説明

互い違いの内腔を有するカテーテルおよび方法

【課題】ハブにおける内腔交差漏れに対するカテーテルの耐性を高める、複数内腔カテーテルを提供する。
【解決手段】複数内腔カテーテル・チューブは、長手方向軸、端部、第1の内腔、および第2の内腔を含むことができる。第1の内腔および第2の内腔は、長手方向軸に沿ってカテーテル・チューブを通って延び、各々が開口部を有する。第1の内腔の開口部がカテーテル・チューブの端部と軸方向に離間配置されるように、カテーテル・チューブの端部および内腔の開口部をハブ内に配置することができる。流体を別個に内腔に移送するために、第1の延長脚部は第1の内腔につなげられ、第2の延長脚部は第2の内腔につなげられることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈アクセス・カテーテルに関する。より具体的には、本発明は、ハブにおける内腔交差漏れ(cross-lumen leakage)に対する耐性を向上させるための複数内腔カテーテル(multiple lumen catheter)と、ハブにおける内腔交差漏れに対する耐性を向上させるカテーテルを製造する方法に関する。例えば、本発明による複数内腔カテーテルは、末梢穿刺中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter、PICC)としても、または当技術分野において周知であるいずれかの他のタイプの複数内腔カテーテルとしてもよい。
【背景技術】
【0002】
PICCは、静脈内輸液の高圧移送のために用いられ得るカテーテルの1つのタイプである。以前から、PICCは、静脈内輸液および薬剤の低圧移送のために用いられてきた。最近になって、診断用コンピュータ断層撮影法(CT)処置および他のX線写真撮影処置の際、造影剤の投与のためにPICCを使用することが望ましくなってきた。
【0003】
PICCは、患者の腕のような末梢の場所に挿入され得るカテーテルであり、上大静脈においてPICCの先端部が心臓より上に位置している。PICCは、長期間にわたる血管アクセス用であり、一週間から一年間までの範囲の期間、患者の体内に配置された状態で留まるように設計され得る。当然のことながら、PICCが患者の体内に留まる期間は、PICCを通して患者に投与される医薬の処方計画によって決まる。PICCは、患者の体内で長期間使用するように設計されるので、PICCは、薬物の投与のための便利で快適な手段を提供し、様々な医療設定において用いられることが可能である。例えば、PICCは、薬物および流体の持続注入を必要とする、長期治療を受けているがん患者、またはリスクの高い妊娠中の患者に用いられ得る。
【0004】
PICCは、典型的には、約26ゲージ・サイズから約16ゲージ・サイズまでの範囲に及ぶ。流体移送速度は、26ゲージのPICCについての1時間当たり約26〜30立方センチメートル(cc)から、16ゲージのPICCについての1時間当たり1000cc以上までの範囲に及ぶ。典型的には、これらの速度でPICCを通して流体を投与するために、低圧が用いられる。これに比べて、CT処置は、通常、1秒当たり約4ccから5ccまでの注入速度を有する。さらに、CT処置においては、より濃く、より粘性の高い流体が用いられる。したがって、CT処置において必要とされる圧力は、ずっと高圧である。
【0005】
現在利用可能なPICCの大部分は、1平方インチ当たり100ポンド(psi)よりも低い圧力でしか安全に機能することができず、よって、圧力が300psiに達し、これを超える高圧用途の要求を満たすことはできない。したがって、低圧用PICCが用いられた場合には、医師は、短いIV型針、または高圧に耐えるように設計されたカテーテルを用いて、別の場所で患者の静脈にアクセスしなければならない。しかしながら、挿入されたPICCをつけている患者は、多くの場合、極めて重篤であり、別の場所で静脈にアクセスするのは困難であり得る。より具体的には、長期にわたって静脈にアクセスすると、損傷および瘢痕組織のために静脈にアクセスできなくなることがある。
【0006】
これらの低圧用PICCに加えて、高圧用PICCが開発された。しかしながら、これらの現在利用可能な高圧用PICCは高圧で使用されるとき、PICCにより内腔交差漏れが生じることがある。複数内腔カテーテルを通して患者に同時に投与されるいくつかの薬物は、混合された場合に沈殿物を形成することがあるため、このことは重大な問題になり得る。沈殿物は、PICCを部分的にまたは完全に遮断することがあり、その結果、患者に投与される薬物の量が分からなくなる。あるいは、いくつかの薬物は、血流を通して分散される前に混合された場合、患者に対して極めて有毒かつ有害であり得る。
【0007】
さらに、高圧用PICCは、製造に費用がかかる。例えば、現在利用可能な高圧用PICCは、カテーテル・チューブの端部に挿入されるチタニウム製ハブまたは鋼製ハブを用いることができる。次に、射出成形プロセスにおいて、金属製ハブおよびカテーテル・チューブの端部の上にプラスチックが成形され得る。
【0008】
金属製ハブは、いくつかの欠点を有する。金属製ハブは、比較的厳しい公差で機械加工されなければならず、金属自体が投与される薬物に反応することがあり、そのことが該金属性ハブの有用性を制限することがある。さらに、金属製ハブは、カテーテルのプラスチック部分から切り離して廃棄されることが必要であるため、カテーテルの廃棄を複雑にする。
【0009】
従来技術の別の欠点は、金属製ハブとカテーテル・チューブとの接合部分において、カテーテルが依然として内腔交差漏れを生じさせ得ることである。これは、金属製ハブの取り付けによってカテーテル・チューブの各々の内腔の中に誘起される半径方向の応力のためである。さらに、全体がプラスチック製の低圧用PICCは、40psiのような低圧で、内腔交差漏れに苦しむことがある。
【0010】
当技術分野において周知の低圧用PICCは、複数内腔カテーテル・チューブを所定のサイズに切り取り、マンドレルをカテーテルの内腔の各々に挿入し、マンドレルおよび複数内腔カテーテル・チューブの端部の上にハブを成形することによって、形成されることが可能である。最後に、マンドレルが、ハブおよび該ハブに取り付けられた延長脚部から除去され、カテーテルを完成させる。この種のカテーテルの欠点は、複数内腔カテーテル・チューブが同一平面で切断されるので、マンドレルは、複数内腔カテーテル・チューブの端部に並んで位置付けられ、そのことにより、複数内腔カテーテル・チューブの内壁に応力がかかり、内壁を伸張させることがある点である。こうした複数内腔カテーテル・チューブの内壁の応力および伸張は、40psiのような比較的低圧下でさえ、内腔交差漏れをもたらすことがある。
【0011】
複数内腔カテーテルの性能に影響を与え得る別の欠点は、製造プロセスの際にカテーテルの内腔内にプラスチック製フラップが形成されることである。ハブが複数内腔カテーテル・チューブの端部の上に成形されるとき、成形プロセスによりマンドレルが広がり、小さいプラスチック製フィンガが内腔に流れ込むことが可能になる。これらのプラスチック製フィンガは十分に冷却されているため、多くの場合、複数内腔カテーテル・チューブに完全に付着しない。したがって、これらのプラスチック製フィンガは、カテーテルの内腔を通る液体の流れを潜在的に減少させ得るフラップとして働くことがあり、または、取り除かれた状態になり、潜在的に患者の体内に流れ込む恐れがある。
【0012】
したがって、使用済みカテーテルの廃棄および再使用を容易にするために、全体がプラスチックで作製され得るカテーテルに対する必要性がある。複数内腔カテーテル・チューブにおける半径方向の応力を最小にし、内腔交差漏れに対するカテーテルの耐性を向上させるハブに対する必要性がある。さらに、カテーテルの内腔内へのフラップの形成を阻止するようにする、カテーテルを製造する方法に対する必要性もある。
【発明の開示】
【0013】
本発明の装置は、現在の最新技術に応えて、特に、現在利用可能なカテーテル、より特定的にはPICCによってまだ完全に解決されていない当技術分野における問題および必要性に応えて、開発されてきた。したがって、本発明は、ハブにおける内腔交差漏れに対するカテーテルの耐性を高める、液体の高圧投与に用いるための複数内腔カテーテルを提供するものである。
【0014】
好ましい実施形態において本明細書に具体化され、大まかに説明されたような本発明によると、全体がプラスチックで作製され得る、高圧用途に用いるための複数内腔カテーテルが提供される。1つの実施形態によると、カテーテルは、ハブのような内腔交差漏れを防止するための手段と、長手方向軸、第1の内腔、および第2の内腔を含むカテーテル・チューブとを含む。カテーテル・チューブの第1の内腔および第2の内腔は、カテーテル・チューブの中心線とすることができる長手方向軸に沿って、カテーテル・チューブを通って延びる。
【0015】
第1の内腔および第2の内腔は、各々が互いから軸方向に離間配置された開口部を有する。したがって、複数内腔カテーテル・チューブの内腔が長手方向軸に沿って位置合わせされたとき、第1の内腔の開口部は、第2の内腔の開口部から軸方向に離間配置される。
言い換えれば、内腔の開口部は、長手方向軸に沿って互い違いにされる。第1の内腔の開口部と第2の内腔の開口部を離間配置することによって、ハブを付ける際にカテーテル・チューブ内に誘起される半径方向の応力が低減される。いくつかの構成においては、第1の内腔の開口部および第2の内腔の開口部がハブ内に配置されるように、カテーテルのハブがカテーテル・チューブに付けられることが可能である。いくつかの構成においては、カテーテル・チューブの端部がハブ内に配置され得る。
【0016】
カテーテル・チューブの端部がハブ内に配置される場合、第2の内腔の開口部はカテーテル・チューブの端部に配置される。ハブ内で第1の内腔の開口部を第2の内腔の開口部から軸方向に離間配置するために、第1の内腔の開口部は、第1の内腔の外壁の部分の切り取り部として形成されることが可能である。切り取り部は、第1の内腔の開口部を第2の内腔の開口部から軸方向に離間配置させるように、カテーテル・チューブの端部から延びることができる。代替的に、第1の内腔の開口部は、カテーテル・チューブの端部から離間された、第1の内腔の外壁の孔とすることができる。外壁は第1の内腔および第2の内腔を囲むことができ、内壁は第1の内腔を第2の内腔から分離することができる。
【0017】
外壁の部分が、第1の内腔および第2の内腔を分離する内壁から延びる、ある高さを有する側壁を形成するように、第1の内腔の外壁に配置された切り取り部を形成することができる。いくつかの構成においては、側壁の高さは、内壁の切断長さの約半分以下にすることができる。代替的に、側壁の高さは、第1の内腔を囲む外壁の部分の長さとしてもよく、または、側壁が内壁と同一平面上にあり、かつ、内壁を超えて延びないように、側壁の高さがゼロである。別の構成においては、内壁および外壁の部分を除去して、第1の内腔の開口部を第2の内腔の開口部から軸方向に離間配置することができる。
【0018】
カテーテルはまた、ハブに付けられた第1の延長脚部と第2の延長脚部とを含むことができる。第1の延長脚部は、第1の内腔の開口部への流体移送のために第1の内腔につなげられ得る。同様に、第2の延長脚部は、第2の内腔の開口部への流体移送のために第2の内腔につなげられ得る。第1の延長脚部および第2の延長脚部の両方は、ルアー取り付け具で終端することができる。
【0019】
カテーテル・チューブはまた、ハブ内に配置された湾曲部を含むこともできる。第1の内腔の開口部および第2の内腔の開口部は、湾曲部の両側に配置され得る。湾曲部は、第1の延長脚部および第2の延長脚部が互いに対してある角度をなしてハブから延びることを可能にする。その角度は、約10度から約20度までの範囲に及ぶことが好ましいが、約5度から約90度までの範囲に及ぶことも可能である。
【0020】
本発明のカテーテルは、複数内腔カテーテル・チューブを得るステップと、カテーテル・チューブを切って、第2の内腔の開口部と軸方向に離間配置された第1の内腔の開口部を形成するステップと、第1の内腔の開口部および第2の内腔の開口部がハブ内に配置されるように、ハブをカテーテル・チューブに付けるステップとを通じて作製されることが可能である。方法はまた、第1の内腔の開口部および第2の内腔の開口部が湾曲部の両側に配置されるようにカテーテル・チューブを湾曲させるステップと、湾曲部をハブ内に配置するステップとを含むこともできる。さらに、方法は、第1のマンドレルが第1の内腔を塞ぎ、第2のマンドレルが第2の内腔を塞ぐように、第1のマンドレルを第1の内腔の開口部に挿入するステップと、第2のマンドレルを第2の内腔の開口部に挿入するステップとを含むことができる。
【0021】
方法はまた、第1のマンドレルを第1の内腔から除去するステップと、第2のマンドレルを第2の内腔から除去するステップとを含むこともできる。第1のマンドレルは隆起した接触面を含むことができるので、第1のマンドレルが第1の内腔の開口部に挿入されたとき、隆起した接触面がカテーテル・チューブの内壁に当接する。隆起した接触面は、射出成形プロセス中に溶融プラスチックが冷却して内壁とマンドレルとの間で薄いプラスチック製フラップになるのを防止するための停止部として働く。フラップが形成された場合、それはカテーテルの使用を妨げ、第1の内腔を通る流体の流れを遮断し得る。さらに、射出成形プロセスの際、カテーテル・チューブの湾曲部を、隆起した接触面に近接して位置付けることができる。第1のマンドレルはまた、隆起した接触面に近接して位置付けることができる湾曲部を含むこともできる。
【0022】
さらに、方法は、第1の内腔の開口部への流体移送のために、第1の延長脚部が第1の内腔につなげられるように、第1の延長脚部をハブに付けるステップと、第2の内腔の開口部への流体移送のために、第2の延長脚部が第2の内腔につなげられるように、第2の延長脚部をハブに付けるステップとを含むことができる。
【0023】
本発明のこれらのおよび他の特徴および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになろう、あるいは、以下に述べられるような本発明の実施によって学ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるカテーテルの斜視図である。
【図2】図1の線2−2に沿った、カテーテルの断面図である。
【図3A】ハブに付けるための、本発明に従った異なる方法で切り取られた複数内腔カテーテル・チューブの端部の斜視図である。
【図3B】ハブに付けるための、本発明に従った異なる方法で切り取られた複数内腔カテーテル・チューブの端部の斜視図である。
【図3C】ハブに付けるための、本発明に従った異なる方法で切り取られた複数内腔カテーテル・チューブの端部の斜視図である。
【図3D】ハブに付けるための、本発明に従った異なる方法で切り取られた複数内腔カテーテル・チューブの端部の斜視図である。
【図4】複数内腔カテーテル・チューブの端部、およびハブの成形に備えて位置付けられたマンドレルの斜視図である。
【図5】複数内腔カテーテル・チューブおよびマンドレルの、図4の線5−5に沿った断面図である。
【図6】本発明による別のカテーテルの平面図である。
【図7】本発明による代替的なカテーテルの平面図である。
【図8】本発明による、カテーテル・チューブに付けられた別のハブの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の上記に列挙されたおよび他の特徴および利点を容易に理解するために、添付図面に示される特定の実施形態を参照することによって、上記に簡単に述べられた本発明のより具体的な説明が与えられるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態を示すものにすぎず、よって、本発明の範囲の制限と考えるべきではないことを理解すると共に、本発明が、添付図面を用いて、さらに具体的かつ詳細に述べられ、説明されるであろう。
【0026】
全体にわたって同様の部品が同じ番号で示される図面を参照することによって、本発明の現在のところ好ましい実施形態が最も良く理解されるであろう。ここで図面に全体的に述べられ、示されるように、本発明の構成部品は、種々の異なる構成で配置され、設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、図1乃至図6に表されるような、本発明のカテーテルの実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を制限するように意図されるものではなく、単に本発明の現在のところ好ましい実施形態を表すものにすぎない。
【0027】
好ましい実施形態においてここに具体化され、大まかに述べられるような本発明によると、1つのタイプのカテーテルが提供される。より具体的には、示されるカテーテルはPICC10である。1つの実施形態によると、PICC10は、複数内腔カテーテル・チューブ12、ハブ14、および延長脚部16を含むことができる。図示されるように、複数内腔カテーテル・チューブ12は、長手方向軸18を含み、ハブ14に付けられており、このことは図2を参照して下記により詳細に説明される。
【0028】
各々の延長脚部16は、ハブ14に付けられ得る基端部22と、当技術分野において周知のルアー取り付け具26を含むことができる末端部24とを有する。接着剤、バーブ結合またはねじ結合のような機械的手段によって、あるいは、延長脚部16の基端部22の上にハブ14を成形することによって、延長脚部16をハブ14に付けることが可能である。延長脚部16はまた、クランプしてPICC10を通る流体の流れを阻止するために用い得る脚部用クランプ28を含むこともできる。
【0029】
図2を参照すると、断面図が、図1の線2−2に沿ったPICCを示す。図示されるように、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40が、ハブ14内に配置される。複数内腔カテーテル・チューブ12は、第1の内腔42および第2の内腔44を含む。第1の内腔42および第2の内腔44の両方は、長手方向軸18に沿って延びる。第1の内腔42は、内壁46によって、第2の内腔44から分離される。外壁48は、内壁46に付けられ、内壁46と協働して第1の内腔42および第2の内腔44を区別する。
【0030】
第1の内腔42は、第1の開口部54に開口しており、第2の内腔44は、第2の開口部56に開口しており、これらの両方ともハブ14内に位置付けられる。第2の開口部56は、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40に位置付けられ得る。第1の開口部54は、長手方向軸18に沿って第2の開口部56から離間配置される。ハブ14の製造の際に、複数内腔カテーテル・チューブ12に加えられる半径方向の応力を減少させるために、第1の開口部54は、第2の開口部56から離間配置される。
【0031】
第1の開口部54を形成する際に、第1の内腔42の周りの外壁48が切り取られ得るので、第1の開口部54に近接した外壁48の部分が、高さ60を有する側壁58を形成する。ハブ14が複数内腔カテーテル・チューブ12の上に成形されるとき、側壁58は、複数内腔カテーテル・チューブ12とハブ14との間の熱接合のための付加的な表面積を提供する。さらに、この構成において、製造の際、内壁46は、比較的応力を受けず、影響を受けない。したがって、内壁46は、100psi以上の高圧用途においてさえも、よりうまく内腔交差漏れを阻止することができる。
【0032】
複数内腔カテーテル・チューブ12はまた、ハブ14内に配置され得る湾曲部62を含むこともできる。湾曲部62は、直線からの複数内腔カテーテル・チューブ12の偏りである。第1の開口部54は、第2の開口部56とは湾曲部62の反対側に配置され得る。湾曲部48は、第1の内腔42および第2の内腔44をそれぞれの延長脚部16と流体連通するように位置付けるのを助ける。湾曲部62はまた、PICC10の使用中に内腔交差漏れをもたらす可能性がある、複数内腔カテーテル・チューブ12の伸張および応力付与に由来する、ハブ14の製造に用いられるマンドレルの傾向を減少させる助けにもなる。
【0033】
図示されるように、ハブ14は、第1の内腔42および第2の内腔44をそれぞれ延長脚部16とつなげる第1の通路70および第2の通路72を含む。ハブ14はまた、延長脚部16を取り付けるための取り付け構造体74も含む。延長脚部16は、接着剤、あるいは、バーブまたはねじのような機械的手段によって、ハブ14に取り付けられることも可能である。代替的に、延長脚部16は、ハブ14が成形されるときに取り付けられることが可能である。当然のことながら、これらの方法のいずれかの組み合わせを用いて延長脚部16を付けてもよく、当業者により周知の他の方法を用いることも可能である。
【0034】
延長脚部16は、互いにある角度76をなしてハブ14から延びることができる。PICC10を患者に投与される流体の異なる源に取り付ける便宜上、角度76は、延長脚部16の末端部24を互いから分離するのを容易にする。延長脚部16間の角度76は、約5度から約90度までの範囲に及ぶことができるが、約10度から約30度までの間の範囲に及ぶことが好ましい。
【0035】
複数内腔カテーテル・チューブ12は、押し出し成形によって作製されることが可能であり、ハブ14は射出成形によって作製されることが可能である。複数内腔カテーテル・チューブ12およびハブ14の両方とも、シリコン・ポリマーまたはポリウレタン・ポリマーのようなプラスチックで作製され得るが、好ましくは、複数内腔カテーテル・チューブ12は、ポリカーボネート・ポリウレタンのようなアルコール抵抗性ポリウレタンから作製され得る。ハブ14は、複数内腔カテーテル・チューブ12と同じプラスチックで作製されてもよく、または、ハブ14は、ポリエーテル・ポリウレタンのような異なるプラスチックで作製されてもよい。PICC10を挿入するための典型的な部位の準備は、アルコール消毒綿の使用を含み、よって、アルコール抵抗性ポリマーで複数内腔カテーテル・チューブ12を作製することは、アルコールに曝すことによる複数内腔カテーテル・チューブ12の外壁の脆弱化に起因し得る漏れを防ぐのを助ける。
【0036】
図3A、図3B、図3Cおよび図3Dを参照すると、斜視図は、ハブ14(図2に示される)に付けるための、本発明に従って異なる方法で切り取られた複数内腔カテーテル・チューブ12の端部を示す。図示されるように、複数内腔カテーテル・チューブ12の形状は、ほぼ円形であり、第1の内腔42および第2の内腔44は、ほぼD形状であり、ほぼ等しい断面積を有する。複数内腔カテーテル・チューブ12は、協働して第1の内腔42および第2の内腔44の領域を区別する、外壁48に付けられた内壁46を有する。当然のことながら、複数のカテーテル・チューブおよび他の構成の内腔を本発明と共に用いることができ、これは本発明の範囲内である。例えば、楕円形のカテーテル、ならびに、丸い内腔、楕円形の内腔、正方形の内腔、三角形の内腔、および他のタイプの内腔を有する他の構成のカテーテルも考えられる。
【0037】
図3Aは、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40から離間配置された外壁48の孔102である切り取り部100を示す。孔102は、マンドレル(図4に示される)が第1の内腔42に挿入され、これを塞ぐことを可能にする。ハブ14(図2に示される)を形成する間、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40と孔102との間の第1の内腔42の部分104が詰められて、ハブ14と複数内腔カテーテル・チューブ12との間の確実な連結を提供し、かつ、内腔交差漏れをさらに防止する。
【0038】
図3Bは、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40から第1の開口部54(隠れ線で示される)まで延びる、外壁48の部分のスライス部112である切り取り部110を示す。より具体的には、マンドレル(図4に示される)が第1の内腔42に挿入されるとき、マンドレルは外壁48を分割し、スライス部112を通って延びる。スライス部112の両側の外壁48は、側壁58を形成することができる。第1の開口部54を第2の開口部56から離間配置することによって、製造中に複数内腔カテーテル・チューブ12が直面する半径方向の応力114が低減される。
【0039】
側壁58を切り取って、側壁58が、複数内腔カテーテル・チューブ12の上に延び、かつ、ハブ14が形成されるときにハブ14を形成するための型(図示せず)に接触するのを回避することが可能である。側壁58が型(図示せず)に接触する場合、側壁58がハブ14の表面に見えることがあるので、美観が良くない。
【0040】
図3Cは、第1の開口部54を第2の開口部56から離間配置するように、内壁46および外壁48の一部が除去された切り取り部120を示す。切り取り部120は、複数内腔カテーテル・チューブ12を二分して、軸方向の応力と、内壁46および外壁48の伸張とを低減させ、ハブ14(図2に示される)が内腔交差漏れを防ぐ助けとなるのを可能にする。
【0041】
図3Dは、図2に示されるような複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40を示す。切り取り部130が外壁48に位置付けられるので、外壁48の部分が、内壁46から延びる、高さ60を有する側壁58を形成する。側壁58は、ハブ14(図2に示される)に接合するための付加的な表面積を提供する。さらに、内壁46は、切り取られず、応力がかからないままであり、よりうまく内腔交差漏れを阻止する。
【0042】
切り取り部130は、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40から距離132だけ延びることができる。代替的に、切り取り部130は、図3Aに示される切り取り部100と同様に、端部40から離間配置されることが可能である。いくつかの構成においては、距離132は、端部40から延び、湾曲部62(図2に示される)を過ぎて延びることができ、ハブ14(図2に示される)内で第1の開口部54を第2の開口部56からより良く離すことができる。
【0043】
図3Dに示されるように、第1の内腔42を区別する複数内腔カテーテル・チューブ12の内壁46は、外壁48から外壁48まで延びることができる断面長さ134を有する。側壁58の高さ60は、ゼロから、第1の内腔42を区別するために用いられる外壁48の部分の全長までの範囲に及ぶことができる。本発明のいくつかの構成においては、側壁58の高さ60は、内壁46の断面長さ134の約半分以下である。こうした構成は、側壁58がハブ14(図2に示される)を通って突出し、カテーテルの美観が良くなくなるのを防ぐのに役立つ。さらに、側壁58の高さ60を内壁46の断面長さ134の約半分以下に制限することによって、側壁58が内壁46の中心線136で2つ折りになることができない。
【0044】
図4を参照すると、斜視図が、ハブ14(図2に示される)の成形に備えて位置付けられた第1のマンドレル150および第2のマンドレル152と共に、切り取り部130を含む、複数内腔カテーテル・チューブ12の端部40を示す。第1のマンドレル150は、第1の開口部54を通って第1の内腔42内に延び、第1の内腔42を塞ぐ。同様に、第2のマンドレル152は、第2の開口部56を通って第2の内腔44内に延び、第2の内腔44を塞ぐ。
【0045】
図示されるように、第1のマンドレル150は、湾曲部154と、複数内腔カテーテル・チューブ12の内壁46に当接する隆起した接触面156とを含むことができる。第1のマンドレル150を第1の内腔42内に位置付けるのを容易にするように、湾曲部154を隆起した接触面156および第1の開口部54の近くに配置することができる。隆起した接触面156は、第1のマンドレル150の周囲の周りに延びることができる、あるいは代替的に、複数内腔カテーテル・チューブ12の内壁46の断面長さ134と類似した距離だけ延びることができる。隆起した接触面156は、第1の開口部54の近くに配置されることが可能であり、ハブ14(図2に示される)の成形の際に、プラスチックが第1のマンドレル150の間にフラップ(図示せず)を形成するのを防止し、かつ、一旦ハブ14が形成されると除去されるように成形される。隆起した接触面156を用いて、複数内腔カテーテル・チューブ12にフープ応力を生じさせ得る、第1のマンドレル150を第1の内腔42に深く挿入しすぎることを防止することもできる。
【0046】
いくつかの構成においては、第1のマンドレル150および第2のマンドレル152は、延長脚部16(図1に示される)の部分とすることができる。したがって、一旦ハブ14(図1に示される)が形成されると、第1のマンドレル150および第2のマンドレル152は除去されない。さらに、ハブ14は、延長脚部16および複数内腔カテーテル・チューブ12に直接に一度に成形される。
【0047】
図5を参照すると、図4の線5−5に沿った断面図が、複数内腔カテーテル・チューブ12内への第1のマンドレル150および第2のマンドレル152の挿入を示す。第1のマンドレル150および第2のマンドレル152の両方は、第1のマンドレル150および第2のマンドレル152の挿入を容易にするために、第1の内腔42および第2の内腔44よりも幅の狭い案内脚部160を含むことができる。そして、第1のマンドレル150および第2のマンドレル152は、案内脚部160から、複数内腔カテーテル・チューブ12の第1の開口部54および第2の開口部56を塞ぐ栓部分162まで拡大する。
【0048】
同じく図示されるように、複数内腔カテーテル・チューブ12の湾曲部62は、第1のマンドレル150の湾曲部154の近くに位置付けられ得る。代替的に、第2のマンドレル152は、複数内腔カテーテル・チューブ12の湾曲部62の前で案内脚部160を終端させることにより、湾曲部を含まなくてもよい。第2のマンドレル152はまた、第2のマンドレル152の挿入しすぎを防ぐのに役立つチューブ停止部164を含むこともできる。
【0049】
第1のマンドレル150および第2のマンドレル152は、ハブ14(図2に示される)のプラスチックよりも高い溶融温度を有する、エラストマーのような可撓性材料で作製されることが可能である。可撓性材料は、第1のマンドレル150および第2のマンドレル152の除去を容易にすることができる。当然のことながら、第1のマンドレル150および第2のマンドレル152は、セラミック、金属、複合材料、および硬質プラスチックのような剛性材料で作製されてもよい。
【0050】
図6は平面図であり、本発明による別のカテーテル200を示す。より具体的には、図6は、延長脚部203に付けられた複数内腔カテーテル200のハブ202と、第1の内腔210、第2の内腔212、および第3の内腔214を有する、長手方向軸206に沿って延びるカテーテル・チューブ204とを示す。
【0051】
第1の内腔210は第1の開口部216を有し、第2の内腔212は第2の開口部218を有する。さらに、第3の内腔214は第3の開口部220を有する。製造中に誘起され得る半径方向の応力を低減させるために、第1の開口部216、第2の開口部218、および第3の開口部220は、長手方向軸206に沿って互いから離間配置されることが可能である。
【0052】
カテーテル・チューブ204はまた、長手方向軸206に沿って、開口部216、218、220間に配置することができる湾曲部222を含むこともできる。例えば、湾曲部222は、第2の開口部218と第3の開口部220との間に位置付けられ得る。湾曲部222は、第1の開口部216、第2の開口部218、および第3の開口部220を適切に位置付けるのを助けるので、これらの各々を延長脚部206の1つと流体連通した状態で位置付けることができる。当然のことながら、本発明のいくつかの構成においては、湾曲部を用いなくてもよく、他の構成においては複数の湾曲部を用いてもよい。
【0053】
図7は、平面図であり、本発明による代替的なカテーテル300を示す。より具体的には、図7は、延長脚部304に付けられた複数内腔カテーテル300のハブ302と、第1の内腔310および第2の内腔312を有する、長手方向軸308に沿って延びるカテーテル・チューブ306とを示す。
【0054】
第1の内腔310は第1の開口部314を有し、第2の内腔312は第2の開口部316を有する。第1の開口部314および第2の開口部316は、長手方向軸308に沿って、カテーテル・チューブ306の端部318からほぼ均等に離間配置され得る。第1の開口部314および第2の開口部316は、図3A、図3B、図3Cおよび図3Dに関連して上述された方法のいずれかによって、カテーテル・チューブ内に作製されることが可能である。
【0055】
ハブ302内で第1の開口部314および第2の開口部316をカテーテル・チューブ306の端部318から均等に離間配置させることによって、第1の内腔310および第2の内腔312を分離する内壁320は、切り取られず、応力がかからないままであり、向上した内腔交差漏れに対する耐性を提供する。さらに、長手方向軸308に沿って、第1の開口部314および第2の開口部316を過ぎてカテーテル・チューブ306の端部318まで延びる内壁により、カテーテル・チューブ306へのハブ302の改善された取り付けのための付加的な表面積が提供される。
【0056】
図8は、ハブ404内に位置付けられたマンドレル406と共に、ハブ404内のカテーテル・チューブ402の端部400を示す平面図である。マンドレル406は、カテーテル・チューブ402の端部400に近接して配置されたノッチ408を含む。ハブ404がカテーテル・チューブ402の端部400の上に成形されたとき、ノッチ408は、ハブ404の強化された端部接合部410を形成する。強化された端部接合部410は、フラップの形成を防ぎ、内腔交差漏れに対する耐性を向上させるのに役立つ。他の構成においては、マンドレル406の1つだけがノッチを含んでもよい。
【0057】
このように、本発明によるカテーテルを高圧用途および低圧用途に用いて、フラップの形成および内腔交差漏れに対する耐性を向上させることが可能である。さらに、本発明によるカテーテルは、カテーテルの再利用を容易にするように、全体がプラスチックで作製されてもよい。当然のことながら、本発明のカテーテルは、金属、複合材料、セラミック、および当技術分野において周知の他の材料で作製されてもよい。
【0058】
本発明は、本明細書で広義に説明され、上記に特許請求されるような構造、方法、または他の本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化されることが可能である。説明された実施形態は、全ての点で、限定としてではなく、例証としてのみ考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、前記の説明によってではなく、特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入る全ての変更が、特許請求の範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸、端部、第1の内腔、および第2の内腔を含むカテーテル・チューブであって、前記第1の内腔および前記第2の内腔は、前記長手方向軸に沿って前記カテーテル・チューブを通って延び、かつ、各々が開口部を有しており、前記第1の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から軸方向に離間配置されている、カテーテル・チューブと、
前記カテーテル・チューブに付けられたハブであって、前記第1の内腔の前記開口部、前記第2の内腔の前記開口部、および前記カテーテルの前記端部が前記ハブ内に配置されている、ハブと、
を備えることを特徴とするカテーテル。
【請求項2】
前記第1の内腔の前記開口部は、前記第2の内腔の前記開口部から軸方向に離間配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1の内腔の前記開口部および前記第2の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から均等に離間配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記ハブは、前記カテーテル・チューブの前記端部に付けられた、強化された端部接合部を含むことを特徴とする、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記ハブに付けられ、かつ、前記第1の内腔の前記開口部への流体移送のために前記第1の内腔につなげられた第1の延長脚部と、前記ハブに付けられ、かつ、前記第2の内腔の前記開口部への流体移送のために前記第2の内腔につなげられた第2の延長脚部とをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第1の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から延びる切り取り部によって位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記第1の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から離間配置された孔であることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記第1の内腔および前記第2の内腔は、内壁により分離され、かつ、外壁で囲まれ、前記第1の内腔の前記開口部に近接した前記外壁の部分は、ある高さを有する側壁を形成することを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記側壁の前記高さは、前記内壁の断面長さの約半分以下であることを特徴とする、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記カテーテル・チューブは、前記ハブ内に配置された湾曲部を含み、前記第1の内腔の前記開口部および前記第2の内腔の前記開口部は、前記湾曲部の両側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記カテーテル・チューブは2つまたはそれ以上の内腔を含むことを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
長手方向軸、第1の内腔、および第2の内腔を含むカテーテル・チューブであって、前記第1の内腔および前記第2の内腔は、前記長手方向軸に沿って前記カテーテル・チューブを通って延び、かつ、各々が開口部を有しており、前記第1の内腔の前記開口部は、前記第2の内腔の前記開口部から軸方向に離間配置されている、カテーテル・チューブと、
内腔交差漏れを防止するための手段であって、前記防止手段は前記カテーテル・チューブに付けられ、前記第1の内腔の前記開口部および前記第2の内腔の前記開口部は前記防止手段内に配置されている、内腔交差漏れを防止するための手段と、
を備えることを特徴とするカテーテル。
【請求項13】
前記防止手段はハブであることを特徴とする、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記防止手段に付けられ、かつ、前記第1の内腔の前記開口部への流体移送のために前記第1の内腔につなげられた第1の延長脚部と、前記防止手段に付けられ、かつ、前記第2の内腔の前記開口部への流体移送のために前記第2の内腔につなげられた第2の延長脚部とをさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記カテーテル・チューブは、前記防止手段内に配置された端部を有し、前記第1の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から延びる切り取り部によって位置決めされることを特徴とする、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記カテーテル・チューブは、前記防止手段内に配置された端部を有し、前記第1の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から離間配置された孔であることを特徴とする、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記第1の内腔および前記第2の内腔は、内壁により分離され、かつ、外壁で囲まれ、前記第1の内腔の前記開口部に近接した前記外壁の部分は、ある高さを有する側壁を形成することを特徴とする、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記カテーテル・チューブは、前記防止手段内に配置された湾曲部を含み、前記第1の内腔の前記開口部および前記第2の内腔の前記開口部は、前記湾曲部の両側に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項19】
カテーテルを製造する方法であって、
長手方向軸、端部、第1の内腔、および第2の内腔を含むカテーテル・チューブを切るステップであって、前記第1の内腔および前記第2の内腔は、前記長手方向軸に沿って前記カテーテル・チューブを通って延び、各々が開口部を有しており、前記カテーテル・チューブを切る前記ステップは、前記カテーテル・チューブの前記端部から軸方向に離間配置された前記第1の内腔の開口部を形成する、ステップと、
前記端部、前記第1の内腔の前記開口部、および前記第2の内腔の前記開口部がハブ内に配置されるように、ハブを前記カテーテル・チューブに付けるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記第1の内腔の前記開口部は、前記第2の内腔の前記開口部から軸方向に離間配置されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の内腔の前記開口部および前記第2の内腔の前記開口部が、前記ハブ内に配置される湾曲部の両側に配置されるように、前記カテーテル・チューブを湾曲させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の内腔の前記開口部および前記第2の内腔の前記開口部は、前記カテーテル・チューブの前記端部から均等に離間配置されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
第1のマンドレルを前記第1の内腔の前記開口部に挿入するステップと、第2のマンドレルを前記第2の内腔の前記開口部に挿入するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
第1のマンドレルを前記第1の内腔の前記開口部に挿入し、第2のマンドレルを前記第2の内腔の前記開口部に挿入するとき、前記第1のマンドレルが前記第1の内腔を塞ぎ、前記第2のマンドレルが前記第2の内腔を塞ぐことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の内腔から前記第1のマンドレルを除去するステップと、前記第2の内腔から前記第2のマンドレルを除去するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のマンドレルは隆起した接触面を含み、前記第1のマンドレルを前記第1の内腔の前記開口部に挿入するとき、前記隆起した接触面は前記カテーテル・チューブの内壁に当接することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のマンドレルは、前記隆起した接触面に近接して配置された湾曲部を含むことを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のマンドレルおよび前記第2のマンドレルの一方がノッチを含み、前記第1のマンドレルが前記第1の内腔の前記開口部に挿入され、前記第2のマンドレルが前記第2の内腔の前記開口部に挿入されたとき、前記ノッチは前記カテーテル・チューブの前記端部に近接して配置されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の内腔の前記開口部への流体移送のために、第1の延長脚部が前記第1の内腔につなげられるように第1の延長脚部を前記ハブに付けるステップと、前記第2の内腔の前記開口部への流体移送のために、第2の延長脚部が前記第2の内腔につなげられるように第2の延長脚部を前記ハブに付けるステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記カテーテル・チューブは、前記ハブ内に配置される端部を有し、前記カテーテル・チューブを切るとき、前記カテーテル・チューブの前記端部から延びる切り取り部が形成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記カテーテル・チューブは、前記ハブ内に配置される端部を有し、前記カテーテル・チューブを切るとき、前記カテーテル・チューブの前記端部から離間配置された孔が形成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の内腔および前記第2の内腔は、内壁により分離され、かつ、外壁で囲まれ、前記カテーテル・チューブを切るとき、前記第1の内腔の前記開口部に近接した前記外壁の部分がある高さを有する側壁を形成することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記側壁の前記高さは、前記内壁の断面長さの約半分以下であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−166064(P2012−166064A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−110909(P2012−110909)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【分割の表示】特願2008−527109(P2008−527109)の分割
【原出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】