説明

二重昇降カーテン装置

【課題】二重昇降カーテン装置における前後の昇降コードの互いの絡みつきを、カーテン装置の体裁を損なうことなく防止する。
【解決手段】支持バー5の前後に、前後のカーテン9,10の上縁部分2,3を取着する。前後のカーテン9,10の夫々を、昇降コード19,20の昇降操作によって引き上げ可能とする。前のカーテン9に取り付けられた昇降コード19の複数本を、前のカーテン9の側縁40から稍内方に位置させて前のカーテン9の上端側に設けられた挿通部39に、その後側から前側に向けて挿通させ、前のカーテンの前面53側で垂れた状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重昇降カーテン装置に関するものであり、より詳しくは、上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンの上昇と下降を昇降コードの昇降操作によって行うように構成された二重昇降カーテン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓部の上縁に沿って配設された直棒状の支持バーの前後に前のカーテンと後のカーテンを配置し、夫々のカーテンの上縁部分を該支持バーに取着し、該前後のカーテンの昇降を、夫々のカーテンに対応して取り付けた昇降コードを個別に操作して行うように構成された二重昇降カーテン装置は、2台の昇降カーテン装置を前後に配設するよりも安価で、然も全体をコンパクトに構成できるために人気が高い。
【0003】
該二重昇降カーテン装置Aの一例は、図27に示すように、前のカーテンaに対応して設けた前のロック具bと、後のカーテンcに対応して設けた後のロック具dを、支持バーeの一方の端部側の前後に位置をずらして設ける一方、該前のカーテンaの後面側にその幅方向で所要間隔を置いて取り付けた昇降コードfの複数本をまとめて前記前のロック具bに通し、該ロック具bを通った昇降コードfの束f1を下方向に引くことによって、該前のカーテンaが引き上げられる如くなし、所要の引き上げ状態で昇降コードfをロックすることにより、前のカーテンaの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されていた。同様にして、後のカーテンcに取り付けた昇降コードhの複数本をまとめて前記後のロック具dに通し、該ロック具dを通った昇降コードhの束h1を下方向に引くことによって後のカーテンcを引き上げ可能となし、所要の引き上げ状態で昇降コードhをロックすることにより、後のカーテンcの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されていた。
【0004】
前記ロック具b,dについて説明を補足すれば、該ロック具b,dは同様の構成を有し、図28に示すように、昇降コードf,hを挿通させるためのコードガイド部kが、左右方向のラック状歯mを下に突の内面に有した下片nと、該下片nに対向する上片pに回動自在に取り付けられたローラqとの間で形成されており、且つピニオン状のロックローラrが、前記ラック状歯mに噛合して左右動可能に前記下片nに設けられていた。そして、全ての昇降コードを前記コードガイド部kに挿通せしめ、これを同図に示すように、前記ロックローラrの周面sに接触させて横方向に挿通状態とする。そして、このように挿通された昇降コードf又は昇降コードhは、該ロックローラrが前記下片nの左側の坂状部分tを噛合状態で登るように移動することにより、図28の実線で示すように、該ロックローラrと前記ローラqとの間で挟まれてロックされるように構成されていた。
【0005】
しかしながら前記構成の二重昇降カーテン装置Aによるときには、前のカーテンaに設けられている複数本の昇降コードfと、後のカーテンcに設けられている複数本の昇降コードhが、近接状態で垂れ下がった状態にあるために、該前後の昇降コードf,hが互いに絡まりやすく、カーテンの昇降操作を的確に行い難い問題があった。
【0006】
なお、このような昇降コードの絡みを防止するために、図29に示すように、前のカーテンaに対応させて設けた前のロック具bと、後のカーテンcに対応させて設けた後のロック具dを、前記支持バーeの両端側に固定すると共に、該前のカーテンaの後面側にその幅方向で所要間隔を置いて垂れた状態で取り付けた昇降コードfの複数本をまとめて前のロック具bに通し、該前のロック具bを通った昇降コードfの束f1を下方向に引くことによって、該前のカーテンaが引き上げられる如くなし、所要の引き上げ状態で昇降コードfをロックすることにより、該前のカーテンaの所要の引き上げ状態が保持されるように構成する一方、同様にして、後のカーテンcの後面側にその幅方向で所要間隔を置いて垂れた状態で取り付けた昇降コードhの複数本をまとめて前記後のロック具dに通し、該後のロック具dを通った昇降コードhの束h1を下方に引くことによって、該後のカーテンcが引き上げられる如くなし、所要の引き上げ状態で昇降コードhをロックすることにより、該後のカーテンcの所要の引き上げ状態が保持されるように構成することも考えられる。
【0007】
しかしながらこのように構成した場合は、前後のカーテンa,cの昇降操作を支持バーeの片側では行うことができないため、一方のカーテンを支持バーの一端側で昇降操作した後に他方のカーテンを昇降操作するには、操作する人が支持バーの他端側に移動しなければならない面倒さがあった。特に、支持バーの一方の端部側にタンス等の物が設置されている場合は、設置物に邪魔されて、昇降コードを操作しにくく、乃至、昇降コードを操作できない問題も発生した。
【0008】
又、前記のような昇降コードの絡みを防止する二重昇降カーテン装置として、特開2003−93221号公報が開示するものが提案されている。該二重昇降カーテン装置は、前のカーテンに対応させて設けた前のロック具を支持バーの一方の端部側に設けると共に、後のカーテンに対応させて設けた後のロック具を、該前のロック具から支持バーの長さ方向に所要間隔を隔てて設け、該前のロック具を通って垂れた状態にある昇降コードと、後のロック具を通って垂れた状態にある昇降コードの絡みを防止するように構成されていた。
【0009】
しかしながら、かかる二重昇降カーテン装置によるときは、前後のロック具を、少なくとも20cm程度離さなければ前後のロック具に係る昇降コードの絡みを確実には防止できないと考えられる。その結果、支持バーの内方に所要間隔を隔てて設けられた後のロック具を通って垂れた状態にある昇降コードは、後のカーテンの側縁から20cm程度も内方に入り込んだ位置で垂れた状態になるため、前のカーテンを引き上げたときに、後のカーテンに係る昇降コードが該後のカーテンの前面側で非常に目立つ状態に垂れた状態となることから、この昇降コードがカーテンの見栄えを著しく損なう問題があった。
【0010】
又、このように後のカーテンに係る後のロック具を支持バーの一端部から内方に退いた状態とするため、後のロック具に係る昇降コードを、前記特許文献に係る明細書の段落0029に記載されているように、支持バーに回転可能に支持された案内ローラを介して該後のロック具にまで案内する必要があった。かかることから、後のカーテンに係る昇降コードを後のロック具に通すための構造が複雑化する問題があった。もしも、このような案内ローラによる昇降コードの案内構造を避けようとするならば、後のカーテンの側縁と後のロック具との間には、該後のカーテンを昇降操作するための昇降コードを配置できないことになってしまう。その結果、昇降コードを昇降操作した際に、後のカーテンの側部分と後のロック具との間の部分に弛みを生じさせる等して該後のカーテンを、ひだ状折り返し部を正しく形成してバランスよく引き上げることができなくなり、該後のカーテンの引き上げ状態の美観を損なう問題が生じてしまう。従って前記のように、後のカーテンに係る昇降コードを、案内ローラを介して後のロック具にまで案内せざるを得なかったのである。
【0011】
【特許文献1】特開2003−93221号公報(4頁、図1,図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、かかる従来の二重昇降カーテン装置の問題点に鑑み、前後のカーテンを支持バーの片側で昇降操作し得る二重昇降カーテン装置の操作性を重視して、前後のカーテンを昇降操作する前後のロック具が支持バーの一方の端部側に設けられた二重昇降カーテン装置を対象に開発されたものである。そして、その課題とするところは、該二重昇降カーテン装置における前記昇降コードの互いの絡みつきを、カーテン装置の体裁を損なうことなく、然も構造簡素に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明は以下の如き手段を採用する。
即ち本発明に係る二重昇降カーテン装置は、上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側で、前記前のカーテンに係る前のロック具と前記後のカーテンに係る後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされている。そして前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされている。又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とするものである。
【0014】
又本発明に係る二重昇降カーテン装置のより具体的な態様は、上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の前後に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされている。そして前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされている。又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とするものである。
【0015】
又本発明に係る二重昇降カーテン装置のより具体的な他の態様は、上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の左右に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされている。そして前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされている。又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、前記前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とするものである。
【0016】
又本発明に係る二重昇降カーテン装置のより具体的なその他の態様は、上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の前後且つ左右に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされている。そして前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされている。又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該ロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とするものである。
【0017】
又本発明に係る二重昇降カーテン装置のより具体的なその他の態様は、上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の上下に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされている。そして前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされている。又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とするものである。
【0018】
前記各二重昇降カーテン装置において、前記挿通部に挿通せしめられて前記前のカーテンの前面側で垂れた状態の昇降コードの下端に、摘み片を介して操作コードを接続し、該操作コードの下端を、前記挿通部の略真下で、前記前のカーテンの下縁部に取り付けるのがよい。
【0019】
又前記各二重昇降カーテン装置において、前記挿通部を、最上段のひだ状折り返し部の前の折り返し面部の、該ひだ状折り返し部の下端よりも上側に位置させて設けるのがよい。
【0020】
又前記各二重昇降カーテン装置において、前記挿通部を鳩目を以って構成するのがよい。
【0021】
又前記各二重昇降カーテン装置は、前記挿通部を、前のカーテンの上縁部分に設けられた上端開放の欠切部を以って形成することがある。この場合、該欠切部の両側が前記支持バーに固定されたものとし、前記前のロック具を通った昇降コードが、前記欠切部が存する部分において前記前のロック具から導出され、該挿通部に挿通せしめられたものとして構成するのがよい。或いは、該欠切部の両側が前記支持バーに固定されたものとし、前記前のロック具を通った昇降コードが、前記支持バーの下縁の下側に形成された開口部分としての前記挿通部に、前記前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられたものとして構成するのがよい。そして,これらの場合、前記欠切部を前側から覆い隠すカバー片を、前記前のカーテンの上縁部分又は前記支持バーに固定するのがよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 発明に係る二重昇降カーテン装置によるときは、支持バーの一方の端部側で前後のロック具が設けられるため、前後のカーテンを支持バーの片側で操作できる利点があるのはもとより、前後の昇降コードが前のカーテンによって前後に分離される。従って、前後のカーテンの間に前後の昇降コードが共に垂れた状態となる前記従来の二重昇降カーテン装置とは異なり、前後の昇降コードが互いに絡み合うのを防止でき、前後のカーテンの昇降操作を確実に行うことができる。
【0023】
(2) 又、前の昇降コードを、前のカーテンに設けた挿通部を通して該前のカーテンの前面側で垂らすことによって前後の昇降コードを該前のカーテンで分離する構成を採用するため、前後のカーテンの間で左右に位置をずらして前後の昇降コードの絡みを防止する前記従来の二重昇降カーテン装置における場合とは異なり、前の昇降コードを、前のカーテンの側縁に近接した状態で該前のカーテンの前面側で垂らすことができる。従って、前の昇降コードが前のカ一テンの前側で垂れた状態になるにしても、カーテンの外観を不自然なものとする恐れがない。
又、このように前のカーテンの側縁に近接して前の昇降コードが垂れた状態になることから、前記従来の二重昇降カーテン装置におけるような、案内ローラを介して昇降コードを該内側に位置するロック具に案内しなければならないといった構造上の複雑さがなく、前後の昇降コードが絡みにくい二重昇降カーテン装置を構造簡素に構成できる。
【0024】
(3) 前のカーテンに設けられた挿通部に挿通されて該前のカーテンの前面側で垂れた昇降コードの下端に、摘み片を介して操作コードを接続し、該操作コードの下端を、前記挿通部の略真下で、該前のカーテンの下縁部に取り付ける構成を採用した場合は、前のカーテンの前面側で垂れた前の昇降コードが上下全長に亘ってカーテンの側縁から一定距離を隔てることになるため、前のカーテンを引き上げた状態においても前後の昇降コードが接近しない利点がある。
【0025】
(4) 前のカーテンに設ける挿通部を、ひだ状折り返し部の前の折り返し面部の、該ひだ状折り返し部の下端よりも上側に位置させて設けるときは、該挿通部の上側ではひだ状折り返し部が形成されることがないため、昇降コードが挿通部を通ることに伴う摩擦抵抗によってひだ状折り返し部の形成が阻害される恐れが全くなく、全てのひだ状折り返し部を正しく形成できることとなる。
【実施例1】
【0026】
図1〜5において本発明に係る二重昇降カーテン装置(以下カーテン装置という)1は、上縁部分2,3が支持バー5の前後の面部6,7に取着されて前後対向する前のカーテン9と後のカーテン10を具え、該支持バー5の一方の端部側8の前後に位置をずらして前のロック具11と後のロック具12が設けられている。そして、該前後のカーテン9,10の上昇と下降を、夫々のカーテン9,10の幅方向の、例えば両側と中央部に対応させて上下方向で配設した、前後の昇降コード19,20の昇降操作によって行うようになされ、該昇降操作によって、図5に示すように、ひだ状折り返し部13を形成してカーテン9,10を引き上げ可能となされている。
【0027】
前記支持バー5は、本実施例においては図1〜4に示すようにボックス型の直棒状を呈し、例えば建物の窓開口部の上縁4(図4)と平行に延長する如く配置され、ブラケット15を介して該上縁4に固定可能となされている。そして図3に示すように、前記前後の面部6,7には、前記前後のカーテン9,10の上縁部分2,3を着脱可能に固定するための面状ファスナ16,17が固定されており、該支持バー5の一方の端部側8に前後に位置をずらして、前記のようにロック具11,12が設けられている。
【0028】
該前後のロック具11,12は同様構成を有している。前のロック具11に代表させて説明すれば、図6に示すように、前の昇降コード19を挿通させるためのコードガイド部21が、左右方向のラック状歯23を下に突の内面に有した下片25と、該下片25に対向する上片26に回動自在に取り付けられたローラ27との間で形成されており、且つピニオン状のロックローラ29が、前記ラック状歯23に噛合して左右動可能に前記下片25に設けられている。そして、昇降コード19の全てを前記コードガイド部21に挿通せしめ、これを同図に示すように、前記ロックローラ29の周面30に接触させて横方向に挿通状態とする。そして、このように挿通された昇降コード19は、該ロックローラ29が、前記下片25の左側の坂状部分31を噛合状態で登るように移動することにより、図6の実線で示すように、該ロックローラ29と前記ローラ27との間で挟まれてロックされるように構成されている。
【0029】
前記前のカーテン9は、図1に示すように、室内側に配置され、例えば、全体が暗幕生地やプリント生地を用いたシート状を呈する遮光性カーテンとして形成されている。そして、下端に設けた袋状収容部32にウエイトバー33が収容されると共に、上縁部分2の後面には、図3に示すように、前記面状ファスナ16と着脱可能に係合し得る面状ファスナ35が取り付けられている。又、該前のカーテン9の、前記前のロック具11が存する側のカーテン側部36の上端側に、図4、図7〜8に示すように、ハトメ37を用いて挿通部39が形成されている。該挿通部39の内径は、例えば5mm程度に設定されると共に、その配置状態は、挿通部39の中心が、カーテンの側縁40から内方に100〜10mm入って位置し、好ましくは50〜10mm入って位置する。本実施例においては図7に示すように、20mm程度入って位置し、且つ、前記支持バー5の下面41から40mm程度下側に位置するように設定されている。その結果、該挿通部39は、図9に示すように、最上段のひだ状折り返し部13aの前の折り返し面部43の、該ひだ状折り返し部13aの下端45よりも上側に位置することとなる。本実施例においては、最上段のひだ状折り返し部13aの上端44よりも上側に位置する。
【0030】
そして、前記前のカーテン9の後面46には、例えば図10〜11に示すように、該後面46側の幅方向の両側と中央部で、コード挿通部47が上下方向に所要間隔で並設されて3列のコード挿通部列49,49,49が形成されており、最下端に位置するコード挿通部47aの稍下側に位置させてコード取付部50が設けられている。
【0031】
夫々のコード挿通部列49,49,49には、前記前の昇降コード19が、該コード挿通部列49に上下方向で順次挿通せしめられ、その下端部51が、図11に示すように前記コード取付部50に固定状態とされている。該3本の昇降コード19,19,19は前記前のロック具11に通され、該ロック具11を通った昇降コード19,19,19は、図7に示すように、内側に向けて斜め下方に屈曲されると共に該昇降コード19の束52が、前記挿通部39に、前のカーテン9の後側から前側に向けて挿通され、前のカーテン9の前面53側で垂れた状態とされる。そして図3に示すように、該垂れた状態の昇降コード19,19,19の束52の下端に、摘み片56を介して1本の操作コード57が接続されており、該操作コード57の下端59が、前記挿通部39の略真下で、図2、図11に示すように、前記前のカーテン9の下縁部60に取り付けられている。本実施例においては、前記袋状収容部32の後面部61としての下縁部60に取り付けられている。そして、該前のカーテン9の前面53側で垂れた状態にある昇降コードの束52を前記摘み片56を介して下方に引くことによって、該前のカーテン9が引き上げられる如くなし、所要の引き上げ状態で昇降コード19をロック具11でロックすることにより、図5に示すように該前のカーテン9の所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。
【0032】
又前記後のカーテン10は、図2、図12に示すように、窓側に配置され、例えば、全体がシート状を呈する透光性カーテンとして形成されており、前記前のカーテン9と同様にして、下端に設けた袋状収容部62にウエイトバー63が収容されると共に、上縁部分3の前面には、図3に示すように、前記面状ファスナ17と着脱可能に係合し得る面状ファスナ65が取り付けられている。
【0033】
そして、前記後のカーテン10の後の面部66には、例えば図2、図12に示すように、該後面66側の幅方向の両側と中央部で、コード挿通部67が上下方向に所要間隔で並設されて3列のコード挿通部列69,69,69が形成されており、最下端に位置するコード挿通部67aの稍下側に位置させてコード取付部70が設けられている。夫々のコード挿通部列69,69,69には、後の昇降コード20が、該コード挿通部列69に上下方向で順次挿通せしめられ、その下端部71が、図2に示すように前記コード取付部70に固定状態とされている。該3本の後の昇降コード20,20,20は、図2〜3に示すように、ガイド孔64をその後側から前側に向けて挿通されて前記後のロック具12に通され、図2〜3、図12に示すように、該ロック具12を通過した昇降コード20,20,20の束68の下端に、摘み片72を介して1本の操作コード73が接続されており、該操作コード73の下端74が、前記袋状収容部62の一端部75に取り付けられている。そして、該昇降コードの束68を前記摘み片72を介して下方に引くことによって、該後のカーテン10が引き上げられる如くなし、所要の引き上げ状態で昇降コード20をロック具12でロックすることにより、図5に示すように、該後のカーテン10の所要の引き上げ状態が保持されるように構成されている。
【0034】
前記のように、前のカーテン9に関係して設けられた前記前の昇降コード19,19,19を、前のカーテン9の上端側に設けられた前記挿通部39に挿通させて該前のカーテン9の前面53側で垂れた状態にしていることから、前のカーテン9に関係する前の昇降コード19と後のカーテン10に関係する後の昇降コード20とが、図1、図3に示すように、該前のカーテン9によって前後に完全に分離された状態となり、従って、前後のカーテン9,10に関係した昇降コード19,20が互いに絡まるのが防止される。
【0035】
然して、かかる構成の二重昇降カーテン装置1によるときは、前のカーテン9に関係した昇降コード19と、後のカーテン10に関係した昇降コード20とが明確に区別できることから、前のカーテン9を昇降させる際に、その昇降コード19のみを確実に昇降操作できる。又、後のカーテン10を昇降させる際も、該後のカーテン10に関係した昇降コード20を確実に昇降操作できる。
【0036】
特に本実施例においては、前記前のカーテン9に係る操作コード19が、前記挿通部39の略真下で、該前のカーテン9の下縁部60に取り付けられているため、前のカーテン9をある程度引き上げた状態で、後のカーテン10に係る昇降コード20を引き上げ操作する際、前のカーテン9に係る昇降コード19がその下端側においても前のカーテン9の前記側縁40の内方に位置するために、前のカーテン9の前面53側で垂れた前の昇降コード19が上下全長に亘ってカーテンの側縁40から一定距離を隔てることになり、前のカーテン9を引き上げた状態においても前後の昇降コード19,20が接近しない利点がある。
【0037】
そして本実施例においては、前記挿通部39が、前のカーテン9の最上段のひだ状折り返し部42の前の折り返し面部43の、該ひだ状折り返し部42の下端45よりも上側に位置させて設けられている。かかることから、該挿通部39の上側では、ひだ状折り返し部42が形成されることがない。従って、該挿通部39の周縁部77(図9(B))と前記昇降コード19との間の摩擦抵抗によって前のカーテン9のひだ状の折り返しの形成が阻害される恐れがない。これにより、形の整ったひだ状折り返し部42を前のカーテン9の上下全長に亘って形成できることとなる。
【0038】
もしも、該挿通部39を前記最上段のひだ状折り返し部13aの下端45よりも下側に設けたときは、該挿通部39の周縁部77と前記昇降コード19との間の摩擦抵抗が一定以上に大きくて、該昇降コード19に対する挿通部39の相対的な移動が円滑でないと、図13(A)に符号78で示すように、該挿通部39の上側においてひだ状折り返しが円滑に行われなくなる場合が生じて好ましくない。この点、前記のように、挿通部39を、ひだ状折り返し部42の前の折り返し面部43の、該ひだ状折り返し部42の下端45の上側に位置させて設けることとすれば、該挿通部39の上側ではひだ状折り返し部が形成されることがないため、昇降コード19が挿通部39を通過することに伴う摩擦抵抗によってひだ状折り返し部の形成が阻害されることがない利点があるのである。
【実施例2】
【0039】
図14〜15は、本発明に係る二重昇降カーテン装置1の他の実施例を示すものであり、前のカーテン9に取り付けられた前の昇降コード19を挿通させる前記挿通部39が、前のカーテン9の上縁部分2を欠切して形成した上端開放の欠切部79を以って構成されている。該欠切部79を有する前のカーテン9は、図15に示すように、上縁部分2の後面に、該欠切部79を除いて面状ファスナ35が取り付けられており、該面状ファスナ35を、前記支持バー5の前の面部に固定されている面状ファスナ16に係合させることにより、該上縁部分2が支持バー5に固定されている。そしてこの固定状態で、前記欠切部79の下端79aが、該支持バー5の下端80に存し、乃至、該下端80の稍上側に存する。そして本実施例においては、前のカーテン9に係る前のロック具11と後のカーテン10に係る後のロック具12は、図15(B)に示すように、該支持バー5の一方の端部側8の前後且つ左右に位置をずらして設けられており、後のロック具12は該支持バー5の該端部側8の外端に配設されると共に、前のロック具11は、それよりも稍内方に配設されている。
【0040】
又、前のロック具11を通った昇降コード19が、前記支持バー5の前の面部に設けた引出し孔86から前方に引き出されており、該引き出された昇降コード19を、前記挿通部39に、前記前のカーテン9の後側から前側に向けて挿通させ、前のカーテン9の前面53側で該昇降コード19を垂らしている。
【0041】
このように構成する場合、カーテンの美観を損なわないようにするため、図14、図15(B)に示すように、前記欠切部79を前側から覆い隠すことのできる上下幅を有したカバー片81の上縁部分82を、前記前のカーテン9の上縁部分2に、又は前記支持バー5に固定するのがよい。
【0042】
なお、このように挿通部39を欠切部79を以て構成する場合、前のロック具11を前記支持バー5の前記端部側8の外端に配設してもよい。このように構成する場合は、該欠切部79の内周縁を補強するのがよい。
【0043】
図16〜17は、上端開放の欠切部79を以て挿通部39を構成する二重昇降カーテン装置1のその他の実施例を示すものであり、前記欠切部79の下端79aが、前記支持バー5の下縁80よりも下側に存し、該支持バー5の下縁の下側に形成された開口部分を以って、前のカーテン9の後側から前側に向けて前の昇降コード19を挿通させるための挿通部39が形成されている。本実施例においても、前のカーテン9に係る前のロック具11と後のカーテン10に係る後のロック具12は、図17(B)に示すように、該支持バー5の一方の端部側8の前後且つ左右に位置をずらして設けられている。そして、前のロック具11を通った昇降コード19が、該挿通部39に、その後側から前側に向けて挿通され、前のカーテン9の前面53側で該昇降コード19が垂らされている。
【実施例3】
【0044】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0045】
(1) 図18〜19は、前のカーテン9に係る前のロック具11と後のカーテン10に係る後のロック具12を支持バー5の一方の端部側8の前後且つ左右に位置をずらして設けた二重昇降カーテン装置1のその他の実施例を示すものであり、前のカーテン9に設けられた挿通部39は、前記と同様にしてハトメ37を用いて構成されている。
【0046】
(2) 図20〜21は、前のカーテン9に係る前のロック具11と後のカーテン10に係る後のロック具12が、該支持バー5の一方の端部側8の左右に位置をずらして設けられている。この場合、該前のロック具11に通される前の昇降コード19の複数本と、該後のロック具12に通される後の昇降コード20の複数本は、図21に示すように、上下2段で、支持バー5の長さ方向に略水平に延長した状態となされている。そして、複数本の前の昇降コード19がまとまった状態で前のロック具11の縦方向のコードガイド部21aに挿通されると共に、複数本の後の昇降コード20がまとまった状態で後のロック具12の縦方向のコードガイド部21bに挿通されている。そして、該前の昇降コード19が、前記前のカーテン9の上端側に設けられた、例えばハトメ37を用いて構成された挿通部39に、該前のカーテン9の後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテン9の前面53側で垂れた状態とされている。そして、該垂れた状態の昇降コード19の下端に、摘み片56を介して操作コード57が接続されており、該操作コード57の下端が、前記と同様にして、前記挿通部39の略真下で、前記前のカーテン9の下縁部60に取り付けられている。なお前記前後のロック具11,12は、図20〜21においては左右に一体化して設けられているが、両者が別体に形成され、相互を当接状態にして左右に設けられたり、或いは、相互間に稍間隔を隔てて左右に位置をずらして設けられることもある。
【0047】
(3) 図22〜23は、前のカーテン9に係る前のロック具11と後のカーテン10に係る後のロック具12が、該支持バー5の一方の端部側8の上下に位置をずらして設けられている。この場合、該前のロック具11に通される前の昇降コード19の複数本と、該後のロック具12に通される後の昇降コード20の複数本は、図22に示すように、上下2段で、支持バー5の長さ方向に略水平に延長した状態となされている。そして、複数本の前の昇降コード19がまとまった状態で前のロック具11のコードガイド部21aに挿通されると共に、複数本の後の昇降コード20がまとまった状態で後のロック具12のコードガイド部21bに挿通されている。そして、該前の昇降コード19が、前記前のカーテン9の上端側に設けられた、例えばハトメ37を用いて構成された挿通部39に、該前のカーテン9の後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテン9の前面53側で垂れた状態とされている。本実施例においては、該挿通部39の中心が、カーテンの側縁40に近接して、例えば、カーテンの側縁40から内方に10mm入って位置している。そして前記と同様にして、該垂れた状態の昇降コード19の下端に、摘み片56を介して操作コード57が接続されており、該操作コード57の下端が、前記と同様にして、前記挿通部39の略真下で、前記前のカーテン9の下縁部60に取り付けられている。
【0048】
(4) 図24は、前のカーテン9に設けられた前記挿通部39の他の態様を示すものであり、縦長のスリット87の縁部分89をかがり縫いすることにより、ボタンホール状に形成されている。前のロック具11を通った昇降コード19が、該挿通部39に、その後側から前側に向けて挿通せしめられ、前のカーテン9の前面53側で垂れた状態とされる。
【0049】
(5) 前記挿通部39を、最上段のひだ状折り返し部13aの前の折り返し面部43の、該ひだ状折り返し部13aの下端45よりも上側に位置させて設ける場合、該挿通部39を、図25に示すように、該ひだ状折り返し部13aの下端45と上端44の間に位置させて設けることもある。
【0050】
(6) 前のカーテン9に設けられる挿通部39は、該挿通部39を、前のカーテンの後側から前側に向けて挿通した昇降コードを昇降操作することによって該前のカーテンにひだ状折り返し部を形成できる限り、前のカーテン9の上端寄り(上端から下方に10cm程度までの部分)に設けられるものには限られず、その下側に位置させて設けてもよい。
【0051】
(7) 前のカーテン9に設けた挿通部39に挿通せしめられて該前のカーテン9の前面53側で垂れた昇降コード19の下端に、摘み片56を介して操作コード57を接続する場合、図26に示すように、該操作コード57の下端59を、前のカーテン9の下縁部60の端部90に取り付けることもある。
【0052】
(8) 前の昇降コード19に前記操作コード57が接続されないこともある。
【0053】
(9) 前のカーテン9の後面側で、その幅方向に所要間隔を置いて垂れた状態で設けられる前の昇降コード19の本数は、該前のカーテン9の幅寸法に応じて、最低2本で4本以上に設定されることもある。又、後のカーテン10の後面側で、その幅方向に所要間隔を置いて垂れた状態で設けられる後の昇降コード20の本数は、該後のカーテン10の幅寸法に応じて、最低2本で4本以上に設定されることもある。
【0054】
(10)本発明において、昇降コードの下端側を前後のカーテンの上下方向の所要部位に固定状態とするとは、カーテンの下端側や中間の所要部位に固定状態とすることを意味する。そして下端側に固定状態とするとは、カーテンの下端寄りの部位に固定状態とすることを意味し、カーテンの最下端乃至その近傍部位に固定状態とするものには限られない。カーテンの最下端から稍上側に固定状態とする態様の一つとしては、カーテンが、上下幅が5〜20cm程度に形成されたフリル状の裾装飾片を有する場合において、該裾装飾片の上側に位置させて固定状態とする態様を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る二重昇降カーテン装置を前側から見た斜視図である。
【図2】その後側から見た斜視図である。
【図3】その側面図である。
【図4】そのロック具側の拡大斜視図である。
【図5】前後のカーテンの引き上げ状態を示す斜視図である。
【図6】ロック具の構成を説明する断面図である。
【図7】本発明に係る二重昇降カーテン装置のロック具側の部分正面図である。
【図8】そのロック具側の部分斜視図である。
【図9】前のカーテンを最大限に引き上げた状態を示す側面図である。
【図10】前のカーテンの上側部分における昇降コードの配置状態を示す説明図である。
【図11】前のカーテンの下側部分における昇降コードの配置状態を示す説明図である。
【図12】後のカーテンにおける昇降コードの配置状態を示す説明図である。
【図13】前のカーテンに設ける挿通部を、最上段のひだ状折り返し部の前の折り返し面部の、該ひだ状折り返し部の下端よりも下側に設けた場合の問題点を説明する斜視図である。
【図14】本発明に係る二重昇降カーテン装置の他の実施例を示す斜視図である。
【図15】その部分拡大図である。
【図16】本発明に係る二重昇降カーテン装置のその他の実施例を示す斜視図である。
【図17】その部分拡大図である。
【図18】前後のロック具を、前後且つ左右に位置をずらして配置した状態を示す斜視図である。
【図19】その配置状態によって構成された二重昇降カーテン装置を示す部分斜視図である。
【図20】前後のロック具を、左右に位置をずらして配置した状態を示す斜視図である。
【図21】その配置状態によって構成された二重昇降カーテン装置を示す部分正面図である。
【図22】前後のロック具を、上下に位置をずらして配置した状態を示す斜視図である。
【図23】その配置状態によって構成された二重昇降カーテン装置を示す部分正面図である。
【図24】挿通部の他の態様を示す斜視図である。
【図25】本発明に係る二重昇降カーテン装置のその他の実施例を示す斜視図である。
【図26】操作コードの下端を前のカーテンの下縁部の端部に取り付けてなる二重昇降カーテン装置を示す斜視図である。
【図27】従来の二重昇降カーテン装置の一例を示す部分斜視図である。
【図28】そのロック具の構成を説明する断面図である。
【図29】従来の二重昇降カーテン装置の他の例を示す背面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 二重昇降カーテン装置
5 支持バー
9 前のカーテン
10 後のカーテン
11 前のロック具
12 後のロック具
13 ひだ状折り返し部
19 昇降コード
39 挿通部
43 前の折り返し面部
47 コード挿通部
56 摘み片
57 操作コード
67 コード挿通部
72 摘み片
73 操作コード
79 欠切部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側で、前記前のカーテンに係る前のロック具と前記後のカーテンに係る後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされ、
前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされており、又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されており、
又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とする二重昇降カーテン装置。
【請求項2】
上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の前後に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされ、
前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされており、又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されており、
又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とする二重昇降カーテン装置。
【請求項3】
上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の左右に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされ、
前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされており、又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されており、
又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とする二重昇降カーテン装置。
【請求項4】
上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の前後且つ左右に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされ、
前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされており、又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されており、
又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とする二重昇降カーテン装置。
【請求項5】
上縁部分が支持バーに取着されて前後対向する前のカーテンと後のカーテンを具えると共に、前記支持バーの一方の端部側の上下に位置をずらして前後のロック具が設けられ、該前のカーテンと後のカーテンの夫々を、昇降コードの昇降操作によってひだ状折り返し部が積み重なる状態で引き上げ可能となされ、
前記昇降コードは、前記前のカーテン及び後のカーテンの夫々に関し、該カーテンの後面側で、その幅方向の少なくとも両側において、カーテンの後面に上下所要間隔で設けられたコード挿通部に上下方向で挿通せしめられ、その下端側が該カーテンの上下方向の所要部位に固定状態とされており、又、前記前のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記前のロック具に通し、該前のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該前のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該前のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるようになされる一方、前記後のカーテンに関し、前記昇降コードの複数本をまとめて前記後のロック具に通し、該後のロック具を通った昇降コードを下方向に引くことによって該後のカーテンが引き上げられる如くなされ、所要の引き上げ状態で昇降コードをロックすることにより、該後のカーテンの所要の引き上げ状態が保持されるように構成されており、
又、前記前のカーテンに取り付けられた前記昇降コードが、前記前のカーテンの側縁から稍内方に位置させて該前のカーテンの上端側に設けられた挿通部に、該前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられ、該前のカーテンの前面側で垂れた状態とされていることを特徴とする二重昇降カーテン装置。
【請求項6】
前記挿通部に挿通せしめられて前記前のカーテンの前面側で垂れた状態の昇降コードの下端に、摘み片を介して操作コードが接続されており、該操作コードの下端が、前記挿通部の略真下で、前記前のカーテンの下縁部に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重昇降カーテン装置。
【請求項7】
前記挿通部は、最上段のひだ状折り返し部の前の折り返し面部の、該ひだ状折り返し部の下端よりも上側に位置させて設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重昇降カーテン装置。
【請求項8】
前記挿通部は鳩目であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重昇降カーテン装置。
【請求項9】
前記挿通部は、前のカーテンの上縁部分に設けられた上端開放の欠切部を以って形成されると共に、該欠切部の両側が前記支持バーに固定されており、又、前記前のロック具を通った昇降コードが、前記欠切部が存する部分において前記前のロック具から導出され、該挿通部に挿通せしめられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重昇降カーテン装置。
【請求項10】
前記挿通部は、前のカーテンの上縁部分に設けられた上端開放の欠切部を以って形成されると共に、該欠切部の両側が前記支持バーに固定されており、又、前記前のロック具を通った昇降コードが、前記支持バーの下縁の下側に形成された開口部分としての前記挿通部に、前記前のカーテンの後側から前側に向けて挿通せしめられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重昇降カーテン装置。
【請求項11】
前記欠切部を前側から覆い隠すカバー片が、前記前のカーテンの上縁部分又は前記支持バーに固定されていることを特徴とする請求項9又は10記載の二重昇降カーテン装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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