説明

交換可能なヘッドを具備するゴルフクラブヘッド

【課題】交換可能な打撃フェースを具備するゴルフクラブヘッドを提供する。より具体的には、フェースの前面打撃表面の少なくとも一部が取り外し可能で交換可能であり性能を改善できるゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド100は、一般に、厚さが約3.0mm未満の薄型の打撃フェースを具備でき、特性時間が、約239マイクロ秒から約257マイクロ秒の間の最大特性時間の少なくとも99%である、ゴルフクラブヘッド100の前面打撃表面109の領域として定義される、スイートスポットが、前面打撃表面109の6%より大きなゴルフクラブヘッド100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的には、交換可能なフェースを具備するゴルフクラブに関する。より具体的には、この発明は、ドライバータイプのゴルフクラブヘッドであって、その特性を改善するために前面の打撃フェースの少なくとも一部を取り外し可能、および交換可能にしたものに関する。さらに具体的には、この発明は、取り外し可能で交換可能なフェースがより薄くて良く、より大きなスイートスポットをもたらすドライバータイプのゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフゲームは、このゲームを行うのに使用するゴルフ用具にいつも著しく関連してきた。ゴルフゲームは、ゲームの伝統に深く根ざしているけれども、ゴルフクラブの技術が、進歩して、平均的なゴルファーにとって、ゴルフゲームをより易しく、より楽しいものにした。
【0003】
今日のゴルフクラブは著しく開発され多数の性能向上要素を含み、これは、例えば、大きなサイズの中空のクラブヘッドを生成したり、クラブの底部にウェイトを付加して打ち上げを増強させたクラブを生成したりすることを含み、さらには、ゴルフクラブヘッドの性能を向上させるためにゴルフクラブヘッドの形状および幾何構造を四角形や三角形に変化させる型破りに変更することをも含む。これらのタイプの技術的な進展は特にドライバータイプのゴルフクラブヘッドにおいて顕著であると考えられ、ここでは、中空でない木製のパーシモンゴルフクラブヘッドから、その体積が460ccにもならんとする中空の金属製ゴルフクラブヘッドへのドライバーの変遷を見ることができ、これらはすべてドライバータイプのゴルフクラブヘッドの性能向上を目的とする。
【0004】
ドライバータイプのゴルフクラブヘッドの主たる目的の1つは、ゴルフボールをほぼまっすぐな飛行経路に維持しつつ、ゴルフボールをできるだけ遠くに打ち出すことである。3つの主たる要素、すなわち、打ち上げ角度、ボール速度、およびスピンレートが、ゴルフクラブでゴルフボールを打った後のゴルフボールの移動距離を左右する。最も影響が大きな要素の1つに焦点を当てると、ボール速度は、そのポテンシャルエネルギーをゴルファーのゴルフスイングから導出するゴルフクラブによってボールが打撃されるときにボールの加わる全運動エネルギーに一般的に左右されるであろう。このゴルフクラブヘッド内の運動エネルギーは弾性歪みエネルギーとしても知られており、このエネルギーは一般にゴルフクラブヘッドとともにゴルフボールの変形に関連するであろう。衝突後、ゴルフクラブによって生成された運動エネルギーはゴルフボールの並進および回転速度の形態に変換され、ゴルフボールをゴルフクラブヘッドの表面から飛び出させ、これがボール速度として広く知られているものに関連する。ただし、ゴルフクラブヘッドおよびゴルフボールの間の衝突は完全弾性ではないので、クラブヘッドの振動やボールの粘弾性圧縮および緩和をもたらす衝突の間に、エネルギーの一部を失い、消費する。
【0005】
ゴルフクラブの打撃表面から出てくるボール速度を増大させるために、ゴルフボールおよびゴルフクラブの間のエネルギー損失を最小化することが一般に望ましい。ゴルフボールおよびゴルフクラブの間のエネルギー損失を最小化する1つの方法は、ゴルフクラブのフェースの厚さを減少させることである。ゴルフクラブヘッドのフェースの厚さを小さくするとゴルフクラブのフェースがトランポリンのように変形して粘弾性圧縮および緩和を幾分抑制する。ゴルフボールの粘弾性圧縮および緩和は裸眼では観測が難しいけれども、これは、一般に、衝突時のエネルギー損失の量に主に貢献するものの1つであろう。ただし、薄くしすぎた打撃フェースは、ゴルフクラブおよびゴルフボールの間の膨大で連続的な衝突を受けるときに、ひび割れたり破断したりするので、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースをどのくらい薄くできるかについては制約がある。したがって、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースをできるだけ薄くして性能を最大化させる反面で、同時に、耐久性を得るために打撃フェースをできるだけ厚くするという正反対の要請があることがわかるであろう。
【0006】
ゴルフクラブヘッドの打撃フェースが充分に厚く耐久性がなければならないという要請は、Bissonnetteの「高反発係数を有するゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許第6,595,057号(特許文献1)において、ゴルフクラブヘッドはヘッドおよびボールの間の衝突時に発生する衝突力に充分に耐えるほど強くなければならないと指摘されているときに、特定されている。この一過性の現象時に発生する負荷は2000ポンドを超えるピークを持ち得、重力加速度より4桁大きいゴルフボールの加速度を引き起こし得る。チタンから生成された、中空のメタルウッドのクラブヘッドが0.15インチを上回る均一のフェース厚さを伴うのは通常ではない。
【0007】
Beachおよびその他の「フェース面積がフェース質量に対して特別な関係を持つゴルフクラブヘッド」という名称の米国特許出願公開第2008/0146374号(特許文献2)も、フェースプレートから質量を取り除く従来の方法が常には成功しないのはどうしてかを検討することにより、耐久性および持久性の非常に重要な問題を特定している。フェースプレートから過大な質量を取り除くと、打撃プレートの構造質量に対して過剰に妥協しすぎて打撃フェースをもろすぎるものにし、また、そのCORを大きすぎるものにする。
【0008】
実際、耐久性および持続性はゴルフクラブのそのように重要な特徴であり、Reyesおよびその他の「ゴルフクラブ用のテクスチャーコーティング」という名称の米国特許第6,348,011号(特許文献3)は、ゴルフクラブヘッドの打撃フェースのゴルフボールとの衝突に対する耐久性を向上させるために、テクスチャーコーティングを具備して改善された耐久性をもたらし、ゴルフクラブヘッド表面に美的外観をもたらすゴルフクラブを提供することにより、具体的にこの問題に言及している。
【0009】
しかしながら、耐久性および持続性の限界は、ゴルフクラブの打撃フェースは、所定の回数のショットを超えてゴルフボールを打撃するときにゴルフクラブの打撃フェースが破壊し、割れることがないように充分に耐久性があり強くなければならないという慣用的な考え方を前提としている。さらには、一般需要者の多数が、非常に力の強い打撃者により発生される力のほんの一部しか加えないときには、どのような想定可能な競技条件でもゴルフクラブの打撃表面が壊れないように保証するように、ゴルフクラブの打撃表面が充分に耐久性を持ち、強く、非常に力の強い打撃者による膨大な数の打撃にも壊れないようにすると、ゴルフクラブがしばしが過剰設計される。
【0010】
代替的には、ゴルフクラブがそのような慣用的な思考プロセスに拘束されないならば、打撃フェースが取り外し可能で、さらには使い捨て可能でもある限り、ゴルフクラブの打撃フェースは故障を意図して設計されて良いであろう。このゴルフクラブ設計の代替的なアプローチによれば、最終的に壊れる打撃フェースが取り外しでき交換可能である限り、打撃フェースをもっと薄く製造でき、これにより、ゴルフクラブの性能を向上させることができる。ゴルフ業界で一般的に知られている、スイートスポットは、ゴルフボールを打撃したときにほぼ同一のボール速度をもたらす打撃領域の部分を指す。上述の点から、この分野において、ゴルフクラブのフェースを取り外し可能で交換可能にして打撃フェースを薄くして性能を向上させることを可能にするゴルフクラブヘッドに対する要請があることが理解できる。より具体的には、この分野において、取り外し可能で交換可能なフェースを伴ってフェースの厚さを約0.15インチより薄くできるようにするゴルフクラブに対する要請がある。さらに具体的には、この分野において、取り外し可能で交換可能なフェースを伴って、前面打撃表面の全体の少なくとも6%について最大ボール速度の99%を維持する、より大きくより、均一なスイートスポットを得ることができるゴルフクラブに対する要請がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,595,057号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0146374号公報
【特許文献3】米国特許第6,348,011号明細書
【発明の開示】
【0012】
この発明の一側面は、本体および交換可能な打撃フェースを有するゴルフクラブヘッドである。本体は、クラウン部分およびソール部分を有して良い。交換可能な打撃フェースは、衝撃ゾーンおよび結合ゾーンを有して良い。交換可能な打撃フェース内の衝撃ゾーンは、特性時間が、約239マイクロ秒から約257マイクロ秒の間の最大特性時間の少なくとも99%である、上記ゴルフクラブヘッドの前面打撃表面の領域として定義されるスイートスポットをさらに含んで良い。衝撃ゾーン内のスイートスポットは、前面打撃表面の全体表面の約6%より大きくて良く、衝撃ゾーンの厚さは約3.9mm未満であって良く、ゴルフクラブヘッドが約350ccより大きな体積を有して良い。
【0013】
この発明の他の側面は、本体およびこの本体に取り外し可能に結合された交換可能な打撃フェースを有するゴルフクラブヘッドである。本体は、クラウン部分、ソール部分、および少なくとも1つのネジ井戸を有する。交換可能な打撃フェースは、衝撃ゾーン、結合ゾーンおよび少なくとも1つのネジ受け口を有する。交換可能な打撃フェースは、ここでは、少なくとも1つのネジ井戸および少なくとも1つのネジ受け口に係合する少なくとも1つのネジを用いて、本体に結合され、衝撃ゾーンの厚さは約3.9mm未満であり、また、ゴルフクラブヘッドが約350ccより大きな体積を有する。
【0014】
この発明のさらに他の側面は、本体およびこの本体に取り外し可能に結合された交換可能な打撃フェースを有するゴルフクラブヘッドである。本体は、クラウン部分、ソール部分、および少なくとも1つのネジ井戸を有する。交換可能な打撃フェースは、衝撃ゾーン、結合ゾーンおよび少なくとも1つのネジ受け口を有する。交換可能な打撃フェースは、少なくとも1つのネジ井戸および少なくとも1つのネジ受け口に係合する少なくとも1つのネジを用いて、本体に結合される。交換可能な打撃フェースは、特性時間が、約239マイクロ秒から約257マイクロ秒の間の最大特性時間の少なくとも99%である、ゴルフクラブヘッドの前面打撃表面の領域として定義されるスイートスポットをさらに含み、スイートスポットは、前面打撃表面の約6%より大きくて良く、また、ゴルフクラブヘッドの主たる第1モード周波数は約3500ヘルツより大きい。
【0015】
この発明のこれらの、または他の特徴、側面、および利点は以下の図面、説明および特許請求の範囲を参照して理解されるであろう。
【0016】
この発明の、先の、または他の特徴および利点は、添付図面において図説される、この発明の以下の説明から明らかであろう。添付図面はここに組み入れて明細書の一部を構成し、この発明の原理を説明するのに役立ち、同業者がこの発明を実施することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1a】この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図1b】この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの、図1aのA−A’断面線に沿う断面図である。
【図2】前面打撃表面において採用された部分的な特性時間図を示す従来のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図3】前面打撃表面において採用された部分的な特性時間図を示す、この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図4】この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの、図1aのA−A’断面線に沿う断面図である。
【図5】図4に示すゴルフクラブヘッドの拡大断面図である。
【図6】図4に示すゴルフクラブヘッドの代替的な実施例の拡大断面図である。
【図7】この発明の代替的な実施例に従う交換可能な打撃フェースの正面図である。
【図8】図6に示すゴルフクラブヘッドがゴルフボールと衝突したときの拡大断面図である。
【図9】この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの、図1aのB−B’断面線に沿う断面図である。
【図10】この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの等角投影斜視図である。
【図11】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの、図1aのB−B’断面線に沿う断面図である。
【図12】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの、図1aのB−B’断面線に沿う断面図である。
【図13】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの、図1aのB−B’断面線に沿う断面図である。
【図14】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図15】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの等角投影斜視図である。
【図16】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図17】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの側面図である。
【図18】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの側面図である。
【図19】この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの音響の信号パワーを示すグラフである。
【図20】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの等角投影斜視図である。
【図21】この発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図22】この発明の代替的な実施例に従う代替的な結合機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、この発明を実施する最良の現行企画モデルのものである。この説明は限定的な意味で受け取られるべきではなく、この発明の全体的な原理を説明する目的でのみなされている。この発明の範囲は添付の特許請求の範囲により最も良く規定されているからである。
【0019】
種々の発明の特徴が以下に説明され、その各々は他の特徴と独立に採用されてもよいし、他の特徴と組みあわされて使用されても良い。ただし、発明の任意の1つの特徴は上述した問題のいずれも、またはすべてを扱わないかもしれないし、上述した問題の1つのみを取り扱うかもしれない。さらに、上述した問題の1つまたは複数は、以下説明される特徴のいずれでも取り扱われないかもしれない。
【0020】
図1aは、この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッド100の平面図を示す。ゴルフクラブヘッド100は、ここに現行の事例的な実施例において示すように、一般的に、本体104に加えて交換可能な打撃フェース102を有してよい。図1aは、交換可能な打撃フェースおよび本体104の間のインターフェースを示すためにゴルフクラブヘッドの中央に沿って採用されるクラブの全長を横切る断面線A−A’をも示す。図1aは、他の結合機構を示すために当該中央から外れてクラブの全長に沿って採用される断面線B−B’をも示す。
【0021】
図1bは、図1aの断面線A−A’に沿って採用されるゴルフクラブヘッド100の断面図を示す。図1bに示される断面図は、交換可能な打撃フェース102を図説し、これは、現行の発明の背後にある基本的な概念に従ってゴルフクラブヘッド100の本体104より著しく薄くなっている。図1bはこの発明の1実施例を示すけれども、ゴルフクラブヘッドの本体104に薄型の交換可能な打撃フェース102を取り外し可能に結合するのに使用される種々の結合機構を採用する多数の他の実施例を採用して良い。薄型の交換可能な打撃フェース102は、軽量で耐久性があるという材料特性から、一般にチタンから製造されるけれども、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、複合タイプの材料のような他のタイプの材料から構成されても良い。代替的には、薄型の交換可能な打撃フェース102は、この発明の範囲および内容から逸脱することなく、チタンおよび複合材料の双方を利用する多材料型であってもよい。薄型の交換可能な打撃フェース102は、現行の事例的な実施例に示すように、一般的には約3.0mmの厚さであり、より好ましくは、約2.5mmの厚さであり、最も好ましくは、約2.0mmの厚さである。現行の事例的な実施例に示される、この薄型の交換可能な打撃フェース102は、伝統的な従来のゴルフクラブヘッドのフェース厚さより著しく薄くてよい。伝統的なゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブの全寿命に渡って顕著に耐久性があるようにするために、一般的には2.5mm以上の厚さを有して良い。
【0022】
図1bに示すゴルフクラブヘッド100の断面図は、ゴルフクラブヘッド100の前面打撃表面109を示すのにも役立つであろう。この発明に従うゴルフクラブヘッド100の前面表面109はゴルフクラブヘッド100の全表面を指し、これは地面と直交して位置し、また、衝突時にゴルフボールとも直交する。図1bに示されるゴルフクラブヘッド100は、交換可能な打撃フェース102を本体104の一部とともに含む前面打撃表面109を採用するけれども、この発明の範囲を逸脱することなく、この前面打撃表面109の領域は、交換可能な打撃フェース102により完全に占められてもよい。
【0023】
交換可能な打撃フェース102の異なる領域をより良く定義するために、図1bは、また、衝撃ゾーン103を結合ゾーン105とともに示している。交換可能な打撃フェース102の衝撃ゾーン103は、一般に、ゴルフボールを打撃するために使用される、交換可能な打撃フェース102の部分として定義して良く、他方、結合ゾーン105は、ゴルフクラブヘッド100の本体104に結合するために使用される、交換可能な打撃フェース102の部分として定義して良い。図1bに示される現行の事例的な実施例では、本体104から伸びて交換可能な打撃フェース102を保持することができる複数の支持タブ106を有して良い。本体104から伸びる複数の支持タブ106を具備するので、交換可能な打撃フェース102を本体104の残りの部分と独立して構築でき、またゴルファーの裁量で、これを取り外し可能で、交換可能にすることができる。
【0024】
この結果、多数の他の商品と同様に、故障することが意図されている部品を交換する手法が実現される限り、ゴルフクラブを、性能を向上させるために所与の耐久性を犠牲にする製品とすることができないということの理由はない。この薄型の交換可能な打撃フェース102は、ゴルフクラブの全寿命に渡って充分に耐久性がなければならないという、ゴルフクラブの伝統的な制約に見直しを迫り、この結果、より大きなスイートスポットを実現できる薄型の交換可能な打撃フェース102を使用することが可能になる。ゴルフクラブヘッド100のスイートスポットをより大きくすることは一般的に有益であろう。なぜならば、これによって、中心からずれたゴルフショットでも、ゴルフクラブフェースの中心で打撃されたのと同一の程度のボール速度および距離を実現できるからである。この効果は、精度および距離に劣る平均的なゴルファーとって、ゴルフクラブの中心のスイートスポットで直接にゴルフボールを当てないときに、一般的に望まれるであろう。
【0025】
最後に、交換可能な打撃フェース102を具備するゴルフクラブヘッド100は、現行の事例的な実施例に示されるように、一般に、オーバーサイズのドライバータイプのゴルフクラブヘッドに適用して良い。より具体的には、この発明に従うゴルフクラブヘッド100の体積は、350立方センチメートル(cc)より大きく、より好ましくは、370ccより大きく、最も好ましくは、390ccより大きくてよい。ただし、ゴルフクラブヘッド100はドライバータイプのゴルフクラブヘッドでなくてもよく、フェアウェイタイプのゴルフクラブヘッド、ユーティリティタイプのゴルフクラブヘッド、またはアイアンタイプのゴルフクラブヘッドでもよく、これらすべてはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0026】
図2は、取り外しできず、交換できない従来の前面打撃表面の中央領域の近景図であり、中央部分のフェースに沿う、シミュレートされた特性時間(Characteristic Time:CT)を図説する。図2は測定ゾーン200に焦点を当て、その中心点は標準的な米国ゴルフ協会(USGA)テンプレートにより決定される、ゴルフクラブフェースの中心201内に一致する。この測定ゾーンは一般的に水平方向に2インチ幅で、垂直方向に1インチ高さの領域として定義されて良い。図2から理解できるように、従来のゴルフクラブヘッドの従来の打撃フェースは一般に小さなスイートスポット211しか有さず、これは最大特性時間の99%内に入る領域として定義される。より具体的には、従来のゴルフクラブヘッドは、一般に、従来のゴルフクラブヘッドの前面打撃表面の中心201で測定された最大特性時間の99%以内に前面打撃表面の約4%を配置させるであろう。最大特性時間はクラブごとに異なるけれども、これは一般にUSGAにより示される限界に制約されてよい。より具体的には、ゴルフクラブが実現できる最大特性時間は一般に約200マイクロ秒から約257マイクロ秒の間であって良く、より好ましくは、約220マイクロ秒から約257マイクロ秒の間であって良く、最も好ましくは、約239マイクロ秒から約257マイクロ秒の間であって良い。ここで、図2に示すように、最大特性時間の99%以内のフェースの面積は約110平方mmであり、ここでは、従来のゴルフクラブヘッドの前面打撃表面の全体面積は約4200平方mmであり、前面打撃表面の約4%しか最大特性時間の99%を実現しないことがわかる。
【0027】
図3は、この発明の前面打撃表面109(図1bに示す)の近景図であり、前面打撃表面109(図1bに示す)に沿う、シミュレートされた特性時間(Characteristic Time:CT)結果を伴う。図3に示されるCTマップも測定ゾーン300に焦点を当て、中心点はゴルフクラブヘッドの中心301内に一致する。この測定ゾーンは一般的に水平方向に2インチ幅で、垂直方向に1インチ高さの領域として定義されて良い。図3から理解されるように、伝統的なゴルフクラブのフェースより薄い交換可能な打撃フェース102(図1bに示す)は、図2に示す従来のゴルフクラブヘッドと較べて時に著しく大きなスイートスポット311を実現できる。より具体的には、現行の交換可能な打撃フェース102は、一般に、前面打撃表面109(図1bに示す)の中心301で測定された最大特性時間の99%以内に前面打撃表面109(図1bに示す)の面積の約5%を超える部分を配置させ、より好ましくは、約6%を超える部分を、最も好ましくは、約7%を超える部分を配置させるであろう。したがって、図3に示すように、最大特性時間の99%以内の前面打撃表面109(図1bに示す)の面積は約200平方mmであり、ここでは、ゴルフクラブヘッド100の前面打撃表面109(図1b)の全体面積は約4200平方mmで一定であり、上述のパーセンテージを実現することがわかる。
【0028】
CTの輪郭区画は中心から外側への連続した傾斜に類似するので、交換可能な打撃フェース102(図1bに示す)は、前面打撃表面109(図1bに示す)の中心301で測定される最大CTの98%内の増大した表面面積を有しても良いことに留意されたい。同様に、CTプロットの連続した傾斜ゆえに、交換可能な打撃フェース102(図1bに示す)は、前面打撃表面109(図1bに示す)の中心301で測定される最大CTの97%内、最大CTの96%内、最大CTの95%内、または最大CTの任意のパーセンテージ内の増大した表面面積を有しても良く、これらすべてはこの発明の範囲および内容から逸脱しないものである。
【0029】
特性時間(CT)は上述の図2および図3において検討されるように、振り子試験に関係し、これはUSGAおよび国際ルールの下でクラブフェースの柔軟性またはトランポリン効果に対する標準的な試験である。CTを理解するために、CTを反発係数(Coefficient of Restitution:COR)と関係付けることがより簡便であり、これは到来速度に対する分離速度の比である。より具体的には、CORは正確には以下の式(1)により定義されて良い。
COR=(Vclub−post−Vball−post)/(Vclub−prev−Vball−prev) 式(1)
ここで、
club−postは衝突後のクラブの速度を表し、
ball−postは衝突後のボールの速度を表し、
club−prevは衝突前のクラブの速度を表し(USGAのCOR条件ではゼロの値となる)
ball−prevは衝突前のボールの速度を表す。
【0030】
CORは、一般的には衝突物体の形状および材料特性に左右される。完全弾性衝突ではCORは1(1.0)となり、エネルギー損失はないことを示し、他方、完全非弾性または完全塑性衝突ではCORはゼロ(0.0)になり、衝突物体は衝突後に分離せずに、エネルギーの最大損失を招くことを示す。この結果、高CORは大きなボール速度および長い距離を示す。
【0031】
CORは曲げ剛性としても定量化せれて良く、交換可能な打撃フェース102のイナータンスとして測定される。COR、曲げ剛性、およびイナータンスの間の関係は、Bissonnetteの米国特許第6,605,007号(「007特許」)に詳細に検討されており、その内容はすべて参照してここに組み入れる。「007」特許は、クラブヘッドについて振動の主共鳴フェース周波数に関連して交換可能打撃フェース102のイナータンスを測定し定量化することができる、剛体質量、加速度計、およびインパクトハンマーを含む試験装置について検討もしている。試験装置の詳細な検討も「007」特許に見いだすことができ、その内容は参照してすべてここに組み入れる。最後に、交換可能な打撃フェース102は薄くて使い捨て可能であるので、この発明に従うゴルフクラブヘッドの対応するイナータンス数は、一般的に、約3000ヘルツより小さく、より好ましくは約2900ヘルツより小さく、最も好ましくは約2850ヘルツより小さくて良く、これらはすべてこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0032】
上述からCTはCORと関連することが理解できるけれども、CTは究極的にはゴルフクラブ打撃フェースの特殊な点におけるゴルフクラブヘッドと振り子との間の接触の期間長の測定値である。このCTはマイクロ秒単位で測定され、一般的に以下の式(2)に従ってCORと線型に関連付けられる。
CT=2257.9×(COR)−1617.3 式(2)
上述から理解されるように、CORが大きくなるとCTが長くなり、CORおよびCT数の増加は一般的にゴルフクラブの打撃フェースの大きな柔軟性に起因する。
【0033】
したがって、上述のことから、一般に、できるだけ大きなCORとCT数を伴うゴルフクラブを設計することが望まれることがわかる。ゴルフクラブの打撃フェースの本来のトランポリン効果に起因して、CORおよびCTの最大になる点は一般にフェースの幾何中心の近傍に位置してよく、これはスイートスポットとして知られる。これは、クラブヘッドのゴルフボールとの衝突時の柔軟性がCORおよびCT数を増大させるのを助長するからである。大きなCORおよびCT数がフェースの中心にあることは、著しく好ましいことであるけれども、首尾一貫してゴルフクラブの打撃フェースの中心でゴルフボールを打撃する、まれなゴルファーにのみ有益であろう。したがって、ゴルフクラブヘッドの中心でゴルフボールを常には打撃で着ない平均的なゴルファーに親切なゴルフクラブを製造するために大きなスイートスポットのゴルフクラブを設計することが好ましいであろう。
【0034】
図1aおよび1bにおいてすでに明らかなように、大きなスイートスポットのゴルフクラブを設計することは、一般に、薄型のフェースのゴルフクラブを作成し、ゴルフクラブのより多くの打撃面積が撓めるようにし、より大きなスイートスポットを形成することにより実現可能である。ただし、ゴルフクラブの打撃フェース領域は、ゴルフボールとの衝突の間、膨大な応力を受けるから、薄すぎるフェースはそのような衝撃の繰り返しによりひび割れたり破損したりする。したがって、現時点までは、クラブヘッドの打撃領域の設計は、できるだけ薄くしてスイートスポットのサイズを大きくしたゴルフクラブの打撃領域を作成するか、または、充分に厚くしてゴルフクラブとゴルフボールとの間の衝突に関連する応力に耐えるようなゴルフボールを試みるかの相反するゴールをめぐる、定常的なせめぎ合いであった。
【0035】
伝統的なゴルフクラブは一般に上述の正反対の力のうち耐久性の側面に好意的に設計されてきた。なぜならば、ゴルフ業界の伝統的な考え方は、ゴルフクラブを、そのゴルフクラブの全寿命に渡って充分に丈夫なようにするという不必要な制約を課してきたからである。この不必要な制約は、ほとんどの応力にさらされる打撃領域はゴルフクラブヘッドの残りの部分に永久的に結合されるという事実に帰着する。それゆえ、ゴルフクラブ設計のこのような伝統的な制約のもとでは、ゴルフクラブの残りの部分と較べたときに指数関数的に大きな量の応力を受ける打撃フェースが、ゴルフボールを打撃したときに発生する衝撃力により壊れるときに、ゴルフクラブ全体が使い物にならなくなる。
【0036】
したがって、ゴルフクラブ設計者が、打撃フェース領域はゴルフクラブの残りの部分と固定的に結合されているという不必要な制約から、ひとたび、解き放されると、ゴルフクラブ設計者は図1bに示すように取り外し可能で交換可能な打撃フェース102を具備するゴルフクラブヘッド100を作成でき、ゴルフクラブ設計の伝統的な考え方からかつては実現できなかった図3に示すようなスイートスポットを実現できる。
【0037】
図4を参照すると、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの図1aのA−A’断面線に沿う断面図が示される。図4に示される断面図から、ゴルフクラブヘッド400が、ゴルフクラブヘッド400の本体404中の複数の支持タブ406の間にくさび締められた交換可能な打撃フェース402を、具備して良いことがわかる。図4に示されるこの実施例において、振動減衰材料408が交換可能打撃フェース402および複数の支持タブ406の間に配置されて交換可能な打撃フェース402および本体404の間のどのような振動も除去することに留意されたい。振動減衰材料408は、現行の事例的な実施例に示されるように、一般的には、熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマー、例えば、ゴム、ポリブタジエン、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴムであるエラストマーで、任意の形状またはサイズで、これに限定されないが、ドーナツ形状、矩形形状、円形の形状、または交換可能な打撃フェース402および本体404の間の振動の大きさを減少させる限りどのような形状でも良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しなければよい。さらに、振動減衰材料408はUSGA規則に従ってゴルフクラブヘッドの内部をシールするのに役立っても良い。
【0038】
図5は、図4において先に示したこの発明の代替的な実施例の拡大断面図であり、ここでは、交換可能な打撃フェース502の厚さd1が明瞭に示されている。この現行の事例的な実施例において交換可能な打撃フェース502の厚さd1は一般的には約3.0mmより薄く、寄り好ましくは約2.5mmより薄く、最も好ましくは約2.0mmより薄く、ゴルフクラブヘッド500の交換可能な打撃フェース502の部分のスイートスポット面積のサイズを大きくするようになっていて良い。ゴルフクラブヘッド500の交換可能打撃フェース領域の厚さをこのように減少させると、スイートスポット面積を増大させるのに加えて、ゴルフクラブの全体重量を減少させ、ゴルフクラブ内の他の箇所に自由に配置できる裁量的な重量を形成でき、性能を向上させることができる。より具体的には、交換可能な打撃フェース502の厚さを減少させると、薄型の交換可能な打撃フェースを伴わない伝統的なゴルフクラブに較べて、交換可能な打撃フェース502の全質量を少なくとも約20g、より好ましくは少なくとも約25g、最も好ましくは少なくとも約30g減少させることができる。
【0039】
この発明の代替的な実施例において、交換可能な打撃フェース502が可変的なフェース厚さ形状を採用するならば、厚さ分布は純粋に可変形状に依存して変化してよい。より具体的には、可変フェース厚さの交換可能な打撃フェース502において、最も薄い領域の厚さは約3.0mm未満であり、より好ましくは約2.5mm未満であり、最も好ましくは約2.0mm未満であって良い。可変フェース厚さの交換可能な打撃フェース502の最も厚い領域の厚さは、約4.5mm未満、より好ましくは約4.0mm未満、最も好ましくは約3.5mm未満であって良い。
【0040】
図5は、ゴルフクラブヘッド500の本体504の厚さd2も図説していることに留意されたい。これは交換可能な打撃フェース502の厚さd1と本体504の厚さd2の相対的な比較を示す。本体部分の厚さd2は、現行の事例的な実施例に示すように、3.0mm程度の薄さでもよく、ゴルフクラブヘッド500の本体504がゴルフボールとの衝突に十分に耐え得ることを確実にしている。交換可能な打撃フェース502の厚さd1は一般に本体504の厚さより薄くてよいけれども、相対的な厚さd1およびd2はお互いに依存するものではなく、個々の厚さは他方に対して薄くても厚くても良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0041】
図6を参照すると、交換可能な打撃フェース602が周囲部分610および中央部分612からなる、この発明のさらに代替的な実施例を示す。交換可能な打撃フェース602は2つの個別の部分からなって、さらにスイートスポットのサイズを増大させ、打撃フェース602の厚さを減少させてよい。交換可能な打撃フェース602は、周囲部分610および中央部分612の弾力性係数を異ならせることにより、これを実現してよい。より具体的には、周囲部分610の弾力性係数は一般的に中央部分612の弾力性係数より小さく、中央部分612の全体が一体の部品として動き、変形を周囲部分610に集中させてよい。例示の実施例においては、周囲部分610は薄型のチタン材料、薄型の複合材料、薄型のプラスチック材料、または弾力性係数を比較的小さくできる任意の他の材料かからなって良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。中央部分612は大きな弾力性係数を伴い、一般に、チタン材料、スチール材料、アルミニウム材料、または低い弾力性係数の十分に堅固な他の材料からなってよい。
【0042】
交換可能な打撃フェース602の周囲部分610および中央部分612の実際の幾何学形状は図7により良く図説され、これは交換可能な打撃フェース702の正面図を示す。ここで、図7において、周囲部分710が中央部分712を囲み、交換可能な打撃フェース702の外側領域が異なる材料で構築できることが理解できる。ただし、周囲部分710および中央部分712の弾力性係数の相違による効果を視覚化するために、二重部分の交換可能な打撃フェースがゴルフボールと衝突する際のそれを見る必要があるであろう。
【0043】
弾力性係数が異なる周囲部分710および中央部分712を具備することによる効果は図8に図説でき、これは、交換可能な打撃フェース802がゴルフボール813と衝突するときのその反作用を示す。この現行の事例的な実施例において、より小さな弾力性係数を伴う、周囲部分810は、より大きな弾力性係数を伴う、中央部分612よりも、ゴルフボールとの衝突時に、一般に、たくさん撓む。図8から理解できるように、周囲部分810は中央部分812よりもより可撓性があるので、周囲部分810はゴルフボール813との衝突時により大きく撓み、他方、中央部分812は、比較的、堅固な状態を維持して、ゴルフクラブヘッド800に対して出たり入ったりのトランポリン動作を行う大きなスイートスポットを形成する。
【0044】
図9は、この発明のさらに他の代替的な実施例を図1aの断面線B−B’に沿って断面した断面図を示し、ここでは、異なる結合機構を採用して交換可能な打撃フェースをゴルフクラブヘッド900に取り外し可能に連結してよい。図9のこの現行の事例的な実施例においてここで示されるように、ゴルフクラブヘッド900は、結合タブ920およびネジ932の組み合わせを用いて交換可能な打撃フェース902を本体904に連結させて良い。より具体的には、交換可能な打撃フェース902は、ゴルフクラブヘッド900のクラウン部分の近くの1または複数の結合タブ920を用いて本体904のクラウン部分と結合する。交換可能な打撃フェースの1または複数の結合タブ920は一般的に本体904のスロットに挿入されて交換可能な打撃フェース902のクラウン部分近くの結合機構を完結して良い。クラウン部分の連結に加えて、交換可能な打撃フェースのクラウン部分が本体904の適切な位置に適切に嵌入された後に、ソール部分は1または複数のネジ932を用いて打撃フェース902を本体904に連結させる。より具体的には、この実施例では、1または複数のネジ932が本体904のソール部分の1または複数の対応するネジ井戸934を通り抜け、交換可能な打撃フェース902の曲がった底部分930に連結する。交換可能な打撃フェース902の曲がった底部分930は一般的にゴルフクラブヘッド900のソール部分で、後方かつ上方に屈曲されて終端を形成し、複数のネジ932と係合し、これが交換可能な打撃フェース902をゴルフクラブヘッド900の本体904に取り外し可能に取り外し可能に固着する。図9において、曲がった底部分930は交換可能な打撃フェース902が外側に滑らないように角度付けられていることに留意されたい。この角度付けられた連結は複数のネジ932からの圧縮力と相乗して交換可能な打撃フェース902を所望の位置に押すようにしている。最後に、ゴルフクラブヘッド900は交換可能な打撃フェース902および本体904の間に振動減衰材料908を組み入れて当該2つの部品の間の接合を確実かつ適切にし、当該両部品の間のどのような振動も除去し、さらには、ゴルフクラブヘッド900の効果的なシールを行える点に留意されたい。
【0045】
図10は、交換可能な打撃フェース1002および本体1004の間の結合機構をさらに図説するために打撃フェース1002を取り外した状態でゴルフクラブヘッドを示す斜視図である。交換可能な打撃フェース1002が取り外されているので、図10は、部品を連結するのに用いる、本体1004のソール部分の近くのネジ井戸1034や1または複数のネジ1032をより明瞭に示す。図10に示されるゴルフクラブヘッド1000の斜視図は、交換可能な打撃フェース1002を複数のネジ1032に、対応するネジ井戸を介して係合させる前に、本体1004のクラウン部分に嵌入させられる1または複数の結合タブを視覚化させるのにも役立つ。
【0046】
上述に加えて、図10はゴルフクラブヘッド1000から取り外されている複数のネジ1032を示す。複数のネジ1032が取り外されているので、複数のネジ1032の近接端部1033および末端部1035をより簡便に示す。より具体的には、複数のネジ1032の近接端部1033は一般にネジの頭部を含み、ゴルフクラブヘッド1000のソール部分の近くで複数のネジ井戸1034と係合して良い。複数のネジ1032の末端部1035は一般にネジのネジ式端部を含み複数の曲がった底部分930(図9に示す)または任意の同様の交換可能な打撃フェース1002の受け部分と係合して良く、これらはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0047】
図11は、この発明のさらに他の代替的な実施例を図1aの断面線B−B’に沿って断面した断面図を示し、ここでは、ゴルフクラブヘッド1100は多重ネジシステムを利用して交換可能な打撃フェース1102をゴルフクラブヘッド1100の本体1104に取り外し可能に結合する。図11に示すこの代替的な実施例において、ゴルフクラブヘッド1100は、ゴルフクラブヘッド1100のクラウン部分およびソール部分の双方において複数のネジ1132を複数のネジ井戸1134に関連付けて使用して交換可能な打撃フェース1102を取り外し可能に結合する。この現行の事例的な実施例において、ゴルフクラブヘッド1100は曲がった底部分に替えて複数のネジ受け口1135を利用して交換可能な打撃フェースを連結する代替的な手法を実現して良く、これはこの発明の範囲および内容を逸脱しない。複数のネジ1132をクラウン部分およびソール部分の双方で採用することにより、交換可能な打撃フェース1102および本体1104の間のより堅固な接合が可能になる。この現行の事例の実施例において、交換可能な打撃フェース1102および本体1104の連結が、交換可能な打撃フェース1102が外側に滑らないように角度付けられていることに留意されたい。この角度付けられた連結は複数のネジ1132からの圧縮力と相乗して交換可能な打撃フェース1102を所望の位置に押すようにしている。最後に、ゴルフクラブヘッド1100は交換可能な打撃フェース1102および本体1104の間に振動減衰材料1108を組み入れて当該2つの部品の間の接合を確実かつ適切にし、当該両部品の間のどのような振動も除去して良い点に留意されたい。
【0048】
図12は、この発明のさらに他の代替的な実施例を図1aの断面線B−B’に沿って断面した断面図を示し、ここでは、ゴルフクラブヘッド1200は多重ネジシステムを利用して交換可能な打撃フェース1202をゴルフクラブヘッド1200の本体1204に取り外し可能に結合する。こ現行の事例的な実施例において示されるゴルフクラブヘッド1200は、複数のネジ1232を利用して交換可能な打撃フェース1202を所望の位置に引き、これは図11に示すような押圧と代わる点である。図12は複数のネジ井戸1234を良い。図12は、交換可能な打撃フェース1202と本体1204との間の角度付けられた連結に対して交換可能な打撃フェースを引っ張る複数のネジ1232を示すことに留意されたい。この引張結合機構は、この現行の事例的な実施例において望ましい。なぜならば、これは連結力をゴルフボールの衝突力と整合させるからである。そのため、図12に示すこの実施例の下では、ゴルフボールから受ける衝突力は、交換可能な打撃フェース1202とゴルフクラブヘッド1200の本体1204の部分との間の連結を強固にするのに実際に役に立つ。最後に、ゴルフクラブヘッド1200は交換可能な打撃フェース1202および本体1204の間に振動減衰材料1208を組み入れて当該2つの部品の間の接合を確実かつ適切にし、当該両部品の間のどのような振動も除去して良い点に留意されたい。
【0049】
図13は、この発明のさらに他の代替的な実施例を図1aの断面線B−B’に沿って断面した断面図を示し、ここでは、ゴルフクラブヘッド1300は拡大された交換可能な打撃フェース1302を利用し、これが前面打撃表面の全体をカバーする。図13に示すこの発明の代替的な実施例では、交換可能な打撃フェース1302の屈曲部分1330を交換可能な打撃フェース1302の衝撃領域から離れるようにずらしてゴルフボールとの衝突時に引き起こされる応力を避けるようにしている。ゴルフクラブヘッド1300は、結合機構をゴルフクラブヘッドの混合領域にシフトさせることにより、付加的なトランポリン効果も実現できる。なぜならば、複数のネジ井戸1334は衝突の幾分かを吸収し、弾性的に変形し、薄型のフェースにより提供されるトランポリン効果に加えて付加的なトランポリン効果を実現できるからである。他のすべての実施例と同様に、ゴルフクラブヘッド1300は交換可能な打撃フェース1302および本体1304の間にはさまれる振動減衰材料1308を組み込んで良い。
【0050】
図14はこの発明のさらに代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1400の平面図を示し、ここでは交換可能な打撃フェース1402がシャフト軸1440を中心にして回転して交換可能な打撃フェース1402をゴルフクラブヘッド1400の本体1404に連結する他の手法を実現するようになっている。ゴルフクラブヘッド1400のスワイベルの特徴は、この発明のさらに代替的な実施例に従って、これが、既存のホーゼルのネジ結合機構とシャフト軸1440において一体化して、簡便に取り外し可能で簡便に交換可能な、交換可能打撃フェース1402を製造する簡潔な手法を実現できる点で、付加的な有益性を実現する。ゴルフクラブヘッド1400は一般にゴルフクラブヘッド1400の本体1404のトウ側端部の近くの少なくとも1つのネジ井戸1434を利用して交換可能な打撃フェース1402とゴルフクラブヘッドの本体1404の部分との間の固着機構を実現して良い。より具体的には、複数のネジ井戸1434が一般的にネジ1432を収容でき、これが本体1404から押し出て交換可能な打撃フェース1402の裏側のネジ受け口1435に挿入して連結を完成させて良い。
【0051】
図15はスワイベルの交換可能な打撃フェース1502を採用するゴルフクラブヘッド1500の等角投影図を示す。ゴルフクラブヘッド1500のこの等角投影分解図は交換可能な打撃フェース1502がどのようにしてゴルフクラブヘッドの本体1504の部分に連結できるかを図説する。スワイベルの交換可能な打撃フェース1502を組み立てるために、交換可能な打撃フェース1502側に位置づけられる内部ホーゼル部分1552を、交換可能な打撃フェース1502を開放位置に維持したままで、本体1504側に位置づけられた外部ホーゼル部分1554に挿入する。内部ホーゼル部分1552がひとたび外部ホーゼル部分1554中にシャフト軸1540に沿って適切に組付けられると、交換可能な打撃フェース1502の全体がシャフト軸1540を中心にして開放位置から閉止位置までスワイベル回転でき、この閉止位置において、ネジ井戸1534がネジ受け口(図14に示す)を係合して交換可能な打撃フェース1502をゴルフクラブヘッド1500の本体1504に固着させる。
【0052】
スワイベルの交換可能な打撃フェース1602を含む、この発明の代替的な実施例に従うゴルフクラブヘッド1600の正面図を示す。この正面図によれば、交換可能な打撃フェース1602およびゴルフクラブヘッド1600の本体1604の間の振動減衰材料1608をより良く把握できることに留意されたい。さきに検討した他の振動減衰材料と同様に、このスワイベルの交換可能な打撃フェース1602に採用される振動減衰材料1608はゴルフクラブヘッド1600がゴルフボールを打撃するときに衝突から引き起こされる振動を吸収するのに役立つ。
【0053】
図17および図18はそれぞれ交換可能な打撃フェース1702および1802を採用する、この発明の2つの他の代替的な実施例を示す。図17および18は、ゴルフクラブヘッド1700および1800をヒール方向から見た側面図を示すことにより、交換可能な打撃フェース1702および1802の異なるサイズおよび形状を示し、これらは異なる連結プロファイルを実現するのに採用できる。交換可能な打撃フェース1702は、図17の事例的な実施例において示されるように、より高いトウ部分を伴って交換可能な打撃フェース1702のより多くの部分が本体1704の周りを巻くようになっている。交換可能な打撃フェース1702のより多くの部分が本体1704の周りを巻くようにすることは、このような構成により両部品間のよりしっかりとした連結が実現できるので、好ましいであろう。他方、図18に示される交換可能な打撃フェース1802はより丈の短いトウ部分を伴って交換可能な打撃フェース1802のより少ない部分しか本体1804の周りを巻かないようになっている。交換可能な打撃フェース1802のより少ない部分しか本体1804の周りを巻かないようにすることは、そのような構成により、フェースのより多くの部分がゴルフボールとの衝突時に関連して屈曲することが可能になるので、好ましいであろう。上述と同様に、ゴルフクラブヘッド1700およびゴルフクラブヘッド1800の双方は振動減衰材料1708および1808をそれぞれ組み入れて、交換可能な打撃フェース1702および1802と本体1704および1804との間に起こる振動を吸収するのに役立つであろう。振動減衰材料1708および1808は部品間の適切な結合を確実にするのに役立ち、また別体の部品間のギャップを回避するのに役立つであろう。
【0054】
ゴルフクラブヘッドが、打撃フェースをゴルフクラブヘッドの本体から永久的に連結させておかなければならないという制約から開放されると、上述した利益とは別のたくさんの他の利益がもたらされるであろう。例えば、先に参照した図をさらに検討すると明らかなように、交換可能な打撃フェースを採用する、この発明に従うゴルフクラブヘッドは潜在的に種々のロフトを具備できる。より具体的には、この開示内容から、打撃フェースが取り外し可能で交換可能であるので、交換可能な打撃フェースは元の取り外された元の交換可能な打撃フェースと同じロフトである必要がないということが理解できる。したがって、この発明に従うゴルフクラブヘッドは先に検討した性能上の利点に加えて、打撃フェースの種々の他の特徴をカスタマイズできるという付加的な利点も実現するであろう。
【0055】
部品の間の適切な結合を確実にし、ギャップを回避するのに加えて、上述の振動減衰材料はゴルフクラブヘッドの音響特性も改善するであろう。現在のゴルフクラブヘッドは、サイズを大きくしつつ、不必要な部分から重量を取り除くように試みており、種々の材料、例えば、チタンおよび複合材料から極めて薄い壁部を実現している。ゴルフクラブヘッドのこのような薄い領域は、厚い領域に較べて、種々の固有振動数で振動する傾向があり、ゴルフクラブヘッドから生じる音に変化がある。衝突時のゴルフクラブヘッド内の極端な振動は、一般に好ましくないであろう。なぜならば、このような極端な振動は、ゴルフクラブヘッドの音響特性に悪影響を与え得るからである。
【0056】
この発明は薄型の交換可能な打撃フェースを採用する傾向があるので、伝統的なタイプのゴルフクラブヘッドよりもこの発明に従うゴルフクラブヘッドにおいては音響振動がより関心事項となる。図19は、この発明の事例的な実施例に従うゴルフクラブヘッドの信号電力図を示し、これはゴルフクラブヘッドの音および音響振動をより良く図説するのに役立つ。より具体的には、図19は、ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃するときにゴルフクラブヘッドが生成する音響のパワーを、ソールの交換可能な打撃フェースと組み合わせた振動に一般的に起因する振動数1960の関数として把握する。図19からわかるように、この発明のゴルフクラブヘッドは音響パワー1962の最初のピークを約4000ヘルツに生成する。図19に示す信号パワー図の全体は、一般に、ゴルフクラブがゴルフボールと接触するときのゴルフクラブの音響のグラフィカル表示を表し、4000ヘルツの音響パワーの最初の音響ピークは一般に第1モード振動1964として知られている。ゴルフクラブヘッド内において振動を適切に減衰させることにより実現できる所望の音響を生成するために、第1モード振動1964すなわちパワー1962の第1のピークは、一般に約3000ヘルツより大きく、より好ましくは約3250ヘルツより大きく、最も好ましくは約3500ヘルツより大きくて良い。
【0057】
図20を参照すると、交換可能な打撃フェース2002が、ゴルフクラブヘッド2000の本体2004のスカート2071の部分を囲む結合バンド2070を含んで良い、この発明の他の代替的な実施例を示す。図20に示すこの代替的な結合機構を用いると、一般的にネジをゴルフクラブヘッド2000の後方部分近くに採用して交換可能な打撃フェース2002をゴルフクラブヘッド2000の本体2004に結合できる。この代替的な実施例においては、結合バンド2070は一般に末端で相互に分離してゴルフクラブヘッド2000のスカート2071の部分を確実に囲み、同時に結合バンド2070のネジ受け口2072の部分で重なるようになっていて良い。結合バンド2070がスカート2071の係合部分内にしっかりと配置されると、ネジ2074がネジ受け口2072、さらには本体内のネジ井戸(図示しない)に挿入されて結合バンド2070を締めつけ、交換可能な打撃フェース2002を確実に結合させる。この実施例では、ネジ2074の締めつけ強さが交換可能な打撃フェース2002の連結の強さに関連することに留意されたい。したがって、ネジを強く締めつければ締めつけるほど、交換可能な打撃フェース2002を強く締めつけられる。図20は、1または複数のネジ2032をもゴルフクラブヘッド2000のソール部分の近くに示し、これは交換可能な打撃フェース2002の底部分をゴルフクラブヘッド2000の本体2004にしっかりと固定する。
【0058】
図21は、他方、交換可能な打撃フェース2102がゴルフクラブヘッド2100に往復働して結合されて良い他の代替的な実施例を示す。より具体的には、図21に示すゴルフクラブヘッド2100は、複数の蟻継案内部2182を示し、これらにより交換可能な打撃フェース2102がゴルフクラブヘッド2100内の適切なスロット中へとスライドして入り込め、代替的な結合機構を実現できるようになっている。この代替的な実施例においては、ゴルフクラブヘッド2100はゴルフクラブヘッドのクラウン部分2184の近くにストッパを含んで、ゴルフクラブヘッド2100の頂部近くの結合を確実にするようになっていることに留意されたい。このストッパに加えて、ゴルフクラブヘッド2100は1または複数のネジ2132も採用してゴルフクラブヘッド2100のソール部分近くの複数のネジ井戸2134と連結させて結合機構を完成させて良い。図21は交換可能な打撃フェース2102およびゴルフクラブヘッド2100の間に挟まれる振動減衰層を示さないけれども、振動減衰層を交換可能な打撃フェース2102およびゴルフクラブヘッド2100の間に採用して良く、これはこの発明の範囲および内容を逸脱しない。さらに、現行のゴルフクラブヘッド2100は、ゴルフクラブヘッド2100の打撃フェース部分に沿って垂直に配置される複数の蟻継案内部2182を示すけれども、封数の蟻継案内部2182はゴルフクラブヘッドの打撃フェース部分に水平に延びても良く、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0059】
最後に、ここに示した結合機構のほとんどは1または複数のネジを用いて交換可能な打撃フェースをゴルフクラブヘッドの本体に固着するけれども、上述の部品の間で適切な連結が実現される限り、この発明の範囲および内容を逸脱しない範囲で、種々の他の結合機構を採用して良い。より具体的には、図22はネジの代わりに採用できる雄結合部分2232および雌結合部分2234を有する代替的な結合機構を示す。さらに具体的には、図22に示す代替的な結合機構はサイドリリースバックル機構を含み、複数の弾力性アームが雄結合部分2232側の堅固なアーム2294に混じり、雌結合部分2232のキャビティ内の複数のスロット2293と結合するようになっていて良い。この代替的な結合機構は、結合および開放が容易で、どのような付加的な取り外しツールを必要としないという点で、ネジに対して顕著な利点を有する。
【0060】
この代替的な実施例において雄結合部分2232を雌結合部分2234にしっかりと結合させるためには、雄結合部分から突出している堅固なアーム2294や弾力性アーム2292を雌結合部分のキャビティ内に挿入して良い。弾力性アーム2292が雌結合部分2234のキャビティ内に所定の深さまで挿入されると、弾力性アームは雌結合部分2232内の複数の対応するスロット内にはめ込まれる。雄結合部分2232を雌結合部分2234から取り外すには、複数の対応するスロットと係合している弾力性アーム2292を押圧してスロット2292から外れるようにする必要があるであろう。部品を一体にロックしている弾力性アーム2292が外れると、雄結合部分2232が雌結合部分2234内でスライドして後退し、解除処理を終了させて良い。そのような代替的な結合機構の詳細はTracyの米国特許第4,150,464号に見い出すことができ、その内容は参照してここに組み入れる。
【0061】
ここでは種々の図が、単独でまたは組み合わされて、交換可能な打撃フェースをゴルフクラブヘッドの本体に結合させるための種々の結合機構を示すけれども、この発明は、任意の1つまたは複数の組み合わせで結合機構を採用して交換可能な打撃フェースとゴルフクラブヘッドの本体との間の結合を確実にしてく、これはこの発明の範囲および内容から逸脱しない。
【0062】
実施例の外に、または、とくにことわらない限りは、すべての数の範囲、量、値およびパーセンテージ例えば明細書中の材料の量、慣性モーメント、重心位置、ロフト、ドラフト角、種々の性能比、その他に関するそのようなものは、値、量、または範囲とともに明瞭に「約」の用語が表示されていなくてもそのような用語「約」があるものとして認識することができる。したがって、そうでないと示されない限り、明細書および特許請求の範囲の数字のパラメータは近似であり、これはこの発明により実現されることがのぞまれる所望の特性に応じて変化する。特許請求の範囲の均等理論の適応を排除する意図はないが、少なくとも、各数量のパラメータは報告された実行桁数の下で理解され、通常の丸め手法により把握すべきである。
【0063】
この発明の広い範囲を示す数量の範囲およびパラメータは近似であるけれども、明細書の例に示された数量の値はできる限り正確に報告されている。ただし、いずれの数量の値も、各実験の測定に見いだされる標準偏差に起因する必然的な誤差を内在する。さらに、種々のことがらについて数量の範囲が示される場合には、指摘した値の範囲で、それらを組み合わせたものが利用できることを理解されたい。
【0064】
以上は、この発明の例示の実施例に関するものであり、以下の特許請求の範囲で示される発明の範囲および程度を逸脱することなく修正を行えることはもちろんであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0065】
100 ゴルフクラブヘッド
102 交換可能な打撃フェース
103 衝撃ゾーン
104 本体
105 結合ゾーン
106 支持タブ
109 前面打撃表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
クラウン部分およびソール部分を有する本体と、
上記本体に取り外し可能に連結され衝撃ゾーンおよび結合ゾーンを有する交換可能な打撃フェースとを有し、
上記衝撃ゾーンの厚さは約3.9mm未満であり、
上記交換可能な打撃フェースは、上記衝撃ゾーン内に位置するスイートスポットをさらに有し、
上記スイートスポットは特性時間が、約239マイクロ秒から約257マイクロ秒の間の最大特性時間の少なくとも99%である、上記ゴルフクラブヘッドの前面打撃表面の領域として定義され、
上記スイートスポットが上記前面打撃表面の約6%より大きく、
上記ゴルフクラブヘッドが約350ccより大きな体積を有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
振動減衰材料が上記交換可能な打撃フェースと上記本体との間に介挿される請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
上記交換可能な打撃フェースが上記本体に少なくとも1つのネジを用いて結合される請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記交換可能な打撃フェースはさらに少なくとも1つのネジ受け口を有して上記少なくとも1つのネジの末端と係合する請求項3記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
上記本体は少なくとも1つのネジ井戸を有して上記少なくとの1つのネジの近接端と係合する請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
上記少なくとも1つのネジは上記打撃フェースの結合ゾーンを上記本体の角度付けられた部分へと押して上記交換可能な打撃フェースを上記本体に適切に固着する請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
上記少なくとも1つのネジは上記打撃フェースの結合ゾーンを上記本体の角度付けられた部分へと引いて上記交換可能な打撃フェースを上記本体に適切に固着する請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
上記少なくとも1つのネジ井戸は上記ゴルフクラブヘッドの上記ソール部分の近くに配置される請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
上記少なくとも1つのネジ井戸は上記ゴルフクラブヘッドの上記クラウン部分の近くにも配置される請求項8記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
上記交換可能な打撃フェースは上記ゴルフクラブヘッドのシャフト軸に回転して結合される請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
上記少なくとも1つのネジ井戸は上記ゴルフクラブヘッドのトウ部分の近くに配置される請求項10記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
上記主たる第1モード周波数は約3500ヘルツより大きい請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
クラウン部分、ソール部分、および少なくとも1つのネジ井戸を有する本体と、
上記本体に取り外し可能に連結され衝撃ゾーン、結合ゾーンおよび少なくとも1つのネジ受け口を有する交換可能な打撃フェースとを有し、
上記交換可能な打撃フェースは、上記少なくとも1つのネジ井戸および上記少なくとも1つのネジ受け口に係合する少なくとも1つのネジを用いて、上記本体に結合され、
上記衝撃ゾーンの厚さは約3.9mm未満であり、
上記ゴルフクラブヘッドが約350ccより大きな体積を有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
振動減衰材料が上記交換可能な打撃フェースと上記本体との間に介挿される請求項13記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
上記少なくとも1つのネジは上記打撃フェースの結合ゾーンを上記本体の角度付けられた部分へと押して上記交換可能な打撃フェースを上記本体に適切に固着する請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
上記少なくとも1つのネジは上記打撃フェースの結合ゾーンを上記本体の角度付けられた部分へと引いて上記交換可能な打撃フェースを上記本体に適切に固着する請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
上記交換可能な打撃フェースは上記ゴルフクラブヘッドのシャフト軸に回転して結合される請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
上記少なくとも1つのネジ井戸は上記ゴルフクラブヘッドのトウ部分の近くに配置される請求項17記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
上記主たる第1モード周波数は約3500ヘルツより大きい請求項14記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
ゴルフクラブヘッドにおいて、
クラウン部分、ソール部分、および少なくとも1つのネジ井戸を有する本体と、
上記本体に取り外し可能に連結され衝撃ゾーン、結合ゾーンおよび少なくとも1つのネジ受け口を有する交換可能な打撃フェースとを有し、
上記交換可能な打撃フェースは、上記少なくとも1つのネジ井戸および上記少なくとも1つのネジ受け口に係合する少なくとも1つのネジを用いて、上記本体に結合され、
上記交換可能な打撃フェースは、特性時間が、約239マイクロ秒から約257マイクロ秒の間の最大特性時間の少なくとも99%である、上記ゴルフクラブヘッドの前面打撃表面の領域として定義される、スイートスポットを有し、
上記スイートスポットが上記前面打撃表面の約6%より大きく、
上記ゴルフクラブヘッドは、約3500ヘルツよりおおきな主たる第1モード周波数を有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
上記交換可能な打撃フェースは上記ゴルフクラブヘッドのシャフト軸に回転して結合される請求項20記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
上記少なくとも1つのネジ井戸は上記ゴルフクラブヘッドのトウ部分の近くに配置される請求項21記載のゴルフクラブヘッド。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−101800(P2011−101800A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−252446(P2010−252446)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
【Fターム(参考)】