説明

二重バルブが備わったパイプの脱着アセンブリ

【課題】パイプの流路を選択的に開閉可能なパイプの脱着アセンブリが開示される。
【解決手段】パイプの脱着アセンブリは、流路を備えた第1パイプおよび第2パイプの一端にそれぞれ第1バルブおよび第2バルブが装着され、第1バルブおよび第2バルブの一側にはそれぞれ第1駆動軸および第2駆動軸が装着される。第1バルブおよび第2バルブは内外側面に球面体を成し、曲率半径が同じ第1バルブの内側面と第2バルブの外側面が互いに重なってパイプの流路を閉鎖することができる。したがって、パイプの修理および交換の際に、内部を流れる流体を除去しなくてもパイプの分離および結合が可能であり、曲面状のバルブを通じてパイプ内部の流路を完全に遮断することができるだけでなく、構造が簡単で使用が容易であり維持補修が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲面状のバルブを用いたパイプの脱着アセンブリに関し、より詳細には、パイプ内部に球面体の一部を有するバルブを装着し、パイプを分離および結合する際に流路を選択的に遮断することができるパイプの脱着アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
発電所や石油化学団地などの大規模な産業施設から一般の家庭や事務所のエアコンや冷蔵庫などに至るまで、すべての施設物および機械装置には多様な大きさや形態のパイプが装着されている。このようなパイプは、施設物および機械装置の目的によって、水、水蒸気、冷媒など様々な流体を移送する。
【0003】
しかし、長期間の使用によってパイプが腐食したり、時には外部からの衝撃あるいはパイプ内部を流れる流体の急激な状態変化などにより、パイプが割れたり亀裂が生じる場合がある。従来では、このようなパイプを交換、あるいは修理するためにパイプを分離または結合する途中に内部の流体が外部に漏れ、環境汚染および資源浪費などの問題が頻繁に発生していた。
【0004】
従来のパイプを分離する方法を詳察すれば、まず、パイプ内部を流れる流体を回収する。パイプ内部からすべての流体を除去した後、パイプを分離して修理および交換を実施する。この後、再びパイプを結合して流体がパイプ内部を流れるようにする。
【0005】
このような従来の技術は、次のような問題点が挙げられる。
【0006】
まず、このような修理および交換作業は、時間が多く要されるだけでなく、作業中の流体の漏れによって環境汚染および資源浪費が発生する。この一例として、大量の油類やLPGなどを移送および貯蔵する大型船舶や貯蔵基地から他の船舶または基地に燃料を注入、または排出する場合、分離したパイプ管を通じて燃料が漏出することがある。また、エアコンまたは冷蔵庫のような冷房装置の連結配管を分離する前には、安全のために内部の作動流体を優先的に除去しなければならない。さらに、連結配管を再結合する際には、除去された作動流体を再び満たさなければならないという煩わしさが存在する。
【0007】
また、温度が高い流体の場合には火傷の危険が発生するし、放射線物質の場合には人体に放射線露出などの危険を与える恐れがある。
【0008】
また、パイプ内部からすべての流体を除去した後にパイプを分離して修理および交換を遂行する作業は極めて煩わしい作業であり、作業速度が遅延する原因となる。これとともに、流体を溜めておく容器が必要であったり、パイプ内部の流体を廃棄する場合には地面や作業環境が汚れる原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、2つのパイプの両端にバルブを設定し、パイプを分離する際に内部の流体を排出しなくても作業が可能であり、有毒性および引火性のある流体から環境汚染、人命事故、資源浪費を防ぐことができるパイプの脱着アセンブリを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、パイプの内部形状と対応した曲面状のバルブを装着し、パイプを分離または結合する際の優れた密封効果により内部流体が漏出せず、環境汚染および資源浪費を防ぐことができるとともに、火傷および放射線露出などの危険から作業者の安全を保障することができるパイプの脱着アセンブリを提供することを他の目的とする。
【0011】
また、本発明は、構造が比較的単純であり、維持補修が簡便でありながらも半永久的に使用することができるパイプの脱着アセンブリを提供することをさらに他の目的とする。
【0012】
また、本発明は、大量船舶や貯蔵基地から他の場所に大量の油類やLPGを移送する際に、パイプを分離してもパイプに貯蔵された流体が漏出しないパイプの脱着アセンブリを提供することをさらに他の目的とする。
【0013】
また、本発明は、冷蔵庫またはエアコンのような冷房装置の連結管を分離する際にも、連結管内部の作動流体を除去しなくても分離作業が可能なパイプの脱着アセンブリを提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態によれば、本発明のパイプの脱着アセンブリは、第1パイプと、第2パイプと、第1バルブユニットと、第2バルブユニットと、を含む。
【0015】
前記第1パイプは、内部の流体の移動路である第1流路が形成され、前記第2パイプは、前記第1パイプに脱着可能なように結合して第2流路が形成される。また、前記第1バルブユニットは、前記第1パイプの一側に結合して前記第1流路を選択的に開閉させることができ、前記第2バルブユニットは、前記第2パイプの一側に結合して前記第2流路を選択的に開閉させることができる。
【0016】
このように、前記パイプの脱着アセンブリを介して前記第1パイプと前記第2パイプを結合する場合には、前記第1バルブユニットと前記第2バルブユニットがそれぞれ前記第1流路および第2流路を開放する。また、前記第1パイプと前記第2パイプを分離する場合には、前記第1バルブユニットと前記第2バルブユニットがそれぞれ前記第1流路および第2流路を閉鎖する。
【0017】
前記第1バルブユニットは第1バルブおよび第1駆動軸を含むが、前記第1バルブは第1曲率半径として外側面が形成された球面体の一部であり、前記第1駆動軸は前記第1曲率半径が成す球面体の中心方向に配置されて前記第1バルブに結合する。また、前記第2バルブユニットは第2バルブおよび第2駆動軸を含むが、前記第2バルブは第2曲率半径として外側面が形成された球面体の一部であり、前記第2駆動軸は前記第2曲率半径が成す球面体の中心方向に配置されて前記第2バルブに結合する。本発明においては、前記第2曲率半径が前記第1曲率半径より大きいことを特徴とする。一方、前記第1バルブの内側面は前記第2曲率半径を有する球面体の形態に陥没し、前記第2バルブの内側面も陥没する。
【0018】
前記第1パイプの一端は、その内面が前記第1外側面と対応した曲率半径を有する曲面体で形成されるが、これに前記第1バルブが結合して回転しながら面接触することができる。また、前記第2パイプの一端は、その内面が前記第2外側面と対応した曲率半径を有する曲面体で形成されるが、これに前記第2バルブが結合して回転しながら面接触することができる。
【0019】
また、本発明のパイプの脱着アセンブリは、互いに分離または結合が可能な第1パイプおよび第2パイプと、前記第1パイプに装着されて外側面が第1曲率半径を有する第1バルブと、前記第2パイプに装着されて外側面が前記第1曲率半径より大きい第2曲率半径を有する第2バルブと、を含む。また、前記第1バルブにはその外側面が法線を中心として回転する第1駆動軸が結合し、前記大2バルブにはその外側面が法線を中心として回転する第2駆動軸が結合する。
【0020】
また、本発明のパイプの脱着アセンブリは、一端が内径より大きい第1曲率半径を有する第1接触部が形成された第1パイプと、前記第1曲率半径より大きい第2曲率半径を有する第2接触部が形成された第2パイプと、を含み、前記第1パイプに装着されて前記第1曲率半径を有する第1外側面および前記第1曲率半径に陥没した第1内側面で形成された第1バルブと、前記第2パイプに装着されて前記第2曲率半径を有する第2外側面および陥没した第2内側面で形成された第2バルブと、を備え、前記第1バルブと結合して前記第1外側面の法線方向を中心として回転する第1駆動軸と、前記第2バルブと結合して前記第2パイプの外面の法線方向を中心として回転し、内部に前記第2バルブの逆回転を提供する提供部が装着された第2駆動軸と、を含む。前記制御部は、前記第2駆動軸の外周面から突出形成された突起部と、前記突起部を含んで前記第2駆動軸の一部を囲む制御ボックスと、前記制御ボックスに内蔵されて前記駆動軸の回転方向に復元力を提供する弾性部材と、を含む。このような制御部は、弾性部材の他にモータまたは油圧装置などを用いることができる。
【0021】
このように構成され、パイプを分離または結合する際に、内部に流れる流体を排出しなくても作業が可能であるため作業時間を減らすことができるだけでなく、パイプ外部に流体の漏出を遮断して環境汚染、資源浪費および人命事故を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、それぞれのパイプの一端にバルブを設置して内部の流路を選択的に遮断することができ、パイプ内部に流れる流体を除去しなくても両パイプを分離することで作業が可能であり、これによって作業時間を大きく短縮することができる効果がある。
【0023】
また、パイプ形状と対応するバルブ構造によって流路を完全に遮断することができ、これによってパイプ内部の流体が外部に流出しないため環境汚染および資源浪費を防ぐことができるだけでなく、引火性または有毒性がある流体から作業者の安全を図ることができる効果がある。
【0024】
また、比較的簡単なバルブ構造によって維持補修が単純であり、半永久的に使用することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するが、本発明が実施形態によって制限されたり、限定されることはない。
【0026】
図1は本発明の実施形態に係るパイプの脱着アセンブリを示した斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る互いに分離したパイプの脱着アセンブリを示した斜視図である。
【0027】
これに示すように、パイプの脱着アセンブリ10は、第1パイプ100と、前記第1パイプ100に分離または結合する第2パイプ200と、を含む。また、前記パイプの脱着アセンブリ10は、前記第1パイプ100および第2パイプ200に結合した第1バルブユニット300および第2バルブユニット400と、を含む。前記第1バルブユニット300は、前記第1パイプ100の内部に結合した第1バルブ310と、前記第1バルブ310を回転するために前記第1パイプ100の外側面から前記第1バルブ310と結合した第1駆動軸320と、を含む。また、前記第2バルブユニット400は、前記第2パイプ200の内部に装着された第2バルブ410と、前記第2バルブ410を回転するために前記第2パイプ200の外側面から前記第2バルブ410に装着された第2駆動軸420と、を含む。
【0028】
前記第1バルブ310および第2バルブ410は球面体の一部分を有する形態であり、それぞれ前記第1パイプ100および第2パイプ200の内部を流れる流体が外部に流出することを効果的に遮断することができる。
【0029】
前記第1駆動軸320および第2駆動軸420は、円滑な回転のためにそれぞれ上部に取っ手を備えることができる。前記第1駆動軸320は前記第1パイプ100の外面に斜めに装着され、前記第2駆動軸420は前記第2パイプ200の外面に垂直に装着される。
【0030】
図3は本発明のパイプの脱着アセンブリを示した内部断面図であり、図4は図3のA−A’部分を切開した後を示した切開斜視図である。
【0031】
これに示すように、パイプの脱着アセンブリ10は、互いに分離または結合が可能な第1パイプ100および第2パイプ200と、前記第1パイプ100および第2パイプ200の内部に流れる流体の流れを選択的に遮断することができる第1バルブ310、第2バルブ410、第1駆動軸320、第2駆動軸420と、を含む。
【0032】
前記第1バルブ310は球面体の一部を切断した形態であって、前記第1パイプ100内面の一側に結合する。前記第1バルブ310の第1外側面312は第1曲率半径を有し、第1内側面314は第1曲率半径より大きい第2曲率半径を有する。参考までに、第1曲率半径と第2曲率半径で形成された球面体である第1球面313および第2球面315は点線で示されている。また、前記第1バルブ310では、前記第1球面313と前記第2球面315が互いに交差して第1縁部316を形成する。前記第1縁部316は、開放時には前記第1パイプ100の一端と平行に形成されて流体の流れを効果的に遮断し、閉鎖時には前記第1パイプ100の内面から突出しないようにして流体の流れが円滑に成されるようにする。また、前記第2バルブ410は球面体の一部を切断した形態であって、前記第2パイプ200内面の一側に結合する。このような前記第2バルブ410の第2外側面412は、前記第1内側面314と同じ第2曲率半径を有する。一方、前記第2バルブ410の重量を減らすために、前記第2内側面414も一定の深さに陥没することが好ましく、特に、柔らかな回転動作を具現するために一定の曲率半径を有するように陥没することが好ましい。
【0033】
前記第1パイプ100は、内部に流体が流れるように貫通した中空状の円筒であって、その一端が第1曲率半径を有する球面体の形状に拡張されて第1拡張部110を成す。また、前記第2パイプ200は、前記第1パイプ100と同じ内径を有する中空状の円筒であって、その一端は第2曲率半径を有する球面体の形状に拡張されて第2拡張部210を成す。ここで、前記第2バルブ410の第2縁部416は、前記第2バルブ410が回転して前記第2拡張部210と面接触するとき、すなわち、前記第2パイプ200の流路が開放されるときに、前記第2パイプ200の内面と平行に形成することが、円滑な流体の流れのためには好ましい。一方、前記第2拡張部210は、その一側に係止爪215が形成されるが、前記係止爪215を開始点として前記第2パイプ200内部に向かって第1曲率半径を有する第3拡張部220を形成する。言い換えれば、前記第2パイプ200の内面は、前記第1外側面312を収容して接することができるように前記第1球面313と対応するように拡張する。このような前記係止爪215は、前記第2バルブ410の回転を制御する。また、前記第1パイプ100および第2パイプ200は、それぞれ外観を構成するハウジングを互いに接した後、一般的な締結手段であるボルトやナット、カップリングなどを用いて互いに結合することができる。このとき、結合面の気密を維持するために、ガスケットやオーリングなどを用いて結合面の隙間を密封することができる。
【0034】
前記第1駆動軸320は棒状であって、前記第1バルブ310と接する点の法線方向に長く形成される。また、前記第1駆動軸320の上端には、回転のために第1取っ手322が形成される。すなわち、前記第1駆動軸320は、その回転中心が前記第1外側面312を含む前記第1球面313の中心に向かうようにして装着する。前記第1駆動軸320は、前記第1バルブ310と接する点の法線を中心として前記第1バルブ310を90°に回転することができる。また、前記第2駆動軸420は棒状であって、前記第1バルブ310と接する点から法線方向に長く形成され、上端には回転のための第2取っ手422が形成される。すなわち、前記第2駆動軸420は、その回転中心が前記第2外側面412を含む第2球面315の中心に向かうように装着する。一方、前記第2バルブ410は、前記第2拡張部210に沿って連結部418が延長形成される。前記連結部418の一端は前記第2駆動軸420まで拡張して結合し、前記第2駆動軸420の回転を前記第2バルブ410に伝達する。このような前記連結部418の厚さおよび幅は、前記第2駆動軸420の作動荷重および材料の強度などを考慮して多様に設計されることができる。
【0035】
図5は本発明のパイプの脱着アセンブリの閉鎖された状態を示した内部断面図であり、図6は本発明のパイプの脱着アセンブリの閉鎖された状態を示した内部斜視図である。
【0036】
これに示すように、第1パイプ100は、内面に第1バルブ310が結合する。前記第1バルブ310は第1外側面312が第1拡張部110と面接触して、前記第1パイプ100内部に流体が流れないように流路を遮断する。これと対応して、前記第2パイプ200は内面に第2バルブ410が結合し、前記第2バルブ410の第2外側面412は第2拡張部210と面接触して、前記第2パイプ200内部に流体が流れないように流路を遮断する。一方、前記第2外側面412は、前記第1内側面314と同じ曲率半径を有するため、前記第2外側面412と前記第1内側面314はその間に隙間なく接触することができる。しかし、前記第2外側面412と前記第1内側面314が面接触する過程において、摩擦力を減らすために若干の隙間を提供することがある。これは、前記第2外側面412および第1内側面314の曲率半径を微細な大きさで互いに異なるように設計したり、前記第1バルブ310および第2バルブ410の装着地点を変更したりすることで成すことができる。このような場合、隙間を通じて流体が外部に流出することを防ぐために、コーティング剤を用いて離隔した隙間を密封することができる。
【0037】
図7は本発明のパイプの脱着アセンブリの開放された状態を示した内部断面図であり、図8は本発明のパイプの脱着アセンブリの開放された状態を示した内部斜視図である。
【0038】
これに示すように、第1パイプ100に連結された第1バルブ310は、第1外側面312が前記第1パイプ100および第2パイプ200の内面に接触する。すなわち、前記第1外側面312は、前記第1パイプ100の第1拡張部100と、前記第2バルブ410の第2拡張部210に渡って接触する。また、第2パイプ200に連結された第2バルブ410は、第2外側面412が前記第2パイプ200の内面である前記第2拡張部210に接触する。このとき、第1縁部313および第2縁部315は、前記第1パイプ100および第2パイプ200の内面と平行する。このように、第1バルブ310および第2バルブ410が開放されて、流体がパイプ内部を妨害なく円滑に流れることができる。ここで、理論的には、前記第1外側面312と前記第2外側面412はそれぞれ前記第2拡張部210と接する面が同じ曲率半径を有するため、互いに接する面の間には隙間がない。しかし、前記第1外側面312と第2外側面412は、前記第2拡張部210と面接触過程において発生する摩擦力を減らすために若干の隙間を有することがある。もちろん、摩擦力を減らしながらも流体が外部に漏出しないように、コーティング剤を塗布して隙間を埋めることもできる。
【0039】
図9は、本発明のパイプの脱着アセンブリの開放された状態から閉鎖された状態に変化するものを示した内部断面図である。
【0040】
これに示すように、結合した第1パイプ100と第2パイプ200を分離するために、第1バルブ310と第2バルブ410を閉鎖する過程を記述する。まず、第1バルブ310と第2バルブ410が回転する際に互いに衝突し得る領域である干渉領域IXを避けるために第2駆動軸420を反時計回りに回転し、前記第2バルブ410を所定の角度αに後退させる。第1駆動軸320を時計回りに90°に回転して前記第1バルブ310を第1拡張部110に接するようにし、前記第1パイプ100の流路を遮断する。前記第2駆動軸420を時計回りに回転し、前記2縁部416が係止爪215と接触するまで前記第2バルブ410を回転する。このとき、前記第2バルブ410は、第2球面315の一部を描きながら回転する。回転する前記第2バルブ410は、前記係止爪215によって回転が停止し、前記第1バルブ310の第1内側面314に前記第2バルブ410の第2外側面412が接するようになる。これにより、前記第1バルブ310および第2バルブ410によって前記第1パイプ100および第2パイプ200の流路は完全に遮断され、パイプを分離する際にパイプ外部に流体が漏出しないようになる。
【0041】
図10は、本発明のパイプの脱着アセンブリの閉鎖された状態から開放された状態に変化するものを示した内部断面図である。
【0042】
これに示すように、前記第1パイプ100と前記第2パイプ200を結合した後、前記第1バルブ310および第2バルブ410を開放する過程を記述する。まず、前記第2駆動軸420を反時計回りに90°に回転し、続いて、干渉領域Xにおける前記第1バルブ310と前記第2バルブ410の干渉を避けるために所定の角度αにさらに回転する。このとき、前記第2外側面412は、前記第2球面315の一部を描きながら反時計回りに回転する。次に、前記第1駆動軸320を反時計回りに90°に回転する。このとき、前記第1バルブ310は、前記第1球面313の一部を描きながら反時計回りに回転する。回転した前記第1バルブ310の第1縁部316は、前記第1パイプ100および第2パイプ200の内面と平行する。次に、前記第2駆動軸420を時計回りに所定の角度αに回転し、前記第2バルブ410の第2縁部416を前記第1バルブ310および第2バルブ410の内面と平行するようにする。このように流路が開放され、前記第1パイプ100および第2パイプ200を通じて流体が円滑に流れることができる。
【0043】
図11は本発明の他の実施形態であって、第2駆動軸の回転を制御する制御部を示した内部断面図であり、図12は図11のB−B’断面を切開した後を示した内部断面図であり、図13は第2駆動軸を所定の角度に回転した状態を示した内部断面図である。
【0044】
これに示すように、第2駆動軸420の下部に制御部430が装着される。前記制御部430は、円筒状の制御ボックス432と、前記制御ボックス432の内面と前記第2駆動軸420の間に位置した弾性部材434と、前記第2駆動軸420の外面に突出形成された突起部424と、を含む。前記弾性部材434はコイルスプリングが好ましい。このような前記制御部430は、前記第2駆動軸420の回転を制御することができる。これを詳細に説明すると、第1パイプ100および第2パイプ200を分離または結合するために第1バルブ310および第2バルブ410を回転する過程において、前記第1バルブ310と前記第2バルブ410は互いに干渉を引き起こす。このような干渉を避けるために、前記第1バルブ310を回転する前に前記第2駆動軸420を回転し、前記第2バルブ410を反時計回りに所定の角度に後退させる。これを示したものが図13である。このとき、前記弾性部材434は、回転する突起部424によって圧縮力をその内部に貯蔵するようになる。前記第1バルブ310の回転が完了した後、前記第2バルブ410は、前記弾性部材434の圧縮力によって徐々に所定の角度αに時計回りに回転して本来の状態に戻る。本実施形態では弾性部材を用いて制御部を構成したが、モータまたは機械装置によってバルブの回転を制御するように設計することもできる。
【0045】
このように構成され、パイプ内部の流体を放出しなくてもパイプの交換および修理が可能であるため作業時間を短縮することができ、曲面状のバルブでパイプの流路を完全に遮断するため分離時にも内部の流体が外部に漏出せず、環境汚染および人体の安全だけでなく、構造が比較的単純で維持補修が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリを示した斜視図である。
【図2】本発明の1実施形態に係る互いに分離したパイプの脱着アセンブリを示した斜視図である。
【図3】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリを示した内部断面図である。
【図4】図3のA−A’部分を切開した後を示した切開斜視図である。
【図5】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリの閉鎖された状態を示した内部断面図である。
【図6】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリの閉鎖された状態を示した内部斜視図である。
【図7】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリの開放された状態を示した内部断面図である。
【図8】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリの開放された状態を示した内部斜視図である。
【図9】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリの開放された状態から閉鎖された状態に変化したものを示した内部断面図である。
【図10】本発明の1実施形態に係るパイプの脱着アセンブリの閉鎖された状態から開放された状態に変化したものを示した内部断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態であって、第2駆動軸の回転を制御する制御部を示した内部断面図である。
【図12】図11のB−B’断面を切開した後を示した内部断面図である。
【図13】第2駆動軸を所定の角度に回転した状態を示した内部断面図である。
【符合の説明】
【0047】
10 パイプの脱着アセンブリ
100 第1パイプ
110 第1拡張部
200 第2パイプ
210 第2拡張部
220 第3拡張部
300 第1バルブユニット
310 第1バルブ
312 第1外側面
314 第1内側面
320 第1駆動軸
400 第2バルブユニット
410 第2バルブ
412 第2外側面
414 第2内側面
420 第2駆動軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流路を備えた第1パイプと、
前記第1パイプと脱着可能であり、前記第1流路と連結して流体が流動する第2流路を備えた第2パイプと、
前記第1パイプに装着されて前記第1流路を選択的に開閉する第1バルブユニットと、
前記第2パイプに装着されて前記第2流路を選択的に開閉する第2バルブユニットと、
を含み、
前記第1パイプおよび第2パイプを結合する際には、前記第1バルブユニットおよび第2バルブユニットがそれぞれ前記第1流路および第2流路を開放し、前記第1パイプおよび第2パイプが分離する際には、前記第1バルブユニットおよび第2バルブユニットがそれぞれ前記第1流路および第2流路を閉鎖することを特徴とするパイプの脱着アセンブリ。
【請求項2】
前記第1バルブユニットは、
外側面が第1曲率半径を有する球面体の一部である第1バルブと、
前記第1バルブと結合して前記第1曲率半径が成す球面体の中心方向に回転する第1駆動軸と、
を含み、
前記第2バルブユニットは、
外側面が前記第1曲率半径より大きい第2曲率半径を有する球面体の一部である第2バルブと、
前記第2バルブと結合して前記第2曲率半径が成す球面体の中心方向に回転する第2駆動軸と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項3】
前記第1バルブは内側面が陥没して形成され、陥没した面は前記第2曲率半径を有する球面体の一部であることを特徴とする請求項1に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項4】
前記第1パイプの一端は、その内面が前記第1外側面と対応する球面で形成され、前記第1外側面と前記第1パイプの内面は面接触することを特徴とする請求項1に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項5】
前記第2パイプの一端は、その内面が前記第2外側面と対応する球面で形成され、前記第2外側面と前記第2パイプの内面は面接触することを特徴とする請求項1に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項6】
前記第1パイプおよび第2パイプと前記第1外側面および第2外側面が相互接触する面はコーティング剤で塗布されたことを特徴とする請求項1に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項7】
第1パイプと、
前記第1パイプと分離または結合が可能な第2パイプと、
前記第1パイプに装着されて外側面が第1曲率半径を有する第1バルブと、
前記第2パイプに装着されて外側面が前記第1曲率半径より大きい第2曲率半径を有する第2バルブと、
前記第1バルブに結合し、前記第1バルブの外側面の法線を中心として回転する第1駆動軸と、
前記第2バルブに結合し、前記第2バルブの外側面の法線を中心として回転する第2駆動軸と、
を含み、
前記第1および第2パイプが結合する際には、前記第1および第2バルブが流体の流れを妨害しないように回転して流体の流路から脱して固定され、前記第1および第2パイプが分離する際には、前記第1および第2バルブがそれぞれ回転した後に固定されて前記第1および第2パイプを閉鎖して流体の漏れを防ぐことを特徴とするパイプの脱着アセンブリ。
【請求項8】
前記第1バルブは、内側面が前記第2曲率半径を有するように陥没して形成されたことを特徴とする請求項7に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項9】
前記第2バルブは、内側面が陥没して形成されたことを特徴とする請求項7に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項10】
前記第1パイプの一端は、その内面が前記第1曲率半径を有する球面体の形状に拡張して第1拡張部を形成することを特徴とする請求項7に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項11】
前記第2パイプの一端は、その内面が前記第2曲率半径を有する球面体の形状に拡張して第2拡張部を形成することを特徴とする請求項7に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項12】
前記第2拡張部の一側には係止爪が形成されたことを特徴とする請求項11に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項13】
前記第2拡張部は、前記係止爪から一部分が、前記第1バルブが回転しながら経由した面に沿って前記第1曲率半径を有する球面体の形状で形成されたことを特徴とする請求項12に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項14】
前記第2バルブは一側が突出形成されて前記第2拡張部に沿って延長した連結部を形成し、前記連結部は前記第2駆動軸と結合することを特徴とする請求項12に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項15】
前記第1バルブは、前記第1駆動軸を中心として90°に回転して前記第1パイプを開放または閉鎖することを特徴とする請求項7に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項16】
前記第2バルブは、前記第2駆動軸を中心として90°に回転して前記第2パイプを開放または閉鎖することを特徴とする請求項7に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項17】
前記第2バルブは、前記第1バルブの干渉を避けるために所定の角度に後退することを特徴とする請求項16に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項18】
前記第1拡張部および第2拡張部と前記第1外側面および第2外側面が相互接触する面はコーティング剤で塗布されたことを特徴とする請求項1に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項19】
一端が内径より大きい第1曲率半径を有する第1接触部が形成された第1パイプと、
一端が前記第1曲率半径より大きい第2曲率半径を有する第2接触部が形成された第2パイプと、
前記第1パイプに装着され、前記第1曲率半径を有する第1外側面および第2曲率半径に陥没した第1内側面で形成された第1バルブと、
前記第2パイプに装着され、前記第2曲率半径を有する第2外側面および陥没した第2内側面で形成された第2バルブと、
前記第1バルブと結合して前記第1外側面の法線方向を中心として回転する第1駆動軸と、
前記第2バルブと結合して前記第2パイプ外面の法線方向を中心として回転し、内部に前記第2バルブの逆回転を提供する制御部が装着された第2駆動軸と、
を含み、
前記第1および第2パイプが結合する際には、前記第1および第2バルブが流体の流れを妨害しないように流体の流路から脱して回転して固定され、前記第1および第2パイプが分離する際には、前記第1および第2バルブがそれぞれ回転した後に固定されて前記第1および第2パイプを閉鎖して流体の漏れを防ぐことを特徴とするパイプの脱着アセンブリ。
【請求項20】
前記制御部は、
前記第2駆動軸の外周面に突出形成された突起部と、
前記突起部を含んで前記第2駆動軸の一部を囲む制御ボックスと、
前記制御ボックス内部に備えられ、前記駆動軸の回転方向に復元力を提供する弾性部材と、
を含むことを特徴とする請求項19に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項21】
前記第2接触部の一側には係止爪が形成されたことを特徴とする請求項20に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項22】
前記第2接触部は、前記係止爪から一部分が、前記第1バルブが回転しながら経由した面に沿って前記第1曲率半径を有する球面体の形状で形成されたことを特徴とする請求項21に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項23】
前記第2バルブは一側が突出して前記第2接触部に沿って延長した連結部が形成され、前記連結部は前記第2駆動軸と結合することを特徴とする請求項19に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項24】
前記第1バルブは、前記第1駆動軸を中心として90°に回転して前記第1パイプを開放または閉鎖することを特徴とする請求項19に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項25】
前記第2バルブは、前記第2駆動軸を中心として90°に回転して前記第2パイプを開放または閉鎖することを特徴とする請求項19に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項26】
前記第2バルブは、分離の際に前記第1バルブの回転による干渉を避けるために所定の角度に後退することを特徴とする請求項25に記載のパイプの脱着アセンブリ。
【請求項27】
前記第1接触部および第2接触部と前記第1外側部および第2外側部が接する面にコーティング剤が塗布されたことを特徴とする請求項19に記載のパイプの脱着アセンブリ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−327642(P2007−327642A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147582(P2007−147582)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(500002490)コリア アトミック エナジー リサーチ インスティチュート (20)
【出願人】(502043352)コリア ハイドロ アンド ニュークリア パワー カンパニー リミティッド (23)
【Fターム(参考)】