説明

二次電池

【課題】本発明の一実施例は、電極組立体とケースとの間の絶縁性を向上させ、且つ過充電の際に電極組立体および電解液から発生するガスが迅速に排出されるようにした二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例は、終端に無地部が形成された電極組立体、前記電極組立体を収容するケース、前記ケースに結合するキャッププレート、および前記ケースの内部に位置する絶縁部材を含み、前記絶縁部材が、前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在する第1領域、および前記電極組立体の無地部と前記ケースの内部表面の間に介在する第2領域を含む二次電池を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、充電が不可能な一次電池と違って充電および放電が可能な電池であって、一つのバッテリーセルがパック形態に包装された低容量電池の場合、携帯電話およびカムコーダーのような携帯が可能な小型電子機器に使われ、バッテリーセルが数十個連結された大容量電池の場合、電気スクーター、ハイブリッド自動車、及び電気自動車などのモータ駆動用電源として幅広く使用されている。
【0003】
二次電池は色々な形状に製造されているが、代表的な形状としては円筒形状および角型形状が挙げられ、正極板および負極板の間に絶縁体であるセパレータを介在させて形成した電極組立体と、電解液とを共にケースに収容し、次いでケースにキャッププレートを設置して構成される。もちろん、前記電極組立体には正極端子および負極端子が連結され、これは前記キャッププレートを通して外部に露出または突出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電極組立体とケースとの間の絶縁性を向上させ、過充電の際、電極組立体および/または電解液から発生するガスの迅速な排出が可能な二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による二次電池は、終端に無地部が形成された電極組立体と、前記電極組立体を収容するケースと、前記ケースに結合するキャッププレートと、前記ケースの内部に位置する絶縁部材とを含み、前記絶縁部材は前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在する第1領域、および前記電極組立体の無地部と前記ケースの内部表面との間に介在する第2領域を含む。
【0006】
前記絶縁部材は、前記キャッププレートに結合することができる。前記第1領域は、前記キャッププレートのキャッププレート端子ホールに形成されると同時に前記キャッププレート端子ホールを貫通している絶縁部材端子ホールを含む端子突起と、前記キャッププレートの結合凹溝に結合する結合突起とを含む。前記第1領域は、前記キャッププレートのベントプレートの下部に形成されるベントホールと、前記キャッププレートのキャッププレート注液ホールの下部に形成される絶縁部材注液ホールとを含む。前記絶縁部材は、前記ベントホールに向かって、前記二次電池の充電および放電の間に発生したガスが通過するガス通路を形成することができる。前記第1領域は、側部に沿って下部方向に延長された厚い枠組み部を含むことができる。
【0007】
前記第2領域を、前記第1領域の終端から下部に延長することができる。前記第2領域は、前記電極組立体の無地部と前記ケースの短側領域(narrow side)との間に位置する第2領域後板(back plate)、および前記第2領域後板から内側に延長された第2領域側板(lateral plate)を含むことができる。前記第2領域側板を、前記電極組立体の無地部の側部と前記ケースの長側領域(wide side)との間に延長することができる。前記第2領域は、前記第2領域後板と前記第2領域側板との間の境界に形成された補強部材を含むことができる。前記第2領域後板は、前記無地部の幅と同じであるかさらに大きい幅を持つことができる。前記第2領域側板を、前記電極組立体全体の広い側面を覆うように延長することができる。
【0008】
前記絶縁部材は、前記第1領域の向かい側として、前記電極組立体の底面と前記ケースの内部表面との間に介在する第3領域をさらに含むことができる。前記第3領域を、前記第2領域の終端から内側方向に延長することができる。前記第3領域は、前記電極組立体の無地部と前記ケースの底面との間に介在する第3領域底板を含むことができる。前記第3領域底板は、前記無地部の幅と同じであるかさらに大きい幅を持つことができる。前記第3領域底板を、前記電極組立体全体の底面側を覆うように延長することができる。前記第3領域を、組み立て前の第2領域の長さ方向から組み立て後の第2領域に垂直である他の方向に、ある位置において折りたたむことができる。
【0009】
前記絶縁部材はフェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリオキシメチレンまたはそれらの組み合わせとすることができる。
【0010】
前記絶縁部材を一体に形成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施例は、電極組立体の両側領域、上部領域および下部領域と対応する位置に一体の絶縁部材を形成することによって、電極組立体とケースとの電気的な短絡現象を防止することができる。つまり、本発明は電極組立体とケースとの間の絶縁性を向上させる。
【0012】
また、本発明は、電極組立体の両側領域、上部領域および下部領域の大部分が絶縁部材で囲まれた形態であるため、外部衝撃に対する電極組立体の保護能力が向上する。
【0013】
また、本発明の一実施例は、二次電池の過充電の際に電極組立体および/または電解液から発生したガスを、電極組立体と絶縁部材との間の隙間に沿ってキャッププレートに形成された安全ベントまで迅速に導くことになる。したがって、二次電池の過充電の際、前記ガスによって安全ベントが迅速かつ正確に開放され、これによって二次電池の過充電に対する信頼性が向上する。
【0014】
さらに、本発明の一実施例は、絶縁部材に形成された貫通ホールを有する突起部がキャッププレートと電極端子とを絶縁させる役割を果たすことによって、キャッププレートと電極端子とを絶縁させるための別途追加的な絶縁部材を必要としない。つまり、本発明による二次電池は、絶縁部材が電極組立体をケース(またはキャッププレート)から絶縁せしめるだけでなく、絶縁部材が電極端子をキャッププレートからも絶縁せしめることによって、相対的に部品の数が減少することになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】本発明の一実施例による二次電池を示す斜視図である。
【図1b】本発明の一実施例による二次電池を示す断面図である。
【図1c】本発明の一実施例による二次電池を示す部分拡大図である。
【図2a】本発明の一実施例による二次電池のうち、絶縁部材だけを示す斜視図である。
【図2b】本発明の一実施例による二次電池のうち、絶縁部材だけを示す断面図である。
【図3a】本発明の絶縁部材のうち、第3領域が折りたたまれる前の状態を示す斜視図である。
【図3b】本発明の絶縁部材のうち、第3領域が折りたたまれる前の状態を示す断面図である。
【図4a】図3aにおける4A−4Aの断面図である。
【図4b】図3aにおける4B−4Bの断面図である。
【図4c】図3aにおける4C−4Cの断面図である。
【図5】本発明による二次電池がバスバーによって直列に連結された状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例による二次電池のうち、絶縁部材だけを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる程度に、本発明の望ましい実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図面において、層または領域の大きさは、発明の明確な理解のために誇張される場合がある。層または領域が他の構成要素上に位置していると説明されるとき、それは、前記他の構成要素上に直接位置することも、または他の構成要素が介在したままその上に位置することもできる。層または領域が他の構成要素の下方に位置していると説明されるとき、それは、前記他の構成要素の下方に直接位置することも、または他の構成要素が介在したままその下に位置することもできる。層または領域が他の構成要素の間に位置していると説明されるとき、それは、前記他の構成要素の間に直接位置することも、または他の構成要素が介在したままその間に位置することもできる。以下、同一の構成要素には同一の符号を付ける。
【0018】
図1a、図1bおよび図1cは、本発明の一実施例による二次電池を示す斜視図、断面図および部分拡大図である。
【0019】
図1a、図1bおよび図1cに示すように、本発明による二次電池は電極組立体110、第1電極端子120(例えば、正極端子)、第2電極端子130(例えば、負極端子)、絶縁部材140、ケース150およびキャッププレート160を含む。
【0020】
前記電極組立体110は、薄板型あるいは膜型からなる第1電極板111と、セパレータ113と、第2電極板112との積層体が巻き取られて、又は重ねられ形成される。ここで、第1電極板111は正極として動作することができ、第2電極板112は負極として動作することができる。もちろんその逆も可能である。また、前記電極組立体110は互いに対向する両側部領域(無地部、即ち活性物質がコーティングされない領域)と、前記両側部領域の上部である上部領域と、前記上部領域に対向する下部領域とを含むほぼ六面体形態を呈する。
【0021】
前記第1電極板111は、アルミニウムのような金属箔からなる第1電極集電体に遷移金属酸化物などの第1電極活性物質を塗布することによって形成され、且つ第1電極活性物質が塗布されない領域である第1電極無地部111aを含む。前記第1電極無地部111aは、第1電極板111および第1電極板外部間の電流の流れる通路となる。本発明は前記第1電極板111の材質に限定されるものではない。
【0022】
前記第2電極板112は、銅またはニッケルのような金属箔からなる第2電極集電体に黒鉛または炭素などの第2電極活性物質を塗布することによって形成され、且つ第2電極活性物質が塗布されない領域である第2電極無地部112aを含む。前記第2電極無地部112aは、第2電極板112および第2電極板外部間の電流の流れる通路となる。本発明は前記第2電極板112の材質に限定されるものではない。
【0023】
このような第1電極板111および第2電極板112は極性を異にして配置することができる。
【0024】
前記セパレータ113は、第1電極板111と第2電極板112との間に位置して、短絡を防止するとともにリチウムイオンの移動を可能にする役割を果たし、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンとポリプロピレンとの複合フイルムとすることができる。本発明は前記セパレータ113の材質に限定されるものではない。
【0025】
このような電極組立体110の両側端部には、第1電極板111および第2電極板112にそれぞれ電気的に連結される第1電極端子120および第2電極端子130が結合する。
【0026】
このような電極組立体110は実質的に電解液と共に前記ケース150に収容される。前記電解液はEC(ethylene carbonate)、PC(propylene carbonate)、DEC(diethyl carbonate)、EMC(ethyl methyl carbonate)、DMC(dimethyl carbonate)のような有機溶媒、及びLiPF6、LiBF4のようなリチウム塩からなることができる。また、前記電解液は液体、固体またはゲル状とすることができる。
【0027】
前記第1電極端子120は、主に金属またはその等価物からなり、前記第1電極板111と電気的に連結される。前記第1電極端子120は、第1集電板121、第1集電端子122および第1締結部材123を含む。
【0028】
前記第1集電板121は、電極組立体110の一側端部に突出した第1電極無地部111aと接触する。実質的に、前記第1集電板121は前記第1電極無地部111aに溶接される。前記第1集電板121は、ほぼ‘L’字状形態として形成され、上部には端子ホール121dが形成される。前記端子ホール121dには前記第1集電端子122が嵌合されて結合する。このような第1集電板121は例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金から製造される。本発明は前記第1集電板121の材質に限定されるものではない。
【0029】
前記第1集電端子122は、後述するキャッププレート160を貫通して、一定の長さを有して上部に延長および突出し、また、前記キャッププレート160の下部において前記第1集電板121と電気的に連結される。前記第1集電端子122は、キャッププレート160の上部において一定の長さを有して延長および突出すると同時に、キャッププレート160の下部において、第1集電端子122が前記キャッププレート160から抜けないように、側方向に延長されたフランジ122aが形成されている。前記第1集電端子122のうち、フランジ122aの下部に形成された領域は前記第1集電板121の端子ホール121dに嵌合され、リベット接合または溶接される。また、前記第1集電端子122のうち、前記フランジ122aの上部に形成された領域は、キャッププレート160を貫通して上部に一定の長さを有して延長および突出し、前記延長および突出した領域には第1締結部材123が固定される。これとともに、前記第1集電端子122の上部延長領域にねじ山が形成されることによって、前記第1締結部材123がねじ方式で結合されるようになっている。ここで、前記第1集電端子122は前記キャッププレート160と電気的に分離または連結される。このような第1集電端子122は例えば、アルミニウム、アルミニウム合金およびその等価物のうち選択されるいずれか一つから製造することができるが、このような材質に前記第1集電端子122が限定されるものではない。
【0030】
前記第1締結部材123は、ほぼ六角ナット形態に形成され、中央に前記第1集電端子122が貫通結合するようにほぼ垂直方向に貫通ホールを形成することができる。このような第1締結部材123はステンレススチール、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金およびその等価物の中から選択されるいずれか一つとすることができるが、これに限定されるものではない。また、前記第1締結部材123と前記キャッププレート160とは互いに電気的に絶縁されるか、または電気的に連結される。
【0031】
さらに、前記第1集電端子122のフランジ122aと前記キャッププレート160との間には第1下部絶縁部材124が介在し、前記キャッププレート160と前記第1締結部材123との間には第1上部絶縁部材125が介在する。前記第1下部絶縁部材124は、前記第1集電端子122のフランジ122aおよび第1集電板121とキャッププレート160とが電気的に分離されるようにする役割を果たし、前記第1上部絶縁部材125は、前記キャッププレート160と前記第1締結部材123とが電気的に分離されるようにする役割を果たす。
【0032】
前記第2電極端子130は主に金属またはその等価物からなり、第2電極板112と電気的に連結される。前記第2電極端子130は第2集電板131、第2集電端子132および第2締結部材133を含む。ここで、前記第2電極端子130の形態は前記第1電極端子120の形態と同じであるので、その形態については説明を省略する。ただし、前記第2集電板131および第2集電端子132は主に銅、銅合金およびその等価物のうち選択されるいずれか一つとすることができるが、これに限定されるものではない。また、前記第2締結部材133は主にステンレススチール、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金およびその等価物の中から選択されるいずれか一つとすることができるが、これに限定されるものではない。
【0033】
前記絶縁部材140は、前記電極組立体110をほぼ囲むことによって、前記電極組立体110を前記ケース150から電気的に絶縁させるだけでなく、前記第1、2電極端子120、130と前記キャッププレート160との間に存在することによって、前記第1、2電極端子120、130を前記キャッププレート160から電気的に絶縁させる役割を果たす。
【0034】
このような絶縁部材140は、電解液に溶融しない、つまり、電解液に反応しない材料から形成することが望ましい。例えば、前記絶縁部材140はフェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリオキシメチレンおよびその等価物の中から選択されるいずれか一つ、またはそれらの複合材料からなることができるが、本発明は前記絶縁部材140の材料に限定されるものではない。
【0035】
前記絶縁部材140は、第1領域141および第2領域142を含むことができる。また、前記絶縁部材140は第3領域143をさらに含むことができる。さらに、前記第1、2および3領域141、142、143を一体に形成することができる。
【0036】
前記第1領域141は、前記電極組立体110の上部領域110aと前記キャッププレート160との間に位置し、前記電極組立体110の上部領域110aを前記キャッププレート160から電気的に絶縁させる。ここで、実質的に前記第1領域141は前記キャッププレート160に機構的に結合することができる。
【0037】
また、前記第1領域141は、柱形状の集電端子122、132が貫通して通過できるようにキャッププレート160に形成されたキャッププレート端子ホール162a、162bと対応する領域に形成された絶縁部材端子ホール141bを有する端子突起部141cを有することができる。
【0038】
また、前記第1領域141は、前記キャッププレート160に形成されている相対的に厚さが薄い安全ベント161と対応する領域に形成されたベントホール141aを有することができる。このようなベントホール141aは、二次電池の過充電によって発生したガスが前記安全ベント161を通じて外部に迅速に排出されるようにする役割を果たす。
【0039】
また、前記第1領域141は、前記キャッププレート160に形成された結合凹溝163に結合する結合突起141dを有することができる。このような結合突起141dは、絶縁部材140がキャッププレート160から分離しないようにする役割を果たす。
【0040】
さらに、前記第1領域141は、前記キャッププレート160に形成されたキャッププレート注液ホール164と対応する領域に形成された絶縁部材注液ホール141eを有することができる。このような絶縁部材注液ホール141eは、キャッププレート注液ホール164を通じた電解液の注入の際、前記電解液が前記電極組立体110側に迅速に流れていくようにする役割を果たす。
【0041】
前記第2領域142は、前記第1領域141の両側端から下部方向に延長され、前記電極組立体110の両側領域110b(つまり、無地部111a、111b)と前記ケースの両側領域(短辺部152)との間に位置する。したがって、前記第2領域142は、前記電極組立体110の両側領域110cが前記ケース150から電気的に絶縁されるようにする役割を果たす。特に、第2領域142それぞれが、前記第1集電板121と前記ケース150の一側部との間、そして前記第2集電板131と前記ケース150の他側部との間に形成されることによって、前記第1、2集電板121、131は前記ケース150の短辺部152から電気的に絶縁されることになる。
【0042】
前記第3領域143は、それぞれの第2領域142から延長され、前記電極組立体110の下部領域110bと前記ケース150の底面153との間に位置する。したがって、前記第3領域143は、前記電極組立体110の下部領域110bが前記ケース150の底面153から電気的に絶縁されるようにする役割を果たす。特に、第3領域143それぞれが、前記電極組立体110の両側領域110cに形成された無地部111a、112aと前記ケース150の底面153との間に位置することによって、前記無地部111a、112aは前記ケース150の底面153から電気的に絶縁されることになる。
【0043】
ここで、第3領域143それぞれをさらに長く延長することによって、互いに近接させるか、または重ねて形成することができる。例えば、前記第3領域143は、前記電極組立体110の下部領域全体を覆うように延長することができる。
【0044】
前記ケース150は、アルミニウム、アルミニウム合金またはニッケルメッキしたスチールのような導電性金属からなり、且つ電極組立体110、第1電極端子120および第2電極端子130を挿入して安着させることができる上部に開口部が形成されたほぼ六面体形状からなる。もちろん、前記ケース150の開口部をキャッププレート160を用いて塞ぐことによって、ケース150の内部に位置する電極組立体110および電解液などは外部環境から安全に保護される。このようなケース150は、前記電極組立体110の2つの広い側面と対応する2つの広い側面151と、前記電極組立体110の両側領域と対応する2つの狭い側面152と、前記電極組立体110の下部領域と対応する一つの底面153とを含む。さらに、前記ケース150およびキャッププレート160の内面には、追加的に絶縁コーティング層(図示せず)が形成されて、これにより前記ケース150およびキャッププレート160と前記電極組立体110、第1電極端子120および第2電極端子130とをさらに完璧に絶縁することができる。
【0045】
前記キャッププレート160は、前記電極組立体110の上部領域110aと対応する前記ケース150の開口部を塞ぐことによって、電極組立体110および電解液などが外部環境から保護されるようにする。前記キャッププレート160には、相対的に薄い厚さをほぼ中央に有する安全ベント161が形成され、前記安全ベント161から離隔した両側には、柱形状の第1集電端子122および第2集電端子132が貫通するキャッププレート端子ホール162a、162bが形成される。前述のように、前記安全ベント161と対応する、絶縁部材140の第1領域141の領域にはベントホール141aが形成され、前記キャッププレート端子ホール162a、162bと対応する、絶縁部材140の第1領域141の領域には絶縁部材端子ホール141bを有する端子突起部141cが形成される。また、前記キャッププレート160は、前記安全ベント161と前記キャッププレート端子ホール162a、162bとの間に少なくとも一つの結合凹溝163が形成される。前述のように、前記結合凹溝163と対応する、絶縁部材140の第1領域141の領域には結合突起141dが形成され、このような結合突起141dは前記結合凹溝163に結合する。また、前記キャッププレート160は、前記安全ベント161から離隔した位置にキャッププレート注液ホール164が形成され、前記キャッププレート注液ホール164にはプラグ165が結合する。前述のように、前記キャッププレート注液ホール164またはプラグ165と対応する、絶縁部材140の第1領域141の領域には絶縁部材注液ホール141eが形成される。
【0046】
一方、前記キャッププレート160は前記ケース150と同じ材質からなることができる。したがって、前記キャッププレート160をレーザー溶接方式によって前記ケース150に溶接することができる。ここで、前記キャッププレート160は前述のように、第1電極端子120に電気的に接続されて前記第1電極端子120と同じ極性を持つことができるので、前記キャッププレート160およびケース150は同じ極性を持つことができる。
【0047】
ここで、図1cに示すようにキャッププレート160に形成されたキャッププレート端子ホール162aには絶縁部材140のうち第1領域141の端子突起141cが嵌合される。もちろん、前記端子突起141cの内側には絶縁部材端子ホール141bが形成されている。また、前記キャッププレート160の下面には絶縁部材140の第1領域141が密着する。さらに、前記キャッププレート160の上面には上部絶縁部材125が密着し、前記絶縁部材140の第1領域141の下面には下部絶縁部材124が密着する。
【0048】
また、第1電極端子120をなす柱形状の第1集電端子122は、前記下部絶縁部材124、絶縁部材140の第1領域141、端子突起141cおよび上部絶縁部材125を貫通して延在する。このようにして、第1集電端子122は、下部絶縁部材124、絶縁部材140の第1領域141、端子突起141cおよび上部絶縁部材125によってキャッププレート160から電気的に絶縁される。
【0049】
もちろん、第1電極端子120がキャッププレート160のような極性を持つようにする必要がある場合、前記第1集電端子122に結合する第1締結部材123の一部領域を延長して前記キャッププレート160に接触させることができる。
【0050】
図2aおよび図2bは、本発明の一実施例による二次電池のうち絶縁部材だけを示す斜視図および断面図である。
【0051】
図2aおよび図2bに示すように、絶縁部材140は、第1領域141と、前記第1領域141の両側端部から下部方向に延長された第2領域142と、前記第2領域142から延長された第3領域143とを含む。ここで、前記第3領域143は前記第1領域141に対してほぼ平行に形成される。
【0052】
また、第1領域141には、キャッププレート160の安全ベント161と対応する位置にベントホール141aが形成される。また、前記ベントホール141aの外側に、柱形状の第1、2集電端子122、132がそれぞれ貫通する絶縁部材端子ホール141bを有する端子突起141cが形成される。また、前記絶縁部材端子ホール141bおよび前記端子突起141cの一側に、キャッププレート160の結合凹溝163と対応するまた他の結合突起141dが形成される。また、前記キャッププレート160のキャッププレート注液ホール164と対応する位置においても絶縁部材注液ホール141eが形成される。さらに、前記第1領域141には、長さ方向に沿う周辺に相対的に厚い枠組み部141fを形成することができる。このような枠組み部141fは前記第1領域141のベンディング剛性を向上させることができる。
【0053】
また、第2領域142それぞれは、ほぼ平らな第2領域後板142aおよびほぼ平らな第2領域側板142bを含む。ここで、前記第2領域後板142aは、前記電極組立体110の両側領域110cに対向する領域に形成され、前記第2領域側板142bは、前記第2領域後板142aから延長されて、前記電極組立体110に形成された無地部111a、112aを覆う。言い換えれば、前記第2領域後板142aはケース150の短辺部152と対応し、前記第2領域側板142bはケースの長辺部151と対応する。
【0054】
ここで、前記第2領域側板142bの広さは、前記無地部111a、112aを覆うほどの広さであれば十分であるが、本発明は前記第2領域側板142bの広さに限定されるものではない。つまり、前記第2領域側板142bは、長く延長されて前記電極組立体110の広い面をほとんど覆うかまたは完全に覆うことができる。
【0055】
前記第3領域143は、第3領域後板143aおよび第3領域側板143bを含む。前記第3領域後板および側板143a、143bは電極組立体110の無地部111a、112aを覆う。さらに、前記第3領域後板および側板143a、143bの広さは、電極組立体110の無地部111a、112aを覆うほどの広さであれば十分であるが、本発明は前記第2領域側板142bの広さに限定されるものではない。つまり、前記第3領域後板および側板143a、143bは長く延長されて互いに近接するか重なることができる。
【0056】
図3aおよび図3bは、本発明の絶縁部材のうち、第3領域が折りたたまれる前の状態を示す斜視図および断面図である。
【0057】
図3aおよび図3bに示すように、電極組立体110が絶縁部材140に結合する前に、第3領域143を第2領域142から同一方向に延長された形態とすることができる。そして、電極組立体110が絶縁部材140に結合した後に、前記第3領域143を前記第2領域142からほぼ直角に折りたたむことができる。このように第3領域143を折りたたむことができると、二次電池の製造工程が容易になる。つまり、まず電極組立体110に第1電極端子120および第2電極端子130を電気的に接続した後、これを前記絶縁部材140に結合する。このとき、電極組立体110の結合方向は図3aおよび図3bに示す前記絶縁部材140の下部から上部に向かう。もちろん、このとき、柱形状の第1集電端子122および第2集電端子132は、前記絶縁部材140の第1領域141に備えられた絶縁部材端子ホール141bにそれぞれ結合する。
【0058】
次に、前記第3領域143が前記第2領域142からほぼ直角方向に折りたたまれる。このようにして、第1領域141、第2領域142および第3領域143が、前記電極組立体110の両側領域110aにそれぞれ備えられた無地部111a、112aをほとんど覆うことになる。もちろん、前記第2領域142は集電端子122、132に連結された集電板121、131をも覆うことになる。
【0059】
さらに、本発明は、前記第2領域142に備えられた第2領域側板142bをも第2領域後板142aから折り曲げ可能である。つまり、第2領域142に備えられた第2領域側板142bを、第2領域後板142aを基準にして一定の角度で折りたたむことができる。したがって、本発明は、まず第1、2集電板121、131および第1、2集電端子122、132を前記絶縁部材140の第1領域141および第2領域142に位置せしめ、次いで電極組立体110を絶縁部材140の第1領域141および第2領域142がなす空間に位置せしめた状態で、前記第1、2集電板121、131と電極組立体110の無地部111a、112aとを互いに溶接することができる。もちろん、このとき、第1、2集電板121、131および第1、2集電端子122、132は互いに結合した状態であることと仮定する。
【0060】
さらに、このとき、第2領域142のある一方の第2領域側板142bが電極組立体110から遠くなる方向に引っ張られた状態で、前記第1、2集電板121、131と電極組立体110の無地部111a、112aとを互いに溶接することができる。もちろん、このような溶接作業以降には、前記第2領域側板142bは復原力によって前記電極組立体110の無地部111a、112aに再び近接する。
【0061】
ここで、前記第3領域143を、組み立て前の第2領域142の長さ方向から組み立て後の第2領域142の直角方向に折りたたむことができる。
【0062】
図4a、図4bおよび図4cは、図3aにおける4A−4A、4B−4Bおよび4C−4Cの断面図である。
【0063】
図4aに示されているように、絶縁部材140の第1領域141およびその周りに形成された枠組み部141fがなす空間には少なくとも一つの電極組立体110の上部領域110aが位置する。図においては2つの電極組立体110が位置することを示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
図4bに示されているように、絶縁部材140の第2領域142は第2領域後板142aおよび第2領域側板142bからなり、前記第2領域後板142aおよび第2領域側板142bがなす空間に、少なくとも一つの電極組立体110の両側領域110bが位置する。さらに、前記電極組立体110の無地部111aが前記第2領域後板142aおよび第2領域側板142bがなす空間に位置し、前記無地部111aは集電板121に電気的に連結される。一例として、前記無地部111aを前記集電板121に溶接することができる。これとともに、前記第2領域後板142aと第2領域側板142bとの境界領域に強度補強部142cが形成されることによって、前記第2領域142のベンディング抵抗性が大きくなる。さらに、このような第2領域後板142aおよび第2領域側板142bがなす空間はガスの排出通路になることもある。したがって、二次電池の過充電によってガスが発生すると、前記ガスは、前記絶縁部材140の第2領域142に沿って上部方向に移動した後、再び絶縁部材140の第1領域141に沿って結局ベントホール141aおよび安全ベント161を通じて外部に迅速に放出される。もちろん、前記安全ベント161がガスの圧力によって破断することは当然である。
【0065】
図4cに示されているように、絶縁部材140の第3領域143は第3領域後板143aおよび第3領域側板143bからなり、このような第3領域143は、二次電池の製造工程中に、第2領域142からほぼ直角方向に折り曲げられる。
【0066】
ここで、前記第3領域143の厚さは、折り曲げを容易にし、且つ折り曲げられた後に第3領域143が重なる領域の厚さの増加を最少化するために、前記第2領域142の厚さより相対的に小さい厚さに形成されることが望ましい。
【0067】
図5は、本発明による二次電池がバスバーによって直列に連結された状態を示した斜視図である。
【0068】
図5に示されているように、多数の二次電池100を水平方向にスタックすることができる。もちろん、それぞれの二次電池には第1電極端子120(正極端子)および第2電極端子130(負極端子)が備えられる。さらに、それぞれの二次電池は隣接した他の二次電池と互いに反対極性の端子が向き合うように位置する。
【0069】
さらに、二次電池の第1電極端子120は、隣り合う他の二次電池の第2電極端子130とバスバー170によって電気的に結合する。また、前記第1電極端子120及び第2電極端子130それぞれに第2締結部材171が結合することによって、バスバー170は第1電極端子120および第2電極端子130に強く結合される。このような方法によって、多数の二次電池100をバスバー170によって直列に連結することができる。
【0070】
また、図5においては多数の二次電池が直列に連結されたことを示しているが、多数の二次電池を並列に連結することもできる。
【0071】
図6は、本発明の他の実施例による二次電池のうち、絶縁部材だけを示す斜視図である。
【0072】
本発明の他の実施例による絶縁部材240は、第3領域243の形態を除いて、上記実施例における絶縁部材140と同様である。したがって、同一の構成要素に対する説明は省略する。
【0073】
本発明の実施例による前記絶縁部材240は第3領域243を含むことができる。前記第3領域243は、第3領域後板243aおよび第3領域側板243bを含むことができる。前記第3領域243は第2領域142から延長される。例えば、前記第3領域後板243aを第2領域後板142aの終端から延長させることができる。前記第3領域後板243aの幅を、前記第2領域後板142aの幅より小さくすることができる。したがって、組み立てられた状態(図示せず)において、前記第3領域243(第3領域後板243aおよび第3領域側板243bを含む)を内側に折りたたみ、相互間干渉なしに前記第2領域142によって取り囲むことができる。
【0074】
以上の説明は、本発明による二次電池を実施するための一つの実施例に過ぎず、従って本発明は前記実施例に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲において請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲にまで、本発明の技術的精神があるとみなされる。
【符号の説明】
【0075】
100 二次電池
110 電極組立体
120 第1端子
130 第2端子
140 絶縁部材
141 第1領域
142 第2領域
143 第3領域
150 ケース
160 キャッププレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
終端に無地部が形成された電極組立体、
前記電極組立体を収容するケース、
前記ケースに結合するキャッププレート、および
前記ケースの内部に位置する絶縁部材を含み、
前記絶縁部材は、
前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在する第1領域、および
前記電極組立体の無地部と前記ケースの内部表面の間に介在する第2領域を含むことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記キャッププレートに結合することを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1領域は、
前記キャッププレートのキャッププレート端子ホールに形成されると同時に前記キャッププレート端子ホールを貫通している絶縁部材端子ホールを含む端子突起、および
前記キャッププレートの結合凹溝に結合する結合突起を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第1領域は、
前記キャッププレートのベントプレートの下部に形成されるベントホール、および
前記キャッププレートのキャッププレート注液ホールの下部に形成される絶縁部材注液ホールを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記絶縁部材は、前記ベントホールに向かって、前記二次電池の充電および放電の間に発生したガスが通過するガス通路を形成することを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1領域は、側部に沿って下部方向に延長された厚い枠組み部を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記第2領域は、前記第1領域の終端から下部に延長されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記第2領域は、前記電極組立体の無地部と前記ケースの短側領域との間に位置する第2領域後板、および前記第2領域後板から内側に延長された第2領域側板を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第2領域側板は、前記電極組立体の無地部の側部と前記ケースの長側領域との間に延長されたことを特徴とする請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第2領域は、前記第2領域後板と前記第2領域側板との間の境界に形成された補強部材を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第2領域後板は、前記無地部の幅と同じであるかさらに大きい幅を持つことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記第2領域側板は前記電極組立体全体の広い側面を覆うように延長されたことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記絶縁部材は、前記第1領域の向かい側として、前記電極組立体の底面と前記ケースの内部表面との間に介在する第3領域をさらに含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記第3領域は前記第2領域の終端から内側方向に延長されることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記第3領域は、前記電極組立体の無地部と前記ケースの底面との間に介在する第3領域底板を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の二次電池。
【請求項16】
前記第3領域底板は、前記無地部の幅と同じであるかさらに大きい幅を持つことを特徴とする請求項15に記載の二次電池。
【請求項17】
前記第3領域底板は、前記電極組立体の底面全体を覆うように延長されたことを特徴とする請求項15又は16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記第3領域は、組み立て前の前記第2領域の長さ方向から組み立て後の前記第2領域に垂直である他の方向に、ある位置において折りたたまれることを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項19】
前記絶縁部材はフェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリオキシメチレンまたはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項20】
前記絶縁部材は一体に形成されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の二次電池。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−26214(P2013−26214A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63428(P2012−63428)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(509139597)エス・ビー リモーティブ 株式会社 (130)
【氏名又は名称原語表記】SB Limotive Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】