二量体形成の減少した組成物
本発明は、向上した長期保管安定性を有する凍結乾燥組成物を提供するための、遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、非還元性炭水化物または炭水化物誘導体および二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、向上した長期保管安定性を有する凍結乾燥組成物を提供するための、遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、非還元性炭水化物または炭水化物誘導体、および二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
腐敗しやすい物質を保存し、またはその物質をより輸送に好都合にするために使用される、当該技術分野で公知の種々の方法が存在する。医薬物質、バイオテクノロジー関連物質または食品物質について、典型的な方法は、凍結乾燥(freeze-drying)(凍結乾燥(lyophilization)または凍結乾燥(cryodesiccation)としても公知)である。これは、物質を凍結させ、次いで周囲の圧力を減少させ、物質中の凍結した水を固相から気体に直接的に昇華させるだけの熱を加えることによって機能する、脱水プロセスである。生じる凍結乾燥製品は、その後将来の使用のために溶液中で容易に再構成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
凍結乾燥製品の利点は、製品が一般に保管時および輸送時により安定であり、溶液中の相当する物質よりも保存可能期間が長いことである。しかしながら、凍結工程中および乾燥工程中に、保存すべき物質への損傷が起こり得るという点で、凍結乾燥については問題がいくつかある。これらの問題は、凍結乾燥する物質に凍結保護剤および凍結乾燥保護剤(lyoprotectants)を添加することによって、ある程度は対処される。しかしながら、あまり認識されていないのは、一部の腐敗しやすい物質、特に少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドが、凍結乾燥工程の完結後でさえも分解および損傷を受けやすいということである。すなわち、凍結乾燥は保存効果を有するが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドを含む凍結乾燥製品は、多くの場合、所望されるよりも保存可能期間が短い。かかるペプチドを含む凍結乾燥組成物の安定性を向上させる手段の明確な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の使用に関し、該使用は、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである。
【0005】
本発明はさらに、少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物の製造方法に関し、該方法は、
a)(i)少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤および(iii)少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること;ならびに
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること
を含む。
【0006】
1つの実施態様において、生じる凍結乾燥組成物は、2〜8℃の温度で保管する場合、少なくとも2年間は安定である。さらなる実施態様において、該方法は、工程(b)の凍結乾燥組成物を溶液中で再構成することをさらに含む。
【0007】
本発明はさらに、免疫化または寛容化のための少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物に関し、該組成物は、少なくとも1種の非還元性炭水化物、および二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤をさらに含む。
【0008】
上記の使用、方法および組成物の1つの実施態様において、該少なくとも1種の非還元性炭水化物は、トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択され、該薬剤は、チオグリセロールである。
【0009】
上記の使用、方法および組成物の1つの実施態様において、該少なくとも1種のペプチドは、免疫化または寛容化に使用するためのものであり、8〜30アミノ酸長のものであり、
a)少なくとも1つのシステイン残基;および
b)少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(図面の説明)
【図1】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図2】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図3】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図4】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図5】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図6】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図7】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図8】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図9】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図10】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図11】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図12】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図13】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図14】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図15】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図16】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図17】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図18】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図19】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図20】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図21】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図22】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図23】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図24】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図25】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図26】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図27】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図28】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図29】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図30】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図31】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図32】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図33】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図34】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図35】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図36】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図37】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図38】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図39】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図40】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図41】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図42】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図43】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図44】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図45】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図46】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図47】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図48】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図49】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図50】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図51】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図52】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図53】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図54】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図55】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図56】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図57】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図58】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図59】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図60】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図61】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図62】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図63】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図64】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図65】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図66】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図67】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図68】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図69】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図70】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図71】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図72】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図73】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図74】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図75】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図76】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図77】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図78】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図79】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図80】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図81】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図82】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図83】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図84】図84は、チオグリセロール「低」(菱形)およびチオグリセロール(Thiglycerol)「高」(四角形)である、実施例4に記載した特定の組成物に含まれる7種のペプチドMLA05、MLA12、MLA03、MLA14、MLA01、MLA04およびMLA07の混合物の12箇月にわたる30℃/65%RHでの安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
配列の説明
配列番号1〜83は、本発明の組成物に含めるのに特に好ましいペプチドの配列を表す。配列番号84〜86は、本発明の組成物に含めることができるさらなるペプチドの配列を表す。
【0012】
(発明の詳細な説明)
凍結乾燥
凍結乾燥は、溶媒(通常は水)が昇華によって製品から除去される複合的な工程である。周知のように、昇華は、凍結した液体が液相を通過することなく直接気相に移行するときに起こる。昇華は、圧力および温度の関数であり、これらのバランスが凍結乾燥の成功には重要である。
【0013】
凍結乾燥プロセスは、3つの段階:凍結、第一の乾燥および第二の乾燥からなる。凍結工程時に、溶液は、固体に変換される。凍結速度が製品中に形成される氷の結晶の大きさに影響し、該大きさは製品の安定性に影響し得、第一の乾燥段階時および第二の乾燥段階時の乾燥速度にも影響し得るため、凍結手順は慎重に制御しなければならない。
【0014】
臨界温度未満で凍結工程を行うことが非常に重要である。この温度は、結晶性物質については共融温度(Teut)であり、また非晶質製品については最大限に凍結濃縮された溶質のガラス転移温度(Tg’)である。
【0015】
第一の乾燥時に、昇華によって、凍結された製品から氷が除去され、乾燥した、構造的に損傷のない製品が生じる。これには、乾燥装置の棚温度およびチャンバー圧力の慎重な制御が必要である。凍結した製品からの氷の昇華速度は、当業者に理解される種々の要因に依存する。第一の乾燥時に、昇華界面の製品温度(Tp)が製剤の「臨界温度」を超えてはならないこと、すなわち該界面が流動し、したがってケークの構造を破壊する十分な流動性に到達してはならないことが重要である。この温度はまた崩壊温度(Tc)としても公知であり、典型的にはTg’よりも数度高い。
【0016】
前述のように、臨界温度は、主として結晶性の物質についてはTeutであり、非晶質物質についてはTg’またはTcである。Teutは一般に高いため(例えば非常に一般的な充填剤マンニトールのTeutは-3℃である)、結晶性物質は凍結乾燥が容易である。さらに、得られる凍結乾燥した「ケーク」は、結晶性物質に由来する場合、典型的には魅力的な外観を有する。しかしながら、結晶性物質は、多くの場合、凍結工程時および乾燥工程時にペプチドを安定化するのにあまり適していない。この場合、一般に、非晶質の糖、ポリオール、および他の賦形剤が使用される。その欠点は、一般に、これらの物質のTg’が共融温度よりもはるかに低いということである(例えばスクロース:-32℃)。
【0017】
第一の乾燥が完結し、すべての氷が昇華した後、製品中にはなお結合水分が存在する。製品は乾燥しているように見えるが、残存水分含量は7〜8%もの高さであり得る。残存水分含量を最適な値(多くの製剤では1%未満)に減少させるには、より高い棚温度で継続的に乾燥することが必要である。この工程、すなわち第二の乾燥は、製品から結合水が脱着するため、等温脱着としても公知である。通常、第二の乾燥は、周囲温度よりも高いが、なお製剤のガラス転移温度(Tg)または融解温度よりも低い製品温度で続けられる。
【0018】
当業者が、種々の組成物の間の性質の差異、ならびに最適な凍結条件および乾燥条件を確立するための試行錯誤の潜在的な必要性を適切に考慮して、上記パラメータを慎重に考慮する必要性を理解するということは、理解されるであろう。
【0019】
繊細な製品(例えばタンパク質、ペプチドなど)を安定化させる、凍結乾燥プロセスの利点がいくつかある。例えば、適切に凍結乾燥された製品は、多くの場合、冷蔵の必要がなく、周囲温度で保管することができ、水または他の適切な注射用溶媒で、素早く、完全に再構成することができる。凍結乾燥組成物は、典型的には2年を超える安定な保存可能期間を有すると期待される。この文脈において、安定は、典型的には、凍結乾燥組成物を難なく再構成することができること、およびその再構成した溶液が医薬用途に適していることを意味すると解釈される。安定はまた、凍結乾燥したケークの崩壊を除くと、再構成前に製品の物理的外観または表面的外観の変化が何ら存在しないことであるとも考えられる。医薬用途への適性は、問題となっている生体物質および特定の用途に依存するが、典型的には当業者によって容易に評価され得る。一般的に言えば、再構成した溶液中の生体物質は、凍結乾燥前の溶液中の相当する物質と同等の活性を有すると予想される。ペプチドまたはタンパク質を含む再構成した溶液の場合、その再構成した溶液は、それが無菌であり、かつ目に見える微粒子を含まないのであれば、典型的には、医薬用途、特に注射剤に適すると考えられる。
【0020】
特に少なくとも1つの遊離したシステイン残基を有するタンパク質またはペプチドを含む組成物について、凍結乾燥には、製品の安定な保存可能期間を、場合によっては劇的に短縮させ得る、難点がいくつかある。かかる物質は、凍結乾燥プロセス中だけでなく、このプロセスの後、すなわち凍結乾燥製品の保管中にも、不可逆変化、すなわち分解を受け得る。
【0021】
凍結乾燥プロセス中の分解は、凍結時、乾燥時、または凍結および乾燥の両方の時に起こり得る。製品の分解が凍結時に起こる場合、「凍結保護剤」を添加することが典型的である。凍結保護剤は、凍結時を安定化するが、必ずしも凍結乾燥時(すなわち凍結および乾燥の両方の時)を安定化しない。一般的な凍結保護剤としては、高濃度の二糖類および若干のアミノ酸(最大で0.5 Mまで)、ならびに低濃度のポリエチレングリコール(1%未満、w/w)または他のポリマーが挙げられる。用語「凍結乾燥保護(lyoprotection)」は、凍結乾燥プロセス全体の間(すなわち凍結および乾燥の両方の時)の安定化を指す。かかる安定化は、タンパク質およびペプチドなどの生体物質の凍結乾燥にしばしば必要とされる。これは、タンパク質などの複雑な生体分子は、構造および機能を維持するために、適度なレベルの残存水を必要とすることが多いからである。したがって、典型的には「凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)」が加えられ得る。典型的には、当該技術分野で公知の凍結乾燥保護剤は、ポリヒドロキシ化合物、例えば糖類(単糖類、二糖類、および多糖類)、ポリアルコールおよびそれらの誘導体などである。
【0022】
上記のこととは対照的に、凍結乾燥プロセスの後、すなわち凍結乾燥製品の保管時または輸送時に起こる損傷および分解は、対処がより困難である。かかる損傷は、例えば、脱アミド化、加水分解、ラセミ化または酸化の形態をとり得、これらはすべて、典型的には、保管したタンパク質またはペプチドの凝集および/または変性をもたらし得る。分子間のジスルフィド結合の形成をもたらすシステイン残基の側鎖の酸化、および該分子のその後に続く二量体化は、特に問題である。かかる損傷は、長期間にわたってゆっくりと起こり得、また気候制御システムの不具合、さらには周囲温度の単なる季節変動による温度の突然の上昇などの保管条件の短期的変化の間に急速に起こり得る。
【0023】
本発明は、少なくとも1種のペプチド、特に少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドを含む凍結乾燥組成物において、前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を抑制または減少することによって、凍結乾燥プロセスの後に起こる損傷および分解の問題に対処する。
【0024】
本発明の凍結乾燥組成物
本発明は、特に、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物に関する。特に対象とするペプチドは、特にT細胞応答を調節することによる免疫系の調節に有用なペプチドである。
【0025】
T細胞が抗原を認識するには、抗原提示細胞(antigen presenting cells)(APC)が、その細胞表面上に抗原タンパク質の断片(ペプチド)を、主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex)(MHC)分子と結合した状態で、提示することを要する。T細胞は、その抗原特異的T細胞受容体(T-cell receptors)(TCR)を使用し、高い特異性で、APCによって提示された断片を認識する。かかる認識は、免疫系に対するトリガーとして作用し、認識された抗原を根絶するための一連の応答を生じさせる。
【0026】
T細胞の抗原断片認識の特異性の大部分は、断片内のアミノ酸の、より小さなサブ配列(subsequence)によって与えられる。このサブ配列は、T細胞エピトープとして公知である。したがって、かかるエピトープを含むペプチドは、対象の免疫系を調節するための治療薬としての使用に関して、興味深い。細胞外アレルゲンおよび自己抗原または同種抗原の場合、ペプチドは典型的にはMHCクラスII分子上に提示され、これはCD4T細胞によって認識される。したがって、アレルギー性疾患および自己免疫障害または同種免疫障害(allo-immune disorders)における関心は、MHCクラスII結合性T細胞エピトープに集中している。しかしながら、CD8T細胞によって認識されるMHCクラスI結合性T細胞エピトープもまた、興味深いものであり得る。例えば、内在性抗原および/または細胞内抗原に対する免疫応答を調節する必要がある場合である。これは、腫瘍免疫を誘導するために使用することができる、ある種の癌マーカーのペプチドの場合、または肝炎ウイルスおよびヒトパピローマウイルスによって引き起こされる感染症などの感染症の治療のために、望ましい場合がある。
【0027】
細胞外アレルゲンおよび自己抗原または同種抗原に由来するペプチドエピトープを対象に投与すると、エピトープが由来する抗原への寛容が誘導されることが実証されている。かかる効果に基づく治療薬は、特定の免疫応答の下方制御が望まれるアレルギー疾患および自己免疫疾患または同種免疫疾患(allo-immune disease)の予防および治療において、大きな可能性を有する。
【0028】
例えば癌または感染症と関連するある種のタンパク質に由来するペプチドエピトープを対象に投与すると、エピトープが由来する抗原に対する特定の免疫が誘導されることが実証されている。かかる効果に基づく治療薬は、特定の免疫応答の上方制御が望まれる疾患の予防および治療において、大きな可能性を有する。
【0029】
特定の抗原に対する寛容または免疫を生じさせるためのペプチドエピトープの使用におけるさらなる進展は、いくつかの問題によって妨げられている。1つのかかる問題は、エピトープの配列、特にアレルゲンならびに自己抗原および同種抗原に由来するエピトープの配列が、溶解性に乏しいことが多く、そのため製造、保管および対象への投与のいずれをするのにも問題となるということである。特にシステイン残基を含むエピトープの配列を含むペプチドは、二量体化または高次の凝集を受けやすいことがあり、不適切な免疫応答、典型的にはIgEまたはIgGの結合に起因する炎症をもたらし得る。
【0030】
したがって、上で概説したように、かかるエピトープを含むペプチドが凍結乾燥組成物内に含まれている場合、そのペプチドは、輸送時および保管時、すなわち凍結乾燥プロセスの後に発生する種類の損傷および分解を特に受けやすい。これは、その組成物の意図された医薬用途に適さない再構成された溶液を生じさせることとなる。なぜなら、寛容化が要求される場合、炎症などの不適切な免疫応答を誘発することは、非常に望ましくないからである。同様に、特定の免疫を誘導することが必要である場合、二量体または高次の凝集体の形成は、MHCクラスI分子への結合またはその後に続く適切なT細胞への結合を阻害することとなり、したがってT細胞に媒介される免疫応答を刺激することを妨げることとなる。
【0031】
MHCクラスII結合性T細胞エピトープ
上述のように、アレルギー性疾患および自己免疫障害または同種免疫障害の治療または予防のためのペプチドにおける関心は、MHCクラスII結合性T細胞エピトープに集中している。かかるエピトープはまた、特定の免疫応答を誘発することが必要である場合にも関心のあるものとなり得る。本発明のペプチドに含まれるMHCクラスII結合性T細胞エピトープは、典型的には、クラスII分子に結合することができ、かつ細胞表面でクラスIIと結合した状態でT細胞に提示されると、CD4T細胞を刺激することができる、最小限のアミノ酸配列である。典型的には、該エピトープは、ヒトMHCクラスII分子に結合するもの、例えば本明細書中で述べる任意のそのような分子などである。
【0032】
MHCクラスII分子は、2種のタンパク質αおよびβからなり、これらはそれぞれ異なる遺伝子によってコードされている。ヒトにおいては、異なるαタンパク質およびβタンパク質をコードする3種の遺伝子クラスターが存在する。これらは、ヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen)(HLA)クラスターDR、DQおよびDPである。各クラスターは、αタンパク質の異なる変異体をコードする複数の異なるA遺伝子、およびβタンパク質の異なる変異体をコードする複数の異なるB遺伝子を含む。そのため、生じるMHCクラスIIヘテロ二量体は、極めて多様であり、これらが結合するT細胞エピトープもそれに対応して極めて多様である。
【0033】
MHCクラスII分子の結合部位は、2つの別個のタンパク質から構成され、これらは間隙(cleft)を形成する。間隙は、端部が開放されており、これにより理論的には任意の長さのペプチドが結合することが可能になる。しかしながら、9個のアミノ酸だけが、間隙自体を占有することができる。間隙を占有する最大で9個までのアミノ酸の正体により、所与のペプチドが、所与のMHCクラスII分子に結合し、T細胞へ提示するために利用できるか否かが定まる。したがって、これらの9個までのアミノ酸は、MHCクラスIIの結合に必要とされる最小限の配列を表す。一般に、かかる配列は、細胞表面でクラスIIと結合した状態でT細胞に提示されると、T細胞を刺激することが可能となると推測されている。しかしながら、これは、当該技術分野で標準的な方法によって、実験的に確かめることができる。
【0034】
かかる方法は、典型的には、対象から取り出された試料中、エピトープとT細胞とが相互作用することを可能にする条件下で、エピトープをT細胞と接触させ、次いでT細胞のいずれかが刺激されるか否かを決定することを含み得る。T細胞が刺激されるか否かの決定は、任意の適切な方法、例えばT細胞によるサイトカインの産生を検出することによって、達成することができ、サイトカインの産生は、T細胞が刺激されたことを示す。適切なサイトカインとしては、インターフェロンγ、インターロイキン4およびインターロイキン13が挙げられる。サイトカインの産生は、任意の適切な方法、例えばELISAアッセイ、ELISPOTアッセイまたはフローサイトメトリーアッセイによって、検出することができる。対象に由来する試料中のT細胞は、典型的には、該対象から取り出した血液試料または血清試料から単離した末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells)(PBMC)集団中に存在している。
【0035】
本発明のMHCクラスII結合性T細胞エピトープは、典型的には、8個または9個のアミノ酸からなるが、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個のアミノ酸からなっていてもよい。該エピトープのアミノ酸配列は、MHCクラスII分子の結合部位をさらに引用することによって、大まかに定義することができる。この結合部位は、結合するペプチドエピトープの配列における第一のアンカー位置および第二のアンカー位置に対応する特異的な結合ポケットを有する。結合ポケットは、MHCクラスII分子の配列中のアミノ酸の位置によって定まり、一般にエピトープ中の特定のアミノ酸について絶対的な識別力のあるものではない。したがって、任意の所与のMHC分子のペプチドへの結合特異性は、比較的広範である。そのため、同じMHCアロタイプに結合するペプチドは、ある程度の類似性を示すが、同一性は要求されない。
【0036】
最も一般的なヒトMHCクラスIIの種類であるHLA-DRについては、その結合ポケットに結合するための重要なアンカー位置は、ペプチドエピトープの1位、4位、6位、7位および9位(間隙を占有する最もN末端の残基から最もC末端の残基へと数えて)にある。したがって、その結合ポケット中に類似するアミノ酸を有する異なるHLA-DRアレル(alleles)は、典型的には1位、4位、6位、7位および9位に類似するアミノ酸を有する諸ペプチドに結合する。したがって、MHCクラスII結合性T細胞エピトープを含む領域は、1位、4位、6位、7位および9位に対応する位置に、最も広い範囲のHLA-DRアレルに結合することを可能にするアミノ酸を有することが好ましい。種々のHLA-DRアレルの特徴的な結合特性の例を以下に示す。
【0037】
β鎖の86位にグリシンを有するDRアレルは、ペプチドの1位で大きな疎水性側鎖(Trp、Tyr、Phe)に対して強い選好性を示すが、86位のバリンは、ポケットの大きさを制限し、この位置で小さな疎水性側鎖(ValおよびAla)へと選好性を変化させる。中間の大きさの疎水性アミノ酸LeuおよびIleは、すべてのDRアレルにおいて十分に受容される。
【0038】
β鎖の70位にGln、71位にリジンおよび74位にアルギニンまたはGlnを有するDRアレルは、ポケット4内で全体として正電荷を有しており、これにより、結合するペプチドの4位において負電荷をもつアミノ酸AspおよびGluが必要となる(例えばDRB1*0301のように)。このモチーフを有するDRアレルは、全身性エリテマトーデスおよび橋本甲状腺炎の2つの自己免疫疾患と関連している。
【0039】
β鎖の70位にGlnまたはArg、71位にArgまたはLys、および74位にGluまたはAlaを有するDRアレルは、すぐ上のペプチドに類似するペプチドに結合する。重要な相違は、74位にしかないためである。しかしながら、74位にAlaが存在する場合、ポケット4は大きさが増大し、Phe、TrpおよびIleなどのより大きなアミノ酸を収容することができる(例えばDRB1*0401、DRB1*0404、DRB1*0405のように)。74位にGluを有するアレルは、結合するペプチドの4位においてSerおよびThrのような小さな極性残基を許容すると予測される。このモチーフを有するDRアレルは、関節リウマチに対する感受性と関連している。
【0040】
β鎖の70位にAsp、71位にGluまたはArg、および74位にLeuまたはAlaを有するDRアレルは、ペプチドの4位に負電荷をもつアミノ酸を有するペプチドを排除する(例えばDRB1*0402)。これは、70位のAspの存在によるものである。このモチーフを有するDRアレルは、自己免疫疾患の若年性関節リウマチ(juvenile rheumatoid arthritis)(JRA)、尋常性天疱瘡およびアレルギー性気管支肺疾患/アレルギー性気管支肺症候群と関連している。
【0041】
β鎖の9位の多型は、すべてのDRアレルにおいて、結合ポケット9の大きさを定める。この位置にTrpを有するアレルは、結合するペプチドの9位において、小さなアミノ酸、例えばAla、Val、Gly、Ser、Thr、Proだけを許容する(例えばDRB1*0101およびDRB1*1501のように)。9位のGluは、57位のAspと共に、ポケット9を負に荷電させ、Lys(例えばDRB1*0401およびDRB1*0404のように)およびヒスチジン(例えばDRB1*0402のように)などの正電荷をもつアミノ酸の収容を容易にする。大部分のMHCクラスIIアレルにおいて、57位のAspは、76位のArgと塩橋水素結合をつくり、ポケットが脂肪族アミノ酸および極性アミノ酸も収容することができるようにしている。57位のAspがSer(例えばDRB1*0405)またはAla(DQ8)によって置換される場合、水素結合の網は壊され、76位のArgは、結合するペプチドの9位の負電荷をもつアミノ酸、例えばAspまたはGluなどを強く引きつけることができる(例えばDRB1*0405のように)。
【0042】
したがって、エピトープの好ましい配列の例は、1位にTrp、Tyr、Phe、ValまたはAlaを有し、4位にAsp、Glu、SerまたはThrを有し、9位にAla、Val、Gly、Ser、Thr、Proを有するものである。エピトープの好ましい配列のさらなる例は、1位に大きな芳香族アミノ酸または疎水性アミノ酸、例えばTyr、Phe、Trp、Leu、IleまたはValを有し、6位に小さな非荷電アミノ酸、例えばSer、Thr、Ala、Pro、Val、IleまたはMetを有するものである。DRB1*0101、DRB1*0401およびDRB1*0701アレルによってコードされるMHCクラスII分子の全てまたは組み合わせに結合するペプチドの約87.5%は、このモチーフを含む。さらに、アレルゲンおよび自己免疫抗原に由来するT細胞エピトープは、典型的には所与のアミノ酸(単数または複数)の多数の反復を含まないため、本発明の好ましいエピトープは、典型的には少なくとも5個、6個、7個または8個の異なるアミノ酸を含む。
【0043】
エピトープの正確なアミノ配列(amino sequence)は、コンピュータに基づくアルゴリズムによって予測することができ、インビトロの生化学的解析によって確証することができる。適切な市販のアルゴリズムとしては、EpiMatrixアルゴリズム(EpiVax社)が挙げられる。他のアルゴリズムは、例えばhttp://www.imtech.res.in/raghava/propred/およびhttp://www.imtech.res.in/raghava/mhc2pred/にて入手可能である。これらのアルゴリズムによる解析は、典型的には、大きなポリペプチド配列を複数の重複する小さなペプチドに分解することを含む。次いでこれらの小さなペプチドの配列は、アルゴリズムを用いて解析され、MHCクラスII分子に結合すると予測される配列が同定される。重複する小さなペプチドは、典型的には9量体である。
【0044】
次いでこの解析で最もスコアが高い候補ペプチドを、標準的な結合アッセイを用いて、インビトロで、種々のクラスIIアレルによってコードされるMHCクラスII分子のパネル(panel)に結合する能力について評価する。例えば、競合的MHCクラスII結合アッセイを使用することができ、ここで各ペプチドは、調べたそれぞれのヒトMHCクラスIIアロタイプから、既知の対照結合剤を置換する、その能力について解析される。かかるアッセイにおいて、各ペプチドは、IC50値(対照ペプチドの結合の50%の阻害が達成される濃度)が与えられる。MHCクラスIIアロタイプが同じであれば、IC50が低いほどペプチドの親和性は高い。
【0045】
ポリペプチド中のエピトープまたはエピトープ群は、MHCクラスII分子に対して最も高い結合親和性を示すペプチドであると解釈される。特に好ましいエピトープは、1個よりも多くのMHCクラスIIアレル、好ましくは2個のMHCクラスIIアレル、より好ましくは3個、4個または5個のMHCクラスIIアレルによってコードされる、異なるクラスII分子に対して、高い親和性結合を示すものである。
【0046】
特に好ましいエピトープは、二量体形成を起こしやすい領域中に含まれるエピトープである。こうした領域は、以下の別のセクションにおいて定義する。
【0047】
MHCクラスI結合性T細胞エピトープ
上述のように、MHCクラス1結合性エピトープは、通常、特定の免疫応答の誘発(腫瘍免疫、または感染症を引き起こす因子に対する免疫応答の誘発など)について、より興味深い。典型的には、本発明のペプチドに含まれるMHCクラスI結合性T細胞エピトープは、クラスI分子に結合することができ、細胞表面でクラスIと結合した状態でT細胞に提示されると、CD8T細胞を刺激することができる、最小限のアミノ酸配列である。該エピトープは、典型的にはヒトMHCクラスI分子に結合するエピトープ、例えば本明細書中で述べた任意のそのような分子などである。
【0048】
MHCクラスI分子は、β2ミクログロブリンと呼ばれるより小さなペプチドに非共有結合した重鎖ペプチドからなる。この重鎖ペプチドは、3つの大きな球状ドメインα1、α2およびα3、ならびにより小さな膜貫通領域および細胞内領域へと組織化されている。該重鎖ペプチドは、単一の遺伝子によってコードされている。ヒトにおいては、異なるクラスI重鎖をコードする3つの主要な遺伝子クラスター、および3つのマイナーなクラスターが存在する。これらは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスターHLA-A、HLA-B、HLA-C(主要)、ならびにHLA-E、HLA-FおよびHLA-G(マイナー)である。各クラスターは、重鎖の異なる変異体をコードする複数の異なる遺伝子を含む。したがって、生じるMHCクラスIタンパク質は、非常に多様であり、これらが結合するT細胞エピトープもそれに対応して非常に多様である。
【0049】
MHCクラスI分子の結合部位は、α1ドメインとα2ドメイン(細胞膜から最も遠いドメイン)との間の間隙によって形成される。この間隙は、閉鎖的な(closed)ポケットであり、典型的には間隙中に結合するペプチドは、12アミノ酸までの最大長を有する。間隙を占有する最大で12個までのアミノ酸の正体により、所与のペプチドが、所与のMHCクラスI分子に結合し、T細胞へ提示するために利用できるか否かが定まる。したがって、これらのアミノ酸は、MHCクラスIの結合に必要とされる最小限の配列を表す。一般に、かかる配列は、細胞表面でクラスIと結合した状態でT細胞に提示されると、T細胞を刺激することが可能になると推測されている。しかしながら、このことは、当該技術分野で標準的な方法、通常はクラスIIエピトープについて上に示した方法と同等の方法によって、実験的に確証することができる。
【0050】
本発明のMHCクラスI結合性T細胞エピトープは、典型的には6個〜12個のアミノ酸からなり、より普通には8個〜12個のアミノ酸または8個〜10個のアミノ酸からなる。該エピトープは、8個、9個、10個、11個または12個のアミノ酸からなっていてもよい。最も典型的には、該エピトープは、9アミノ酸長のものである。該エピトープのアミノ酸配列は、MHCクラスI分子の結合部位をさらに引用することによって、大まかに定義することができる。MHCクラスIの結合間隙の閉鎖的な特質は、クラスIエピトープの各末端の残基が認識に特に重要であることを意味している。ペプチドのアミノ末端のアミン基は、ペプチド溝の一方の端で不変部位と接触し、カルボキシ末端のカルボキシラート基は、該溝の他方の端で不変部位に結合する。しかしながら、これらの不変部分は、一般に、エピトープ中の特定のアミノ酸について絶対的な識別力のあるものではない。したがって、任意の所与のMHC分子のペプチドへの結合特異性は、比較的広範である。そのため、同じMHCアロタイプに結合するペプチドは、ある程度の類似性を示すが、同一性は要求されない。それでも典型的には、クラスIエピトープは、疎水性または塩基性のカルボキシ末端を有し、最先端のアミノ末端にはプロリンが存在しない。該エピトープは、溝に沿って確証に幅があり、溝に並ぶ主鎖原子と保存されたアミノ酸側鎖との間がさらに接触する。長さの変動は、ペプチド主鎖におけるよじれ、大抵はプロリン残基またはグリシン残基でのよじれによって、調整される。
【0051】
特に好ましいエピトープは、二量体形成を起こしやすい領域中に含まれるエピトープである。こうした領域は、以下の別のセクションにおいて定義する。
【0052】
少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域
典型的には、T細胞エピトープの同定のための生化学的アッセイは、大きな配列内、約10〜12個のアミノ酸内よりも正確に、かつ典型的には15個、20個またはそれよりも多くのアミノ酸内、の最小のエピトープ配列の位置を規定することができるものではない。この理由は、大きな配列は、より小さな重複するペプチドに物理的に断片化しなければならないため、またはより小さな重複するペプチドは、こうしたペプチドがMHC分子に結合する能力をインビトロで評価する前に新規に製造しなければならないためである。当業者は、使用する重複するペプチド断片が小さいほど、製造工程は、より時間を要し、労働集約的となることを認識する。そのため、エピトープは、より大きなポリペプチドの領域内に含まれるものとして同定されることが多い。本発明のペプチドが、かかるより大きな領域を含み得ることを想定している。
【0053】
したがって、本発明のペプチドにおいては、T細胞エピトープを含む領域は、典型的には8アミノ酸長または9アミノ酸長であるが、6アミノ酸長、7アミノ酸長、10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長、24アミノ酸長または25アミノ酸長であってもよい。MHCクラスI結合性T細胞エピトープの場合、エピトープがMHC分子上で提示され得る前に、該領域のプロセシングを必要としてもよいことは理解されるであろう。MHCクラスI分子上での提示前の抗原プロセシングは、当該技術分野で周知の事象である。
【0054】
本発明の該領域は、典型的には、二量体形成を起こしやすい配列である。この二量体形成は、ホモ二量体形成(すなわちペプチド単量体の、他の同一のペプチド単量体との会合)およびヘテロ二量体形成(すなわちペプチド単量体の、異なるペプチド単量体との会合)をともに含むと理解されるであろう。二量体形成を起こしやすい配列によって、より高次のオリゴマー、例えば三量体、四量体などの形成を起こしやすい配列のことに言及することも意図していることも理解されるであろう。本発明の該領域は、二量体形成を起こしやすい任意の配列を含んでいてもよく、該配列からなっていてもよい。二量体形成を促進する、所与の領域内の特定のアミノ酸配列は、T細胞エピトープの最小限のMHCクラスII結合性配列内に含まれていてもよく、この配列に隣接する残基内に含まれていてもよい。したがって、二量体形成を起こしやすい配列は、全体が、T細胞エピトープの最小限のMHC結合性配列からなっていてもよい。
【0055】
本発明は、特に、システイン含有ペプチド間での共有結合性二量体の形成に関する。したがって、好ましい配列は、少なくとも1個のシステイン残基を含む。当業者は、単一のシステイン残基を含むどのペプチドも、それ同士で、またはそれが接触し得る他のシステイン含有ペプチドと、二量体を形成し得ることを理解する。2つ以上のシステインを含むペプチドは、後に凝集し得る長鎖を形成する可能性を有する。かかる二量体/凝集体の形成は、IgEまたはIgGが結合し、したがって局所的な炎症反応を有する危険性をもたらす。したがって、好ましい本発明の領域は、典型的には、システイン残基の割合が高いタンパク質に由来している。例えば、本発明の該領域は、タンパク質中のアミノ酸残基の総数のうちの割合として、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%または35%を超えるシステイン残基を有するタンパク質に由来し得る。本発明の該領域は、システイン残基の割合が低いタンパク質内の配列から選択されることが好ましい。したがって、該領域は、該領域中のアミノ酸残基の総数のうちの割合として、最大で5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%までのシステイン残基を含んでいてもよい。システイン残基は、エピトープの最小限のMHC結合性配列に含まれていてもよく、この配列に隣接する残基に含まれていてもよい。
【0056】
二量体形成を起こしやすい他の配列は、適切な計算法を用いて、インシリコの解析によって特定してもよく、また以下に示す単量体形態または二量体形態で存在している配列の割合を定量化する適切な実験室的方法を用いたインビトロの解析によって特定してもよい。二量体化を起こしやすい配列について、二量体として存在している配列の割合は、最小限、すなわち固体状態で約0.5%未満または1%未満であり得るが、これは典型的には、適切な条件下で適切な期間溶液中で保管した物質については、時間とともに少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%にまで増大することとなる。適切な期間および条件としては、当業者がその下で使用前に溶液中で配列を維持することを合理的に期待し得る、時間範囲および条件が挙げられる。例えば、約24時間、約48時間、または約72時間という期間が典型的であるが、溶液によってはより長い期間、例えば少なくとも1週間、1箇月間、6箇月間、1年間、2年間、3年間またはそれよりも長く維持され得る。典型的には、保管条件は、室温および室内相対湿度、すなわち典型的には25oCおよび相対湿度60%であり得るが、当業者が遭遇する任意の標準的な保管条件、例えばおよそ5±3℃、-20℃または-80℃を含み得る。
【0057】
免疫系の感受性は、わずかな割合の二量体だけが、望ましくない免疫応答を誘発する可能性が高いと考えられるような感受性である。
【0058】
所与の形態で存在している配列の割合の評価のために、適切な方法は、例えば非変性条件下での分析的ゲル電気泳動である。かかる方法では、ポリアクリルアミドゲル中、1組の標準の分子量マーカーと並べて、配列の溶液を泳動させる。配列が二量体を形成する場合、その配列のアミノ酸の合計について計算した分子量のおよそ2倍の分子量を有する種に対応するタンパク質バンドがゲル中に観察されることとなる。(同様に、存在する三量体または四量体は、その配列のアミノ酸の残基重量の合計について計算した分子量のおよそ3倍または4倍の分子量を有する種に対応するバンドとして観察されることとなる。)配列の100%がオリゴマーの形態で存在していることはまれであるため、配列のアミノ酸の合計について計算した分子量とほぼ同じ分子量を有する種に対応する第二のバンドも観察されることがあり、これは、単量体形態の配列を表している。バンドの相対強度は、各形態で存在している配列の割合を定量化するために使用することができる。別の手段、例えば分析的遠心分離、質量分析法またはサイズ排除クロマトグラフィーによって、類似する方法で分子量を評価することができる。あるいは、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を用いて、オリゴマーを定量化することができ、このとき、二量体およびより高次のオリゴマーの種は、それらの疎水性の違いに基づき単量体から分離される。種の同定は、質量分析的検出を用いて達成される。所与のペプチドが任意の他のペプチドまたは分子とヘテロ二量体化する傾向を示すかどうかを評価するために、この同じ方法を適合させることができる。
【0059】
さらに、本発明の該領域は、水溶液中、pH 2.0〜12.0、またはpH 2.0〜11.0、pH 2.0〜10.0、pH 2.0〜9.0、pH 2.0〜8.0またはpH 2.0〜7.0で、3.5 mg/ml未満の溶解度を有していてもよく;かつ/または1個、2個、3個もしくは4個のシステイン残基を含んでいてもよく;かつ/または4.5よりも低い等電点を有していてもよく;かつ/または+0.25よりも高いGRAVYスコアを有していてもよい。これらのパラメータは、任意の適切な方法によって評価することができる。例えば溶解度は、標準的なインビトロの方法によって評価することができ、GRAVYおよび等電点は、適切な計算法、例えばhttp://www.expasy.ch/tools/protparam.htmlで入手可能なProtParamツール(Gasteiger E.ら 571〜607頁 The Proteomics Protocols Handbook, Humana Press (2005); John M. Walker(編))などを用いて、インシリコで評価することができる。
【0060】
ペプチド
本発明のペプチドは、上に定義した領域の天然配列を含んでいてもよく、該配列からなっていてもよく、また二量体形成を減少させ、または溶解度を向上させるように操作された領域の天然配列を含んでいてもよく、該配列からなっていてもよい。しかしながら、操作された領域との関連においては、本発明は特に、容認できないレベルの二量体形成をなおも受け得るペプチドに適用可能であることが理解されるであろう。かかるペプチドは、典型的には、少なくとも1つのシステイン残基をなお含むであろう。
【0061】
二量体形成を減少させるように領域を操作する場合、これは典型的にはその領域の天然配列の修飾によることとなる。特に好ましい修飾は、
・領域の天然配列中の少なくとも1つのシステイン残基をセリン、2-アミノ酪酸、アラニンもしくはグリシンで置換する;および/または
・領域の天然配列中の少なくとも1つのシステイン残基をシステイン化し(cysteinylated)、シスチン残基をつくり出す
ものである。
【0062】
本発明のペプチドが、該ペプチドのある種の変異体を含むことを意図したものであることは理解されるであろう。上述の二量体形成を減少させるための操作以外に、ペプチドの天然アミノ酸配列に対して他の修飾をすることができる。例えばペプチド配列中の1個、2個、3個、4個または5個のアミノ酸に対してである。天然配列中のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換される場合、その異なるアミノ酸は、典型的には天然アミノ酸と同様の性質を有することになるため、どのようなかかる修飾も典型的には保存的となる。下の表は、アミノ酸の性質を示している。分子量は、各アミノ酸について、3文字記号と並べて示している。示した分子量は、中性、遊離のアミノ酸の分子量であり、残基重量は、1当量の水(18 g/mol)を差し引くことによって得ることができる。本発明はまた、エキソペプチダーゼ酵素による分解を減少または抑制するように修飾またはブロックされたN末端およびC末端を含むペプチドも含む。
【0063】
【表1】
【0064】
修飾された残基または残基群は、該領域の配列のどの部分に含まれていてもよい。1つの実施態様において、修飾された残基または残基群は、該領域の最小限のMHC結合性配列中に含まれていない。好ましい実施態様において、修飾は、新たなエピトープをつくり出さず、また該領域のMHC結合特性に影響しない。
【0065】
本発明のペプチドは、典型的には8個〜30個のアミノ酸を含み、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個または29個のアミノ酸を含むことができる。本発明のペプチドは、全体が上に定義した領域からなっていてもよく、また該領域に隣接するさらなるアミノ酸を、最大で30個のアミノ酸まで含んでいてもよいことは理解されるであろう。
【0066】
30個のアミノ酸よりも長いペプチドは、細胞表面でIgGまたはIgEを架橋するのに十分な三次構造を有する可能性があり、望ましくない免疫応答、例えばB細胞活性化またはマスト細胞脱顆粒などをもたらす。
【0067】
ペプチド合成
本発明のペプチドは、上に定義した領域を含むポリペプチドに、知的な(intellectual)意味で、由来している。これは、該領域のアミノ酸配列を利用し、その配列に基づきペプチドを合成することによって行う。ペプチドは、当該技術分野で周知の方法を用いて合成することができる。好ましい方法としては、固相ペプチド合成技術、最も好ましくは自動または半自動のペプチドシンセサイザーが挙げられる。典型的には、かかる技術を用いて、室温で、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノンまたは塩化メチレンなどの不活性溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのカップリング剤の存在下、ジイソプロピル-エチルアミンなどの塩基の存在下で、α-N-カルバモイルで保護されたアミノ酸と、樹脂上の伸長するペプチド鎖に結合したアミノ酸とを、カップリングさせる。トリフルオロ酢酸またはピペリジンなどの試薬を用いて、生じたペプチド−樹脂(peptide-resin)からα-N-カルバモイル保護基を除去し、ペプチド鎖に付加する次の所望のN-保護アミノ酸を用いて、カップリング反応を繰り返す。適切なN-保護基は当該技術分野で周知であり、該保護基としては、t-ブチルオキシカルボニル(tBoc)およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。
【0068】
用語「ペプチド」は、アミノ酸残基がペプチド(-CO-NH-)結合によって連結されている分子だけでなく、ペプチド結合が逆向きにされた分子も含む。かかるレトロインベルソ(retro-inverso)ペプチド模倣体は、例えばMeziereら (1997) J. Immunol.159, 3230〜3237に記載された方法などの、当該技術分野で公知の方法を用いて調製することができる。このアプローチは、主鎖に関係する変化を含み、側鎖の配向に関係する変化を含まない疑似ペプチドを調製することに関する。Meziereら(1997)は、少なくともMHCクラスIIおよびヘルパーT細胞応答について、こうした疑似ペプチドが有用であることを示している。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含むレトロインバース(retro-inverse)ペプチドは、タンパク質分解に対して、はるかに耐性がある。
【0069】
同様に、アミノ酸残基の炭素原子間の間隔を保持する適切なリンカー部分が使用されることを条件として、ペプチド結合を完全になくすことができ、該リンカー部分がペプチド結合と実質的に同じ電荷分布および実質的に同じ平面性を有している場合、特に好ましい。エキソ型タンパク質分解(exoproteolytic digestion)に対する感受性を減少させる助けとなるように、ペプチドをそのN末端またはC末端でブロックすることが好都合であり得ることも理解されるであろう。例えば、ペプチドのN末端アミノ基をカルボン酸と反応させることによって保護することができ、ペプチドのC末端カルボキシル基をアミンと反応させることによって保護することができる。修飾の他の例としては、グリコシル化およびリン酸化が挙げられる。別の可能な修飾は、RまたはKの側鎖アミンの水素をメチレン基で置換することができる(-NH(Me)または-N(Me)2で置換された-NH2)ということである。
【0070】
本発明によるペプチドの類似体は、ペプチドのインビボの半減期を増加または減少させるペプチド変異体も含み得る。本発明に従って使用されるペプチドの半減期を増加させることが可能な類似体の例としては、該ペプチドのペプトイド類似体、該ペプチドのD-アミノ酸誘導体およびペプチド−ペプトイドハイブリッドが挙げられる。本発明に従って使用される変異体ポリペプチドのさらなる実施態様は、D-アミノ酸形態のポリペプチドを含む。L-アミノ酸ではなくD-アミノ酸を用いてポリペプチドを調製することで、通常の代謝過程によるかかる薬剤の望まれない分解が大きく減少し、その投与頻度とともに、投与することが必要な薬剤量が減少する。
【0071】
対象のペプチド
典型的には、対象のペプチドは、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む。典型的には、「遊離した」は、二量体形成を抑制する薬剤の非存在下で、システイン残基が、化学修飾および/または他のシステイン含有ペプチドとの二量体化に利用できることを意味する。すなわち、遊離したシステインは、その還元された形態(from)のチオール基(-SH)を含み、二量体形成を抑制する薬剤の非存在下で、やはり還元された形態のチオール基(-SH)を有する別のシステインとともに、酸化反応を受け、ジスルフィド結合(-S-S-)を形成することができる、システインである。
【0072】
典型的には、対象のペプチドはまた、アレルゲンまたは同種抗原に由来する少なくとも1つのMHC結合性T細胞エピトープを含む領域も含む。したがって、典型的には、対象のペプチドを含む水溶液は、アレルゲンに感作されている個体において遅発型反応(late phase response)を誘導することができる。用語「遅発型反応」は、Allergy and Allergic Diseases (1997) A. B. Kay (編), Blackwell Science, 1113〜1130頁に示されている意味を含む。遅発型反応は、任意の遅発型反応(LPR)であってもよい。タンパク質アレルゲンに由来するエピトープを含む組成物は、遅発型喘息反応(late asthmatic response)(LAR)もしくは遅発型鼻炎反応(late rhinitic response)または遅発型皮膚反応(late phase skin response)もしくは遅発型眼球反応(late phase ocular response)を誘導することが可能であることが好ましい。特定の組成物がLPRを生じさせ得るか否かは、当該技術分野で周知の方法を用いて判定することができる。特に好ましい方法は、Cromwell O, Durham SR, Shaw RJ, Mackay JおよびKay AB, Provocation tests and measurements of mediators from mast cells and basophils in asthma and allergic rhinitis, 於:Handbook of Experimental Immunology (4) 127章, 編集者:Weir DM, Blackwell Scientific Publications, 1986に記載されている方法である。したがって、本発明の個々の組成物は、エピトープが由来するタンパク質アレルゲンに感作された個体において、LPRを誘導することができることが好ましい。
【0073】
エピトープが由来するタンパク質に個体が感作されているか否かは、周知の手順、例えばそのタンパク質に特異的な、個体の血液または血清中の抗体の検出などによって、判定することができる。エピトープがアレルゲンに由来する場合、アレルゲンに対する感作についての適切な試験としては、タンパク質抽出物溶液を用いる皮膚プリックテスト、皮膚LPRの誘導、病歴、アレルゲン負荷、およびタンパク質特異的IgEの測定のための放射性アレルゲン吸着試験(radioallergosorbent test)(RAST)が挙げられる。特定の個体が治療の利益を受けると期待されるか否かは、例えばかかる試験または測定に基づき、医師が判定することができる。
【0074】
エピトープが由来するタンパク質に対して個体を脱感作または寛容化することは、適切に感作された個体において、該タンパク質によって誘導される免疫学的組織反応を抑制することまたは弱めることを意味する。T細胞は、選択的に活性化することができ、その後非応答性にすることができることが示されている。さらに、こうしたT細胞をアネルギー化すること(anergising)またはなくすことは、特定のタンパク質に対して患者を脱感作することにつながる。脱感作は、タンパク質またはタンパク質由来ペプチドの二度目の投与およびさらなる投与の際に、そのタンパク質またはタンパク質由来のペプチドに対する応答の減少、または好ましくはかかる応答の消失として現れる。二度目の投与は、脱感作を起こさせるために、適切な期間が経過した後にすることができ、この期間は、1日〜数週間の任意の期間であることが好ましい。約2週間の間隔が好ましい。
【0075】
本発明の組成物は、タンパク質に対して感作されている個体においてLPRを誘導することができるが、組成物が患者を治療するために使用される場合、次の(好ましくはより多い)用量を与えることができるように、観察可能なLPRは起こらないがその反応がT細胞を部分的に脱感作するのに十分となるように、十分に低い濃度の組成物が使用されることが好ましいこと等を理解するべきである。このようにして、完全な脱感作は与えるが、大抵は患者においてLPRを誘導することがないように、用量を増大させる。該組成物またはペプチドは、投与されるよりも高い濃度でそのようにすることが可能ではあるのだが。
【0076】
典型的には、本発明の組成物は、個体において即時型反応(early phase response)を誘発する減少した能力を有する。「即時型反応を誘発する減少した能力」によって、本発明の組成物における領域と同じ領域を含むが、二量体形成を減少させるその配列の修飾を有さないペプチドを含み、かつ二量体形成を減少させる薬剤がない組成物と比較して、本発明の組成物は、重症度のより低い初期症状(early phase symptoms)(例えば好塩基球脱顆粒またはマスト細胞脱顆粒など)をもたらすことになることが理解されるであろう。したがって、本発明の組成物は、主として二量体形態で存在している同等のペプチドよりも少ない即時型反応を生じさせることとなる。該ペプチドは、同じMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含むため、同等である。
【0077】
あるいは、またはさらに、本発明の組成物は、典型的には、個体において寛容を誘導する向上した能力を有する。「寛容を誘導する向上した能力」によって、本発明の組成物における領域と同じ領域を含むが、二量体形成を減少させるその配列の修飾を有さないペプチドを含み、かつ二量体形成を減少させる薬剤がない組成物よりも、本発明の組成物は、個体において高いレベルの脱感作を生じさせることになることが理解されるであろう。したがって、本発明の組成物は、主として二量体形態で存在している同等のペプチドよりもより高いレベルの脱感作を生じさせることになる。該ペプチドは、同じMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含むため、同等である。
【0078】
脱感作は、上に定義した通りであり、そのレベルは、任意の適切な手段によって特徴付けることができる。例えば、アレルギー性喘息においては、エピトープが由来するタンパク質(またはタンパク質由来のペプチド)の吸入に応答して生じたLARがより小さいことは、本発明の組成物による治療後の脱感作のレベルがより高いことを示すことになる。LARの大きさは、当該技術分野における任意の適切な手段、例えばタンパク質の投与後に個体の努力呼気量(Forced Expired Volume)(FEV)の減少を検出することによって、評価することができる。FEVの減少がより大きいことは、LARがより大きいことを示す。本発明の組成物は、主として二量体形態で存在している同等のペプチドを含む組成物よりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%小さいLARを生じさせることが好ましい。
【0079】
あるいは、脱感作のレベルがより高いことは、インターフェロンγ、インターロイキン4およびインターロイキン13などの炎症性サイトカインのT細胞によるタンパク質特異的産生のより大きな減少によって、示され得る。T細胞によるサイトカインの産生は、任意の適切な方法、例えばELISAアッセイ、ELISPOTアッセイまたはフローサイトメトリーアッセイによって検出することができる。特に好ましい方法としては、例えばde Jagerら; Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology, 2003, 10(1)巻 133〜139頁に記載される多重ビーズアレイアッセイ(Multiplex bead array assays)が挙げられる。「より大きな減少」によって、本発明の組成物による治療が、主として二量体形態で存在している同等のペプチドを含む組成物よりも、好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%または50%少ない炎症性サイトカインの産生をもたらすことになることが好ましい。
【0080】
本発明の好ましい組成物は、
植物アレルゲン(特にイネ科植物(grass)アレルゲン)、動物鱗屑アレルゲン、カビアレルゲンもしくは真菌アレルゲン、粉塵アレルゲン、抗生物質もしくは他の薬物、刺咬昆虫毒、環境アレルゲンまたは食物アレルゲンから選択されるアレルゲン;あるいは
急性播種性脳脊髄炎(Acute disseminated encephalomyelitis)(ADEM)、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(Antiphospholipid antibody syndrome)(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、妊娠性類天疱瘡(Gestational pemphigoid)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(Opsoclonus myoclonus syndrome)(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎(Ord’s thyroiditis)、天疱瘡、悪性貧血、イヌの多発性関節炎(Polyarthritis in dogs)、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても公知)、温式自己免疫性溶血性貧血またはヴェゲナー肉芽腫症と関連する主要抗原から選択される抗原
に由来するエピトープを含むか、または該エピトープからなる少なくとも1種のペプチドを含む。
【0081】
特に好ましいエピトープは、ネコ鱗屑タンパク質Fel d1;チリダニタンパク質Der p 1、Der p 2、Der p 7、Der p 3〜15、Der p 18、Der p 20、Der p 21およびDer p 23、Der f 1、Der f 2、Der f 7、Der f 10、Der f 11〜18およびDer f 20〜22;ブタクサタンパク質amb a 1、amb a 2、amb a 3、amb a 5、amb a 6、amb a 7、amb a 8、amb a 9、およびamb a 1.1、amb a 1.2、amb a1.3またはamb a1.4を含むこれらのアイソフォーム;ドクムギ(Rye grass)タンパク質lol p1およびlol p5;オオアワガエリ(Timothy grass)タンパク質phl p1およびphl p5;ギョウギシバ(Bermuda grass)タンパク質Cyn d 5;アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)タンパク質Alt a 1、Alt a 2、Alt a 3〜Alt a 10、Alt a 12、Alt a 13およびエノラーゼ(Alt a 6)、Cla h 1、Cla h 2、Cla h 5〜10、Cla h 12、Cla h GST、Cla h HCh1、Cla h HSP70、Cla h NTF2、Cla h TCTP;カバノキ(Birch)タンパク質Bet v1、Bet v2、Bet v3、Bet v4、Bet v6、Bet v7、Bet v8およびP14;チャバネゴキブリタンパク質Bla g 1、Bla g 2、Bla g 3、Bla g 4、Bla g 5およびBla g 6、Bla g 7、Bla g 8、Bla g 9、Bla g GSTD1、Bla g トリプシン;ヨモギ(Mugwort)タンパク質Art v 1;ロシアアザミ(Russian thistle)タンパク質Sal k 1、Sal k 2およびSal k 8;ピーナッツAra h1、Ara h2、Ara h3、Ara h4、Ara h5、Ara h6、植物プロフィリンもしくは脂質輸送タンパク質、またはヒト白血球抗原、のアイソフォームに由来する。
【0082】
特に好ましいペプチドは、
【0083】
【表2−1】
【0084】
【表2−2】
【0085】
の配列(関連するアレルギー性障害または自己免疫障害/同種免疫障害を引用することによって整理されている)を含むか、または該配列からなる。
【0086】
典型的には、上に示したチリダニの配列は、ダニの種ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)に由来する。これらの配列の好ましい変異体としては、近縁のダニの種コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)に由来する相同配列が挙げられる。これらを、下の表に識別子「_f」によって示す。
【0087】
本発明のペプチドの他の好ましい変異体としては、所与のペプチドのN末端および/またはC末端で1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個のアミノ酸だけ切断したもの、または伸張したものが挙げられる。チリダニペプチドHDM03Cの好ましい伸張および切断の例も、HDM03M、HDM03PおよびHDM03Wとして下に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
ポリペプチドが、製造時に維持することが典型的には困難である残基を含む場合、こうした残基は置換することができる。例えば、グルタミン酸残基またはグルタミン残基は、特にペプチドのN末端に存在する場合、溶液中で自発的にピログルタミン酸を形成する。したがって、天然のタンパク質配列の配列におけるグルタミン酸またはグルタミンに対応する本発明のペプチドの残基は、かかる残基がペプチドのN末端に存在する場合、本発明のペプチドにおいてピログルタミン酸(pyrogluatmate)で置換することができる。例えば、HDM03W_n(配列番号54)は、N末端においてEの代わりにピログルタミン酸を有していてもよい。
【0090】
1つの実施態様において、本発明の組成物は、配列番号1〜4のペプチドを含む。該組成物は、配列番号83〜85のペプチドをさらに含んでいてもよく、任意にさらなるペプチドを含んでいなくてもよい。
【0091】
他の成分
凍結乾燥に関する上のセクションから理解されるように、典型的には、凍結乾燥する組成物は、目的の生体物質だけでなく、さらなる成分を含むことになる。本発明は、本発明の組成物中の少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少し、これによってより安定な凍結乾燥組成物を生じさせるための、さらなる成分を組み合わせたものの使用に関する。本発明はまた、かかる組成物の製造方法にも関する。本発明者らは、(i)非還元性炭水化物および(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の組み合わせが、この効果を達成することを見出した。
【0092】
本明細書中で述べたように、炭水化物および関連する化合物は、凍結乾燥プロセス時に凍結保護剤および凍結乾燥保護剤(lyoprotectants)として有用であるという利点を有する。しかしながら、それらは、最終的な凍結乾燥製品内に含まれるペプチドによるその製品の保管中の二量体形成を防止しない。この防止を達成するためには、さらなる成分が必要である。すなわち、ペプチドによる二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤もまた含まれていなければならない。典型的には、医薬品目的のペプチド組成物における二量体形成を抑制する薬剤は、薬学的に許容されていなければならない。かかる薬剤としては、ジスルフィド結合の還元に適した薬剤、抗酸化剤または保存剤が挙げられる。適した還元剤としては、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(tris(2-carboxyethyl)phosphine)(TCEP)を含む任意のトリアルキルホスフィン化合物、2-メルカプトエタノールおよびジチオトレイトール(dithiothreitol)(DTT)が挙げられる。他の適した薬剤としては、チオグリセロール、チオアニソールおよびシステインが挙げられる。チオグリセロールは、特に好ましい。
【0093】
二量体形成を効果的に防止するためには、凍結前に測定される場合、理想的には、かかる薬剤を、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度と少なくとも等しいモル濃度で存在させるべきである。したがって、二量体形成を受けやすい物質が少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む1種以上のペプチドである場合、薬剤は、その少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む1種以上のペプチドの濃度と少なくとも等しいモル濃度で存在する。典型的には、遊離したシステイン残基を含まないペプチドなどの他の成分の濃度は、考慮に入れない。すなわち、組成物が、例えば遊離したシステイン残基を含む4種のペプチドと、遊離したシステイン残基を含まない3種のペプチドとを含む場合、遊離したシステインを含む4種のペプチドの全体の濃度に対して、二量体形成を抑制する薬剤の濃度を決める。システインを含まない3種のペプチドおよび組成物中の任意の他の成分の濃度は、必要とする薬剤の濃度に関係しない。
【0094】
1つの実施態様において、二量体防止(dimer prevention)が効果的に防止されることを条件として、二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤は、凍結前に測定される場合、二量体形成を受けやすい物質よりも多い量で存在してもよく、該物質よりも少ない量で存在してもよい。特定の実施態様において、該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質よりも多い量で存在している。例えば、該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度よりも、少なくとも約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍または1000倍高いモル濃度で存在していてもよい。該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度よりも、少なくとも60〜80倍高いモル濃度で存在することが好ましい。例えば、該物質が200 μMのモル濃度で存在している場合、該薬剤は12 mM〜16 mMのモル濃度で存在することが好ましいことになる。
【0095】
かかる状況は、例えば、少なくとも1つの遊離したシステインを含む4種のペプチドがそれぞれ50 μMで存在しており、システインを含まない3種のペプチドもそれぞれ50 μMで存在している、実施例4におけるチオグリセロール「低」組成物に当てはまる。したがって、この組成物1リットル中に、350マイクロモルの全ペプチド(7種のペプチド)および200マイクロモルの遊離したシステインを有するペプチド(遊離したシステインを有する4種のペプチド)が存在する。したがって、二量体形成を受けやすい物質は200 μMで存在し、チオグリセロールは14 mMの濃度で存在し、これは70倍高い。
【0096】
あるいは、該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度よりも少なくとも30〜40倍高いモル濃度で存在していてもよい。例えば、該物質が400 μMのモル濃度で存在する場合、該薬剤は12 mM〜16 mMのモル濃度で存在することが好ましいことになる。
【0097】
かかる状況は、例えばすべてのペプチドが50 μMではなく100 μMで存在する場合の実施例4におけるチオグリセロール「低」組成物に当てはまることになる。すなわち、この組成物1リットル中に、700マイクロモルの全ペプチド(7種のペプチド)および400マイクロモルの遊離したシステインを有するペプチド(遊離したシステインを有する4種のペプチド)が存在する。したがって、二量体形成を受けやすい物質は400 μMで存在し、チオグリセロールは14 mMの濃度で存在し、これは35倍高い。
【0098】
典型的には、該物質は、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドである。典型的には、凍結させる前の組成物中に存在するペプチドの量の下限値は、割合として、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%または1.5%(wt/wtまたはw/v)となる。典型的には、凍結させる前の組成物中に存在するペプチドの量の上限値は、割合として、約1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、3%、4%または5%(wt/wtまたはw/v)となる。典型的には、ペプチドの量は、上に示した任意の上限値と独立して組み合わせた任意の下限値との間にあってもよいことが認識されるであろう。したがって、二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤は、組成物のうちの割合として、同様の範囲で存在することとなる(凍結させる前の組成物において、薬剤の全濃度が、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドの全濃度と少なくとも等しいモル濃度にあることを条件として)。例えば、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドの全濃度が0.03 nmol/mlである場合、全薬剤濃度は少なくとも0.03 nmol/mlとなる。少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドの全濃度が500 nmol/mlである場合、全薬剤濃度は少なくとも500 nmol/mlとなる。
【0099】
典型的には、少なくとも1種の薬剤は、例えば二量体形成を効果的に減少させることを確実にするために、上で説明したようにペプチドに対してより高い割合で含まれていてもよいことも理解されるであろう。また、典型的には、該薬剤の全濃度の上限値は、医薬組成物に適用される臨床上の要求または制限を考慮に入れたものであってもよい。例えば、典型的には、注射用の再構成した溶液は、わずか0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%または4.0%(wt/wtまたはw/v)の薬剤しか有しないことになる。これは、それぞれ凍結乾燥製品の約5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%(wt/wtまたはw/v)に相当する。したがって、こうした臨床上の要求に適合するように、製品中のペプチドの量を制限する必要があり得る。
【0100】
典型的には、凍結させる前の組成物中のどの成分の割合も、最終的な凍結乾燥組成物における約5〜10倍高い割合に相当することになることは当業者によって理解されるであろう。
【0101】
凍結乾燥組成物中での二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤を含めることの問題は、本発明者らが見出したように、特に前記製品が長期間にわたって周囲温度で保管される場合、または前記製品が急激な温度上昇に曝される場合、かかる薬剤が凍結乾燥製品から抜けるということである。典型的には、該薬剤は、揮発性であり、そのため最終的な製品中には保持されず、該製品は保管中および輸送中に損傷および分解を受け、これによりその安定な保存可能期間を減少させるか、または医薬用途について容認できなくなる。例えば、凍結乾燥組成物またはそれから再構成した溶液の外観の変化に起因して。
【0102】
この問題を克服するために、本発明者らは、非還元性炭水化物および二量体を抑制する薬剤の組み合わせを考案しており、これにより最終的な凍結乾燥製品から前記薬剤が抜けなくなる。これを達成するためには、凍結乾燥組成物が非晶質構造を有することが必要である。したがって、本発明における使用のために特に適した非還元性炭水化物は、本明細書において以下「非晶質炭水化物」と称する、凍結乾燥の際に非晶質である炭水化物である。組成物が全体として凍結乾燥の際に非晶質構造を有することを確実にするために、典型的には、本発明の組成物中の非晶質炭水化物または非晶質炭水化物群は、凍結乾燥組成物の全成分のうちの割合として、少なくとも50%の量であるが、より好ましくは少なくとも60%、70%または80%の量、また最も好ましくは少なくとも90%の量で存在すべきである。
【0103】
あるいは、全体的な非晶質構造は、組成物の全成分のうちの割合として、50%よりも低い割合の非晶質炭水化物を用いて、達成することができる。これは、本明細書において以下「結晶性炭水化物」と称する、凍結乾燥の際に結晶性である炭水化物と組み合わせて、非晶質炭水化物を使用する場合に達成することができる。しかしながら、対象の(or interest)生体分子が分散されている何らかの非晶質構造を保持するためのかかる組み合わせについては、典型的には、凍結乾燥プロセスの凍結段階時に、組成物の周期的な加熱および冷却を行うことが必要となる。この周期的な加熱および冷却は、典型的には焼なまし(annealing)と称され、適切な条件で行う場合、混合された結晶質/非晶質のケーク構造の形成をもたらし得る。この場合、典型的には、本発明の組成物中の非晶質炭水化物または非晶質炭水化物群は、組成物の全成分のうちの割合として、少なくとも20%の量で存在することになる。
【0104】
本発明の使用のために特に好ましい炭水化物としては、マルツロース、イソマルツロース、ラクツロースおよびスクロース、マルトース、ラクトース、イソマルトースおよびこれらの糖アルコール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット(palatinit)、α-D-グルコピラノシル-マンニトールおよびα-D-グルコピラノシル-ソルビトールの混合物、およびその個々の糖アルコール、糖アルコール類から選択されるポリヒドロキシ化合物の非還元性配糖体、他の直鎖ポリアルコール、トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、ならびにデキストランが挙げられる。
【0105】
好ましい炭水化物は、トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースおよびメレジトースを含む、非還元性の二糖類、三糖類および四糖類である。トレハロースは、特に好ましい。
【0106】
理想的には、最高の安定性のために、炭水化物は、最終的な凍結乾燥製品の最も高い予想される保管温度よりも少なくとも5℃、10℃、15℃、または最も好ましくは20℃高いTg(ガラス転移温度)を有するべきである。いくつかの好ましい炭水化物について、Tgおよび関連するパラメータの報告された値を下に示す。
【0107】
【表4】
【0108】
本明細書において示したように、凍結乾燥した炭水化物の非晶質構造は、二量体形成を抑制する薬剤を、最終的な凍結乾燥製品内に捕捉する。これは、凍結乾燥の際に結晶構造を有する物質と対照的である。これまで、本明細書中に記載した種類の凍結乾燥用途には、結晶性物質、または混合/非晶質物質が好ましいものであった。これは一つには、最終的な凍結乾燥した「ケーク」が、典型的にはより魅力的な外観を有し、より短い、より積極的な乾燥周期を使用することができるためである。
【0109】
したがって、本発明は、遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤、の使用に関し、該使用は、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである。二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤は、凍結乾燥製品において、少なくとも1種の炭水化物の非晶質構造によって保持され、それにより製品の保管期間全体にわたって、その凍結乾燥製品におけるペプチドまたはペプチド群の二量体化を減少または防止することができる。このようにして、安定な保存可能期間が達成され、該期間は、理想的には、5±3℃、25℃/60%RH、30℃/65%RHまたは40℃/75%RHで、少なくとも1年または少なくとも2年である。
【0110】
上記のことによれば、本発明の好ましい実施態様は、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)チオグリセロール、の使用に関し、該使用は、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである。
【0111】
特に好ましい実施態様において、非還元性炭水化物は、トレハロースまたはスクロースであり、最も好ましくはトレハロースである。
【0112】
どのような特定の仮説にも拘束されることを望まないが、本発明者らは、この実施態様は、凍結乾燥したケークにおけるチオグリセロールの保持が良好であるため、特に有利であると考える。チオグリセロールは、それ自体が典型的な凍結乾燥条件下で凍結してガラスを形成しない、すなわち-80℃もの低い温度で液体のままであるため、これまで凍結乾燥組成物に組み入れるのにはあまり適さないと考えられてきた。しかしながら、本発明においては、チオグリセロールは、何らの抜ける徴候も、凍結乾燥したケークの物理的品質に対する悪影響もなしに、特にトレハロースと組み合わせて、保持することができることを実証している。チオグリセロールの存在は、組成物におけるペプチド二量体の形成を効果的に防止する。
【0113】
再構成した本発明の組成物
本発明に従って製造した凍結乾燥組成物が、溶液中で、典型的には、無菌の、発熱物質を含まない水などの注射に適した水溶液中で、再構成することができることは、理解されるであろう。理想的には、その溶液は、等張性/等浸透圧性(iso-osmolar)となり、それにより非経口注射に適することとなる。
【0114】
典型的には、再構成した組成物は、二量体として存在するペプチドの割合が最小(minimal proportion)となる。すなわち、二量体形成は、効果的に防止されることになる。二量体として存在するペプチドの最小の割合(minimal proportion)によって、最大で5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%または0.01%が溶液中で二量体として存在することが意味される。溶液中で二量体として存在するペプチドの割合は、溶液中での適切な期間の後に二量体として存在する割合になることは理解されるであろう。適切な期間としては、当業者が使用前に溶液中で配列を維持することを合理的に期待し得る時間範囲が挙げられる。例えば、約24時間、約48時間または約72時間である。所与の形態で存在するペプチドの割合は、任意の適切な方法によって評価することができる。
【0115】
典型的には、再構成した組成物は、組成物に含まれるペプチドが由来するタンパク質に対して個体を寛容化または免疫するための医薬製剤となる。したがって、再構成した組成物は、1種以上の薬学的に許容される担体または希釈剤を含んでいてもよく、任意に1種以上の他の治療成分を含んでいてもよい。担体(群)は、製剤の他の成分と適合性があり(具体的には、それらは二量体形成を促進してはならない)、かつその受容者に有害ではないという意味において、「許容される」ものでなければならない。典型的には、注射用の担体および最終的な製剤は、無菌であり、発熱物質を含まない。凍結乾燥組成物中に、さらなる成分が存在していてもよく、再構成中または再構成後にさらなる成分を加えてもよい。したがって、補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH改変物質または緩衝物質、抗酸化剤、キレート剤などが存在していてもよい。一般に、これらの賦形剤、ビヒクルおよび補助物質は、組成物を受ける個体において免疫応答を誘発しない薬剤であり、該薬剤は、過度の毒性なしに投与することができる。薬学的に許容される賦形剤としては、水、生理食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸およびエタノールなどの液体が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸の塩も、その中に含まれていてもよい。薬学的に許容される賦形剤、ビヒクルおよび補助物質の詳細な考察は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co., ニュージャージー州 1991)において入手可能である。
【0116】
本発明の組成物は、有害反応を引き起こすことなく効果的となるように、適切な濃度の各ペプチドを含むことになる。典型的には、寛容化に使用するためには、組成物中の各ペプチドの濃度は、0.03〜500 nmol/mlまたは0.03〜200 nmol/mlの範囲内となる。より好ましくは、0.3〜200 nmol/ml、3〜180 nmol/ml、10〜150 nmol/mlまたは30〜120 nmol/mlの範囲内となる。3〜12 nmol/mlの範囲内が特に好ましい。組成物は、90%もしくは95%もしくは98%よりも大きい純度、または少なくとも99%の純度を有するべきである。典型的には、注射体積は、60 μlまたは120 μlとすることができる。
【0117】
したがって、本発明の分子および/または細胞、ならびに1種以上の他の治療用分子もまた含む組成物を製剤化することができる。あるいは、本発明の組成物は、併用療法の一部として、1種以上の他の治療用組成物と同時に、連続的に、または別々に、使用することができる。
【0118】
典型的には、免疫化における使用については、組成物は、いったん再構成すると1 μg〜10 mgの各ペプチドを投与することができるという表示を提供することとなる。より好ましくは、各ペプチドの量は、3 μg〜5 mg、5 μg〜5 mg、10 μg〜2 mgまたは20 μg〜1 mgの範囲内である。各ペプチドの濃度は、投与経路に依存することになるが、典型的には、皮内、皮下、筋肉内、静脈内、経口、鼻腔内または吸入にて、送達することができる。組成物は、90%もしくは95%もしくは98%よりも大きい純度、または少なくとも99%の純度を有するべきである。
【0119】
治療法および治療する個体
本発明は、個体の免疫系を調整することができる少なくとも1種のペプチドを含む組成物に関する。
【0120】
「調節」は、本発明の組成物の少なくとも1種のペプチドが由来するタンパク質に対して、個体の免疫を感作または誘発することを意味し得る。この場合、典型的には、タンパク質は、腫瘍抗原タンパク質、または肝炎ウイルスおよびヒトパピローマウイルスによって引き起こされる感染症などの感染症に由来する抗原タンパク質である。したがって、本発明の組成物は、癌または感染症の予防または治療に有用である。
【0121】
あるいは、「調節」は、本発明の組成物の少なくとも1種のペプチドが由来するタンパク質に対して、個体を脱感作または寛容化することを意味し得る。この場合、典型的には、タンパク質は、それに対する免疫応答が望ましくないアレルゲンまたは他の抗原である。かかる抗原の例としては、自己免疫疾患と関連する抗原、移植片対宿主病または移植片拒絶(本明細書において同種免疫状態という)と関連する抗原、および母体胎児間免疫応答、例えばRh D(Rhesus D)新生児溶血性疾患と関連する抗原、が挙げられる。したがって、本発明の組成物は、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、同種免疫状態または母体胎児間免疫応答の予防または治療に有用である。
【0122】
本発明は、上記容態の予防または治療に使用するための組成物を提供する。本発明はまた、再構成した本発明の組成物を投与することを含む、上記容態を有する対象の予防方法または治療方法も提供する。本発明の組成物により治療される個体、または該組成物を提供される個体は、ヒトであることが好ましい。
【0123】
脱感作/寛容化が望まれる場合、治療する個体は、特定のアレルゲンまたは抗原に感作されているか、感作される危険性があるか、または感作されている疑いがあること、が知られていてもよいことは理解されるであろう。個体は、当該技術分野で周知の技術および本明細書中で記載した技術を用いて、感作について試験することができる。あるいは、個体は、上述した容態の家族歴を有するものであってもよい。個体を適切なアレルゲンの源の近傍に連れてくると、個体はアレルギー症状を示し得るため、アレルゲンに対する感作について個体を試験することは必要ではないかもしれない。近接によって、該源から10メートル以下、5メートル以下、2メートル以下、1メートル以下または0メートルが意味される。アレルギー症状としては、目のかゆみ、鼻水、呼吸困難、赤い皮膚のかゆみまたは発疹を挙げることができる。アレルギー性疾患を治療する個体は、少なくとも2週間、1箇月間、6箇月間、1年間または5年間、アレルギーを有していたものであってもよい。個体は、アレルギーによって引き起こされる発疹、鼻づまり、鼻汁および/または咳嗽で苦しんでいてもよい。個体は、アレルギーを治療する他の組成物/化合物を投与されていたものであってもよく、投与されていなかったものであってもよい。
【0124】
一般に、治療する個体は、どのような年齢のものであってもよい。しかしながら、個体は、好ましくは、1〜90歳、5〜60歳、10〜40歳、またはより好ましくは18〜35歳の年齢群に入っていてもよい。治療する個体は、白人集団を代表する頻度の範囲内のMHCアレル頻度を有する集団に由来していることが好ましい。11個の一般的なDRB1アレルファミリーの基準集団のアレル頻度を下に示す。
【0125】
【表5】
【0126】
基準頻度は、頻度を報告する複数の研究の解析によって得られたものであり、示した数値は、平均値である。したがって、治療する個体は、上の表で言及したアレル(少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、またはすべてのアレルなど)について基準集団と同等のMHCアレル頻度を、例えばそれらの数値プラスまたはマイナス1%、2%、3%、5%、10%、15%または20%の範囲内で有する集団に由来することが好ましい。
【0127】
個体は、次のDRB1アレルのアレル頻度が、
4:少なくとも9%
7:少なくとも10%
11:少なくとも8%
である集団に由来することが好ましい。
【0128】
本発明は、上述した本発明の組成物の複数回投与を受ける必要があり得る個体に使用するのに特に適している。本発明のペプチドよりも二量体形成を起こしやすいペプチドは、複数回投与を受ける個体において有害反応を誘導する可能性がより高い。単量体のペプチドは、典型的には二量体のペプチドよりも起炎性が少ないため、本発明はまた、ペプチドを含む治療薬(treatment)に対する有害な炎症反応を特徴とする容態を有するか、または該容態の危険性がある個体への投与にも特に適している。ペプチドを含む治療薬に対する有害な炎症反応は、ペプチドを含む治療薬の投与後に、上に明示したアレルギー症状のいずれかを発症した結果として診断されたものであってもよい。個体は、任意の適切な医療上の理由、例えば同様の反応の家族歴、複数のアレルギー反応の個人的病歴、または一般的なアレルゲンに対する強い陽性の皮膚プリック反応もしくは皮膚パッチ反応のために、かかる反応の危険性があると考えられるものであってもよい。
【0129】
以下の実施例により本発明を説明する。
【実施例】
【0130】
以下の実施例および比較例は、種々の保管条件下での種々の組成物の性能を示す。この種々の組成物はそれぞれ、配列番号1〜4の配列からなるペプチド(ペプチドMLA01、MLA04、MLA05およびMLA12)、ならびに3種のさらなるペプチドMLA03(EQVAQYKALPVVLENA(配列番号84))、MLA07(KENALSLLDKIYTSPL(配列番号85))およびMLA14(SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号86))を含む。
【0131】
どの場合においても、組成物を溶液中で調製してから、凍結乾燥に付した。凍結乾燥条件はそれぞれの組成物に応じて選択したものであり、典型的な凍結乾燥周期を各組成物について示している。凍結乾燥プロセス中のペプチドの分解を、該プロセスの前および後の溶液試料におけるペプチド分解のレベルを比較することによって、測定した。試験した組成物はすべて、凍結乾燥プロセス中に、ペプチドのごくわずかな分解しか受けていなかった(データは示していない)。
【0132】
凍結乾燥後に、各組成物の試料を、種々の異なる条件(-80℃/65%RH、5℃/65%RH、25℃/65%RH、40℃/75%RH)(RH:相対湿度)で、最大で28週間まで保管した。諸間隔で試料を再構成し、ペプチド分解のレベルを新たに調製したMLA07の基準溶液のペプチド分解のレベルと比較することによって、最終的な凍結乾燥製品の保管中の分解をモニターした。
【0133】
試験した各組成物において、唯一の揮発性成分は、チオグリセロールである。したがって、チオグリセロールの保持は、保管バイアルの壁上の凝結物の存在または非存在を観察することによって、判定される。
【0134】
実施例1 トレハロース製剤
【0135】
【表6】
【0136】
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(250:46:5)
【0137】
特性
Tg '=-31.9℃
Tg=83〜87℃(最初の実施)
残留水分=測定せず(nd)
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム(diffractogram):完全に非晶質
【0138】
チオグリセロールの保持は、優れている。すべての保管条件について、バイアル壁上に凝結物は見られない。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に固定されている。
【0139】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図17〜19に示すように優れている。試験した最も極端な条件(40℃/75%RH)については別として、約8週間後に有意なペプチド分解は認められなかった。
【0140】
実施例2 「非晶質」二成分混合物シリーズ
【0141】
【表7】
【0142】
2A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
トレハロース/グリシン/チオグリセロール/メチオニン(165:95:46:5)
【0143】
特性
Tg '=-36.7℃
Tg=62.5℃
残留水分=0.61w/v%
ケーク構造:完全に非晶質
【0144】
チオグリセロールの保持は、優れている。すべての保管条件について、バイアル壁上に凝結物は見られない。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に固定されている。
【0145】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図20〜23に示すように優れている。ペプチド含量の継続的な減少が認められた試験した最も極端な条件(40℃/75%RH)については別として、有意なペプチド分解は認められなかった。
【0146】
2B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
スクロース/グリシン/チオグリセロール/メチオニン(182:78:46:5)
【0147】
特性
Tg '=-37.8℃
Tg=38.6℃
残留水分=0.56w/v%
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム:完全に非晶質
【0148】
チオグリセロールの保持は、実施例2Aほど良好ではなく、25℃/65%RHで保管したバイアル壁上には凝結物が見られる。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に完全には固定されていない。
【0149】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図24〜27に示すように良好である。有意なペプチド分解は、試験した最も極端な条件25℃/65%RH(特に5週間後に明確な減少を示した)および40℃/75%RH(非常に低いペプチド安定性を示した)で認められるに過ぎなかった。
【0150】
2C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
トレハロース/マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(160:100:46:5)
【0151】
特性
Tg '=-36.6℃
Tg=51.6℃
残留水分=0.42w/v%
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム:完全に非晶質
【0152】
チオグリセロールの保持は、実施例2Aほど良好ではなく、25℃/65%RHで保管したバイアル壁上には凝結物が見られる。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に完全には固定されていない。
【0153】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図28〜31に示すように良好である。ペプチド含量の継続的な減少が認められた試験した最も極端な条件(40℃/75%RH)については別として、有意なペプチド分解は認められなかった。25℃/65%RHでの安定性は、実施例2Aほどは良好ではないが、良好であった。
【0154】
2D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
スクロース/マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(150:110:46:5)
【0155】
特性
Tg '=-38.7℃
Tg=測定せず(nd)(<25℃)
残留水分=0.34w/v%
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム:完全に非晶質
【0156】
チオグリセロールの保持は、実施例2Aほど良好ではなく、25℃/65%RHで保管したバイアル壁上には凝結物が見られる。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に完全には固定されていない。
【0157】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図32〜35に示すように、他の製剤ほど良好ではない。ペプチド分解は、25℃/65%RH(不十分な安定性)および40℃/75%RH(非常に不十分な安定性)で認められただけであった。
【0158】
比較例1 マンニトールシリーズ
【0159】
【表8】
【0160】
C1A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール(265:14)
【0161】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=0.75w/v%
ケーク構造:結晶性
【0162】
チオグリセロールの保持は、不十分である。すべての保管条件について、凝結物がバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0163】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図1〜4に示すように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。この保管条件は、医薬製品について、商業的に実行可能でありそうにない。
【0164】
C1B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール(265:46)
【0165】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=0.33w/v%
ケーク構造:結晶性
【0166】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、C1Aと同様の程度にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、より高い濃度で存在している場合であっても、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0167】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図5〜8に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0168】
C1C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(265:14:5)
【0169】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=1.04w/v%
ケーク構造:結晶性
【0170】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、C1Aと同様の程度にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、メチオニンの存在下で、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0171】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図9〜12に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。メチオニンは、この組成物の性質を向上させていない。
【0172】
C1D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(265:46:5)
【0173】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=0.61w/v%
ケーク構造:結晶性
【0174】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、C1Aと同様の程度にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、より高い濃度で存在する場合かつメチオニンの存在下であっても、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0175】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図13〜16に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。メチオニンは、この組成物の性質を向上させていない。
【0176】
比較例2 「結晶性」二成分混合物トレハロースシリーズ
【0177】
【表9】
【0178】
C2A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(245:10:46:5)
【0179】
特性
Tg '=-58.3℃
Tg=70〜73℃
Tm=約160℃
残留水分=0.11w/v%
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0180】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、25℃および40℃で、6週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0181】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図36〜39に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0182】
C2B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(235:20:46:5)
【0183】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0184】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、トレハロースの濃度がより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0185】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図40〜43に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0186】
C2C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(225:30:46:5)
【0187】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0188】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、トレハロースの濃度がさらにより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0189】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図44〜47に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0190】
C2D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(245:10:46:5:0.5)
【0191】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0192】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図48〜51に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0193】
C2E
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(235:20:46:5:0.5)
【0194】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0195】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図52〜55に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0196】
C2F
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(225:30:46:5:0.5)
【0197】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0198】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、トレハロースの濃度が高く、かつEDTAの存在下でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0199】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図56〜59に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。増大した濃度のEDTAの添加は、この組成物の性質に有意には影響しない。
【0200】
比較例3 「結晶性」二成分混合物スクロースシリーズ
【0201】
【表10】
【0202】
C3A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン(250:10:46:5)
【0203】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0204】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0205】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図60〜63に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0206】
C3B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン(235:20:46:5)
【0207】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0208】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度がより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0209】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図64〜67に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0210】
C3C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン(225:30:46:5)
【0211】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0212】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度がさらにより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0213】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図68〜71に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0214】
C3D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(245:10:46:5:0.5)
【0215】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0216】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度がさらにより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0217】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図72〜75に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0218】
C3E
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(235:20:46:5:0.5)
【0219】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0220】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0221】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図76〜79に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0222】
C3F
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(225:30:46:5:0.5)
【0223】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0224】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度が高く、かつEDTAの存在下でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0225】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図80〜83に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0226】
実施例4
【0227】
実施例1の知見に基づく製剤を、長期安定性について、さらに試験した。以下の製剤(チオグリセロール「高」と称する)を、30℃/65%RHで最大で1年間保管した。
【0228】
【表11】
【0229】
濃度は、液体状態にあるとき、すなわち凍結乾燥前および再構成後、の組成物について、示している。別の製剤(チオグリセロール「低」)を同じ条件下で試験した。該製剤は、チオグリセロールが46 mMではなく14 mMで存在すること以外は同一であった。図84に示した間隔で、ペプチドの分解をモニターした。これらの結果は、両方の製剤が、試験期間全体にわたって、優れたペプチド安定性を達成したことを示している。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、向上した長期保管安定性を有する凍結乾燥組成物を提供するための、遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、非還元性炭水化物または炭水化物誘導体、および二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
腐敗しやすい物質を保存し、またはその物質をより輸送に好都合にするために使用される、当該技術分野で公知の種々の方法が存在する。医薬物質、バイオテクノロジー関連物質または食品物質について、典型的な方法は、凍結乾燥(freeze-drying)(凍結乾燥(lyophilization)または凍結乾燥(cryodesiccation)としても公知)である。これは、物質を凍結させ、次いで周囲の圧力を減少させ、物質中の凍結した水を固相から気体に直接的に昇華させるだけの熱を加えることによって機能する、脱水プロセスである。生じる凍結乾燥製品は、その後将来の使用のために溶液中で容易に再構成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
凍結乾燥製品の利点は、製品が一般に保管時および輸送時により安定であり、溶液中の相当する物質よりも保存可能期間が長いことである。しかしながら、凍結工程中および乾燥工程中に、保存すべき物質への損傷が起こり得るという点で、凍結乾燥については問題がいくつかある。これらの問題は、凍結乾燥する物質に凍結保護剤および凍結乾燥保護剤(lyoprotectants)を添加することによって、ある程度は対処される。しかしながら、あまり認識されていないのは、一部の腐敗しやすい物質、特に少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドが、凍結乾燥工程の完結後でさえも分解および損傷を受けやすいということである。すなわち、凍結乾燥は保存効果を有するが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドを含む凍結乾燥製品は、多くの場合、所望されるよりも保存可能期間が短い。かかるペプチドを含む凍結乾燥組成物の安定性を向上させる手段の明確な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の使用に関し、該使用は、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである。
【0005】
本発明はさらに、少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物の製造方法に関し、該方法は、
a)(i)少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤および(iii)少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること;ならびに
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること
を含む。
【0006】
1つの実施態様において、生じる凍結乾燥組成物は、2〜8℃の温度で保管する場合、少なくとも2年間は安定である。さらなる実施態様において、該方法は、工程(b)の凍結乾燥組成物を溶液中で再構成することをさらに含む。
【0007】
本発明はさらに、免疫化または寛容化のための少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物に関し、該組成物は、少なくとも1種の非還元性炭水化物、および二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤をさらに含む。
【0008】
上記の使用、方法および組成物の1つの実施態様において、該少なくとも1種の非還元性炭水化物は、トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択され、該薬剤は、チオグリセロールである。
【0009】
上記の使用、方法および組成物の1つの実施態様において、該少なくとも1種のペプチドは、免疫化または寛容化に使用するためのものであり、8〜30アミノ酸長のものであり、
a)少なくとも1つのシステイン残基;および
b)少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(図面の説明)
【図1】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図2】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図3】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図4】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図5】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図6】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図7】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図8】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図9】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図10】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図11】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図12】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図13】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図14】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図15】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図16】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図17】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図18】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図19】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図20】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図21】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図22】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図23】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図24】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図25】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図26】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図27】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図28】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図29】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図30】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図31】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図32】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図33】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図34】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図35】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図36】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図37】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図38】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図39】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図40】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図41】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図42】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図43】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図44】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図45】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図46】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図47】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図48】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図49】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図50】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図51】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図52】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図53】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図54】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図55】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図56】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図57】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図58】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図59】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図60】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図61】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図62】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図63】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図64】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図65】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図66】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図67】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図68】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図69】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図70】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図71】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図72】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図73】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図74】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図75】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図76】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図77】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図78】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図79】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図80】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図81】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図82】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図83】図1〜図83は、実施例で記載した種々の凍結乾燥組成物内に含まれたときの、表示した種々の条件下で保管したペプチドの安定性を示す(T=トレハロース、S=スクロース、M=マンニトール、TG=チオグリセロール、G=グリシン、Met=メチオニン)。時間(週)をX軸に示す。所与の組成物から再構成した溶液中に存在する分解されていないペプチドの量をY軸に示す。該量は、凍結乾燥していないペプチドMLA07基準の量に対する百分率として示す。各図は、以下の異なるペプチド:MLA05(暗線(dark line)、小さな円形の点);MLA12(暗線、正方形の点)、MLA03(ライトグレーの線、三角形の点);MLA14(ライトグレーの線、x形状の点);MLA01(暗線、x形状の点)、MLA04(暗線、大きな円形の点);MLA07(暗線;垂直な線の形状の点)のそれぞれに対応する7つの異なる結果の組を示す。データは、各組成物中の7種のペプチドの混合物を凍結乾燥した後に得た。
【図84】図84は、チオグリセロール「低」(菱形)およびチオグリセロール(Thiglycerol)「高」(四角形)である、実施例4に記載した特定の組成物に含まれる7種のペプチドMLA05、MLA12、MLA03、MLA14、MLA01、MLA04およびMLA07の混合物の12箇月にわたる30℃/65%RHでの安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
配列の説明
配列番号1〜83は、本発明の組成物に含めるのに特に好ましいペプチドの配列を表す。配列番号84〜86は、本発明の組成物に含めることができるさらなるペプチドの配列を表す。
【0012】
(発明の詳細な説明)
凍結乾燥
凍結乾燥は、溶媒(通常は水)が昇華によって製品から除去される複合的な工程である。周知のように、昇華は、凍結した液体が液相を通過することなく直接気相に移行するときに起こる。昇華は、圧力および温度の関数であり、これらのバランスが凍結乾燥の成功には重要である。
【0013】
凍結乾燥プロセスは、3つの段階:凍結、第一の乾燥および第二の乾燥からなる。凍結工程時に、溶液は、固体に変換される。凍結速度が製品中に形成される氷の結晶の大きさに影響し、該大きさは製品の安定性に影響し得、第一の乾燥段階時および第二の乾燥段階時の乾燥速度にも影響し得るため、凍結手順は慎重に制御しなければならない。
【0014】
臨界温度未満で凍結工程を行うことが非常に重要である。この温度は、結晶性物質については共融温度(Teut)であり、また非晶質製品については最大限に凍結濃縮された溶質のガラス転移温度(Tg’)である。
【0015】
第一の乾燥時に、昇華によって、凍結された製品から氷が除去され、乾燥した、構造的に損傷のない製品が生じる。これには、乾燥装置の棚温度およびチャンバー圧力の慎重な制御が必要である。凍結した製品からの氷の昇華速度は、当業者に理解される種々の要因に依存する。第一の乾燥時に、昇華界面の製品温度(Tp)が製剤の「臨界温度」を超えてはならないこと、すなわち該界面が流動し、したがってケークの構造を破壊する十分な流動性に到達してはならないことが重要である。この温度はまた崩壊温度(Tc)としても公知であり、典型的にはTg’よりも数度高い。
【0016】
前述のように、臨界温度は、主として結晶性の物質についてはTeutであり、非晶質物質についてはTg’またはTcである。Teutは一般に高いため(例えば非常に一般的な充填剤マンニトールのTeutは-3℃である)、結晶性物質は凍結乾燥が容易である。さらに、得られる凍結乾燥した「ケーク」は、結晶性物質に由来する場合、典型的には魅力的な外観を有する。しかしながら、結晶性物質は、多くの場合、凍結工程時および乾燥工程時にペプチドを安定化するのにあまり適していない。この場合、一般に、非晶質の糖、ポリオール、および他の賦形剤が使用される。その欠点は、一般に、これらの物質のTg’が共融温度よりもはるかに低いということである(例えばスクロース:-32℃)。
【0017】
第一の乾燥が完結し、すべての氷が昇華した後、製品中にはなお結合水分が存在する。製品は乾燥しているように見えるが、残存水分含量は7〜8%もの高さであり得る。残存水分含量を最適な値(多くの製剤では1%未満)に減少させるには、より高い棚温度で継続的に乾燥することが必要である。この工程、すなわち第二の乾燥は、製品から結合水が脱着するため、等温脱着としても公知である。通常、第二の乾燥は、周囲温度よりも高いが、なお製剤のガラス転移温度(Tg)または融解温度よりも低い製品温度で続けられる。
【0018】
当業者が、種々の組成物の間の性質の差異、ならびに最適な凍結条件および乾燥条件を確立するための試行錯誤の潜在的な必要性を適切に考慮して、上記パラメータを慎重に考慮する必要性を理解するということは、理解されるであろう。
【0019】
繊細な製品(例えばタンパク質、ペプチドなど)を安定化させる、凍結乾燥プロセスの利点がいくつかある。例えば、適切に凍結乾燥された製品は、多くの場合、冷蔵の必要がなく、周囲温度で保管することができ、水または他の適切な注射用溶媒で、素早く、完全に再構成することができる。凍結乾燥組成物は、典型的には2年を超える安定な保存可能期間を有すると期待される。この文脈において、安定は、典型的には、凍結乾燥組成物を難なく再構成することができること、およびその再構成した溶液が医薬用途に適していることを意味すると解釈される。安定はまた、凍結乾燥したケークの崩壊を除くと、再構成前に製品の物理的外観または表面的外観の変化が何ら存在しないことであるとも考えられる。医薬用途への適性は、問題となっている生体物質および特定の用途に依存するが、典型的には当業者によって容易に評価され得る。一般的に言えば、再構成した溶液中の生体物質は、凍結乾燥前の溶液中の相当する物質と同等の活性を有すると予想される。ペプチドまたはタンパク質を含む再構成した溶液の場合、その再構成した溶液は、それが無菌であり、かつ目に見える微粒子を含まないのであれば、典型的には、医薬用途、特に注射剤に適すると考えられる。
【0020】
特に少なくとも1つの遊離したシステイン残基を有するタンパク質またはペプチドを含む組成物について、凍結乾燥には、製品の安定な保存可能期間を、場合によっては劇的に短縮させ得る、難点がいくつかある。かかる物質は、凍結乾燥プロセス中だけでなく、このプロセスの後、すなわち凍結乾燥製品の保管中にも、不可逆変化、すなわち分解を受け得る。
【0021】
凍結乾燥プロセス中の分解は、凍結時、乾燥時、または凍結および乾燥の両方の時に起こり得る。製品の分解が凍結時に起こる場合、「凍結保護剤」を添加することが典型的である。凍結保護剤は、凍結時を安定化するが、必ずしも凍結乾燥時(すなわち凍結および乾燥の両方の時)を安定化しない。一般的な凍結保護剤としては、高濃度の二糖類および若干のアミノ酸(最大で0.5 Mまで)、ならびに低濃度のポリエチレングリコール(1%未満、w/w)または他のポリマーが挙げられる。用語「凍結乾燥保護(lyoprotection)」は、凍結乾燥プロセス全体の間(すなわち凍結および乾燥の両方の時)の安定化を指す。かかる安定化は、タンパク質およびペプチドなどの生体物質の凍結乾燥にしばしば必要とされる。これは、タンパク質などの複雑な生体分子は、構造および機能を維持するために、適度なレベルの残存水を必要とすることが多いからである。したがって、典型的には「凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)」が加えられ得る。典型的には、当該技術分野で公知の凍結乾燥保護剤は、ポリヒドロキシ化合物、例えば糖類(単糖類、二糖類、および多糖類)、ポリアルコールおよびそれらの誘導体などである。
【0022】
上記のこととは対照的に、凍結乾燥プロセスの後、すなわち凍結乾燥製品の保管時または輸送時に起こる損傷および分解は、対処がより困難である。かかる損傷は、例えば、脱アミド化、加水分解、ラセミ化または酸化の形態をとり得、これらはすべて、典型的には、保管したタンパク質またはペプチドの凝集および/または変性をもたらし得る。分子間のジスルフィド結合の形成をもたらすシステイン残基の側鎖の酸化、および該分子のその後に続く二量体化は、特に問題である。かかる損傷は、長期間にわたってゆっくりと起こり得、また気候制御システムの不具合、さらには周囲温度の単なる季節変動による温度の突然の上昇などの保管条件の短期的変化の間に急速に起こり得る。
【0023】
本発明は、少なくとも1種のペプチド、特に少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドを含む凍結乾燥組成物において、前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を抑制または減少することによって、凍結乾燥プロセスの後に起こる損傷および分解の問題に対処する。
【0024】
本発明の凍結乾燥組成物
本発明は、特に、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物に関する。特に対象とするペプチドは、特にT細胞応答を調節することによる免疫系の調節に有用なペプチドである。
【0025】
T細胞が抗原を認識するには、抗原提示細胞(antigen presenting cells)(APC)が、その細胞表面上に抗原タンパク質の断片(ペプチド)を、主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex)(MHC)分子と結合した状態で、提示することを要する。T細胞は、その抗原特異的T細胞受容体(T-cell receptors)(TCR)を使用し、高い特異性で、APCによって提示された断片を認識する。かかる認識は、免疫系に対するトリガーとして作用し、認識された抗原を根絶するための一連の応答を生じさせる。
【0026】
T細胞の抗原断片認識の特異性の大部分は、断片内のアミノ酸の、より小さなサブ配列(subsequence)によって与えられる。このサブ配列は、T細胞エピトープとして公知である。したがって、かかるエピトープを含むペプチドは、対象の免疫系を調節するための治療薬としての使用に関して、興味深い。細胞外アレルゲンおよび自己抗原または同種抗原の場合、ペプチドは典型的にはMHCクラスII分子上に提示され、これはCD4T細胞によって認識される。したがって、アレルギー性疾患および自己免疫障害または同種免疫障害(allo-immune disorders)における関心は、MHCクラスII結合性T細胞エピトープに集中している。しかしながら、CD8T細胞によって認識されるMHCクラスI結合性T細胞エピトープもまた、興味深いものであり得る。例えば、内在性抗原および/または細胞内抗原に対する免疫応答を調節する必要がある場合である。これは、腫瘍免疫を誘導するために使用することができる、ある種の癌マーカーのペプチドの場合、または肝炎ウイルスおよびヒトパピローマウイルスによって引き起こされる感染症などの感染症の治療のために、望ましい場合がある。
【0027】
細胞外アレルゲンおよび自己抗原または同種抗原に由来するペプチドエピトープを対象に投与すると、エピトープが由来する抗原への寛容が誘導されることが実証されている。かかる効果に基づく治療薬は、特定の免疫応答の下方制御が望まれるアレルギー疾患および自己免疫疾患または同種免疫疾患(allo-immune disease)の予防および治療において、大きな可能性を有する。
【0028】
例えば癌または感染症と関連するある種のタンパク質に由来するペプチドエピトープを対象に投与すると、エピトープが由来する抗原に対する特定の免疫が誘導されることが実証されている。かかる効果に基づく治療薬は、特定の免疫応答の上方制御が望まれる疾患の予防および治療において、大きな可能性を有する。
【0029】
特定の抗原に対する寛容または免疫を生じさせるためのペプチドエピトープの使用におけるさらなる進展は、いくつかの問題によって妨げられている。1つのかかる問題は、エピトープの配列、特にアレルゲンならびに自己抗原および同種抗原に由来するエピトープの配列が、溶解性に乏しいことが多く、そのため製造、保管および対象への投与のいずれをするのにも問題となるということである。特にシステイン残基を含むエピトープの配列を含むペプチドは、二量体化または高次の凝集を受けやすいことがあり、不適切な免疫応答、典型的にはIgEまたはIgGの結合に起因する炎症をもたらし得る。
【0030】
したがって、上で概説したように、かかるエピトープを含むペプチドが凍結乾燥組成物内に含まれている場合、そのペプチドは、輸送時および保管時、すなわち凍結乾燥プロセスの後に発生する種類の損傷および分解を特に受けやすい。これは、その組成物の意図された医薬用途に適さない再構成された溶液を生じさせることとなる。なぜなら、寛容化が要求される場合、炎症などの不適切な免疫応答を誘発することは、非常に望ましくないからである。同様に、特定の免疫を誘導することが必要である場合、二量体または高次の凝集体の形成は、MHCクラスI分子への結合またはその後に続く適切なT細胞への結合を阻害することとなり、したがってT細胞に媒介される免疫応答を刺激することを妨げることとなる。
【0031】
MHCクラスII結合性T細胞エピトープ
上述のように、アレルギー性疾患および自己免疫障害または同種免疫障害の治療または予防のためのペプチドにおける関心は、MHCクラスII結合性T細胞エピトープに集中している。かかるエピトープはまた、特定の免疫応答を誘発することが必要である場合にも関心のあるものとなり得る。本発明のペプチドに含まれるMHCクラスII結合性T細胞エピトープは、典型的には、クラスII分子に結合することができ、かつ細胞表面でクラスIIと結合した状態でT細胞に提示されると、CD4T細胞を刺激することができる、最小限のアミノ酸配列である。典型的には、該エピトープは、ヒトMHCクラスII分子に結合するもの、例えば本明細書中で述べる任意のそのような分子などである。
【0032】
MHCクラスII分子は、2種のタンパク質αおよびβからなり、これらはそれぞれ異なる遺伝子によってコードされている。ヒトにおいては、異なるαタンパク質およびβタンパク質をコードする3種の遺伝子クラスターが存在する。これらは、ヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen)(HLA)クラスターDR、DQおよびDPである。各クラスターは、αタンパク質の異なる変異体をコードする複数の異なるA遺伝子、およびβタンパク質の異なる変異体をコードする複数の異なるB遺伝子を含む。そのため、生じるMHCクラスIIヘテロ二量体は、極めて多様であり、これらが結合するT細胞エピトープもそれに対応して極めて多様である。
【0033】
MHCクラスII分子の結合部位は、2つの別個のタンパク質から構成され、これらは間隙(cleft)を形成する。間隙は、端部が開放されており、これにより理論的には任意の長さのペプチドが結合することが可能になる。しかしながら、9個のアミノ酸だけが、間隙自体を占有することができる。間隙を占有する最大で9個までのアミノ酸の正体により、所与のペプチドが、所与のMHCクラスII分子に結合し、T細胞へ提示するために利用できるか否かが定まる。したがって、これらの9個までのアミノ酸は、MHCクラスIIの結合に必要とされる最小限の配列を表す。一般に、かかる配列は、細胞表面でクラスIIと結合した状態でT細胞に提示されると、T細胞を刺激することが可能となると推測されている。しかしながら、これは、当該技術分野で標準的な方法によって、実験的に確かめることができる。
【0034】
かかる方法は、典型的には、対象から取り出された試料中、エピトープとT細胞とが相互作用することを可能にする条件下で、エピトープをT細胞と接触させ、次いでT細胞のいずれかが刺激されるか否かを決定することを含み得る。T細胞が刺激されるか否かの決定は、任意の適切な方法、例えばT細胞によるサイトカインの産生を検出することによって、達成することができ、サイトカインの産生は、T細胞が刺激されたことを示す。適切なサイトカインとしては、インターフェロンγ、インターロイキン4およびインターロイキン13が挙げられる。サイトカインの産生は、任意の適切な方法、例えばELISAアッセイ、ELISPOTアッセイまたはフローサイトメトリーアッセイによって、検出することができる。対象に由来する試料中のT細胞は、典型的には、該対象から取り出した血液試料または血清試料から単離した末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells)(PBMC)集団中に存在している。
【0035】
本発明のMHCクラスII結合性T細胞エピトープは、典型的には、8個または9個のアミノ酸からなるが、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個のアミノ酸からなっていてもよい。該エピトープのアミノ酸配列は、MHCクラスII分子の結合部位をさらに引用することによって、大まかに定義することができる。この結合部位は、結合するペプチドエピトープの配列における第一のアンカー位置および第二のアンカー位置に対応する特異的な結合ポケットを有する。結合ポケットは、MHCクラスII分子の配列中のアミノ酸の位置によって定まり、一般にエピトープ中の特定のアミノ酸について絶対的な識別力のあるものではない。したがって、任意の所与のMHC分子のペプチドへの結合特異性は、比較的広範である。そのため、同じMHCアロタイプに結合するペプチドは、ある程度の類似性を示すが、同一性は要求されない。
【0036】
最も一般的なヒトMHCクラスIIの種類であるHLA-DRについては、その結合ポケットに結合するための重要なアンカー位置は、ペプチドエピトープの1位、4位、6位、7位および9位(間隙を占有する最もN末端の残基から最もC末端の残基へと数えて)にある。したがって、その結合ポケット中に類似するアミノ酸を有する異なるHLA-DRアレル(alleles)は、典型的には1位、4位、6位、7位および9位に類似するアミノ酸を有する諸ペプチドに結合する。したがって、MHCクラスII結合性T細胞エピトープを含む領域は、1位、4位、6位、7位および9位に対応する位置に、最も広い範囲のHLA-DRアレルに結合することを可能にするアミノ酸を有することが好ましい。種々のHLA-DRアレルの特徴的な結合特性の例を以下に示す。
【0037】
β鎖の86位にグリシンを有するDRアレルは、ペプチドの1位で大きな疎水性側鎖(Trp、Tyr、Phe)に対して強い選好性を示すが、86位のバリンは、ポケットの大きさを制限し、この位置で小さな疎水性側鎖(ValおよびAla)へと選好性を変化させる。中間の大きさの疎水性アミノ酸LeuおよびIleは、すべてのDRアレルにおいて十分に受容される。
【0038】
β鎖の70位にGln、71位にリジンおよび74位にアルギニンまたはGlnを有するDRアレルは、ポケット4内で全体として正電荷を有しており、これにより、結合するペプチドの4位において負電荷をもつアミノ酸AspおよびGluが必要となる(例えばDRB1*0301のように)。このモチーフを有するDRアレルは、全身性エリテマトーデスおよび橋本甲状腺炎の2つの自己免疫疾患と関連している。
【0039】
β鎖の70位にGlnまたはArg、71位にArgまたはLys、および74位にGluまたはAlaを有するDRアレルは、すぐ上のペプチドに類似するペプチドに結合する。重要な相違は、74位にしかないためである。しかしながら、74位にAlaが存在する場合、ポケット4は大きさが増大し、Phe、TrpおよびIleなどのより大きなアミノ酸を収容することができる(例えばDRB1*0401、DRB1*0404、DRB1*0405のように)。74位にGluを有するアレルは、結合するペプチドの4位においてSerおよびThrのような小さな極性残基を許容すると予測される。このモチーフを有するDRアレルは、関節リウマチに対する感受性と関連している。
【0040】
β鎖の70位にAsp、71位にGluまたはArg、および74位にLeuまたはAlaを有するDRアレルは、ペプチドの4位に負電荷をもつアミノ酸を有するペプチドを排除する(例えばDRB1*0402)。これは、70位のAspの存在によるものである。このモチーフを有するDRアレルは、自己免疫疾患の若年性関節リウマチ(juvenile rheumatoid arthritis)(JRA)、尋常性天疱瘡およびアレルギー性気管支肺疾患/アレルギー性気管支肺症候群と関連している。
【0041】
β鎖の9位の多型は、すべてのDRアレルにおいて、結合ポケット9の大きさを定める。この位置にTrpを有するアレルは、結合するペプチドの9位において、小さなアミノ酸、例えばAla、Val、Gly、Ser、Thr、Proだけを許容する(例えばDRB1*0101およびDRB1*1501のように)。9位のGluは、57位のAspと共に、ポケット9を負に荷電させ、Lys(例えばDRB1*0401およびDRB1*0404のように)およびヒスチジン(例えばDRB1*0402のように)などの正電荷をもつアミノ酸の収容を容易にする。大部分のMHCクラスIIアレルにおいて、57位のAspは、76位のArgと塩橋水素結合をつくり、ポケットが脂肪族アミノ酸および極性アミノ酸も収容することができるようにしている。57位のAspがSer(例えばDRB1*0405)またはAla(DQ8)によって置換される場合、水素結合の網は壊され、76位のArgは、結合するペプチドの9位の負電荷をもつアミノ酸、例えばAspまたはGluなどを強く引きつけることができる(例えばDRB1*0405のように)。
【0042】
したがって、エピトープの好ましい配列の例は、1位にTrp、Tyr、Phe、ValまたはAlaを有し、4位にAsp、Glu、SerまたはThrを有し、9位にAla、Val、Gly、Ser、Thr、Proを有するものである。エピトープの好ましい配列のさらなる例は、1位に大きな芳香族アミノ酸または疎水性アミノ酸、例えばTyr、Phe、Trp、Leu、IleまたはValを有し、6位に小さな非荷電アミノ酸、例えばSer、Thr、Ala、Pro、Val、IleまたはMetを有するものである。DRB1*0101、DRB1*0401およびDRB1*0701アレルによってコードされるMHCクラスII分子の全てまたは組み合わせに結合するペプチドの約87.5%は、このモチーフを含む。さらに、アレルゲンおよび自己免疫抗原に由来するT細胞エピトープは、典型的には所与のアミノ酸(単数または複数)の多数の反復を含まないため、本発明の好ましいエピトープは、典型的には少なくとも5個、6個、7個または8個の異なるアミノ酸を含む。
【0043】
エピトープの正確なアミノ配列(amino sequence)は、コンピュータに基づくアルゴリズムによって予測することができ、インビトロの生化学的解析によって確証することができる。適切な市販のアルゴリズムとしては、EpiMatrixアルゴリズム(EpiVax社)が挙げられる。他のアルゴリズムは、例えばhttp://www.imtech.res.in/raghava/propred/およびhttp://www.imtech.res.in/raghava/mhc2pred/にて入手可能である。これらのアルゴリズムによる解析は、典型的には、大きなポリペプチド配列を複数の重複する小さなペプチドに分解することを含む。次いでこれらの小さなペプチドの配列は、アルゴリズムを用いて解析され、MHCクラスII分子に結合すると予測される配列が同定される。重複する小さなペプチドは、典型的には9量体である。
【0044】
次いでこの解析で最もスコアが高い候補ペプチドを、標準的な結合アッセイを用いて、インビトロで、種々のクラスIIアレルによってコードされるMHCクラスII分子のパネル(panel)に結合する能力について評価する。例えば、競合的MHCクラスII結合アッセイを使用することができ、ここで各ペプチドは、調べたそれぞれのヒトMHCクラスIIアロタイプから、既知の対照結合剤を置換する、その能力について解析される。かかるアッセイにおいて、各ペプチドは、IC50値(対照ペプチドの結合の50%の阻害が達成される濃度)が与えられる。MHCクラスIIアロタイプが同じであれば、IC50が低いほどペプチドの親和性は高い。
【0045】
ポリペプチド中のエピトープまたはエピトープ群は、MHCクラスII分子に対して最も高い結合親和性を示すペプチドであると解釈される。特に好ましいエピトープは、1個よりも多くのMHCクラスIIアレル、好ましくは2個のMHCクラスIIアレル、より好ましくは3個、4個または5個のMHCクラスIIアレルによってコードされる、異なるクラスII分子に対して、高い親和性結合を示すものである。
【0046】
特に好ましいエピトープは、二量体形成を起こしやすい領域中に含まれるエピトープである。こうした領域は、以下の別のセクションにおいて定義する。
【0047】
MHCクラスI結合性T細胞エピトープ
上述のように、MHCクラス1結合性エピトープは、通常、特定の免疫応答の誘発(腫瘍免疫、または感染症を引き起こす因子に対する免疫応答の誘発など)について、より興味深い。典型的には、本発明のペプチドに含まれるMHCクラスI結合性T細胞エピトープは、クラスI分子に結合することができ、細胞表面でクラスIと結合した状態でT細胞に提示されると、CD8T細胞を刺激することができる、最小限のアミノ酸配列である。該エピトープは、典型的にはヒトMHCクラスI分子に結合するエピトープ、例えば本明細書中で述べた任意のそのような分子などである。
【0048】
MHCクラスI分子は、β2ミクログロブリンと呼ばれるより小さなペプチドに非共有結合した重鎖ペプチドからなる。この重鎖ペプチドは、3つの大きな球状ドメインα1、α2およびα3、ならびにより小さな膜貫通領域および細胞内領域へと組織化されている。該重鎖ペプチドは、単一の遺伝子によってコードされている。ヒトにおいては、異なるクラスI重鎖をコードする3つの主要な遺伝子クラスター、および3つのマイナーなクラスターが存在する。これらは、ヒト白血球抗原(HLA)クラスターHLA-A、HLA-B、HLA-C(主要)、ならびにHLA-E、HLA-FおよびHLA-G(マイナー)である。各クラスターは、重鎖の異なる変異体をコードする複数の異なる遺伝子を含む。したがって、生じるMHCクラスIタンパク質は、非常に多様であり、これらが結合するT細胞エピトープもそれに対応して非常に多様である。
【0049】
MHCクラスI分子の結合部位は、α1ドメインとα2ドメイン(細胞膜から最も遠いドメイン)との間の間隙によって形成される。この間隙は、閉鎖的な(closed)ポケットであり、典型的には間隙中に結合するペプチドは、12アミノ酸までの最大長を有する。間隙を占有する最大で12個までのアミノ酸の正体により、所与のペプチドが、所与のMHCクラスI分子に結合し、T細胞へ提示するために利用できるか否かが定まる。したがって、これらのアミノ酸は、MHCクラスIの結合に必要とされる最小限の配列を表す。一般に、かかる配列は、細胞表面でクラスIと結合した状態でT細胞に提示されると、T細胞を刺激することが可能になると推測されている。しかしながら、このことは、当該技術分野で標準的な方法、通常はクラスIIエピトープについて上に示した方法と同等の方法によって、実験的に確証することができる。
【0050】
本発明のMHCクラスI結合性T細胞エピトープは、典型的には6個〜12個のアミノ酸からなり、より普通には8個〜12個のアミノ酸または8個〜10個のアミノ酸からなる。該エピトープは、8個、9個、10個、11個または12個のアミノ酸からなっていてもよい。最も典型的には、該エピトープは、9アミノ酸長のものである。該エピトープのアミノ酸配列は、MHCクラスI分子の結合部位をさらに引用することによって、大まかに定義することができる。MHCクラスIの結合間隙の閉鎖的な特質は、クラスIエピトープの各末端の残基が認識に特に重要であることを意味している。ペプチドのアミノ末端のアミン基は、ペプチド溝の一方の端で不変部位と接触し、カルボキシ末端のカルボキシラート基は、該溝の他方の端で不変部位に結合する。しかしながら、これらの不変部分は、一般に、エピトープ中の特定のアミノ酸について絶対的な識別力のあるものではない。したがって、任意の所与のMHC分子のペプチドへの結合特異性は、比較的広範である。そのため、同じMHCアロタイプに結合するペプチドは、ある程度の類似性を示すが、同一性は要求されない。それでも典型的には、クラスIエピトープは、疎水性または塩基性のカルボキシ末端を有し、最先端のアミノ末端にはプロリンが存在しない。該エピトープは、溝に沿って確証に幅があり、溝に並ぶ主鎖原子と保存されたアミノ酸側鎖との間がさらに接触する。長さの変動は、ペプチド主鎖におけるよじれ、大抵はプロリン残基またはグリシン残基でのよじれによって、調整される。
【0051】
特に好ましいエピトープは、二量体形成を起こしやすい領域中に含まれるエピトープである。こうした領域は、以下の別のセクションにおいて定義する。
【0052】
少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域
典型的には、T細胞エピトープの同定のための生化学的アッセイは、大きな配列内、約10〜12個のアミノ酸内よりも正確に、かつ典型的には15個、20個またはそれよりも多くのアミノ酸内、の最小のエピトープ配列の位置を規定することができるものではない。この理由は、大きな配列は、より小さな重複するペプチドに物理的に断片化しなければならないため、またはより小さな重複するペプチドは、こうしたペプチドがMHC分子に結合する能力をインビトロで評価する前に新規に製造しなければならないためである。当業者は、使用する重複するペプチド断片が小さいほど、製造工程は、より時間を要し、労働集約的となることを認識する。そのため、エピトープは、より大きなポリペプチドの領域内に含まれるものとして同定されることが多い。本発明のペプチドが、かかるより大きな領域を含み得ることを想定している。
【0053】
したがって、本発明のペプチドにおいては、T細胞エピトープを含む領域は、典型的には8アミノ酸長または9アミノ酸長であるが、6アミノ酸長、7アミノ酸長、10アミノ酸長、11アミノ酸長、12アミノ酸長、13アミノ酸長、14アミノ酸長、15アミノ酸長、16アミノ酸長、17アミノ酸長、18アミノ酸長、19アミノ酸長、20アミノ酸長、21アミノ酸長、22アミノ酸長、23アミノ酸長、24アミノ酸長または25アミノ酸長であってもよい。MHCクラスI結合性T細胞エピトープの場合、エピトープがMHC分子上で提示され得る前に、該領域のプロセシングを必要としてもよいことは理解されるであろう。MHCクラスI分子上での提示前の抗原プロセシングは、当該技術分野で周知の事象である。
【0054】
本発明の該領域は、典型的には、二量体形成を起こしやすい配列である。この二量体形成は、ホモ二量体形成(すなわちペプチド単量体の、他の同一のペプチド単量体との会合)およびヘテロ二量体形成(すなわちペプチド単量体の、異なるペプチド単量体との会合)をともに含むと理解されるであろう。二量体形成を起こしやすい配列によって、より高次のオリゴマー、例えば三量体、四量体などの形成を起こしやすい配列のことに言及することも意図していることも理解されるであろう。本発明の該領域は、二量体形成を起こしやすい任意の配列を含んでいてもよく、該配列からなっていてもよい。二量体形成を促進する、所与の領域内の特定のアミノ酸配列は、T細胞エピトープの最小限のMHCクラスII結合性配列内に含まれていてもよく、この配列に隣接する残基内に含まれていてもよい。したがって、二量体形成を起こしやすい配列は、全体が、T細胞エピトープの最小限のMHC結合性配列からなっていてもよい。
【0055】
本発明は、特に、システイン含有ペプチド間での共有結合性二量体の形成に関する。したがって、好ましい配列は、少なくとも1個のシステイン残基を含む。当業者は、単一のシステイン残基を含むどのペプチドも、それ同士で、またはそれが接触し得る他のシステイン含有ペプチドと、二量体を形成し得ることを理解する。2つ以上のシステインを含むペプチドは、後に凝集し得る長鎖を形成する可能性を有する。かかる二量体/凝集体の形成は、IgEまたはIgGが結合し、したがって局所的な炎症反応を有する危険性をもたらす。したがって、好ましい本発明の領域は、典型的には、システイン残基の割合が高いタンパク質に由来している。例えば、本発明の該領域は、タンパク質中のアミノ酸残基の総数のうちの割合として、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%または35%を超えるシステイン残基を有するタンパク質に由来し得る。本発明の該領域は、システイン残基の割合が低いタンパク質内の配列から選択されることが好ましい。したがって、該領域は、該領域中のアミノ酸残基の総数のうちの割合として、最大で5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%または20%までのシステイン残基を含んでいてもよい。システイン残基は、エピトープの最小限のMHC結合性配列に含まれていてもよく、この配列に隣接する残基に含まれていてもよい。
【0056】
二量体形成を起こしやすい他の配列は、適切な計算法を用いて、インシリコの解析によって特定してもよく、また以下に示す単量体形態または二量体形態で存在している配列の割合を定量化する適切な実験室的方法を用いたインビトロの解析によって特定してもよい。二量体化を起こしやすい配列について、二量体として存在している配列の割合は、最小限、すなわち固体状態で約0.5%未満または1%未満であり得るが、これは典型的には、適切な条件下で適切な期間溶液中で保管した物質については、時間とともに少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%にまで増大することとなる。適切な期間および条件としては、当業者がその下で使用前に溶液中で配列を維持することを合理的に期待し得る、時間範囲および条件が挙げられる。例えば、約24時間、約48時間、または約72時間という期間が典型的であるが、溶液によってはより長い期間、例えば少なくとも1週間、1箇月間、6箇月間、1年間、2年間、3年間またはそれよりも長く維持され得る。典型的には、保管条件は、室温および室内相対湿度、すなわち典型的には25oCおよび相対湿度60%であり得るが、当業者が遭遇する任意の標準的な保管条件、例えばおよそ5±3℃、-20℃または-80℃を含み得る。
【0057】
免疫系の感受性は、わずかな割合の二量体だけが、望ましくない免疫応答を誘発する可能性が高いと考えられるような感受性である。
【0058】
所与の形態で存在している配列の割合の評価のために、適切な方法は、例えば非変性条件下での分析的ゲル電気泳動である。かかる方法では、ポリアクリルアミドゲル中、1組の標準の分子量マーカーと並べて、配列の溶液を泳動させる。配列が二量体を形成する場合、その配列のアミノ酸の合計について計算した分子量のおよそ2倍の分子量を有する種に対応するタンパク質バンドがゲル中に観察されることとなる。(同様に、存在する三量体または四量体は、その配列のアミノ酸の残基重量の合計について計算した分子量のおよそ3倍または4倍の分子量を有する種に対応するバンドとして観察されることとなる。)配列の100%がオリゴマーの形態で存在していることはまれであるため、配列のアミノ酸の合計について計算した分子量とほぼ同じ分子量を有する種に対応する第二のバンドも観察されることがあり、これは、単量体形態の配列を表している。バンドの相対強度は、各形態で存在している配列の割合を定量化するために使用することができる。別の手段、例えば分析的遠心分離、質量分析法またはサイズ排除クロマトグラフィーによって、類似する方法で分子量を評価することができる。あるいは、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を用いて、オリゴマーを定量化することができ、このとき、二量体およびより高次のオリゴマーの種は、それらの疎水性の違いに基づき単量体から分離される。種の同定は、質量分析的検出を用いて達成される。所与のペプチドが任意の他のペプチドまたは分子とヘテロ二量体化する傾向を示すかどうかを評価するために、この同じ方法を適合させることができる。
【0059】
さらに、本発明の該領域は、水溶液中、pH 2.0〜12.0、またはpH 2.0〜11.0、pH 2.0〜10.0、pH 2.0〜9.0、pH 2.0〜8.0またはpH 2.0〜7.0で、3.5 mg/ml未満の溶解度を有していてもよく;かつ/または1個、2個、3個もしくは4個のシステイン残基を含んでいてもよく;かつ/または4.5よりも低い等電点を有していてもよく;かつ/または+0.25よりも高いGRAVYスコアを有していてもよい。これらのパラメータは、任意の適切な方法によって評価することができる。例えば溶解度は、標準的なインビトロの方法によって評価することができ、GRAVYおよび等電点は、適切な計算法、例えばhttp://www.expasy.ch/tools/protparam.htmlで入手可能なProtParamツール(Gasteiger E.ら 571〜607頁 The Proteomics Protocols Handbook, Humana Press (2005); John M. Walker(編))などを用いて、インシリコで評価することができる。
【0060】
ペプチド
本発明のペプチドは、上に定義した領域の天然配列を含んでいてもよく、該配列からなっていてもよく、また二量体形成を減少させ、または溶解度を向上させるように操作された領域の天然配列を含んでいてもよく、該配列からなっていてもよい。しかしながら、操作された領域との関連においては、本発明は特に、容認できないレベルの二量体形成をなおも受け得るペプチドに適用可能であることが理解されるであろう。かかるペプチドは、典型的には、少なくとも1つのシステイン残基をなお含むであろう。
【0061】
二量体形成を減少させるように領域を操作する場合、これは典型的にはその領域の天然配列の修飾によることとなる。特に好ましい修飾は、
・領域の天然配列中の少なくとも1つのシステイン残基をセリン、2-アミノ酪酸、アラニンもしくはグリシンで置換する;および/または
・領域の天然配列中の少なくとも1つのシステイン残基をシステイン化し(cysteinylated)、シスチン残基をつくり出す
ものである。
【0062】
本発明のペプチドが、該ペプチドのある種の変異体を含むことを意図したものであることは理解されるであろう。上述の二量体形成を減少させるための操作以外に、ペプチドの天然アミノ酸配列に対して他の修飾をすることができる。例えばペプチド配列中の1個、2個、3個、4個または5個のアミノ酸に対してである。天然配列中のアミノ酸が異なるアミノ酸で置換される場合、その異なるアミノ酸は、典型的には天然アミノ酸と同様の性質を有することになるため、どのようなかかる修飾も典型的には保存的となる。下の表は、アミノ酸の性質を示している。分子量は、各アミノ酸について、3文字記号と並べて示している。示した分子量は、中性、遊離のアミノ酸の分子量であり、残基重量は、1当量の水(18 g/mol)を差し引くことによって得ることができる。本発明はまた、エキソペプチダーゼ酵素による分解を減少または抑制するように修飾またはブロックされたN末端およびC末端を含むペプチドも含む。
【0063】
【表1】
【0064】
修飾された残基または残基群は、該領域の配列のどの部分に含まれていてもよい。1つの実施態様において、修飾された残基または残基群は、該領域の最小限のMHC結合性配列中に含まれていない。好ましい実施態様において、修飾は、新たなエピトープをつくり出さず、また該領域のMHC結合特性に影響しない。
【0065】
本発明のペプチドは、典型的には8個〜30個のアミノ酸を含み、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個または29個のアミノ酸を含むことができる。本発明のペプチドは、全体が上に定義した領域からなっていてもよく、また該領域に隣接するさらなるアミノ酸を、最大で30個のアミノ酸まで含んでいてもよいことは理解されるであろう。
【0066】
30個のアミノ酸よりも長いペプチドは、細胞表面でIgGまたはIgEを架橋するのに十分な三次構造を有する可能性があり、望ましくない免疫応答、例えばB細胞活性化またはマスト細胞脱顆粒などをもたらす。
【0067】
ペプチド合成
本発明のペプチドは、上に定義した領域を含むポリペプチドに、知的な(intellectual)意味で、由来している。これは、該領域のアミノ酸配列を利用し、その配列に基づきペプチドを合成することによって行う。ペプチドは、当該技術分野で周知の方法を用いて合成することができる。好ましい方法としては、固相ペプチド合成技術、最も好ましくは自動または半自動のペプチドシンセサイザーが挙げられる。典型的には、かかる技術を用いて、室温で、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノンまたは塩化メチレンなどの不活性溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのカップリング剤の存在下、ジイソプロピル-エチルアミンなどの塩基の存在下で、α-N-カルバモイルで保護されたアミノ酸と、樹脂上の伸長するペプチド鎖に結合したアミノ酸とを、カップリングさせる。トリフルオロ酢酸またはピペリジンなどの試薬を用いて、生じたペプチド−樹脂(peptide-resin)からα-N-カルバモイル保護基を除去し、ペプチド鎖に付加する次の所望のN-保護アミノ酸を用いて、カップリング反応を繰り返す。適切なN-保護基は当該技術分野で周知であり、該保護基としては、t-ブチルオキシカルボニル(tBoc)およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。
【0068】
用語「ペプチド」は、アミノ酸残基がペプチド(-CO-NH-)結合によって連結されている分子だけでなく、ペプチド結合が逆向きにされた分子も含む。かかるレトロインベルソ(retro-inverso)ペプチド模倣体は、例えばMeziereら (1997) J. Immunol.159, 3230〜3237に記載された方法などの、当該技術分野で公知の方法を用いて調製することができる。このアプローチは、主鎖に関係する変化を含み、側鎖の配向に関係する変化を含まない疑似ペプチドを調製することに関する。Meziereら(1997)は、少なくともMHCクラスIIおよびヘルパーT細胞応答について、こうした疑似ペプチドが有用であることを示している。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含むレトロインバース(retro-inverse)ペプチドは、タンパク質分解に対して、はるかに耐性がある。
【0069】
同様に、アミノ酸残基の炭素原子間の間隔を保持する適切なリンカー部分が使用されることを条件として、ペプチド結合を完全になくすことができ、該リンカー部分がペプチド結合と実質的に同じ電荷分布および実質的に同じ平面性を有している場合、特に好ましい。エキソ型タンパク質分解(exoproteolytic digestion)に対する感受性を減少させる助けとなるように、ペプチドをそのN末端またはC末端でブロックすることが好都合であり得ることも理解されるであろう。例えば、ペプチドのN末端アミノ基をカルボン酸と反応させることによって保護することができ、ペプチドのC末端カルボキシル基をアミンと反応させることによって保護することができる。修飾の他の例としては、グリコシル化およびリン酸化が挙げられる。別の可能な修飾は、RまたはKの側鎖アミンの水素をメチレン基で置換することができる(-NH(Me)または-N(Me)2で置換された-NH2)ということである。
【0070】
本発明によるペプチドの類似体は、ペプチドのインビボの半減期を増加または減少させるペプチド変異体も含み得る。本発明に従って使用されるペプチドの半減期を増加させることが可能な類似体の例としては、該ペプチドのペプトイド類似体、該ペプチドのD-アミノ酸誘導体およびペプチド−ペプトイドハイブリッドが挙げられる。本発明に従って使用される変異体ポリペプチドのさらなる実施態様は、D-アミノ酸形態のポリペプチドを含む。L-アミノ酸ではなくD-アミノ酸を用いてポリペプチドを調製することで、通常の代謝過程によるかかる薬剤の望まれない分解が大きく減少し、その投与頻度とともに、投与することが必要な薬剤量が減少する。
【0071】
対象のペプチド
典型的には、対象のペプチドは、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む。典型的には、「遊離した」は、二量体形成を抑制する薬剤の非存在下で、システイン残基が、化学修飾および/または他のシステイン含有ペプチドとの二量体化に利用できることを意味する。すなわち、遊離したシステインは、その還元された形態(from)のチオール基(-SH)を含み、二量体形成を抑制する薬剤の非存在下で、やはり還元された形態のチオール基(-SH)を有する別のシステインとともに、酸化反応を受け、ジスルフィド結合(-S-S-)を形成することができる、システインである。
【0072】
典型的には、対象のペプチドはまた、アレルゲンまたは同種抗原に由来する少なくとも1つのMHC結合性T細胞エピトープを含む領域も含む。したがって、典型的には、対象のペプチドを含む水溶液は、アレルゲンに感作されている個体において遅発型反応(late phase response)を誘導することができる。用語「遅発型反応」は、Allergy and Allergic Diseases (1997) A. B. Kay (編), Blackwell Science, 1113〜1130頁に示されている意味を含む。遅発型反応は、任意の遅発型反応(LPR)であってもよい。タンパク質アレルゲンに由来するエピトープを含む組成物は、遅発型喘息反応(late asthmatic response)(LAR)もしくは遅発型鼻炎反応(late rhinitic response)または遅発型皮膚反応(late phase skin response)もしくは遅発型眼球反応(late phase ocular response)を誘導することが可能であることが好ましい。特定の組成物がLPRを生じさせ得るか否かは、当該技術分野で周知の方法を用いて判定することができる。特に好ましい方法は、Cromwell O, Durham SR, Shaw RJ, Mackay JおよびKay AB, Provocation tests and measurements of mediators from mast cells and basophils in asthma and allergic rhinitis, 於:Handbook of Experimental Immunology (4) 127章, 編集者:Weir DM, Blackwell Scientific Publications, 1986に記載されている方法である。したがって、本発明の個々の組成物は、エピトープが由来するタンパク質アレルゲンに感作された個体において、LPRを誘導することができることが好ましい。
【0073】
エピトープが由来するタンパク質に個体が感作されているか否かは、周知の手順、例えばそのタンパク質に特異的な、個体の血液または血清中の抗体の検出などによって、判定することができる。エピトープがアレルゲンに由来する場合、アレルゲンに対する感作についての適切な試験としては、タンパク質抽出物溶液を用いる皮膚プリックテスト、皮膚LPRの誘導、病歴、アレルゲン負荷、およびタンパク質特異的IgEの測定のための放射性アレルゲン吸着試験(radioallergosorbent test)(RAST)が挙げられる。特定の個体が治療の利益を受けると期待されるか否かは、例えばかかる試験または測定に基づき、医師が判定することができる。
【0074】
エピトープが由来するタンパク質に対して個体を脱感作または寛容化することは、適切に感作された個体において、該タンパク質によって誘導される免疫学的組織反応を抑制することまたは弱めることを意味する。T細胞は、選択的に活性化することができ、その後非応答性にすることができることが示されている。さらに、こうしたT細胞をアネルギー化すること(anergising)またはなくすことは、特定のタンパク質に対して患者を脱感作することにつながる。脱感作は、タンパク質またはタンパク質由来ペプチドの二度目の投与およびさらなる投与の際に、そのタンパク質またはタンパク質由来のペプチドに対する応答の減少、または好ましくはかかる応答の消失として現れる。二度目の投与は、脱感作を起こさせるために、適切な期間が経過した後にすることができ、この期間は、1日〜数週間の任意の期間であることが好ましい。約2週間の間隔が好ましい。
【0075】
本発明の組成物は、タンパク質に対して感作されている個体においてLPRを誘導することができるが、組成物が患者を治療するために使用される場合、次の(好ましくはより多い)用量を与えることができるように、観察可能なLPRは起こらないがその反応がT細胞を部分的に脱感作するのに十分となるように、十分に低い濃度の組成物が使用されることが好ましいこと等を理解するべきである。このようにして、完全な脱感作は与えるが、大抵は患者においてLPRを誘導することがないように、用量を増大させる。該組成物またはペプチドは、投与されるよりも高い濃度でそのようにすることが可能ではあるのだが。
【0076】
典型的には、本発明の組成物は、個体において即時型反応(early phase response)を誘発する減少した能力を有する。「即時型反応を誘発する減少した能力」によって、本発明の組成物における領域と同じ領域を含むが、二量体形成を減少させるその配列の修飾を有さないペプチドを含み、かつ二量体形成を減少させる薬剤がない組成物と比較して、本発明の組成物は、重症度のより低い初期症状(early phase symptoms)(例えば好塩基球脱顆粒またはマスト細胞脱顆粒など)をもたらすことになることが理解されるであろう。したがって、本発明の組成物は、主として二量体形態で存在している同等のペプチドよりも少ない即時型反応を生じさせることとなる。該ペプチドは、同じMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含むため、同等である。
【0077】
あるいは、またはさらに、本発明の組成物は、典型的には、個体において寛容を誘導する向上した能力を有する。「寛容を誘導する向上した能力」によって、本発明の組成物における領域と同じ領域を含むが、二量体形成を減少させるその配列の修飾を有さないペプチドを含み、かつ二量体形成を減少させる薬剤がない組成物よりも、本発明の組成物は、個体において高いレベルの脱感作を生じさせることになることが理解されるであろう。したがって、本発明の組成物は、主として二量体形態で存在している同等のペプチドよりもより高いレベルの脱感作を生じさせることになる。該ペプチドは、同じMHCクラスII結合性T細胞エピトープを含むため、同等である。
【0078】
脱感作は、上に定義した通りであり、そのレベルは、任意の適切な手段によって特徴付けることができる。例えば、アレルギー性喘息においては、エピトープが由来するタンパク質(またはタンパク質由来のペプチド)の吸入に応答して生じたLARがより小さいことは、本発明の組成物による治療後の脱感作のレベルがより高いことを示すことになる。LARの大きさは、当該技術分野における任意の適切な手段、例えばタンパク質の投与後に個体の努力呼気量(Forced Expired Volume)(FEV)の減少を検出することによって、評価することができる。FEVの減少がより大きいことは、LARがより大きいことを示す。本発明の組成物は、主として二量体形態で存在している同等のペプチドを含む組成物よりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%小さいLARを生じさせることが好ましい。
【0079】
あるいは、脱感作のレベルがより高いことは、インターフェロンγ、インターロイキン4およびインターロイキン13などの炎症性サイトカインのT細胞によるタンパク質特異的産生のより大きな減少によって、示され得る。T細胞によるサイトカインの産生は、任意の適切な方法、例えばELISAアッセイ、ELISPOTアッセイまたはフローサイトメトリーアッセイによって検出することができる。特に好ましい方法としては、例えばde Jagerら; Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology, 2003, 10(1)巻 133〜139頁に記載される多重ビーズアレイアッセイ(Multiplex bead array assays)が挙げられる。「より大きな減少」によって、本発明の組成物による治療が、主として二量体形態で存在している同等のペプチドを含む組成物よりも、好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%または50%少ない炎症性サイトカインの産生をもたらすことになることが好ましい。
【0080】
本発明の好ましい組成物は、
植物アレルゲン(特にイネ科植物(grass)アレルゲン)、動物鱗屑アレルゲン、カビアレルゲンもしくは真菌アレルゲン、粉塵アレルゲン、抗生物質もしくは他の薬物、刺咬昆虫毒、環境アレルゲンまたは食物アレルゲンから選択されるアレルゲン;あるいは
急性播種性脳脊髄炎(Acute disseminated encephalomyelitis)(ADEM)、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(Antiphospholipid antibody syndrome)(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、妊娠性類天疱瘡(Gestational pemphigoid)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(Opsoclonus myoclonus syndrome)(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎(Ord’s thyroiditis)、天疱瘡、悪性貧血、イヌの多発性関節炎(Polyarthritis in dogs)、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても公知)、温式自己免疫性溶血性貧血またはヴェゲナー肉芽腫症と関連する主要抗原から選択される抗原
に由来するエピトープを含むか、または該エピトープからなる少なくとも1種のペプチドを含む。
【0081】
特に好ましいエピトープは、ネコ鱗屑タンパク質Fel d1;チリダニタンパク質Der p 1、Der p 2、Der p 7、Der p 3〜15、Der p 18、Der p 20、Der p 21およびDer p 23、Der f 1、Der f 2、Der f 7、Der f 10、Der f 11〜18およびDer f 20〜22;ブタクサタンパク質amb a 1、amb a 2、amb a 3、amb a 5、amb a 6、amb a 7、amb a 8、amb a 9、およびamb a 1.1、amb a 1.2、amb a1.3またはamb a1.4を含むこれらのアイソフォーム;ドクムギ(Rye grass)タンパク質lol p1およびlol p5;オオアワガエリ(Timothy grass)タンパク質phl p1およびphl p5;ギョウギシバ(Bermuda grass)タンパク質Cyn d 5;アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)タンパク質Alt a 1、Alt a 2、Alt a 3〜Alt a 10、Alt a 12、Alt a 13およびエノラーゼ(Alt a 6)、Cla h 1、Cla h 2、Cla h 5〜10、Cla h 12、Cla h GST、Cla h HCh1、Cla h HSP70、Cla h NTF2、Cla h TCTP;カバノキ(Birch)タンパク質Bet v1、Bet v2、Bet v3、Bet v4、Bet v6、Bet v7、Bet v8およびP14;チャバネゴキブリタンパク質Bla g 1、Bla g 2、Bla g 3、Bla g 4、Bla g 5およびBla g 6、Bla g 7、Bla g 8、Bla g 9、Bla g GSTD1、Bla g トリプシン;ヨモギ(Mugwort)タンパク質Art v 1;ロシアアザミ(Russian thistle)タンパク質Sal k 1、Sal k 2およびSal k 8;ピーナッツAra h1、Ara h2、Ara h3、Ara h4、Ara h5、Ara h6、植物プロフィリンもしくは脂質輸送タンパク質、またはヒト白血球抗原、のアイソフォームに由来する。
【0082】
特に好ましいペプチドは、
【0083】
【表2−1】
【0084】
【表2−2】
【0085】
の配列(関連するアレルギー性障害または自己免疫障害/同種免疫障害を引用することによって整理されている)を含むか、または該配列からなる。
【0086】
典型的には、上に示したチリダニの配列は、ダニの種ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)に由来する。これらの配列の好ましい変異体としては、近縁のダニの種コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)に由来する相同配列が挙げられる。これらを、下の表に識別子「_f」によって示す。
【0087】
本発明のペプチドの他の好ましい変異体としては、所与のペプチドのN末端および/またはC末端で1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個または17個のアミノ酸だけ切断したもの、または伸張したものが挙げられる。チリダニペプチドHDM03Cの好ましい伸張および切断の例も、HDM03M、HDM03PおよびHDM03Wとして下に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
ポリペプチドが、製造時に維持することが典型的には困難である残基を含む場合、こうした残基は置換することができる。例えば、グルタミン酸残基またはグルタミン残基は、特にペプチドのN末端に存在する場合、溶液中で自発的にピログルタミン酸を形成する。したがって、天然のタンパク質配列の配列におけるグルタミン酸またはグルタミンに対応する本発明のペプチドの残基は、かかる残基がペプチドのN末端に存在する場合、本発明のペプチドにおいてピログルタミン酸(pyrogluatmate)で置換することができる。例えば、HDM03W_n(配列番号54)は、N末端においてEの代わりにピログルタミン酸を有していてもよい。
【0090】
1つの実施態様において、本発明の組成物は、配列番号1〜4のペプチドを含む。該組成物は、配列番号83〜85のペプチドをさらに含んでいてもよく、任意にさらなるペプチドを含んでいなくてもよい。
【0091】
他の成分
凍結乾燥に関する上のセクションから理解されるように、典型的には、凍結乾燥する組成物は、目的の生体物質だけでなく、さらなる成分を含むことになる。本発明は、本発明の組成物中の少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少し、これによってより安定な凍結乾燥組成物を生じさせるための、さらなる成分を組み合わせたものの使用に関する。本発明はまた、かかる組成物の製造方法にも関する。本発明者らは、(i)非還元性炭水化物および(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤の組み合わせが、この効果を達成することを見出した。
【0092】
本明細書中で述べたように、炭水化物および関連する化合物は、凍結乾燥プロセス時に凍結保護剤および凍結乾燥保護剤(lyoprotectants)として有用であるという利点を有する。しかしながら、それらは、最終的な凍結乾燥製品内に含まれるペプチドによるその製品の保管中の二量体形成を防止しない。この防止を達成するためには、さらなる成分が必要である。すなわち、ペプチドによる二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤もまた含まれていなければならない。典型的には、医薬品目的のペプチド組成物における二量体形成を抑制する薬剤は、薬学的に許容されていなければならない。かかる薬剤としては、ジスルフィド結合の還元に適した薬剤、抗酸化剤または保存剤が挙げられる。適した還元剤としては、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(tris(2-carboxyethyl)phosphine)(TCEP)を含む任意のトリアルキルホスフィン化合物、2-メルカプトエタノールおよびジチオトレイトール(dithiothreitol)(DTT)が挙げられる。他の適した薬剤としては、チオグリセロール、チオアニソールおよびシステインが挙げられる。チオグリセロールは、特に好ましい。
【0093】
二量体形成を効果的に防止するためには、凍結前に測定される場合、理想的には、かかる薬剤を、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度と少なくとも等しいモル濃度で存在させるべきである。したがって、二量体形成を受けやすい物質が少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む1種以上のペプチドである場合、薬剤は、その少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む1種以上のペプチドの濃度と少なくとも等しいモル濃度で存在する。典型的には、遊離したシステイン残基を含まないペプチドなどの他の成分の濃度は、考慮に入れない。すなわち、組成物が、例えば遊離したシステイン残基を含む4種のペプチドと、遊離したシステイン残基を含まない3種のペプチドとを含む場合、遊離したシステインを含む4種のペプチドの全体の濃度に対して、二量体形成を抑制する薬剤の濃度を決める。システインを含まない3種のペプチドおよび組成物中の任意の他の成分の濃度は、必要とする薬剤の濃度に関係しない。
【0094】
1つの実施態様において、二量体防止(dimer prevention)が効果的に防止されることを条件として、二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤は、凍結前に測定される場合、二量体形成を受けやすい物質よりも多い量で存在してもよく、該物質よりも少ない量で存在してもよい。特定の実施態様において、該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質よりも多い量で存在している。例えば、該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度よりも、少なくとも約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、150倍、200倍、250倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍または1000倍高いモル濃度で存在していてもよい。該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度よりも、少なくとも60〜80倍高いモル濃度で存在することが好ましい。例えば、該物質が200 μMのモル濃度で存在している場合、該薬剤は12 mM〜16 mMのモル濃度で存在することが好ましいことになる。
【0095】
かかる状況は、例えば、少なくとも1つの遊離したシステインを含む4種のペプチドがそれぞれ50 μMで存在しており、システインを含まない3種のペプチドもそれぞれ50 μMで存在している、実施例4におけるチオグリセロール「低」組成物に当てはまる。したがって、この組成物1リットル中に、350マイクロモルの全ペプチド(7種のペプチド)および200マイクロモルの遊離したシステインを有するペプチド(遊離したシステインを有する4種のペプチド)が存在する。したがって、二量体形成を受けやすい物質は200 μMで存在し、チオグリセロールは14 mMの濃度で存在し、これは70倍高い。
【0096】
あるいは、該薬剤は、二量体形成を受けやすい物質のモル濃度よりも少なくとも30〜40倍高いモル濃度で存在していてもよい。例えば、該物質が400 μMのモル濃度で存在する場合、該薬剤は12 mM〜16 mMのモル濃度で存在することが好ましいことになる。
【0097】
かかる状況は、例えばすべてのペプチドが50 μMではなく100 μMで存在する場合の実施例4におけるチオグリセロール「低」組成物に当てはまることになる。すなわち、この組成物1リットル中に、700マイクロモルの全ペプチド(7種のペプチド)および400マイクロモルの遊離したシステインを有するペプチド(遊離したシステインを有する4種のペプチド)が存在する。したがって、二量体形成を受けやすい物質は400 μMで存在し、チオグリセロールは14 mMの濃度で存在し、これは35倍高い。
【0098】
典型的には、該物質は、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドである。典型的には、凍結させる前の組成物中に存在するペプチドの量の下限値は、割合として、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%または1.5%(wt/wtまたはw/v)となる。典型的には、凍結させる前の組成物中に存在するペプチドの量の上限値は、割合として、約1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、3%、4%または5%(wt/wtまたはw/v)となる。典型的には、ペプチドの量は、上に示した任意の上限値と独立して組み合わせた任意の下限値との間にあってもよいことが認識されるであろう。したがって、二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤は、組成物のうちの割合として、同様の範囲で存在することとなる(凍結させる前の組成物において、薬剤の全濃度が、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドの全濃度と少なくとも等しいモル濃度にあることを条件として)。例えば、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドの全濃度が0.03 nmol/mlである場合、全薬剤濃度は少なくとも0.03 nmol/mlとなる。少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含むペプチドの全濃度が500 nmol/mlである場合、全薬剤濃度は少なくとも500 nmol/mlとなる。
【0099】
典型的には、少なくとも1種の薬剤は、例えば二量体形成を効果的に減少させることを確実にするために、上で説明したようにペプチドに対してより高い割合で含まれていてもよいことも理解されるであろう。また、典型的には、該薬剤の全濃度の上限値は、医薬組成物に適用される臨床上の要求または制限を考慮に入れたものであってもよい。例えば、典型的には、注射用の再構成した溶液は、わずか0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%または4.0%(wt/wtまたはw/v)の薬剤しか有しないことになる。これは、それぞれ凍結乾燥製品の約5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%(wt/wtまたはw/v)に相当する。したがって、こうした臨床上の要求に適合するように、製品中のペプチドの量を制限する必要があり得る。
【0100】
典型的には、凍結させる前の組成物中のどの成分の割合も、最終的な凍結乾燥組成物における約5〜10倍高い割合に相当することになることは当業者によって理解されるであろう。
【0101】
凍結乾燥組成物中での二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤を含めることの問題は、本発明者らが見出したように、特に前記製品が長期間にわたって周囲温度で保管される場合、または前記製品が急激な温度上昇に曝される場合、かかる薬剤が凍結乾燥製品から抜けるということである。典型的には、該薬剤は、揮発性であり、そのため最終的な製品中には保持されず、該製品は保管中および輸送中に損傷および分解を受け、これによりその安定な保存可能期間を減少させるか、または医薬用途について容認できなくなる。例えば、凍結乾燥組成物またはそれから再構成した溶液の外観の変化に起因して。
【0102】
この問題を克服するために、本発明者らは、非還元性炭水化物および二量体を抑制する薬剤の組み合わせを考案しており、これにより最終的な凍結乾燥製品から前記薬剤が抜けなくなる。これを達成するためには、凍結乾燥組成物が非晶質構造を有することが必要である。したがって、本発明における使用のために特に適した非還元性炭水化物は、本明細書において以下「非晶質炭水化物」と称する、凍結乾燥の際に非晶質である炭水化物である。組成物が全体として凍結乾燥の際に非晶質構造を有することを確実にするために、典型的には、本発明の組成物中の非晶質炭水化物または非晶質炭水化物群は、凍結乾燥組成物の全成分のうちの割合として、少なくとも50%の量であるが、より好ましくは少なくとも60%、70%または80%の量、また最も好ましくは少なくとも90%の量で存在すべきである。
【0103】
あるいは、全体的な非晶質構造は、組成物の全成分のうちの割合として、50%よりも低い割合の非晶質炭水化物を用いて、達成することができる。これは、本明細書において以下「結晶性炭水化物」と称する、凍結乾燥の際に結晶性である炭水化物と組み合わせて、非晶質炭水化物を使用する場合に達成することができる。しかしながら、対象の(or interest)生体分子が分散されている何らかの非晶質構造を保持するためのかかる組み合わせについては、典型的には、凍結乾燥プロセスの凍結段階時に、組成物の周期的な加熱および冷却を行うことが必要となる。この周期的な加熱および冷却は、典型的には焼なまし(annealing)と称され、適切な条件で行う場合、混合された結晶質/非晶質のケーク構造の形成をもたらし得る。この場合、典型的には、本発明の組成物中の非晶質炭水化物または非晶質炭水化物群は、組成物の全成分のうちの割合として、少なくとも20%の量で存在することになる。
【0104】
本発明の使用のために特に好ましい炭水化物としては、マルツロース、イソマルツロース、ラクツロースおよびスクロース、マルトース、ラクトース、イソマルトースおよびこれらの糖アルコール、マルチトール、ラクチトール、パラチニット(palatinit)、α-D-グルコピラノシル-マンニトールおよびα-D-グルコピラノシル-ソルビトールの混合物、およびその個々の糖アルコール、糖アルコール類から選択されるポリヒドロキシ化合物の非還元性配糖体、他の直鎖ポリアルコール、トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、ならびにデキストランが挙げられる。
【0105】
好ましい炭水化物は、トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースおよびメレジトースを含む、非還元性の二糖類、三糖類および四糖類である。トレハロースは、特に好ましい。
【0106】
理想的には、最高の安定性のために、炭水化物は、最終的な凍結乾燥製品の最も高い予想される保管温度よりも少なくとも5℃、10℃、15℃、または最も好ましくは20℃高いTg(ガラス転移温度)を有するべきである。いくつかの好ましい炭水化物について、Tgおよび関連するパラメータの報告された値を下に示す。
【0107】
【表4】
【0108】
本明細書において示したように、凍結乾燥した炭水化物の非晶質構造は、二量体形成を抑制する薬剤を、最終的な凍結乾燥製品内に捕捉する。これは、凍結乾燥の際に結晶構造を有する物質と対照的である。これまで、本明細書中に記載した種類の凍結乾燥用途には、結晶性物質、または混合/非晶質物質が好ましいものであった。これは一つには、最終的な凍結乾燥した「ケーク」が、典型的にはより魅力的な外観を有し、より短い、より積極的な乾燥周期を使用することができるためである。
【0109】
したがって、本発明は、遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤、の使用に関し、該使用は、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである。二量体形成を抑制する少なくとも1種の薬剤は、凍結乾燥製品において、少なくとも1種の炭水化物の非晶質構造によって保持され、それにより製品の保管期間全体にわたって、その凍結乾燥製品におけるペプチドまたはペプチド群の二量体化を減少または防止することができる。このようにして、安定な保存可能期間が達成され、該期間は、理想的には、5±3℃、25℃/60%RH、30℃/65%RHまたは40℃/75%RHで、少なくとも1年または少なくとも2年である。
【0110】
上記のことによれば、本発明の好ましい実施態様は、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)チオグリセロール、の使用に関し、該使用は、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである。
【0111】
特に好ましい実施態様において、非還元性炭水化物は、トレハロースまたはスクロースであり、最も好ましくはトレハロースである。
【0112】
どのような特定の仮説にも拘束されることを望まないが、本発明者らは、この実施態様は、凍結乾燥したケークにおけるチオグリセロールの保持が良好であるため、特に有利であると考える。チオグリセロールは、それ自体が典型的な凍結乾燥条件下で凍結してガラスを形成しない、すなわち-80℃もの低い温度で液体のままであるため、これまで凍結乾燥組成物に組み入れるのにはあまり適さないと考えられてきた。しかしながら、本発明においては、チオグリセロールは、何らの抜ける徴候も、凍結乾燥したケークの物理的品質に対する悪影響もなしに、特にトレハロースと組み合わせて、保持することができることを実証している。チオグリセロールの存在は、組成物におけるペプチド二量体の形成を効果的に防止する。
【0113】
再構成した本発明の組成物
本発明に従って製造した凍結乾燥組成物が、溶液中で、典型的には、無菌の、発熱物質を含まない水などの注射に適した水溶液中で、再構成することができることは、理解されるであろう。理想的には、その溶液は、等張性/等浸透圧性(iso-osmolar)となり、それにより非経口注射に適することとなる。
【0114】
典型的には、再構成した組成物は、二量体として存在するペプチドの割合が最小(minimal proportion)となる。すなわち、二量体形成は、効果的に防止されることになる。二量体として存在するペプチドの最小の割合(minimal proportion)によって、最大で5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%または0.01%が溶液中で二量体として存在することが意味される。溶液中で二量体として存在するペプチドの割合は、溶液中での適切な期間の後に二量体として存在する割合になることは理解されるであろう。適切な期間としては、当業者が使用前に溶液中で配列を維持することを合理的に期待し得る時間範囲が挙げられる。例えば、約24時間、約48時間または約72時間である。所与の形態で存在するペプチドの割合は、任意の適切な方法によって評価することができる。
【0115】
典型的には、再構成した組成物は、組成物に含まれるペプチドが由来するタンパク質に対して個体を寛容化または免疫するための医薬製剤となる。したがって、再構成した組成物は、1種以上の薬学的に許容される担体または希釈剤を含んでいてもよく、任意に1種以上の他の治療成分を含んでいてもよい。担体(群)は、製剤の他の成分と適合性があり(具体的には、それらは二量体形成を促進してはならない)、かつその受容者に有害ではないという意味において、「許容される」ものでなければならない。典型的には、注射用の担体および最終的な製剤は、無菌であり、発熱物質を含まない。凍結乾燥組成物中に、さらなる成分が存在していてもよく、再構成中または再構成後にさらなる成分を加えてもよい。したがって、補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH改変物質または緩衝物質、抗酸化剤、キレート剤などが存在していてもよい。一般に、これらの賦形剤、ビヒクルおよび補助物質は、組成物を受ける個体において免疫応答を誘発しない薬剤であり、該薬剤は、過度の毒性なしに投与することができる。薬学的に許容される賦形剤としては、水、生理食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸およびエタノールなどの液体が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸の塩も、その中に含まれていてもよい。薬学的に許容される賦形剤、ビヒクルおよび補助物質の詳細な考察は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co., ニュージャージー州 1991)において入手可能である。
【0116】
本発明の組成物は、有害反応を引き起こすことなく効果的となるように、適切な濃度の各ペプチドを含むことになる。典型的には、寛容化に使用するためには、組成物中の各ペプチドの濃度は、0.03〜500 nmol/mlまたは0.03〜200 nmol/mlの範囲内となる。より好ましくは、0.3〜200 nmol/ml、3〜180 nmol/ml、10〜150 nmol/mlまたは30〜120 nmol/mlの範囲内となる。3〜12 nmol/mlの範囲内が特に好ましい。組成物は、90%もしくは95%もしくは98%よりも大きい純度、または少なくとも99%の純度を有するべきである。典型的には、注射体積は、60 μlまたは120 μlとすることができる。
【0117】
したがって、本発明の分子および/または細胞、ならびに1種以上の他の治療用分子もまた含む組成物を製剤化することができる。あるいは、本発明の組成物は、併用療法の一部として、1種以上の他の治療用組成物と同時に、連続的に、または別々に、使用することができる。
【0118】
典型的には、免疫化における使用については、組成物は、いったん再構成すると1 μg〜10 mgの各ペプチドを投与することができるという表示を提供することとなる。より好ましくは、各ペプチドの量は、3 μg〜5 mg、5 μg〜5 mg、10 μg〜2 mgまたは20 μg〜1 mgの範囲内である。各ペプチドの濃度は、投与経路に依存することになるが、典型的には、皮内、皮下、筋肉内、静脈内、経口、鼻腔内または吸入にて、送達することができる。組成物は、90%もしくは95%もしくは98%よりも大きい純度、または少なくとも99%の純度を有するべきである。
【0119】
治療法および治療する個体
本発明は、個体の免疫系を調整することができる少なくとも1種のペプチドを含む組成物に関する。
【0120】
「調節」は、本発明の組成物の少なくとも1種のペプチドが由来するタンパク質に対して、個体の免疫を感作または誘発することを意味し得る。この場合、典型的には、タンパク質は、腫瘍抗原タンパク質、または肝炎ウイルスおよびヒトパピローマウイルスによって引き起こされる感染症などの感染症に由来する抗原タンパク質である。したがって、本発明の組成物は、癌または感染症の予防または治療に有用である。
【0121】
あるいは、「調節」は、本発明の組成物の少なくとも1種のペプチドが由来するタンパク質に対して、個体を脱感作または寛容化することを意味し得る。この場合、典型的には、タンパク質は、それに対する免疫応答が望ましくないアレルゲンまたは他の抗原である。かかる抗原の例としては、自己免疫疾患と関連する抗原、移植片対宿主病または移植片拒絶(本明細書において同種免疫状態という)と関連する抗原、および母体胎児間免疫応答、例えばRh D(Rhesus D)新生児溶血性疾患と関連する抗原、が挙げられる。したがって、本発明の組成物は、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、同種免疫状態または母体胎児間免疫応答の予防または治療に有用である。
【0122】
本発明は、上記容態の予防または治療に使用するための組成物を提供する。本発明はまた、再構成した本発明の組成物を投与することを含む、上記容態を有する対象の予防方法または治療方法も提供する。本発明の組成物により治療される個体、または該組成物を提供される個体は、ヒトであることが好ましい。
【0123】
脱感作/寛容化が望まれる場合、治療する個体は、特定のアレルゲンまたは抗原に感作されているか、感作される危険性があるか、または感作されている疑いがあること、が知られていてもよいことは理解されるであろう。個体は、当該技術分野で周知の技術および本明細書中で記載した技術を用いて、感作について試験することができる。あるいは、個体は、上述した容態の家族歴を有するものであってもよい。個体を適切なアレルゲンの源の近傍に連れてくると、個体はアレルギー症状を示し得るため、アレルゲンに対する感作について個体を試験することは必要ではないかもしれない。近接によって、該源から10メートル以下、5メートル以下、2メートル以下、1メートル以下または0メートルが意味される。アレルギー症状としては、目のかゆみ、鼻水、呼吸困難、赤い皮膚のかゆみまたは発疹を挙げることができる。アレルギー性疾患を治療する個体は、少なくとも2週間、1箇月間、6箇月間、1年間または5年間、アレルギーを有していたものであってもよい。個体は、アレルギーによって引き起こされる発疹、鼻づまり、鼻汁および/または咳嗽で苦しんでいてもよい。個体は、アレルギーを治療する他の組成物/化合物を投与されていたものであってもよく、投与されていなかったものであってもよい。
【0124】
一般に、治療する個体は、どのような年齢のものであってもよい。しかしながら、個体は、好ましくは、1〜90歳、5〜60歳、10〜40歳、またはより好ましくは18〜35歳の年齢群に入っていてもよい。治療する個体は、白人集団を代表する頻度の範囲内のMHCアレル頻度を有する集団に由来していることが好ましい。11個の一般的なDRB1アレルファミリーの基準集団のアレル頻度を下に示す。
【0125】
【表5】
【0126】
基準頻度は、頻度を報告する複数の研究の解析によって得られたものであり、示した数値は、平均値である。したがって、治療する個体は、上の表で言及したアレル(少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、またはすべてのアレルなど)について基準集団と同等のMHCアレル頻度を、例えばそれらの数値プラスまたはマイナス1%、2%、3%、5%、10%、15%または20%の範囲内で有する集団に由来することが好ましい。
【0127】
個体は、次のDRB1アレルのアレル頻度が、
4:少なくとも9%
7:少なくとも10%
11:少なくとも8%
である集団に由来することが好ましい。
【0128】
本発明は、上述した本発明の組成物の複数回投与を受ける必要があり得る個体に使用するのに特に適している。本発明のペプチドよりも二量体形成を起こしやすいペプチドは、複数回投与を受ける個体において有害反応を誘導する可能性がより高い。単量体のペプチドは、典型的には二量体のペプチドよりも起炎性が少ないため、本発明はまた、ペプチドを含む治療薬(treatment)に対する有害な炎症反応を特徴とする容態を有するか、または該容態の危険性がある個体への投与にも特に適している。ペプチドを含む治療薬に対する有害な炎症反応は、ペプチドを含む治療薬の投与後に、上に明示したアレルギー症状のいずれかを発症した結果として診断されたものであってもよい。個体は、任意の適切な医療上の理由、例えば同様の反応の家族歴、複数のアレルギー反応の個人的病歴、または一般的なアレルゲンに対する強い陽性の皮膚プリック反応もしくは皮膚パッチ反応のために、かかる反応の危険性があると考えられるものであってもよい。
【0129】
以下の実施例により本発明を説明する。
【実施例】
【0130】
以下の実施例および比較例は、種々の保管条件下での種々の組成物の性能を示す。この種々の組成物はそれぞれ、配列番号1〜4の配列からなるペプチド(ペプチドMLA01、MLA04、MLA05およびMLA12)、ならびに3種のさらなるペプチドMLA03(EQVAQYKALPVVLENA(配列番号84))、MLA07(KENALSLLDKIYTSPL(配列番号85))およびMLA14(SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号86))を含む。
【0131】
どの場合においても、組成物を溶液中で調製してから、凍結乾燥に付した。凍結乾燥条件はそれぞれの組成物に応じて選択したものであり、典型的な凍結乾燥周期を各組成物について示している。凍結乾燥プロセス中のペプチドの分解を、該プロセスの前および後の溶液試料におけるペプチド分解のレベルを比較することによって、測定した。試験した組成物はすべて、凍結乾燥プロセス中に、ペプチドのごくわずかな分解しか受けていなかった(データは示していない)。
【0132】
凍結乾燥後に、各組成物の試料を、種々の異なる条件(-80℃/65%RH、5℃/65%RH、25℃/65%RH、40℃/75%RH)(RH:相対湿度)で、最大で28週間まで保管した。諸間隔で試料を再構成し、ペプチド分解のレベルを新たに調製したMLA07の基準溶液のペプチド分解のレベルと比較することによって、最終的な凍結乾燥製品の保管中の分解をモニターした。
【0133】
試験した各組成物において、唯一の揮発性成分は、チオグリセロールである。したがって、チオグリセロールの保持は、保管バイアルの壁上の凝結物の存在または非存在を観察することによって、判定される。
【0134】
実施例1 トレハロース製剤
【0135】
【表6】
【0136】
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(250:46:5)
【0137】
特性
Tg '=-31.9℃
Tg=83〜87℃(最初の実施)
残留水分=測定せず(nd)
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム(diffractogram):完全に非晶質
【0138】
チオグリセロールの保持は、優れている。すべての保管条件について、バイアル壁上に凝結物は見られない。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に固定されている。
【0139】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図17〜19に示すように優れている。試験した最も極端な条件(40℃/75%RH)については別として、約8週間後に有意なペプチド分解は認められなかった。
【0140】
実施例2 「非晶質」二成分混合物シリーズ
【0141】
【表7】
【0142】
2A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
トレハロース/グリシン/チオグリセロール/メチオニン(165:95:46:5)
【0143】
特性
Tg '=-36.7℃
Tg=62.5℃
残留水分=0.61w/v%
ケーク構造:完全に非晶質
【0144】
チオグリセロールの保持は、優れている。すべての保管条件について、バイアル壁上に凝結物は見られない。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に固定されている。
【0145】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図20〜23に示すように優れている。ペプチド含量の継続的な減少が認められた試験した最も極端な条件(40℃/75%RH)については別として、有意なペプチド分解は認められなかった。
【0146】
2B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
スクロース/グリシン/チオグリセロール/メチオニン(182:78:46:5)
【0147】
特性
Tg '=-37.8℃
Tg=38.6℃
残留水分=0.56w/v%
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム:完全に非晶質
【0148】
チオグリセロールの保持は、実施例2Aほど良好ではなく、25℃/65%RHで保管したバイアル壁上には凝結物が見られる。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に完全には固定されていない。
【0149】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図24〜27に示すように良好である。有意なペプチド分解は、試験した最も極端な条件25℃/65%RH(特に5週間後に明確な減少を示した)および40℃/75%RH(非常に低いペプチド安定性を示した)で認められるに過ぎなかった。
【0150】
2C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
トレハロース/マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(160:100:46:5)
【0151】
特性
Tg '=-36.6℃
Tg=51.6℃
残留水分=0.42w/v%
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム:完全に非晶質
【0152】
チオグリセロールの保持は、実施例2Aほど良好ではなく、25℃/65%RHで保管したバイアル壁上には凝結物が見られる。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に完全には固定されていない。
【0153】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図28〜31に示すように良好である。ペプチド含量の継続的な減少が認められた試験した最も極端な条件(40℃/75%RH)については別として、有意なペプチド分解は認められなかった。25℃/65%RHでの安定性は、実施例2Aほどは良好ではないが、良好であった。
【0154】
2D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
スクロース/マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(150:110:46:5)
【0155】
特性
Tg '=-38.7℃
Tg=測定せず(nd)(<25℃)
残留水分=0.34w/v%
広角X線散乱(WAXS)ディフラクトグラム:完全に非晶質
【0156】
チオグリセロールの保持は、実施例2Aほど良好ではなく、25℃/65%RHで保管したバイアル壁上には凝結物が見られる。明らかに、チオグリセロールは、非晶質ケーク内に完全には固定されていない。
【0157】
ケーク外観は、ひび割れしており、そのため審美的に満足のいくものではないが、保管安定性は、図32〜35に示すように、他の製剤ほど良好ではない。ペプチド分解は、25℃/65%RH(不十分な安定性)および40℃/75%RH(非常に不十分な安定性)で認められただけであった。
【0158】
比較例1 マンニトールシリーズ
【0159】
【表8】
【0160】
C1A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール(265:14)
【0161】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=0.75w/v%
ケーク構造:結晶性
【0162】
チオグリセロールの保持は、不十分である。すべての保管条件について、凝結物がバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0163】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図1〜4に示すように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。この保管条件は、医薬製品について、商業的に実行可能でありそうにない。
【0164】
C1B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール(265:46)
【0165】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=0.33w/v%
ケーク構造:結晶性
【0166】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、C1Aと同様の程度にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、より高い濃度で存在している場合であっても、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0167】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図5〜8に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0168】
C1C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(265:14:5)
【0169】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=1.04w/v%
ケーク構造:結晶性
【0170】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、C1Aと同様の程度にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、メチオニンの存在下で、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0171】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図9〜12に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。メチオニンは、この組成物の性質を向上させていない。
【0172】
C1D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/チオグリセロール/メチオニン(265:46:5)
【0173】
特性
Tg '=なし
Tg=なし
残留水分=0.61w/v%
ケーク構造:結晶性
【0174】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、C1Aと同様の程度にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、より高い濃度で存在する場合かつメチオニンの存在下であっても、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0175】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図13〜16に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。メチオニンは、この組成物の性質を向上させていない。
【0176】
比較例2 「結晶性」二成分混合物トレハロースシリーズ
【0177】
【表9】
【0178】
C2A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(245:10:46:5)
【0179】
特性
Tg '=-58.3℃
Tg=70〜73℃
Tm=約160℃
残留水分=0.11w/v%
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0180】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、25℃および40℃で、6週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0181】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図36〜39に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0182】
C2B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(235:20:46:5)
【0183】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0184】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、トレハロースの濃度がより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0185】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図40〜43に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0186】
C2C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン(225:30:46:5)
【0187】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0188】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、トレハロースの濃度がさらにより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0189】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図44〜47に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0190】
C2D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(245:10:46:5:0.5)
【0191】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0192】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図48〜51に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0193】
C2E
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(235:20:46:5:0.5)
【0194】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0195】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図52〜55に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0196】
C2F
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/トレハロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(225:30:46:5:0.5)
【0197】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0198】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、トレハロースの濃度が高く、かつEDTAの存在下でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0199】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図56〜59に示したように不十分である。最も有利な条件(-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。増大した濃度のEDTAの添加は、この組成物の性質に有意には影響しない。
【0200】
比較例3 「結晶性」二成分混合物スクロースシリーズ
【0201】
【表10】
【0202】
C3A
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン(250:10:46:5)
【0203】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0204】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0205】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図60〜63に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0206】
C3B
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン(235:20:46:5)
【0207】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0208】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、バイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度がより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0209】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図64〜67に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0210】
C3C
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン(225:30:46:5)
【0211】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0212】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度がさらにより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0213】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図68〜71に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0214】
C3D
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(245:10:46:5:0.5)
【0215】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0216】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度がさらにより高い時でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0217】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図72〜75に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。
【0218】
C3E
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(235:20:46:5:0.5)
【0219】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0220】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0221】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図76〜79に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0222】
C3F
非ペプチド成分(括弧内の値はmM単位の濃度を示す)
マンニトール/スクロース/チオグリセロール/メチオニン/EDTA(225:30:46:5:0.5)
【0223】
特性
Tg '=測定せず(nd)
Tg=測定せず(nd)
Tm=測定せず(nd)
残留水分=測定せず(nd)
ケーク構造:結晶性(完全にではない)
【0224】
チオグリセロールの保持は、不十分である。凝結物は、特に25℃および40℃で、5週間後にバイアル壁上に見られる。明らかに、チオグリセロールは、スクロースの濃度が高く、かつEDTAの存在下でさえも、結晶性ケーク内に固定されていない。
【0225】
ケーク外観は、良好であり、そのため審美的に満足のいくものであるが、保管安定性は、図80〜83に示したように不十分である。2つの最も有利な条件(5℃および-80℃)は別として、すべての条件で有意なペプチド分解が認められた。EDTAの添加は、この組成物の性質に影響しない。
【0226】
実施例4
【0227】
実施例1の知見に基づく製剤を、長期安定性について、さらに試験した。以下の製剤(チオグリセロール「高」と称する)を、30℃/65%RHで最大で1年間保管した。
【0228】
【表11】
【0229】
濃度は、液体状態にあるとき、すなわち凍結乾燥前および再構成後、の組成物について、示している。別の製剤(チオグリセロール「低」)を同じ条件下で試験した。該製剤は、チオグリセロールが46 mMではなく14 mMで存在すること以外は同一であった。図84に示した間隔で、ペプチドの分解をモニターした。これらの結果は、両方の製剤が、試験期間全体にわたって、優れたペプチド安定性を達成したことを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)チオグリセロール、の使用であって、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである、使用。
【請求項2】
非還元性炭水化物がトレハロースである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
非還元性炭水化物が最終的な凍結乾燥組成物の全成分のうちの割合として少なくとも50%として存在し、かつ凍結前にチオグリセロールが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む、組成物のペプチド成分の濃度と、少なくとも同等のモル濃度で存在する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項4】
該少なくとも1種のペプチドが、寛容化または免疫化に使用するためのものであり、8〜30アミノ酸長のものであり、
a)少なくとも1つのシステイン残基;および
b)少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域
を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
エピトープが、
a)植物アレルゲン(特にイネ科植物アレルゲン)、動物鱗屑アレルゲン、カビアレルゲンもしくは真菌アレルゲン、粉塵アレルゲン、抗生物質もしくは他の薬物、刺咬昆虫毒、環境アレルゲンまたは食物アレルゲンから選択されるアレルゲン;あるいは
b)急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、妊娠性類天疱瘡、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎、天疱瘡、悪性貧血、イヌの多発性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても公知)、温式自己免疫性溶血性貧血またはヴェゲナー肉芽腫症と関連する主要抗原から選択される抗原
に由来する、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
エピトープが、ネコ鱗屑タンパク質Fel d1;チリダニタンパク質Der p 1、Der p 2、Der p 7、Der p 3〜15、Der p 18、Der p 20、Der p 21およびDer p 23、Der f 1、Der f 2、Der f 7、Der f 10、Der f 11〜18およびDer f 20〜22;ブタクサタンパク質amb a 1、amb a 2、amb a 3、amb a 5、amb a 6、amb a 7、amb a 8、amb a 9、およびamb a 1.1、amb a 1.2、amb a1.3またはamb a1.4を含むこれらのアイソフォーム;ドクムギタンパク質lol p1およびlol p5;オオアワガエリタンパク質phl p1およびphl p5;ギョウギシバタンパク質Cyn d 5;アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)タンパク質Alt a 1、Alt a 2、Alt a 3〜Alt a 10、Alt a 12、Alt a 13およびエノラーゼ(Alt a 6)、Cla h 1、Cla h 2、Cla h 5〜10、Cla h 12、Cla h GST、Cla h HCh1、Cla h HSP70、Cla h NTF2、Cla h TCTP;カバノキタンパク質Bet v1、Bet v2、Bet v3、Bet v4、Bet v6、Bet v7、Bet v8およびP14;チャバネゴキブリタンパク質Bla g 1、Bla g 2、Bla g 3、Bla g 4、Bla g 5およびBla g 6、Bla g 7、Bla g 8、Bla g 9、Bla g GSTD1、Bla g トリプシン;ヨモギタンパク質Art v 1;ロシアアザミタンパク質Sal k 1、Sal k 2およびSal k 8;ピーナッツAra h1、Ara h2、Ara h3、Ara h4、Ara h5、Ara h6、植物プロフィリンもしくは脂質輸送タンパク質、またはヒト白血球抗原、に由来している、請求項4に記載の使用。
【請求項7】
該少なくとも1種のペプチドが、配列番号1〜58のいずれかの配列を含むか、または該配列からなる、請求項4に記載の使用。
【請求項8】
組成物が配列番号1〜4のペプチドを含む、請求項4に記載の使用。
【請求項9】
組成物が、配列番号84〜86のペプチドをさらに含み、任意にさらなるペプチドを含まない、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
a)(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)チオグリセロールおよび(iii)少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること;ならびに
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること
を含む、少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物の製造方法。
【請求項11】
a)非還元性炭水化物が最終的な凍結乾燥組成物の全成分の割合として少なくとも50%として存在し、かつ凍結乾燥前にチオグリセロールが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む、組成物のペプチド成分の濃度と、少なくとも同等のモル濃度で存在するように、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)チオグリセロールおよび(iii)少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること
を含み、生じる凍結乾燥組成物が、2〜8℃の温度で保管する場合、少なくとも2年間安定である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(c)工程(b)の凍結乾燥組成物を溶液中で再構成すること、をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
a)非還元性炭水化物が最終的な凍結乾燥組成物の全成分のうちの割合として少なくとも50%として存在し、かつ凍結乾燥前にチオグリセロールが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む、組成物のペプチド成分の濃度と、少なくとも同等のモル濃度で存在するように、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)チオグリセロールおよび(iii)少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること、ならびに
c)工程(b)の凍結乾燥組成物を溶液中で再構成すること
を含む、少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物の再構成方法であって、工程(b)の凍結乾燥組成物が、2〜8℃の温度で保管する場合、少なくとも2年間安定である、方法。
【請求項14】
非還元性炭水化物がトレハロースである、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
寛容化または免疫化のための少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物であって、さらにチオグリセロール、およびトレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物を含む、組成物。
【請求項16】
非還元性炭水化物がトレハロースである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種のペプチドが、配列番号1〜58のいずれかの配列を含むか、または該配列からなる、請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
配列番号1〜4のペプチドを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
配列番号84〜86のペプチドをさらに含み、任意にさらなるペプチドを含まない、請求項18に記載の組成物。
【請求項1】
少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む少なくとも1種のペプチドを含む凍結乾燥組成物における、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物および(ii)チオグリセロール、の使用であって、前記組成物における前記少なくとも1種のペプチドの二量体化を防止または減少するためのものである、使用。
【請求項2】
非還元性炭水化物がトレハロースである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
非還元性炭水化物が最終的な凍結乾燥組成物の全成分のうちの割合として少なくとも50%として存在し、かつ凍結前にチオグリセロールが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む、組成物のペプチド成分の濃度と、少なくとも同等のモル濃度で存在する、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項4】
該少なくとも1種のペプチドが、寛容化または免疫化に使用するためのものであり、8〜30アミノ酸長のものであり、
a)少なくとも1つのシステイン残基;および
b)少なくとも1つのT細胞エピトープを含む領域
を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
エピトープが、
a)植物アレルゲン(特にイネ科植物アレルゲン)、動物鱗屑アレルゲン、カビアレルゲンもしくは真菌アレルゲン、粉塵アレルゲン、抗生物質もしくは他の薬物、刺咬昆虫毒、環境アレルゲンまたは食物アレルゲンから選択されるアレルゲン;あるいは
b)急性播種性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、妊娠性類天疱瘡、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ナルコレプシー、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オード甲状腺炎、天疱瘡、悪性貧血、イヌの多発性関節炎、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」としても公知)、温式自己免疫性溶血性貧血またはヴェゲナー肉芽腫症と関連する主要抗原から選択される抗原
に由来する、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
エピトープが、ネコ鱗屑タンパク質Fel d1;チリダニタンパク質Der p 1、Der p 2、Der p 7、Der p 3〜15、Der p 18、Der p 20、Der p 21およびDer p 23、Der f 1、Der f 2、Der f 7、Der f 10、Der f 11〜18およびDer f 20〜22;ブタクサタンパク質amb a 1、amb a 2、amb a 3、amb a 5、amb a 6、amb a 7、amb a 8、amb a 9、およびamb a 1.1、amb a 1.2、amb a1.3またはamb a1.4を含むこれらのアイソフォーム;ドクムギタンパク質lol p1およびlol p5;オオアワガエリタンパク質phl p1およびphl p5;ギョウギシバタンパク質Cyn d 5;アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)タンパク質Alt a 1、Alt a 2、Alt a 3〜Alt a 10、Alt a 12、Alt a 13およびエノラーゼ(Alt a 6)、Cla h 1、Cla h 2、Cla h 5〜10、Cla h 12、Cla h GST、Cla h HCh1、Cla h HSP70、Cla h NTF2、Cla h TCTP;カバノキタンパク質Bet v1、Bet v2、Bet v3、Bet v4、Bet v6、Bet v7、Bet v8およびP14;チャバネゴキブリタンパク質Bla g 1、Bla g 2、Bla g 3、Bla g 4、Bla g 5およびBla g 6、Bla g 7、Bla g 8、Bla g 9、Bla g GSTD1、Bla g トリプシン;ヨモギタンパク質Art v 1;ロシアアザミタンパク質Sal k 1、Sal k 2およびSal k 8;ピーナッツAra h1、Ara h2、Ara h3、Ara h4、Ara h5、Ara h6、植物プロフィリンもしくは脂質輸送タンパク質、またはヒト白血球抗原、に由来している、請求項4に記載の使用。
【請求項7】
該少なくとも1種のペプチドが、配列番号1〜58のいずれかの配列を含むか、または該配列からなる、請求項4に記載の使用。
【請求項8】
組成物が配列番号1〜4のペプチドを含む、請求項4に記載の使用。
【請求項9】
組成物が、配列番号84〜86のペプチドをさらに含み、任意にさらなるペプチドを含まない、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
a)(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)チオグリセロールおよび(iii)少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること;ならびに
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること
を含む、少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物の製造方法。
【請求項11】
a)非還元性炭水化物が最終的な凍結乾燥組成物の全成分の割合として少なくとも50%として存在し、かつ凍結乾燥前にチオグリセロールが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む、組成物のペプチド成分の濃度と、少なくとも同等のモル濃度で存在するように、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)チオグリセロールおよび(iii)少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること
を含み、生じる凍結乾燥組成物が、2〜8℃の温度で保管する場合、少なくとも2年間安定である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(c)工程(b)の凍結乾燥組成物を溶液中で再構成すること、をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
a)非還元性炭水化物が最終的な凍結乾燥組成物の全成分のうちの割合として少なくとも50%として存在し、かつ凍結乾燥前にチオグリセロールが、少なくとも1つの遊離したシステイン残基を含む、組成物のペプチド成分の濃度と、少なくとも同等のモル濃度で存在するように、(i)トレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物、(ii)チオグリセロールおよび(iii)少なくとも1種のペプチド、を溶液中に含む組成物を調製すること
b)工程(a)によって生じる組成物を凍結乾燥すること、ならびに
c)工程(b)の凍結乾燥組成物を溶液中で再構成すること
を含む、少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物の再構成方法であって、工程(b)の凍結乾燥組成物が、2〜8℃の温度で保管する場合、少なくとも2年間安定である、方法。
【請求項14】
非還元性炭水化物がトレハロースである、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
寛容化または免疫化のための少なくとも1種のペプチドを含む安定な凍結乾燥組成物であって、さらにチオグリセロール、およびトレハロース、スクロース、ラフィノース、スタキオースまたはメレジトースから選択される少なくとも1種の非還元性炭水化物を含む、組成物。
【請求項16】
非還元性炭水化物がトレハロースである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種のペプチドが、配列番号1〜58のいずれかの配列を含むか、または該配列からなる、請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
配列番号1〜4のペプチドを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
配列番号84〜86のペプチドをさらに含み、任意にさらなるペプチドを含まない、請求項18に記載の組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
【図82】
【図83】
【図84】
【公表番号】特表2012−510457(P2012−510457A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538050(P2011−538050)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002767
【国際公開番号】WO2010/061193
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(509330965)サーカッシア リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002767
【国際公開番号】WO2010/061193
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(509330965)サーカッシア リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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