説明

人および動物における腫瘍組織の近接照射療法を実施する部品およびアセンブリ

本発明は人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施するアセンブリであって腔内部品と少なくとも1つの案内ユニットとを備えるものに関する。案内ユニットは、長手軸を有し、腔内部品に結合可能であり、腫瘍組織に治療を実施する少なくとも1つの間質ニードルアセンブリ連結手段を備える。アセンブリは、長手軸に対して横断方向に前記間質ニードルアセンブリが移動することを許容し、かつ長手軸に平行な方向に対して、または長手軸に所定の角度で、前記間質ニードルアセンブリが変位するのを防止するように構成された連結/連結解除手段有する。この連結原理により、患者が治療室内の位置につく前に、案内ユニットを準備することが可能になる。また、実際の治療が実施される際に、間質ニードルアセンブリの不所望の連結解除が防止され、さらに治療パラメータ(患者に施される放射線の位置および期間)に対して悪影響を与えるリスクが低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人または動物の体における腫瘍組織の近接照射療法を実施するアセンブリであって、腔内部品と少なくとも1つの案内ユニットとを備え、前記少なくとも1つの案内ユニットは前記腔内部品に結合可能であり、かつ前記癌組織に治療を施す間質(interstitial)ニードルアセンブリを少なくとも1つ収容するために配置されているアセンブリに関する。
【0002】
本発明は、また、人または動物の体における腫瘍組織に近接照射療法を実施する間質ニードルアセンブリ、並びに、間質ニードルアセンブリを用いて、人または動物の体における腫瘍組織の近接照射療法を実施する方法であって、前記腫瘍組織の近傍または前記腫瘍組織内にカテーテルの経路を通って配置される少なくとも1つのエネルギー放出源を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
上述した間質ニードルを備える放射線治療装置が医療分野において知られており、子宮頸部および/または子宮内膜の癌腫(上皮性悪性腫瘍)の治療に好適である。追加の間質ニードルを挿入すると、近接照射療法を用いることにより腫瘍治療用の最適等線量曲線を作成することが可能となる。
【0004】
既知のアセンブリは間質近接照射療法と腔内近接照射療法とを組み合わせている。
【0005】
間質近接照射療法の間はエネルギー放出(放射線)源は治療対象の人または動物の体の腫瘍組織内に挿入されるが、腔内近接照射療法の間は放射線源は体内に既存の体腔に挿入される。間質および腔内近接照射療法では、一般に高線量率(HDR)療法として知られるものを施すために活性エネルギー放出源が用いられる。HDR療法では、放射線源は組織または腔内にニードルまたはカテーテルを用いて1回以上案内され、閉じたカプセル内に収容されているのが常であり、放射線源が組織と直接接触することは決してない。近接照射療法はPDR(パルス線量率)またはLDR(低線量率)治療とともに実施することもできる。本明細書において記載されているアセンブリおよび部品はすべてのタイプの近接照射療法の実施に好適である。
【0006】
既知のアセンブリでは、腔内部品は患者の体腔内に、まず、その遠位端が挿入される。次に、1つ以上の間質ニードルが実施されるべき治療法に従って案内ユニットに結合される。
【0007】
通常、間質ニードルは、案内ユニットに存在する適切な案内穴または開口部を通って挿入される。複数の間質ニードルをそのまま案内ユニットに結合することは、かなりの熟練を必要とするとともに実際に放射線治療を実施する前に時間が必要となる。患者はその間治療台に乗っているので、患者を不快にする。間質ニードルを案内ユニットの穴または開口部に案内しようとする際に患者の体腔壁に不所望の損傷を引き起こす危険性があり、患者の体腔壁を穿孔する危険性すらある。また、既知の装置に間質ニードルが連結される方法にも、案内ユニットから間質ニードルが意図せず(かつ不所望に)連結解除してしまうリスクがあるという欠点がある。その結果、治療されるべき腫瘍組織に対してカテーテルの経路を配置し直すこととなり、患者の治療パラメータに悪影響を与えることになりかねない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、腔内部品と少なくとも1つの案内ユニットとを備え、前記少なくとも1つの案内ユニットは長手軸を有し、前記腔内部品に結合可能であり、前記少なくとも1つの案内ユニットは前記腫瘍組織に治療を実施する少なくとも1つの間質ニードルアセンブリと連結する連結手段を備える、人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施する改良されたアセンブリであって、前記間質ニードルアセンブリは案内チャネルを備え、前記案内チャネルを通って中空カテーテルチャネルが前記長手軸に沿って移動可能であり、前記中空カテーテルチャネルは、前記腫瘍組織に治療を実施するために、前記案内ユニットと前記案内チャネルとを越えて前記腫瘍組織内に延在可能であるアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるアセンブリは、案内チャネルを設け、この案内チャネルに沿って中空カテーテルが比較的容易かつ安全に移動できるようにすることにより従来技術の欠点のいくつかを少なくとも部分的に緩和している。
【0010】
本発明の別の目的は、人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施する改良されたアセンブリであって、腔内部品と少なくとも1つの案内ユニットとを備え、前記少なくとも1つの案内ユニットは長手軸を有し、前記腔内部品に結合可能であり、前記少なくとも1つの案内ユニットは前記腫瘍組織に治療を実施する少なくとも1つの間質ニードルアセンブリを連結する手段を備え、連結/連結解除の目的で、前記連結手段は、前記長手軸に対して横断方向に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリが変位可能であり、かつ前記長手軸に対して平行な方向に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリが変位するのを防止可能であるように配置される。この改良されたアセンブリの利点は、連結原理がより効率的であり、実際の治療の前の準備時間が顕著に短縮され、それにより、患者の受ける不快感が低減され、さらに、前記間質ニードルアセンブリは実際に治療が行なわれている間に不所望の連結解除が起きるリスクが制限される。
【0011】
この準備時間が短縮されるのは、案内ユニットとニードルアセンブリの挿入がより容易かつ迅速になされるからである。
【0012】
実際に治療する前にアセンブリを準備する時間をさらに短縮することは、別の実施形態におけるように、案内チャネルが案内ユニットに開放可能に結合可能であるようにすることで達成される。
【0013】
案内チャネルと治療されるべき腫瘍組織に対してカテーテルチャネルが意図せずに変位して治療パラメータに悪影響を与えることを防止するために、案内チャネルは、近位端に、中空カテーテルチャネルが長手軸に沿って移動しないようにする手段を備えている。
【0014】
本発明によるアセンブリの一つの利点は、前記長手軸に対して横断方向に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリを変位することを許容することにより前記連結/連結解除ステップが設けられていることであり、かつ前記長手軸に平行な方向に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリが変位するのが防止されていることである。
【0015】
この連結原理により、患者が治療室内の位置につく前に、案内ユニットを準備することが可能になる。さらに、これにより、実際の治療が実施される際に、間質ニードルアセンブリの不所望の連結解除が防止され、さらに治療パラメータ(患者に施される放射線の位置および期間)に悪影響が及ぼされるリスクが低減される。
【0016】
代替的に、案内ユニットと案内チャネルとを結合する解放可能な結合手段は協働するねじ山手段であり、他の代替的実施形態では、案内ユニットと案内チャネルとを結合する解放可能結合手段はバイオネット係合手段である。
【0017】
好適な一実施形態では、案内チャネルは可撓性プラスチック材料製である。
【0018】
さらに詳しくは、前記少なくとも1つの案内ユニットは、使用時に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリの少なくとも一部分を収容する、少なくとも1つの凹部を設けられている。案内開口部を通して案内する代わりに凹部に前記間質ニードルの一部分を収容すると、患者を治療するときに顕著な利点が得られる。というのは、案内ユニットは複数の間質ニードルアセンブリを事前に取付けてから患者の体内(または体腔内)に挿入することができるからである。
【0019】
案内ユニットはすでに取付け(もしくは配置)を予定されまたは必要とされ、あるいは事前に組み立てられている間質ニードルアセンブリを、すべてその上に有するので、案内ユニットを挿入する時間が短縮されるとともに挿入の難しさも軽減され、患者のいかなる不快感も軽減され、既存または既知のシステムと比べて治療をはるかに迅速に開始することが可能となる。
【0020】
各凹部は前記案内ユニットの周面に設けられているので、実際に治療を実施する前に間質ニードルアセンブリを取付けることおよび治療が実施された時点で取り外すことが容易かつ迅速に行なわれる。
【0021】
さらに詳しくは、前記間質ニードルアセンブリは遠位端を有する案内チャネルを備え、前記遠位端は前記凹部に収容される。これにより、実際に治療する前に対応する凹部内に複数の案内チャネルを収容することにより案内ユニットの事前準備が可能となり、それにより実際に治療するまでの患者の待機時間が短縮される。
【0022】
改良された一実施形態では、前記案内チャネルの遠位端には前記凹部に係合する結合要素が設けられている。さらに詳しくは、前記凹部は、少なくとも第1の凹部部分を備え、前記第1の凹部部分は第2の凹部部分に連続し、前記結合要素は、前記第1の凹部部分に係合する少なくとも第1の要素部分と、前記第2の凹部部分に係合する第2の要素部分とを設けられている。
【0023】
案内ユニットにおける凹部のこれらの凹部部分は案内チャネルの結合要素の対応する要素部分と協働して案内チューブの長手軸方向の移動を制限する。案内チャネルの結合要素は案内チャネルの一部分として一体的に成形または形成されてもよく、または代替的に案内チューブに係合または挿入される別体の部品であってもよい。
【0024】
間質ニードルアセンブリを適切に挿入できるようにするために、前記凹部は、前記案内ユニットを貫通している案内穴に連続している。この案内穴は、前記案内チャネルを貫通するカテーテルチャネルを案内するものである。
【0025】
第1の実施形態では、前記案内ユニットは前記腔内部品を包囲する環またはリング形状を有する。これにより、複数の間質ニードルアセンブリを適切に結合することが可能となり、近接照射療法を用いることにより腫瘍の治療のための最適化された等線量曲線を作成することが可能となる。
【0026】
同様に、別の実施形態では、前記案内ユニットは前記腔内部品に当接する卵形形状を有する。案内ユニットがそのような形状をしているため、案内ユニットは子宮頸部組織壁に押しつけられ、健常組織の周りに空隙を生じる。
【0027】
さらに詳しくは、前記成形された案内ユニットは、前記腔内部品を収容する溝を少なくとも1つ設けられている。これにより、患者の体に近接照射療法を実施するアセンブリの取付けと取外しが改善され、簡単になる。
【0028】
本発明は、また、人または動物の体における腫瘍組織の近接照射療法を実施する間質ニードルアセンブリに関する。この間質ニードルアセンブリは、
−案内チャネル近位端と案内チャネル遠位端とを有する中空案内チャネルであって、使用時に前記案内チャネル遠位端が前記腫瘍組織に近いかまたは前記腫瘍組織内にある中空案内チャネルと、
−開放近位端と閉鎖遠位端とを有し、前記腫瘍組織内またはその近傍の位置に向かって前記案内チャネルを通って挿入される中空カテーテルチャネルと、
−近位端と遠位端とを有する支持ワイヤであって、前記カテーテルチャネル内に取外し可能に収容されて前記腫瘍組織内またはその近傍の位置に向けて前記案内チャネルを通って前記カテーテルチャネルを支持する支持ワイヤとを備える。
【0029】
本発明の目的は、上述のような間質ニードルアセンブリであって、患者の体内の各カテーテルチャネルの変位、特に挿入深度の変更を自動化しかつ十分に(かつ正確に)制御することができる間質ニードルアセンブリを提供することである。
【0030】
本発明によると、前記間質ニードルアセンブリは、さらに、前記中空カテーテルチャネルおよび前記支持ワイヤを患者の体外から前記案内チャネルを通って前記腫瘍組織内またはその近傍の位置に向けて挿入する挿入ユニットを備える。
【0031】
前記挿入ユニットは、前記案内チャネルの近位端を収容するハウジングを備え、前記案内チャネルの近位端は前記挿入ユニットのハウジングと係合する結合要素を設けられている。これにより、前記挿入ユニットと前記支持ワイヤとにより前記中空カテーテルチャネルを患者の体内の所定の距離(深度)に正確に配置することが可能になる。
【0032】
本発明のさらに改良された実施形態によると、前記結合要素は前記カテーテルチャネルを前記案内チャネルに対して固定する手段として構成されている。これにより、前記カテーテルチャネルが患者の体内で(予め計画された)その所望の深度に挿入されると、前記案内チャネル内のカテーテルチャネルに不所望のずれが生じることが防止される。このずれは治療の実施に悪影響を及ぼすことがある。
【0033】
本発明の一実施形態による案内チャネルを通してカテーテルチャネルを正確に変位させるために、前記挿入ユニットは、前記中空カテーテルチャネルと前記支持ワイヤを前記案内チャネルを通して変位させるために前記ハウジング内に移動可能に収容された挿入プランジャを備える。
【0034】
一実施形態において実施されるべき近接照射療法の治療パラメータに従って前記カテーテルチャネルの挿入深度を適切に設定するために、前記挿入プランジャには前記ハウジングを通る前記プランジャの変位を設定する設定ノッチを設けられている。さらに詳しくは、前記ノッチは前記挿入プランジャに設けられた外側ねじ山(雄ねじ)と協働する内側ねじ山(雌ねじ)を有する設定ナットとして構成されている。
【0035】
本発明は、また、人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施する方法であって、少なくとも1つのエネルギー放出源を用い、このエネルギー放出源を本発明による間質ニードルアセンブリを補助器具として用いてカテーテルチャネルを通して前記腫瘍組織の近傍または前記腫瘍組織内に配置する方法に関する。
【0036】
以下に図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるアセンブリの第1の実施形態を示す図である。
【図2a】図1の実施形態の詳細図である。
【図2b】図1の実施形態の詳細図である。
【図3a】本発明によるアセンブリの第2の実施形態を示す図である。
【図3b】本発明によるアセンブリの第2の実施形態を示す図である。
【図4】人または動物の体内の標的位置の模式図である。
【図5】本発明による間質ニードルアセンブリの一実施形態を示す図である。
【図6】(a)〜(c)図5の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は本発明によるアセンブリの一実施形態を示す。参照符号11は、女性患者が截石位を取る治療台を示す。治療台11は支持体12を設けられ、支持体12には据付け装置10が取付けられている。据付け装置10は、その機能自体は本発明とは無関係であるが、実施すべき医療に応じて医療器具を患者の体に対して正しい向きに置くのに役立つ。
【0039】
図1において、据付け装置10(またはクランプ装置10)は本発明によるアセンブリの一実施形態の一部分を締付け状態に保持する。
【0040】
本発明によるアセンブリは腔内部品20と、腔内部品20に結合可能な少なくとも1つの案内ユニット25を備える。腔内部品20は少なくとも1つ(ここでは2つ)の支持チューブ21および22からなる。第1の支持チューブ21は子宮内チューブ23に連続し、自由な遠位端で体腔内に、例えば子宮内に子宮頸部の方向に挿入することができる。もう一方の支持チューブ22は、本発明によると膣の内部に配置されるべきものである案内ユニット25を支持し、リング状要素25が子宮頸部に押しつけられている。
【0041】
図1(および図2aおよび2b)に示す実施形態では、案内ユニット25は子宮内チューブ23の周りに配置された環状またはリング状要素25からなる。図1、2aおよび3bに示す実施形態は案内ユニット25のリング状構成を開示しているけれども、子宮内チューブ23を包囲する他の閉じた構成も選択可能であることは明らかである。また、楕円形状を有する案内ユニット25は腔内部品20とともに用いるのに好適である。
【0042】
また、図1、図2aおよび図2bに示されるように、間質ニードルアセンブリ29−30を案内ユニット25に収容して子宮頸部内またはその近傍にある標的の腫瘍組織に放射線治療を実施することができる。各間質ニードルアセンブリは案内チャネル31を備え、案内チャネル31は遠位端31aおよび近位端31bを有する。案内チャネル遠位端31aは案内ユニット25内に収容されるように配置され、案内チャネル近位端31bは挿入器具30と相互作用する役を果たす。後に、これらの詳細を説明する。
【0043】
間質ニードルアセンブリ29−30も中空カテーテルチャネルからなり、中空カテーテルチャネルは開放近位端32aおよび閉鎖遠位端32bを有する。中空カテーテルチャネル32の内部に支持ワイヤ33が収容され、閉鎖されたカテーテルチャネル遠位端32bまで達している。支持ワイヤ33は栓塞子の役割を果たし、カテーテルチャネル32が中空案内チャネル31を通って挿入される際に、カテーテルチャネル32が過剰に撓んだ場合、カテーテルチャネル32が傷ついたり壊れたりするのを防止している。支持ワイヤはまたカテーテルチャネル32が案内ユニット25を越えて組織内に移動(変位)する際にカテーテルチャネル32に追加の支持を提供する。
【0044】
使用時、膣管内または子宮頸部内もしくはその近傍の子宮結合組織をはじめとする腫瘍組織の放射線治療を実施するときに、間質ニードルアセンブリ、特に結合されたカテーテルチャネル−線源ワイヤ32−33が案内ユニット25に存在する案内開口部26を通って案内される。通常、案内ユニット25は複数の案内開口部26を設けられており、案内開口部26は複数の間質ニードルアセンブリを同時に収容する機能を有し、子宮頸部内または子宮頸部の周りをはじめとする膣管内およびその周りの治療位置の内の複数の位置において放射線治療の措置を実施するようになっている。
【0045】
通常、従来の技術水準によるアセンブリを用いて放射線治療の措置を実施するときは、複数の間質ニードルアセンブリは案内ユニットに連結または結合されるが、その間女性患者は治療台11上にすでに載って、治療措置が実施されるのを待っている。これは患者に多大の不快感を与える可能性があり、しばしば実際に不快感を与えている。また、複数の間質ニードルアセンブリを既知のアセンブリの既知の案内ユニットに連結する既知の連結原理では、案内ユニットから間質ニードルアセンブリが不所望に分離してしまうことがある。これにより、治療パラメータが変わり、ひいては実施されるべき放射線治療に悪影響を与えることになる。
【0046】
さらに、間質ニードルアセンブリを案内ユニットの穴または開口部内に案内しようとするときに、不所望の障害を患者の体腔壁に引き起こす危険があり、穴を開けてしまうリスクすらある。
【0047】
本発明によると、案内ユニット25には連結手段27を設けられている。連結手段27は、連結/連結解除目的で配置されており、間質ニードルアセンブリ31−32−33が縦軸(長手軸)25′に対して横断方向に変位できるようにするが、長手軸25′に平行な方向に案内チャネル31が変位しないようにしている。換言すると、案内チャネル31と案内ユニット25の連結原理により、長手軸25′の方向に平行に、かつ放射線治療を実施するときに、膣管内の腫瘍組織に向けてカテーテルチャネル32に変位されるエネルギー放出源の変位方向にも平行に、間質ニードルアセンブリの意図しない、不所望の連結解除が起きるのを防止する。
【0048】
図2aおよび図2bに明瞭に示されるように、案内ユニット25上に存在する連結手段は複数の凹部27を備え、これら凹部は案内ユニット25の周面の特定の位置に設けられている。図2aに明瞭に示されるように、各凹部27は案内開口部26に連続し、案内開口部26を通ってカテーテルチャネル32が(カテーテルチャネル内に収容された支持ワイヤ33とともに)治療されるべき腫瘍組織内の特定の位置に向けて案内される。
【0049】
連結/連結解除のために、各案内チャネル31にはその遠位端31aにおいて結合要素34が設けられている。結合要素34は凹部27の形状と適合する(conformal)形状を有する。凹部27と結合要素34とを滑動可能に結合する連結手段の代替手段は、単なるねじ山であって、結合手段34が雄ねじ部分を設けられ、案内ユニット25は協働する雌ねじ部分を有するものであってもよい。べつの代替手段としては、バイオネット型固定手段がある。明らかに、比較的容易に置き換えることができそうな代替手段は他にも多数あるであろう。
【0050】
さらに詳しくは、図2bに明示されているように、各凹部27は第1の凹部部分27aと第2の凹部部分27bとを設けられている。一方、各案内チャネル31の遠位端31に取付けられた各結合要素34は対応する第1の要素部分34aと第2の要素部分34bとを設けられている。
【0051】
第1および第2の要素部分34a−34bは凹部部分27a−27bと適合する形状を有するので、案内チャネル31aを案内ユニット25の長手軸25′に対して横断方向に変位することにより、結合要素34を凹部27内に収容することができる。第1の凹部部分27aは第2の凹部部分27bに連続し、第2の凹部部分27bは案内開口部26に連続している。案内開口部26はカテーテルチャネル32の直径よりもわずかに大きい直径を有し、第2の凹部部分27bは第1の凹部部分27aの寸法よりも大きい寸法を有する。
【0052】
従って、収容されているときは、結合要素34は、案内ユニット25の長手軸25′の長手軸25′に平行な方向から見て凹部27内に位置する。カテーテルチャネル32が結合要素34の端部から外へ、かつ案内チャネル26を通って移動すると、案内チャネル31がロックされ、その横断方向の移動および案内ユニット25からの連結解除が防止される。
【0053】
この噛合い原理により、間質ニードルアセンブリの不所望の意図しない連結解除が防止され、特に案内チャネル31が長手軸25′に並行な方向に案内ユニットから連結解除されることが防止される。使用時、案内チャネル31が凹部27から連結解除されることもカテーテルチャネル32aにより防止される。その際、カテーテルチャネル32aは、体腔内の腫瘍組織の放射線治療措置を実施するために、支持ワイヤ33の助けで案内チャネル31と案内開口部26とを通って子宮頸部の周りの領域内の特定の位置に向けて案内される。
【0054】
図2aおよび2bに明瞭に示されるように、複数の凹部27がリング状の案内要素25の周面に存在し、治療されるべき腫瘍組織における異なる位置において複数の間質ニードルアセンブリを位置決めすることが可能となる。本発明による案内ユニットは、いくつかの間質ニードルアセンブリを異なる位置に置いて、いくつかのカテーテルが挿入される腫瘍組織に、より最適化された線量を発生させるようにすることが可能である。カテーテルチャネル32は、弾力性のあるプラスチック材料製であり、カテーテルチャネルが湾曲部の周りを通過する際に撓むことが可能である。カテーテルチャネル32内の案内支持ワイヤ33は所望の位置において腫瘍組織に進入する際にカテーテルチャネル32が実質的に真っ直ぐになることを確実にするよう支援する。
【0055】
支持ワイヤ33は特に弾力性に富む金属(Nitinol)製であるので、挿入の際に支持ワイヤ33とカテーテルチャネル32の双方が湾曲部の周りを通過することが可能になる。
【0056】
上述のように、実際に放射線治療を実施する前に挿入する目的で、支持ワイヤ33(栓塞子)がカテーテルチャネル32内に収容されている。支持ワイヤは、カテーテルチャネル32が案内ガイド25の案内チャネル31、案内穴26、膣管(折れ曲がり部、湾曲部あり)を通って、カテーテルチャネル32の閉じた遠位端が治療されるべき腫瘍組織内の所望の位置に挿入される際に損傷されたり、ねじれたり、変形されたりするのを防止する。
【0057】
カテーテルチャネル32が適切な位置に配置されると、支持ワイヤ33は後退される。案内チャネル31内に結合/固定手段35により固定されるカテーテルチャネル32はその近位端31b−32bにいわゆる後装填装置(after loading apparatus)が結合される。1つ以上のエネルギー放出源が中空カテーテルチャネルを通ってその閉じた遠位端に向けて前進される。放射線治療が完了した後、エネルギー放出源はカテーテルチャネル32を通って後装填装置に向けて撤退される。
【0058】
本発明による案内ユニットの別の実施形態が図3aおよび図3bに示されている。この実施形態では、腔内部品21−23には2つの案内ユニット250−250′が設けられており、それぞれが卵形の成形部品として成形されており、腔内部品と当接し、特に子宮内チューブ23と当接する。
【0059】
卵形案内ユニット250−250′を子宮内チューブ23に取付けるために、取付けプレート255が設けられる。この取付けプレート255はストッパーとして働き、子宮内チューブ23が所定の深度を超えて進まないようにしている。各卵形案内ユニット250−250′は子宮内チューブ23に支持されている。また、各卵形案内ユニットには子宮内チューブ23を収容する溝(不図示)を設けることができる。
【0060】
図3aに示されるように、各卵形案内ユニット250−250′には複数の凹部270が設けられ、各凹部はカテーテルチャネル支持ワイヤ32−33のための案内開口部260に連続している。同様にして、図2aおよび図2bに示されるように、各案内チャネル31はその遠位端31aに結合要素34が設けられている。各結合要素34には、図2a−図2bの実施形態と同様に、第1の要素部分34aと第2の要素部分34bを設けられ、これら要素部分は第1および第2の凹部部分270a−270bに対応する。
【0061】
また、この実施形態では、この連結原理により、結合要素34が案内ユニット250−250′の長手軸に対して横断方向に変位することが可能となり、かつ結合要素34が案内ユニット250−250′の長手軸25′に対して平行な方向に変位することを防止できる。
【0062】
リング状案内ユニット25の長手軸25′は仮想軸であり、この仮想軸は間質ニードルアセンブリ31−32−33の長手軸に平行であると考えられ、さらに詳しくは、エネルギー放出源をカテーテルチャネルを通って、膣管の腫瘍組織内の治療位置におけるカテーテルチャネル32の閉じた遠位端に向かって挿入する方向に平行であると考えられる。
【0063】
連結凹部270は案内ユニット25−250−250′の周面内に収容されるので、腔内部品23が案内ユニット25−250−250′と一緒に膣管内に配置された後に患者の体外から腫瘍組織内の所定の位置/深度に追加の間質ニードルアセンブリを挿入することができる婦人科用器具が得られる。1つ以上の特異的な凹部270に取付けられた1つ以上の間質ニードルアセンブリを用いることによって、図4に示されるように、腫瘍組織内の特定の位置に供給された放射線の最適の線量分布を得ることができる。
【0064】
特異的形状に形成された凹部270の利点は、これらの凹部270により、患者が実際に入院して治療室(治療台11上)に配置される前に案内ユニット25−250−250′を用意することが可能になることである。複数の案内チャネル31を結合要素34とともに凹部270内に配置することが可能であり、カテーテルチャネル32が案内チャネル31を通って、かつ案内開口部26を通って案内ユニット25−250−250′の遠位端まで延在して準備の整った案内ユニットを形成する。この準備の整った案内ユニットは引き続き子宮内チューブ23と共に患者の膣内に挿入することができる。次に、カテーテルチャネル32(支持ワイヤ33を設けられている)は予め位置決めされた案内チャネル31を通って膣の腫瘍組織内の所望の深度および位置へ押し込むことができる。
【0065】
図3bは、図3aの卵形案内ユニット250の断面図である。図3bは、案内チャネル31をその遠位端に設けられた第1の結合要素34とともに示す。第1の結合要素34は卵形案内ユニット250内に存在する凹部270内に収容される。中空カテーテルチャネル32が中空カテーテルチャネル32内に収容されている支持ワイヤ33と一緒に案内チャネル31を通って案内される。中空カテーテルチャネル32を最適に支持するために、支持ワイヤ33は中空チャネル32内に完全に収容されるが、これは支持ワイヤ遠位端33bがカテーテルチャネル遠位端32bに当接することを意味する。
【0066】
また、支持ワイヤ33は、案内チャネル31を越えて、案内穴260を通って、卵形案内ユニット250を越えて腫瘍組織内の模範位置に向けてカテーテルチャネル32を押し込む。
【0067】
本発明の格別の利点は、カテーテルチャネル32を案内しかつ保護する案内チューブ31の使用からもわかる。この新しいアセンブリでは、カテーテルチャネル32は、患者に挿入される前に環状リング25または卵形案内ユニット250,250′と係合している案内ユニット31内の適切な位置にすでに配置されている。
【0068】
利点としては、医師は、アクセスが比較的に少ないかまたは制限されている環境においてカテーテルチャネルの案内ユニット25,250,250′の案内開口部26−260への挿入を試行する必要がないという点である。これは、現在、困難であり、熟練を要し、かつ時間のかかるプロセスであり、患者になんらかの不快感を与えてしまうことがあり得る。本発明のさらなる利点は、ニードルが挿入プロセスにおいて不注意または事故により膣管または子宮頸部を穿孔もしくは損傷する危険がなくなり、そのため患者の安全性が向上する点である。
【0069】
従来は、金属製針がこのタイプのアプリケータに使用されてきたが、それらはMRI(磁気共鳴映像法)と不適合であるという欠点があった。本発明は中空カテーテルチャネル32にプラスチック材料の使用を可能にし、カテーテルチャネル32が案内チューブ31内にあるので保護され、したがって挿入プロセスの際に損傷されたり、ねじれたりする危険性が最小限に抑えられる。支持ワイヤ33を用いると癌領域内の軟質組織内にカテーテルチャネル32を挿入するために必要な堅さを提供するのに役立つ。
【0070】
図1,図5および図6a−6b−6cは本発明の他の態様を示す。
【0071】
これらの図面は、人または動物の体における腫瘍組織の近接放射線照射療法を実施する間質ニードルアセンブリであって、概略を上述したように、案内チャネル近位端31bおよび遠位端31aを有する中空案内チャネル31を結合要素34とともに備える間質ニードルアセンブリを開示する。各間質ニードルアセンブリ29も開放近位端および閉鎖遠位端を有する中空カテーテルチャネル32を備え、その中に支持ワイヤ33が収容される。支持ワイヤ33は、案内チャネル31(および案内ユニット25−250−250′)を通って膣管の腫瘍組織内またはその近傍の、あるいは子宮頸部内またはその近傍の所望の深度および位置に向けてカテーテルチャネル32を挿入するのを支援し、かつ撓みすぎによりカテーテルチャネル32が損傷されるのを防止する。
【0072】
通常、いくつかのカテーテルチャネル32が図1−図3に示されるアセンブリの案内ユニットを介して挿入されるべき正確な位置と深度は、放射線治療を正確かつ効果的に実施するために予め計画されたものであり、患者をできる限り不快にしないようにするものである。カテーテルチャネル32が正確な案内チャネル31を通って正確に、かつ予め計画されたとおり正確な深度で挿入されることが重要である。
【0073】
腫瘍組織の正確な深度に各カテーテルチャネル32を容易かつ正確に挿入するのを手助けするために、本発明によると、図1,図5および図6a−6cに示す挿入器具30が用いられる。挿入器具すなわちユニット30はハウジング40を備える。ハウジング40は案内チャネル31の近位端31bを収容するために配置されている。これまで、案内チャネル31の近位端31bは結合/固定要素35を設けられており、結合/固定要素35は2つの部分35aおよび35bからなる。結合要素部分35bは近位端31bと結合され、雄ねじ(不図示)を設けられており、この雄ねじは連結ソケット35aに設けられた雌ねじと協働する。連結ソケット35aは要素部分35bにねじ込むことができる。
【0074】
要素部分35bはハウジング40の成形部分40bに係合することができる。
【0075】
ハウジング40は空間(open space)40aを設けられ、そこに近位端31bが結合要素35a−35bと一緒に収容される。一方カテーテルチャネル32と支持ワイヤ33は案内チャネル31内に予め位置決めされる。カテーテルチャネル32と支持ワイヤ33の近位端同士はハウジング40の空間40a内に収容され、挿入プランジャ41に支持される。挿入プランジャ41はハウジング40内に移動可能に収容される。
【0076】
挿入プランジャ41は、雄ねじ41aと、プランジャ41のねじ山41aと協働する雌ねじを有する設定ナット43とを設けられている。設定ナット43はハウジング40内のプランジャ41の最大変位を設定するために医師が調整することができる。ここに、ハウジング40には設定ノッチ42が設けられており、設定ノッチ42には、挿入プランジャ41がハウジング40を通ってハウジング部分40bに向かって変位されると、設定ナット43が置かれる。ここに、ハウジング40と挿入プランジャ41は把持要素40cと41bをそれぞれ設けられており、挿入器具30を操作するときに医師の指に十分なグリップを提供する。
【0077】
設定ナット43を用いてハウジング40を通る挿入プランジャ41の最大変位を設定することにより、カテーテルチャネル32および支持ワイヤ33の最大変位、さらに詳しくは、腫瘍組織に対するカテーテルチャネル32の閉じた遠位端32bの最大変位がこれによりカテーテルチャネルの予め計画された深度に従って設定される。挿入プランジャ41には、最大挿入深度を設定するために適切なスケール(例えばミリメートル目盛り)を設けることができる。
【0078】
カテーテルチャネル32が支持ワイヤ33と一緒に腫瘍組織内の所定の深度に挿入されると、案内チャネル31に対してカテーテルチャネル32を固定するために、連結ソケット35aが結合要素部分35bに緊密にねじ込まれることになる。この目的のために、空間40a内にロックナット44が収容され、ロックナット44は連結ソケット35aを越えてずらすことができる。ロックナット44には連結ソケット35aの外側の寸法と適合する内側形状(geometry)を設けられている。
【0079】
ロックナット44を連結ソケット35aの上をずらすことにより、次いでロックナット44を(医師の)手で回動することにより、連結ソケット35aを結合要素部分35bに緊密にねじ込むことができ、それにより案内チャネル31を通るカテーテルチャネル32をしっかりと固定することができる。これにより、案内チャネルおよび案内ユニット25−250−250′に対するカテーテルチャネルの不所望の変位が防止される。
【0080】
次に、挿入器具30が取り外され、案内チャネル31に対して固定されているカテーテルチャネル32から支持ワイヤ33が撤退される。
【0081】
以上、概略を説明したように、カテーテルチャネル32は、今や、エネルギー放出源を収容する役割を果たす。このエネルギー放出源は(後装填装置の)放射線遮蔽コンパートメントから治療すべき腫瘍組織内または近傍のチャネルの閉じた遠位端32bに向かって前進させるものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施するためのアセンブリであって、
腔内部品と少なくとも1つの案内ユニットとを備え、
前記少なくとも1つの案内ユニットは長手軸を有し、前記腔内部品に結合可能であり、
前記少なくとも1つの案内ユニットは前記腫瘍組織に治療を実施する少なくとも1つの間質ニードルアセンブリと連結する連結手段を備え、
前記間質ニードルアセンブリは案内チャネルを備え、前記案内チャネルを通って中空カテーテルチャネルが前記長手軸に沿って移動可能であり、
前記中空カテーテルチャネルは、前記腫瘍組織に治療を実施するために、前記案内ユニットと前記案内チャネルとを越えて前記腫瘍組織内に延在可能であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のアセンブリであって、
前記案内チャネルは前記案内ユニットに解放可能に結合可能である遠位端を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項2記載のアセンブリであって、
前記案内ユニットと前記案内チャネルを結合する前記解放可能な結合手段は、協働するねじ山手段であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項2記載のアセンブリであって、
前記案内ユニットと前記案内チャネルを結合する前記解放可能な結合手段は、バイオネット係合手段であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項1記載のアセンブリであって、
前記案内チャネルは、前記中空カテーテル手段が前記長手軸に沿って移動をしないように固定する手段を設けられた近位端を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載のアセンブリであって、
前記案内チャネルは可撓性のプラスチック材料製であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施するアセンブリであって、
腔内部品と少なくとも1つの案内ユニットとを備え、
前記少なくとも1つの案内ユニットは長手軸を有し、前記腔内部品に結合可能であり、
前記少なくとも1つの案内ユニットは前記腫瘍組織に治療を施す少なくとも1つの間質ニードルアセンブリを連結する連結手段を備え 連結/連結解除目的で、前記連結手段は、前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリに前記長手軸に対して横断する方向に移動することを許容し、かつ前記長手軸に平行な方向に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリが変位するのを防止するように、構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項7記載のアセンブリであって、
前記連結手段は、使用時に前記少なくとも1つの間質ニードルアセンブリの少なくとも一部分を収容する少なくとも1つの凹部を備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項8記載のアセンブリであって、
前記凹部は前記案内ユニットの周面に設けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
請求項8または9記載のアセンブリであって、
前記間質ニードルアセンブリは遠位端を有する案内チャネルを備え、前記遠位端は前記凹部に収容されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項11】
請求項10記載のアセンブリであって、
前記案内チャネルの前記遠位端には前記凹部に係合する第1の結合要素を設けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項11記載のアセンブリであって、
前記凹部は、少なくとも第1の凹部部分を備え、前記第1の凹部部分は第2の凹部部分に連続し、前記第1の結合要素には少なくとも、前記第1の凹部部分と係合する第1の要素部分と、前記第2の凹部部分と係合する第2の要素部分とが設けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
請求項7−12のいずれか一項記載のアセンブリであって、
前記凹部は前記案内ユニットを通る案内穴に連続していることを特徴とするアセンブリ。
【請求項14】
請求項7−13のいずれか一項記載のアセンブリであって、
前記案内ユニットは、前記腔内部品を包囲するリング形状を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
請求項7−13のいずれか一項記載のアセンブリであって、
前記案内ユニットは、前記腔内部品と当接する卵形形状を有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
請求項15記載のアセンブリであって、
前記卵形形状の案内ユニットは、前記腔内部品を収容する少なくとも1つの溝を設けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項17】
人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施する間質ニードルアセンブリであって、
案内チャネル近位端および案内チャネル遠位端とを有し、使用時に、前記案内チャネル遠位端が人または動物の体内の前記腫瘍組織内または近傍に位置決めされる、中空案内チャネルと、
開放近位端と閉鎖遠位端とを有し、前記案内チャネルを通って前記腫瘍組織内またはその近傍の位置に向けて挿入する中空カテーテルチャネルと、
近位端と遠位端とを有し、前記カテーテルチャネルを前記案内チャネルを通って前記腫瘍組織内またはその近傍の前記位置に向かって支持するために前記カテーテルチャネル内に取り外し可能に収容される支持ワイヤとを備え、
前記間質ニードルアセンブリは、さらに、前記中空カテーテルチャネルおよび前記支持ワイヤを前記案内チャネルを通って前記腫瘍組織内またはその近傍の前記位置に向かって挿入する挿入ユニットを備えることを特徴とする間質ニードルアセンブリ。
【請求項18】
請求項17記載の間質ニードルアセンブリであって、
前記挿入ユニットは、前記案内チャネルの前記近位端を収容するように構成されたハウジングを備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項19】
請求項18記載の間質ニードルアセンブリであって、
前記案内チャネルの前記近位端は、前記挿入ユニットの前記ハウジングに係合する結合要素を設けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項20】
請求項19記載の間質ニードルアセンブリであって、
前記結合要素は前記カテーテルチャネルを前記案内チャネルに対して固定するナットとして構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項21】
請求項17−20のいずれか一項記載の間質ニードルアセンブリであって、
前記挿入ユニットは、前記中空カテーテルチャネルおよび前記支持ワイヤを前記案内チャネルを通って変位させるために前記ハウジング内に移動可能に収容された挿入プランジャを備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項22】
請求項21記載の間質ニードルアセンブリであって、
前記挿入プランジャは、前記ハウジングを通る前記プランジャの変位を設定する設定ノッチを設けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項23】
請求項22記載の間質ニードルアセンブリであって、
前記設定ノッチは、前記挿入プランジャに設けられた雄ねじと協働する雌ねじを有する設定ノッチとして構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項24】
少なくとも1つのエネルギー放出源を用いて人または動物の体の腫瘍組織の近接照射療法を実施する方法であって、前記エネルギー放出源は、間質ニードルアセンブリによりカテーテルチャネルを通って前記腫瘍組織内または近傍に位置決めされ、
前記方法は、
a)近位端と遠位端とを有する中空案内チャネルをその遠位端が前記腫瘍組織内または近傍になるように人または動物の体内に位置決めし、
b)近位端と遠位端を有し、支持ワイヤが設けられているカテーテルチャネルをその遠位端で前記案内チャネル近位端を介して前記案内チャネルを通って収容し、
c)前記案内チャネル近位端を挿入器具のハウジングに結合し、
d)前記カテーテルチャネル近位端と前記支持ワイヤ近位端を前記挿入器具の挿入プランジャに結合し、
e)前記挿入プランジャを変位させることにより、前記カテーテルチャネル遠位端が前記人または動物の体内の前記腫瘍組織に対して所定の位置に達するまで、前記案内チャネルを通して前記カテーテルチャネルと前記支持ワイヤとを挿入する
ステップを少なくとも含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法であって、さらに、
f)前記挿入プランジャの前記ハウジングを通る変位を制限することにより前記カテーテルチャネル遠位端の所定の位置を設定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法であって、さらに、
g)前記ハウジングに対して前記挿入プランジャに設定ノッチを設定するステップを含むことを特徴とする方法。



【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−522545(P2012−522545A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502499(P2012−502499)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001893
【国際公開番号】WO2010/112172
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(500321966)
【氏名又は名称原語表記】Nucletron B.V.
【Fターム(参考)】