説明

二重化制御装置

【課題】上流側の監視装置との信号授受に関わる制御バスとの制御バス通信I/Fの二重化方式を変更することなく、プロセスIO装置まで二重化した二重化制御装置を提供する。
【解決手段】二重化されたA系、B系制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワーク、およびIO切替部から構成され、A系、B系制御装置は、制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、A系、B系プロセスIO装置との入出力信号の授受をA系、B系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部および他系入出力I/F部と、A系、B系制御装置の監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラント監視制御システムにおいて、プロセスIO装置の点検作業があっても設備の自動運転を継続させたまま対応できる二重化制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプラント監視制御システムは、制御装置は二重系構成となっているがプロセスIO装置はシングル構成となっており、制御系の制御装置にて監視制御の演算処理を行いプロセスIO装置経由で入出力している。待機系の制御装置では監視制御の演算処理を行わず、制御系の制御装置からのデータ一致化処理にて監視制御データの等値化を行っている。また、制御装置で系切替が実行されると、プロセスIO装置に接続される制御装置を切り替えて運用している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−181501号公報(段落[0016]〜[0025]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1開示の二重化制御装置では、プロセスIO装置はシングル構成で、制御系の制御装置とプロセスIO装置が接続されるよう切り替えて運用しているため、点検作業でのプロセスIO装置のIOカードの動作確認あるいはカード交換作業では、プロセスIO装置を電源停止させて作業する必要がある。そのため、制御装置における設備の運転が継続できなくなり、設備側に人員を配置した手動制御により運転の継続を行う必要があり点検の工期が長くなり、工数も大きくなる問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、上流側の監視装置との信号授受に関わる制御バスとの制御バス通信I/Fの二重化方式を変更することなく、プロセスIO装置まで二重化した二重化制御装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る二重化制御装置は、上流側の監視装置との監視・制御信号の授受を制御バス経由で行い、下流側の設備との入出力信号の授受をプロセスIO装置経由で行う二重化制御装置において、二重化されたA系制御装置およびB系制御装置、A系プロセスIO装置およびB系プロセスIO装置、A系IOネットワークおよびB系IOネットワーク、およびIO切替部から構成され、A系制御装置、B系制御装置は、制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データを格納する監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、A系プロセスIO装置、B系プロセスIO装置との入出力信号の授受をA系IOネットワークおよびB系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部および他系入出力I/F部と、A系制御装置、B系制御装置の監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部とから構成されるものである。
【0007】
この発明に係る二重化制御装置は、上流側の監視装置との監視・制御信号の授受を制御バス経由で行い、下流側の設備との入出力信号の授受をプロセスIO装置経由で行う二重化制御装置において、二重化されたA系バス通信制御装置およびB系バス通信制御装置、A系IO制御装置およびB系IO制御装置、A系プロセスIO装置およびB系プロセスIO装置、A系IOネットワークおよびB系IOネットワーク、および制御装置間ネットワーク、IO切替部から構成され、A系バス通信制御装置、B系バス通信制御装置は、制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データを格納する監視制御データ部と、制御装置間ネットワークを経由してA系IO制御装置、B系IO制御装置と信号の授受を行う制御装置間通信I/F部と、A系バス通信制御装置およびB系バス通信制御装置の監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部から構成され、A系IO制御装置、B系IO制御装置は、制御装置間ネットワークを経由してA系バス通信制御装置、B系バス通信制御装置と信号の授受を行う制御装置間通信I/F部と、監視制御データを格納するIO監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、A系プロセスIO装置、B系プロセスIO装置との入出力信号の授受をA系IOネットワークおよびB系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部とから構成されるものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る二重化制御装置は、二重化されたA系制御装置およびB系制御装置、A系プロセスIO装置およびB系プロセスIO装置、A系IOネットワークおよびB系IOネットワーク、およびIO切替部から構成され、A系制御装置、B系制御装置は、制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データを格納する監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、A系プロセスIO装置、B系プロセスIO装置との入出力信号の授受をA系IOネットワークおよびB系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部および他系入出力I/F部と、A系制御装置、B系制御装置の監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部とから構成されるものであるため、設備の自動運転を継続したまま、点検作業が可能となり、点検工事の工期短縮および工数削減を図ることができる。
【0009】
この発明に係る二重化制御装置は、二重化されたA系バス通信制御装置およびB系バス通信制御装置、A系IO制御装置およびB系IO制御装置、A系プロセスIO装置およびB系プロセスIO装置、A系IOネットワークおよびB系IOネットワーク、および制御装置間ネットワーク、IO切替部から構成され、A系バス通信制御装置、B系バス通信制御装置は、制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データを格納する監視制御データ部と、制御装置間ネットワークを経由してA系IO制御装置、B系IO制御装置と信号の授受を行う制御装置間通信I/F部と、A系バス通信制御装置およびB系バス通信制御装置の監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部から構成され、A系IO制御装置、B系IO制御装置は、制御装置間ネットワークを経由してA系バス通信制御装置、B系バス通信制御装置と信号の授受を行う制御装置間通信I/F部と、監視制御データを格納するIO監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、A系プロセスIO装置、B系プロセスIO装置との入出力信号の授受をA系IOネットワークおよびB系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部とから構成されるものであるため、設備の自動運転を継続したまま、点検作業、改造作業が可能となり、点検・改造工事の工期短縮および工数削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1の二重化制御装置に係るシステム構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2の二重化制御装置に係るシステム構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3の二重化制御装置に係るシステム構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3の二重化制御装置に係る改造作業説明図(手順1)である。
【図5】この発明の実施の形態3の二重化制御装置に係る改造作業説明図(手順2)である。
【図6】この発明の実施の形態3の二重化制御装置に係る改造作業説明図(手順3)である。
【図7】この発明の実施の形態3の二重化制御装置に係る改造作業説明図(手順4)である。
【図8】この発明の実施の形態4の二重化制御装置に係るシステム構成図である。
【図9】この発明の実施の形態5の二重化制御装置に係るシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1は、二重化されたA系、B系制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワークとIO切替部から構成され、制御系として運用している装置に故障が発生した場合および設備点検時には待機系の装置に切り替える二重化制御装置に関するものである。
以下、本願発明の実施の形態1の構成、動作について、二重化制御装置のシステム構成図である図1に基づいて説明する。
【0012】
まず、本願発明の実施の形態1に係る二重化制御装置1を含むプラント監視制御システムについて図1に基づいて説明する。
図1において、プラント監視制御システムは、二重化制御装置1を中心として、運転員がプラント全体の監視、制御を行うための表示装置や操作パネル等を備えた監視装置2、監視装置2と二重化制御装置1と間で授受される監視、制御信号の経路となる制御バス3、および各種ポンプ、モータ、バルブや各種プロセスセンサを有する設備4から構成される。
なお、図中において、入出力信号、故障情報などの主要なデータの流れを矢印付き太線で示している。
【0013】
次に、二重化制御装置1の構成について説明する。
まず、二重化制御装置1は、大きく二重化されたA系制御装置11、B系制御装置12と、A系プロセスIO装置13、B系プロセスIO装置14と、A系IOネットワーク15、B系IOネットワーク16と、さらにIO切替部18から構成される。
なお、A系制御装置11とB系制御装置12の間には、後で説明するA系、B系間のデータ等値化などの信号の授受を行うための系間接続ケーブル17が設けられている。
【0014】
次に、A系制御装置11、B系制御装置12の内部の構成について説明する。
A系制御装置11は、制御バス3との通信処理を行うバス通信I/F部101、監視および制御信号の処理を行う監視制御処理部102、A系IOネットワーク15経由でA系プロセスIO装置13と入出力信号の授受を行う入出力I/F部103、他系であるB系IOネットワーク16経由でB系プロセスIO装置14と入出力信号の授受を行う他系入出力I/F部104、A系制御装置11、B系制御装置12間のデータ同一化を行う等値化部105、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件の判断を行い制御系/待機系の切替を行う系切替部106、および監視制御データの格納を行う監視制御データ部107から構成される。
B系制御装置12は、A系制御装置11と同じ構成で、バス通信I/F部121、監視制御処理部122、入出力I/F部123、他系入出力I/F部124、等値化部125、系切替部126、および監視制御データ部127から構成される。
【0015】
A系プロセスIO装置13は、各種IOカードが実装され、A系IOネットワーク15にてA系制御装置11およびB系制御装置12に接続されている。
B系プロセスIO装置14は、A系プロセスIO装置13と同様のIOカード構成であり、B系IOネットワーク16にてA系制御装置11とB系制御装置12に接続されている。
A系プロセスIO装置13およびB系プロセスIO装置14と設備4との間には、IO切替部18が設けられている。設備からの入力信号は、A系プロセスIO装置13とB系プロセスIO装置14の双方に接続され、設備への出力信号については制御系のプロセスIO装置のみ接続されるよう切替えられる。
【0016】
また、図示はされていないが、A系プロセスIO装置13、B系プロセスIO装置14は、設備4への出力信号以外にIO切替部18に対して各々A系、B系のいずれが制御系として動作しているかを示す信号を出力している。IO切替部18は、このA系プロセスIO装置13およびB系プロセスIO装置14からの信号に基づき、制御系として動作している系を判断し、設備4に出力する信号を選択する。
【0017】
ここで、故障を検出する故障検出機能について、A系を例に説明する。
プロセスIOの故障(電源の故障など)およびIOネットワークの故障(断線など)を検出するための故障検出機能が、A系制御装置11の入出力I/F部103、他系入出力I/F部104(以降、適時各I/F部という)に内蔵されている。
各I/F部で検出された故障情報は、各I/F部のメモリ上に格納されており、系切替に必要な故障情報は監視制御データ部107にも格納される。
【0018】
次に、二重化制御装置1の動作について説明する。
以下の動作の説明では、A系が制御系、B系が待機系とする。
制御系であるA系制御装置11は、設備4からの入力信号をA系プロセスIO装置13、A系IOネットワーク15経由で入出力I/F部103にて受け、監視制御処理部102にて演算を行う。監視制御処理部102は、演算結果を監視制御データ部107に格納するとともに、設備4の制御のための出力信号を入出力I/F部103からA系IOネットワーク15、A系プロセスIO装置13経由で設備4へ出力する。
また、系の切替が発生した際に不正な出力が出ないように、A系制御装置11は設備4への出力信号を他系出力I/F部104からB系IOネットワーク16経由でB系プロセスIO装置14へも出力する。
A系制御装置11の監視制御データ部107のデータを、B系制御装置12の監視制御データ部127にデータ一致化させるために、A系制御装置11の等値化部105とB系制御装置12の等値化部125が系間接続ケーブル17経由で通信を行う。
待機系であるB系制御装置12は、バス通信I/F部121、監視制御処理部122、入出力I/F部123、および他系出力I/F部124は動作させず、A系制御装置11からのデータ一致化により、両系の監視制御データ部107と127のデータの同一性を保証する。
監視装置2とのデータの授受は、制御バス3経由して制御系となっているA系制御装置11がバス通信I/F部101にて、監視制御データ部107のデータの送受信処理を行う。
B系が制御系に切り替わった場合は、B系制御装置12が上記で説明したA系制御装置11と同様の動作を行う。
【0019】
次に、装置に故障が発生した場合の動作について説明する。
制御系であるA系側のA系プロセスIO装置13、A系IOネットワーク15に故障が発生した場合は、A系制御装置11の系切替部106が監視制御データ部107から故障情報を取得して故障判定および制御系/待機系の切替条件の判断を行い、B系制御装置12に制御系を切り替える。
制御系であったA系制御装置11は、先に説明したように出力信号をB系プロセスIO装置14に対しても出力しているため、設備4への出力がB系プロセスIO装置14に切り替わっても、不正な値が出力されることはない。
また、A系制御装置11の入出力I/F部103、他系入出力I/F部104に内蔵されている故障検出機能が、プロセスIO装置の電源の故障およびIOネットワークの故障を検出し、系の切替に必要な故障情報が監視制御データ部107にも格納されている。系切替部106が、系の切替に必要な故障情報を監視制御データ部107経由で取得することで、制御系/待機系の切替の判断を行い、系の切替を行う。
【0020】
装置に故障が発生した場合の動作について説明したが、次にプロセスIO装置およびIOネットワークのH/W交換、IO入出力の動作確認などの点検作業について説明する。
H/W交換や動作確認の対象装置が制御系の場合は、事前に制御系から待機系に切り替えることで、監視装置2における運転員の操作や設備への影響を与えることなく、A系プロセスIO装置13、B系プロセスIO装置14、A系IOネットワーク15およびB系IOネットワーク16のH/W交換およびIO入出力の動作確認などの点検作業が可能である。
具体的は、A系制御装置11、A系プロセスIO装置13、およびA系IOネットワーク15にて設備4の運転を継続しながら、B系プロセスIO装置14およびB系IOネットワーク16をシステムから切り離してIOカード交換およびIO入出力の動作確認などの点検作業を行うことが可能である。
また、次にB系を制御系に切り替えてB系制御装置12にて設備の運転を継続しながら、A系プロセスIO装置13およびA系IOネットワーク15をシステムから切り離して同様に点検作業を行うことが可能となる。
【0021】
以上説明したように、実施の形態1に係る二重化制御装置1では、二重化されたA系、B系制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワークから構成されているため、故障発生時も自動運転の継続が可能であり、また設備の自動運転を継続したまま、プロセスIO装置関連のH/W交換および点検作業が可能となり、点検工事の工期短縮および工数削減を図ることができる効果がある。
【0022】
実施の形態2.
実施の形態2の二重化制御装置21は、実施の形態1の二重化制御装置1に対して、制御系/待機系の切替判断の条件に他系の動作状態を考慮するために、A系制御装置およびB系制御装置にさらに他系の動作状態を監視する他系故障監視部を追加した構成としたものである。
【0023】
図2は、実施の形態2に係る二重化制御装置21のシステム構成図である。図2において、図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0024】
実施の形態2に係る二重化制御装置21と実施の形態1に係る二重化制御装置1との違いは、A系制御装置11およびB系制御装置12にそれぞれ他系故障監視部201、221を追加したことである。
A系制御装置31は、A系制御装置11に他系故障監視部201を追加した構成であり、B系制御装置32は、B系制御装置12に他系故障監視部221を追加した構成である。
【0025】
次に、実施の形態2に係る二重化制御装置21の動作について説明する。実施の形態1に係る二重化制御装置1との差異部のみ説明する。
実施の形態1と同様に、A系が制御系、B系が待機系とする。
制御系であるA系制御装置31は、他系故障監視部201にて、B系プロセスIO装置14、B系IOネットワーク16の監視を行う。検出した故障がB系プロセスIO装置14の電源異常やB系IOネットワーク16の断線異常のように、B系制御装置12に制御系を切り替えても設備の自動運転が継続できない故障を検出した場合、系切替部106に対して系切替を抑止する。
先に説明したようにA系制御装置31の入出力I/F部103および他系入出力I/F部104に内蔵されている故障検出機能が、B系プロセスIO装置14の電源の故障およびB系IOネットワーク16の故障を検出した故障情報が各I/F部メモリに格納され、系切替に必要な故障情報が、監視制御データ部107にも格納されている。
他系故障監視部201が、系切替に必要な故障情報を監視制御データ部107経由で取得し、必要な故障情報を系切替部106に出力する。系切替部106は、他系の故障情報を考慮して系切替条件を判断して系切替を行う。他系の故障状態が、系切替しても設備の自動運転が継続できない場合は、系切替を抑止する。
【0026】
実施の形態2に係る二重化制御装置21は、他系故障監視部201、221をさらに設けたことで、待機系のB系プロセスIO装置14、B系IOネットワーク16に故障が発生しており、系切替しても設備の自動運転が継続できない状態で、制御系のA系制御装置31で軽微な故障が発生した場合には系切替を抑止し、制御系のA系制御装置31で故障部分のみ縮退させ継続して運転させることで、システムの可用性を向上させることができる。
【0027】
システムの運用の例について説明する。プロセスIO装置の先に接続される設備には重要度があり、重要度が低い機器に接続しているプロセスIO装置で電源故障が発生した場合には、軽微な故障(軽故障)として、他の重要度が高い設備の運転を優先し、A系制御装置31の運転を継続させる。
また、待機系のB系で何らかの異常発生中に制御系のA系で重故障となった場合は、A系、B系両系ダウンとなり、設備の運転を停止させる。
【0028】
以上説明したように、実施の形態2に係る二重化制御装置21では、二重化されたA系、B系制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワークから構成されており、A系、B系制御装置に他系故障監視部を追加しているため、故障発生時も自動運転の継続が可能であり、また設備の自動運転を継続したまま、プロセスIO装置関連の点検作業が可能となり、点検工事の工期短縮および工数削減を図ることができる効果がある。
【0029】
また、実施の形態2に係る二重化制御装置21では、待機系の故障状態を取得し、
系切替しても設備の自動運転が継続できない状態で、制御系で軽微な故障が発生した場合には系切替を抑止し、制御系の故障部分のみ縮退させ継続して運転させることで、システムの可用性を向上させることができる効果がある。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態3の二重化制御装置41は、実施の形態1の二重化制御装置1においてA系制御装置11およびB系制御装置12が備えていたバス通信I/F機能と監視制御処理機能を2台の制御装置に分割して、それぞれA系バス通信制御装置51、A系IO制御装置53およびB系バス通信制御装置52、B系IO制御装置54とする構成としたものである。この構成とすることで、二重化制御装置41が運転中においても、A系、B系プロセスIO装置の改造工事を可能としている。
【0031】
以下、本願発明の実施の形態3の構成、動作について、二重化制御装置に係るシステム構成図である図3および改造作業説明図である図4−図7に基づいて説明する。図3において、図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0032】
まず、本願発明の実施の形態3に係る二重化制御装置41の構成について図3で、実施の形態1との違いを中心に説明する。
二重化制御装置41は、大きく二重化されたA系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52と、A系IO制御装置53、B系IO制御装置54と、A系プロセスIO装置13、B系プロセスIO装置14と、A系IOネットワーク15、B系IOネットワーク16と、さらにA系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52と、A系IO制御装置53、B系IO制御装置54の間の信号の授受を行う制御装置間ネットワーク55およびIO切替部18から構成される。
なお、A系バス通信制御装置51とB系バス通信制御装置52の間には、A系、B系間のデータ等値化などの信号の授受を行うための系間接続ケーブル17が設けられている。
【0033】
次に、A系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52の内部の構成について説明する。
A系バス通信制御装置51は、制御バス3との通信処理を行うバス通信I/F部101、制御装置間ネットワーク経由でA系IO制御装置53との通信処理を行う制御装置間通信I/F部301、A系バス通信制御装置51とB系バス通信制御装置52間のデータ同一化を行う等値化部105、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件の判断を行い制御系/待機系の切替を行う系切替部106、および監視制御データの格納を行う監視制御データ部107から構成される。
B系バス通信制御装置52は、A系バス通信制御装置51と同じ構成で、バス通信I/F部121、制御装置間通信I/F部321、等値化部125、系切替部126、および監視制御データ部127から構成される。
【0034】
次に、A系IO制御装置53、B系IO制御装置54の内部の構成について説明する。
A系IO制御装置53は、制御装置間ネットワーク55経由でA系バス通信制御装置51との通信処理を行う制御装置間通信I/F部302と、監視および制御信号の処理を行う監視制御処理部102、A系IOネットワーク15経由でA系プロセスIO装置13と入出力信号の授受を行う入出力I/F部103、および監視制御データの格納を行うIO監視制御データ部303から構成される。
B系IO制御装置54は、A系IO制御装置53と同じ構成で、制御装置間通信I/F部322、監視制御処理部122、入出力I/F部123、およびIO監視制御データ部323から構成される。
【0035】
ここで、A系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52、A系IO制御装置53、B系IO制御装置54は、制御装置間ネットワーク55にて接続されている。したがって、A系バス通信制御装置51は、制御装置間ネットワーク55を経由して、B系IO制御装置54との信号の授受を行うことができる。また、B系バス通信制御装置52は、制御装置間ネットワーク55を経由して、A系IO制御装置53との信号の授受を行うことができる。
【0036】
A系プロセスIO装置13、B系プロセスIO装置14、A系IOネットワーク15、B系IOネットワーク16およびIO切替部18については、実施の形態1と同じであるため、説明は省略する。
【0037】
次に、二重化制御装置41の動作について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様にA系が制御系、B系が待機系とする。
A系IO制御装置53とB系IO制御装置54の各機能はA、B両系とも動作させる。設備4からの入力信号を監視制御処理部102、122で処理を行い、演算結果をIO監視制御データ部303、323に格納すると共に、設備4の制御のための出力信号を入出力I/F部103、123からA系IOネットワーク15、B系IOネットワーク16経由でA系プロセスIO装置13およびB系プロセスIO装置14へ出力する。
IO切替部18では、設備4への出力信号への経路はA系IO制御装置53側が選択されている。したがって、制御系となっているA系プロセスIO装置13からの出力信号が、設備4へ実際に出力される。
【0038】
A系バス通信制御装置51とB系バス通信制御装置52は、監視装置2との通信手順を実施の形態1と同じにするため、制御系であるA系バス通信制御装置51のバス通信I/F部101で監視装置2と通信を行い、B系バス通信制御装置52のバス通信I/F部121、制御装置間通信I/F部321は動作させない。このため、実施の形態1と同様に等値化部105、125にて監視制御データ部107と127をデータ一致化する。
【0039】
A系バス通信制御装置51の監視制御データ部107のデータは、A系IO制御装置53のIO監視制御データ部303のデータと一致するように、制御装置間通信I/F部301、302の定周期データ伝送処理機能により常に更新されている。
また、A系バス通信制御装置51の制御装置間通信I/F部301は、監視装置2からの制御データをB系IO制御装置54の制御装置間通信I/F部322経由でIO監視制御データ部323に送信する。したがって、B系IO制御装置54のIO監視制御データ部323には、A系IO制御装置53のIO監視制御データ部303に格納されている制御に必要なデータが格納されている。
【0040】
次に、装置に故障が発生した場合の動作について説明する。
制御系であるA系側のA系IO制御装置53、A系プロセスIO装置13、A系IOネットワーク15に故障が発生した場合は、A系バス通信制御装置51の系切替部106が
監視制御データ部107から故障情報を取得して故障判定および制御系/待機系の切替条件の判断を行い、B系バス通信制御装置52に制御系を切替える。制御系となったB系バス通信制御装置52は、B系IO制御装置54の監視制御処理部122に切替信号を送り、設備4への出力信号をB系プロセスIO装置14側へ切り替える。
先に説明したようにB系プロセスIO装置14からは、A系プロセスIO装置13からの出力信号と同じ出力信号が出力されているため、設備4への出力がB系プロセスIO装置14に切り替わっても、不正な値が出力されることはない。
【0041】
実施の形態1と同様にA系を代表として説明すれば、A系IO制御装置53の入出力I/F部103に内蔵されている故障検出機能が、プロセスIO装置の電源の故障およびIOネットワークの故障を検出し、系の切替に必要な故障情報がIO監視制御データ部303を通してA系バス通信制御装置51の監視制御データ部107にも格納されている。系切替部106が、系の切替に必要な故障情報を監視制御データ部107経由で取得することで、制御系/待機系の切替の判断を行い、系の切替を行う。
【0042】
装置に故障が発生した場合の動作について説明したが、改造工事時の作業手順について図4−図7に基づいて説明する。
図4の手順1に示すように、A系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52、B系IO制御装置54、B系プロセスIO装置14、B系IOネットワーク16を停止する。各A系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52、B系IO制御装置54、B系プロセスIO装置14のS/W変更やB系プロセスIO装置14のIOカード追加作業を行う(A部参照)。この状態では、監視装置2は使用できないが、設備4の運転はA系IO制御装置53により継続される(B部参照)。
【0043】
次に図5の手順2に示すように、B系IO制御装置54、B系プロセスIO装置14を立ち上げ、B系IO制御装置54の運転を開始する(C部参照)。系切替を指示するA系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52が停止している(D部参照)ため、A系IO制御装置53で設備4の運転は継続し(E部参照)、設備4への出力信号は、A系プロセスIO装置13に接続のままとなる。
【0044】
次に図6の手順3で示すように、B系バス通信制御装置52を制御系として立ち上げ(F部参照)、B系バス通信制御装置52からの切替信号によって設備4への出力信号の接続をB系プロセスIO装置14に切替える(G部参照)。設備4の自動運転は、B系IO制御装置54にて行われる。
【0045】
次に図7の手順4に示すように、A系IO制御装置53、A系プロセスIO装置13、A系IOネットワーク15を停止し、A系IO制御装置53、A系プロセスIO装置13のS/W変更やA系プロセスIO装置13のIOカード追加作業を行う(H部参照)。
設備4の運転は、A系バス通信制御装置51、B系バス通信制御装置52、B系IO制御装置54、B系プロセスIO装置14、B系IOネットワーク16により継続される。
【0046】
実施の形態1では、A系制御装置11の監視制御データ部107とB系制御装置12の監視制御データ部127との間でデータを等値化しているため、A系制御装置11とB系制御装置12を個別にS/W変更を行うと監視制御データ部のデータが不一致となる。このため、改造作業には両系のA系制御装置11とB系制御装置12の停止が必要となり、設備4の運転を継続させたまま改造作業を行うことができなかった。
しかし、本実施の形態3では、制御バス通信を行うA系、B系バス通信制御装置51、52と監視制御処理を行うA系、B系IO制御装置53、54に機能を分割することで、実施の形態1、2の制御バス通信方式を変更しないで、改造工事において設備の運転を停止することなく改造作業が可能である。
【0047】
以上説明したように、実施の形態3に係る二重化制御装置41では、二重化されたA系、B系バス通信制御装置、A系、B系IO制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワークから構成されているため、故障発生時も自動運転の継続が可能であり、また設備の自動運転を継続したまま、プロセスIO装置関連のH/W交換および点検作業が可能となり、点検工事の工期短縮および工数削減を図ることができる効果がある。
【0048】
さらに、実施の形態3に係る二重化制御装置41では、S/Wの変更およびA、B系プロセスIO装置へのIOカード追加を伴う改造工事においても、設備の運転を停止することなく改造作業が可能であり、改造工事の工期短縮および工数削減を図ることができる効果がある。
【0049】
実施の形態4.
実施の形態4の二重化制御装置61は、実施の形態3の二重化制御装置41に対して、制御系/待機系の切替判断の条件に他系の動作状態を考慮するために、A系バス通信制御装置およびB系バス通信制御装置に、さらに他系の動作状態を監視する他系故障監視部を追加した構成としたものである。
【0050】
図8は、実施の形態4に係る二重化制御装置61のシステム構成図である。図8において、図3と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0051】
実施の形態4に係る二重化制御装置61と実施の形態3に係る二重化制御装置41との違いは、A系バス通信制御装置71およびB系バス通信制御装置72にそれぞれ他系故障監視部401、421を追加したことである。
A系バス通信制御装置71は、A系バス通信制御装置51に他系故障監視部401を追加した構成であり、B系バス通信制御装置72は、B系バス通信制御装置52に他系故障監視部421を追加した構成である。
【0052】
次に、実施の形態4に係る二重化制御装置61の動作について説明する。実施の形態3に係る二重化制御装置41との差異部のみ説明する。
実施の形態3と同様に、A系が制御系、B系が待機系とする。
制御系であるA系バス通信制御装置71は、他系故障監視部401にて、B系IO制御装置54、B系プロセスIO装置14、B系IOネットワーク16の監視を行う。検出した故障がB系プロセスIO装置14の電源異常やB系IOネットワーク16の断線異常のように、B系IO制御装置54に制御系を切り替えても設備の自動運転が継続できない故障を検出した場合には、系切替部106に対して系切替を抑止する。
【0053】
他系故障監視部401が、系切替に必要な故障情報を監視制御データ部107経由で取得し、必要な故障情報を系切替部106に出力する。系切替部106は、他系の故障情報を考慮して系切替条件を判断して系切替を行う。他系の故障状態が、系切替しても設備の自動運転が継続できない場合は、系切替を抑止する。
【0054】
実施の形態4に係る二重化制御装置61は、他系故障監視部401、421をさらに設けたことで、待機系のB系プロセスIO装置14、B系IOネットワーク16に故障が発生しており、系切替しても設備の自動運転が継続できない状態で、制御系のA系IO制御装置53で軽微な故障が発生した場合には系切替を抑止し、制御系のA系IO制御装置53で故障部分のみ縮退させ継続して運転させることで、システムの可用性を向上させることができる。
【0055】
以上説明したように、実施の形態4に係る二重化制御装置61では、二重化されたA系、B系バス通信制御装置、A系、B系IO制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワークから構成されており、A系、B系バス通信制御装置に他系故障監視部を追加しているため、故障発生時も自動運転の継続が可能であり、また設備の自動運転を継続したまま、プロセスIO装置関連のH/W交換、点検作業およびS/Wの変更、IOカード追加を伴う改造工事が可能であり、点検、改造工事の工期短縮および工数削減を図ることができる効果がある。
【0056】
また、実施の形態4に係る二重化制御装置61では、待機系の故障状態を取得し、
系切替しても設備の自動運転が継続できない状態で、制御系で軽微な故障が発生した場合には系切替を抑止し、制御系の故障部分のみ縮退させ継続して運転させることで、システムの可用性を向上させることができる効果がある。
【0057】
実施の形態5.
実施の形態5の二重化制御装置81は、実施の形態4の二重化制御装置61に対して、さらにA系IO制御装置53にIO制御装置間通信I/F部501を追加し、B系IO制御装置54にIO制御装置間通信I/F部521を追加し、それぞれ他系のA系、B系IO制御装置91、92、A系、B系プロセスIO装置13、14、A系、B系IOネットワーク15、16の故障情報を制御装置間ネットワーク55経由で通知する構成としたものである。
【0058】
図9は、実施の形態5に係る二重化制御装置81のシステム構成図である。図9において、図8と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0059】
実施の形態5に係る二重化制御装置81と実施の形態4に係る二重化制御装置61の違いは、A系IO制御装置91およびB系IO制御装置92にそれぞれIO制御装置間通信I/F部501、521を追加したことである。
A系IO制御装置91は、A系IO制御装置53にIO制御装置間通信I/F部501を追加した構成であり、B系IO制御装置92は、B系IO制御装置54にIO制御装置間通信I/F部521を追加した構成である。
【0060】
次に、実施の形態5に係る二重化制御装置81の動作について説明する。実施の形態4に係る二重化制御装置61との差異部のみ説明する。
実施の形態4と同様に、A系が制御系、B系が待機系とする。
A系IO制御装置91のIO制御装置間通信I/F部501とB系IO制御装置92のIO制御装置間通信I/F部521は、お互いのA系、B系プロセスIO装置13、14、A系、B系IOネットワーク15、16の状態を監視制御処理部102、122に送る。
改造工事中などでA、B系バス通信制御装置71、72の両系が停止中に、B系IO制御装置92の監視制御処理部122にてA系IOネットワーク15、A系プロセスIO装置13の故障を検出した場合、B系プロセスIO装置14経由で設備4への出力信号をB系プロセスIO装置14側に切り替えることで、設備4の運転を継続する。
【0061】
以上説明したように、実施の形態5に係る二重化制御装置81では、二重化されたA系、B系バス通信制御装置、A系、B系IO制御装置、A系、B系プロセスIO装置、A系、B系IOネットワークから構成されており、A系、B系バス通信制御装置に他系故障監視部を追加し、A系、B系IO制御装置にIO制御装置間通信I/F部を追加しているため、故障発生時も自動運転の継続が可能で、また設備の自動運転を継続したまま、プロセスIO装置関連のH/W交換、点検作業およびS/Wの変更、IOカード追加を伴う改造工事が可能であり、点検、改造工事の工期短縮および工数削減を図ることができる効果がある。
【0062】
また、実施の形態5に係る二重化制御装置81では、待機系の故障状態を取得し、
系切替しても設備の自動運転が継続できない状態で、制御系で軽微な故障が発生した場合には系切替を抑止し、制御系の故障部分のみ縮退させ継続して運転させることで、システムの可用性を向上させることができる効果がある。
【0063】
さらに、実施の形態5に係る二重化制御装置81では、両系のA系、B系バス通信制御装置が停止している場合に、制御系のA系IO制御装置に故障が発生しても、待機系のB系IO制御装置に制御系を切替えることで、設備の運転を継続させることができ、システムの信頼性をさらに向上させることができる効果がある。
【符号の説明】
【0064】
1,21,41,61,81 二重化制御装置、2 監視装置、3 制御バス、
4 設備、11,31 A系制御装置、12,32 B系制御装置、
13 A系プロセスIO装置、14 B系プロセスIO装置、
15 A系IOネットワーク、16 B系IOネットワーク、18 IO切替部、
51,71 A系バス通信制御装置、52,72 B系バス通信制御装置、
53,91 A系IO制御装置、54,92 B系IO制御装置、
55 制御装置間ネットワーク、101,121 バス通信I/F部、
102,122 監視制御処理部、103,123 入出力I/F部、
104,124 他系入出力I/F部、105,125 等値化部、
106,126 系切替部、107,127 監視制御データ部、
201,221,401,421 他系故障監視部、
301,302,321,322 制御装置間通信I/F部、
303,323 IO監視制御データ部、
501,521 IO制御装置間通信I/F部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の監視装置との監視・制御信号の授受を制御バス経由で行い、下流側の設備との入出力信号の授受をプロセスIO装置経由で行う二重化制御装置において、
二重化されたA系制御装置およびB系制御装置、A系プロセスIO装置およびB系プロセスIO装置、A系IOネットワークおよびB系IOネットワーク、およびIO切替部
から構成され、
前記A系制御装置、前記B系制御装置は、前記制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データを格納する監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、前記A系プロセスIO装置、前記B系プロセスIO装置との入出力信号の授受を前記A系IOネットワークおよび前記B系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部および他系入出力I/F部と、前記A系制御装置、前記B系制御装置の前記監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部とから構成される二重化制御装置。
【請求項2】
前記A系制御装置、B系制御装置は、さらに前記制御系/待機系の切替条件の判断に他系の動作状態を考慮するために他系の動作状態を監視する他系故障監視部を備えた請求項1に記載の二重化制御装置。
【請求項3】
上流側の監視装置との監視・制御信号の授受を制御バス経由で行い、下流側の設備との入出力信号の授受をプロセスIO装置経由で行う二重化制御装置において、
二重化されたA系バス通信制御装置およびB系バス通信制御装置、A系IO制御装置およびB系IO制御装置、A系プロセスIO装置およびB系プロセスIO装置、A系IOネットワークおよびB系IOネットワーク、および制御装置間ネットワーク、IO切替部
から構成され、
前記A系バス通信制御装置、前記B系バス通信制御装置は、前記制御バスとの通信処理を行うバス通信I/F部と、監視制御データを格納する監視制御データ部と、前記制御装置間ネットワークを経由して前記A系IO制御装置、前記B系IO制御装置と信号の授受を行う制御装置間通信I/F部と、前記A系バス通信制御装置および前記B系バス通信制御装置の前記監視制御データの等値化を行う等値化部と、制御系で発生した故障情報を取得して制御系/待機系の切替条件を判断し系の切替を行う系切替部から構成され、
前記A系IO制御装置、前記B系IO制御装置は、前記制御装置間ネットワークを経由して前記A系バス通信制御装置、前記B系バス通信制御装置と信号の授受を行う制御装置間通信I/F部と、監視制御データを格納するIO監視制御データ部と、監視制御処理を行う監視制御処理部と、前記A系プロセスIO装置、前記B系プロセスIO装置との入出力信号の授受を前記A系IOネットワークおよび前記B系IOネットワーク経由で行う入出力I/F部と
から構成される二重化制御装置。
【請求項4】
前記A系バス通信制御装置、前記B系バス通信制御装置は、さらに前記制御系/待機系の切替条件の判断に他系の動作状態を考慮するために他系の動作状態を監視する他系故障監視部を備えた請求項3に記載の二重化制御装置。
【請求項5】
前記A系IO制御装置、前記B系IO制御装置は、さらに前記A系IOネットワーク、前記B系IOネットワークおよび前記A系プロセスIO装置、前記B系プロセスIO装置の故障情報を通知するIO制御装置間通信I/F部を備えた請求項4に記載の二重化制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−12094(P2013−12094A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145062(P2011−145062)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】