記第2の特性取得ステップで取得した特性に基づいて交換用二次電池を選択する交換用二次電池選択ステップを具備することを特徴とする請求項1に記載の二次電池交換方法。
【請求項3】
前記交換用二次電池取得ステップは、前記第2の特性取得ステップで取得した特性に基づいて二次電池に対してエージング処理を行って、交換用二次電池を生成するエージング処理ステップを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池交換方法。
【請求項4】
前記第2の特性取得ステップにて、優先順位を有する複数の特性を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池交換方法。
【請求項5】
前記交換用二次電池選択ステップにて、複数の特性のうち、エージング処理を行った場合に変化し難い特性ほど優先的に、前記交換用二次電池の選択に反映させることを特徴とする請求項2に記載の二次電池交換方法。
【請求項6】
前記交換用二次電池選択ステップは、
前記組電池に含まれる二次電池の使用履歴と、前記交換用二次電池の候補の二次電池の使用履歴とを取得する使用履歴取得ステップと、
前記交換用二次電池の候補の二次電池のうち、前記使用履歴取得ステップにて取得した使用履歴が、前記組電池に含まれる二次電池の使用履歴と一致する二次電池を選択する使用履歴一致二次電池選択ステップと、
を具備することを特徴とする請求項2に記載の二次電池交換方法。
【請求項7】
交換用二次電池が有するべき特性を取得する特性取得部と、
前記特性取得部の取得した特性に基づいて交換用二次電池を取得する交換用二次電池取得部と、
を具備することを特徴とする交換用二次電池取得装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−185990(P2012−185990A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47880(P2011−47880)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】