説明

二重ウェブサテライト型印刷機

ウェブ印刷機は、第1のウェブの第1の側において第1のウェブを印刷する第1のサテライト型印刷ユニットと、第2のウェブの第1の側において第2のウェブを印刷する第2のサテライト型印刷ユニットと、第1及び第2のサテライト型印刷ユニットの下流に第1のドライヤとを有しており、第1及び第2のウェブが第1のドライヤを通過する。第3のサテライト型印刷ユニットが第1のドライヤの下流において第1のウェブの第2の側において第1のウェブを印刷し、第4のサテライト型印刷ユニットが第1のドライヤの下流において第2のウェブの第2の側において第2のウェブを印刷する。方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して印刷機及びこのような印刷機を運転する方法に関する。
【0002】
発明の背景
ウェブ印刷機は紙又はその他の物質の連続的なロールに印刷し、しばしば紙の両面に同時に印刷する。典型的なウェブ印刷機は、ウェブに種々異なる色を印刷するための複数の印刷ユニットと、ウェブを乾燥、裁断及び折畳みするためのユニットとを有する。
【0003】
サテライト型印刷機も知られており、このサテライト型印刷機においてはウェブの第1の側が、サテライト圧胴及び4つの版胴を使用して通常4つの色で印刷され、それぞれの版胴は、ウェブに直接に接触するか又はブランケット胴を介してウェブに接触する。次いで、ウェブはヒートセットドライヤによって乾燥され、次いで第2の側も、サテライト圧胴及び4つの版胴を用いて、通常は4つの色で印刷される。次いで、完全に印刷されたウェブは第2のヒートセットドライヤによって乾燥される。
【0004】
第1の側が印刷された後、ウェブが第2の側の印刷のために第2のサテライト圧胴上を通過させられる前に、インキが硬化しなければならないので、通常は2つのドライヤが必要とされる。インキが硬化されていないと、ウェブの第1の側における印像が、スミアリングを生じるか、又はその他の欠陥を生じる。
【0005】
ドライヤは、エネルギ消費が大きいので、資本投資観点及び運転的観点の両方から高価である大きな装置である。ドライヤは長いウェブリードをも必要とする。
【0006】
米国特許第4467719号明細書はサテライト型印刷機を開示しており、このサテライト型印刷機において、ウェブが一方の側において印刷され、ドライヤを通過させられ、次いで別の側において印刷され、再び反対方向にドライヤを通過させられる。
【0007】
サテライト型印刷機を開示している米国特許第4467719号明細書及び米国特許第5778779号明細書も、引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0008】
発明の概要
本発明は、ウェブ印刷機を提供し、このウェブ印刷機に、
第1のウェブの第1の側において第1のウェブに印刷する第1のサテライト型印刷ユニットが設けられており、
第2のウェブの第1の側において第2のウェブに印刷する第2のサテライト型印刷ユニットが設けられており、
第1及び第2のサテライト印刷ユニットの下流に第1のドライヤが設けられており、第1及び第2のウェブが第1のドライヤを通過するようになっており、
第1のドライヤの下流において第1のウェブの第2の側において第1のウェブを印刷する第3のサテライト型印刷ユニットが設けられており、
第1のドライヤの下流において第2のウェブの第2の側において第2のウェブに印刷する第4のサテライト型印刷ユニットが設けられている。
【0009】
2つのウェブを1つのドライヤに通過させることにより、ドライヤは、ウェブが同じ方向に走行しながら2つのウェブの両側を乾燥させることができる。
【0010】
好適には、第1のウェブの第2の側と、第2のウェブの第2の側とは、互いに面して第1のドライヤ区分を通過し、これにより、インキ着けされた側が互いに反対に面し、より効果的に乾燥されることができる。
【0011】
第3及び第4のサテライト型印刷ユニットによって印刷した後、第1のウェブの第2の側と第2のウェブの第2の側とにおけるインキを硬化させるために第2のドライヤが好適に設けられている。
【0012】
第2のドライヤは第1のドライヤに隣接して又は別個に配置されている。
【0013】
第1のドライヤ及び第2のドライヤは好適にはそれぞれ、冷却区分、例えば加熱区分の後の冷却ローラを有している。
【0014】
それぞれのサテライト型ウェブ印刷ユニットは好適には少なくとも4色印刷ユニットである。
【0015】
本発明は、2つのウェブを印刷する方法をも提供し、この方法は、
第1のウェブの第1の側において第1のウェブを印刷し、
第2のウェブの第1の側において第2のウェブを印刷し、
引き続き第1及び第2のウェブを第1のドライヤにおいて乾燥させ、
第1のドライヤの下流において第1のウェブの第2の側において第1のウェブを印刷し、
第1のドライヤの下流において第2のウェブの第2の側において第2のウェブを印刷することを含む。
【0016】
図面の簡単な説明
本発明の別の目的、特徴及び利点は、添付の面に関連した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0017】
図1は、本発明の実施形態によるウェブ印刷機を示している。
【0018】
詳細な説明
図1は、4つの印刷ユニット20,22,24,26を含むウェブ印刷機10を示しており、各印刷ユニットは、サテライト型圧胴30,32,34,36と、各印刷ユニット20,22,24,26のための4色印刷のための4つの版胴/ブランケット胴対38とを有している。
【0019】
印刷ユニット20は、概略的に示されたように、第1のウェブ12の第1の側102に4つの色を印刷し、印刷ユニット22は、ウェブ14の第1の側104に4つの色を印刷する。印刷の前に、ウェブはローラ50によって接触される。印刷の後、乾燥の前に、湿ったウェブ面は、通常、印刷された側において空気バー52によって方向付けられ、印刷されていない側若しくは乾燥された側においてローラ50によって方向付けられる。空気バー52は、ウェブにおけるインキがスミアリングを生じるのを防止するために、ウェブの外面にエアクッションを提供する。
【0020】
ウェブ12及び14は、案内ローラ50及び空気バー52を介してドライヤ60に供給される。ドライヤ60は、移動するウェブを乾燥させるためのドライヤ部分と、移動するウェブを冷却するための冷却ローラ部分とを有する。通常は4つの案内ローラと、通常は5つの空気バーとがウェブ12,14を案内し、これにより、ウェブは、図示されたように印刷された側102,104が外方に面しかつ印刷されていない側が互いに面しながら同じ方向にドライヤ60を通過する。これは、側102,104のより優れた乾燥を可能にする。
【0021】
ウェブ12,14は引き続き、加熱されたウェブ12,14を冷却し、インキを硬化させるのを助けるために、ドライヤ60の冷却部分70を通過させられる。冷却ローラアセンブリは通常、ローラの内部を流過する水又はその他の冷媒によって冷却されるローラの連続を含む。
【0022】
ドライヤ60を通過した後、ウェブ12はウェブ案内装置80へ進み、このウェブ案内装置は、ウェブ12をウェブ14の内側に移動させるためのアングルバー82,84を有している。この段階において、例えばウェブ12,14の方向及び位置を制御するためのベイウィンドウ90を提供するために、様々なローラ及びアングルバーの構成が提供されることができる。例えば米国特許第6902135号明細書は引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0023】
次いで、印刷ユニット24は、側102とは反対のウェブ12の側202において例えば4つの色を印刷し、印刷ユニット26はウェブ14の側204において印刷する。次いで、ウェブ12,14は、それぞれ空気バーを介して印刷ユニット24,26から出る。次いで、ウェブ12及び14は、冷却区分72を備えた第2のドライヤ62を通過し、これにより、好適には湿った側202,204は外方に面し、乾燥された側102,104は互いに面する。
【0024】
ウェブ12,14は次いで、2つのウェブのための折り機区分100に進入し、この折り機区分においてそれぞれのウェブ12,14は縦断ちされ、これにより形成されたリボンが組み合わされ、リボンは長手方向に折り畳まれ、裁断されて折丁となる。
【0025】
印刷ユニット20,22,24,26は水平ウェブ入口及び出口を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態によるウェブ印刷機を示している。
【符号の説明】
【0027】
20,22,24,26 印刷ユニット、 30,32,34,36 サテライト型圧胴、 38 版胴/ブランケット胴対、 50 ローラ、 52 空気バー、 60 ドライヤ、 70 冷却部分、 80 ウェブ案内装置、 90 ベイウィンドウ、 102 第1の側、 102,104 第1の側、 202,204 湿った側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ印刷機において、
第1のウェブの第1の側において第1のウェブを印刷する第1のサテライト型印刷ユニットが設けられており、
第2のウェブの第1の側において第2のウェブを印刷する第2のサテライト型印刷ユニットが設けられており、
第1及び第2のサテライト型印刷ユニットの下流に第1のドライヤが設けられており、第1及び第2のウェブが第1のドライヤを通過するようになっており、
第1のドライヤの下流において第1のウェブの第2の側において第1のウェブを印刷する第3のサテライト型印刷ユニットが設けられており、
第1のドライヤの下流において第2のウェブの第2の側において第2のウェブを印刷する第4のサテライト型印刷ユニットが設けられていることを特徴とする、ウェブ印刷機。
【請求項2】
第1のウェブの第2の側と、第2のウェブの第2の側とが、互いに面して第1のドライヤを通過する、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項3】
第3及び第4のサテライト型印刷ユニットの下流に第2のドライヤが設けられている、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項4】
第1のドライヤが冷却区分を有する、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項5】
第1のサテライト型印刷ユニットが少なくとも4色印刷ユニットである、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項6】
第1のサテライト型印刷ユニットが、垂直のウェブ入口及び出口箇所を有する、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項7】
ウェブ印刷機が新聞印刷機である、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項8】
第1のドライヤと第3のサテライト型印刷ユニットとの間に第1のウェブのためのウェブ案内装置が設けられている、請求項1記載のウェブ印刷機。
【請求項9】
ウェブ案内装置が、1つ又は2つ以上のアングルバーと、1つ又は2つ以上のローラとを有する、請求項8記載のウェブ印刷機。
【請求項10】
ウェブ案内装置が、第1のウェブのためのベイウィンドウを提供している、請求項9記載のウェブ印刷機。
【請求項11】
第1のドライヤが第2のドライヤのすぐ上方に配置されている、請求項2記載のウェブ印刷機。
【請求項12】
2つのウェブを印刷する方法において、
第1のウェブの第1の側において第1のウェブを印刷し、
第2のウェブの第1の側において第2のウェブを印刷し、
引き続き第1及び第2のウェブを第1のドライヤにおいて乾燥させ、
第1のドライヤの下流において第1のウェブの第2の側において第1のウェブを印刷し、
第1のドライヤの下流において第2のウェブの第2の側において第2のウェブを印刷することを特徴とする、2つのウェブを印刷する方法。
【請求項13】
第1のウェブの第1の側がサテライト型印刷機によって印刷される、請求項12記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−530133(P2009−530133A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500412(P2009−500412)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/006201
【国際公開番号】WO2007/106433
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(505332174)ゴス インターナショナル アメリカス インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Americas, Inc.
【住所又は居所原語表記】121 Broadway, Dover NH 03820, USA
【Fターム(参考)】