説明

二次電池

【課題】二次電池内部には正極と負極とを含む電極アセンブリが設置されるが、正極と負極との間隔が広ければイオンの移動距離が長くなり、充電効率と放電効率が低下するという問題が発生するため、充電効率と放電効率が向上した二次電池を提供する。
【解決手段】正極と負極とを含む電極アセンブリ、前記電極アセンブリが内蔵されるケース、および前記電極アセンブリと電気的に連結して前記ケースの外側に突出した端子を含み、前記ケース内部圧力は大気圧よりも低い負圧となる二次電池である。前記ケース内部の圧力と大気圧との差は45kPa以上であり、前記電極アセンブリの外面には、前記電極アセンブリの厚さ方向内側に凹むように湾曲した曲面部が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池および電池モジュールに関し、より詳細には、ケース内部構造を改善した二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池である。低容量の二次電池は、携帯電話機やノートパソコン、ビデオカメラのように携帯が可能な小型電子機器に用いられ、大容量電池はハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源として用いられている。
【0003】
最近、高エネルギー密度の非水電解液を利用した高出力二次電池が開発されているが、このような高出力二次電池は、大電力を必要とする機器、例えば、電気自動車などのモータ駆動に用いられるように、複数の二次電池を直列に連結して大容量の二次電池で構成される。
【0004】
また、1つの大容量二次電池は、通常、直列に連結する複数の二次電池で構成され、二次電池は円筒形や角型などで形成される。
【0005】
二次電池内部には正極と負極とを含む電極アセンブリが設置されるが、正極と負極との間隔が広ければイオンの移動距離が長くなり、充電効率と放電効率が低下するという問題が発生する。
【0006】
また、初期に二次電池を密着させるためには加圧力が必要となるが、加圧力が印加されれば二次電池の内部圧力が上昇し、寿命を低下させる原因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、上述したような問題点を解決するために案出されたものであって、充電効率と放電効率が向上した二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る二次電池は、正極と負極とを含む電極アセンブリ、前記電極アセンブリが内蔵されるケース、および前記電極アセンブリと電気的に連結して前記ケースの外側に突出した端子を含み、前記ケース内部圧力は大気圧よりも低い負圧となる。
【0009】
前記ケース内部の圧力と大気圧との差は45kPa以上であってもよく、前記電極アセンブリの外面には、前記電極アセンブリの厚さ方向内側に凹むように湾曲した曲面部が形成されてもよい。
【0010】
前記電極アセンブリの高さ方向中央部分における前記正極と前記負極との間隔は、高さ方向両側端部における前記正極と前記負極との間隔よりも小さく形成されてもよく、前記正極と前記負極との間隔は、前記電極アセンブリの高さ方向両側端部から中央に向かうほど漸進的に減少するように形成されてもよい。
【0011】
前記電極アセンブリの高さ方向中央の部分における外面は、前記電極アセンブリの上部側端および下部側端を繋ぐ線から前記電極アセンブリの中心に向かって離隔配置されてもよく、前記電極アセンブリの外面は、上端と下端から高さ方向中央に向かうほど前記電極アセンブリの上部側端および下部側端を繋ぐ線との距離が漸進的に増加するように形成されてもよい。
【0012】
前記ケースの開口に結合され、電解液注入口が形成されたキャッププレート及び前記電解液注入口に挿入される密封キャップをさらに含み、前記密封キャップは、前記電解液注入口に挿入した密封棒と、前記密封棒の上端に形成されて前記電解液注入口上に形成された第1溝に挿入したヘッド部とを含んでもよく、前記密封棒の下端には下部に行くほど断面積が減少する案内部が形成されてもよい。
【0013】
前記第1溝上には前記第1溝よりも広く形成された第2溝が形成され、前記第2溝に溶接によって固定された密封カバーが挿入設置されてもよい。
【0014】
本発明の他の一側面に係る二次電池の製造方法は、電極アセンブリが内蔵されたケース内に電解液を注入する段階と、密封キャップを前記ケースの開口に結合したキャッププレートに形成された電解液注入口に位置させる段階と、前記キャッププレートに密着設置した負圧形成部材を利用し、前記電解液注入口を通じて前記ケース内部の気体を吸入して負圧を形成する段階と、前記負圧形成部材が前記キャッププレートに結合した状態で、前記負圧形成部材内に設置した加圧部材を利用し、前記密封キャップを加圧して前記電解液注入口内に前記密封キャップを挿入設置する段階とを含む。
【0015】
前記負圧を形成する段階は、前記ケース内部の圧力と大気圧との差が45kPa以上になるように前記ケース内部圧力を調節してもよく、前記負圧を形成する段階は、管形状の前記負圧形成部材を前記電解液注入口の外側において前記電解液注入口の周囲を囲むように設置した状態で、前記ケース内部の気体を吸入してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によれば、ケース内部が負圧となるため、正極と負極との間隔が減少し、充電効率と放電効率が向上した二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図2】図1でII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1でIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4A】ケース内部を負圧状態に形成する過程を示す図である。
【図4B】電解液注入口に密封キャップを設置する過程を示す図である。
【図5】ケース内部の圧力による電極アセンブリの厚さの変化を示すグラフである。
【図6】本発明の第1実施形態に係る二次電池と従来の二次電池の充放電量を比較したグラフである。
【図7A】従来の二次電池内部を示す写真である。
【図7B】本実施形態に係る二次電池内部を示す写真である。
【図8】各二次電池に印加された加圧力を示すグラフである。
【図9A】本発明の第2実施形態に係る二次電池のケース内部を負圧状態に形成する過程を示す図である。
【図9B】本発明の第2実施形態に係る二次電池の電解液注入口に密封キャップを設置する過程を示す図である。
【図9C】本発明の第2実施形態に係る二次電池の電解液注入口に密封カバーを設置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態について詳しく説明する。しかし、本発明は多様に相違した形態で実現されることができ、以下で説明する実施形態に限定されることはない。なお、本明細書および図面において、同一する符号は同一する構成要素を示す。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図2は、図1でII−II線に沿って切断した断面図である。
【0020】
図1および図2を参照しながら説明すれば、第1実施形態に係る二次電池101は、正極11と負極12との間にセパレータ13を介在して巻き取られた電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10が内蔵されるケース21と、ケース21の開口に結合するキャップアセンブリ30とを含む。
【0021】
第1実施形態に係る二次電池101はリチウムイオン二次電池であって、角型であるものを例示して説明する。ただし、本発明がこれに制限されることはなく、本発明はリチウムポリマ電池または円筒形電池などの多様な形態の電池に適用されてもよい。
【0022】
正極11および負極12は、薄板の金属箔で形成された集電体に活物質が塗布された領域であるコーティング部と、活物質がコーティングされていない領域である無地部11a、12aとを含む。
【0023】
正極無地部11aは、正極11の長さ方向に沿って正極11の一側端に形成され、負極無地部12aは、負極12の長さ方向に沿って負極12の他側端に形成される。また、正極11および負極12は、絶縁体のセパレータ13を間に介在した後に巻き取られる。
【0024】
ただし、本発明がこれに制限されることはなく、前記電極アセンブリ10は、複数のシート(sheet)で構成される正極と負極とがセパレータを間において積層された構造で形成されてもよい。
【0025】
ケース21は大略六面体形状を有する金属で構成され、一面には開放した開口が形成される。キャップアセンブリ30は、ケース21の開口に結合したキャッププレート31と、キャッププレート31の外側に突出して正極11と電気的に連結した正極端子41と、キャッププレート31の外側に突出して負極12と電気的に連結した負極端子42と、設定された内部圧力によって破断するようにノッチ39aが形成されたベント部材39とを含む。
【0026】
キャッププレート31は薄い板で構成され、一側に電解液を注入するための電解液注入口31aが形成され、電解液注入口31aを密封する密封キャップ38がキャッププレート31に固定設置される。
【0027】
正極集電タップ32は、下部が正極無地部11aに溶接によって連結し、上部が正極端子柱34に溶接によって固定される。キャッププレート31の下には、正極端子柱34および正極集電タップ32を挿入する下部絶縁部材26が設置される。
【0028】
正極端子柱34の一側端部には正極集電タップ32と接するフランジ部34aが形成され、反対側の端部には正極端子41に嵌合する柱部34bが形成される。また、フランジ部34aの下には、正極集電タップ32に挿入して溶接によって付着する突起34cが形成される。
【0029】
正極端子柱34は、キャッププレート31と正極端子41に嵌合した状態で上端と下端が加圧され、キャッププレート31と正極端子41に固定される。このとき、正極端子柱34の上部は加圧されて外側に拡張するが、これによって正極端子柱34は正極端子41に固定される。
【0030】
正極端子柱34とキャッププレート31の間には絶縁のための第1ガスケット28が設置され、正極端子41とキャッププレート31の間には絶縁のための第2ガスケット29が設置される。
【0031】
負極集電タップ33は、下部が負極無地部12aに溶接によって連結し、上部が負極端子柱35に溶接によって固定される。キャッププレート31の下には、負極端子柱35および負極集電タップ33を挿入する下部絶縁部材26が設置される。
【0032】
負極端子柱35の一側端部には負極集電タップ33と接するフランジ部35aが形成され、反対側の端部には負極端子42に嵌合する柱部35bが形成される。また、フランジ部35aの下には、負極集電タップ33に挿入して溶接によって付着する突起35cが形成される。
【0033】
負極端子柱35は、キャッププレート31と負極端子42に嵌合した状態で上端と下端が加圧され、キャッププレート31と負極端子42に固定される。このとき、負極端子柱35の上部は加圧されて外側に拡張するが、これによって負極端子柱35は負極端子42に固定される。
【0034】
負極端子柱35とキャッププレート31の間には絶縁のための第1ガスケット28が設置され、正極端子41とキャッププレート31の間には絶縁のための第2ガスケット29が設置される。
【0035】
図3は、図1でIII−III線に沿って切断した断面図である。図4Aは、ケース内部を負圧状態に形成する過程を示す図である。図4Bは、電解液注入口に密封キャップを設置する過程を示す図である。
【0036】
図3および図4A、図4Bを参照しながら説明すれば、キャッププレート31には電解液を注入するための電解液注入口31aが形成されるが、電解液注入口31aはキャッププレート31を貫通するように形成され、電解液注入口31aの上端には電解液注入口31aよりも広い断面積を有する溝31bが形成される。
【0037】
本実施形態の密封キャップ38が溝31bに挿入設置された状態で、管形状の負圧形成部材51が電解液注入口31aの外側において電解液注入口31aの周囲を囲むように設置される。このとき、密封キャップ38を加圧する加圧部材52は、負圧形成部材51内部に設置される。加圧部材52が負圧形成部材51内に設置されるため、負圧形成部材51が気体を吸入すると同時に加圧部材52が密封キャップ38を電解液注入口31aに挿入し、ケース21内部を容易に負圧に形成することができる。
【0038】
負圧形成部材51によってケース21内部の気体を吸入すれば、ケース21内部は大気圧よりも低い負圧状態となる。ここで、大気圧とケース21内部圧力の差は、45kPaよりも大きいように形成されてもよい。負圧形成部材51は管形状に構成され、負圧形成部材51の下端には、弾性を有するシーリング部材51aが設置されている。負圧形成部材51には、ケース21内部の気体を排出させるための真空ポンプなどが連結設置される。
【0039】
本発明の第1実施形態に係る二次電池101の製造方法は、電極アセンブリ10が内蔵されたケース21内に電解液を注入する段階と、密封キャップ38を電解液注入口31aに位置させる段階と、キャッププレートに結合設置された負圧形成部材51を利用してケース21内部の気体を吸入して負圧を形成する段階と、負圧形成部材51内に設置された加圧部材52を利用して密封キャップ38を加圧し、電解液注入口31a内に密封キャップ38を挿入設置する段階とを含む。
【0040】
負圧を形成する段階は、管形状の負圧形成部材51を電解液注入口31aの外側において電解液注入口31aの周囲を囲むように設置した状態で、電解液注入口31aを通じてケース21内部の気体を吸入する。また、負圧を形成する段階は、ケース21内部の圧力と大気圧との差が45kPa以上になるようにケース21内部の気体を吸入する。
【0041】
また、密封キャップ38を挿入設置する段階は、キャッププレート31に結合した負圧形成部材51を利用して気体を吸入しながら密封キャップ38を加圧する。
【0042】
このとき、負圧形成部材51がケース21内部の圧力を負圧状態に形成した状態で、加圧部材52が密封キャップ38を加圧して電解液注入口31aに押し込む。したがって、密封キャップ38を設置する過程において、ケース21内部は負圧状態を有するようになる。
【0043】
また、加圧部材52が密封キャップ38を加圧することによって密封キャップ38が変形するが、変形した密封キャップ38は、電解液注入口31aに挿入された密封棒38aと、密封棒38aの上端に形成されたヘッド部38bとを有するようになる。ヘッド部38bは、密封棒38aよりも大きい横断面積を有するように形成され、電解液注入口31a上に形成された溝31bに挿入される。密封キャップ38は、金属またはポリマー素材で形成されてもよい。
【0044】
このように、本実施形態によれば、図3に示すように電極アセンブリ10が密着し、外面に電極アセンブリ10の厚さ方向内側に弧形に凹むように湾曲した曲面部15を有するようになる。端子41、42が上部に位置するように二次電池101を立てたときを基準とし、電極アセンブリ10の高さ方向中央の部分において、外面は電極アセンブリ10の上部側端および下部側端を繋ぐ線(OL)から電極アセンブリ10の厚さ方向中心に向かって一定距離(DL)だけ離隔配置される。特に、電極アセンブリ10の外面は、上端と下端から高さ方向中央に向かうほど、電極アセンブリ10の上部側端および下部側端を繋ぐ線(OL)との距離が漸進的に増加する。
【0045】
また、曲面部15が形成されることにより、端子41、42が上部に位置するように二次電池を立てたときを基準とし、電極アセンブリ10の高さ方向中央部分における正極11と負極12との間隔は、高さ方向両側端部における正極11と負極12との間隔よりも小さく形成される。特に、正極11と負極12との間隔は、電極アセンブリ10の高さ方向両側端部から中央に向かうほど、漸進的に減少するように形成される。
【0046】
図5は、ケース21内部の圧力による電極アセンブリ10の厚さ変化を示すものであるが、ケース21内部圧力と大気圧との差が45kPa以上である場合には、厚さが明確に減少することを確認することができる。図5は、63Ahの容量を有するゼリーロールタイプの角型二次電池を対象として実験した結果である。
【0047】
ケース21に印加される負圧は、ケース21がこれに耐えることができる水準であれば、大気圧との差が大きいほど有利であるため、ケース21内部圧力と大気圧との差に対する上限については定義しない。
【0048】
正極11と負極12との間隔が広ければイオンの移動距離が長くなり、充電効率と放電効率が低下するという問題が発生する。このような問題を解決するために、電極アセンブリ10を支持するスペーサをケース21と電極アセンブリ10の間に設置する場合、電池の重量が増加して膨張現象が発生し、電極アセンブリ10が膨張する場合、電極アセンブリ10がスペーサによって加圧されて劣化が急速に進むため寿命が減少するという問題が発生することがある。しかし、本実施形態によれば、ケース21内部の圧力を大気圧よりも低い負圧状態に形成するため、別途のスペーサを設置しなくても正極11と負極12との間隔を減少させることができる。
【0049】
また、充電と放電を繰り返す間、電解液の分解などの理由によってガスが発生して二次電池101内部の圧力が増加する場合、電極アセンブリ10も膨張し、充電効率と放電効率が低下するなどの理由によって電極アセンブリ10の寿命が短縮する問題が発生する。しかし、本実施形態によれば、ケース21内部が最初から負圧状態であるため、二次電池101の寿命を向上させることができる。
【0050】
図6に示すように、600サイクルを基準とし、本実施形態に係る二次電池は、従来の二次電池に比べて寿命減少速度が著しく低いことを明確に知ることができる。
【0051】
図7Aは、従来の二次電池内部を示す写真である。図7Bは、本実施形態に係る二次電池内部を示す写真である。
【0052】
図7Aおよび図7Bに示すように、本実施形態に係る二次電池101は、ケース21内部を負圧状態に形成するため、電極アセンブリ10の幅方向中央部分の界面が曲がって不均一になる現象を防ぐことができる。界面が不均一になれば、イオンの移動距離が長くなって充電効率と放電効率が低下するが、本実施形態によれば、このような問題の発生を解決することができる。従来の二次電池には、界面が不均一になることを防ぐために電極アセンブリ10の中央にコアを挿入したが、電極アセンブリ10の中央にコアを挿入すれば二次電池101の重量が増加するだけでなく、電極アセンブリ10が膨張するときに、コアと当接する電極アセンブリ10部分の劣化が促進するという問題が発生する。
【0053】
従来の二次電池は、中央部分が膨らむように形成されるため、二次電池を密着させるためには加圧力が必要であった。このとき、二次電池に印加される最大加圧力は45000Nに至った。しかし、図8に示すように、本実施形態に係る二次電池101に印加される最大加圧力は500Nを超過しないため、従来に比べて二次電池101に印加される加圧力を著しく低下させることができる。
【0054】
(第2実施形態)
図9Aは、本発明の第2実施形態に係る二次電池のケース内部を負圧状態に形成する過程を示す図である。図9Bは、本発明の第2実施形態に係る二次電池の電解液注入口に密封キャップを設置する過程を示す図である。図9Cは、本発明の第2実施形態に係る二次電池の電解液注入口に密封カバーを設置した状態を示す図である。
【0055】
第2実施形態に係る二次電池は、電解液注入口と密封キャップを除いては、前記第1実施形態に係る二次電池と同じ構造であるため、同じ構造についての重複する説明は省略する。
【0056】
図9Aに示すように、キャッププレート61には電解液注入口61aが形成され、電解液注入口61a上には電解液注入口61aよりも広い断面積を有する第1溝61bが形成される。また、第1溝61b上には、第1溝61bよりも広い断面積を有する第2溝61cが形成される。
【0057】
密封キャップ68は上面が球面である円錐台形状に形成され、下部に行くほど横断面積が減少するように形成される。
【0058】
密封キャップ68が電解液注入口61aに部分的に挿入された状態で、管形状の負圧形成部材51が第2溝61cの外側において電解液注入口61aの周囲を囲むように設置される。このとき、密封キャップ68を加圧する加圧部材52は、負圧形成部材51内部に設置される。
【0059】
負圧形成部材51にケース21内部の気体を吸入すれば、ケース21内部は大気圧よりも低い負圧状態となる。負圧形成部材51は管形状に構成され、負圧形成部材51の下端には弾性を有するシーリング部材が設置されている。負圧形成部材51には、ケース21内部の気体を排出させるための真空ポンプなどが連結設置される。
【0060】
図9Bに示すように、負圧形成部材51がケース21内部の圧力を負圧状態に形成した後、加圧部材52が密封キャップ68を加圧して電解液注入口61aに押し込む。これによって密封キャップ68が変形するが、密封キャップ68は、電解液注入口61aに挿入された密封棒68aと、密封棒68aの上端に形成されたヘッド部68bと、密封棒68aの下端に形成されて下部に行くほど断面積が減少する案内部68cとを有する。本実施形態のように、密封キャップ68に案内部68cが形成されれば、密封キャップ68を電解液注入口61aにより容易に挿入設置することができる。本実施形態の密封キャップによって電解液注入口61aを密封する場合には、加圧力が作用する方向が誤った場合には、密封キャップが電解液注入口61aに安定的に挿入されないという問題が発生することがある。しかし、本実施形態によれば、案内部68cが電解液注入口61aに挿入された状態で加圧力が作用するため、電解液注入口61aをより安定的に密封することができる。
【0061】
一方、図9Cに示すように、密封キャップ68が設置された状態で第2溝61cに板形状の密封カバー69が挿入設置され、密封カバー69はキャッププレート61に溶接によって固定され、密封カバー69とキャッププレート61が当接する上面には溶接部67が形成される。密封カバー69は、第2溝61cの上端とキャッププレート61の上面が交わる角に溶接によって固定される。
【0062】
これにより、電解液注入口61aを二重に密封するため、電解液注入口61aをより安定的に密封することができる。また、電解液を注入する過程において、電解液注入口61a周辺が汚染されることがあるため、第1溝61bの上面は汚染されることがあるが、第1溝61bよりも高く広く形成された第2溝61cは汚染されない。これにより、汚染された部分における溶接によって密封性能が低下するという現象を防ぐことができる。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、および添付の図面の範囲内で多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0064】
101 二次電池
10 電極アセンブリ
11 正極
11a 正極無地部
12 負極
12a 負極無地部
13 セパレータ
15 曲面部
21 ケース
26 下部絶縁部材
28 第1ガスケット
29 第2ガスケット
30 キャップアセンブリ
31、61 キャッププレート
31a、61a 電解液注入口
31b 溝
32 正極集電タップ
33 負極集電タップ
34 正極端子柱
34a、35a フランジ部
34b、35b 柱部
34c、35c 突起
35 負極端子柱
38、68 密封キャップ
38a、68a 密封棒
38b、68b ヘッド部
39 ベント部材
39a ノッチ
41 正極端子
42 負極端子
51 負圧形成部材
51a シーリング部材
52 加圧部材
61b 第1溝
61c 第2溝
67 溶接部
68c 案内部
69 密封キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極とを含む電極アセンブリ、
前記電極アセンブリが内蔵されるケース、および
前記電極アセンブリと電気的に連結して前記ケースの外側に突出した端子、
を含み、
前記ケース内部圧力は大気圧よりも低い負圧である、二次電池。
【請求項2】
前記ケース内部の圧力と大気圧との差は45kPa以上である、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記電極アセンブリの外面には、前記電極アセンブリの厚さ方向内側に凹むように湾曲した曲面部が形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記電極アセンブリの高さ方向中央の部分における前記正極と前記負極との間隔は、高さ方向両側端部における前記正極と前記負極との間隔よりも小さく形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記正極と前記負極との間隔は、前記電極アセンブリの高さ方向両側端部から中央に向かうほど漸進的に減少するように形成される、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電極アセンブリの高さ方向中央部分における外面は、前記電極アセンブリの上部側端および下部側端を繋ぐ線から前記電極アセンブリの中心に向かって離隔配置される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記電極アセンブリの外面は、上端と下端から高さ方向中央に向かうほど、前記電極アセンブリの上部側端および下部側端を繋ぐ線との距離が漸進的に増加するように形成される、請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記ケースの開口に結合され、電解液注入口が形成されたキャッププレート及び前記電解液注入口に挿入される密封キャップをさらに含み、
前記密封キャップは、前記電解液注入口に挿入した密封棒と、前記密封棒の上端に形成されて前記電解液注入口上に形成された第1溝に挿入したヘッド部とを含む、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記密封棒の下端には、下部に行くほど断面積が減少する案内部が形成される、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記第1溝上には前記第1溝よりも広く形成された第2溝が形成され、前記第2溝に溶接によって固定された密封カバーが挿入設置される、請求項8に記載の二次電池。
【請求項11】
電極アセンブリが内蔵されたケース内に電解液を注入する段階、
密封キャップを前記ケースの開口に結合したキャッププレートに形成された電解液注入口に位置させる段階、
前記キャッププレートに密着設置された負圧形成部材を利用し、前記電解液注入口を通じて前記ケース内部の気体を吸入して負圧を形成する段階、および
前記負圧形成部材が前記キャッププレートに結合した状態で、前記負圧形成部材内に設置された加圧部材を利用して前記密封キャップを加圧して前記電解液注入口内に前記密封キャップを挿入設置する段階、
を含む、二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記負圧を形成する段階は、前記ケース内部の圧力と大気圧との差が45kPa以上になるようにする、請求項11に記載の二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記負圧を形成する段階は、管形状の前記負圧形成部材を前記電解液注入口の外側において前記電解液注入口の周囲を囲むように設置した状態で前記ケース内部の気体を吸入する、請求項11に記載の二次電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2013−98167(P2013−98167A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105176(P2012−105176)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【氏名又は名称原語表記】Samsung SDI Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】428−5,Gongse−dong,Giheung−gu,Yongin−si,Gyeonggi−do 446−577 Republic of KOREA
【出願人】(595041660)
【Fターム(参考)】